JPH0790595A - チタン材料のめっき方法 - Google Patents

チタン材料のめっき方法

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JPH0790595A
JPH0790595A JP25250693A JP25250693A JPH0790595A JP H0790595 A JPH0790595 A JP H0790595A JP 25250693 A JP25250693 A JP 25250693A JP 25250693 A JP25250693 A JP 25250693A JP H0790595 A JPH0790595 A JP H0790595A
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丈裕 仁藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密着性に優れためっき膜をチタン材料の表面
に形成することができる,チタン材料のめっき方法を提
供すること。 【構成】 チタン金属又はチタン合金よりなるチタン材
料を,フッ化物イオンを0.5モル/リットル以上含む
酸溶液と接触させ,その後フッ化物イオンを0.1モル
/リットル以上含むリンス液と接触させる工程,または
上記チタン材料をフッ化物イオンを0.5モル/リット
ル以上と遷移金属イオンとを含む酸溶液と接触させ,そ
の後水またはリンス液と接触させる工程と,上記チタン
材料をめっき原料を含むめっき浴に浸漬して,めっき処
理を施し,上記チタン材料を上記めっき浴から取り出す
工程と,上記チタン材料を加熱する工程とよりなるチタ
ン材料のめっき方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,チタン金属またはチタ
ン合金よりなるチタン材料の表面に,ニッケル,銅等の
めっきを施す,チタン材料のめっき方法に関する。
【0002】
【従来技術】チタンは軽量かつ高強度で耐蝕性に優れる
ため,各種機械部品,時計,眼鏡等の装飾品及び水電解
や電気めっきの不溶性電極あるいは電極支持基体等に広
く用いられている。しかし,硬さが不十分である,はん
だ付けができない,フッ化物イオン存在下の耐蝕性が低
い,及びアノード分極下で絶縁性の不動態膜を形成して
通電不可能となる等の理由により,用途によってはN
i,Cu,Sn,Co,Pb,Pt,Au,Pd,Ir
等のめっき膜を施すことが必要である。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,チタン材料の
表面には,化学的に安定な酸化皮膜が存在する,酸
化皮膜を除去しても,大気中や水中で再び酸化されて不
活性化しやすい等の理由により,めっきを密着性良く均
一に形成することは困難である。特にめっき処理を無電
解めっきで行う場合には,めっき膜の密着力の確保以前
の問題として,所望のめっきを析出すること自体が困難
である。このため,従来から種々のめっき前処理法が開
示されている。
【0004】例えば,特開平3−150391号公報に
は,チタン材料を0.2〜1.0容量%のフッ化水素水
溶液中に浸漬して,該チタン材料の被めっき面にチタン
の水素化物を主組成とする皮膜を形成し,次いでめっき
処理を行うことを特徴とするチタン材料のめっき方法が
開示されている。しかしながら,この方法では,フッ化
水素水溶液が0.2〜1.0容量%と低濃度であるた
め,チタン材料の表面の酸化皮膜を除去しにくい。従っ
て,めっき膜とチタン材料との間に酸化皮膜が残存し
て,めっき膜の密着力が弱い。
【0005】また,特開昭63−72894号公報に
は,チタン材料を電着被覆するに際し,フッ化物,もし
くはフッ化水素含有の酸洗浴にて酸洗することからなる
電着被覆方法において,前記チタン材料をPH<4を有
する酸混合物としての酸洗浴にて硝酸の不存在化に酸洗
すると共に活性化させ,酸洗浴における滞留時間を短時
間で目に見える水素発生が生ずるように選択し,次いで
前記チタン材料を水中で短時間洗浄し,その後にチタン
材料を電着浴中で被覆することを特徴とする電着被覆方
法が開示されている。上記酸洗浴としては,0.5〜5
%という高濃度のフッ化物もしくはフッ化水素酸を用
い,更に,被覆した後に加熱処理を250℃以上で行う
ことが好ましいと述べている。
【0006】しかしながら,この方法では,めっき前に
必ず水洗過程を経るため,その過程でチタン材料表面が
再酸化されて酸化皮膜が形成する。このような表面状態
では,外部より通電して強制的にめっき膜を析出させる
と,めっき膜は析出してもめっき膜とチタン材料との間
に酸化皮膜が存在しているため,めっきの密着力は低
い。一方,このような状態で無電解めっきを行うとめっ
きが全く析出しなかったり,一部未析出の部分(スケ)
が発生する。また例えめっき後250℃以上のベーキン
グ処理を施したとしても酸化皮膜が残存する限り,めっ
き膜の密着性は向上しない。
【0007】また特開昭60−46390号公報には,
チタン合金を濃い酸に浸漬して活性化し,次いで同じ酸
の希薄酸浸漬を複数回行ない,次に異なる酸の希薄酸浸
漬を複数回行った後,同じ濃い酸の酸浸漬を行ない,次
いで同じ酸の希薄酸浸漬を複数回行ない,次に金属イオ
ン不含の希薄めっき液に浸漬することを複数回行うこと
を特徴とするめっき前処理方法が開示されている。
【0008】しかしながら,この方法では,必ずめっき
直前に,金属イオンを含んでいない希薄めっき浴にチタ
ン合金を浸漬するため,水洗を行う場合と同様にチタン
合金の表面は酸化皮膜が形成して不活性化する。このた
め,このチタン合金に無電解めっきを施した際には,め
っきが全く析出しなかったり,一部未析出部分が起きや
すい。また,めっき膜が析出しても酸化皮膜の存在によ
り,めっき膜の密着力は低い。また例え,めっき後25
0℃以上で加熱処理しても,酸化皮膜が残存する限りめ
っき膜の密着性は向上しない。
【0009】また,めっき前にチタン材料を濃い酸に浸
漬して水洗等を行わずにめっき処理を施すことも考えら
れるが,この場合,めっき浴に不要な成分が混入して,
めっき皮膜の品質を低下させたり,めっき浴寿命を短く
してしまう欠点を有する。本発明は,かかる従来の問題
点に鑑み,密着性に優れためっき膜をチタン材料の表面
に形成することができる,チタン材料のめっき方法を提
供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】本第1発明は,チタン金属又はチタ
ン合金よりなるチタン材料をフッ化物イオンを含む酸溶
液に接触させる前処理工程と,上記チタン材料をリンス
液と接触させる洗浄工程と,上記チタン材料をめっき原
料を含むめっき浴に浸漬して,めっき処理を施し,上記
チタン材料を上記めっき浴から取り出すめっき工程と,
上記チタン材料を加熱する加熱工程とよりなるチタン材
料のめっき方法であって,上記酸溶液は,フッ化物イオ
ンを0.5モル/リットル以上含み,上記リンス溶液
は,フッ化物イオンを0.01モル/リットル以上含む
ことを特徴とするチタン材料のめっき方法である。
【0011】本第2発明は,チタン金属又はチタン合金
よりなるチタン材料をフッ化物イオンを含む酸溶液に接
触させる前処理工程と,上記チタン材料を水またはリン
ス液と接触させる洗浄工程と,上記チタン材料をめっき
原料を含むめっき浴に浸漬して,めっき処理を施し,上
記チタン材料を上記めっき浴から取り出すめっき工程
と,上記チタン材料を加熱する加熱工程とよりなるチタ
ン材料のめっき方法であって,上記酸溶液は,フッ化物
イオンを0.5モル/リットル以上含み,さらに遷移金
属イオンを含むことを特徴とするチタン材料のめっき方
法である。
【0012】本発明において最も注目すべきことは,チ
タン又はチタン合金よりなるチタン材料を,めっき処理
を行う前に,0.5モル/リットル以上のフッ化物イオ
ンを含む酸溶液に接触させ,その後,0.01モル/リ
ットル以上のフッ化物イオンを含むリンス浴に接触させ
るか,あるいはめっき処理前に0.5モル/リットル以
上のフッ化物イオンと遷移金属イオンとを含む酸溶液に
接触させていることである。
【0013】まず,本第1発明の前処理工程及び洗浄工
程について説明する。これらの工程においては,チタン
材料を0.5モル/リットル以上のフッ化物イオンを含
む酸溶液に接触させて,その後0.1モル/リットル以
上のフッ化物イオンを含むリンス浴に接触させる。上記
酸溶液において,フッ化物イオンが0.5モル/リット
ル未満では,チタン材料の表面の酸化皮膜の除去が不充
分である。そのため,めっき膜の析出が不均一となり,
めっき膜の密着力が小さくなる。上記フッ化物イオン源
としては,フッ化水素酸などがある。
【0014】フッ化物イオンの上限は特に限定しない。
しかし,5モル/リットルを超える濃度では,フッ化水
素酸のみの場合,エッチング速度が大きくなりすぎ,チ
タン材料の表面が荒れるため好ましくない。なおフッ化
物イオン濃度が5モル/リットルを超えても,後述する
アルカリ金属イオン,アンモニウムイオンを含ませた酸
溶液では,エッチング速度を低くすることができるもの
の,酸化皮膜の除去に時間がかかり,経済的ではない。
【0015】上記酸溶液は,上記フッ化物イオンの他
に,硫酸,塩酸,リン酸等の鉱酸や,酢酸,ギ酸等の有
機酸を含んでいても良い。また,上記酸溶液としては,
例えば,酸性フッ化アンモニウム,酸性フッ化ナトリウ
ム,酸性フッ化カリウム,酸性フッ化セシウム等の酸性
フッ化物塩を溶解させることにより,フッ化水素酸の他
に,これらにアルカリ金属イオン,又はアンモニウムイ
オンを含ませることが好ましい。これにより,チタン材
料表面の過剰なエッチングを抑えるとともに,チタン表
面の再酸化を防ぐ複合フッ化物皮膜を形成する効果が得
られる。
【0016】また,酸溶液には,フッ化物イオンの他
に,亜鉛イオン,スズイオン,ニッケルイオン,コバル
トイオン,パラジウムイオン,又は白金イオン等の遷移
金属イオンと錯化剤とを加えても良い。この酸溶液を用
いて前処理を行うと,チタン材料の表面の酸化皮膜が除
去されて,その代わりに,亜鉛皮膜又はスズ皮膜あるい
はニッケル,コバルト,パラジウム,白金の触媒金属核
が形成される。
【0017】その後,このチタン材料をめっき浴へ浸漬
することにより,例えば無電解ニッケルめっき浴中にお
いて,亜鉛イオンを含む場合には式(1),(2)に従
って,スズイオンを含む場合には式(3),(4)に従
って,チタン材料の表面にめっきの核が形成される。ま
た,ニッケル,コバルト,パラジウム,白金の場合に
は,析出の際に金属自身が無電解めっきの核となる。こ
のため,その後,自触媒的に無電解めっきが進行し,均
一な厚みのめっき膜を形成することができる。
【0018】Zn→Zn2++2e・・・・・(1) Ni2++2e→Ni・・・・・(2) Sn→Sn2++2e・・・・・(3) Ni2++2e→Ni・・・・・(4)
【0019】前処理工程におけるチタン材料と酸溶液と
の接触時間は,数10秒〜数分で行うことが好ましい。
例えば高濃度のフッ化物イオンを含む低いpHと浴温の
高い酸溶液では,数10秒以内で十分な活性化が達成で
きる。しかし,そうでない場合には,5分以上の長い活
性化時間が必要となる場合がある。この条件が適切であ
るか否かは,酸溶液中でのチタン材料の電位変化を計測
して判断すれば良く,その場合,電位は次第に卑から貴
方向へ変化するため,所定の貴な電位に達した時点まで
活性化を行えば良い。
【0020】酸溶液として,アルカリ金属イオンを含む
酸性フッ化物溶液を用いた場合には,Na2 TiF6
2 TiF6 ,Cs2 TiF6 等の難溶性の複合フッ化
物被膜がチタン材料の表面に形成される。該複合フッ化
物被膜は,チタン材料の表面を保護し,酸化膜が形成さ
れるのを防止する。上記,複合フッ化物被膜により覆わ
れたチタン材料をめっき浴へ投入すると,再酸化を防い
でいた上記複合フッ化物被膜は徐々に溶解すると共に,
めっき反応が開始して,膜厚が均一でかつ密着力の高い
めっき膜を形成することができる。従って,水洗による
めっきの未析出部の発生,あるいは密着力の低下は,単
純なフッ化水素酸のみからなる前処理よりも起こりにく
い。
【0021】このような前処理を施したチタン材料をめ
っき浴へ直接投入することは,酸溶液中に含まれる溶存
物質が混入して,めっき浴を汚染するため好ましくな
い。特に本発明では,比較的高濃度のフッ化物イオンを
含むため,めっき浴の汚染が無視できない場合があるた
めである。
【0022】前処理を施したチタン材料を水に浸漬した
場合には,めっき工程におけるめっき浴の汚染を防止で
きる。しかし,活性化されたチタン材料の表面は水と接
触することにより,再び酸化され,めっきの析出が不均
一になり,めっき膜の密着性が低下する。この現象は活
性化されたチタン材料の表面に亜鉛やスズの皮膜もしく
はニッケル等の触媒金属核が形成されない場合に顕著で
ある。したがって,水に替えて,後述するフッ化物イオ
ンを含むリンス浴で活性化する方法を用いることが必要
である。
【0023】上記リンス浴は,フッ化物イオンを0.0
1モル/リットル以上含むことが必要である。フッ化物
イオンが0.01モル/リットル未満では,水洗した時
と同様にチタン材料の表面の再酸化が進行し,フッ化物
イオン添加の効果が小さい。リンス処理は,酸溶液中の
フッ化物イオン濃度とチタン材料に付着したフッ化物イ
オンとの混入量の関係から考えて,場合によっては,リ
ンスを1回だけでなく,リンス浴中のフッ化物イオン濃
度を順次漸減して,複数回行うことが好ましい。これに
より,酸溶液中のフッ化物イオン等の物質が,めっき浴
中に混入するのをさらに減じることができる。
【0024】次に,本第2発明の前処理工程および洗浄
工程について説明する。該前処理工程においては,チタ
ン材料を0.5モル/リットル以上のフッ化物イオンお
よび遷移金属イオンを含む酸溶液に接触させ,その後水
またはリンス液に接触させる。
【0025】上記酸溶液において,本第1発明と同様
に,フッ化物イオンは0.5モル/リットル以上必要で
ある。該酸溶液中に含まれる遷移金属イオンは,活性化
されたチタン材料の表面に析出し,その後の水洗または
リンス処理における再酸化を防止する。また,水洗やリ
ンス処理の液,またはめっき浴への不要な成分の持ち込
みを減じることができる。遷移金属イオンは,亜鉛イオ
ン,スズイオン,ニッケルイオン等が挙げられ,その濃
度は0.5〜0.005モル/リットルが好ましい。
【0026】また,酸溶液には,本第1発明と同様に,
錯化剤を加えてもよい。この酸溶液を用いて前処理を行
うと,本第1発明で説明したように,均一な厚みのめっ
き膜を形成することができる。前処理工程における酸の
種類,あるいはチタン材料と酸溶液との接触時間等は,
本第1発明と同様なものとすることができる。その後,
めっき浴への不要な成分の持ち込みを防止するため,チ
タン材料を水またはリンス液と接触させる。
【0027】次に,本第1発明,本第2発明とも前処理
工程後のめっき工程および加熱工程は同様である。以
下,これらの工程について順次説明する。まず,めっき
工程について説明する。めっき工程でのめっき処理とし
ては,例えば,無電解めっき,電気めっきのいずれであ
っても良いが,特に無電解めっきにおいては,めっきの
析出状態がチタン表面の酸化状態に影響を受け易いため
好適である。本発明のめっき法は,Ni,Ni−P,C
u,Co,Pb,Pt,Au等の金属めっき又は合金の
めっき,さらにNi−SiC,Ni−P−SiC等の複
合めっきにも適用でき,通常のめっき条件(浴温,p
H,電流密度,時間)で行うことができる。
【0028】なお,Sn,Pb−Sn等の低融点金属お
よびそれらの合金をめっきする際,めっき後の加熱処理
が250℃以上では,不適切となる場合,例えばSnめ
っきの場合には,いったんNi等の金属を薄くストライ
クめっきしてから加熱処理し,その後常法によって,め
っき処理を行う。これにより,密着性の良好なめっき膜
を得ることができる。上記ストライクめっきとは所望の
めっきを密着力良く形成するための前処理であって,数
μm以下の薄層を形成することをいい,例えば難めっき
材のSUS材へのストライクめっきとして知られている
ウッドストライクNi浴等の電気めっきが挙げられる
が,本発明においてはその他に無電解Ni−Pめっきを
薄く形成しても良い。
【0029】めっき工程において,無電解めっきを施す
際の前処理浴としては,0.5モル/リットル以上の濃
度のフッ化物イオンの他に,ニッケル,コバルト,パラ
ジウム,白金等の触媒活性の高い金属イオンを適量含ま
せる。また,この場合,これらの金属イオンの過剰析出
を防ぐための錯化剤として,クエン酸,リンゴ酸,エチ
レンジアミン,EDTA等を適量含んでも良い。このよ
うにして,酸溶液で前処理を行うと,チタン合金表面の
酸化皮膜が除去される。また,無電解めっき反応を円滑
にスタートさせる触媒金属核が,チタン表面に形成でき
るため,めっき膜のスケ,ムラのない均一な無電解めっ
き膜を形成しやすい。
【0030】電気めっき法を行う場合には,上記無電解
めっき法よりも一般に低い温度でめっき処理を行うこと
が多く,上記複合フッ化物被膜がめっき浴中で溶解する
まで,ある程度の時間がかかる。そのため,めっき浴に
浸漬した直後に通電するのではなく,浸漬後数十秒〜数
分後に通電することが,めっき膜の密着力を向上するた
めに好ましい。この条件設定には,チタン材料のめっき
浴中の電位を計測し,ある貴な値以上を示してから通電
すれば良い。
【0031】上記めっき浴の汚染については,チタン材
料にリンス処理を施した場合においても,酸溶液がめっ
き浴中へ混入することは避けられない。しかしながら,
少量のフッ化物イオンはめっきの光沢剤としてめっき浴
に最初から添加する場合があることから問題は小さく,
めっき浴として多量のフッ化物イオンを含む浴(例えば
ホウフッ化浴)を使用する場合には,フッ化物イオンの
混入は問題となることがない。
【0032】なお,めっき浴へのその他の混入成分とし
てアルカリ金属イオン,アンモニウムイオンについては
影響は小さいが,錯化剤およびニッケルイオン,スズイ
オン,亜鉛イオン等が多量に混入することは,めっき膜
の物性およびめっき速度,めっき浴の安定性に影響を与
えることがあるため注意する必要がある。
【0033】めっき浴温度は,常法で用いられる温度で
良いが,前処理工程において複合フッ化物被膜を形成し
た場合には,該複合フッ化物被膜は,浴温が高い程めっ
き浴に溶解し易くなる。そのため,比較的高いめっき浴
温度がめっき時間の短縮および密着力の向上の面から好
ましい。
【0034】めっき時間は特に限定されず,所望の厚さ
のめっき膜が形成されるまでめっき反応を行わせる。多
層のめっき膜を形成する場合も常法と何ら変わることは
なく,例えばCu−Ni−Cr等の複数層のめっき膜を
チタン材料の表面へ形成することも可能である。
【0035】次に,加熱処理について説明する。加熱工
程での加熱処理の温度は,200〜300℃または40
0〜500℃の範囲が好ましい。200℃以上の加熱に
よって,吸蔵水素が脱水素され,密着力が向上する。一
方,200℃未満の加熱では,めっき膜とチタン材料と
の界面に吸蔵された水素が残存する。このため,めっき
膜の密着性は乏しいままである。
【0036】しかしながら,300℃を超えて400℃
未満の温度範囲では,めっき膜とチタン材料との間の元
素の拡散が十分起き得ないため,界面の酸化が徐々に
進行する,チタン合金とめっき皮膜の熱膨張差が大き
くなる等の理由により,めっき膜の密着力が低下する。
それ故,300℃を超え400℃未満の加熱温度は,不
適当である。
【0037】一方,400℃以上の温度では,めっき膜
とチタン材料との間の元素の拡散が始まり,金属間的結
合が形成される。そのため,めっき膜の密着力は向上す
る。そして,X線回折およびEPMA分析の結果から,
本発明にかかる加熱処理条件では,めっき膜とチタン材
料との界面にチタンとめっき金属元素からなる金属間化
合物層が形成されていなくても,めっき膜の密着性が加
熱処理により大幅に向上することが判明した。
【0038】ただし,500℃を越える温度で熱処理す
ることは,真空中又は不活性ガス雰囲気中の加熱でな
いと,めっき原料の種類によっては,めっき膜の酸化が
進行するため加熱装置が高価のものとなり不経済であ
る,チタン材料の機械的性質が低下する等の理由によ
り,避けなければならない。特に,チタン材料のうちβ
相チタン合金では,適切な加工硬化および時効処理によ
り,一部α相を析出した状態で用いることが一般的であ
り,めっき後の加熱処理を500℃を越える温度で行う
ことは機械的強度を低下させるため現実的でない。
【0039】次に,加熱時間は,200〜300℃で
は,数十分〜数時間で十分である。一方,400〜50
0℃の温度では数分で十分である。この理由は,高温に
なるに従って,めっき膜とチタン材料との間の元素の拡
散速度が大きくなるためである。
【0040】加熱方法としては,200〜300℃の温
度では,例えば大気中加熱を行う。一方,400〜50
0℃においては,チタン材料の酸化,および貴金属以外
のめっき膜ではめっき膜自身の酸化も問題となる。その
ため,不活性ガス炉あるいは真空炉内において加熱する
ことが好ましい。なお,Ni−P合金のめっき膜を形成
する場合には,300℃前後でNi3 Pの析出が進行
し,これに伴ってめっき膜の密着力が急変する。そのた
め,200〜300℃において,かつNi3 Pがさほど
析出しない温度,例えば240〜280℃に限定して行
うことが好ましい。
【0041】本発明に用いられるチタン材料としては,
α単相(六方)のチタン金属又はチタン合金,β単相
(体心立方)のチタン金属又はチタン合金,α+β2相
混合のチタン金属又はチタン合金,或いはチタンの金属
間化合物のいずれであっても良い。
【0042】α単相チタン金属の例としては純チタン
が,β単相チタン合金としてはβ−C合金(Ti−3A
l−8V−6Cr−4Mo−4Zr)等が,α+β2相
混合チタン合金としてはTi−6Al−4V等が挙げら
れる。また,チタンの金属間化合物としてはTiAl等
がある。上記β−C合金としては,一般に,適切な時効
処理によってα相チタン金属又はチタン合金を微細に析
出して硬さ及び引っ張り強さを向上させた材料を用いる
ことが好ましい。
【0043】上記β単相チタン合金およびTiAl金属
間化合物は,α相チタン合金に比べて活性化し難いた
め,単純なフッ化水素酸イオンのみからなる酸溶液によ
り活性化は困難である。そのため,ニッケル等の遷移金
属イオンやアルカリ金属を添加した酸溶液で,活性化す
ることが好ましい。また,活性化し難いβ単相チタン合
金は,いったん加熱して時効処理を行うことにより,一
部分にα相チタン金属又はチタン合金を析出させておく
ことが好ましい。これにより,前処理工程において,単
純なフッ化水素酸のみからなる酸溶液により十分な活性
化が可能である。
【0044】
【作用及び効果】本第1発明においては,チタン材料に
めっき処理を施す前に,フッ化物イオンを0.5モル/
リットル以上含む酸溶液にチタン材料を接触させてい
る。そのため,チタン材料は,その表面を被覆していた
酸化皮膜が酸溶液のエッチング作用により除去されて,
活性化される。その後,めっき処理前にフッ化物イオン
を0.01モル/リットル以上含む浴でリンスするた
め,チタン材料表面を再酸化することなく,不要な成分
のめっき浴中への持ち込みを減じることができる。
【0045】また,本第2発明においては,チタン材料
にめっき処理を施す前に,フッ化物イオンを0.5モル
/リットル以上と遷移金属イオンとを含む酸溶液にチタ
ン材料を接触させている。そのため,チタン材料は,そ
の表面を被覆した酸化皮膜が酸溶液のエッチング作用に
より除去されて,活性化する。それと共に遷移金属イオ
ンがチタン材料の表面に析出し,該析出した金属がチタ
ン材料表面を保護する。従って,その後の水洗またはリ
ンス処理においてチタン材料が再酸化されるのを防止す
る。以上の作用により,本第1発明も本第2発明も,こ
の活性化されたチタン材料の表面に,均一な膜厚で,か
つ密着性に優れためっき膜を形成することができる。
【0046】また,チタン材料の表面に密着性の良いめ
っき膜を形成するに当たって,前処理工程と加熱工程と
は,相乗的な効果を発揮する。その理由については,明
確ではないが,前処理工程においてフッ化物イオンが
0.5モル/リットル未満では,例え,その後めっき処
理及び加熱処理を適切に施したとしても,めっき膜の密
着性が低い。このことから,加熱処理による密着性の向
上は,チタン材料表面の酸化皮膜が完全に除去されてい
ることが前提であり,その後の適正な加熱処理により,
初めて脱水素あるいは,めっき膜とチタン材料との間の
元素の拡散が達成できるからであると考えられる。
【0047】前処理工程は外部通電を必要としないた
め,複雑構造物への適用が容易であるという利点を有し
ており,特にめっき工程において,無電解めっきを行う
場合に好適である。また,チタン材料の優れた性質を生
かし,表面に耐摩耗性に優れたNi−P,Ni−SiC
等のめっき膜を密着性良く形成することができる。
【0048】従って,例えば自動車における吸排気バル
ブ,スプリング,リテーナ等自動車部品の軽量化と耐久
性を大幅に向上させることができる。本発明によれば,
密着性に優れためっき膜を形成することができる,チタ
ン材料のめっき方法を提供することができる。
【0049】
【実施例】
実施例1 本発明のチタン材料のめっき方法について説明する。ま
ず,Ti−6Al−4V材(大きさ2cm×5cm,厚
さ1mm)のチタン合金板を複数枚用意し,2mm×2
mm□のパターンを残して絶縁樹脂マスクで,それ以外
をコーティングした。次にアルカリ性の脱脂浴で脱脂
後,表面の酸化膜を硝酸又はフッ化水素酸のエッチング
溶液で除去して水洗した。
【0050】次に,酸溶液中のフッ化水素酸濃度とめっ
き膜の密着力との関係について以下のように測定した。
まず,前処理工程として,フッ化水素酸0.02〜1.
0モル/リットルの各種酸溶液を用意した。次いで,各
種酸溶液中に上記チタン合金板を40℃で2分間浸漬し
た。
【0051】次に,0.02モル/リットルのフッ化水
素酸溶液内に上記チタン合金板を数秒間浸漬して,リン
ス処理を行った。次に,めっき工程として,Ni−10
Pのめっき原料を含むめっき浴内において,無電解めっ
きを95℃で1時間施し,上記チタン合金板の表面に,
厚み20μmのめっき膜を析出させた。その後,加熱工
程として,上記チタン合金板を250℃で2時間加熱し
た。
【0052】次に,前処理工程におけるフッ化物イオン
の濃度とめっき膜の析出状態及び密着性との関係を調べ
た。まず,酸溶液中のフッ化物イオン濃度と浸漬時間と
を変えたときの,めっき膜の析出状況を測定し,その結
果を図1に示した。同図より,0.5モル/リットル以
上のフッ化水素酸濃度で,チタン材料表面の活性化を行
えば,スケ(めっき膜の未析出部分)がなく,均一な厚
みのめっき膜が形成されることがわかる。
【0053】次に,Snめっき皮膜で覆われたCu線を
上記チタン合金板のめっき膜の表面にはんだ付けし,上
記チタン合金板を固定した状態で,上記Cu線をピーリ
ング密着試験機により引っ張ったときのめっき膜の密着
力を調べた。
【0054】図2に上記めっき膜のピール密着強度を示
す。同図において,黒丸印は,めっき膜は破断せず,は
んだが破断したことを示す。白丸印は,めっき膜が破断
し,はんだは破断しなかったことを示す。同図より,
0.5モル/リットル以上のフッ化物イオンを含む酸溶
液により前処理を行った場合には,はんだ破断(黒丸
印)となり,めっき膜が高い密着力を有していることが
わかる。
【0055】次に,上記と同様に真空中で500℃,2
時間の熱処理を行ない,一部α相を形成したβ−C合金
材を上記Ti−6Al−4V材と同様に,前処理工程,
めっき工程,及び加熱工程を行なって,めっき膜を形成
した。そして,このめっき膜の密着力を調べた。
【0056】上記β−C合金材は,直径6mmの線材を
長さ50mmの半割りにしたものである。めっき膜の密
着力は,上記と同様に,Snめっき被膜Cu線及びはん
だとピール密着試験機を用いて測定した。図3にその結
果を示す。同図において,黒丸印と白丸印の意味は図2
と同様である。同図より,0.5モル/リットル以上の
フッ化水素酸を含む酸溶液で前処理を行うことにより,
高い密着力が得られることがわかる。
【0057】次に,純チタン板を用いてフッ化水素酸濃
度を0.05モル/リットル,1.0モル/リットルと
して,上記と同様に,前処理工程,洗浄工程,めっき処
理工程,及び加熱工程を行ない,めっき膜を形成した。
上記純チタン板は,Ti99.9%を含むα単相チタン
金属であり,大きさは5cm×2cm,厚みは1mmで
ある。そして,このめっき膜の密着力について上記の方
法により測定した。
【0058】その結果,めっき膜の密着力は,フッ化水
素酸濃度が0.05モル/リットルの場合には1.0〜
1.9kgf/2mm□であり,1.0モル/リットル
の場合には7.0〜9.5kgf/2mm□であった。
上記各種測定結果から,チタン材料をフッ化水素酸濃度
が0.5モル/リットル以上の酸溶液と接触させた後,
洗浄工程,めっき工程及び加熱工程を行うことにより,
均一でかつ密着性の良いめっき膜を形成することができ
ることがわかる。
【0059】実施例2 本例においては,加熱温度とめっき膜の密着力との関係
について調査した。調査に供する資料の作成方法につい
て説明する。まず,実施例1と同様のTi−6Al−4
V材を用意し,前処理工程として,1モル/リットルの
フッ化水素酸中に,上記Ti−6Al−4V材を40
℃,2分浸漬した。次に,0.02モル/リットルのフ
ッ化水素酸溶液でリンスし,Ni−P(12%P)のめ
っき原料を含むめっき浴に,95℃,1時間浸漬し,取
り出した。これにより,Ti−6Al−4V材の表面
に,厚み約8μmのめっき膜が形成された。該めっき膜
はスケもなく,均一な厚みを有していた。
【0060】次に上記Ti−6Al−4V材を,150
〜500℃の範囲内における一定温度で2時間加熱し
た。そして,実施例1と同様にピール密着強度を調べ
た。なお,150〜300℃の加熱は,大気雰囲気で行
った。350℃〜500℃の加熱は,アルゴン雰囲気で
行った。その結果を図4に結果を示す。同図において,
黒丸印及び白丸印は,図2及び図3と同じ意味である。
【0061】同図から,200〜300℃又は400〜
500℃で大幅に密着力は向上することがわかる。ま
た,500℃加熱処理品のX線回折及びEPMA分析を
行ったところ,Ti2 Ni,TiNi2 等の合金層の形
成は認められなかった。このことは,元素の拡散があっ
たとしても,それはTiとNiの界面のごく薄い層であ
ることを意味している。
【0062】次に,上記と同様の素材(Ti−6Al−
4V材)を上記と同様にして活性化し,次にめっき工程
として,Ni−5P又はNi−10Pのめっき原料を用
いて無電解めっきを施し,各々厚み8μm,20μmの
めっき膜を形成した。その後,加熱工程として250
℃,又は450℃の温度で各2時間処理した。これによ
り,表1に示す試料1〜6及びC1,C2を得た。
【0063】そして,各試料のめっき膜表面に前記Cu
線をはんだ付けし,上記と同様にピール密着強度を調べ
た。その結果を表1に示した。尚,比較例として,めっ
き処理後に加熱処理をしない場合,および350℃で加
熱処理をした場合の値も示す。
【0064】測定の結果,250℃および450℃の加
熱をした試料1〜4は,加熱なし,あるいは350℃の
加熱をした試料C1〜C4に比べ,密着力は5〜6倍向
上した。また,試料2,3,4は,はんだが破断し,め
っき膜は依然としてTi−6Al−4V材の表面に密着
していた。一方,試料1,C1〜C4は,めっき膜とT
i−6Al−4V材との境界で剥離を生じた。このこと
から,200〜300℃又は400〜500℃の範囲内
における一定温度で加熱処理を行うことにより,密着性
に優れためっき膜が形成されることがわかる。
【0065】
【表1】
【0066】実施例3 本例においては,めっき工程で用いるめっき浴の種類を
検討した。まず,実施例1と同様のTi−6Al−4V
材および下記3種類(ワット浴,全硫酸浴,スル
ファミン酸浴)の電気Niめっき浴を用意した。これら
の電気Niめっき浴は,いずれもpH4.0,60℃と
した。
【0067】 ワット浴 NiSO4 ・6H2 O 240g/リットル NiCl2 ・6H2 O 45g/リットル H3 BO3 30g/リットル 全硫酸浴 NiSO4 ・6H2 O 300g/リットル H3 BO3 40g/リットル スルファミン酸浴 スルファミン酸ニッケル 450g/リットル H3 BO3 30g/リットル
【0068】次に,前処理工程として,1モル/リット
ルのフッ化水素酸水溶液,又は1モル/リットルのフッ
化カリウムに0.5モル/リットルのフッ化水素酸を加
えた水溶液に,上記Ti−6Al−4V材を40℃×2
mm間浸漬し,0.01モル/リットルのフッ化水素酸
水溶液よりなるリンス液で洗浄した。
【0069】次に,めっき工程として,上記Ti−6A
l−4V材に電解めっきを施した。電解めっきは,上記
各種めっき浴中において,直に通電した場合と5分後通
電した場合について行った。通電条件は,2A/dm2
×25分間である。得られたメッキ膜は,膜厚が約10
μmで,外観上,いずれも均一な厚みに形成されてい
た。
【0070】次に,加熱工程として,上記めっき膜で覆
われたTi−6Al−4V材に,250℃×2時間の加
熱処理を行った。その後,めっき膜の表面に実施例1で
用いた前記Cu線をはんだ付けし,密着力を測定した。
該密着力は,実施例1と同様にピール密着試験機を用い
て測定した。その結果を表2に示す。上記測定の結果,
いずれのめっき浴でも浸漬直後に通電することより,浸
漬5分後に通電した方が,密着力の良いめっき膜が得ら
れた。
【0071】
【表2】
【0072】また,Ti−6Al−4V材について,前
処理工程で1モル/リットルのフッ化水素酸で40℃×
2分間浸漬した。次に,上記と同様にスルファミン酸浴
を用いてめっき処理した。通電条件は上記と同様であ
り,めっき浴浸漬5分後に通電した。その後,加熱工程
で450℃と500℃の温度で各々2時間加熱処理し
た。
【0073】形成されためっき膜の密着力は,加熱温度
450℃では8.2kgf/2mm□で,加熱温度50
0℃では8.0kgf/2mm□で,それぞれはんだ破
断が発生した。この結果を上記測定結果(表2)と比較
すると,250℃×2時間よりも450〜500℃×2
時間の方が密着強度が高いことがわかる。
【0074】実施例4 本例においては,めっき工程において,めっき浴中に浸
漬してからの通電開始時間とめっき膜の密着性との関係
について調べた。測定に供する試料について説明する。
まず,前処理として,実施例1と同様のTi−6Al−
4V材を,1モル/リットルのフッ化カリウム及び0.
5モル/リットルのフッ化水素酸を含む酸溶液中に40
℃×2分間浸漬した。その後,洗浄工程として,0.0
1モル/リットルのフッ化水素酸水溶液でリンス処理し
た。
【0075】次に,めっき工程として,ピロリン酸銅の
めっき原料を含むめっき浴中に,上記Ti−6Al−4
V材を浸漬し,電解めっきを行った後,取り出した。こ
のとき,通電開始時間を種々に変えて行った。上記めっ
き浴は,80g/リットルのピロリン酸銅及び350g
/リットルのピロリン酸カリウムからなる。電解めっき
の設定条件は,P比:P2 7 /Cu=7:5,60
℃,pH8.5,5A/dm2 ×10分間である。
【0076】次に,加熱工程として,250℃×2時間
の加熱処理を行なった。これにより無光沢のめっき膜が
形成された。その後,このめっき膜の表面に,実施例1
で用いた前記Cu線をはんだ付けし,実施例1と同様に
密着力を調べた。その結果,前処理によりTi−6Al
−4V材の表面を活性化した直後,すぐにめっき浴に浸
漬して通電した場合の,めっき膜の密着力は0.9kg
f/2mm□であった。一方,5分間浸漬後に通電した
場合は3.3kgf/2mm□であった。
【0077】また,Ti−6Al−4V材に前処理を行
ない,0.01モル/リットルのフッ化水素酸水溶液よ
りなるリンス液で洗浄し,次いですぐにめっき浴に浸漬
し5分間浸漬後に通電するか又は直に通電した。該めっ
き浴としては,日本エンゲルハルト製酸性Ptめっき
(Cat・No.#250)を用いた。その後加熱処理
を行った。前処理工程,通電条件,及び加熱工程の条件
は,上記と同様である。
【0078】これにより形成されたPtめっき膜には,
何等ふくれは認められなかった。また,実施例1と同様
の方法によりPtめっき膜の密着力を測定したところ,
5分間浸漬後に通電した場合は5.0kgf/2mm□
であったのに対して,浸漬後直に通電した場合は2.5
kgf/2mm□であった。上記2種の実験により,T
i−6Al−4V材をめっき浴に浸漬した直後に通電す
るよりも,浸漬後約5分程度経過した後に通電する方
が,めっき膜の密着性が向上することがわかる。
【0079】実施例5 本例においては,前処理後のチタン材料表面の不活性化
(再酸化)に伴う,めっきスケ面積割合及びめっき膜の
密着性について測定した。測定に供する試料の作成方法
について説明する。まず,前処理工程において,Ti−
6Al−4V材を,1モル/リットルフッ化水素酸を含
む酸溶液中に,40℃×2分間浸漬した。
【0080】その後,0.02モル/リットルのフッ化
水素酸水溶液よりなるリンス液で洗浄した場合と,図
5,図6に示す各種条件にて水洗した。水洗は,上記前
処理を施したTi−6Al−4V材を水に浸漬すること
により行った。次に,めっき工程において,Ni−10
Pのめっき原料を含むめっき浴中に,上記Ti−6Al
−4V材を浸漬し,無電解めっきを行なった。その後,
加熱工程において,250℃,2時間の加熱処理を行っ
た。
【0081】図5は,水洗時間とめっき膜の密着力との
関係を示している。めっき膜の密着力は,実施例1と同
様の方法により測定した。図6は,水洗時間とめっき膜
に発生したスケの面積との関係を示している。図6にお
いて,黒丸印及び白丸印の意味は,実施例における図2
と同様である。
【0082】0.02モル/リットルのフッ化水素酸水
溶液よりなるリンス液で洗浄した場合,密着性の低下は
なく,すべてはんだ破断が生じた。また,スケの発生も
なかった。一方,比較として,リンス液による洗浄を行
わず,水洗した場合は,図5,図6に示すように,水洗
時間が長くなるにつれて,スケ面積が増え,密着性も低
下した。
【0083】実施例6 本例においては,加熱条件とめっき膜の密着力との関係
について調査した。調査に供する試料の作成方法につい
て説明する。まず,実施例1と同様に,Ti−6Al−
4V材を用意し,前処理工程として,1モル/リットル
フッ化水素酸を含む酸溶液中に,40℃×2分間浸漬し
た。次いで,0.02モル/リットルのフッ化水素酸を
用いてリンス処理をした。
【0084】次に,めっき工程として,Ni−10P無
電解めっきを施し,加熱工程として,150,250,
300,450℃の各温度で数分〜4時間加熱処理を行
なった。そして,得られた試料について,めっき膜の密
着力を実施例1と同様に測定した。その結果を図7に示
す。
【0085】同図より,300℃加熱の場合は30分前
後の加熱が望ましい。この時点でめっき膜のX線回折を
行ったところ,Ni3 Pの析出は少量であった。1時間
以上の加熱した場合には,多量のNi3 Pが析出してい
た。一方,250℃の場合は,4時間加熱しても全くN
3 Pの析出は認められなかった。450℃加熱では,
250℃加熱よりも短い時間で密着力は向上した。尚,
150℃の加熱では,未加熱処理の場合と殆ど同程度に
低い密着力であった。
【0086】実施例7 本例においては,2層からなるめっき膜の密着性につい
て測定した。測定に供する試料の作成方法について説明
する。まず,実施例1と同様のTi−6Al−4V材を
用意して,前処理工程として1モル/リットルフッ化水
素酸を含む酸溶液中に40℃×2分間浸漬し,上記Ti
−6Al−4V材の表面の活性化を行った。次いで,
0.01モル/リットルのフッ化水素酸水溶液よりなる
リンス液で洗浄した。次に,めっき工程において,下記
に示す無電解銅めっき浴にて厚み約2μmの銅めっき膜
を形成した。
【0087】その後,銅食われ防止用の無電解Ni−1
0Pめっきを施し,厚み2μmのNi−10Pめっき膜
を形成した。その後,加熱工程として,450℃×2H
rの加熱処理を行った。そして,得られた試料につい
て,実施例1と同様の方法によりめっき膜のピール密着
強度を調べたところ,4.0kgf/2mm□であっ
た。
【0088】一方,比較例として,前処理として0.1
モル/リットルフッ化水素酸を含む酸溶液中に40℃×
2分間浸漬し,上記と同様にリンス処理した。次に,め
っき工程は実施例1と同様に行ない,加熱工程として,
150℃×2時間,350℃×2時間の加熱処理をし
て,めっき膜を形成した。
【0089】上記無電解銅めっき浴は,硫酸銅0.04
モル/リットル,EDTA0.06モル/リットル,
α,α,ジピリジル15mg/リットル,フェロリアン
化カリウム15mg/リットル(pH12.8),及び
ホルマリン6ml/リットルよりなる。
【0090】上記比較例におけるめっき膜の密着力を実
施例1と同様の方法により測定したところ,150℃の
加熱温度では0.5kgf/2mm□であった。また,
350℃の加熱温度では1.5kgf/2mm□であっ
た。両比較例とも,上記した450℃の加熱の場合に比
して,低い密着力であった。
【0091】実施例8 本例においては,フッ化水素酸(HF)及びフッ化カリ
ウム(KF)以外のフッ化物を含む酸溶液の検討を行っ
た。検討に供する試料の作成方法について説明する。ま
ず,実施例1と同様のTi−6Al−4V材を用意し,
前処理工程として0.5モル/リットルの酸性フッ化ア
ンモニウム又は酸性フッ化セシウムを溶かした酸溶液に
40℃×2分間浸漬し,その後0.01モル/リットル
のフッ化水素酸水溶液よりなるリンス液で洗浄した。
【0092】次に,めっき工程として,Ni−10Pの
めっき原料を含むめっき浴中で,無電解めっきを行な
い,厚み20μmのNi−10Pめっき膜を形成した。
次に,加熱工程として,250℃又は450℃で2時間
加熱処理した。そして,得られた試料について,実施例
1と同様の方法によりめっき膜のピール密着力を調べ
た。
【0093】その結果,いずれの場合も,めっき膜は8
〜12kgf/2mm□(はんだ破断)と,強い密着力
を有していた。尚,比較例として,前処理工程におい
て,0.1モル/リットルの酸性フッ化アンモニウム又
は酸性フッ化セシウムを含む酸溶液により前処理を行
い,上記と同様にリンス液で洗浄し,次いで,上記と同
様にめっき工程を行った後,250℃,2時間の条件で
加熱処理をした。これにより得られた試料のめっき膜
は,3.0kgf/2mm□(酸性フッ化アンモニウ
ム),1.6kgf/2mm□(酸性フッ化セシウム)
と,いずれも小さい密着力であった。
【0094】実施例9 本例においては,チタン材料として未時効のβ単相のβ
−C合金を用いた場合のめっき膜の密着力について測定
した。まず,金属イオンを含む酸溶液として下記,
の浴を用意した。 NiSO4 ・6H2 O 0.1モル/リットル クエン酸ナトリウム 0.025モル/リットル 酸性フッ化セシウム 0.25モル/リットル ZnSO4 ・6H2 O 0.2モル/リットル クエン酸ナトリウム 0.026モル/リットル 酸性フッ化アンモニウム 0.25モル/リットル
【0095】チタン材料として,未時効のβ単相のβ−
C合金を用いた。そして,前処理工程として,上記β−
C合金を上記各,浴の酸溶液で室温,30秒間処理
して,十分水洗いした。次に,めっき工程として,Ni
−10P無電解めっきを施し,厚み20μmのNi−1
0Pめっき膜を形成した。その後,加熱工程として,
浴により処理した場合は250℃×2時間又は350℃
×2時間の加熱処理をした。浴により処理した場合は
250℃×2時間の加熱処理をした。そして,得られた
試料について,実施例1と同様の方法によりめっき膜の
密着力を測定した。
【0096】その結果,前処理を浴により行ったと
き,加熱工程の加熱温度が250℃の場合には密着力
8.5〜9.6kgf/2mm□,350℃の場合には
密着力5.0kgf/2mm□であった。また,前処理
を浴により行ない,加熱工程の加熱温度が250℃の
場合には,密着力7.7〜10.6kgf/2mm□で
あった。そして,上記前処理及び加熱処理を行った場
合,いずれもはんだ破断であった。
【0097】一方,比較のために,浴による前処理及
びめっき工程を上記と同様に行ない,めっき後の加熱処
理を行わなかった場合に得られた比較用試料を作成し
た。該試料のめっき膜の密着力は,0.5kgf/2m
m□と低かった。このことから,チタン材料として未時
効のβ単相のβ−C合金を用いた場合にも,前記Ti−
6Al−4V材と同様に,優れた密着力を有するめっき
膜が形成されることがわかる。
【0098】実施例10 本例においては,チタン材料としてTiAl金属間化合
物を用いた場合のめっき膜の密着性について測定した。
まず,TiAl(原子比1:1)金属間化合物からなる
自動車用エンジンバルブに,前処理工程として,実施例
9の,浴で,実施例8と同一条件で前処理を行な
い,次いでめっき工程において,以下に示すめっき浴中
にチタン材料を浸漬し,無電解Ni−9Pめっきを施
し,厚み20μmのNi−9Pめっき膜を形成した。
【0099】めっき浴は,硫酸ニッケル0.1モル/リ
ットル,次亜リン酸ナトリウム0.2モル/リットル,
リンゴ酸0.2モル/リットル,酢酸ナトリウム0.0
5モル/リットル,及び鉛(酢酸鉛として添加)0.2
ppm,pH5.0,温度90℃である。次に,加熱工
程として250℃,2時間の加熱処理を行なった。そし
て,得られた試料について,実施例1と同様にめっき膜
の密着力を測定した。
【0100】その結果,いずれの試料においても,7〜
9kgf/2mm□(はんだ破断)と大きな密着力を有
するめっき膜が形成された。また,めっき表面にさらに
硬質Crめっき膜を通常のサージェント浴により電気め
っきの方法で膜厚3μmに形成したが,めっき工程での
ふくれの発生や,剥がれもなく,良好な表面状態であっ
た。なお,上記実施例1〜実施例10の測定条件につい
て,表3,表4に記載した。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において,フッ化水素酸濃度がNi−
10P無電解めっきの析出状況へ与える影響を示すグラ
フ。
【図2】実施例1において,Ti−6Al−4V材のフ
ッ化水素酸濃度とピール密着強度の関係を示すグラフ。
【図3】実施例1において,β−C合金(500℃×2
Hr真空処理)のフッ化水素酸濃度とピール密着強度の
関係を示すグラフ。
【図4】実施例2において,Ti−6Al−4V材の,
加熱温度とめっき膜の密着強度との関係を示すグラフ。
【図5】実施例5において,Ti−6Al−4V材の,
水洗時間とピール密着強度の関係を示すグラフ。
【図6】実施例5において,Ti−6Al−4V材の,
水洗時間とめっきスケ面積との関係を示すグラフ。
【図7】実施例6において,Ti−6Al−4V材とし
たときの,加熱時間と密着強度の関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 房美 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 仁藤 丈裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 深田 新 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン金属又はチタン合金よりなるチタ
    ン材料をフッ化物イオンを含む酸溶液に接触させる前処
    理工程と,上記チタン材料をリンス液と接触させる洗浄
    工程と,上記チタン材料をめっき原料を含むめっき浴に
    浸漬して,めっき処理を施し,上記チタン材料を上記め
    っき浴から取り出すめっき工程と,上記チタン材料を加
    熱する加熱工程とよりなるチタン材料のめっき方法であ
    って,上記酸溶液は,フッ化物イオンを0.5モル/リ
    ットル以上含み,上記リンス溶液は,フッ化物イオンを
    0.01モル/リットル以上含むことを特徴とするチタ
    ン材料のめっき方法。
  2. 【請求項2】 チタン金属又はチタン合金よりなるチタ
    ン材料をフッ化物イオンを含む酸溶液に接触させる前処
    理工程と,上記チタン材料を水またはリンス液と接触さ
    せる洗浄工程と,上記チタン材料をめっき原料を含むめ
    っき浴に浸漬して,めっき処理を施し,上記チタン材料
    を上記めっき浴から取り出すめっき工程と,上記チタン
    材料を加熱する加熱工程とよりなるチタン材料のめっき
    方法であって,上記酸溶液は,フッ化物イオンを0.5
    モル/リットル以上含み,さらに遷移金属イオンを含む
    ことを特徴とするチタン材料のめっき方法。
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