JPH0793510B2 - 電磁波遮蔽装置 - Google Patents

電磁波遮蔽装置

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JPH0793510B2
JPH0793510B2 JP2112890A JP11289090A JPH0793510B2 JP H0793510 B2 JPH0793510 B2 JP H0793510B2 JP 2112890 A JP2112890 A JP 2112890A JP 11289090 A JP11289090 A JP 11289090A JP H0793510 B2 JPH0793510 B2 JP H0793510B2
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electromagnetic wave
ferrite
shielding
cylinder
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孝 金田
敏男 加地
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Bando Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、各種電子装置およびその付属部品から生じる
電磁波を遮断し、かつ外部から進入する不要電磁波を遮
断するために、これら電子装置および付属部品に装着さ
れる電磁波遮蔽装置に関する。
従来の技術 各種電子装置やケーブルなどの付属品からは30〜1000MH
zの帯域の電磁波が発生して他の電子機器の電源ライン
や接続ラインなどに侵入し、該電子機器にあつてノイズ
を生じさせる場合がある。電子機器にこのようなノイズ
が混入すると、電子機器が誤動作をしたり、暴走する場
合がある。このような事態を防ぐために、前記電源ライ
ンや接続ラインに電磁波を遮断するシールド材を設ける
ようにしている。
シールド材の第1の従来例はフエライトの焼結品であ
り、ノイズを除去する機能の点から以下フイルタと総称
する。第13図のフイルタ1は、フエライトコアと称さ
れ、直方体状であつてケーブルが挿通する透孔3が形成
され、ケーブル2はこの透孔3を挿通して1回または複
数回フイルタ1に巻回される。すなわちケーブル2が巻
回されたフイルタ1はコイルを構成することになり、フ
イルタ1のインピーダンスを適宜定めることにより、所
定周波数帯域のノイズを遮断するフイルタとして機能す
る。
第14図に示されるような円筒状の焼結体のフイルタ1
は、フエライトビーズと称され、ケーブル2がフイルタ
1内を挿通する。機能は第13図示のフイルタ1とほぼ同
等である。第15図のフイルタ1は、半割れ状の焼結体4,
5を相互に着脱可能に構成し、各焼結体4,5間でケーブル
2を挟持するようにしている。このような構成であつて
も、ケーブル2中の所定周波数帯域のノイズ成分を吸収
することができる。
このようなフエライト焼結品は、フエライト成分すなわ
ち複数種類の酸化金属の組成の選択により所望のノイズ
減衰特性は満足されるが、製造にあたつてたとえば1000
℃以上で焼結するため、製品が硬直であり、しかも複雑
な形状や大サイズ化が困難であるなど、製造できる形状
や寸法に制限が付されており、長尺の製品は製造が困難
である。また製造コストがかんでしまうという課題があ
る。
他の従来例は、熱可塑性高分子材料にいわゆるソフトフ
エライトを混入し、射出成形法により第13図〜第15図に
示すようなコア形状、ビーズ形状などに成形する。この
ような成形品では、成形性を向上するためには、配合さ
れるフエライトの含有量を抑制する必要があり、ノイズ
減衰作用は前記フエライトの焼結体よりも低化すること
になる。また成形性の点で、フエライトの粒径を比較的
大きな数値範囲に選ぶ必要があり、この点においてもノ
イズ減衰特性が低化するとともに、性状が硬直になり、
ケーブルにおける装着部位の形状に対応して変形するこ
とが困難であるなど、使用性が低いという課題がある。
また前記フエライトの粒径および混合量の点で、除去さ
れるノイズの周波数帯域が狭いという問題を有してい
る。
既存品では、特開昭64−41202「ケーブルシールドビー
ズ」に示されるように、600MHz〜1000MHzの周波数範囲
において10dB〜30dBの減衰効果が得られている。このよ
うな減衰効果の状態は、第16図に示す前記公開公報に記
載された減衰特性のグラフに示される。第16図ラインl2
1はケーブルのみの場合であり、ラインl22は前記成形品
で被覆した場合である。一方、このような従来例では、
本件発明者の実験によれば100MHz〜500MHzの周波数帯域
では減衰効果がほとんどないことが確認された。すなわ
ち電子機器に関する電磁ノイズの遮断の点で不充分であ
る。またこのようなシールド材は、床下や壁など屋内で
使用される場合が多く、難燃性が要求されるが、前記公
開公報に記載されたオレフイン系プラスチツクでは難燃
性に欠けるという問題点がある。
第3の従来例は、第17図に示す遮蔽筒体11である。この
ような遮蔽筒体11はジツパチユーブと称され、ポリビニ
ルクロライド(塩化ビニル)のフイルム8に外部からの
信号を遮蔽するための金属化繊維や金属材料から成る細
線を網状に編成した部材または、通常の繊維の表面に金
属めつきまたは金属物質のスパツタリングなどを施した
部材などで網状筒体9を形成し、フイルム8と固着す
る。これを用いてケーブル2を被覆する。この従来例で
は、繊維の網目から電磁波が漏れてケーブル2に侵入
し、またはケーブル2から放射される場合があるという
問題を有している。
第4の従来例は、たとえばPET(ポリエチレンテレフタ
レート)フイルムなどの合成樹脂製フイルムの一方表面
上にアルミニウムや銅などの金属薄膜を蒸着し、他方側
表面に粘着剤を塗布した構成や、導電性を有する合成樹
脂材料から成る導電性テープなどである。この従来例の
構成は第17図示の従来例に類似する。第17図を参照し
て、フイルム8の一方表面には、金属薄膜9aが形成さ
れ、他方側表面には粘着剤層10が形成され、シート状体
11aを構成する。
このような従来例のシート状体11aは、ケーブル2を巻
回して周方向両端部は前期粘着剤層10で貼着される。従
来例のシート状体11aをケーブル2に巻回したとき、シ
ート状体11aの周方向両端部付近の重ね合わせ部分など
で電磁波が漏れまたは侵入してしまう。またこのような
シート状体11aは、シート状または帯状であつても、こ
のような部材をたとえば床下など比較的狭隘な空間でケ
ーブル2に装着する作業をする場合、作業性が悪いとい
う課題がある。またシート状体11aを構成するフイルム
8の材料によつては、前述した難燃性の点で問題を有す
る。
発明が解決しようとする課題 以上のように各従来例では、比較的硬直であつて使用性
が悪く、また柔軟なものでは、難燃性に劣るという課題
を有している。また成形性の点で、配合されるフエライ
トの量の増大やまたは粒径の小径化を図ることができ
ず、吸収されるノイズの帯域に制限があり、電磁波を遮
蔽する作用が不充分であつた。
本発明の目的は、前述の技術的課題を解消し、弾性およ
び柔軟性を有し、難燃性であつて使用性が良好であり、
かつ遮蔽される電磁波の周波数帯域が格段に広い電磁波
遮蔽装置を提供することである。
課題を解決するための手段 本発明は、平均粒径が3〜15μmのMn−Zn系フエライト
粉末60〜85重量%と、難燃性を有するゴム組成物40〜15
重量%とを含む混合材料を押出成形して得られる中空筒
状体から成ることを特徴とする電磁波遮蔽装置である。
また本発明は、前記難燃性を有するゴム組成物が、クロ
ロプレンゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、塩
素化ポリエチレンゴムのいずれかを主成分とするもの、
または難燃剤を配合した天然ゴムもしくは合成ゴムを主
成分とするものであることを特徴とする。
また本発明は、前記中空筒状体の外表面に金属細線で編
成される網状被覆層が形成されていることを特徴とす
る。
作 用 本発明に従えば、平均粒径3〜15μmのMn−Zn系フエラ
イト粉末60〜85重量%と、難燃性ゴム組成物40〜15重量
%とを含む混合材料を押出成形して得られる中空筒状体
から電磁波遮蔽装置が形成される。このような電磁波遮
蔽装置は、難燃性と柔軟性とを併せて有しており加工処
理が容易である。また、フエライトの粒径および含有量
を従来例に比して大きくし、さらにMn−Zn系フエライト
を用いたので遮蔽する電磁波の周波数帯域が、特に周波
数帯域側へ拡大し、電磁波の遮蔽効果を格段に向上して
いる。
本発明に用いるフエライトは、平均粒径3〜15μmのMn
−Zn系フエライトである。フエライトの粉末の平均粒径
が3μm未満であれば、電磁波の遮蔽効果が低減し、15
μm以上であれば物性的に脆くなり、混合ムラを生じ成
型性が低下してしまう。
また本発明において難燃性ゴム組成物に混合するフエラ
イト粉末が60重量%未満であれば、電磁波の遮蔽効果が
失われ、85重量%を超えれば物性的に弱くなり、本件発
明の特徴の1つである柔軟性が失われる。
また本発明に従えば、難燃性を有するゴムは、それ自身
難燃性を有するクロロプレンゴム、クロルスルホン化ポ
エチレンゴム、塩素化ポエチレンゴムのいずれかから選
ばれることが好ましい。また、難燃化剤を配合した各種
成分ゴムまたは天然ゴムも用いられる。このように得ら
れた筒状体は難燃性を有しているので屋内に心配なく用
いることができる。
また本発明に従えば、前記中空筒状体の外表面に、金属
細線で編成された網状被覆層が形成されているので、混
合材料の有する柔軟性を損なうことなく、電磁波の遮蔽
作用および障害となる電磁波の侵入をさらに防止するこ
とができる。
実施例 第1図は、本発明の一実施例の電磁波遮蔽装置である、
遮蔽筒体21の斜視図である。遮蔽筒体21は、例として内
径d1、外径d2、長さL1の直円筒状に形成され、前記口径
d1、d2、および長さL1は、例としてそれぞれ10mm、20m
m、1000mmに選ばれる。本実施例の遮蔽筒体21は、後述
するように、広範な周波数帯域の電磁波に関する遮蔽効
果を有すると共に、可撓性および難燃性を有するもので
ある。
そのような遮蔽筒体21は、難燃性を有する合成ゴムまた
は天然ゴムから形成される。合成ゴムとしてはクロロプ
レンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩
素化ポリエチレン(CPE)などが用いられ、または後述
する難燃化剤を混合したエチレンプロピレンゴム、スチ
レンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリ
ルブタジエン共重合ゴム、およびその水素化ゴム、ポリ
イソプレンゴムなど全ての合成ゴムが使用可能である。
難燃剤には、臭素化難燃剤、塩素化難燃剤および無機系
難燃剤がある。臭素化難燃剤としては、ヘキサブロモベ
ンゼン、ヘキサブロモビフエニルエーテル、トリブロモ
ブエノール、およびテトラブロモビスフエノールAなど
が用いられる。塩素化難燃剤としては、塩素化パラフイ
ンおよび塩素化ポリエチレンなどが用いられる。また無
機系難燃剤には三酸化アンチモン、アンチモンナトリウ
ム、ジルコニウム化合物、水酸化アルミニウムおよびホ
ウ素化合物などが挙げられる。このような難燃化ゴムに
補強剤としてカーボブラツクを配合し、これにフエライ
トの粉末を混合し、この混練ゴムをゴム用押出機にて筒
状に押出成型し、加硫する。このようにして、第1図示
の遮蔽筒体21が得られる。
通常の電子機器から漏洩する電磁波は、30MHz〜1000MHz
の周波数帯域であり、この周波数帯域で磁気損失の大き
な強磁性材料としてMn−Zn系フエライトがある。このよ
うなMn−Zn系フエライトとして好適には、MnO30〜70重
量%、ZnO10〜40重量%、Fe2O310〜60重量%の組成のフ
エライトを用いる。このようなフエライト自身の磁気損
失効果を比較的高く維持し、かつ難燃化ゴムの強度を損
なわない点から鑑みて、平均粒径3μm〜15μmのもの
を用いるようにする。このようなフエライトの粉末が混
合された混練ゴムを、前述したようにゴム用押出機にて
筒体状に押出成型し、加硫して前記遮蔽筒体21を形成す
る。
第2図は本発明の第2の実施例の遮蔽筒体21aの斜視図
である。本実施例の遮蔽筒体21aは、例として第1図示
の遮蔽筒体21と類似形状および類似成分組成の筒体本体
22および被覆体23とを含んで構成される。被覆体23は、
アルミニウム、鉄、ステンレススチールなどの金属材料
を線状にし、バイアス編みに編成して、得られた網状体
を前記被覆体23として用いる。したがつて被覆体23は筒
体本体22の前記実施例において説明した柔軟性などを損
なう異なく、電磁波の遮蔽効果および障害電波の侵入防
止効果を向上することができる。
第4図はプリンタ24を備えるコンピユータ本体25の全体
の構成を示す系統図である。コンピユータ本体25は、一
端がプラグ28に接続された電源ケーブル26の他端と、コ
ネクタ29を介して接続される。またプリンタ24は、両端
にコネクタ31,32が接続された接続ケーブル27を介し
て、コンピュータ本体25と接続される。コンピユータ本
体25、プリンタ24、電源ケーブル26、接続ケーブル27お
よびコネクタ29,31,32からは、第4図に矢符で示すよう
に、中空に電磁波が放射される。
本実施例の遮蔽筒体21,21aは、電源ケーブル26および接
続ケーブル27の全長において発生し、漏洩する電磁波を
遮蔽しようとするものであり、コネクタ29〜32および接
続ケーブル27においても、局所的に発生される電磁波を
合わせて遮蔽しようとするものである。
第5図は、本実施例で用いられるフエライトの磁性的性
質を説明するグラフである。本実施例に用いるフエライ
トは、遮蔽すべき電磁波の磁界Hの強さが比較的低いこ
とから鑑みて、そのような強度の電磁波を良好に吸収す
るために、フエライトの磁束密度Bの変化曲線l15,l16,
l17における初透磁率μが可及的に大きい種類が望ま
しい。またさらに好ましくは、電磁波が放射されている
環境下で電磁波遮蔽に用いられた本実施例の遮蔽筒体2
1,21aが、磁界除去後にフエライトに起因する磁力が生
じないように残留磁束密度Brが0または可及的に小さい
ことが望ましい。しかしながら、本発明に用いられるフ
エライトに本質的に重要な要素は前記初透磁率μであ
り、残留磁束密度Brは本件実施例の遮蔽筒体21,21aの実
際使用上の使用性の点で要求されるのみであり、本件発
明の本質には特段の関係は有していない。
第6図は、前記遮蔽筒体21,21aの電磁波遮蔽特性を測定
する構成の系統図である。遮蔽特性の測定は、予め定め
られる波形の信号を所定の周波数範囲にわたつて発生で
きる信号発生装置33と、この信号発生装置33に接続ケー
ブル27を介して接続されている信号解析装置34とを用い
る。すなわち信号発生装置33によつて接続ケーブル27に
一端から供給された信号が、接続ケーブル27の他端にお
いて表れる状態を観察する。
以下に遮蔽筒体21の数例の実験例を示す。この実験例で
は、フエライトの組成平均粒径、比重は下記第1表の通
りであり、クロロプレンゴムに複数種類の添加剤を配合
したマトリツクスゴムの組成は、下記第2表の通りであ
る。
このようにして得られたフエライトとマトリツクスゴム
とを用いて下記第3表に示す5例の組成比の混合物を形
成し、この混合物を直円筒状に押出成型し、加硫して遮
蔽筒体21を形成した。この遮蔽筒体21に対して、日本工
業規格JISK6301の規格に基づいて、破断時強度および破
断時伸び率を測定した。これは得られた遮蔽筒体21のた
とえば、はさみやナイフなどによる切りやすさおよび柔
軟性を測定するものである。柔軟性の評価基準として、
曲げ加工のために必要な周知の破断伸び100%を採用す
る。
実施例1 第2表に示す組成のマトリクスゴム100重量部と、第1
表に示す組成のフエライト160重量部(62重量%)とを
用いて第1図示の遮蔽筒体21を製造した。この実施例に
おける遮蔽筒体21の物性に関する前記検査を行つたとこ
ろ、破断時強度43kg/cm2で破断時の伸びは270%であつ
た。したがつて比較的柔軟な物性の遮蔽筒体21が得られ
たことになる。またこの遮蔽筒体21の電磁波の遮蔽能力
に関して、前記第6図を参照して説明した試験法にて試
験を行つた結果、第7図に示すようなグラフが得られ
た。第7図ラインl1は、遮蔽筒体21を装着していない接
続ケーブル27のみで検査を行つた場合であり、ラインl2
は接続ケーブル27に遮蔽筒体21を装着した場合の結果を
示している。
すなわち遮蔽筒体21を装着した場合、200MHz付近で接続
ケーブル27単体の場合よりも信号の減衰が大きくなり始
め、400MHz付近では約10dBの減衰量の増大を示してい
る。これは第16図に示した従来例の減衰の特性が600MHz
を超えて初めてケーブルのみの場合よりも減衰の程度が
大きくなる特性であるのに比べ、電磁波を遮蔽する程度
が増大しており、またその帯域が低周波数側へ拡大して
いる。
実施例2 前記第2表に示す組成のマトリクスゴム100重量部と第
1表に示す組成のフエライト300重量部(75重量%)と
の混合物を用いて遮蔽筒体21を製造し、第1実施例と同
様な特性の試験を行つた。破断時強度は43kg/cm2であ
り、破断時の伸びは215%であつた。この場合も比較的
柔軟な物性が得られていることが判る。また信号減衰の
試験は第1の実施例と同様に行い、その結果は第8図の
グラフに示されている。第8図ラインl3は接続ケーブル
27のみの場合であり、ラインl4はケーブル27に遮蔽筒体
21を装着した場合である。
この実施例では、100MHz付近から遮蔽筒体21による信号
減衰の効果が現れ、その効果は周波数が増大するに従つ
て漸増している。このような実施例も従来例に比較し、
格段に低周波数帯域側において、電磁波の吸収を良好に
行う特性が示されている。
実施例3 第2表に示す組成のマトリクスゴム100重量部と第1表
に示す組成のフエライト550重量部(85重量%)とを用
いて、遮蔽筒体21を製造した。この遮蔽筒体21に対し
て、前記実施例と同様な物性の試験を行つた。これによ
れば、破断時強度は22kg/cm2であり、破断時伸びは140
%であつた。この場合も比較的良好な柔軟性を示してい
る。一方、電磁波の吸収に関する試験の結果は、第9図
のグラフに示される。ラインl5は接続ケーブル27のみの
場合であり、ラインl6は遮蔽筒体21で被覆した場合であ
る。この実施例は50MHz付近から遮蔽筒体21による電磁
波の吸収が見られ、しかも周波数が増大するに従い、そ
の吸収効果は急激に増大しており、200MHz付近で接続ケ
ーブル27単体の場合と比較して約10dBの減衰量の増大を
示している。
対比例1 第2表に示す組成のマトリクスゴム100重量部と第1表
に示す組成のフエライト100重量部(50重量%)を用い
て遮蔽筒体を形成した。形成された遮蔽筒体21に体する
前述したような物性の試験を行うと、破断時強度は100k
g/cm2であり、破断時の伸びは350%であつた。これは前
記実施例1〜3よりも柔軟かつ強靭な物性になつている
ことを示している。一方、電磁波の吸収に関する試験を
行うと、その結果は第10図に示されるものとなつた。第
10図ラインl7は接続ケーブル27のみの場合であり、ライ
ンl8は遮蔽筒体を装着した場合である。この比較例では
200MHz付近から遮蔽筒体21による電磁波吸収効果が現れ
始めるものの、その程度は微小であり、700MHz〜800MHz
付近で数dB程度である。すなわち遮蔽筒体21においてフ
エライトの含有量が60%未満になると、電磁波の吸収性
能が大幅に低下してしまうことが判る。
対比例2 前記第2表に示すマトリクスゴム100重量部とフエライ
ト650重量部(87重量%)で遮蔽筒体を形成した。この
遮蔽筒体に対して前記実施例と同様な物性試験を行う
と、破断時強度は16kg/cm2であり、破断時の伸びは90%
を示した。この対比例では、柔軟性がきわめて失われ、
遮蔽筒体21を屈曲しようとすると破損する事態となる。
以上の実施例1〜3および対比例1,2から、本発明の遮
蔽筒体21を形成するにあたつて、フエライトの含有量は
60〜85重量%の範囲に選ばれることが望ましいことが判
る。またフエライトの粒径について、本件発明者の実験
によれば、粒径が15μmを超えれば、押出し成型時にフ
エライトのマトリクスゴム中における分散にむらを生
じ、表面性状は年輪状の模様を生じ、また物性は脆くな
り、成型性が劣化してしまうことが確認された。
また粒径が3μm未満では、前述したような電磁波吸収
試験を行つたところ、接続ケーブルのみの場合に対し、
200〜400MHzの周波数帯域で4〜6dBの吸収性能しか見ら
れず、500MHz〜1000MHzの周波帯域で20〜50dBの減衰が
見られた。したがつて本件発明の目的の1つとする遮蔽
される信号周波数帯域の拡大、とりわけ低周波数領域へ
の拡大の点で、きわめて不充分な性能である。したがつ
てフエライトの平均粒径は3〜15μmの範囲内に選ばれ
ることが望ましい。
本件発明者は、本発明に用いられる難燃性ゴムに対し
て、日本工業規格JIS K 6324に準拠した方法にて難
燃性試験を行った。これは試料を所定時間バーナの炎中
に置き、炎を取除いた後、試料からの炎の持続時間を測
定する試験であり、持続時間1分以内であれば難燃性と
評価する。用いた試料は、下記第4表に示す実施例4〜
実施例7と対比例3である。
第4表の実験結果に示されるように、実施例4〜実施例
7のゴムはいずれも難燃性を有することが確認された。
上述のようにして第1図の遮蔽筒体21の製造条件が設定
されたが、遮蔽筒体21が実現する電磁波の遮蔽能力をさ
らに向上するために、第2図示のような遮蔽筒体21aを
形成する。遮蔽筒体21aは、例として前記第2表の組成
を有するマトリクスゴム100重量部と第1表の組成を有
するフエライト400重量部(80重量%)とから筒本体22
を形成した。筒本体22に関して、前記各実施例で説明し
た物性試験を行つたところ、破断時強度は31kg/cm2であ
り、破断時伸びは180%であり、良好な柔軟性を有する
ことが確認された。
このような筒本体22に対して網角度54度、線径0.2〜0.3
mmφで線材料は、アルミニウム、鋼線(亜鉛クロメート
めつき)あるいはステンレススチールなどのいずれかか
ら成る網状の被覆体23で被覆して、遮蔽筒体21aを形成
した。このような遮蔽筒体21aに関して、前述の各実施
例で説明したような電磁波の吸収性能を試験した。この
結果は、第11図に示される。第11図のラインl9は接続ケ
ールブル27のみの場合であり、ラインl10は接続ケーブ
ル27を筒本体22のみで被覆した場合であり、ラインl11
は接続ケーブル27を筒本体21aので被覆した場合であ
り、ラインl12は接続ケーブル27を遮蔽筒体21aで被覆し
かつ被覆体23を接地した場合である。
この例では、筒本体22を被覆体23で被覆した方が電磁波
の級数の程度が大きく、かつラインl11の場合には100MH
z付近から遮蔽筒体21aの電磁波吸収効果が現れているこ
とが判る。
以上のように各実施例において難燃性を有し、かつ柔軟
であり、電磁波の吸収性能が従来品よりも大きく、しか
も吸収される信号の周波数帯域が拡大され、しかも低周
波数帯域側に拡大された遮蔽筒体21,21aが得られた。ま
た遮蔽筒体21および、被覆体23を設ける場合の筒本体22
は比較的柔軟であり、しかも第1図に示すように比較的
長尺に製造することが容易である。したがつて電源ケー
ブル26や接続ケーブル27を必要な場合には全長にわたつ
て被覆することができ、ノイズの放射や侵入を良好に防
止することができる。
また遮蔽筒体21は柔軟であり、プラグ28やコネクタ29〜
32など、接続ケーブル27よりも大径の部品や変形の部品
であつても、この遮蔽筒体21で被覆することができる。
また遮蔽筒体21は長尺に製造され得るので、このような
遮蔽筒体をカツタやはさみなどで作業に必要な長さに適
宜切断して施工することができる。この点で遮蔽筒体21
は、きわめて使用性に富んでいる。
本発明は、筒状の遮蔽筒体21,21aとして説明したけれど
も、本発明の実施例はこのような筒状体に限らず、平面
状のシート体または帯状体として実現されてもよい。さ
らに、他の例を第12図に示す。コンピユータ本体とプリ
ンタなどとを接続するに用いる複数のリード線が合成樹
脂材料により相互に並列に配列された状態で帯状にモー
ルドされた多心ケーブル25を被覆して遮蔽作用を行うよ
うに、長手方向と直交する断面が偏平な矩形環状となる
ように形成された遮蔽筒体26を用いる。
また本件発明の電磁波遮蔽装置を形成する素材は、前記
各実施例に限定されるものではなく、本件発明の精神の
範囲内で広範な変形例を含むものである。
発明の効果 以上のように本発明によれば、電磁波遮蔽装置はMn−Zn
系フエライト粉末と難燃性を有するゴム組成物との混合
材料を押出成形して得られる中空筒状体で形成されてい
るので、広い周波数帯の電磁波を効率よく遮蔽できる。
しかも、遮蔽される周波数帯域が、特に低周波数帯域側
に拡大される。また、本発明の電磁波遮蔽装置は、柔軟
性で加工し易く、施工対象の形状に応じて汎用性を有す
るものである。また、室内に用いて防火の点で安全であ
る。
また本発明によれば、前記中空筒状体の外表面が、金属
細線で編成された網状被覆層で覆われている構成となつ
ているので、混合材料の有する柔軟性を有したまま、電
磁波の遮蔽作用および障害となる電磁波の侵入をさらに
防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の遮蔽筒体21の斜視図、第2
図は遮蔽筒体21aの斜視図、第3図は第2図の切断面線I
II−IIIから見た断面図、第4図は本発明の利用分野を
説明する系統図、第5図は本発明に用いられるフエライ
トの磁性的特性を説明するグラフ、第6図は本発明にお
ける電磁波吸収性能の試験を行う構成の系統図、第7図
〜第9図は本発明の各実施例の電磁波吸収性能を説明す
るグラフ、第10図は対比例1の電磁波吸収性能を説明す
るグラフ、第11図は遮蔽筒体21aの電磁波吸収性能を説
明するグラフ、第12図は本発明のさらに他の実施例の遮
蔽筒体26の斜視図、第13図〜第15図は典型的な従来例の
フイルタ1の外観を説明する斜視図、第16図は従来例の
電磁吸収性能を説明するグラフ、第17図は他の従来例の
構成を説明する斜視図である。 21,21a……遮蔽筒体、22……筒本体、23……被覆体、26
……電源ケーブル、27……接続ケーブル、28……プラ
グ、29〜32……コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−98200(JP,A) 特公 昭56−10766(JP,B2) 特公 昭53−17750(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が3〜15μmのMn−Zn系フエライ
    ト粉末60〜85重量%と、難燃性を有するゴム組成物40〜
    15重量%とを含む混合材料を押出成形して得られる中空
    筒状体から成ることを特徴とする電磁波遮蔽装置。
  2. 【請求項2】前記難燃性を有するゴム組成物が、クロロ
    プレンゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、塩素
    化ポリエチレンゴムのいずれかを主成分とするもの、ま
    たは難燃剤を配合した天然ゴムもしくは合成ゴムを主成
    分とするものであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の電磁波遮蔽装置。
  3. 【請求項3】前記中空筒状体の外表面に金属細線で編成
    される網状被覆層が形成されていることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項または第2項に記載の電磁波遮蔽装
    置。
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