JPH079077B2 - 合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上への電気Fe―Zn合金メッキ方法 - Google Patents
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上への電気Fe―Zn合金メッキ方法Info
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- JPH079077B2 JPH079077B2 JP63242140A JP24214088A JPH079077B2 JP H079077 B2 JPH079077 B2 JP H079077B2 JP 63242140 A JP63242140 A JP 63242140A JP 24214088 A JP24214088 A JP 24214088A JP H079077 B2 JPH079077 B2 JP H079077B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の表面特性を改質す
るために、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に均
一な上層電気Fe-Zn合金メッキを施す方法に関するもの
である。
るために、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に均
一な上層電気Fe-Zn合金メッキを施す方法に関するもの
である。
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のリン酸塩化成処理性・カチ
オン電着塗装性等の表面特性の改質を狙って、合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に均一な上層電気Fe-Zn
合金メッキを施す場合に利用する方法である。
オン電着塗装性等の表面特性の改質を狙って、合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に均一な上層電気Fe-Zn
合金メッキを施す場合に利用する方法である。
(従来の技術) 近年、例えば自動車の防錆性向上要求の高まりから、各
種メッキ鋼板が多用化されているが、より一層の防錆能
向上から、より厚いメッキ量のメッキ鋼板が要求されて
いる。
種メッキ鋼板が多用化されているが、より一層の防錆能
向上から、より厚いメッキ量のメッキ鋼板が要求されて
いる。
厚メッキの鋼板を安価に大量生産する方法としては、電
気メッキよりも溶融メッキの方が優れているが、自動車
メーカーにて広く使用されているリン酸塩化成処理やカ
チオン電着塗装にはかならずしも適した特性を有しな
い。例えば溶融亜鉛メッキのままでは、リン酸塩化成処
理時のP比率がほとんどゼロであることや、特に合金化
溶融亜鉛メッキ鋼板では、カチオン電着塗装時、クレー
ター状の凹凸が生じ自動車用外板としては著しく問題が
あることである。
気メッキよりも溶融メッキの方が優れているが、自動車
メーカーにて広く使用されているリン酸塩化成処理やカ
チオン電着塗装にはかならずしも適した特性を有しな
い。例えば溶融亜鉛メッキのままでは、リン酸塩化成処
理時のP比率がほとんどゼロであることや、特に合金化
溶融亜鉛メッキ鋼板では、カチオン電着塗装時、クレー
ター状の凹凸が生じ自動車用外板としては著しく問題が
あることである。
なお、P比率とは、リン酸塩化成処理時に形成されるリ
ン酸塩皮膜であるホパイト(H)とホスホフィライト
(P)との生成比率である。そこで、合金化溶融亜鉛メ
ッキ鋼板の表面特性を改質するため、FeリッチなFe-Zn
等の電気メッキを合金化用亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上
に施すことが開示されているが(特開昭56-133488号)
溶融亜鉛メッキを施し、加熱合金化処理後に前処理なし
で、直接電気メッキを実施した場合、表面特性改質用の
上層メッキ量は約5g/m2以上必要であり、又均一メッキ
も困難であり、これでは電気メッキコストがかなり大き
いという問題点が生ずるなどの難点があり、又化成処理
性、塗装性が劣化する欠点もある。
ン酸塩皮膜であるホパイト(H)とホスホフィライト
(P)との生成比率である。そこで、合金化溶融亜鉛メ
ッキ鋼板の表面特性を改質するため、FeリッチなFe-Zn
等の電気メッキを合金化用亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上
に施すことが開示されているが(特開昭56-133488号)
溶融亜鉛メッキを施し、加熱合金化処理後に前処理なし
で、直接電気メッキを実施した場合、表面特性改質用の
上層メッキ量は約5g/m2以上必要であり、又均一メッキ
も困難であり、これでは電気メッキコストがかなり大き
いという問題点が生ずるなどの難点があり、又化成処理
性、塗装性が劣化する欠点もある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、このような難点を有利に解決することを目的
としたものである。
としたものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の特徴とするところは、次のとおりである。
(1)溶融亜鉛メッキ後に加熱合金化処理を施してFeを
約10wt%含有するメッキ層表面にFe含有酸化膜を有した
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に電気Fe-Zn合
金メッキするに際し、電気メッキ前にNaOH、KOHおよび
オルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/水
溶液で前記メッキ層表面を処理することにより上記Fe含
有酸化膜を溶解除去し、ついで電気Fe-Zn合金メッキを
施すことを特徴とする合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッ
キ層上への電気Fe-Zn合金メッキ方法。
約10wt%含有するメッキ層表面にFe含有酸化膜を有した
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に電気Fe-Zn合
金メッキするに際し、電気メッキ前にNaOH、KOHおよび
オルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/水
溶液で前記メッキ層表面を処理することにより上記Fe含
有酸化膜を溶解除去し、ついで電気Fe-Zn合金メッキを
施すことを特徴とする合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッ
キ層上への電気Fe-Zn合金メッキ方法。
(2)溶融亜鉛メッキ後に加熱合金化処理を施してFeを
約10wt%含有するメッキ層表面にFe含有酸化膜を有した
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に電気Fe-Zn合
金メッキするに際し、電気メッキ前にNaOH、KOHおよび
オルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/水
溶液で前記メッキ層表面を処理することにより上記Fe含
有酸化膜を溶解除去し、ついで調質圧延を施した後、電
気Fe-Zn合金メッキすることを特徴とする合金化溶融亜
鉛メッキ鋼板のメッキ層上への電気Fe-Zn合金メッキ方
法。
約10wt%含有するメッキ層表面にFe含有酸化膜を有した
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に電気Fe-Zn合
金メッキするに際し、電気メッキ前にNaOH、KOHおよび
オルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/水
溶液で前記メッキ層表面を処理することにより上記Fe含
有酸化膜を溶解除去し、ついで調質圧延を施した後、電
気Fe-Zn合金メッキすることを特徴とする合金化溶融亜
鉛メッキ鋼板のメッキ層上への電気Fe-Zn合金メッキ方
法。
(3)溶融亜鉛メッキ後に加熱合金化処理を施してFeを
約10wt%含有するメッキ層表面にFe含有酸化膜を有した
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に電気Fe-Zn合
金メッキするに際し、該メッキ鋼板を調質圧延し、つい
でNaOH、KOHおよびオルソケイ酸ソーダのうちいずれか
1つの5〜50g/水溶液で表面処理を施すことにより上
記Fe含有酸化膜を溶解除去した後、電気Fe-Zn合金メッ
キすることを特徴とする合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメ
ッキ層上への電気Fe-Zn合金メッキ方法。
約10wt%含有するメッキ層表面にFe含有酸化膜を有した
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に電気Fe-Zn合
金メッキするに際し、該メッキ鋼板を調質圧延し、つい
でNaOH、KOHおよびオルソケイ酸ソーダのうちいずれか
1つの5〜50g/水溶液で表面処理を施すことにより上
記Fe含有酸化膜を溶解除去した後、電気Fe-Zn合金メッ
キすることを特徴とする合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメ
ッキ層上への電気Fe-Zn合金メッキ方法。
(作用) 溶融亜鉛メッキ後加熱合金化処理を施し、そのメッキ層
上に表面処理なしにて直接電気Fe-Zn合金メッキを施す
と、該メッキ層表面の微少な凹凸に上層電気Fe-Zn合金
メッキが均一に形成されず、主に凸部に優先して析出す
る結果、約5g/m2以上というかなり多量の上層メッキを
施さないと、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面
全域が被覆されず、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の表面特
性改質ができないことが判明した。
上に表面処理なしにて直接電気Fe-Zn合金メッキを施す
と、該メッキ層表面の微少な凹凸に上層電気Fe-Zn合金
メッキが均一に形成されず、主に凸部に優先して析出す
る結果、約5g/m2以上というかなり多量の上層メッキを
施さないと、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面
全域が被覆されず、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の表面特
性改質ができないことが判明した。
この原因は、溶融メッキの場合、数100℃という高温下
でメッキが施されるため、メッキ表面が大気中にて高温
酸化され、メッキ後メッキ層表面には、数10mg/m2とい
う比較的厚く強固な酸化膜が形成され、更に600〜800℃
の加熱で合金化処理後、大気中で酸化される。そのた
め、溶融亜鉛メッキを施し、加熱合金化処理した後に該
メッキ層上に表面処理なしにて直接電気Fe-Zn合金メッ
キを施す場合には、表面のZn、Fe及び不可避不純物の酸
化膜(Feを約10wt%含有するメッキ層上の酸化膜であ
り、以下Fe含有酸化膜と記す)があり、合金化溶融亜鉛
メッキ鋼板のメッキ層表面と上層電気Fe-Zn合金メッキ
液との濡れ性が悪く、凸部に優先的に上層電気Fe-Zn合
金メッキが析出する結果、凹部にも上層メッキを施すた
めには、全体として約5g/m2以上というかなり多量の上
層メッキが必要になるものと考えられる。
でメッキが施されるため、メッキ表面が大気中にて高温
酸化され、メッキ後メッキ層表面には、数10mg/m2とい
う比較的厚く強固な酸化膜が形成され、更に600〜800℃
の加熱で合金化処理後、大気中で酸化される。そのた
め、溶融亜鉛メッキを施し、加熱合金化処理した後に該
メッキ層上に表面処理なしにて直接電気Fe-Zn合金メッ
キを施す場合には、表面のZn、Fe及び不可避不純物の酸
化膜(Feを約10wt%含有するメッキ層上の酸化膜であ
り、以下Fe含有酸化膜と記す)があり、合金化溶融亜鉛
メッキ鋼板のメッキ層表面と上層電気Fe-Zn合金メッキ
液との濡れ性が悪く、凸部に優先的に上層電気Fe-Zn合
金メッキが析出する結果、凹部にも上層メッキを施すた
めには、全体として約5g/m2以上というかなり多量の上
層メッキが必要になるものと考えられる。
この知見より、上層電気Fe-Zn合金メッキの前処理とし
て、各種検討を実施した結果、前記のごとき、アルカリ
処理による、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面
の濡れ性向上処理方法が有効であることを見出した。
て、各種検討を実施した結果、前記のごとき、アルカリ
処理による、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面
の濡れ性向上処理方法が有効であることを見出した。
先のメカニズルよりFe含有酸化膜を除去することが有効
であることは自明であるが、酸溶液による酸化膜除去で
は、酸液自身のメッキ表面酸化膜との濡れ性が悪いた
め、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面の凸部酸
化膜のみが優先して除去され、一旦酸化膜が除去される
と、その近傍の露出金属が、酸によるH2発生を伴って優
先浸食され、凹部の酸化膜は除去されないままとなりや
すい。
であることは自明であるが、酸溶液による酸化膜除去で
は、酸液自身のメッキ表面酸化膜との濡れ性が悪いた
め、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面の凸部酸
化膜のみが優先して除去され、一旦酸化膜が除去される
と、その近傍の露出金属が、酸によるH2発生を伴って優
先浸食され、凹部の酸化膜は除去されないままとなりや
すい。
前記本発明のアルカリ処理において用いるNaOH、KOHお
よびオルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/
水溶液は、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面
の酸化膜等を、確実に短時間で安定して溶解除去するこ
とができ、極めて有効である。
よびオルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/
水溶液は、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面
の酸化膜等を、確実に短時間で安定して溶解除去するこ
とができ、極めて有効である。
このような水溶液による酸化膜の除去等処理によれば、
水溶液自身の濡れ性が高く、かつ、酸化膜除去速度は酸
に比べて緩やかであるため、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板
のメッキ層表面の凹部凸部ともに均一に酸化膜が除去さ
れ上層の電気Fe-Zn合金メッキ液との濡れ性が良好とな
り、上層電気Fe-Zn合金メッキ量が約2.5g/m2のメッキ量
で均一にメッキでき合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の表面改
質が可能となり、上層メッキ処理コストが大幅に低減す
ることが可能となるとともに、塗装性(特にカチオン電
着塗装性)、化成処理性を向上することができる。
水溶液自身の濡れ性が高く、かつ、酸化膜除去速度は酸
に比べて緩やかであるため、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板
のメッキ層表面の凹部凸部ともに均一に酸化膜が除去さ
れ上層の電気Fe-Zn合金メッキ液との濡れ性が良好とな
り、上層電気Fe-Zn合金メッキ量が約2.5g/m2のメッキ量
で均一にメッキでき合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の表面改
質が可能となり、上層メッキ処理コストが大幅に低減す
ることが可能となるとともに、塗装性(特にカチオン電
着塗装性)、化成処理性を向上することができる。
一方、アルカリ処理液を用いる場合、弱アルカリ液(例
えば100g/以下の炭酸ソーダ)であると、加熱合金化
処理に際し、生成する緻密なFe含有酸化物(膜)の溶解
が殆ど不可能であり、前記のごとき、難点をもとなうこ
とがある。従って、本発明においては、NaOH、KOHおよ
びオルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/
のアルカリ処理液により、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の
メッキ層(Feを約10wt%含有)表面を処理することによ
り、確実に、しかも短時間でFe含有酸化膜を有効に除去
でき、好ましい結果をもたらすものである。
えば100g/以下の炭酸ソーダ)であると、加熱合金化
処理に際し、生成する緻密なFe含有酸化物(膜)の溶解
が殆ど不可能であり、前記のごとき、難点をもとなうこ
とがある。従って、本発明においては、NaOH、KOHおよ
びオルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/
のアルカリ処理液により、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の
メッキ層(Feを約10wt%含有)表面を処理することによ
り、確実に、しかも短時間でFe含有酸化膜を有効に除去
でき、好ましい結果をもたらすものである。
又上記本発明において用いる水溶液の高温化、水溶液中
に界面活性剤を添加することは、より短時間にて酸化膜
除去の前処理を可能とするものである。
に界面活性剤を添加することは、より短時間にて酸化膜
除去の前処理を可能とするものである。
なお、水溶液での合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の処理方法
としては、水溶液中への浸漬、スプレー、または、電解
のどの方法にてもほぼ同様な効果が得られるが、カサー
ド電解をすれば、より確実である。
としては、水溶液中への浸漬、スプレー、または、電解
のどの方法にてもほぼ同様な効果が得られるが、カサー
ド電解をすれば、より確実である。
次に、本発明においては、NaOH、KOHおよびオルソケイ
酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/水溶液を用い
るものであるが、このような水溶液に、上記のごとく、
処理を向上するため界面活性剤の添加、脱脂性等を向上
するため、リン酸ナトリウム等を添加することもでき
る。
酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/水溶液を用い
るものであるが、このような水溶液に、上記のごとく、
処理を向上するため界面活性剤の添加、脱脂性等を向上
するため、リン酸ナトリウム等を添加することもでき
る。
しかして、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造ラインで
は、溶融メッキ前の工程で焼鈍などの熱処理が行われる
ため、材質特性改善、表面粗度改善のためにライン内に
調質圧延機が設置使用されているが、上述のアルカリ処
理に加えて、アルカリ処理の前または後にて調質圧延を
施した後、上層電気Fe-Zn合金メッキを施せば、調質圧
延により、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面の
微少な凹凸が低減されるため、必要な上層電気Fe-Zn合
金メッキ量はより一層低減でき、効果的である。
は、溶融メッキ前の工程で焼鈍などの熱処理が行われる
ため、材質特性改善、表面粗度改善のためにライン内に
調質圧延機が設置使用されているが、上述のアルカリ処
理に加えて、アルカリ処理の前または後にて調質圧延を
施した後、上層電気Fe-Zn合金メッキを施せば、調質圧
延により、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面の
微少な凹凸が低減されるため、必要な上層電気Fe-Zn合
金メッキ量はより一層低減でき、効果的である。
従って、同一メッキライン内で、溶融メッキ後の合金化
処理後に調質圧延設備を設ける場合、電気メッキ設備の
前に調質圧延設備を設置することが有利である。
処理後に調質圧延設備を設ける場合、電気メッキ設備の
前に調質圧延設備を設置することが有利である。
なお、アルカリ処理設備と調質圧延設備とは、どちら
が、前・後になっても、上記の効果ははぼ同様である。
が、前・後になっても、上記の効果ははぼ同様である。
合金化溶融亜鉛メッキとしては、例えば亜鉛に鉄・マン
ガン・マグネシウム・アルミニウム・アンチモン・鉛・
珪素などの1種又は2種以上を含有した溶融メッキを施
した後に加熱合金化処理を行なった合金化メッキがあ
り、上層の電気メッキとしては、電気Fe-Zn合金メッキ
である。
ガン・マグネシウム・アルミニウム・アンチモン・鉛・
珪素などの1種又は2種以上を含有した溶融メッキを施
した後に加熱合金化処理を行なった合金化メッキがあ
り、上層の電気メッキとしては、電気Fe-Zn合金メッキ
である。
次に前記調質圧延による圧下率としては、溶融メッキに
よるメッキ鋼帯(板)の形状矯正をするとともに、前記
のごとく、メッキ層表面の凹凸を低減するものであり、
0.4〜2.0%で充分である。
よるメッキ鋼帯(板)の形状矯正をするとともに、前記
のごとく、メッキ層表面の凹凸を低減するものであり、
0.4〜2.0%で充分である。
次に本発明の実施態様例を図面により説明する。
図面において、巻戻しリール1から鋼帯2を巻戻し、脱
脂・研磨装置3で表面浄化し、入側ルーパー4を介して
前処理炉5で必要に応じて焼鈍を施すとともに、表面を
清浄化し、溶融メッキ浴ポット6へ導き、メッキを施
す。次いで、合金化炉7で加熱合金化処理を施し、アル
カリ処理装置8で溶融メッキ鋼帯のメッキ層表面をアル
カリ水溶液で処理し、調質圧延機9で軽圧下圧延を施
し、ついで、電気メッキ装置10で合金化溶融亜鉛メッキ
鋼板のメッキ層の上層に電気Fe-Zn合金メッキを施し、
出側ルーパー11を介して、巻取りリール12へ成品として
巻取る。
脂・研磨装置3で表面浄化し、入側ルーパー4を介して
前処理炉5で必要に応じて焼鈍を施すとともに、表面を
清浄化し、溶融メッキ浴ポット6へ導き、メッキを施
す。次いで、合金化炉7で加熱合金化処理を施し、アル
カリ処理装置8で溶融メッキ鋼帯のメッキ層表面をアル
カリ水溶液で処理し、調質圧延機9で軽圧下圧延を施
し、ついで、電気メッキ装置10で合金化溶融亜鉛メッキ
鋼板のメッキ層の上層に電気Fe-Zn合金メッキを施し、
出側ルーパー11を介して、巻取りリール12へ成品として
巻取る。
(実 施 例) 次に本発明の実施例を比較例ともに記述する。
表1は、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の化成処理性・耐カ
チオン電着塗装(ED)性を改善するために各種前処理を
施し、上層電気Fe-Zn合金メッキ層を変化させた場合の
実施例と比較例を示す。
チオン電着塗装(ED)性を改善するために各種前処理を
施し、上層電気Fe-Zn合金メッキ層を変化させた場合の
実施例と比較例を示す。
なお、調質圧延の欄で“有”とは、水スプレー下での0.
8%圧下を施したものであり、“無”とは、調質圧延を
していないことを示す。
8%圧下を施したものであり、“無”とは、調質圧延を
していないことを示す。
上層メッキ組成は20%Zn−80%Feの電気Fe-Zn合金メッ
キを施したものであり、下層は0.6mm厚の鋼板に90%Zn
−10%Feの溶融亜鉛−鉄合金メッキ(50g/m2)である。
キを施したものであり、下層は0.6mm厚の鋼板に90%Zn
−10%Feの溶融亜鉛−鉄合金メッキ(50g/m2)である。
化成処理は日本ペイント(株)製のSD-5000(商品名)
なる化成液にてリン酸塩化成処理を施し、P(ホスホフ
ィライト)比率が75%以上のものを“○”、75%未満の
ものを“×”とした。
なる化成液にてリン酸塩化成処理を施し、P(ホスホフ
ィライト)比率が75%以上のものを“○”、75%未満の
ものを“×”とした。
また、耐カチオン電着塗装(ED)性は日本ペイント
(株)製のパワートップ−U−30(商品名)にて、300V
電圧での電着塗装、180℃にて20分間焼付後のクレータ
ー状の欠陥数が、1個/70cm2以下のものを“○”、それ
以上のものを“×”とした。
(株)製のパワートップ−U−30(商品名)にて、300V
電圧での電着塗装、180℃にて20分間焼付後のクレータ
ー状の欠陥数が、1個/70cm2以下のものを“○”、それ
以上のものを“×”とした。
ただし、実施例8〜14はアルカリ前処理後、調質圧延を
実施し、上層電気Fe-Zn合金メッキを施しているが、実
施例15〜17は調質圧延後アルカリ前処理し、上層電気Fe
-Zn合金メッキした場合のものである。
実施し、上層電気Fe-Zn合金メッキを施しているが、実
施例15〜17は調質圧延後アルカリ前処理し、上層電気Fe
-Zn合金メッキした場合のものである。
また、実施例18、19は調質圧延時に水スプレーでなく、
アルカリ液をスプレーした場合のものである。
アルカリ液をスプレーした場合のものである。
さらに、実施例20はアルカリ前処理したものを、アルカ
リ液のリンスを簡略化するため、酸液処理したものであ
るが、一旦、アルカリ処理されれば、メッキ液の濡れ性
が向上するため、やはり、実施例5と同様な効果が維持
される。
リ液のリンスを簡略化するため、酸液処理したものであ
るが、一旦、アルカリ処理されれば、メッキ液の濡れ性
が向上するため、やはり、実施例5と同様な効果が維持
される。
表1より、明らかなように、調質圧延“無”の場合、ア
ルカリ前処理化により、化成処理性・耐カチオン電着塗
装(ED)性改善に必要な上層メッキ必要量は7→3g/m2
に低減でき、調質圧延“有”の場合は上層メッキ必要量
5→2.5g/m2に低減でき、メッキ電力・メッキ原単位(F
e,Zn)の大幅な低減が図れるばかりでなく、上層メッキ
設備を設置する場合は、より省設備の投資にて、必要な
品質が確保できる製品が得られる。
ルカリ前処理化により、化成処理性・耐カチオン電着塗
装(ED)性改善に必要な上層メッキ必要量は7→3g/m2
に低減でき、調質圧延“有”の場合は上層メッキ必要量
5→2.5g/m2に低減でき、メッキ電力・メッキ原単位(F
e,Zn)の大幅な低減が図れるばかりでなく、上層メッキ
設備を設置する場合は、より省設備の投資にて、必要な
品質が確保できる製品が得られる。
(発明の効果) かくすることにより、低目付量の電気Fe-Zn合金メッキ
により、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の表面改質ができ、
コストを著しく低下させることができる。
により、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の表面改質ができ、
コストを著しく低下させることができる。
また、電気メッキ設備を簡素化できる等の工業的に大き
な効果を為すことができる。
な効果を為すことができる。
更に塗装性(特にカチオン電着塗装性)、化成処理性を
向上させることができる等の優れた効果が得られる。
向上させることができる等の優れた効果が得られる。
第1図は、本発明の実施態様を示す説明図である。 1……巻戻しリール、2……鋼帯 3……原板脱脂研磨装置、4……入側ルーパー 5……溶融メッキ用前処理炉、6……ポット 7……合金化炉、8……アルカリ処理部 9……調質圧延処理部、10……電気メッキ装置 11……出側ルーパー、12……巻取りリール
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 真一 愛知県東海市東海町5―3 新日本製鐵株 式會社名古屋製鐵所内 (72)発明者 新井 勝利 愛知県東海市東海町5―3 新日本製鐵株 式會社名古屋製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭57−114695(JP,A) 特開 昭56−133488(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】溶融亜鉛メッキ後に加熱合金化処理を施し
てFeを約10wt%含有するメッキ層表面にFe含有酸化膜を
有した合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に電気Fe
-Zn合金メッキするに際し、電気メッキ前にNaOH、KOHお
よびオルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/
水溶液で前記メッキ層表面を処理することにより上記
Fe含有酸化膜を溶解除去し、ついで電気Fe-Zn合金メッ
キを施すことを特徴とする合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の
メッキ層上への電気Fe-Zn合金メッキ方法。 - 【請求項2】溶融亜鉛メッキ後に加熱合金化処理を施し
てFeを約10wt%含有するメッキ層表面にFe含有酸化膜を
有した合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に電気Fe
-Zn合金メッキするに際し、電気メッキ前にNaOH、KOHお
よびオルソケイ酸ソーダのうちいずれか1つの5〜50g/
水溶液で前記メッキ層表面を処理することにより上記
Fe含有酸化膜を溶解除去し、ついで調質圧延を施した
後、電気Fe-Zn合金メッキすることを特徴とする合金化
溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上への電気Fe-Zn合金メ
ッキ方法。 - 【請求項3】溶融亜鉛メッキ後に加熱合金化処理を施し
てFeを約10wt%含有するメッキ層表面にFe含有酸化膜を
有した合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上に電気Fe
-Zn合金メッキするに際し、該メッキ鋼板を調質圧延
し、ついでNaOH、KOHおよびオルソケイ酸ソーダのうち
いずれか1つの5〜50g/水溶液で表面処理を施すこと
により上記Fe含有酸化膜を溶解除去した後、電気Fe-Zn
合金メッキすることを特徴とする合金化溶融亜鉛メッキ
鋼板のメッキ層上への電気Fe-Zn合金メッキ方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63242140A JPH079077B2 (ja) | 1988-09-27 | 1988-09-27 | 合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上への電気Fe―Zn合金メッキ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63242140A JPH079077B2 (ja) | 1988-09-27 | 1988-09-27 | 合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上への電気Fe―Zn合金メッキ方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0288794A JPH0288794A (ja) | 1990-03-28 |
JPH079077B2 true JPH079077B2 (ja) | 1995-02-01 |
Family
ID=17084908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63242140A Expired - Lifetime JPH079077B2 (ja) | 1988-09-27 | 1988-09-27 | 合金化溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層上への電気Fe―Zn合金メッキ方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH079077B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005045033B3 (de) * | 2005-09-21 | 2007-01-18 | Rasselstein Gmbh | Verfahren zur Erniedrigung des Reibwerts der Oberfläche von mit einer Beschichtung überzogenen Metallbändern und Vorrichtung für das Aufbringen einer metallischen Beschichtung auf ein Stahlband |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57114695A (en) * | 1980-12-01 | 1982-07-16 | Nisshin Steel Co Ltd | Production of zinc plated steeel plate of superior blackening resistance and intergranular corrosion resistance |
-
1988
- 1988-09-27 JP JP63242140A patent/JPH079077B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0288794A (ja) | 1990-03-28 |
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