JPH079033B2 - 超微細組織鋼板の製造方法 - Google Patents

超微細組織鋼板の製造方法

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JPH079033B2
JPH079033B2 JP5924090A JP5924090A JPH079033B2 JP H079033 B2 JPH079033 B2 JP H079033B2 JP 5924090 A JP5924090 A JP 5924090A JP 5924090 A JP5924090 A JP 5924090A JP H079033 B2 JPH079033 B2 JP H079033B2
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常昭 長道
和俊 国重
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B3/00Rolling materials of special alloys so far as the composition of the alloy requires or permits special rolling methods or sequences ; Rolling of aluminium, copper, zinc or other non-ferrous metals
    • B21B3/02Rolling special iron alloys, e.g. stainless steel

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、均一超微細な組織を有し、改善された強
度,延性,低温靭性,耐食性,超塑性等の特性を発揮す
る鋼板の製造方法に関する。
〈従来技術とその課題〉 一般に、鋼材の諸特性はその組織が微細になるほど向上
するとされており、従来から鋼材組織をより微細化する
技術の開発にしのぎが削られてきた。
そして、長年に亘って続けられてきたこれら研究の成果
として a)制御圧延, b)制御圧延・加速冷却, c)大圧下圧延(例えば特開昭62-253733号,特開昭63-
145720号等), などの新しい組織微細化技術が生み出されるに至った。
しかしながら、これらの各技術にも次のような問題が指
摘されている。
即ち、制御圧延技術では、“制御圧延と言う熱間加工に
よって作り出されるオーステナイト(γ)粒”は或る程
度まで微細になると実際上もはやそれ以上に微細化する
ことができず、そのため制御圧延のみでは、フェライト
(α)粒径が10μm程度の均一な微細組織を得ることさ
え困難である。
そして、上記制御圧延に加速冷却を組み合わせた技術で
もってしても、上述したように制御圧延により十分なγ
組織の微細化が達成されないことから、その後の加速冷
却によって無理やり微細なαを変態生成させようとして
も限界があり、従ってやはりα粒径が10μmを下回る程
に微細化された均一組織を得るのは極めて困難なことで
あった。ましてや、α粒径が5μm以下(Grain Size N
o.で12以上)の均一超微細組織を得ることなど到底不可
能であった。
一方、大圧下圧延による組織微細化技術は、γ未再結晶
温度域で圧下率30%/パス以上の大圧下を加えてγ粒を
“変形帯を粒内に含む加工硬化γ”とし、その後γ→α
変態を生じさせて組織の微細化を図るものであるが、こ
の方法ではγ→α変態前のγ粒は大圧下圧延により単に
伸長しているだけで等方的な微細粒となっていないこと
から、やはり組織微細化に限界があり、そのため変態後
のα粒径が5μmを下回る程の均一超微細組織の実現は
叶わなかった。
このようなことから、本発明が目的としたのは、従来法
では実現が困難だった“超微細でしかも等方的な均一組
織を有する鋼板”を安定して製造することができる工業
的手段を提供することであった。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者等は、上記目的を達成すべく様々な観点に立っ
て鋭意研究を重ねた結果、「鋼板の熱間圧延に際し、温
度調整により圧延前の素材鋼(連続鋳造鋳片又はインゴ
ット等)にフェライトを含む組織を現出しておき、該組
織に所定圧下率の圧延を施してから急速昇温して上記フ
ェライトをオーステナイトへと逆変態させるか、或い
は、素材鋼のオーステナイト粒径が200μm以上である
場合には、フェライト組織を現出させる前の素材鋼にオ
ーステナイト再結晶温度域で一旦所定圧下率の圧延を実
施し、それから上記工程の加工熱処理を施してフェライ
トをオーステナイトへと逆変態させると、現れるオース
テナイト組織は従来の制御圧延等では到底得られないよ
うな超微細組織となる。そこで、この超微細オーステナ
イト組織に更に圧延加工を施してから冷却すると、変態
生成するフェライトは超微細オーステナイト組織を元に
しているためやはり極めて微細なものとなり、従来は実
現が極めて困難であったフェライト粒径10μmを遥かに
下回る等方的な均一超微細組織を有した鋼板が安定して
得られる。しかも、この超微細組織鋼板は、強度,延
性,低温靭性,耐食性,超組成等の特性面でこれまでの
鋼板よりも一段と優れた値を示す」との知見を得るに至
ったのである。
本発明は、上記知見事項等に基づいてなされたもので、 「連続鋳造鋳片(スラブ,ブル‐ム,ビレット)又はイ
ンゴット(以降、鋼片と総称する)を、第1図に示すよ
うに熱片状態からそのまま冷却するか、或いは第2図に
示すように熱片のまま乃至は加熱炉に装入してから再結
晶温度域で一旦合計圧下率30%以上の圧延を行った後に
冷却し、その後同じく上記第1図及び第2図に示したよ
うに (a)Ar3点以下の温度域で合計圧下率30%以上の圧延
を施す, (b)続いてAc3点〜〔Ac3点+100℃〕の温度域に10℃/
sec以上の加熱速度で昇温し、フェライトからオーステ
ナイトへ逆変態を生じさせる, (c)そして、該オーステナイト相温度域で合計圧下率
10%以上の圧延を施す, なる工程で順次加工熱処理し冷却することにより、均一
超微細組織を有する鋼板を能率良く安定して製造し得る
ようにした点」 に特徴を有するものである。
なお、本発明が対象とする素材鋼は、熱片状態から常温
までの温度域にて少なくとも一部がフェライトからなる
組織に変態するものであれば、炭素鋼,合金鋼の何れで
あっても良いことは言うまでもない。
続いて、本発明に係る超微細組織鋼板の製造条件を前記
の如くに限定した理由を、その作用と共に詳述する。
〈作用〉 A)鋼片を熱片から冷却してAr3点以下の温度域で合計
圧下率30%以上の圧延を施す理由 熱鋼片を一旦Ar3点以下に冷却して圧延を施すのは、本
発明の方法が“フェライトを含む組織に塑性加工を加え
てからフェライト相をオーステナイト相に逆変態させる
こと”を主要な要件としているためであり、そのために
はフェライト相の生成を必要とするからである。この際
の冷却温度については、Ar3点以下であれば格別に制限
されるものではないが、現実的な操業性の面からすると
Ar3点未満近傍のなるべく高温の領域{Ar3点〜(Ar3
−100℃)}にすることが好ましいと言える。しかしな
がら、フェライトを含む組織に塑性加工を加えてからフ
ェライト相をオーステナイト相に逆変態させるに当っ
て、塑性加工時におけるフェライト(α)の体積率が多
いほど逆変態後のγ粒が微細になることから、製品性能
面からすれば、フェライトの体積率を増大させるべく前
記冷却温度はAr1点以下とするのが望ましい。
そして、Ar3点以下の温度域で施す圧延加工の合計圧下
率を30%以上としたのは、この際の圧下率が合計で30%
以上となった場合に始めて逆変態による微細γ粒の安定
形成が達成できるからである。
即ち、Ar3点以下の温度域で圧延加工を施すと、この圧
延によってフェライト(α)が加工硬化しオーステナイ
ト(γ)への逆変態核が増加する。そして、この逆変態
核の数が極度に多ければその後のオーステナイト域への
急速昇温で極めて微細なγ粒が生成する訳である。しか
るに、上記逆変態核数は圧下率が合計で30%以上となっ
た時に始めて顕著な急増傾向を示し、所望の超微細γ粒
の安定生成が叶うことから、Ar3点以下での合計圧下率
を30%以上と定めたが、望ましくは50%以上とするのが
良い。
ところで、連続鋳造或いはインゴット鋳造した鋼片(素
材鋼)のγ粒径が200μm以上となっているような場合
には、その熱鋼片をそのままAr3点以下に冷却して圧延
後、逆変態を起こさせても所望の均一超微細組織が得ら
れない恐れがある。しかし、このような場合でも、上記
熱鋼片を冷却する前に、そのまま乃至は加熱炉へ装入後
に一旦オーステナイトの再結晶温度域で加工して再結晶
による細粒化(γ粒径:260μm未満)を図っておけば上
記問題は払拭される。
ただ、熱鋼片をオーステナイトの再結晶温度域で再結晶
させてγ粒径を200μm未満とするには、該再結晶温度
域で圧下率30%以上の加工を加える必要がある。
B)Ac3点〜〔Ac3点+100℃〕の温度域まで10℃/sec以
上の加熱速度で昇温する理由 Ac3点以上に昇温するのは「加工硬化したフェライト
(α)から逆変態により非常に微細なγ粒が生成する」
と言う本発明に係る方法での特徴的な作用・効果を十分
に発揮させるためである。この場合、昇温温度の上限を
〔Ac3+100℃〕としたのは、この温度を超えて昇温する
とγが粒成長してしまって最終的に所望の均一超微細組
織鋼板が得られなくなることによる。
そして、Ac3点〜〔Ac3点+100℃〕の温度域まで昇温す
る際の加熱速度が10℃/sec未満であると逆変態核導入の
原因となる加工による歪がα→γ逆変態に先立って開放
されてしまい、所望の微細γ粒組織を実現できなくな
る。従って、上記加熱速度を10℃/sec以上と定めた。
なお、昇温の手段としては“加工熱の利用”又は“外部
からの積極的加熱”、或いは両者の併用等、何れの方法
を採用しても良い。
C)オーステナイト相温度域で合計圧下率10%以上の圧
延を施す理由 逆変態により生じるγ粒を更に微細とし、その後の冷却
によって生成するフェライト(α)含有組織を所望の超
微細組織とするためには、前記オーステナイト相温度域
にまで急速昇温した鋼に圧下率の合計が10%以上(好ま
しくは30%以上)の圧延加工を加える必要があり、この
時の合計圧下率が10%未満であると所望の均一超微細組
織を安定して実現することができない。
そして、上述した加工熱処理を施して板材とされた鋼を
任意手段によって冷却することにより、α粒径が10μm
以下、更には5μm以下の等方的な均一超微細組織鋼板
を工業的に安定して製造することが可能となる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
〈実施例〉 まず、第1表に示した化学組成の各鋼を50kg真空溶解炉
で溶製し、鋳造して20mm厚と60mm厚の熱鋳片とした。
次に、これら熱鋳片を第2表に示す条件にて圧延・熱処
理してから急冷し、その後更に680℃×1hrの焼鈍処理を
施して熱延鋼板を製造した。
そして、このようにして得られた鋼板から試験片を採取
し、結晶粒度番号,降伏強さ,伸び,及び耐たて割れ遷
移温度を調べた。
ここで、「たて割れ遷移温度」とは絞り比:2.0で絞った
カップの脆性割れ停止温度を意味する。
この結果を第2表に併せて示す。
第2表に示される結果からも明らかなように、本発明で
規定する条件に従って製造された鋼板は安定して超微細
均一組織となり、優れた特性を発揮するのに対して、製
造条件が本発明の規定を満たしていない場合には十分な
微細組織が達成できず、得られる鋼板の特性が本発明法
によるものよりも劣る結果となることが分かる。
〈効果の総括〉 以上に説明した如く、本発明によれば、従来技術では実
際上実現することのできなかった超微細な均一組織を有
する鋼板を安定して製造することができ、強度や靭性等
の特性に優れた鋼板をコスト安く提供することが可能と
なるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、それぞれ本発明超微細組織鋼板の
製造法に係るヒートパターンを示す線図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造鋳片又はインゴットを熱片又は熱
    塊状態から冷却し、 (a)Ar3点以下の温度域で合計圧下率30%以上の圧延
    を施す, (b)続いてAc3点〜〔Ac3点+100℃〕の温度域に10℃/
    sec以上の加熱速度で昇温し、フェライトからオーステ
    ナイトへ逆変態を生じさせる, (c)そして、該オーステナイト相温度域で合計圧下率
    10%以上の圧延を施す, なる工程で順次加工熱処理し冷却することを特徴とす
    る、超微細組織鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】連続鋳造鋳片又はインゴットを熱片又は熱
    塊状態のまま乃至は加熱炉に装入してから再結晶温度域
    で合計圧下率30%以上の圧延を行った後、これを冷却
    し、 (a)Ar3以下の温度域で合計圧下率30%以上の圧延を
    施す, (b)続いてAc3点〜〔Ac3点+100℃〕の温度域に10℃/
    sec以上の加熱速度で昇温し、フェライトからオーステ
    ナイトへ逆変態を生じさせる, (c)そして、該オーステナイト相温度域で合計圧下率
    10%以上の圧延を施す, なる工程で順次加工熱処理し冷却することを特徴とす
    る、超微細組織鋼板の製造方法。
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FR2798871B1 (fr) * 1999-09-24 2001-11-02 Usinor Procede de fabrication de bandes d'acier au carbone, notamment d'acier pour emballages, et bandes ainsi produites

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