JPH0791517B2 - 耐スクラッチ性改良用粘着フイルム及び耐スクラッチ性の改良されたプラスチック板 - Google Patents

耐スクラッチ性改良用粘着フイルム及び耐スクラッチ性の改良されたプラスチック板

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JPH0791517B2
JPH0791517B2 JP63209062A JP20906288A JPH0791517B2 JP H0791517 B2 JPH0791517 B2 JP H0791517B2 JP 63209062 A JP63209062 A JP 63209062A JP 20906288 A JP20906288 A JP 20906288A JP H0791517 B2 JPH0791517 B2 JP H0791517B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はプラスチックの耐スクラッチ性改良用粘着フイ
ルム及び耐スクラッチ性の改良されたプラスチック板に
関する。さらに詳しくは、表面がハードコート加工され
たプラスチックフイルムの裏面に、耐ブリスター性粘着
剤組成物を塗布して成るプラスチックの耐スクラッチ性
改良用粘着フイルム及び上記粘着フイルムを貼付した耐
スクラッチ性の改良されたプラスチック板に関する。
[従来の技術] プラスチック材料は、安価、軽量、加工性、耐衝撃性な
どの点で優れており各種の用途に大量に用いられてい
る。しかしプラスチック、特に熱可塑性プラスチックは
表面硬度が小さく、引っ掻き傷が付きやすい、すなわち
耐スクラッチ性が劣るという欠点がある。この欠点を改
良するために、硬度の高い材料を表面にコーティングす
る方法、すなわちハードコート処理がしばしば行われて
いる。
従来のハードコード処理はプラスチック表面に直接ハー
ドコート材を塗布、硬化し、耐スクラッチ性を付与する
方法が取られていた。しかしこの方法ではハードコート
材又はその溶剤に侵されるようなプラスチックには使用
できず、またハードコート材を加熱硬化する場合にはそ
の熱に耐えるプラスチックにしか適用できない。さらに
この方法では個々のプラスチックの成形品にハードコー
ト処理をするために、複雑な工程と時間を要し、経済的
に不利であるという欠点があった。
上記の欠点を改良する方法として、ポリエステルフイル
ム、ポリイミドフイルムのような耐熱性、耐溶剤性の高
いプラスチックフイルム表面にハードコート加工し、そ
のフイルムの裏面に粘着剤を塗布し、これおプラスチッ
ク表面に貼付することによって耐スクラッチ性を改良す
る方法も行われている。この方法によればロールに巻い
たフイルムを連続的にハードコート処理することがで
き、このフイルムを貼付するだけでハードコート処理が
できるので、操作が簡単であり、また耐熱性、耐溶剤性
の低いプラスチックに対しても適用できるのできわめて
有利である。
しかしながら、従来のポリエステルなどのガスバリヤ性
のあるフイルムを基材に用いた粘着シートやラベルをス
チレン系樹脂やポリカーボネート樹脂などの成形品に貼
付した場合、該シートやラベルと樹脂被着体との間に気
泡の斑点が発生し、フクレや浮きなどのブリスターが生
ずることが多い。
このようなブリスターの発生は、ラベルとして貼付され
た場合、特に外観を極めて見苦しくするものであるとと
もにラベルなどが脱落する原因にものなり、特に透明ラ
ベルの場合では、粘着剤面がアバタ状もしくは白濁した
状態に透けて見え、著しく外観が損なわれるのを免れな
い。
この現象は、粘着シートの基材シートとして用いるプラ
スチックフイルムなどが接着層の間に発生する微量ガス
のバリアー層となるため、ガスの逃げ場合がなく、ガス
の気泡斑点としてブリスターが発生するものと思われ
る。
したがって、該フイルムと接着剤層との間に、紙や多孔
質ポリウレタンなどから成る通気層を介在させれば、ブ
リスター状態を解消しうることが考えられるが、この方
法では粘着シートの総厚が厚くなる上に、透明性が損な
われて透明ラベルとして使用できないなどの問題が生じ
る。
また、スチレン−イソプレン−スチレン型ブロックコポ
リマー又はスチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック
コポリマーなどから成るゴム系粘着剤を塗布したもので
も、ある特定の配合で耐ブリスター性能を持つことが明
らかになっているが、これらはいずれもゴム系であるた
めに粘着剤層部分の耐候性が劣るという欠点を有してい
る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はハードコート加工したフイルムをプラスチック
に貼付する際に用いられる粘着フイルムとして、ブリス
ターの発生を防止し、しかも接着力及び耐候性の優れた
粘着フイルムを提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはハードコート加工したフイルムをプラスチ
ックに貼付する際に用いられる耐ブリスター性に優れた
粘着シートを開発するために鋭意研究を重ねた結果、ブ
リスターが、樹脂被着体の内部から発生する微量ガスに
原因があることに着目し、接着剤組成物として、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー単位と極性
(メタ)アクリル系モノマー単位とポリマー連鎖及び末
端に重合性官能基を有するマクロモノマー単位とを、所
定の割合で含有して成る特定の分子量及びガラス転移温
度を有する共重合体を主成分とするものを用いることに
より、該共重合体に側鎖として導入されたマクロモノマ
ー単位中のポリマー連鎖がブリスターの発生を防止する
とともに、良好な接着性及び接着保持力が得られ、前記
目的を達成しうることを見い出し、この知見に基づい
て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、表面がハードコート加工されたプ
ラスチックフイルムの裏面に、(A)(メタ)アクリル
酸アルキルエステル系モノマー単位50〜85重量%と
(B)極性(メタ)アクリル系モノマー単位1〜30重量
%と(C)ポリマー連鎖及び末端に重合性官能基を有す
るマクロモノマー単位5〜40重量%とから成り、(C)
単位に対する(B)単位の重量比が0.02〜6で、かつ重
量平均分子量が15万〜200万、ガラス転移温度が−60〜6
0℃の共重合体を主成分とする接着剤組成物を塗布して
成る、プラスチックの耐スクラッチ性改良用粘着フイル
ム、及び該粘着フイルムを貼付したプラスチック板を提
供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粘着シートは、表面がハードコート加工された
プラスチックフイルムの裏面に耐プリスター性接着剤組
成物を塗布したものであって、該接着剤組成物の主成分
である共重合体は、前記の(A)(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル系モノマー単位と、(B)極性(メタ)
アクリル系モノマー単位と、(C)マクロモノマー単位
とから成るものである。
該(A)単位、すなわち(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル系モノマー単位としては、アルキル基の炭素数が
1〜14のアクリル酸アルキルエステル単位やメタクリル
酸アルキルエステル単位を挙げることができる。このよ
うな(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー単
位を構成するモノマーとしては、アクリル酸又はメタク
リル酸と、炭素数1〜14のアルコール、例えばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノー
ル、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル
−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−
メチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノ
ール、3−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1
−ブタノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノー
ル、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、n−
デカノール、n−ドデカノールなどとから得られるエス
テルを挙げることができる。これらの(メタ)アクリル
酸アルキルエステル系モノマーの中で、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが好適に用いら
れる。また、これらのモノマーはそれぞれ単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記共重合体の(B)単位、すなわち極性(メタ)アク
リル系モノマー単位を構成するモノマーとしては、分子
量1000未満であり、極性基としてカルボキシル基、水酸
基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、シアノ基、イソ
シアネート基などの中から選ばれた少なくとも1種の基
を1個又は2個以上を有するアクリル系モノマーを挙げ
ることができる。単なるカルボン酸のアルキルエステル
基は(B)単位の極性基に含まない。このような極性
(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)ア
クリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸2−イソシ
アノエチル、イタコン酸、マレイン酸、など極性基を有
し、共重合体中において、該極性基が側鎖として存在す
るものを挙げることができる。これらの極性(メタ)ア
クリル系モノマーは、それぞれ単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記共重合体の(C)単位、すなわちマクロモノマー単
位は、ポリマー連鎖及び末端に重合性官能基を有するも
のであり、該ポリマー連鎖としては、例えばスチレン単
位、メチルメタクリレート単位から成るもの、あるいは
これらの単位と50モル%以下のアクリロニトリル単位や
酢酸ビニル単位などとから成る共重合体連鎖を挙げるこ
とができる。このポリマー連鎖は、分子量が1000〜3000
0の範囲で、かつガラス転移温度が30℃以上のものが好
ましい。
また、該重合性官能基については、前記の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル系モノマーや極性(メタ)アク
リル系モノマーと共重合可能な官能基であればよく、特
に制限はない。このような重合性官能基としては、特に
メタクリロイル基、アリル基、ビニルベンジル基などを
挙げることができる。
このようなポリマー連鎖と末端に重合性官能基を有する
マクロモノマーを、前記の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル系モノマー及び極性(メタ)アクリル系モノマ
ーと共重合させることにより、枝成分として該マクロモ
ノマー中のポリマー連鎖を有するグラフト共重合体が容
易に得られる。
前記マクロモノマーの製造方法については特に制限はな
く、公知の種々の方法、例えば(1)マクロモノマーの
ポリマー連鎖部分を構成するリビングポリマーアニオン
をまず製造し、これにメタクリル酸クロリドなどを作用
させる方法、(2)連鎖移動剤としてのメルカプト酢酸
の存在下にメチルメタクリレートなどのラジカル重合性
モノマーを重合させて末端カルボキシル基を有するオリ
ゴマーを得たのち、メタクリル酸グリシジルでマクロモ
ノマー化する方法、(3)連鎖移動剤としてメルカプト
エタノールを用いて末端水酸基を有するオリゴマーを得
たのち、メタクリル酸ヒドロキシエチルでマクロモノマ
ー化する方法、(4)重合性官能基含有メルカプタン系
連鎖移動剤を用い、アクリル系モノマーをラジカル重合
する方法、(5)ビニルフェニルケテンメチルトリメチ
ルシリルアセタールを重合開始剤とし、フッ素化合物を
共触媒として、カルボニル基又はシアノ基を有するビニ
ル系モノマーをイオン重合する方法など任意の方法を用
いることができる。
本発明における前記共重合体の各単位の含有割合につい
ては、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モ
ノマー単位が50〜85重量%、(B)極性(メタ)アクリ
ル系モノマー単位が1〜30重量%及び(C)マクロモノ
マー単位が5〜40重量%の範囲にあり、かつ(C)単位
に対する(B)単位の重量比が0.02〜6の範囲にあるこ
とが必要である。各単位の含有割合が範囲を逸脱する
と、該共重合体は耐ブリスター性に劣るようになった
り、接着性能が低下するなどして、本発明の目的が十分
に達成されない。
また、本発明においては、該共重合体は重量平均分子量
が15万〜200万、好ましくは25万〜150万、さらに好まし
くは30万〜100万の範囲にあることが必要である。この
重量平均分子量が15万未満では接着剤としての保持力が
低いおそれがあるし、200万を超えると塗布などの作業
性が悪くなる傾向が生じる。
さらに、該共重合体のガラス転移温度は−60〜60℃、好
ましくは−30〜20℃の範囲にあることが必要である。こ
のガラス転移温度が−60℃未満では接着力が十分でない
し、60℃を超えるとボールタックが低下する傾向が生じ
る。
本発明における共重合体の製造方法としては、例えば
(1)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマ
ー、極性(メタ)アクリル系モノマー及びポリマー連鎖
と末端に重合性官能基とを有するマクロモノマーを、ア
ゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤の
存在下に同時に、共重合させる方法、(2)まず、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーと、例えば
カルボキシル基や水酸基などの反応性基を有する極性
(メタ)アクリル系モノマーとを共重合させて、側鎖に
反応性基をもつ共重合体を製造し、次いで、該反応性基
と結合する、例えばイソシアネート基、水酸基、カルボ
キシル基などの反応性基を末端に有するポリマー連鎖か
ら成るマクロセグメントを反応させる方法、(3)グラ
フト開始反応基を有するモノマー、例えば重合性有機過
酸化物と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマ
ーと極性(メタ)アクリル系モノマーとを共重合させた
のち、さらにこれにスチレン、メチルメタクリレート、
アクリロニトリルなどのモノマーをグラフト共重合させ
る方法などを用いることができる。
前記(2)及び(3)の方法においては、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル系モノマーと極性(メタ)アク
リル系モノマーとマクロモノマーとの共重合反応を利用
していないが、得られる共重合体は、その最終構造が
(1)の方法により製造したものと同一であり、本発明
に係る共重合体の概念に入るものである。
本発明者らの研究によると、スチレンやメチルメタクリ
レートなどのモノマーを、単に(メタ)アクリル酸アル
キルエステル系モノマー及び極性(メタ)アクリル系モ
ノマーと共重合させて、スチレン単位やメチルメタクリ
レート単位などを共重合体の主鎖単位として導入したも
のや、一般のポリスチレンやポリメタクリレートなどの
樹脂を(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー
と極性(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体に単に
ブレンドしたものでは、本発明の目的とする耐ブリスタ
ー効果は得られない。
これらの事実から、本発明に係る共重合体においては、
側鎖のポリマー連鎖が該共重合体中でミクロドメインな
どを構成し、そのミクロ相分離構造などがブリスターの
原因になる樹脂被着体から発生する微量ガスの吸収や拡
散に効果があるものと思われる。
ハードコート加工するフイルムとしては、耐熱性及び耐
溶剤性が優れていることが必要であり、例えばポリエス
テル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリメチルペ
ンテン、ポリエーテルスルホンなどの合成樹脂から成る
シートやフイルムを用いることができる。
上記の基材フイルムにハードコート加工する方法として
は、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター
などの塗工方法を用いてハードコート剤を連続的に塗布
したり、スピンコーターなどでバッチ式に塗布するなど
がある。ハードコート剤には、シラン系、アクリル系な
どが使用でき、加熱硬化及び紫外線又は電子線硬化など
によりハードコート層が得られる。
ハードコート加工するフイルムの厚さは通常5μm〜20
0μm、特に25μm〜75μmの範囲が好適である。
本発明の粘着フイルムは、前記のハードコート加工され
たフイルムの裏面に前記の共重合体を主成分とする接着
剤組成物を、従来慣用されている方法で塗布することに
より作成することができる。また、あらかじめ接着剤組
成物を塗布した後にハードコート処理しても良い。
また、粘着シートの耐久性をさらに向上させるために、
紫外線吸収剤や、坑酸化剤などの老化防止剤を配合する
こともできる。
さらに本発明では透明なプラスチック、特にプラスチッ
ク窓材料に適用されることが多いが、窓材料の場合に
は、日当たりを調整しなければならない場合もある。す
なわち日照調整機能を同時に持つこともしばしば要求さ
れる。プラスチック窓材料に日照調整機能を付与するた
めにも本発明のようなフイルムを貼付する方法が最も優
れている。したがって上記の粘着シートに、同時に日照
調整機能を付与することはきわめて有効である。粘着シ
ートに日照調整機能を付与する方法としては、基材フイ
ルムを有機又は無機の色素で着色する方法、フイルム表
面を金属化する方法(メタライジング)、紫外部、赤外
部など特定波長の光線を遮断する物質を内部又は表面に
含有させる方法などがあるが、効率よく日照を調節する
ためにはメタライジングフイルムが最も優れている。メ
タライズさせる金属としては、アルミニウム、クロム、
金など、あるいは錫、シリコン、チタニウム、インジウ
ム、ジルコニウムなどの酸化物を使用することができる
が、容易さ、安価なこと、日照調節作用の点からアルミ
ニウムの蒸着が特に好適である。メタライジングは真空
蒸着法、陰極スパッタリング法、イオンプレーティング
法など通常のプラスチックフイルムへのメタライジング
方法を使用することができる。
また最近、導電性プラスチックが注目を浴びているが、
導電機能を有するフイルムを貼付すれば、表面が導電性
を有するプラスチックが簡単に得られる。特に透明導電
機能を持たせれば、光学的、電気的にユニークな性質を
持った機能性プラスチックとなる。本発明においてはハ
ードコート処理と同時にフイルムに導電機能を付与する
こともできる。
フイルムに導電機能を付与する方法としては、金、銀な
どの金属やスズ、インジウム−スズ合金などの酸化物を
真空蒸着法、スパッタリング法などの方法でフイルム表
面に形成する方法や、金属やカーボンなどの導電性物質
を含むコーティング剤をフイルム表面に塗布する方法及
びフイルム中に前記導電性物質を繰り込む方法などがあ
る。
本発明はまた、上記のハードコート加工したフイルムを
耐ブリスター性粘着剤を用いてプラスチック材料に貼付
した耐スクラッチ性の改良されたプラスチック材料をも
包含する。本発明に用いられるプラスチック材料は特に
耐スクラッチ性が要求される用途、すなわち、表面に傷
を受けやすく、しかも表面の傷によって外観が著しく損
なわれ商品価値を落とすもの、例えば透明な窓材料、ケ
ーシング、外装部品などであり、この用途に用いられる
プラスチックとしては、例えばポリカーボネート、メタ
クリル酸メチルのごときアクリル樹脂、ポリスチレンな
どを挙げることができる。プラスチック材料にハードコ
ート加工したフイルムを貼付するには通常のガラス窓に
貼付する場合と同様に、水を窓に吹き付けながらフイル
ム貼るか、又はラミネーターを使用して貼ることもでき
る。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお、各物性は次に示す方法に従って求めた。
(1) 粘度 東京計器製BM型粘度計を用い、23℃雰囲気中、No.4ロー
ター、60rpmの条件で測定した。数値はセンチポイズで
示した。
(2) 分子量 THFを流動相に使った東ソー(株)製、CCP8000 GPC装置
により測定し、ポリスチレンを標準試料として重量平均
分子量(w)を示した。
(3) ガラス転移温度 オリエンテック(株)製、レオパイプロンDDV−II−EP
によりせん断法、3.5Hzで測定した。
また、表中の各略号は次を意味する。
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル BA:アクリル酸ブチル AA:アクリル酸 HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル AN−6:メタクリロイル末端ポリ (スチレン−アクリロニトリル共重合体) (東亜合成製:アロンマクロモノマーAN−6) C−4500:メタクリロイル末端ポリスチレン (サートマー社製:ケムリンクC−4500) 粘着剤製造例A 還流冷却器、窒素導入管、温度計、攪拌羽根を備えた50
0ml入4つ口フラスコ中にアクリル酸2−エチルヘキシ
ル80g、アクリル酸3g、メタクリロイル末端スチレン−
アクリロニトリル共重合体(商品名:AN−6[東亜合成
(株)製])17g、α,α′−アゾビスイソブチロニト
リル0.53g、酢酸エチル230gを投入し、窒素気流下30分
攪拌した後、60℃に昇温してそのまま24時間反応させ
た。
得られたポリマー溶液は透明で35重量%濃度の粘度が3,
000cps、重量平均分子量68万であった。
第1表にモノマーの仕込み組成及びポリマーの物性を示
す。
粘着剤製造例B、C、D モノマーの仕込み組成を第1表に示すように変えた以外
は、実施例1と同様にして粘着剤を製造した。
モノマーの仕込み組成及びポリマーの物性を第1表に示
す。
粘着剤製造比較例X、Y (B)成分及び(C)成分を含有しない2成分系モノマ
ーを使用し、第1表に示すモノマーの仕込み組成で粘着
剤Aの製造法と同様にして粘着剤を製造した。
第1表にモノマーの仕込み組成及びポリマーの物性を示
す。
実施例1 粘着剤Aのポリマー溶液を厚さ25μmのポリエステルフ
イルム(東レ(株)製、ルミラー)にハードコート剤
(東亜合成(株)製、アロニックス)を塗布し、紫外線
照射によりハードコート層を設けた。次にハードコート
処理面の反対側に粘着剤Aのポリマー溶液を塗布し、加
熱乾燥することによりハードコート粘着シートを作成し
た。これをポリカーボネート板に貼付し、80℃、24時間
の促進劣化試験後、表面を学振型摩耗試験機(東洋精機
(株)製)にスチールウールをつけ、500回往復後の耐
スクラッチ性及び外観を評価した。評価はヘーズメータ
ー(HGM−2K、スガ試験機(株)製)及びグロスメータ
ー(VG−1D、日本電色工業(株)製)で行った。結果を
第2表に示す。
実施例2〜4 粘着剤をB、C、Dに代えた以外は実施例1と同様にし
て、ハードコート加工粘着シートを貼付したポリカーボ
ネート板を作成し、実施例1と同様に促進劣化試験後の
耐スクラッチ性評価を行った。結果を第2表に示した。
比較例1 ハードコート処理しない厚さ25μmのポリエステルフイ
ルム(東レ(株)製、ルミラー)に実施例1と同じ耐ブ
リスター性粘着剤を塗布した粘着シートをアクリル樹脂
板に貼付し、実施例1と同様に劣化促進試験後の耐スク
ラッチ性を評価した。結果を第2表に示した。
比較例2、3 実施例1と同様にしてハードコート処理したポリエステ
ルフイルムに、本発明に包含されない粘着剤X及びYを
塗布した粘着シートをポリカーボネート板に貼付し、実
施例1と同様に劣化促進試験後の耐スクラッチ性を評価
した。結果を第2表に示した。
第2表の結果から明らかなように実施例1の材料は過酷
な摩耗試験によっても外観に異常なく、ヘーズ、光沢度
とも高い水準を保持していた。これに比べてハードコー
ト処理をしないポリエステルフイルムを貼付しただけの
比較例1は表面に多数のスリ傷が発生し、ヘーズも著し
く低下して、表面保護の効果は認められなかった。また
本発明には包含されない粘着剤を用いた比較例2及び3
は表面にスリ傷はなかったが粘着剤層表面にブリスター
が発生して透明性が著しく低下した。
[発明の効果] 本発明はフイルムをハードコート処理し、これをプラス
チックに添付することにより、あらゆる種類のプラスチ
ックに効率的、経済的にハードコート処理を施すること
ができる。
しかも本発明のハードコート加工された粘着フイルム
は、接着剤層に特定の共重合体を用いることにより、ブ
リスターの発生による外観不良、及び接着不良を起こす
ことなく、プラスチック板に貼ることができ、フイルム
と強固に接着し、耐スクラッチ性、透明性、及び耐候性
に優れたプラスチック材料を効率よく経済的に製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 151/00 JDK

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面がハードコート加工されたプラスチッ
    クフイルムの裏面に、(A)(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステル系モノマー単位50〜85重量%と(B)極性
    (メタ)アクリル系モノマー単位1〜30重量%と(C)
    ポリマー連鎖及び末端に重合性官能基を有するマクロモ
    ノマー単位5〜40重量%とから成り、(C)単位に対す
    る(B)単位の重量比が0.02〜6で、かつ重量平均分子
    量が15万〜200万、ガラス転移温度が−60〜60℃の共重
    合体を主成分とする接着剤組成物を塗布して成る、プラ
    スチックの耐スクラッチ性改良用粘着フイルム。
  2. 【請求項2】プラスチック板に、ハードコート加工され
    たプラスチックフイルムを(A)(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステル系モノマー単位50〜85重量%と(B)極
    性(メタ)アクリル系モノマー単位1〜30重量%と
    (C)ポリマー連鎖及び末端に重合性官能基を有するマ
    クロモノマー単位5〜40重量%とから成り、(C)単位
    に対する(B)単位の重量比が0.02〜6で、かつ重量平
    均分子量が15万〜200万、ガラス転移温度が−60〜60℃
    の共重合体を主成分とする接着剤組成物を粘着剤として
    貼付した耐スクラッチ性の改良されたプラスチック板。
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