JP2009221444A - 金属薄膜用コーティング樹脂組成物 - Google Patents

金属薄膜用コーティング樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】金属薄膜に対する保護性能に優れた金属薄膜用コーティング樹脂組成物の提供。
【解決手段】本発明に係る金属薄膜用コーティング樹脂組成物は、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーと他のアクリル系モノマーとを含むモノマー混合物を重合して得られるアクリル系共重合体を含んでいる。上記モノマー混合物において、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーが、アクリル系モノマーの全量に対して20質量%以上である。好ましくは、上記シクロアルキル基含有アクリル系モノマーが、シクロヘキシル基含有アクリル系モノマーである。好ましくは、上記モノマー混合物において、水酸基含有アクリル系モノマーが、アクリル系モノマーの全量に対して30質量%以下である。好ましくは、上記アクリル系共重合体の重量平均分子量は、2万以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属薄膜を保護するためのコーティング樹脂組成物に関する。
近年、様々な用途で、金属薄膜が用いられている。金属薄膜は、例えば蒸着により成膜される。金属薄膜は、反射防止膜などの光学薄膜、コンパクトディスクやブルーレイディスク等の記録媒体、導電フィルム、薄型ディスプレイ用フィルム、太陽電池用バックシート、色素増感型太陽電池等に用いられている。なお、本願において金属薄膜とは、金属原子を含む薄膜を意味し、金属原子と非金属原子からなる化合物の薄膜や、金属酸化物の薄膜なども含む。
金属薄膜は、酸化、腐食等の化学的作用により変質しうる。また金属薄膜自体は強度に乏しいため、外部からの物理的作用の影響を受けることがある。
特開2006−52298号公報は、蒸着フィルムの金属酸化物蒸着膜表面に、樹脂成分を含む保護層を設けた蒸着フィルムを開示する。
特開2006−52298号公報
本発明者は、金属薄膜の保護層としてより好適なコーティング樹脂組成物について検討し、本発明に至った。
本発明の目的は、金属薄膜に対する保護性能に優れた金属薄膜用コーティング樹脂組成物の提供にある。
本発明に係る金属薄膜用コーティング樹脂組成物は、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーと他のアクリル系モノマーとを含むモノマー混合物を重合して得られるアクリル系共重合体を含む。このモノマー混合物において、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーは、アクリル系モノマーの全量に対して20質量%以上である。
好ましくは、上記シクロアルキル基含有アクリル系モノマーが、シクロヘキシル基含有アクリル系モノマーである。
好ましくは、上記モノマー混合物において、水酸基含有アクリル系モノマーは、アクリル系モノマーの全量に対して30質量%以下である。
好ましくは、上記アクリル系共重合体の重量平均分子量は2万以上である。
好ましくは、上記金属薄膜用コーティング樹脂組成物は、蒸着によって形成された金属薄膜に用いられる。
好ましくは、上記金属薄膜用コーティング樹脂組成物は、PET又はガラスの表面に形成された金属薄膜に用いられる。
本発明に係る積層体は、上記金属薄膜用コーティング樹脂組成物によって形成されたコーティング膜と、このコーティング膜により被覆された金属薄膜とを有する。
好ましくは、上記積層体において、上記コーティング膜の厚さが10μm以下である。
金属薄膜に対する親和性に優れ、金属薄膜の保護に適したコーティング樹脂組成物が提供されうる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.[シクロアルキル基含有アクリル系モノマー]
シクロアルキル基含有アクリル系モノマーは、本発明の効果を奏する上で重要なモノマーである。シクロアルキル基含有アクリル系モノマーは、シクロアルキル基を分子内に少なくとも1つ含有する。更に、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーは、重合性(エチレン性)不飽和結合を分子内に少なくとも1つ含有する。このシクロアルキル基含有アクリル系モノマーの存在により、屈曲性、強度及び耐溶剤性に優れた共重合体を得ることができ、更に薄膜に対する親和性が向上しうる。また、シクロアルキル基に起因する疎水性により、金属薄膜への水の侵入が抑制されうる。
好ましくは、このシクロアルキル基含有アクリル系モノマーは、下記の一般式(1)で表される。
Figure 2009221444
ただし、一般式(1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Rは置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示す。
シクロアルキル基含有アクリル系モノマーは限定されない。シクロアルキル基含有アクリル系モノマーは、1種類のみが用いられてもよく、2種類以上が用いられてもよい。より好ましいシクロアルキル基含有アクリル系モノマーは、シクロヘキシル基含有アクリル系モノマーである。即ち、上記式(1)において、より好ましいRは、置換基を有していてもよいシクロヘキシル基である。シクロヘキシル基含有アクリル系モノマーの具体例としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート及びtert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。シクロヘキシル基含有アクリル系モノマーは、1種類のみが用いられてもよく、2種類以上が用いられてもよい。
2.[水酸基含有アクリル系モノマー]
本発明の金属薄膜用コーティング樹脂組成物は、水酸基含有アクリル系モノマーに由来する部分を含んでいてもよい。水酸基含有アクリル系モノマーは、分子内に、水酸基を少なくとも1つ有する。好ましくは、この水酸基含有アクリル系モノマーは、分子内に、エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する。より好ましくは、この水酸基含有アクリル系モノマーは、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例として、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されない。水酸基含有アクリル系モノマーは、1種類のみが用いられてもよいし、2種類以上が用いられてもよい。
水酸基含有アクリル系モノマーにより、アクリル系共重合体に水酸基が導入される。水酸基含有アクリル系モノマーによりアクリル系共重合体がアクリルポリオールとされうる。この水酸基が架橋点となりうる。水酸基が導入されたアクリル系共重合体は、ポリイソシアネート化合物等の架橋剤によって容易に架橋されうる。この架橋により、硬化後のコーティング樹脂組成物により形成されたコーティング膜の耐久性が向上し、金属薄膜に対する保護硬化が高まる。また、水酸基が架橋に用いられない場合であっても、水酸基に起因する水素結合により、コーティング膜の耐久性が向上しうる。
3.[上記以外のアクリル系モノマー]
本発明に係る樹脂組成物は、2種以上のアクリル系モノマーが共重合されたアクリル系共重合体を含む。このアクリル系共重合体は、2種以上のアクリル系モノマーを共重合してなる。このアクリル系モノマーの例は、上記したシクロアルキル基含有アクリル系モノマー及び水酸基含有アクリル系モノマーである。これらのアクリル系モノマー以外のアクリル系モノマーが用いられてもよい。このようなアクリル系モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、2−(メタ)アクリロイルエチルアシッドホスフェート等の酸基含有不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の含窒素不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和モノマー;酢酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン化合物等;ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルメトキシシラン等の含珪素不飽和モノマー及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の重合性紫外線吸収性モノマーが挙げられるが、特に限定されない。シクロアルキル基含有アクリル系モノマー以外のアクリル系モノマーは、一種類のみが用いられてもよいし、二種類以上が用いられてもよい。
4.[モノマー混合物]
本発明に係るモノマー混合物は、本発明に係るアクリル系共重合体の原料である。このモノマー混合物は、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーとそれ以外のアクリル系モノマーとを含む。このモノマー混合物を重合させることにより、本発明に係るアクリル系共重合体が得られる。
このモノマー混合物における好ましい配合比率は次の通りである。シクロアルキル基含有アクリル系モノマーの配合比率が高い場合、シクロアルキル基に起因する疎水性が向上しうるとともに、金属薄膜に対する親和性が向上しうる。この観点から、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーは、アクリル系モノマーの全量に対して20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。水酸基含有アクリル系モノマー等の他のアクリル系モノマーの配合比率を好ましい範囲とする観点から、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーは、アクリル系モノマーの全量に対して70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましい。
耐溶剤性及び耐湿熱性の観点から、水酸基含有アクリル系モノマーは、アクリル系モノマーの全量に対して、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。水酸基含有アクリル系モノマーの配合比率が高い場合、導入される水酸基の数が増加するので、コーティング膜と基材との親和性が向上しうる。この観点から、水酸基含有アクリル系モノマーは、アクリル系モノマーの全量に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
このモノマー混合物の重合方法は限定されない。この重合方法としては公知の方法を採用することができる。この重合方法として、例えば、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法及び塊状重合法が採用されうる。
重合に使用する開始剤は過酸化物系、アゾ系等、市販のものが使用できる。過酸化物系の開始剤としては、パーブチルO、パーヘキシルO(いずれも日本油脂製)などのパーオキシエステル系;パーロイルL、パーロイルO(いずれも日本油脂製)などのパーオキシジカーボネート系;ナイパーBW、ナイパーBMT(いずれも日本油脂製)などのジアシルパーオキサイド系;パーヘキサ3M、パーヘキサMC(いずれも日本油脂製)などのパーオキシケタール系;パーブチルP、パークミルD(いずれも日本油脂製)などのジアルキルパーオキサイド系;パークミルP、パーメンタH(いずれも日本油脂製)などのハイドロパーオキサイド系等が挙げられる。アゾ系の開始剤としてはABN−E、ABN−R、ABN−V(いずれも日本ファインケム社製)等が挙げられる。これらの重合開始剤は、モノマー混合物の総質量に対して0.01〜10質量%の範囲で使用されるのが好ましい。反応温度は25℃以上200℃以下が好ましく、より好ましくは40℃以上140℃以下である。
樹脂の重合の際には必要に応じて連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤は所定の分子量に調整できれば特に制約されず、ノルマルドデシルメルカプタン、ジチオグリコール、チオグリコール酸オクチル、メルカプトエタノール等のチオール化合物等が使用できる。
また、樹脂の重合は無溶媒で行ってもよいし、有機溶媒中で行ってもよい。有機溶媒中で重合する際には、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;その他の公知の有機溶剤が使用できる。使用する有機溶媒の種類は得られる樹脂の溶解性、重合温度を考慮して決められるが、乾燥時の残存溶媒の残りにくさの点からトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の沸点が120℃以下の有機溶媒が好ましい。
5.[アクリル系共重合体]
このアクリル系共重合体は、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーに由来する構成単位を含む。好ましくは、このアクリル系共重合体は、水酸基含有アクリル系モノマーに由来する構成単位を含む。好ましくは、このアクリル系共重合体が、本発明に係る金属薄膜用コーティング樹脂組成物の基材樹脂とされる。金属薄膜用コーティング樹脂組成物の固形分全量に対するアクリル系共重合体の割合は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
コーティング膜の耐久性を向上させる観点から、このアクリル系共重合体の重量平均分子量は、2万以上が好ましい。この重量平均分子量が高くされた場合、架橋硬化がなされることなく高い耐久性が得られうる。架橋硬化が不要なコーティング樹脂組成物は、一液性の塗料として利用されうる。即ちこのコーティング樹脂組成物は、いわゆるラッカーとして用いられうる。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8020型)により、カラムを用いて、ポリスチレン換算で測定される。カラムとして、TKgelG−5000HXL[東ソー(株)製]及びTSKgelGMHXL−L[東ソー(株)製]が直列に連結されて用いられる。
6.[金属薄膜用コーティング樹脂組成物]
上記アクリル系共重合体を含む金属薄膜用コーティング樹脂組成物は、金属薄膜上に積層されてコーティング膜を形成しうる。このコーティング膜が、金属薄膜の保護層として機能しうる。この金属薄膜用コーティング樹脂組成物は、以下において単に「コーティング樹脂組成物」とも称される。
本発明のコーティング樹脂組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤を含有し得る。添加剤としては、フィルムやコーティング膜等を形成する樹脂組成物に使用される従来公知の添加剤を用いることができる。この添加剤として、分散剤、レベリング剤、消泡剤、粘性調整剤、つや消し剤、粘着付与剤、耐電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、消光剤、架橋剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
上記レベリング剤として、シリコン系レベリング剤、フッ素系レベリング剤及びアクリル系レベリング剤が例示される。シリコン系レベリング剤として、有機変性ポリシロキサンが例示される。この有機変性ポリシロキサンは、ポリシロキサン骨格と有機変性部分とを有する。この有機変性部分として、アルキル基、ポリエーテル基、ポリエステル基、アラルキル基等が挙げられる。シリコン系レベリング剤の具体例として、ビックケミー・ジャパン株式会社製のポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンである商品名「BYK331」もしくは共栄社化学社製のグラノール200及びグラノール410等が挙げられる。レベリング剤は、架橋することなく膜強度や屈曲性を高めるのに有効である。
膜強度及び屈曲性を向上させる観点から、上記レベリング剤の含有量は、コーティング樹脂組成物の樹脂固形分100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましい。ブリードアウトや外観不良を抑制する観点及び基材との親和性の観点から、上記レベリング剤の含有量は、コーティング樹脂組成物の樹脂固形分100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、1質量部以下が更に好ましい。
本発明のコーティング樹脂組成物は、目的に応じて任意の適切な架橋剤を含むことにより、硬化性コーティング樹脂組成物とすることができる。上記架橋剤を含むことにより、上記コーティング樹脂組成物を架橋剤により架橋することができ、極めて高度な耐候性を有し、しかも、極めて高度な柔軟性及び基材との親和性をも有する塗膜を形成することができる。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、(ブロック)ポリイソシアネート化合物が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(ブロック)ポリイソシアネート化合物とは、ポリイソシアネート化合物及び/又はブロックポリイソシアネート化合物を意味する。上記ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を分子内に少なくとも1つ有する化合物であれば特に限定されず、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート;これらのジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ビュウレット体、イソシアヌレート体等のアダクトポリイソシアネート等のポリイソシアネートの誘導体(変性物)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記ブロックポリイソシアネート化合物とは、硬化性塗料組成物を加熱乾燥するときに架橋させ、かつ、常温での貯蔵安定性を向上させるために、通常、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック化剤でブロックしたものである。上記ブロック化剤は特に限定されず、例えば、ε−カプロラクタム、フェノール、クレゾール、オキシム、アルコール等の化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。イソシアネート架橋剤の具体例としては、住化バイエルウレタン社製の商品名「デスモジュールN3200」及び商品名「デスモジュールBL3175」が例示される。また前述したように、このコーティング樹脂組成物は、架橋硬化されてなくてもよい。
本発明のコーティング樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤を含むコーティング樹脂組成物の場合、上記アクリル系共重合体は、溶剤中に溶解、分散又は懸濁した形態であることが好ましい。
この溶剤としては、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族系;トルエン、キシレンなどの芳香族系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系;アセトニトリル等のニトリル系;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系;テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系等が使用できる。これらの溶剤は単独で使用されてもよいし、複数の溶剤が混合されてもよい。
7.[コーティング膜]
本発明に係るコーティング樹脂組成物は、金属薄膜の表面にコーティングされ、コーティング膜となる。このコーティングの方法としては、塗工機による塗工が好ましい。前述したように、このコーティング膜は、架橋されていてもよく、されていなくてもよい。
塗工機として公知のものが使用されうる。塗工機として、例えばコンマコーター等のナイフコーター、スロットダイコーター、リップコーター等のファウンテンコーター、マイクログラビアコーター等のキスコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター等のロールコーター、フローコーター、スプレーコーター、バーコーターが挙げられる。塗布後の乾燥・硬化方法としては、自然乾燥、熱風による乾燥、遠赤外線による乾燥、UV硬化等が用いられうる。
本発明のコーティング樹脂組成物が塗工される場合、溶剤により粘度が調整されてもよい。使用されうる溶剤は、前述した通りである。
塗工時におけるコーティング樹脂組成物の粘度は、塗工機の種類によって適宜選択されうる。例えば、マイクログラビアコーター等のような小径グラビアキスリバース方式で塗工される場合は1〜1000mPa・sが一般的であり、ダイコーター等押し出し方式で塗工する場合は100〜10000mPa・sが一般的である。コーティング樹脂組成物の固形分比率は塗料粘度に合わせて調整されうる。
乾燥温度は乾燥ラインの長さ、ライン速度、塗布量、残存溶剤量、基材の種類等を考慮して決めればよい。基材がPETフィルムであれば、一般的な乾燥温度は50〜150℃である。1ラインに複数の乾燥機がある場合は、それぞれの乾燥機を異なる温度、風速に設定してもよい。塗工外観の良好な塗膜を得るためには、入り口側の乾燥条件をマイルドにするのが好ましい。
コーティング膜の厚さは限定されない。基材との親和性、屈曲性の向上及び可視光透過率の観点から、コーティング膜の厚さは、10μm以下であるのが好ましい。コーティング膜の耐久性の観点から、コーティング膜の厚さは、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましい。
8.[積層体]
本発明に係る積層体は、上記コーティング膜と、金属薄膜と、基材とを有する。好ましくは、コーティング膜と金属薄膜とは互いに接している。この構成により、コーティング膜は、金属薄膜との親和性を発現しうる。
本発明において「金属薄膜」とは、金属原子を含む薄膜を意味する。この薄膜は、基材の表面に形成される。金属薄膜と基材との間に他の層が介在していてもよい。均等な膜厚が得られうる観点から、金属薄膜の成膜方法としては、蒸着が好ましい。蒸着の方法として、物理蒸着(PVD)及び化学蒸着(CVD)が例示される。物理蒸着(PVD)の方法として、スパッタリング、イオンプレーティング、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着等が挙げられる。化学蒸着(CVD)の方法として、プラズマCVD、熱CVD、光CVD等が挙げられる。
金属薄膜を構成する物質は、積層体の使用目的に応じて適宜決定されうる。金属薄膜を構成する物質としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、異種金属がドープされた金属酸化物等が挙げられる。金属としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、金、銀、プラチナ及びニッケルが挙げられる。金属酸化物としては、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ケイ素、インジウム−スズ酸化物(ITO)等が挙げられる。異種金属がドープされた金属酸化物としては、例えば、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。金属窒化物としては、窒化チタン、窒化チタンアルミ等が挙げられる。インジウム−スズ酸化物(ITO)は、本発明に係るコーティング樹脂組成物との親和性が高いため好ましい。
なお、金属薄膜の膜厚は、通常、10nm以上1000nm以下とされる。
金属薄膜は、基材の表面に成膜される。この基材は限定されない。光学用途等の場合、透明性を有する基材が好ましい。この透明基材として、ガラス;シクロポリオレフィン、非晶質ポリオレフィン等のオレフィン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等のメタクリル系ポリマー;酢酸ビニルやハロゲン化ビニル等のビニル系ポリマー;PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル;ポリカーボネート、ブチラール樹脂等のポリビニルアセタール;ポリアリールエーテル系樹脂;TAC(トリアセチルセルロース樹脂);ラクトン環構造を有する樹脂等が挙げられる。更に、透明基材には、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、アンカーコート剤やプライマー等のコーティングが施されてもよい。
また、上記透明基材を構成する基材樹脂には、公知の添加剤、耐熱老化防止剤、滑剤、帯電防止剤等の配合が可能である。上記透明基材は、公知の射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形等の方法や、有機溶剤に溶融させてキャスティングする方法などを用い、フィルムまたはシート状に成形される。かかる透明基材を構成する基材は、未延伸でも延伸されていてもよく、また他の基材と積層されていてもよい。
金属薄膜の成膜が容易である観点及びコストの観点から、透明基材としてはガラス又はPETフィルムが好ましく、ガラスとPETフィルムとが積層された透明基材も好ましい。PETフィルムは、易接着処理されたPETフィルムでもよい。PETフィルムの具体例として、コスモシャインA4300(東洋紡績製)、ルミラーU34(東レ製)、メリネックス705(帝人デュポン製)等が挙げられる。
基材の厚さは限定されず、目的に応じて適宜設定される。光学用途の場合、基材の厚さは、通常、0.1μmから10mm程度である。
本発明の用途は特に限定されない。本発明は、金属薄膜を備えたものであればいずれにも適用されうる。本発明は、例えば、太陽電池用バックシート、色素増感型太陽電池、導電フィルム、コンパクトディスク、ブルーレイディスク、電磁波遮蔽フィルム、近赤外線吸収フィルム、反射防止フィルム、電磁波遮蔽効果と近赤外線吸収能とを併せ持ったフィルムなどに適用されうる。電磁波遮蔽効果と近赤外線吸収能とを併せ持ったフィルムとして、薄型ディスプレー用スパッタフィルム、例えばPDP(プラズマディスプレイパネル)用スパッタフィルムが挙げられる。さらに本発明は、これらのフィルムを備えた光学フィルターに適用されうる。この光学フィルターとして、光半導体素子用光学フィルター及び薄型ディスプレー用光学フィルターが例示される。この光学フィルターにおいて、可視領域の全光線透過率が40%以上であるのが好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。なお、以下において、「部」は質量部を意味し、「%」は質量%を意味する。また、以下に示された重量平均分子量の測定方法は、前述した通りである。
合成例1
モノマーとしてメチルメタクリレート94.8部、シクロヘキシルアクリレート160.1部、ヒドロキシエチルメタクリレート32.3部、ブチルアクリレート9.1部、メタクリル酸2.3部及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−メタクリレート6.1部を混合し、モノマー混合物1を得た。ABN−E(日本ファインケム製)0.31部と酢酸エチル10部とを混合し、開始剤溶液1を得た。このモノマー混合物1の152.35部と酢酸エチル242.6部とをフラスコに入れ、このフラスコに、温度計、攪拌機、窒素ガス導入管、還流冷却機および滴下漏斗をセットした。0.3部のABN−Eと45.7部の酢酸エチルとを混合して滴下重合開始剤溶液2をつくり、この滴下重合開始剤溶液2を152.35部のモノマー混合物1と混合し、上記滴下漏斗に入れた。窒素ガスを20ml/分で流通させながら、フラスコ内を加熱して内温を82℃とした。開始剤溶液1をフラスコに添加し、重合反応を開始した。重合開始剤の投入から10分後に、上記滴下漏斗内の混合物(モノマー混合物1と滴下重合開始剤溶液2との混合物)を90分かけてフラスコ内に添加した。滴下終了後15部の酢酸エチルで滴下漏斗を洗浄し、フラスコ内に洗浄液を添加した。その後、300分間熟成した後、トルエン371.7部で希釈して、アクリル系共重合体1を含む樹脂溶液1を得た。樹脂溶液1の固形分は29.3%であり、アクリル系共重合体1のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.8万であった。この合成例1のモノマー混合物1におけるモノマーの配合比率(質量%)が、下記の表1で示されている。
なお、表1において、「CHMA」はシクロヘキシルアクリレートを意味し、「MMA」はメチルメタクリレートを意味し、 「BA」はブチルアクリレートを意味し、「MAA」はメタクリル酸を意味し、「HEMA」はヒドロキシエチルメタクリレートを意味し、「TAAMA」は2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−メタクリレートを意味する。
合成例2
モノマーとしてメチルメタクリレート142.6部、シクロヘキシルアクリレート80.1部、ヒドロキシエチルメタクリレート64.6部、ブチルアクリレート9.1部、メタクリル酸2.3部及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−メタクリレート6.1部を混合して、モノマー混合物2を得た。上記モノマー混合物1に代えてこのモノマー混合物2を用いた他は合成例1と同様にして、アクリル系共重合体2を含む樹脂溶液2を得た。樹脂溶液2の固形分は29.6%であり、アクリル系共重合体2のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.0万であった。この合成例2のモノマー混合物2におけるモノマーの配合比率(質量%)が、下記の表1で示されている。
合成例3
モノマーとしてメチルメタクリレート222.6部、ヒドロキシエチルメタクリレート64.6部、ブチルアクリレート9.1部、メタクリル酸2.3部及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−メタクリレート6.1部を混合して、モノマー混合物3を得た。上記モノマー混合物1に代えてこのモノマー混合物3を用いた他は合成例1と同様にして、アクリル系共重合体3を含む樹脂溶液3を得た。樹脂溶液3の固形分は29.2%であり、アクリル系共重合体3のポリスチレン換算の重量平均分子量は2.8万であった。この合成例3のモノマー混合物3におけるモノマーの配合比率(質量%)が、下記の表1で示されている。
実施例1
合成例1で得られた樹脂溶液1を用いた。6.35部の上記樹脂溶液1に、0.14部のイソシアネート架橋剤「デスモジュールN3200」(住化バイエルウレタン社製)と、3.51部のトルエンとを添加して、固形分20%のコーティング樹脂組成物1を得た。このコーティング樹脂組成物1を、トービ社製の商品名「ITO/PET OTEC 220B−125N−1A」(厚さ125μm)にバーコーターNo.30で塗工し、100℃15分間で乾燥させて、積層体1を得た。コーティング樹脂組成物1は、ITOの薄膜の上に塗工された。積層体1において、コーティング樹脂組成物1からなるコーティング膜とITO膜とは接している。積層体1において、コーティング樹脂組成物1よりなるコーティング膜の厚さは、7.9μmであった。なお、イソシアネート架橋剤N3200については、前述の通りである。また上記の「ITO/PET OTEC 220B−125N−1A」は、PETフィルムよりなる基材にインジウム−スズ酸化物(ITO)が蒸着されてなる。
実施例2
6.8部の上記樹脂溶液1に、3.0部のトルエンと、固形分2%に希釈したBYK331(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.15部とを添加して、固形分20%になるように希釈し、コーティング樹脂組成物2を得た。上記コーティング樹脂組成物1に代えてこのコーティング樹脂組成物2を用いた他は実施例1と同様にして、積層体2を得た。コーティング樹脂組成物2は、ITOの薄膜の上に塗工された。積層体2において、コーティング樹脂組成物2からなるコーティング膜とITO膜とは接している。積層体2において、コーティング樹脂組成物2よりなるコーティング膜の厚さは、7.7μmであった。なお、この実施例2において、コーティング樹脂組成物2におけるレベリング剤の含有量は、コーティング樹脂組成物2の樹脂固形分100質量部に対して、0.15質量部であった。
実施例3
合成例2で得られた樹脂溶液2を用いた。5.87部の上記樹脂溶液2に、0.26部のイソシアネート架橋剤「デスモジュールN3200」(住化バイエルウレタン社製)と、3.87部のトルエンとを添加して、固形分20%のコーティング樹脂組成物3を得た。上記コーティング樹脂組成物1に代えてコーティング樹脂組成物3が用いられた他は実施例1と同様にして、積層体3を得た。積層体3において、コーティング樹脂組成物3からなるコーティング膜とITO膜とは接している。積層体3において、コーティング樹脂組成物3よりなるコーティング膜の厚さは、7.8μmであった。
実施例4
6.53部の上記樹脂溶液1に、0.09部のデスモジュールN3200、3.14部のトルエン、及び固形分2%に希釈したグラノール410(共栄社化学製)0.24部を添加して、固形分20%のコーティング樹脂組成物4を得た。上記コーティング樹脂組成物1に代えてコーティング樹脂組成物4が用いられた他は実施例1と同様にして、積層体4を得た。積層体4とITO膜とは接している。積層体4において、コーティング樹脂組成物4よりなるコーティング膜の厚さは7.6μmであった。なお、この実施例4において、コーティング樹脂組成物4におけるレベリング剤の含有量は、コーティング樹脂組成物4の樹脂固形分100質量部に対して、0.25質量部であった。
実施例5
6.8部の樹脂溶液1に3.2部のトルエンを添加して固形分20%のコーティング樹脂組成物5を得た。上記コーティング樹脂組成物1に代えてコーティング樹脂組成物5が用いられた他は実施例1と同様にして積層体5を得た。積層体5とITO膜とは接している。積層体5において、コーティング樹脂組成物5よりなるコーティング膜の厚さは7.8μmであった。
実施例6
6.83部の樹脂溶液1に、固形分2%に希釈されたBYK331(ビックケミー・ジャパン株式会社製)1.2部と、トルエン1.97部とを添加して、固形分20%のコーティング樹脂組成物6を得た。上記コーティング樹脂組成物1に代えてコーティング樹脂組成物6が用いられた他は実施例1と同様にして、積層体6を得た。積層体6とITO膜とは接している。積層体6において、コーティング樹脂組成物6よりなるコーティング膜の厚さは7.6μmであった。なお、この実施例6において、コーティング樹脂組成物6におけるレベリング剤の含有量は、コーティング樹脂組成物6の樹脂固形分100質量部に対して、1.2質量部であった。
比較例1
6.12部の上記樹脂溶液3に、0.27部のデスモジュールN3200と3.61部のトルエンとを添加して、固形分20%のコーティング樹脂組成物7を得た。上記コーティング樹脂組成物1に代えてコーティング樹脂組成物7が用いられた他は実施例1と同様にして、積層体7を得た。積層体7において、コーティング樹脂組成物7からなるコーティング膜とITO膜とは接している。積層体7において、コーティング樹脂組成物7よりなるコーティング膜の厚さは、7.8μmであった。
各例について、以下の評価を行った。
評価1.スチールウール性
スガ試験機(株)製学振型耐摩耗試験器を用いて、#0000スチールウールを200gの荷重で10回往復させた後の傷の付き方を目視で評価した。傷がない場合をA、傷が1〜10本の場合をB、傷が11本以上の場合をCとした。
評価2.屈曲性
試験体を23℃65%RHの恒温恒湿室で調温し、円筒形マンドレル法により耐屈曲性試験を行った。直径2mmの円筒で試験を行い、屈曲部におけるクラックの有無を拡大鏡(倍率10倍)で観察した。評価基準は以下の通りとされた。
○:クラックなし
×:クラックあり
評価3.耐溶剤性
試験体の塗装面上にエタノールを滴下し、風乾した。乾燥後、目視でクラックの有無を観察した。評価基準は以下の通りとされた。
○:クラックなし
×:クラックあり
評価4.全光線透過率
60℃90%RHで1000時間の湿熱試験を行った。この湿熱試験前の全光線透過率と、この湿熱試験後の全光線透過率とを測定した。全光線透過率の測定にはΣ90システム(日本電色製)を使用した。評価基準は以下の通りとされた。
○:試験前後における全光線透過率の変化率が2%未満
△:試験前後における全光線透過率の変化率が2%以上5%未満
×:試験前後における全光線透過率の変化率が5%以上
評価5.光沢度
JIS−K−5400 7.6に準じ、光度計(日本電色製「VZ−2000」)を用いて、入射角60度での光沢度を測定した。60℃90%RHで1000時間の湿熱試験を行い、この湿熱試験前の光沢度と、この湿熱試験後の光沢度とを比較した。評価基準は以下の通りとされた。
○:試験前後における光沢度の変化率が5%未満
△:試験前後における光沢度の変化率が5%以上10%未満
×:試験前後における光沢度の変化率が10%以上
上記全光線透過率及び上記光沢度は、金属薄膜の外観と相関する。全光線透過率の変化が少ないことは、金属薄膜の外観を保護する性能が高いことを示している。光沢度の変化が少ないことは、金属薄膜の外観を保護する性能が高いことを示している。
各例の仕様と評価結果が、下記の表2に示される。
Figure 2009221444
Figure 2009221444
表2が示すように、実施例は、比較例よりも評価が高い。実施例に係るコーティング膜は、金属薄膜との親和性に優れているため、屈曲しても金属薄膜との剥離が生じにくい。このため実施例は屈曲性に優れる。更に実施例は、耐溶剤性、全光線透過率及び光沢度に優れる。また実施例2では、架橋されない場合であっても高い評価が得られうる点が示されている。これらの結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明の金属薄膜用コーティング樹脂組成物は、金属薄膜を有するあらゆる基材等に適用されうる。

Claims (8)

  1. シクロアルキル基含有アクリル系モノマーと他のアクリル系モノマーとを含むモノマー混合物を重合して得られるアクリル系共重合体を含み、
    上記モノマー混合物において、シクロアルキル基含有アクリル系モノマーが、アクリル系モノマーの全量に対して20質量%以上である金属薄膜用コーティング樹脂組成物。
  2. 上記シクロアルキル基含有アクリル系モノマーが、シクロヘキシル基含有アクリル系モノマーである請求項1に記載の金属薄膜用コーティング樹脂組成物。
  3. 上記モノマー混合物において、水酸基含有アクリル系モノマーが、アクリル系モノマーの全量に対して30質量%以下である請求項1又は2に記載の金属薄膜用コーティング樹脂組成物。
  4. 上記アクリル系共重合体の重量平均分子量が2万以上である請求項1から3のいずれかに記載の金属薄膜用コーティング樹脂組成物。
  5. 蒸着によって形成された金属薄膜に用いられる請求項1から4のいずれかに記載の金属薄膜用コーティング樹脂組成物。
  6. PET又はガラスの表面に形成された金属薄膜に用いられる請求項1から4のいずれかに記載の金属薄膜用コーティング樹脂組成物。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載の金属薄膜用コーティング樹脂組成物によって形成されたコーティング膜と、このコーティング膜により被覆された金属薄膜とを有する積層体。
  8. 上記コーティング膜の厚さが10μm以下である請求項7に記載の積層体。
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