JPH079362Y2 - 地上コイル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、磁気浮上式鉄道の推進用地上コイルに関する
ものである。

〔従来の技術〕

磁気浮上式鉄道の推進用地上コイルは従来、歩行中の車
両が左右方向に変位した場合の復元機能を備えた案内兼
用コイルであった。そのため、コイル間のケーブル接続
では第３図に示すようにガイドウェイの進行方向に並ん
だ同相コイル間のみでなく、車両を挟んで対向するコイ
ル同士についてもそれぞれをケーブルで接続する必要が
あった。

従って、これらの接続を前堤とした場合、第４図に示す
ような単体の推進案内用コイル及び接続用ケーブルをそ
れぞれ個々に製作し、全て現地において接続作業を施す
必要があった。

ところが、その後の検討で浮上方式の改善により、浮上
用コイルに案内機能を兼用させることが可能であり、従
来の推進案内併用コイルを推進専用コイルとして使用す
ることがシステム構成上、メリットの大きいことが確認
されている。

〔考案が解決しようとする課題〕 浮上式鉄道の軌道全線にわたって必要となる地上コイル
及びケーブルの敷設では、現地での作業を簡易にするこ
とが重要となる。特に、ガイドウェイ内の限られた作業
空間を強いられるコイル間のケーブル接続作業は、極力
省略する必要がある。

また、推進用コイル及びケーブルは高耐圧設計が要求さ
れるため、着脱を前提とした接続構造には、絶縁構成上
の弱点とならないように細心の注意を払う必要がある。
従って、これら接続部分の信頼度を確保するためには、
接続用端末処理に意外なコストがかかるという問題があ
る。

〔課題を解決するための手段〕

推進専用の地上コイルでは、車両を挟んで対向する左右
コイル間で案内用ケーブルの接続が不要となり、第１図
に示すように進行方向に並ぶコイル間のみを接続すれば
よく、コイル間に必要な接続ケーブルは、コイルと一体
で構成することが可能となる。

本考案では、導電体コイルに設けられる２箇所の接続部
分のうち、片側を着脱可能な端子構造とし、片側をケー
ブルとの永久接続とすることにより、コイル及びケーブ
ル敷設時の現地におけるケーブル接続作業の大幅な簡素
化を可能としたものである。

〔作用〕

コイル及びケーブルの着脱箇所を半減させることによ
り、製作コスト及び現地での敷設作業の軽減が可能とな
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面により説明する。

第２図は、本考案による地上コイルの構造を示したもの
である。

モールドコイルの一端を成型により着脱可能な端子構造
とし、他端は成型前にコイル間接続ケーブル６を内部で
永久接続したものである。

このコイル間接続ケーブルは、実際にコイルが配置され
た時に、接続上必要となる長さを自由に選ぶことができ
る。

その際、ケーブル側端子７はコイル側端子５と接続可能
な端末構造としておく必要がある。

〔考案の効果〕

本考案の地上コイルによる主な効果は次のとおりであ
る。

（１）コイル及び接続用ケーブルを一体で構成し、着脱
部位を一端のみにすることにより、これらの現地敷設及
び接続作業を大幅に簡素化することができる。

（２）現地におけるケーブル接続箇所を半減させること
により、信頼性の向上が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、推進専用コイル相互のケーブル配線状態を示
し、第２図は、本考案の実施例による推進専用コイル
で、コイル及びケーブルを一体で構成したものである。
第３図及び第４図は、従来の推進案内兼用方式における
ケーブル配線状態及びコイル単体構造を示したものであ
る。 １……推進専用地上コイル １′……推進案内用地上コイル ２……推進用接続ケーブル ３……案内用接続ケーブル ４……Ｔ分岐接続部 ５……コイル側端子 ６……コイル間接続ケーブル ７……ケーブル側端子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コイル導体を複数回巻回し、巻線方向に沿
   って樹脂モールドした導電体コイルを有する地上コイル
   において、 前記導電体コイルの片側を着脱可能な端子とし、もう一
   方の側を永久接続するとともに、ケーブル側端子を有す
   るコイル間接続ケーブルを具備することを特徴とする地
   上コイル。