JPH079186U - 植毛マット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】毛足糸を織り込んで構成した織成マットに、柔
らかさと共に構造的な強度を与え、型崩れのない安定し
た構造と芯材による違和感のない織物としての柔らかさ
との調和を得ることを目的とする。 【構成】芯材に代わる枠組みとしてマット本体の端縁部
に補強テープ５を添わせ、その上からテープ５を包摂す
る包み縫いにより縁かがりを行うことにより、ほつれを
生じ易い端縁部をテープによって纏めるとともに、包み
縫いによる縁かがりによって固められたテープ５が全体
に対する枠を構成するようにした 【効果】マット本体の端縁部に添わせたテープ５は、端
部の織成糸を纏める芯材として作用し、相互の絡みによ
る織成構造を失ってバラバラになっている端部の織成糸
を纏めて縁かがりを強化し、ほつれを防止すると共に、
マット本体を囲む端縁部で芯材として作用して、マット
本体の枠組を構成し周囲から形状を規制して本体の織成
構造を維持し、マット全体の型崩れを防止する効果があ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バスマット、キッチンマット、トイレマット、玄関マット等屋内の 装飾と保温や足拭い等の目的で敷設される植毛マットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の植毛マットは、基布に毛足糸をループ縫製し、上面を整形カッ トしてマット本体を構成し、端縁を表面から裏面に廻したテープそのもので縁取 りして構成したものと、縦糸と締め糸に毛足糸を絡ませて織り込んで上面を整形 カットしてマット本体を構成し、その端縁部の毛足糸をループ状に裏面に巻き回 して別のかがり糸で止めるようにしたものが基本となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

基布に毛足糸を植毛したものについては、基布の介在によって確固たる構造に なっているが、全体的に硬い感じを免れない。また、植毛構造が単純なため毛足 糸が抜け易く何回か洗濯すると毛足糸が抜けて使用に耐えなくなった。

【０００４】 更に、端縁部をテープそのものが被覆しているので、表面植毛部と端縁部との 間に違和感があり、美観的な問題も残している。

【０００５】 毛足糸を絡ませて織り込んだものについては、基布による異物感がなく織物と しての一体感により全体的に柔らかいマット本体を得ることができるが、芯材が 存在しないので、何回か洗濯すると端縁部にほつれを生じたり、歪曲して皺にな ったり、更には変形したりするといった不都合がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、毛足糸を織り込んで構成したマット本体に構造的な強度を与えると 共に、芯材に代わる枠組みとしてマット本体の端縁部に補強テープを添わせ、そ の上からテープを包摂してオーバーロック縫製や２本針ロック縫製等の包み縫い を施すことによる縁かがりを行って、ほつれを生じ易い端縁部をテープによって 纏めるとともに、包み縫いによる縁かがりによって固められたテープが全体に対 する枠を構成し、型崩れのない安定した構造と芯材による違和感のない織物とし ての柔らかさとの調和を得られるようにしたものである。

【０００７】

【作用】

マット本体の端縁部に添わせたテープは、端部の織成糸を纏める芯材として作 用し、相互の絡みによる織成構造を失ってバラバラになっている端部の織成糸を 纏めて縁かがりを強化し、ほつれを防止する。

【０００８】 また、端縁部を囲んで芯材として作用するテープは、マット本体の枠組を構成 し周囲から形状を規制して本体の織成構造を維持すると共に、マット全体の型崩 れや洗濯などによる端縁部の皺の発生を防止する。

【０００９】 また、従来例によるマット本体端面の被覆テープと異なり、かがり糸によって 端部の織成糸と一体に包摂縫製されるので、極めて強化された端縁構造が形成さ れる。

【００１０】

【実施例】

以下、図面に従って本考案の実施例を説明する。 図１は基布Ａを介在させた従来例による植毛マットの基本的構造を示したもの で、毛足糸１がマットの表面から基布Ａを貫通してループし、裏面から再び基布 Ａを貫通して表面に毛足を出して植毛が構成されている。

【００１１】 この構造は表面側から毛足糸１の両端が同時に引張られれば極めて強いが、裏 面から引張られれば、簡単に抜けるものである。また、端縁部は若干幅の広いテ ープＢを表面から裏面に廻して、その側縁を基布Ａに縫着してマット本体の端面 を被覆している。

【００１２】 図２は、毛足糸を織り込んで構成したマット本体織成構造の１例を示す断面図 で、縦糸21、22と締め糸31、32によって構成される織りベースに、毛足糸１が絡 んで植毛構造のマット本体が構成されている。

【００１３】 本考案は、図２を例とする織成構造マットをマット本体とし、例えば、図３に 糸列間隔を粗大にして模式的に示すオーバーロック縫製により、かがり糸41が織 成糸をジグザグに縫い込み、その両側を止着して整理した端縁部12に補強テープ ５を添わせ、その上からテープ５を包摂して一体に縫製する２本針ロック縫製に より縁かがりを行うものである。

【００１４】 ２本針ロック縫製は、図４に糸列間隔を粗大にして模式的に示すようにジグザ グにループするかがり糸42がテープ５を含むマット端縁部を包み、かがり糸42が テープ５と端縁部を一体に止着して、テープ５が端縁部12の糸列群を纏める芯材 となるように構成される。

【００１５】 なお、オーバーロック縫製を行わないで補強テープ５を添わせて２本針ロック 縫製を行い、或いはテープ５を先に添わせてオーバーロック縫製と２本針ロック 縫製を、若しくはオーバーロック縫製のみを行うことも自由である。

【００１６】 実施例に示す織成構造マットは、ウィルトン織成によるものであるが、マット 本体が織成構造であれば、本考案の効果を挙げうるものであり、織成構造がウィ ルトン織成に限定されるものではない。

【００１７】 また、テープを包摂する包み縫いも、オーバーロック縫製と２本針ロック縫製 に限定されるものではないことも勿論である。更に、端縁部に添わせたテープ５ を安定させる縫製工程を包み縫いによる縁かがりに先立って行うことも自由であ る。

【００１８】

【考案の効果】

本考案による植毛マットは、以上のように構成されたので、ほつれを生じ易い 織成構造マットの端縁部をテープによって纏めるとともに、包み縫いによる縁か がりによって固められたテープが全体に対する枠を構成し、型崩れのない安定し た構造と芯材による違和感のない織物としての柔らかさとの調和を得られる等の 効果がある。

【００１９】

【図面の簡単な説明】

【図１】基布を介在させた従来例による植毛マットの要
部拡大説明図である。

【図２】毛足糸を織り込んで構成したマット本体織成構
造の１例を示す断面図である。

【図３】マット本体端縁部の下縫いとして用いるオーバ
ーロック縫製を糸列間隔を粗大にして模式的に示したマ
ット端縁平面図である。

【図４】本考案による植毛マットのテープを包摂する包
み縫いの１例を糸列間隔を粗大にして模式的に示すマッ
ト端縁平面図による拡大縫製工程図である。

【図５】本考案による植毛マットの１例を示す全体平面
図である。

【符号の説明】

１ 毛足糸 11 マットの植毛部 12 マットの端縁部 ２ 織りベース 21 織りベースの縦糸 22 織りベースの縦糸 31 織りベースの締め糸 32 織りベースの締め糸 41 端縁部オーバーロック
かがり糸 42 端縁部２本針ロックル
ープかがり糸 43 端縁部２本針ロックか
がり糸 ５ 補強テープ Ａ 基布 Ｂ 端縁被覆テープ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 織り込み植毛により形成したマット本体
   の端縁部に補強テープを添わせて、その上からテープを
   包摂する包み縫いにより縁かがりを行ったことを特徴と
   する植毛マット
2. 【請求項２】 マット本体の端縁部にオーバーロック縫
   製を行い、同加工部に補強テープを添わせて、その上か
   らテープを包摂して２本針ロック縫製を行った「請求項
   １」記載の植毛マット