JPH0792586A - 画像信号読出方法 - Google Patents

画像信号読出方法

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JPH0792586A
JPH0792586A JP5233270A JP23327093A JPH0792586A JP H0792586 A JPH0792586 A JP H0792586A JP 5233270 A JP5233270 A JP 5233270A JP 23327093 A JP23327093 A JP 23327093A JP H0792586 A JPH0792586 A JP H0792586A
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solid
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scintillator
radiation
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Yuichi Hosoi
雄一 細井
Yasuo Iwabuchi
康夫 岩渕
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 放射線検出器から画像信号を読み出す方法に
おいて、得られた画像信号のダイナミックレンジを確保
し、S/Nの良好な高画質の画像を得る。 【構成】 輝尽性蛍光体からなるシンチレータ3と、輝
尽発光光を検出して被写体の放射線画像を担持する画像
信号に変換して出力する固体光検出器2とからなる放射
線検出器1に被写体6を透過したX線5を照射する。こ
れによりシンチレータ3には被写体6の放射線画像情報
が蓄積記録される。次いで励起光源8から発せられる励
起光8Aを連続的にパルス状にシンチレータ3に照射す
る。これによりシンチレータ3より輝尽発光光が発光
し、この輝尽発光光は固体光検出器2において光電変換
される。励起光8Aの照射に同期させて光電変換された画
像信号Siを複数回読み出し、複数回読み出された画像
信号Siを加算した画像信号S′を出力し、再生手段31
において再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像信号読出方法、とく
に詳細には輝尽性蛍光体からなるシンチレータと固体光
検出器との組合せを利用する放射線検出器から画像信号
を読み出す方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、医療診断を目的とする放射線
撮影の医療用放射線撮影、物質の被破壊検査等を目的と
する工業用放射線撮影等の種々の分野における放射線撮
影において、増感紙と放射線写真フイルムとを組合せた
いわゆる放射線写真法が利用されている。この方法によ
れば、被写体を透過したX線等の放射線が増感紙に入射
すると,増感紙に含まれる蛍光体はこの放射線のエネル
ギーを吸収して蛍光(瞬時発光)を発する。この発光に
より、増感紙に密着させるように重ね合わされた放射線
写真フイルムが感光し、放射線写真フイルム上には放射
線画像が形成される。このようにして放射線画像は直接
に放射線フイルム上に可視化された画像として得ること
ができる。
【0003】一方、放射線写真フイルムに記録された放
射線画像を光電的に読み取って画像信号を得、この画像
信号に適切な画像処理を施した後、画像を再生記録する
ことが種々の分野で行われている。たとえば、後の画像
処理に適合するように設計されたガンマ値の低いフイル
ムを用いてX線画像を記録し、このX線画像が記録され
たフイルムからX線画像を読み取って電気信号に変換
し、この電気信号(画像信号)に画像処理を施した後コ
ピー写真等に可視像として再生することにより、コント
ラスト,シャープネス,粒状性等の画質性能の良好な再
生画像を得ることが行われている(特公昭61-5193 号公
報参照)。
【0004】また本願出願人により、放射線(X線,α
線,β線,γ線,電子線,紫外線等)を照射するとこの
放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の
励起光を照射すると蓄積されたエネルギーに応じて輝尽
発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、
人体等の被写体の放射線画像情報を一旦シート状の蓄積
性蛍光体に記録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザー
光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られ
た輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この
画像データに基づき被写体の放射線画像を写真感光材料
等の記録材料、CRT等に可視像として出力させる放射
線画像記録再生システムがすでに提案されている(特開
昭55-12429号,同56-11395号,同55-163472 号,同56-1
04645 号,同55- 116340号等)。
【0005】このシステムは、従来の銀塩写真を用いる
放射線写真システムと比較して極めて広い放射線露出域
に亘って画像を記録し得るという実用的な利点を有して
いる。すなわち、蓄積性蛍光体においては、放射線露光
量に対して蓄積後に励起によって輝尽発光する発光光の
光量が極めて広い範囲にわたって比例することが認めら
れており、従って種々の撮影条件により放射線露光量が
かなり大幅に変動しても、蓄積性蛍光体シートより放射
される輝尽発光光の光量を読取ゲインを適当な値に設定
して光電変換手段により読み取って電気信号に変換し、
この電気信号を用いて写真感光材料等の記録材料、CR
T等の表示装置に放射線画像を可視像として出力させる
ことによって、放射線露光量の変動に影響されない放射
線画像を得ることができる。
【0006】しかしながら、上述した放射線写真システ
ムにより放射線画像を得るためには、上述した放射線画
像を直接可視化する際に、撮影に用いる放射線写真フイ
ルムと増感紙との感度領域を一致させて撮影を行う必要
がある。
【0007】また、上述した放射線写真フイルム、蓄積
性蛍光体シートを用いて光電的に放射線画像を読み取る
システムにおいては、上述したように放射線画像に画像
処理をおこなって目的に応じた濃度およびコントラスト
を有するように調整したり、放射線画像を一旦電気信号
に変換しなければならず、そのための画像読取装置を用
いて読取り走査を行う必要があり、放射線画像を得るた
めの操作が煩雑なものとなり、放射線画像を得るまでの
時間がかかるものとなっている。
【0008】そこで、従来のシステムにおける上記のよ
うな問題点を解決するために、放射線検出器が提案され
ている(例えば特開昭59-211262 号公報、特開昭59-211
263号公報、特開平2-164067号公報、PCT国際公開番
号WO92/06501号、Signal,noise,and read out consid
erations in the development of amorphous silicon p
hotodiode arrays for radiotherapy and diagnostic x
-ray imaging,L.E.Antonuk et.al ,University of Mi
chigan,R.A.Street Xerox,PARC,SPIEVol.1443 Medic
al Imaging V;Image Physics(1991),p.108-119 )。
【0009】この放射線検出器は、例えば厚さ3mm の石
英ガラスからなる基板にアモルファス半導体膜を挟んで
透明導電膜と導電膜とからなるマトリクス状に配された
複数の固体光検出素子および互いに直交するようにマト
リクス状にパターン形成された複数の信号線と走査線と
から構成されている固体光検出器に、放射線を可視光に
変換するシンチレータを積層することにより構成されて
なるものである。
【0010】この放射線検出器をシンチレータが放射線
入射側の面を向くように配置し、放射線検出器に被写体
を透過した放射線を照射することにより、放射線がシン
チレータに直接入射して可視光に変換され、あるいはシ
ンチレータが輝尽性蛍光体である場合には、シンチレー
タに蓄積記録された放射線画像情報が励起光で励起する
ことにより輝尽発光光に変換され、この可視光あるいは
輝尽発光光が各固体光検出素子の光電変換部により検出
されて放射線画像情報を担持する画像信号に光電変換さ
れる。この画像信号は、放射線検出器の各固体光検出素
子に設けられた転送部から所定の読出し手段により読み
出され、所定の画像処理がなされた後にCRT等の再生
手段により再生される。このような放射線検出器を用い
ることにより、被写体の放射線画像を煩雑な操作を行う
ことなく直ちに再生することができるため、直ちにリア
ルタイムで放射線画像を得ることができ、上述した従来
のシステムの欠点を解消することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した放射線検出器
から出力された画像信号を再生する際に高画質の画像を
得るためには、照射される放射線量をある程度大きくす
ることにより画像のダイナミックレンジを十分に確保す
る必要がある。しかしながら、上述した放射線検出器に
おいては、光電変換部の容量の飽和特性や読出回路の飽
和特性により、ある程度の線量の放射線を照射しても出
力される画像信号の最大値が制限され、得られる画像信
号のレンジが制限されてしまうものであった。したがっ
て、得られた画像信号のダイナミックレンジを十分に確
保することができず、S/Nの良好な画像を得ることが
できなかった。
【0012】とくに、シンチレータが輝尽性蛍光体の場
合には、シンチレータから発せられた輝尽発光光を全て
検出して光電変換することができず、シンチレータに蓄
積記録された情報の利用効率が低下してしまう。
【0013】また、シンチレータが輝尽性蛍光体の場合
は、シンチレータに照射された放射線が残っている場合
に生じる放射線残光ノイズや、放射線検出器自身が持っ
ているダークレベルのノイズにより放射線検出器により
得られる画像信号にノイズが含まれることとなり、これ
によってもS/Nの良好な放射線画像を得ることができ
ない。
【0014】本発明は上記事情に鑑み、シンチレータが
輝尽性蛍光体の場合に放射線検出器により得られる画像
信号のダイナミックレンジを十分に確保し、シンチレー
タに蓄積記録された放射線画像情報を効率よく利用する
ことができるとともに、さらには、S/Nの良好な再生
画像を得ることができる放射線検出器からの画像信号の
読出方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の画像
信号読出方法は、画像情報を担持する放射線が照射され
ることにより該画像情報が蓄積記録され励起光の照射に
より前記画像情報を担う輝尽発光光を発光する輝尽性蛍
光体からなるシンチレータと、該シンチレータから発せ
られる輝尽発光光を画像信号に変換して蓄積するととも
に、該蓄積された画像信号を読み出すための転送部を備
えた2次元状に配された多数の固体光検出素子を有する
固体光検出器とを積層させてなる放射線検出器から前記
画像信号を読み出すための画像信号読出方法において、
前記固体光検出素子が飽和レベルに達するよりも少ない
光量の輝尽発光光を発生させる励起光をパルス状に前記
シンチレータに複数回照射し、該各励起光パルスの照射
に同期させて前記固体光検出器から複数回の前記放射線
画像情報を担持する画像信号の読出しを行い、該読み出
された複数の画像信号を前記固体光検出素子毎に加算し
て出力することを特徴とするものである。
【0016】ここで、固体光検出素子の飽和レベルと
は、固体光検出素子の光電変換部の容量や画像信号の読
出回路の飽和特性によりある程度の線量の放射線を照射
しても出力される画像信号の最大値が制限され、得られ
る画像信号のレンジが制限されてしまうレベルをいう。
【0017】また、本発明による第2の画像信号読出方
法は本発明による第1の画像信号読出方法において、前
記励起光パルスの照射に同期させて該励起光パルスが照
射されていない間の前記固体光検出器からの信号をダー
ク信号として複数回読出し、該読み出されたダーク信号
を前記放射線画像情報を担持する画像信号から減算し、
該ダーク信号が減算された画像信号を加算して出力する
ことを特徴とするものである。
【0018】さらに本発明による第3の画像信号読出方
法は、上述したような輝尽性蛍光体からなるシンチレー
タと、多数の固体光検出素子を有する固体光検出器とを
積層させてなる放射線検出器から前記画像信号を読み出
すための画像信号読出方法において、前記励起光を前記
シンチレータに照射している間に、前記固体光検出器か
ら複数回繰返し前記画像信号の読出しを行い、該読み出
された複数の画像信号を前記固体光検出素子毎に加算し
て出力することを特徴とするものである。
【0019】
【作用】本発明による画像信号読出方法は、シンチレー
タが輝尽性蛍光体の場合に、シンチレータに蓄積記録さ
れた放射線画像情報を読み出すための励起光を、この励
起光の照射によってシンチレータから放射される輝尽発
光光の光量が固体光検出素子が飽和レベルに達する光量
よりも少なくなるようにパルス状にシンチレータに複数
回照射し、この励起光パルスの照射に同期させて固体光
検出器から複数回の画像信号の読出しを行ってこの画像
信号を固体光検出素子毎に加算して出力するようにした
ものである。このため、輝尽発光光を光電変換すること
により得られる画像信号の最大値が固体光検出素子の光
電変換部の容量の飽和特性あるいは読出回路の飽和特性
により制限されてしまっても、複数回に別けて画像信号
を読出し、この画像信号を加算することにより飽和した
画像信号のレベル以上の画像信号を得ることができる。
したがって、得られる画像信号のダイナミックレンジを
十分に確保することができ、S/Nの良好な放射線画像
を得ることができる。
【0020】また、励起光を複数回照射することによ
り、連続的に照射するよりも強度の大きい励起光を照射
することができるため、一回の励起光の照射によってよ
り多くの輝尽発光光を発光させることができ、連続的に
励起光を照射する場合よりも電気的に発生するノイズを
低下させることができる。
【0021】さらに、励起光の照射に同期させて、励起
光が照射されていない間に固体光検出器からの信号をダ
ーク信号として複数回読出し、このダーク信号を放射線
画像情報を担持する画像信号から減算するようにすれ
ば、放射線画像情報を担持する画像信号から放射線残光
や固体光検出器のダークレベル等によるノイズを除去す
ることができるため、よりS/Nの良好な放射線画像を
得ることができる。
【0022】また、励起光をシンチレータに照射してい
る間に、固体光検出器から複数回繰返し画像信号の読出
しを行い、この画像信号を固体光検出素子毎に加算して
出力するようにしても十分にダイナミックレンジが確保
された画像信号を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例について
説明する。
【0024】図1および図2は本発明による画像信号読
出方法の実施例を実施するための放射線検出器を用いた
画像信号読出装置を表す図である。図1および図2に示
すように、本発明による画像信号読出方法を実施するた
めの装置は、輝尽性蛍光体からなる平面状のシンチレー
タ3と、このシンチレータ3により変換された輝尽発光
光を検出し、この可視光を被写体の放射線画像を担持す
る画像信号に光電変換する光電変換部18とこの光電変換
部18により変換された画像信号を読み出す転送部19とか
らなる固体光検出素子23を2次元状に複数配してなる固
体光検出器2とをフィルタ7を介して積層させて放射線
検出器1を構成しているものである。なお、各固体光検
出素子23は図1に示すように走査線20a ,信号線20b に
より接続されており、走査線20a は図1の水平方向に延
在して走査パルス発生器21および各固体光検出素子23の
転送部19(トランジスタ)のゲートと接続されている。
一方、信号線20b は図1の垂直方向に延在して転送レジ
スタ22および転送部19のドレインと接続されている。
【0025】ここで、固体光検出素子23の詳細について
説明する。図3は固体光検出素子23の詳細を表す図であ
る。図3に示すように固体光検出素子23は、樹脂シート
からなる基板11の上にパターン成形した導電膜からなる
信号線12A ,12B があり、アモルファスシリコン13と透
明電極14とからなる光電変換部18としてのフォトダイオ
ード15、アモルファスシリコン16およびアモルファスシ
リコン16内に設けられた転送電極16A (ゲート)からな
る転送部19としての薄膜トランジスタ17により構成され
てなるものである。ここで信号線12B はドレインであ
り、前述した信号線20b と接続されており、転送電極16
A は走査線20a と接続されている。そしてこのように構
成された固体光検出素子23を2次元状に複数配置するこ
とにより固体光検出器2が構成されている。
【0026】ここで、シンチレータ3は輝尽性蛍光体に
より形成されてなるものであり、本実施例においては、
輝尽性蛍光体は発光ピークが400nm にあるBaF(Br
I):Eu2+からなるものである。また、フィルタ7は
LEDを2次元状に配した励起光源8から発せられる励
起光8Aが固体光検出器2に入射しないように励起光8Aを
カットするものであり、励起光8Aの波長を600nm とした
場合に、600nm の波長の光をカットし、前述した輝尽性
蛍光体から発光される400nm の波長の光を透過できるよ
うにB−410 光学フィルタを用いるものとする。
【0027】次いで本発明による画像信号読出装置の動
作について説明する。
【0028】図2に示すように、X線源4より発せられ
たX線5は被写体6に照射され、被写体6を透過する。
被写体6を透過したX線5は放射線検出器1に照射され
る。放射線検出器1に照射されたX線5はシンチレータ
3に照射され、これにより被写体6の放射線画像情報が
シンチレータ3に蓄積記録される。
【0029】次いで、励起光源8から励起光8Aが発せら
れる。この励起光8Aは図4(a)に示すように所定の間隔で
パルス状にシンチレータ3に照射される。これによりシ
ンチレータ3からは図4(b)に示すように、励起光8Aの照
射に同期した輝尽発光光が発せられる。図4(b)に示すよ
うに、シンチレータ3に蓄積記録された放射線エネルギ
ーは励起光8Aの照射により減少するため、時間の経過と
ともに1回の励起光8Aの照射によりシンチレータ3から
発せられる輝尽発光光の発光量は減少する。そして、こ
の励起光8Aのパルス状の照射に同期して固体光検出器2
の固体光検出素子23より画像信号が読み出される。この
画像信号の読み出しのための励起光8Aの照射と画像信号
の読出しとの同期は、励起光源8および固体光検出器2
に接続された同期手段9によりなされる。以下画像信号
の読み出しの詳細について説明する。
【0030】励起光源8からの1回の励起光8Aの照射に
より、シンチレータ3から輝尽発光光が発せられる。発
せられた輝尽発光光は、固体光検出器2を構成する各固
体光検出素子23の光電変換部18としてのフォトダイオー
ド15により受光され、フォトダイオード15において信号
電荷が発生する。このようにして、各固体光検出素子23
において輝尽発光光の発光輝度、すなわち入射した放射
線の強度に比例した信号電荷が発生する。
【0031】次いで、走査パルス発生器21から最上列の
各固体光検出素子23に備えられた転送部19に転送パルス
が送られ、最上列の各固体光検出素子23の転送部19のス
イッチは「入」状態(固体光検出素子23の転送電極16A
に電圧がかかり、信号線12A,12B 間を電流が流れる状
態)となる。すなわち、フォトダイオード15で発生した
信号電荷は転送部19としての薄膜トランジスタ17を通じ
て転送される。これにより、最上列の各固体光検出素子
23の信号電荷は転送レジスタ22に同時に送られる。転送
レジスタ22の出力端子22a からは各固体光検出素子23毎
の電気信号(画像信号)Sが時系列的に取り出される。
【0032】このようにして、最上列から最下列へと順
次、各列に走査パルス発生器21から転送パルスが送ら
れ、各列の各固体光検出素子23からの画像信号Sが出力
端子22a から時系列的に出力される。そしてこのよう
な、走査パルス発生器21からパルスを送ることによる画
像信号Sを出力させる処理を、励起光8Aの照射に同期さ
せて複数回行う。
【0033】ここで励起光源8からの複数回の励起光8A
を照射する時間間隔は、転送部19が飽和状態になるまで
の時間とし、数msから数十ms程度の間隔とするものであ
る。
【0034】そしてこのような励起光8Aのパルス状の照
射および画像信号の読み出しを、図4(b)に示すように輝
尽発光光が発光しなくなるまで行い、励起光8Aの照射毎
に得られた画像信号Siは画像処理手段30に入力され、
各固体光検出素子毎に加算される。このように加算され
た画像信号S′は再生手段31に入力され、可視像として
再生される。
【0035】このように励起光8Aのパルス状の照射に同
期させて複数回の画像信号Siの読出しを行い、この画
像信号Siを各固体光検出素子23毎に加算することによ
り、固体光検出素子23の飽和レベルを超える画像信号
S′を得ることができ、加算された画像信号S′はダイ
ナミックレンジの広いものとなる。したがって、加算さ
れた画像信号S′を再生すれば、ダイナミックレンジが
確保されたS/Nの高い高画質の画像を得ることができ
る。
【0036】なお、再生手段31としては、CRT等の電
子的に表示するもの、CRT等に表示された放射線画像
をビデオプリンタ等に記録するものなど種々のものを採
用することができる。また、被写体6の放射線画像は磁
気テープ、光ディスク等に記録保存するようにしてもよ
い。
【0037】なお、上述した実施例においては、励起光
8Aの照射に同期させてシンチレータ3に励起光8Aが照射
されているときの画像信号Siのみを読み出すようにし
ているが、シンチレータ3に励起光8Aが照射されていな
いときの画像信号を図4に示すようにダーク信号Niと
して読み出し、このダーク信号Niを画像信号Siから
減算して出力するようにしてもよい。すなわち、固体光
検出器2より読み出される画像信号Siには、照射され
たX線の残光によるノイズや、固体光検出素子23自身が
有するダークレベルのノイズを含むものである。したが
って、励起光8Aが照射されていないときに固体光検出素
子23から読み出されるダーク信号Niは、ノイズ成分の
みを含む信号となる。よって、画像信号Siよりダーク
信号Niを減算した画像信号(Si−Ni)は、ノイズ
成分が減少した、被写体の放射線画像情報のみを担持す
る画像信号となる。このため、画像信号(Si−Ni)
を各固体光検出素子毎に加算して上述した再生手段31お
いて再生することにより、よりノイズ成分が少ない高画
質の画像を再生することができる。
【0038】また、上述した実施例においては、励起光
8Aをパルス状にシンチレータ3に照射しているが、励起
光8Aを連続的にシンチレータ3に照射し、固体光検出器
2からの画像信号の読み出しをパルス状に繰返し行うよ
うにしてもよいものである。このように読み出された画
像信号を各固体光検出素子毎に加算し、加算された画像
信号を再生することにより、上述した実施例と同様に固
体光検出素子23の飽和レベルを超える画像信号S′を得
ることができ、加算された画像信号S′はダイナミック
レンジの広いものとなる。したがって、この加算された
画像信号S′を再生すれば、ダイナミックレンジが確保
されたS/Nの高い高画質の画像を得ることができる。
【0039】また、上述した実施例においては、固体光
検出器の基板として樹脂シートを用いているが、これに
限定されるものではなく、放射線画像を吸収しない数百
ミクロン程度の厚さであれば、石英ガラス等の無機材料
を用いるようにしてもよい。
【0040】さらに、上述した実施例においては、半導
体層としてアモルファスシリコン層を用いているが、こ
れに限定されるものではなく、いかなる半導体層を用い
るようにしてもよいものである。
【0041】また、上述した実施例においては、本発明
による画像信号読出方法は、被写体を透過して照射され
た放射線を検出することによって被写体の放射線画像を
得るために用いられているが、これに限定されるもので
はなく、例えば、被検体自身から発せられる放射線を検
出することにより被検体の放射線画像を得るいわゆるオ
ートラジオグラフィーにも適用できるものである。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
る画像信号読出方法は、シンチレータが輝尽性蛍光体で
ある放射線検出器に複数回励起光を照射し、これに同期
させて画像信号を複数回読み出して加算する、あるいは
励起光を照射している間に複数回画像信号を読み出して
加算するようにしたものである。このため、転送部の蓄
電容量を越えたダイナミックレンジを有する画像信号を
得ることができ、S/Nの高い高画質の画像を得ること
ができる。
【0043】また、励起光が照射されていないときのダ
ーク信号を画像信号から減算するようにすれば、よりノ
イズの少ない画像信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像信号読出方法を実施するため
の放射線検出器の詳細を表す図
【図2】本発明による画像信号読出方法の実施例を実施
するための放射線検出器を用いた画像信号読出装置を表
す図
【図3】固体光検出素子の詳細を表す断面図
【図4】本発明による画像信号読出方法の実施例により
読み出される画像信号を表す図
【符号の説明】
1 放射線検出器 2 固体光検出器 3 シンチレータ 4 X線源 5 X線 6 被写体 8 励起光源 8A 励起光 9 同期手段 23 固体光検出素子 30 情報処理手段 31 再生手段 Si,S′ 画像信号 Ni ダーク信号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報を担持する放射線が照射される
    ことにより該画像情報が蓄積記録され励起光の照射によ
    り前記画像情報を担う輝尽発光光を発光する輝尽性蛍光
    体からなるシンチレータと、 該シンチレータから発せられる輝尽発光光を画像信号に
    変換して蓄積するとともに、該蓄積された画像信号を読
    み出すための転送部を備えた2次元状に配された多数の
    固体光検出素子を有する固体光検出器とを積層させてな
    る放射線検出器から前記画像信号を読み出すための画像
    信号読出方法において、 前記固体光検出素子が飽和レベルに達するよりも少ない
    光量の輝尽発光光を発生させる励起光をパルス状に前記
    シンチレータに複数回照射し、該各励起光パルスの照射
    に同期させて前記固体光検出器から複数回の前記放射線
    画像情報を担持する画像信号の読出しを行い、該読み出
    された複数の画像信号を前記固体光検出素子毎に加算し
    て出力することを特徴とする画像信号読出方法。
  2. 【請求項2】 前記励起光パルスの照射に同期させて該
    励起光パルスが照射されていない間の前記固体光検出器
    からの信号をダーク信号として複数回読み出し、該読み
    出されたダーク信号を前記放射線画像情報を担持する画
    像信号から減算し、該ダーク信号が減算された画像信号
    を加算して出力することを特徴とする請求項1記載の画
    像信号読出方法。
  3. 【請求項3】 画像情報を担持する放射線が照射される
    ことにより該画像情報が蓄積記録され励起光の照射によ
    り前記画像情報を担う輝尽発光光を発光する輝尽性蛍光
    体からなるシンチレータと、該シンチレータから発せら
    れる輝尽発光光を画像信号に変換して出力する2次元状
    に配された多数の固体光検出素子を有する固体光検出器
    とを積層させてなる放射線検出器から前記画像信号を読
    み出すための画像信号読出方法において、 前記励起光を前記シンチレータに照射している間に、前
    記固体光検出器から複数回繰返し前記画像信号の読出し
    を行い、該読み出された複数の画像信号を前記固体光検
    出素子毎に加算して出力することを特徴とする画像信号
    読出方法。
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