JPH0793421B2 - 静電誘導形半導体素子とその製造方法 - Google Patents
静電誘導形半導体素子とその製造方法Info
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- JPH0793421B2 JPH0793421B2 JP3044519A JP4451991A JPH0793421B2 JP H0793421 B2 JPH0793421 B2 JP H0793421B2 JP 3044519 A JP3044519 A JP 3044519A JP 4451991 A JP4451991 A JP 4451991A JP H0793421 B2 JPH0793421 B2 JP H0793421B2
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Description
で且つ高効率のスイッチング半導体素子である、静電誘
導形サイリスタ及び静電誘導形トランジスタにおいて、
高速スイッチング性能と、ゲート耐圧性能との両方を損
なうことなくゲート・チャンネル付近を構成する静電誘
導形半導体素子に関するものである。
リスタとも言う)や静電誘導形トランジスタ(SIトラ
ンジスタとも言う)の単位セグメントの断面図を図1
(a),(b),(c)に示す。図1において、1 はカ
ソード電極(ソース電極)、2はゲート電極、3はアノ
ード電極(ドレイン電極)、4はn+ 拡散層のnエミッ
タ(ソース)、5はエピタキシャル成長層内n- 層、6
はp+ 拡散層のpベース、7はn- 型あるいはi型の基
板、8はp+ 拡散層のpエミッタ(ドレイン)、9は二
酸化珪素(SiO2)の絶縁層、10はnチャンネル、11はエ
ッチングによる削除域、12はエピタキシャル成長層、13
はゲート近傍の静電容量、14はpベース・nエミッタ間
抵抗rs であり、括弧内は静電誘導トランジスタでの呼
び名を示す。以下の記載では、説明の簡略化のために、
静電誘導サイリスタの場合について説明する。
文献として、下記のものを用いた。 図1(a) 村岡他「1600V,300ASIサイリスタの特性」 電気学会資料EDD-88-56,SPC-88-54,67(1988) 龍田他「高周波バワーSITの特性」 電気学会資料EDD-87-68,SPC-87-52,61(1987) 図1(b) H.Gruening.et.al. 「Field Controlled Thyristors a
New Family of PowerSemiconductors with Advanced Ci
rcuitry」 Conf. Rec. PESC '88, 1311 (1988) 特公昭56-26148号公報 第1,2,3,6(c)図 特公昭56-41165号公報 第14, 16図 特公昭62-21275号公報 第7(a)図 J.Nishizawa.et.al.IEEE Trans. Electron Devices ED-
22, pp185-195(1975)Fig.28 図1(c) 只野他「短絡構造SIサイリスタのスイッチング特性」 電気学会資料EDD-90-59,SPC-90-58 (1990)
静電誘導サイリスタの長所と短所とを説明すると次の如
くである。
し、カソード側にn- エピタキシャル層12を成長させ、
エッチングにより×印部分11を除いてある。長所とし
て、カソード・ゲート間のエピタキシャル層12の厚さを
取れるので、ゲート・カソード耐圧を高くすることがで
きる(70〜200V)ため、製造歩留りが高く、また、カソ
ードを圧接しシールに組み込むこともでき、ハイパワー
のスイッチング素子として使えることが挙げられる。し
かし、短所として、このタイプはエピタキシャル層12の
厚さをパワー用に厚くするが、エピタキシャル成長時に
pベース層6や基板7からのアウトディフュージョン
で、高抵抗の安定したn- 層5を形成することが難し
く、通常はNB =1〜4×1015cm-3程度で形成される。
それ故ゲート・カソード間に形成される静電容量C
g (階段接合の場合)は、 Cg ={(qε0 εs NB ) /2(Vbi−V)}1/2 で表され、ここで、ε0 は真空の誘電率、εs は珪素
(Si)の比誘電率、NB はエピタキシャル層内のn型不
純物濃度、Vbiは内蔵電位、V は逆バイアス(マイナ
ス)、である。この静電容量は、理想的にn- 層を高抵
抗化、すなわちi層化(例えばNB ≦1×1013cm-3)し
た場合に比べて大きくなる。すなわち、静電誘導サイリ
スタをオン状態にする際、静電誘導効果の限界を与える
充電時間(時定数)τ=Cg ×rs が大きい。ここで、
rs はnエミッタ4とpベース6間の通電時の抵抗を示
す。RC回路系に流れる電流は、i=(V0 /rs )ex
p(−t/ε)で示され、ここで、V0 は充電電圧、tは
時間を示す。それ故、このタイプはエピタキシャル層12
の厚さが厚くなればなるほど、ターンオンタイムが顕著
に伸び、低速装置化する。また、エピタキシャル層12を
厚くすることにより、カソードの微細化が難しくなり、
電流導通域であるチャンネル10を多くとるため、ゲート
電極2から電流を引き出すのに遅れが生じる単位セグメ
ントの中央域ができる。つまり、ターンオフ性能も制限
を受けるので、エピタキシャル層12があるためパワーデ
バイス向けではあるが、高速性能は大きくは期待できな
い。
し、n- 基板7上をドライエッチングで切り込んで、縦
方向に長いチャンネル10が形成されている(〜25μm)。
このタイプは、微細加工を実施すれば高速化ができる
が、チャンネルが縦方向に長いだけオン特性には不利で
あると同時に、nエミッタ4面と同一平面上にpベース
6との接合ができていることと、ゲート逆バイアスによ
り素子をオフ状態にするのに、チャンネル幅を取れない
(例えば5μm 以上)ため、pベース層6とnエミッタ
層4とを近接させねばならず、それぞれの高い不純物濃
度が接するようになるので、不純物濃度勾配が大きいn
+ p+ 接合になるため、プレーナー接合カソード・ゲー
ト逆方向耐圧は7〜15V程度しか取れない。これはプレ
ーナー型特有のことであり、図2(c)との共通の問題
であって、製造上、均一に安定したカソード・ゲート耐
圧を得ることが難しく、低耐圧が故に装置組み込み時に
スパイク電圧等で破壊し易いのが欠点となっている。
ぼ同一平面上にカソード電極1とゲート電極2とを設け
る。長所として、ゲート・カソード間に形成される静電
容量Cg が小さく、オン性能が最も優れている。一般的
に、サイリスタでオフ性能を向上させるには、アノード
ショート率を増加させたり、ライフタイムコントロール
を用いるが、そうするとオン性能は低下する。しかし、
オン性能が優れている装置のオフ性能を向上させても、
オン性能に変化は少ないか、無視できる位となる。「プ
レーナー型」はカソード側を最微小化もでき、電流通電
面積も大きく取れて面積利用率も高い。また、チャンネ
ルのすぐ隣にゲート電極を配置でき、電流のゲート電極
への引き出し抵抗が低く、ターンオフのオフ性能も優れ
ている。しかし、短所として、図1(b)と同じく、n
エミッタ層4とpベース層6とが不純物濃度勾配の大き
いプレーナー接続となっているため、カソード電極1,
ゲート電極2間の耐圧がせいぜい15V程度にしかならな
い。それ故、先と同じく歩留りの面や、使用時に破壊し
易い点で問題がある。
の静電誘導形サイリスタの各型の長所を生かし、欠点を
軽減して、良好な性能を有する静電誘導サイリスタを得
ようとするものである。
型」では、ゲート・カソード間が、p+ n- n+ 型であ
るが故に厚く、スイッチング時に静電誘導効果に限界を
与える点を改善し、逆にエピタキシャル成長層12を設け
ることににりゲート・カソード間逆方向耐圧を高くする
ことができ、且つパワーデバイス向けである長所を活か
すようにする。
では、チャンネルが長くオン性能に不利な点と、nエミ
ッタ4面と同一平面上にpベース6との接合ができてい
る故に(プレーナー接合)、ゲート・カソード間逆方向
耐圧が〜15V程度にしかできない点、つまり、製造上の
不安定さと応用上の破壊し易い点を改善する。
nエミッタ4とpベース6とが不純物濃度勾配の大きい
プレーナー接合故に、ゲート・カソード間逆方向耐圧が
15V程度にしかできないと言う「切り込みゲート型」と
同じ欠点を改善する。しかし逆に、ゲート・カソード間
の静電容量Cg や、nエミッタ4とpベース6間の通電
時抵抗rs が最小でオン性能が優れている点、及びチャ
ンネルがpベース層を介してオフ時に電流を引き出し易
いと言ったオフ性能にも有効である点、更にカソード側
が最微小化構造をとれるために面積の有効利用ができる
点を活かす。
半導体素子は、前記埋め込みゲート型素子の単位セグメ
ントの短幅側の寸法を、ゲート拡散深さやゲート,カソ
ード電極の大きさなどで制限を受ける最小幅に微細化
し、ゲート電極用拡散層に最も近接する主電極の不純物
拡散層とこれに対向するゲート電極用拡散層表面間を1
〜2μm に近接させ、それらの間にp型,n型不純物が
ほぼ等量ずつ混在するi型高抵抗層を設け、またゲート
電極用拡散層により半導体基板内に発生する電位のピー
ク位置(真のゲート)近傍のチャンネル領域にも、前記
i型高抵抗層と同等な高抵抗層を設け、更にチャンネル
領域を、表面ゲート型の如く、単位セグメントの長手方
向に沿ってストライプ状に設け、ゲート引き出し電極を
その両側に可能な限り近接して設置したことを特徴とす
るものである。上記の如き本発明による静電誘導形半導
体素子の製造方法は、ゲート電極用拡散層に最も近接す
る主電極の不純物拡散層をこれに対向するゲート電極用
拡散層表面間上にそれぞれ同等の逆の導電性の不純物濃
度で接触するようにエピタキシャル成長により形成し、
その接触面部分にp型,n型不純物がほぼ等量ずつ混在
した1〜2μm 厚さのi型高抵抗層ができるようにゲー
ト電極用拡散層の不純物と逆の不純物を拡散し、これに
よりゲート電極用拡散層により半導体基板内に発生する
電位のピーク位置(真のゲート)から最も近接する主電
極用拡散層までのチャンネル領域にも、前記ゲート埋め
込みエピタキシャル成長で形成する際、エピタキシャル
成長中にゲート電極用拡散層表面からアウトディフュウ
ジョンするp型,あるいはn型不純物をも利用して前記
i型高抵抗層と同等な高抵抗層を設けることを特徴とす
るものである。また、チャンネル領域に最も近接する主
電極の拡散層の内、チャンネル領域に対向する境界中央
部を真のゲート側に向け深く形成すると一層効果的な静
電誘導形半導体素子とすることができる。
素子の製造方法の特徴を箇条別に列挙すれば、次のよう
になる。特にターンオン性能を向上させるために、ゲー
ト・カソード間の充電時間に対応する時定数 τ=Cg
×rs を低減するのに、「プレーナー型」の如く「埋め
込みゲート型」のような抵抗rs をほとんど含まずに、
静電容量Cg を抑えること。ターンオフ性能、ターンオ
ン性能を共に向上させるために、チャンネルすなわちp
ベース層・ゲート電極間の抵抗を低くし、ゲート電流の
制御性能を上げる。このため、「プレーナー型」並みの
薄いpベース層の拡散深さを用い、カソード・ゲートの
配置を微細構造化すること。パワーデバイス向けとし
て、「プレーナー型」より数段高い安定したゲート・カ
ソード間逆方向耐圧を確保するために、「プレーナー
型」と同様に「ストライプ状チャンネル」をエピタキシ
ャル成長で埋め込む。これにより「埋め込みゲート型」
となるが、pベース層とnエミッタ層間に発生する静電
容量を少なくするために、この埋め込みエピタキシャル
成長時にチャンネル付近をi層化し、且つ不純物濃度勾
配を有するpベース層とnエミッタ層とを不純物濃度が
1015cm-3以下の状態で接触させることで、接合部に対し
高抵抗のi層化を実現すること。
め込みゲート型」との長所を組み合わせて、短所を相殺
する接合形成を有する「プレーナーライクストライプ型
静電誘導デバイス」を実現する。尚、pベース層を形成
するにあたり、エピタキシャル成長前に二酸化珪素(Si
O2)選択マスクを用いて、p+ 不純物(例えば硼素)を
拡散するが、従来の埋め込みゲート方式に比べて厚さを
薄くでき、同じ拡散量だと後の拡散で深さが決まったと
きに、この方式ではpベース層の平均濃度を高くできる
ので、更に静電容量Cg は低減する。
2(Vbi−V)}1/2 において、 Vbi=(kT/q)ln{NB ×NPB/ni 2} であり、ここで、ni は室温における真性キャリア濃度
で、1.45×1010cm-3であり、NPBはpベースの不純物濃
度であって、NPBが上がるのでVbiが上がり、式にお
いてはCg が逆に下がることになる。
電誘導形半導体素子と比較しながら、図2〜図5に基づ
いて説明する。図中の各符号は図1の符号と同じ部分を
示し、5′はi層化したエピタキシャル成長層である。
図2〜図5中の(ア)は単チャンネルに注目したカソー
ド側の断面図で、(イ)は(ア)図の各深さdに対応し
た、公知の拡がり抵抗法による抵抗値(SR値)の指数関
数的分布を示す。抵抗値Rと有効な不純物濃度とは逆比
例の関係があり、Rが増加すればi層すなわちintrinsi
c 層化し、電位が加えられると空乏層が拡がり易くな
り、また電位がほぼ均等にかかるようにもなり、空乏層
の静電容量が下がることになる。
のチャンネル部分のみを記したモデルである。従来この
タイプでは、エピタキシャル成長時の熱印加等により、
pベース層6の不純物がエピタキシャル成長層へ熱拡散
されることもあり、pベース層6の厚さは10数〜20数μ
m であり、図4の表面ゲートのほぼ5μm 程度の厚さに
比べて厚くなっている。また、ゲート・カソード間の逆
方向耐圧を確保するため(70〜200V)に、pベース層6
とnエミッタ層との間にエピタキシャル成長層のn層
(抵抗率1〜5Ω−cm)を厚く設けている。このタイプ
は図1(a)に示したように、通常はチャンネルを多数
配置することにより、面積効率を上げる手段が用いられ
ている。通常このタイプでは各不純物を拡散した面がエ
ピタキシャル成長中に露出するため、高抵抗のi層のエ
ピタキシャル層を均等に成長させることは非常に難し
い。このタイプの深さ方向拡がり抵抗(SR)分布を見る
と、高抵抗化した領域がpベース層の端部に(P1及びP
2)二点現れていることに気付く。ここは、pベース層
のp型の不純物と基板あるいはエピタキシャル成長層の
n層のn型不純物がほぼ同量存在し、p型あるいはn型
不純物の影響が薄れて、真性(intrinsic)になった領域
なのである。
ミッタ層6とnベース層4との間にi層を形成して作る
ことができたなら、静電容量Cg と、これと並列に存在
するのと等価であるnエミッタとpベースとの間の抵抗
rs とが僅かに存在するだけで、時定数τの小さい高速
装置が実現できる筈であるが、前記の通り高抵抗のi層
のエピタキシャル層を均等に成長させることは非常に難
しく、不可能と言ってもい。実際には、i層は薄い程抵
抗rs が小さいので良好な特性を得ることができる。ま
た、「埋め込みゲート型」を作るにあたり、真のゲート
の横からnエミッタ4に至るまでのチャンネル領域の
内、エピタキシャル成長初期に形成される領域は、実際
にはエピタキシャル成長中にp型の不純物がエピタキシ
ャル成長の対象物から飛び出して、エピタキシャル成長
層に取り込まれるオートドーピング現象で、エピタキシ
ャル層がp型に反転するのを抑えるためにn型不純物で
補償するので、やはりi層化している。
シャル成長n層との境界に発生する1〜2μm の高抵抗
層と、チャンネル部の高抵抗層とを、カソード側の微細
加工と併せて積極的に利用し、図4に示した「プレーナ
ー型」のように、オン・オフ特性共に優れた性能を維持
しつつ、ゲート・カソード間の耐圧が50〜70Vと必要に
して十分な値を得ることができるような、静電誘導形半
導体素子の構造を提供する。すなわち図5に示す構造が
本発明による静電誘導形サイリスタの一実施例の構造で
あり、図2の従来の「埋め込みゲート型」に比して同面
積中に占めるチャンネル領域が多く取れ(表面ゲート型
よりは少ない)、pベース層6とnエミッタ層4間が数
μm の、拡散及びエピタキシャル成長を利用した高抵抗
層5′で形成されるため、静電容量Cg が小さく、且つ
抵抗rs が無視できる程小さいのでターンオンが「表面
ゲート型」並みに速く、ゲート電極2がチャンネルに近
いためターンオン及びターンオフ共に高速で、パワーデ
バイスの高周波動作に適した構造となっている。
層を介してp−i−n構造となっているため、キャリア
はnエミッタ層からチャンネルへ高速度で入り、チャン
ネルを過ぎるまで電流Iは次式の如く理想的に高速で流
れると考えられる。 I=q(kT/2πmn)1/2nk exp{−(φ−qVG(0))/kT} ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、φは拡散
ポテンシャル、nkはカソード領域の自由電子密度、q
は電荷量、mn は電子の有効質量、VG(0)は真のゲート
の電位を示す。
周辺の製造方法について図11を用いて説明する。図11
(a)〜(e)はエピタキシャル成長からメサエッチン
グ加工までの各工程における断面を順に示すものであ
り、また(c′)と(c″)及び(d′)と(d″)は
それぞれ(c)及び(d)におけるx1 及びx2 方向の
不純物濃度N(cm3) と抵抗値rs を示している。
硼素濃度2×1019(cm-3) で、チャンネル部10を選択的
に除いて、拡散により設けた状態である。
(HCl)ガスも導入して表面を清浄化して、キャリアガス
として水素(H2)ガスを用い、四塩化珪素(SiCl4)、ホ
スフィン(PH3)によるエピタキシャル成長法に従い1180
℃にて、0.18μm/分の成長速度で抵抗率4Ω−cmのn-
エピタキシャル成長を4μm行う。この成長中、基板の
pベース層6から外に硼素(へ)粒子がアウトディフュ
ージョンし、エピタキシャル成長層がp反転するのを防
ぐために、ホスフィン(PH3)ガスを導入する。
(c)時点では、図(c′)に示すように、深さ方向x
1 のプロフィルは、矢印アで示した真のゲート近傍では
硼素(B)と燐(P)とがほぼ等量存在するように形成
することで、図(c″)に示す如く高抵抗層が形成され
る。この時、x1 位置のみでなくpベース層上にエピタ
キシャル成長した部分も同様に高抵抗層となっている。
(ピーク燐濃度1×1020cm-3)の形成を燐(P)拡散に
より1.2 μm 行う。かくして、図(d′)に示したx2
方向の濃度プロフィルのように、エピタキシャル成長面
からほぼ1.4 μm 成長したpベース層6との間に、約1.
2 μm の硼素(B)と燐(P)とがほぼ等量存在する領
域が、図(d″)に示すように、抵抗率≧100 Ω−cmの
高抵抗層として形成され、また、チャンネル上のnエミ
ッタ層は追加拡散して、抵抗rs を低下するようにして
いる。
て仕上げを行っている。
と燐とを制御し、pベース層6とnエミッタ層4との隣
接効果により、チャンネル抵抗は低下し、pベース層と
nエミッタ層との間を高抵抗化することにより本発明の
静電誘導形半導体素子の構造が実現できる。
の実施例を示す。図6は基本的な実施例であり、n- 基
板7に5Ω−cmで厚さle が4μm のn- エピタキシャ
ル成長層12を形成し、アルミニウム(Al)のゲート電極
2を取り出すためメサエッチング加工を施している。単
位セグメントの配置ピッチlp は、pベース層4の厚さ
lPB≒4μm ,チャンネル幅lCH≒4μm ,セグメント
幅lk ≒10μm 等の形状と、それらの加工制度によって
も異なるが、本実施例ではlP =22μmとして通常の
「埋め込みゲート型」離れした微細加工が実現されてい
る。
6には硼素を、nエミッタ層4には燐を用いて製造した
が、これらに挟まれる高抵抗層であるi層化したエピタ
キシャル成長層5′の厚さli が1〜2μm 程度に形成
されて、p−i−n構造に成っていればよい。ちなみ
に、先に述べたようなエピタキシャル成長法を用いたた
め、チャンネル領域も高抵抗化するので、pベース層6
の周りからnエミッタ層4にいたるまではi層化した領
域が多く、且つチャンネルからnエミッタ層にいたるま
での抵抗分rs が非常に小さく、表面ゲート型に近い構
造思想の装置になっている。
深く行うとばらつきが増加するが、本発明でのエッチン
グ深さは3.5 μm と浅くてすむので、ばらつきが起き難
い点も利点となっている。
ミッタ層に至るまでの静電容量Cg に並列とも言える僅
かな抵抗rs を更に低減した例を示している。これは、
実際には真のゲートからnエミッタ層に至るまでを総て
i層化することは難しく、チャンネル部のnエミッタ層
近くでは特にn- 層化しているので、そこをn+ 層化す
ることにより抵抗rs を小さくできるからである。
ト中央のnエミッタ層を追加拡散して、真のゲートに向
けて約1.5 μm 深くした層4′を有する構造を示す。
様の効果を得るために、セグメント中央に1.5 μm の溝
15を設けてからnエミッタ拡散を行い、その溝15の形状
に応じたnエミッタ層を形成して、チャンネル部分にお
いてのみ約1.5 μm 深くなったnエミッタ層を形成して
いる。
て行ったが、pチャンネルデバイスでも同様に構成でき
ることは言うまでもない。
一実施例を示す図で、(a)はカソード表面の上面図で
あり、(b)はそのx〜x′線に沿った断面図を示す。
ベース拡散層6上のアルミニウムゲート電極2とnエミ
ッタ層4上のアルミニウユカソード電極1との間に、ポ
リイミドの絶縁膜17を設け、アルミニウムカソード電極
1の上に更に配線用のカソード電極1′を重ね合わせて
形成し、これにより配線抵抗を低減する。
8とアノードショートn+ 拡散層16とを交互に設けて、
アノードショート構造を構成してある。
電誘導形サイリスタと、本発明による「プレーナーライ
クストライプ型」の静電誘導サイリスタについて、それ
ぞれ破線と実線とにより示した、ターンオンタイムtgt
(μs)とターンオフタイムtgq(μs)との相関を示すグ
ラフである。この装置の構造は、6mm平方で、nベース
層の厚さ250 μm であり、アノード側に局部的にn+ 層
のショート孔を設けて、n+ 層の幅とpエミッタ層の幅
との比で表されるアノードショート率を変化させてター
ンオフタイムtgqの調整を行った。この種々の調節の結
果をグラフに示したのが図9である。
VD =300V、遮断電流IT =10A 、抵抗付加で室温測定
となっている。ゲートに対するターンオン信号は、ピー
ク値IgON =0.3Aで、1.0 μs 流し、ターンオフ信号は
ピーク値Igp≒IT となっている。
型サイリスタに比べて、本発明による静電誘導型サイリ
スタはターンオンとターンオフとのトレードオフ関係を
改善でき、スイッチングロスが低減された。本発明によ
る装置の特徴として、ターンオフタイムtgqを低減して
もターンオンタイムtgtはほとんど増大しない。これ
は、「プレーナー型」で報告されている通りである(阿
部他による「プロトン照射によるSIサイリスタの性能
改善」;電気学会資料EDD-89-49 (1989)参照)。また、
本発明による装置のゲート・カソード間逆方向耐圧は50
〜60Vと「プレーナー型」の10〜15Vを大きく上回り、
製作及び使用次の安定性に優れ、高速のためにゲート・
カソード間に発生するスパイク電圧に対しても安全サイ
ドで動作するパワーデバイスであることがわかった。こ
れは先に述べたように、ゲート・カソード間が薄いi層
を挟んだp−i−n構造であるからである。
め込みゲート型」,「切り込みゲート型」,「プレーナ
ー型」の従来の静電誘導形サイリスタの構造を比較する
断面図を示している。
誘導形サイリスタの1セグメントの構造を示すカソード
及びゲート付近の断面図で、図2(イ)はその深さに対
する拡がり抵抗分布図である。
誘導形サイリスタのエピタキシャル成長層をi層で構成
したと想定した1セグメントの構造を示すカソード及び
ゲート付近の断面図であり、図3(イ)はその深さに対
する拡がり抵抗分布図である。
形サイリスタのnチャンネル部分をi層で構成したと想
定した1セグメントの構造を示すカソード及びゲート付
近の断面図であり、図4(イ)はその深さに対する拡が
り抵抗分布図である。
ストライプ型」静電誘導形サイリスタの1セグメントの
構造を示すカソード及びゲート付近の断面図であり、図
5(イ)はその深さに対する拡がり抵抗分布図である。
施例のカソード及びゲート付近の断面斜視図である。
実施例のカソード及びゲート付近の断面斜視図である。
別の実施例のカソード及びゲート付近の断面斜視図であ
る。
来の静電誘導型サイリスタとを比較して、ターンオンタ
イムとターンオフタイムとの相関を示すグラフである。
波形図である。
リスタの、エピタキシャル成長からメサエッチング加工
までの、各工程における断面を順に示すものであり、ま
た(c′)と(c″)及び(d′)と(d″)はそれぞ
れ(c)及び(d)におけるx1 及びx2 方向の不純物
濃度N(cm3) と抵抗値rs を示している。
一実施例を示す図で、(a)はカソード表面の上面図で
あり、(b)はそのx〜x′線に沿った断面図を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 静電誘導形サイリスタや静電誘導形トラ
ンジスタの内、半導体基板表面に現れるゲート電極面に
対し、最も近接する主電極面を高く形成する埋め込みゲ
ート型静電誘導形半導体素子において、前記埋め込みゲ
ート型素子の単位セグメントの短幅側の寸法を、ゲート
拡散深さやゲート,カソード電極の大きさなどで制限を
受ける最小幅に微細化し、ゲート電極用拡散層に最も近
接する主電極の不純物拡散層とこれに対向するゲート電
極用拡散層表面間を1〜2μm に近接させ、それらの間
にp型,n型不純物がほぼ等量ずつ混在するi型高抵抗
層を設け、またゲート電極用拡散層により半導体基板内
に発生する電位のピーク位置(真のゲート)近傍のチャ
ンネル領域にも、前記i型高抵抗層と同等な高抵抗層を
設け、更にチャンネル領域を、表面ゲート型の如く、単
位セグメントの長手方向に沿ってストライプ状に設け、
ゲート引き出し電極をその両側に可能な限り近接して設
置したことを特徴とする静電誘導形半導体素子 - 【請求項2】 請求項1記載の静電誘導形半導体素子の
製造方法において、ゲート電極用拡散層に最も近接する
主電極の不純物拡散層をこれに対向するゲート電極用拡
散層表面間上にそれぞれ同等の逆の導電性の不純物濃度
で接触するようにエピタキシャル成長により形成し、そ
の接触面部分にp型,n型不純物がほぼ等量ずつ混在し
た1〜2μm 厚さのi型高抵抗層ができるようにゲート
電極用拡散層の不純物と逆の不純物を拡散し、これによ
りゲート電極用拡散層により半導体基板内に発生する電
位のピーク位置(真のゲート)から最も近接する主電極
用拡散層までのチャンネル領域にも、前記ゲート埋め込
みエピタキシャル成長で形成する際、エピタキシャル成
長中にゲート電極用拡散層表面からアウトディフュウジ
ョンするp型,あるいはn型不純物をも利用して前記i
型高抵抗層と同等な高抵抗層を設けることを特徴とする
静電誘導形半導体素子の製造方法。 - 【請求項3】 チャンネル領域に最も近接する主電極の
拡散層の内、チャンネル領域に対向する境界中央部を真
のゲート側に向け深く形成した請求項1記載の静電誘導
形半導体素子
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3044519A JPH0793421B2 (ja) | 1991-01-09 | 1991-01-09 | 静電誘導形半導体素子とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3044519A JPH0793421B2 (ja) | 1991-01-09 | 1991-01-09 | 静電誘導形半導体素子とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04355966A JPH04355966A (ja) | 1992-12-09 |
JPH0793421B2 true JPH0793421B2 (ja) | 1995-10-09 |
Family
ID=12693789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3044519A Expired - Lifetime JPH0793421B2 (ja) | 1991-01-09 | 1991-01-09 | 静電誘導形半導体素子とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0793421B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6093601B2 (ja) * | 2013-03-08 | 2017-03-08 | 日本碍子株式会社 | 半導体装置 |
JP7174992B2 (ja) * | 2018-08-09 | 2022-11-18 | 国立大学法人東海国立大学機構 | パワー半導体装置及びその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JPS5599772A (en) * | 1979-01-24 | 1980-07-30 | Semiconductor Res Found | Electrostatic induction type thyristor |
JP2559237B2 (ja) * | 1987-10-02 | 1996-12-04 | 財団法人半導体研究振興会 | 半導体スイッチング素子 |
-
1991
- 1991-01-09 JP JP3044519A patent/JPH0793421B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04355966A (ja) | 1992-12-09 |
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