JPH079101A - 連続鋳造における鋳片の冷却方法 - Google Patents

連続鋳造における鋳片の冷却方法

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JPH079101A
JPH079101A JP15736293A JP15736293A JPH079101A JP H079101 A JPH079101 A JP H079101A JP 15736293 A JP15736293 A JP 15736293A JP 15736293 A JP15736293 A JP 15736293A JP H079101 A JPH079101 A JP H079101A
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Tomoaki Tadama
玉 智 明 田
Nozomi Tamura
村 望 田
Shigeru Ogura
倉 滋 小
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】連続鋳造機の二次冷却帯における鋳片の冷却に
おいて、熱伝達率の調整可能域が広く、すなわち広範な
範囲の冷却速度に対応することができ、低速から高速ま
での鋳造速度において、目的の冷却速度による良好な鋳
片の冷却を実施することができるミスト冷却方法を提供
する。 【構成】気水ミストノズルを用い、水滴粒径が100μ
m以上のミストスプレーによって二次冷却帯における鋳
片の冷却を行うことによって前記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造における鋳造
片(以下、鋳片とする)の冷却方法に関する。詳しく
は、連続鋳造速度の変化等に伴う冷却速度の変更に好適
に対応することができ、広範な目的冷却速度に対応して
良好な鋳片の冷却を行うことができる連続鋳造における
鋳片の冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造された鋳片を二次冷却帯におい
て均一に冷却することは、良好な性状の鋳片を得る上で
極めて重要である。このような連続鋳造における鋳片の
冷却方法として、ミスト冷却方法が多用されている。こ
の方法は、気液混合ノズル(以下、ミストノズルとす
る)を用い、鋳型から連続的に引き抜かれてくる鋳片に
水をミスト状にして吹き付けて、蒸発潜熱を利用して鋳
片を冷却するものであり、単なる水冷や空冷方式等に比
べて冷却効率が高く、また水スプレーに比べて低水量域
における噴霧状態の悪化(いわゆるダレ)が小さく、広
い水量域において鋳片を外周面から万遍なく冷却し得る
ことから広く実用化されている。
【0003】ミスト冷却方法において、鋳片全面に渡っ
て均一かつ安定した冷却を実現するためには、ミストの
噴霧パターン(スプレー形状、特に広がり)を一定に保
持して、かつ安定した噴霧状態でミストを鋳片に吹き付
ける必要がある。このような目的を達成するために、ミ
スト噴霧方法が各種提案されている。
【0004】例えば、特開昭61−88953号公報に
は、鋳片の目的冷却速度に応じて、低水量域ではミスト
成形用空気量を連続噴霧状態最下限以上とし、中水量域
では同空気量を微粒噴射に必要な最小空気量以上とし、
高水量域では同空気量をミスト噴霧成形限界以下とする
ことにより、安定したミストによる均一冷却と吐出空気
圧を必要最小限に押さえるミスト冷却方法が提案されて
いる。
【0005】また、特開昭61−259862号公報に
は、ミストの噴霧パターンが変化しない気水比(気体と
水との体積比 =Qa /Qw )の範囲内において、ミス
トノズルの空気圧を段階的に変化させ、この空気圧に応
じてミストの気水比を調整することにより、鋳片の均一
冷却および広い冷却速度を実現したとするミスト冷却方
法が提案されている。
【0006】さらに、特開平1−306058号公報に
は、鋳片の目的冷却速度に応じて冷却水量を求めると共
に、この水量に応じて鋳片幅に対応した噴霧幅となるよ
うに空気量を調整することにより、ミストノズルの高さ
を調整することなくミスト噴霧幅を調整するミスト冷却
方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、連続鋳造によっ
て製造されるブルームやビレットが多様化され、連続鋳
造速度(以下、鋳造速度とする)の範囲や、冷却後の目
的温度の幅が広くなっている。それに伴って鋳片の二次
冷却には、それに対応した広範な範囲にわたる冷却能力
(冷却効率)が要求されている。
【0008】前述のように、ミスト冷却方法では鋳片冷
却のための熱伝達率がよく、高い冷却効率での鋳片冷却
を行うことができる。そのため、鋳造速度が早い場合に
は良好な冷却を行うことができる。しかしながら、低速
での連続鋳造の場合には、冷却効率が高すぎ、過冷却と
なってしまうことが多く、広範な鋳造速度に応じた良好
な冷却を行うことができない。
【0009】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、連続鋳造機の二次冷却帯における
鋳片の冷却において、熱伝達率の調整可能域が広く、す
なわち広範な冷却速度に対応することができ、低速から
高速までの広範囲な鋳造速度や目的とする鋳片冷却温度
等に応じて、目的の冷却速度による良好な鋳片の冷却を
実施することができる連続鋳造における鋳片のミスト冷
却方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】連続鋳造の二次冷却帯に
おけるミスト冷却においては、ミストスプレーの水滴粒
径と熱伝達率すなわち鋳片の冷却効率との間に密接な関
係がある。
【0011】ミストの水滴粒径は、ミストノズルの種類
や形状、ミストスプレーの気体と水との体積比(Qa /
Qw 以下、気水比とする)によって左右されるが、一
般的に、高気水比では水滴粒径が細かく、低気水比では
水滴粒径が大きい。ここで、連続鋳造における鋳片冷却
においては、鋳造速度が早く高速での冷却が必要な際に
は水量を増やし、鋳造速度が低速で冷却速度を遅くした
い場合には水量を減らす。ところが前述のように高気水
比では水滴粒径が細かいために冷却効率が高く、鋳造速
度が低速の場合に冷却速度を低くすることができずに過
冷却となってしまう。
【0012】また、逆に低気水比では水滴粒径が大きい
が、この粒径が大きすぎると熱伝達率が低下して冷却効
率が悪く、冷却速度が水量の増加に応じて向上しないば
かりか、特に低水量域においてはミストスプレーの噴霧
形状が悪化して鋳片の均一冷却ができなくなってしま
う。そのため、鋳片全面にわたって均一で、かつ広範な
冷却速度域に対応するミスト冷却を実現するためには、
水滴粒径が好適なミストスプレーによって鋳片の冷却を
行う必要がある。
【0013】さらに、ミストスプレーの気水比も冷却効
率に大きく影響し、この気水比が高い場合には対応可能
な冷却速度域が狭く、気水比が低くなるに従って対応可
能な冷却速度域が広がる傾向にある。つまり、気水比を
一定値以下に調整することにより、広範な目的冷却速度
に対応することが可能となる。また、この気水比を調整
することによって、ミストスプレーの水滴粒径を好適な
範囲に調整することができる。
【0014】本発明は、本発明者らの鋭意検討の結果、
上記知見を得ることによって成されたものである。すな
わち本発明は、連続鋳造機の二次冷却帯における鋳片の
冷却方法であって、気水ミストノズルを用い、水滴粒径
が100μm以上のミストスプレーによって二次冷却帯
における鋳片の冷却を行うことを特徴とする連続鋳造に
おける鋳片の冷却方法を提供する。
【0015】また、前記本発明の冷却方法において、前
記ミストスプレーの気体と水との体積比(Qa /Qw )
が25以下であるのが好ましい。
【0016】以下、本発明の連続鋳造における鋳片の冷
却方法(以下、冷却方法とする)について、より詳細に
説明する。図1に、本発明の冷却方法を実施する連続鋳
造装置の一部を概念的に示す。図1に示される例におい
て、溶鋼はタンディッシュ10よりモールド12に供給
されて鋳造される。製造された鋳片30は二次冷却帯1
4によって冷却されて次工程に搬送される。
【0017】図示例において、二次冷却帯14は5つの
冷却セグメント、すなわち第1(冷却)セグメント1
6、第2(冷却)セグメント18、第3(冷却)セグメ
ント20、第4(冷却)セグメント22、および第5
(冷却)セグメント24より構成される。なお、冷却セ
グメントは5つに限定されないのはもちろんである。ま
た、図面を簡略化するために省略するが、二次冷却帯1
4においては、鋳片の搬送経路に応じて、鋳片を挟持搬
送する搬送ローラが配置されている。
【0018】各冷却セグメントには、冷却用のミストス
プレーを射出するミストノズルが搬送ローラの間に配置
され、また、ミストノズルから射出されるミストスプレ
ーの気水比や後述する水滴粒径等を制御する制御手段を
有している。
【0019】なお、本発明の冷却方法においては、ミス
トノズルの種類には特に限定はなく、内部混合タイプの
気水ミストスプレーノズル等の公知のものがいずれも利
用可能である。また、各冷却セグメントにおけるミスト
ノズルの配置位置や数等には特に限定はなく、鋳片の幅
方向に1つあるいは複数ミストノズルを配列したもので
あってもよく、ミストノズル(その幅方向の列)を鋳片
の搬送方向に複数列配置してもよい。さらに、ミストノ
ズルから鋳片までの距離にも特に限定はないが、通常1
00〜300mm程度である。
【0020】ここで、図示例の連続鋳造装置は本発明の
冷却方法を実施するものであるので、各冷却セグメント
には粒径測定装置、すなわち第1セグメント16には粒
径計測装置16aが、第2セグメント18には粒径計測
装置18aが、第3セグメント20には粒径計測装置2
0aが、第4セグメント22には粒径計測装置22a
が、第5セグメント24には粒径計測装置24aが、そ
れぞれ配設される。図1に示される連続鋳造装置におい
て、粒径測定は例えばレーザドップラーを用いており、
各冷却セグメント毎にザウター平均径を算出する。な
お、粒径測定はレーザドップラーを用いるものに限定は
されない。また、各冷却セグメントにおいて水滴粒径を
良好に所定値に調整できる場合には、粒径計測装置は設
けなくてもよい。
【0021】前述のように、本発明の冷却方法において
は、この二次冷却帯14におけるミスト冷却を、水滴粒
径が100μm以上で、好ましくは気水比が25以下の
ミストスプレーによって行うものであり、各粒径測定装
置によって測定された水滴粒径は対応する冷却セグメン
トの制御装置に送られ、ミストスプレーの水滴粒径を所
定範囲に調整する。
【0022】図2に、各種のミストスプレーの水滴粒径
における局所水量密度とスプレー直下熱伝達率との関係
を示す。この測定は、従来より行われている方法(例え
ば、三塚らによって、鉄と鋼52(1966)10,8
9ページに開示される)によって行った。なお、局所水
量密度とはスプレーの平均的な水量密度ではなく、スプ
レー直下における水量密度を示す。また、スプレー直下
熱伝達率とは、すなわち鋳片表面における抜熱指数のよ
うなものであり数値が大きいほど鋳片から熱を奪う(冷
却効率が高い)。図2において、領域aは水滴の粒径が
100μm未満のスプレー(気水比40〜50)を、領
域bは同100μm以上のスプレー(気水比25以下)
を、それぞれ示す。
【0023】スプレーを用いた冷却においては、水滴粒
径が細かい方が同一水量密度での表面積が大きく、水滴
粒径が荒い場合に比べて蒸発水量が大きくなり抜熱能力
が向上する。そのため、図2のaに示されるように粒径
が100μm未満のミストスプレーは優れた冷却効率を
有する。しかしながら、水量を減らしても熱伝達率の低
下、すなわち冷却効率の低下が少なく、対応できる冷却
速度の範囲が狭い。そのため鋳造速度が速い場合には問
題がないが、低速での鋳造を行う場合は過冷却を起こし
て高品質な鋳片を得ることができない。
【0024】これに対し、粒径が100μm以上のミス
トスプレーは水量密度の変化に応じて広い範囲で冷却効
率が変化し、従って、対応できる目的冷却速度範囲が広
く、低速から高速まで広範な鋳造速度に対応して目的冷
却速度を実現することができる。また、水滴粒径を上記
範囲とすることにより、低水量域から高水量域まで良好
な噴霧状態を実現することができ、鋳片全面に渡って均
一かつ良好な冷却を実現することができる。特に、好ま
しくはミストスプレーの水滴粒径を100〜200μm
とすることにより、熱伝達率範囲が広くなる等の点でよ
り好ましい結果を得ることができる。
【0025】本発明の冷却方法において、ミストスプレ
ーの水滴粒径は各冷却セグメントで同じであっても異な
るものであってもよい。また水滴粒径が異なる場合は、
必要に応じて水滴粒径が100μm以下の範囲外のミス
トスプレーを組合わせてもよい。また、ミストスプレー
の水滴粒径の調整方法にも特に限定はなく、気水比を調
整する方法、水、空気のヘッダー圧を調整する方法等の
公知の方法がいずれも利用可能である。
【0026】ここで、本発明の冷却方法においては、好
ましくは、ミストスプレーの気水比を25以下に調整す
る。気水比を上記範囲に設定することにより、ミストス
プレーの水滴粒径を好適に100μm以上の範囲に調整
することができ、さらにより広い冷却速度範囲への対応
が可能となる。
【0027】図3に、各種の気水比でのミストスプレー
(水スプレー)における局所水量密度とスプレー直下熱
伝達率との関係を示す。なお、測定方法は前述の図2と
同様である。図3において、実線は気水比10のミスト
スプレーを、点線は気水比40のミストスプレーを、一
点鎖線は水スプレーをそれぞれ示す。
【0028】図3に示されるように、局所水量密度とス
プレー直下熱伝達率との関係は気水比によって左右さ
れ、気水比40のミストスプレーは水量の変化に対する
熱伝達率(冷却速度)の変化が小さく、また、水量を少
なくしても冷却速度を低下することができない。そのた
め、鋳造速度が遅い場合等では過冷却となってしまう可
能性がある。これに対し、気水比10のミストスプレー
は、水スプレーと同様に水量密度の変化に応じて広い範
囲で冷却効率が変化し、従って、対応できる目的冷却速
度範囲が広く、低速から高速まで広範な鋳造速度に対応
して目的冷却速度を実現することができる。
【0029】図4に、図3に示されるような局所水量密
度とスプレー直下熱伝達率との関係のグラフの傾きと気
水比との関係を示す。図4に示されるように、気水比が
小さくなるに従ってグラフの傾きが大きくなる、すなわ
ち対応可能な冷却速度域が広くなる。
【0030】本発明者らの検討によれば、気水比を25
以下とすることにより、より広範な冷却速度域を実現す
ることができ、低速から高速の鋳造速度に応じた目的冷
却速度をより好適に実現することができる。しかも、気
水比をこの範囲とすることにより、ミストスプレーの水
滴粒径を良好に100μm以上に調整することができ
る。より好ましくは、気水比を10〜25以下とするこ
とにより、この傾向はさらに強くなる。
【0031】本発明の冷却方法が利用可能な鋳造速度に
は特に限定はないが、特に、凝固端が連続鋳造機機長よ
り長くならないようにして決定される最高鋳造速度か
ら、その30%の速度までの範囲で好適に利用される。
鋳造速度を上記範囲とすることにより、鋳造速度に応じ
た目的冷却速度を、気水比を変更することなく水量を調
整して達成することができるので、鋳片の冷却制御を容
易かつ良好なものとできる。
【0032】以上、本発明の連続鋳造における鋳片の冷
却方法について説明したが、本発明はこれに限定はされ
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の変
更や改良を行ってもよいのはもちろんである。
【0033】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に
限定はされない。 [実施例1]図1に示される連続鋳造装置を用いてステ
ンレス鋼の鋳造を行った。鋳造速度は0.7m/mi
n、スループットは1.8t/minとして、第5セグ
メント24以外を作動してミスト冷却を行った。なお、
ミストスプレーの気水比は10〜25とした。二次冷却
後の目的温度は800〜900℃である。
【0034】本発明例においては、目的温度(目的冷却
速度)に応じて冷却水量を調整すると共に、各冷却セグ
メントの粒径計測装置を作動して、その計測結果に応じ
てミストスプレーの水滴粒径を100〜200μmに調
整した。他方、比較例として、粒径調整を行わない以外
は全く同様にして二次冷却を行った。
【0035】図5に、前記本発明例および比較例におけ
る、メニスカス(鋳片中の溶鋼部分の最上点)からの距
離と鋳片の表面温度との関係を示す。なお、図5におい
ては実線が本発明例を、点線が比較例をそれぞれ示す。
【0036】図5に示されるように、ミストスプレーの
水滴粒径を100〜200μmに調整した本発明例で
は、目的とする冷却速度で鋳片を好適に冷却して目的温
度範囲内にすることができた。しかしながら、水滴粒径
を調整しない比較例では、冷却不足を生じて冷却後の鋳
片表面温度が1000℃を超えてしまっている。
【0037】[実施例2]図1に示される連続鋳造装置
を用いてステンレス鋼の鋳造を行った。鋳造速度は0.
7〜2.5m/min、スループットは4.7t/mi
nとして、第5セグメント24以外を作動してミスト冷
却を行った。
【0038】本発明例においては、目的温度(目的冷却
速度)に応じて冷却水量を調整すると共に、各冷却セグ
メントの粒径計測装置を作動して、その計測結果に応じ
てミストスプレーの水滴粒径を100〜200μmに調
整した。また、本発明例における気水比は12とした。
他方、比較例として、ミストスプレーの水滴粒径を50
〜100μmに調整し、気水比を40とした以外は全く
同様にして二次冷却を行った。
【0039】図6に、前記本発明例および比較例におけ
る、メニスカスからの距離と鋳片の表面温度との関係を
示す。
【0040】図6において、点線は鋳造速度2.5m/
minの場合における表面温度推移を示すが、この鋳造
速度では冷却に高い水量密度が必要であるため、冷却効
率(熱伝達率)が本発明例および比較例共に等しいた
め、いずれの場合も表面温度はほぼ同様で、鋳片表面を
好適に冷却することができた。
【0041】一方、図6の一点鎖線は鋳造速度0.75
m/minにおける比較例の表面温度推移である。この
ような低速の鋳造速度では水量を減少して低速での冷却
を行うが、水滴粒径が50〜100μmで、気水比が4
0の比較例では、水量調整による冷却速度の変化可能域
が狭く、冷却効率が高いため、過冷却を生じて鋳片表面
は目的温度を大幅に下回ってしまった。
【0042】これに対し、図6に実線で示される、本発
明例の鋳造速度0.75m/minの例においては、水
滴粒径を100〜200μmに調整すると共に、気水比
を12に調整しているため、水量調整による冷却速度の
変化可能域が広く、水量調整によって冷却速度を目的値
に容易に調整でき、鋳片表面を好適に冷却して目的温度
への冷却を達成することができる。以上の結果より、本
発明の効果は明らかである。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
連続鋳造における鋳片の冷却方法によれば、水量調整に
よる冷却速度の変化可能域が広くすることができるた
め、過冷却や冷却不足を生じることなく、低速から高速
まで広範な鋳造速度に対応して目的冷却速度を実現し、
鋳片を目的温度まで冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の連続鋳造における鋳片の冷却方法を
実施する連続鋳造装置の一例の一部を概念的に示す図で
ある。
【図2】 ミストスプレーの水滴粒径を変化させた際の
局所水量密度とスプレー直下熱伝達率との関係を示すグ
ラフである。
【図3】 気水比をさせた際の局所水量密度とスプレー
直下熱伝達率との関係を示すグラフである。
【図4】 局所水量密度およびスプレー直下熱伝達率の
関係の傾きと気水比との関係を示すグラフである。
【図5】 連続鋳造の二次冷却帯において、メニスカス
からの距離と鋳片表面温度との関係を示すグラフであ
る。
【図6】 連続鋳造の二次冷却帯において、メニスカス
からの距離と鋳片表面温度との関係を示すグラフであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造機の二次冷却帯における鋳片の冷
    却方法であって、気水ミストノズルを用い、水滴粒径が
    100μm以上のミストスプレーによって二次冷却帯に
    おける鋳片の冷却を行うことを特徴とする連続鋳造にお
    ける鋳片の冷却方法。
  2. 【請求項2】前記ミストスプレーの気体と水との体積比
    (Qa /Qw )が25以下である請求項1に記載の連続
    鋳造における鋳片の冷却方法。
JP15736293A 1993-06-28 1993-06-28 連続鋳造における鋳片の冷却方法 Withdrawn JPH079101A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008200704A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 Kobe Steel Ltd 連続鋳造機における鋳片冷却方法
JP2010253525A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Jfe Steel Corp 2流体ミストスプレーノズルによる連続鋳造鋳片の二次冷却方法
JP2014050873A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal 連続鋳造の二次冷却方法

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