JP2002194475A - Fe−Co系合金の薄板とその製造方法 - Google Patents
Fe−Co系合金の薄板とその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Co:20〜60%を含有するFe−Co合
金や、Co:20〜60%およびM(V,Ta,Nb,
Mo,WまたはTi):5%以下を含有するFe−Co
−M合金の薄板を、プレアロイ粉末を使用する粉末冶金
法により容易に製造できるようにする。 【解決手段】 下記の諸工程を実施する:A)上記磁性
合金の溶湯を水噴霧法して、粒径250μm以下であっ
て見掛け密度が3.3g/cm3以下の粉末を得る粉末製
造工程、B)粉末圧延法により厚さ0.05〜0.8mm
の薄板に成形する粉末圧延工程、C)950℃以上14
00℃未満の温度で焼結する一次焼結工程、D)冷間圧
延して板厚を所定の厚さにするとともに、焼結時に残存
したマイクロポアをつぶし、旧粉末粒界の酸化被膜を破
壊する冷間圧延工程、E)1150℃以上1400℃未
満の温度で非酸化性雰囲気下に加熱して、緻密化を促進
する二次焼結工程、および、F)圧下率0.5〜10%
のスキンパス圧延を行って、0.05〜0.5mmの範囲
内で所定の板厚を有し、マイクロポアの面積率が1%以
下である薄板にする仕上圧延工程。
金や、Co:20〜60%およびM(V,Ta,Nb,
Mo,WまたはTi):5%以下を含有するFe−Co
−M合金の薄板を、プレアロイ粉末を使用する粉末冶金
法により容易に製造できるようにする。 【解決手段】 下記の諸工程を実施する:A)上記磁性
合金の溶湯を水噴霧法して、粒径250μm以下であっ
て見掛け密度が3.3g/cm3以下の粉末を得る粉末製
造工程、B)粉末圧延法により厚さ0.05〜0.8mm
の薄板に成形する粉末圧延工程、C)950℃以上14
00℃未満の温度で焼結する一次焼結工程、D)冷間圧
延して板厚を所定の厚さにするとともに、焼結時に残存
したマイクロポアをつぶし、旧粉末粒界の酸化被膜を破
壊する冷間圧延工程、E)1150℃以上1400℃未
満の温度で非酸化性雰囲気下に加熱して、緻密化を促進
する二次焼結工程、および、F)圧下率0.5〜10%
のスキンパス圧延を行って、0.05〜0.5mmの範囲
内で所定の板厚を有し、マイクロポアの面積率が1%以
下である薄板にする仕上圧延工程。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Fe−Co系合金
の薄板の製造方法に関する。ここで「Fe−Co系合
金」とは、Fe−Co合金およびFe−Co−M(M
は、V,Ta,Nb,Mo,WおよびTiの1種または
2種以上)合金を包含する語である。本発明により、従
来技術では製造が困難とされていた、Co:20〜60
重量%という高いCo含有量をもつFe−Co系合金の
薄板が容易に提供できる。
の薄板の製造方法に関する。ここで「Fe−Co系合
金」とは、Fe−Co合金およびFe−Co−M(M
は、V,Ta,Nb,Mo,WおよびTiの1種または
2種以上)合金を包含する語である。本発明により、従
来技術では製造が困難とされていた、Co:20〜60
重量%という高いCo含有量をもつFe−Co系合金の
薄板が容易に提供できる。
【0002】
【従来の技術】高い飽和磁束密度と初透磁率をもつ電磁
気材料として、「パーメンデュール合金」(Fe−50
%Co)を代表とするFe−Co系合金が知られてい
る。Fe−Co系合金は、磁気特性がすぐれているもの
の加工性の低いことが難点であって、あまり広く使用さ
れていない。2%程度のVを加えるか、またはTa,N
b,Mo,WあるいはTiを添加することにより、加工
性が若干改善されるので、通常はFe−49%Co−2
%Vを代表とする合金組成が採用されるが、それでも薄
板として市場で入手可能なものは、最も薄いものでも、
厚さが0.4mm程度ある。これ以上薄いものを製造しよ
うとすれば、熱間圧延−急冷ののち、冷間圧延−焼鈍−
急冷を繰り返し行なわなければならない。この急冷は、
金属間化合物の析出を防ぐために必要な操作であって、
氷塩水に投入することにより実行している。いうまでも
なく、このような薄板の製造方法ではコストが非常に高
くなり、工業的な実施には耐えない。
気材料として、「パーメンデュール合金」(Fe−50
%Co)を代表とするFe−Co系合金が知られてい
る。Fe−Co系合金は、磁気特性がすぐれているもの
の加工性の低いことが難点であって、あまり広く使用さ
れていない。2%程度のVを加えるか、またはTa,N
b,Mo,WあるいはTiを添加することにより、加工
性が若干改善されるので、通常はFe−49%Co−2
%Vを代表とする合金組成が採用されるが、それでも薄
板として市場で入手可能なものは、最も薄いものでも、
厚さが0.4mm程度ある。これ以上薄いものを製造しよ
うとすれば、熱間圧延−急冷ののち、冷間圧延−焼鈍−
急冷を繰り返し行なわなければならない。この急冷は、
金属間化合物の析出を防ぐために必要な操作であって、
氷塩水に投入することにより実行している。いうまでも
なく、このような薄板の製造方法ではコストが非常に高
くなり、工業的な実施には耐えない。
【0003】一方、最近の電子・電気機器の小型化・高
効率化の傾向から、飽和磁束密度が高く、しかも高周波
領域で鉄損の少ない材料が要求されるようになり、その
ような要求を満たす材料として、Fe−Co系合金の薄
板が、再度検討の対象に上るようになってきた。
効率化の傾向から、飽和磁束密度が高く、しかも高周波
領域で鉄損の少ない材料が要求されるようになり、その
ような要求を満たす材料として、Fe−Co系合金の薄
板が、再度検討の対象に上るようになってきた。
【0004】加工性の改善策として、V,Ta,Ti,
Nbなどの元素を適量、たとえば上記したV2%を添加
することが行われ、この合金系がむしろ常識となってい
る。これらの成分が合金の電磁気的特性に対する影響と
しては、電気抵抗の増大が見られ、これは交流を対象と
する用途には好ましいことであるが、他方で、保磁力H
cの低下という不利益がある。飽和磁化Bsには変わり
がない。総合的に見て、上記の加工性改善元素の添加
は、磁気的特性にとってはマイナスが多いが、加工性を
確保するためにやむを得ず行なっているのが現状であ
る。
Nbなどの元素を適量、たとえば上記したV2%を添加
することが行われ、この合金系がむしろ常識となってい
る。これらの成分が合金の電磁気的特性に対する影響と
しては、電気抵抗の増大が見られ、これは交流を対象と
する用途には好ましいことであるが、他方で、保磁力H
cの低下という不利益がある。飽和磁化Bsには変わり
がない。総合的に見て、上記の加工性改善元素の添加
は、磁気的特性にとってはマイナスが多いが、加工性を
確保するためにやむを得ず行なっているのが現状であ
る。
【0005】発明者らは、難加工性磁性合金の薄板を製
造する技術の確立を意図して粉末冶金法の改良に努力
し、Fe−Si合金において、加工性が悪くて冷間圧延
が不可能である、Si含有量4.5%を超える合金系、
たとえばFe−6.5%Si合金において、厚さ0.1
mm以下の薄板を製造する技術を確立し、すでに開示した
(特願平11−372351)。その薄板製造技術は、
基本的には下記の諸工程からなる。 A)Feの粉末とFe−Si合金の粉末とを混合する粉
末混合工程、 B)この混合物を粉末圧延法により薄板に成形する粉末
圧延工程、 C)粉末圧延によって得た薄板を焼結する焼結工程、 D)焼結した薄板を冷間圧延してカサ密度を高める冷間
圧延工程、 E)冷間圧延後の薄板を非酸化性雰囲気下に加熱する拡
散焼鈍工程、および F)拡散焼鈍をへた薄板にスキンパス圧延を行なう仕上
圧延工程。
造する技術の確立を意図して粉末冶金法の改良に努力
し、Fe−Si合金において、加工性が悪くて冷間圧延
が不可能である、Si含有量4.5%を超える合金系、
たとえばFe−6.5%Si合金において、厚さ0.1
mm以下の薄板を製造する技術を確立し、すでに開示した
(特願平11−372351)。その薄板製造技術は、
基本的には下記の諸工程からなる。 A)Feの粉末とFe−Si合金の粉末とを混合する粉
末混合工程、 B)この混合物を粉末圧延法により薄板に成形する粉末
圧延工程、 C)粉末圧延によって得た薄板を焼結する焼結工程、 D)焼結した薄板を冷間圧延してカサ密度を高める冷間
圧延工程、 E)冷間圧延後の薄板を非酸化性雰囲気下に加熱する拡
散焼鈍工程、および F)拡散焼鈍をへた薄板にスキンパス圧延を行なう仕上
圧延工程。
【0006】その後発明者らは、この薄板製造技術の他
の合金に対する拡張適用を試みて、研究を続けた。その
結果、Fe−Co系磁性合金においても同様な工程で薄
板が製造できることを確かめ、これもすでに提案した。
の合金に対する拡張適用を試みて、研究を続けた。その
結果、Fe−Co系磁性合金においても同様な工程で薄
板が製造できることを確かめ、これもすでに提案した。
【0007】発明者らが提案したFe−Co系合金薄板
の製造方法には、基本的な態様とそれを簡略化した態様
とがある。基本的な態様は、 粉末製造−粉末圧延−一次焼結−冷間圧延−二次焼結−
仕上げ圧延 の諸工程からなり、簡略化した態様は、一次焼結から冷
間圧延を経て二次焼結に至る工程を1回の焼結にまとめ
た、 粉末製造−粉末圧延−焼結−仕上げ圧延 の諸工程からなる。どちらの態様も、確立した技術は、
粉末の製造を、Feの粉末とCoの粉末またはFe−C
o合金の粉末との混合により所定の合金組成を実現する
ものであって、「プレミックス法」と呼ばれる技術によ
る。
の製造方法には、基本的な態様とそれを簡略化した態様
とがある。基本的な態様は、 粉末製造−粉末圧延−一次焼結−冷間圧延−二次焼結−
仕上げ圧延 の諸工程からなり、簡略化した態様は、一次焼結から冷
間圧延を経て二次焼結に至る工程を1回の焼結にまとめ
た、 粉末製造−粉末圧延−焼結−仕上げ圧延 の諸工程からなる。どちらの態様も、確立した技術は、
粉末の製造を、Feの粉末とCoの粉末またはFe−C
o合金の粉末との混合により所定の合金組成を実現する
ものであって、「プレミックス法」と呼ばれる技術によ
る。
【0008】さらに研究を進めた発明者らは、上記の薄
板製造法が、粉末の形状をコントロールすることによ
り、「プレアロイ法」と呼ばれる粉末冶金技術に対して
も適用可能であることを確認した。
板製造法が、粉末の形状をコントロールすることによ
り、「プレアロイ法」と呼ばれる粉末冶金技術に対して
も適用可能であることを確認した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した発明者らのその後の知見を活用し、Fe−Co系磁
性合金の薄板と、それを容易に製造する新しい方法を提
供することにある。
した発明者らのその後の知見を活用し、Fe−Co系磁
性合金の薄板と、それを容易に製造する新しい方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のFe−Co系合
金薄板の製造方法には、さきに提案の方法と同様に、基
本的な態様とそれを簡略化した態様とがある。基本的な
態様は、図1にそのフローチャートを示すように、下記
の諸工程からなる: A)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が実
質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20〜
60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wおよ
びTiの1種または2種、2種以上の場合は合計で):
5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるFe−C
o−M合金の溶湯を水噴霧法により粉末化して、粒径2
50μm以下であって、見掛け密度が3.3g/cm3以
下の粉末を得る粉末製造工程、 B)粉末製造工程で得た粉末を、粉末圧延法により厚さ
0.05〜0.8mmの薄板に成形する粉末圧延工程、 C)粉末圧延によって得た薄板を、950℃以上140
0℃未満の温度で焼結する一次焼結工程、 D)一次焼結した薄板を冷間圧延して、板厚を所定の厚
さにするとともに、焼結時に残存したマイクロポアを圧
着してつぶし、かつ加工変形することにより旧粉末粒界
に存在していた酸化被膜を破壊する冷間圧延工程、 E)冷間圧延後の薄板を1150℃以上1400℃未満
の温度で非酸化性雰囲気下に加熱して、緻密化を促進す
る二次焼結工程、および F)二次焼結により緻密化を進めた薄板に、圧下率0.
5〜10%のスキンパス圧延を行なって、板厚0.05
〜0.5mmの範囲内で所定の厚さを有し、マイクロポア
の面積率が1%以下である薄板を得る仕上圧延工程。
金薄板の製造方法には、さきに提案の方法と同様に、基
本的な態様とそれを簡略化した態様とがある。基本的な
態様は、図1にそのフローチャートを示すように、下記
の諸工程からなる: A)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が実
質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20〜
60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wおよ
びTiの1種または2種、2種以上の場合は合計で):
5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるFe−C
o−M合金の溶湯を水噴霧法により粉末化して、粒径2
50μm以下であって、見掛け密度が3.3g/cm3以
下の粉末を得る粉末製造工程、 B)粉末製造工程で得た粉末を、粉末圧延法により厚さ
0.05〜0.8mmの薄板に成形する粉末圧延工程、 C)粉末圧延によって得た薄板を、950℃以上140
0℃未満の温度で焼結する一次焼結工程、 D)一次焼結した薄板を冷間圧延して、板厚を所定の厚
さにするとともに、焼結時に残存したマイクロポアを圧
着してつぶし、かつ加工変形することにより旧粉末粒界
に存在していた酸化被膜を破壊する冷間圧延工程、 E)冷間圧延後の薄板を1150℃以上1400℃未満
の温度で非酸化性雰囲気下に加熱して、緻密化を促進す
る二次焼結工程、および F)二次焼結により緻密化を進めた薄板に、圧下率0.
5〜10%のスキンパス圧延を行なって、板厚0.05
〜0.5mmの範囲内で所定の厚さを有し、マイクロポア
の面積率が1%以下である薄板を得る仕上圧延工程。
【0011】上記の粉末製造工程(A)には、つぎのよ
うな、バインダーを用いた別の手法も可能である: A’)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が
実質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20
〜60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wお
よびTiの1種または2種、2種以上の場合は合計
で):5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるF
e−Co−M合金の粉末であって、粒径44μm以下の
微粉末を30%以上含む粉末を、焼鈍処理またはバイン
ダーを用いた造粒処理により、粒径250μm以下であ
って見掛け密度が3.3g/cm3以下の粉末とする粉末
製造工程。
うな、バインダーを用いた別の手法も可能である: A’)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が
実質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20
〜60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wお
よびTiの1種または2種、2種以上の場合は合計
で):5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるF
e−Co−M合金の粉末であって、粒径44μm以下の
微粉末を30%以上含む粉末を、焼鈍処理またはバイン
ダーを用いた造粒処理により、粒径250μm以下であ
って見掛け密度が3.3g/cm3以下の粉末とする粉末
製造工程。
【0012】本発明に従うFe−Co系合金の薄板の製
造方法の簡略化した態様は、図2にそのフローチャート
を示すように、下記の諸工程からなる: A)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が実
質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20〜
60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wおよ
びTiの1種または2種、2種以上の場合は合計で):
5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるFe−C
o−M合金の溶湯を水噴霧法により粉末化して、粒径2
50μm以下であって、見掛け密度が3.3g/cm3以
下の粉末を得る粉末製造工程、 B)粉末製造工程で得た粉末を、粉末圧延法により厚さ
0.05〜0.8mmの薄板に成形する粉末圧延工程、 E’)粉末圧延によって得た薄板を、非酸化性雰囲気下
に、1150℃以上1400℃未満の温度に加熱して焼
結する焼結工程、および F)二次焼結により緻密化を進めた薄板に、圧下率0.
5〜10%のスキンパス圧延を行なって、板厚0.05
〜0.5mmの範囲内で所定の厚さを有し、マイクロポア
の面積率が1%以下である薄板を得る仕上圧延工程。
造方法の簡略化した態様は、図2にそのフローチャート
を示すように、下記の諸工程からなる: A)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が実
質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20〜
60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wおよ
びTiの1種または2種、2種以上の場合は合計で):
5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるFe−C
o−M合金の溶湯を水噴霧法により粉末化して、粒径2
50μm以下であって、見掛け密度が3.3g/cm3以
下の粉末を得る粉末製造工程、 B)粉末製造工程で得た粉末を、粉末圧延法により厚さ
0.05〜0.8mmの薄板に成形する粉末圧延工程、 E’)粉末圧延によって得た薄板を、非酸化性雰囲気下
に、1150℃以上1400℃未満の温度に加熱して焼
結する焼結工程、および F)二次焼結により緻密化を進めた薄板に、圧下率0.
5〜10%のスキンパス圧延を行なって、板厚0.05
〜0.5mmの範囲内で所定の厚さを有し、マイクロポア
の面積率が1%以下である薄板を得る仕上圧延工程。
【0013】この態様においても、粉末製造工程(A)
を、上記したバインダーを使用する別の手法である、粉
末製造工程(A’)に置き換えることは可能である
を、上記したバインダーを使用する別の手法である、粉
末製造工程(A’)に置き換えることは可能である
【0014】
【発明の実施の形態】上記の基本的な態様および簡略化
された態様のどちらにおいても、またその出発点である
粉末製造工程として(A)を採用した場合も、(A’)
を採用した場合も、それぞれに、さまざまな変更態様が
可能である。
された態様のどちらにおいても、またその出発点である
粉末製造工程として(A)を採用した場合も、(A’)
を採用した場合も、それぞれに、さまざまな変更態様が
可能である。
【0015】そのひとつの例は、仕上圧延工程(F)に
続いて、下記の工程を行なうことである: G)薄板の磁気特性を改善するための磁気焼鈍工程、ま
たは H)薄板に対し、550℃以上の温度で、長手方向に張
力を加えて形状の修正を行なう平坦化処理。
続いて、下記の工程を行なうことである: G)薄板の磁気特性を改善するための磁気焼鈍工程、ま
たは H)薄板に対し、550℃以上の温度で、長手方向に張
力を加えて形状の修正を行なう平坦化処理。
【0016】磁気焼鈍処理は、温度750〜1100℃
に10分間〜10時間、代表的には850℃前後に4時
間程度加熱して行なうのが適切である。平坦化は、「テ
ンションアニ−リング」と呼ばれる工程である。これら
の工程は、とくに高い平坦性を製品薄板に求めない場合
は、磁気焼鈍工程(G)だけを実施すれば足りるが、多
くの場合、続いて平坦化処理(H)を行なうことが好ま
しい。
に10分間〜10時間、代表的には850℃前後に4時
間程度加熱して行なうのが適切である。平坦化は、「テ
ンションアニ−リング」と呼ばれる工程である。これら
の工程は、とくに高い平坦性を製品薄板に求めない場合
は、磁気焼鈍工程(G)だけを実施すれば足りるが、多
くの場合、続いて平坦化処理(H)を行なうことが好ま
しい。
【0017】基本的な態様に上記の磁気焼鈍工程(G)
および平坦化処理(H)の工程を付加した態様のフロー
チャートを図3に、簡略化された態様にこれらの工程を
付加した態様のフローチャートを図6に、それぞれ示
す。
および平坦化処理(H)の工程を付加した態様のフロー
チャートを図3に、簡略化された態様にこれらの工程を
付加した態様のフローチャートを図6に、それぞれ示
す。
【0018】いまひとつの例は、とくに薄い板を高い板
厚精度で得ようとする場合、二次焼結(E)または焼結
(E’)に続いて、下記の工程のいずれかを、少なくと
も1回行なうことである: I)冷間圧延、それに後続する600℃以上1150℃
未満の温度に加熱する中間焼鈍、および再度の冷間圧延
の組み合わせ、または J)600℃以上900℃以下の温度における温間圧
延。
厚精度で得ようとする場合、二次焼結(E)または焼結
(E’)に続いて、下記の工程のいずれかを、少なくと
も1回行なうことである: I)冷間圧延、それに後続する600℃以上1150℃
未満の温度に加熱する中間焼鈍、および再度の冷間圧延
の組み合わせ、または J)600℃以上900℃以下の温度における温間圧
延。
【0019】図1に示した基本的な態様に、上記の冷間
圧延−焼鈍−冷間圧延工程(I)を加えた場合のフロー
チャートを、図4に示す。温間圧延工程(J)を加えた
場合のフローチャートは、図5に示す。簡略化した態様
に対しても、これらの工程を付加することは、もちろん
好ましい。簡略化した態様に冷間圧延−焼鈍−冷間圧延
工程(I)を加えた場合のフローチャートを図7に、温
間圧延工程(J)を加えた場合のフローチャートを、図
8に示す。
圧延−焼鈍−冷間圧延工程(I)を加えた場合のフロー
チャートを、図4に示す。温間圧延工程(J)を加えた
場合のフローチャートは、図5に示す。簡略化した態様
に対しても、これらの工程を付加することは、もちろん
好ましい。簡略化した態様に冷間圧延−焼鈍−冷間圧延
工程(I)を加えた場合のフローチャートを図7に、温
間圧延工程(J)を加えた場合のフローチャートを、図
8に示す。
【0020】図4および図5に示した態様に、さらに磁
気焼鈍工程(G)および平坦化工程(H)の一方または
両方を付加して行なう変更態様も、もちろん可能である
し、図7および図8に示した態様に、さらにこれらの工
程(G)および(H)の一方または両方を付加して行な
う変更態様が可能であることも、もちろんである。
気焼鈍工程(G)および平坦化工程(H)の一方または
両方を付加して行なう変更態様も、もちろん可能である
し、図7および図8に示した態様に、さらにこれらの工
程(G)および(H)の一方または両方を付加して行な
う変更態様が可能であることも、もちろんである。
【0021】前記した基本的な製造方法の各工程は、つ
ぎに説明するような意義を有する。まず、粉末の製造工
程(A)は、前述のように、粉末の粒度を粒径250μ
m以下(60メッシュ通過)であって、見掛け密度が
3.3g/cm3以下となるように水噴霧することによ
り、粉末圧延法により直接圧延することができる粉末を
得ることにある。この粉末は、粒径44μm以下(35
0メッシュ通過)の微細粉末を20%以上含んでいるこ
とが好ましい。粉末の製造工程(A’)は、バインダー
を用いて造粒した粉末を原料に使用する手法である。こ
の場合、粒径44μm以下の微細粉末が30%以上を占
めることにより、粉末圧延に適した粉末を造粒すること
ができる。バインダーとしては、合成樹脂系のPVB
(ポリビニルブチラール)などが好適である。
ぎに説明するような意義を有する。まず、粉末の製造工
程(A)は、前述のように、粉末の粒度を粒径250μ
m以下(60メッシュ通過)であって、見掛け密度が
3.3g/cm3以下となるように水噴霧することによ
り、粉末圧延法により直接圧延することができる粉末を
得ることにある。この粉末は、粒径44μm以下(35
0メッシュ通過)の微細粉末を20%以上含んでいるこ
とが好ましい。粉末の製造工程(A’)は、バインダー
を用いて造粒した粉末を原料に使用する手法である。こ
の場合、粒径44μm以下の微細粉末が30%以上を占
めることにより、粉末圧延に適した粉末を造粒すること
ができる。バインダーとしては、合成樹脂系のPVB
(ポリビニルブチラール)などが好適である。
【0022】粉末圧延によって成形した板を非酸化性の
雰囲気下に焼結することは、緻密な板を得ることを意味
する。非酸化性の雰囲気は、アルゴン、窒素、水素など
のガスの雰囲気、または真空を使用すればよい。得られ
た焼結体は、微細かつ均一に分布したマイクロポアと、
50μm以下の微細結晶粒によって特徴付けられる。こ
のような焼結製品は、靭性があり、かつ、小さいながら
も変形能を有する。加工により変形を受けたとき、微小
なクラックが発生しても、残存するマイクロポアがクラ
ックの進展を止めるため、破壊に至ることがない。温度
範囲の下限950℃に達しない温度では焼結が実用的な
速度で進行しないためであり、上限の1400℃は、こ
れ以上の温度では極端に溶損事故が発生するため設け
た。
雰囲気下に焼結することは、緻密な板を得ることを意味
する。非酸化性の雰囲気は、アルゴン、窒素、水素など
のガスの雰囲気、または真空を使用すればよい。得られ
た焼結体は、微細かつ均一に分布したマイクロポアと、
50μm以下の微細結晶粒によって特徴付けられる。こ
のような焼結製品は、靭性があり、かつ、小さいながら
も変形能を有する。加工により変形を受けたとき、微小
なクラックが発生しても、残存するマイクロポアがクラ
ックの進展を止めるため、破壊に至ることがない。温度
範囲の下限950℃に達しない温度では焼結が実用的な
速度で進行しないためであり、上限の1400℃は、こ
れ以上の温度では極端に溶損事故が発生するため設け
た。
【0023】一次焼結後の冷間圧延は、前記のように、
板厚を所定の厚さにするとともに、焼結時に残存したマ
イクロポアを圧着してつぶし、かつ加工変形することに
より旧粉末粒界に存在していた酸化被膜を破壊する操作
である。この目的を達するためには、圧下率にして3%
以上の圧延を行なうことが望ましい。
板厚を所定の厚さにするとともに、焼結時に残存したマ
イクロポアを圧着してつぶし、かつ加工変形することに
より旧粉末粒界に存在していた酸化被膜を破壊する操作
である。この目的を達するためには、圧下率にして3%
以上の圧延を行なうことが望ましい。
【0024】密度を高めた圧延材は、二次焼結によって
さらに緻密化を進め、意図した高飽和磁気特性を発現さ
せる。加熱温度範囲の下限1150℃は、これに達しな
い温度では目的とする電磁特性の向上が得られないため
である。上限の1400℃は、一次焼結工程のそれと同
じく、これ以上の温度では溶損事故が発生するというの
が決定的な理由であるが、このような高温に加熱する
と、結晶粒が過度に粗大となって、薄板製品が脆くなる
ということもまた、限定の理由である。
さらに緻密化を進め、意図した高飽和磁気特性を発現さ
せる。加熱温度範囲の下限1150℃は、これに達しな
い温度では目的とする電磁特性の向上が得られないため
である。上限の1400℃は、一次焼結工程のそれと同
じく、これ以上の温度では溶損事故が発生するというの
が決定的な理由であるが、このような高温に加熱する
と、結晶粒が過度に粗大となって、薄板製品が脆くなる
ということもまた、限定の理由である。
【0025】簡略化された態様は、基本的な態様の一次
焼結工程の温度よりも高い温度で焼結を行ない、緻密化
をはかり、一挙に高飽和磁気特性の実現を進行させる製
造方法である。
焼結工程の温度よりも高い温度で焼結を行ない、緻密化
をはかり、一挙に高飽和磁気特性の実現を進行させる製
造方法である。
【0026】焼結は、バッチ炉、連続炉のどちらでも実
施することができるが、焼結後の冷却の速度を高く(具
体的には100℃/分以上に)とれる点で、連続炉が有
利である。このような高い速度で冷却することにより、
焼結体の限界曲げ半径が2mmという、すぐれた物性が得
られる。それゆえ、基本的態様における一次焼結はバッ
チ炉、連続炉のどちらでもかまわないが、二次焼結は連
続炉によることが望ましい。簡略化された態様における
焼結は、もちろん、連続炉によることが望ましい。な
お、バッチ炉の場合は、重なり合った材料の焼き付きを
防ぐため、アルミナのような焼き付き防止剤を塗布して
おく必要がある。
施することができるが、焼結後の冷却の速度を高く(具
体的には100℃/分以上に)とれる点で、連続炉が有
利である。このような高い速度で冷却することにより、
焼結体の限界曲げ半径が2mmという、すぐれた物性が得
られる。それゆえ、基本的態様における一次焼結はバッ
チ炉、連続炉のどちらでもかまわないが、二次焼結は連
続炉によることが望ましい。簡略化された態様における
焼結は、もちろん、連続炉によることが望ましい。な
お、バッチ炉の場合は、重なり合った材料の焼き付きを
防ぐため、アルミナのような焼き付き防止剤を塗布して
おく必要がある。
【0027】冷間圧延後の焼鈍工程は、圧延による歪を
開放して、つぎの冷間圧延を容易にする作業であり、こ
の工程で製品の強度の向上を図ることはできない。60
0℃に達しない温度では加工歪の緩和が進まないが、1
150℃以上の温度では焼結工程そのものとなる。冷間
圧延と焼鈍との組み合わせは、必要に応じて、2回また
はそれ以上実施することができる。
開放して、つぎの冷間圧延を容易にする作業であり、こ
の工程で製品の強度の向上を図ることはできない。60
0℃に達しない温度では加工歪の緩和が進まないが、1
150℃以上の温度では焼結工程そのものとなる。冷間
圧延と焼鈍との組み合わせは、必要に応じて、2回また
はそれ以上実施することができる。
【0028】上述した方法により、Co含有量が20〜
60重量%で、厚さが0.05〜0.50mm 、実用的
な範囲は0.10〜0.35mmの、組成が均一で加工性
の高いFe−Co系合金の薄板を製造することができ、
この製品も本発明の範囲に包含される。
60重量%で、厚さが0.05〜0.50mm 、実用的
な範囲は0.10〜0.35mmの、組成が均一で加工性
の高いFe−Co系合金の薄板を製造することができ、
この製品も本発明の範囲に包含される。
【0029】既知のV(Ta,Nb,Mo,WおよびT
iも作用は同じであるから、以下Vで代表させる)添加
Fe−Co合金は、上に述べたように、磁気特性を若干
犠牲にして加工性を高めたものであり、本発明に従って
粉末圧延を行なう場合はVによる加工性改善が不可欠で
はないから、直流磁気特性を高く保ちたい場合はVを添
加しない合金組成を選択することが得策である。ただ
し、Vの添加には電気抵抗を高めるという別の効果があ
り、この効果は、交流で使用する磁気材料としては好ま
しい特性変化であるから、高抵抗が望まれる場合は、む
しろ積極的にVを添加した組成を選択することが有利に
なる。要するに、合金薄板に要求される電磁気的特性に
応じて、合金組成を選択すべきことになる。
iも作用は同じであるから、以下Vで代表させる)添加
Fe−Co合金は、上に述べたように、磁気特性を若干
犠牲にして加工性を高めたものであり、本発明に従って
粉末圧延を行なう場合はVによる加工性改善が不可欠で
はないから、直流磁気特性を高く保ちたい場合はVを添
加しない合金組成を選択することが得策である。ただ
し、Vの添加には電気抵抗を高めるという別の効果があ
り、この効果は、交流で使用する磁気材料としては好ま
しい特性変化であるから、高抵抗が望まれる場合は、む
しろ積極的にVを添加した組成を選択することが有利に
なる。要するに、合金薄板に要求される電磁気的特性に
応じて、合金組成を選択すべきことになる。
【0030】上記の諸態様のほか、本発明には、さまざ
まな変更態様が可能である。その一例を挙げれば、製造
条件の選択による交流磁気特性の改善がある。すなわ
ち、粉末を焼結して得た薄板は、表面に若干の凹凸を生
じることが避けられないが、発明者らは、共同研究者と
協力して、凹凸の深さおよび間隔をコントロールするこ
とにより磁区の細分化を良好にすることに成功し、交流
磁気特性を改善した高ケイ素鋼板を開発した。これは、
すでに開示した(特願2000−35402)。その技
術は、本発明のFe−Co系合金の薄板に関しても、適
用することが可能である。
まな変更態様が可能である。その一例を挙げれば、製造
条件の選択による交流磁気特性の改善がある。すなわ
ち、粉末を焼結して得た薄板は、表面に若干の凹凸を生
じることが避けられないが、発明者らは、共同研究者と
協力して、凹凸の深さおよび間隔をコントロールするこ
とにより磁区の細分化を良好にすることに成功し、交流
磁気特性を改善した高ケイ素鋼板を開発した。これは、
すでに開示した(特願2000−35402)。その技
術は、本発明のFe−Co系合金の薄板に関しても、適
用することが可能である。
【0031】薄板表面の凹凸の深さおよび間隔に影響す
る重要な因子は何かといえば、深さに関しては焼結ない
し焼鈍の温度と冷間圧延の圧下率であり、間隔に関して
は材料とする粉末の粒度である。より高い温度で焼結ま
たは焼鈍することにより、また、より高い圧下率で冷間
圧延することにより、薄板表面がより平坦になり、凹凸
は浅くなる結果、直流特性が改善される。一方では、凹
凸が浅くなる結果、磁区の細分化には不利になる。この
結果、直流・交流両特性の面から見て、最適な焼結温度
と圧下率の最適な組合わせが存在することになる。より
微細な合金粉末を使用することにより、焼結して得た薄
板表面の凹凸の間隔が小さくなり、これも磁区の細分化
をもたらす。
る重要な因子は何かといえば、深さに関しては焼結ない
し焼鈍の温度と冷間圧延の圧下率であり、間隔に関して
は材料とする粉末の粒度である。より高い温度で焼結ま
たは焼鈍することにより、また、より高い圧下率で冷間
圧延することにより、薄板表面がより平坦になり、凹凸
は浅くなる結果、直流特性が改善される。一方では、凹
凸が浅くなる結果、磁区の細分化には不利になる。この
結果、直流・交流両特性の面から見て、最適な焼結温度
と圧下率の最適な組合わせが存在することになる。より
微細な合金粉末を使用することにより、焼結して得た薄
板表面の凹凸の間隔が小さくなり、これも磁区の細分化
をもたらす。
【0032】
【実施例1】表1に示す合金組成のFe−Co−M合金
を高周波誘導炉で溶製し、水噴霧法により粉末化した。 表 1 (重量%、残部Fe) C Si Mn P S Co V N O 0.005 0.5 0.08 0.003 0.002 48.9 0.99 0.001 0.04
を高周波誘導炉で溶製し、水噴霧法により粉末化した。 表 1 (重量%、残部Fe) C Si Mn P S Co V N O 0.005 0.5 0.08 0.003 0.002 48.9 0.99 0.001 0.04
【0033】この粉末の一部に対し、バインダーとして
PVBを1重量%添加し、混練物をグラニュレーターに
かけ、粒径250μm以下の粉末に造粒した(「粉末
A’」とする)。残りは分級し、同じく粒径250μm
以下の粉末を分け取り、圧延用粉末を取得した(「粉末
A」とする)。これら2種の粉末を、下記の表2に記す
ような種々のバラエティをもつ製造方法で加工して、F
e−Co系合金の薄板を製造した。
PVBを1重量%添加し、混練物をグラニュレーターに
かけ、粒径250μm以下の粉末に造粒した(「粉末
A’」とする)。残りは分級し、同じく粒径250μm
以下の粉末を分け取り、圧延用粉末を取得した(「粉末
A」とする)。これら2種の粉末を、下記の表2に記す
ような種々のバラエティをもつ製造方法で加工して、F
e−Co系合金の薄板を製造した。
【0034】 表 2製法 粉末 工 程 1 A 粉末圧延−焼結1−冷間圧延−焼結2−仕上圧延 2 A’粉末圧延−焼結1−冷間圧延−焼結2−仕上圧延 3 A 粉末圧延−焼結1−冷間圧延−焼結2−仕上圧延−磁気焼鈍−平坦化 4 A 粉末圧延−焼結1−冷間圧延−焼鈍−冷間圧延−焼結2−仕上圧延 5 A 粉末圧延−焼結−仕上圧延 6 A’粉末圧延−焼結−仕上圧延 7 A 粉末圧延−焼結−仕上圧延−磁気焼鈍−平坦 8 A 粉末圧延−焼結−冷間圧延−焼鈍−仕上圧延
【0035】粉末圧延は、直径200mm、長さ240mm
のロールを2本もつ水平方向圧延ロールを使用し、これ
に振動板上から粉末を供給して、圧力70トンの一定値
でキスロール方式で圧延することにより実施した。各製
造方法において、一次焼結工程(C)は、バッチ炉(製
法1,2)または連続炉(製法3〜8)を使用して行な
い、二次焼結工程(E)は、冷却速度が230℃/分の
連続炉を使用して行なった。仕上圧延(スキンパス圧
延)工程(F)における圧下率は、前記したとおり、
0.5〜10%である。平坦化工程(H)の張力下焼鈍
は、750℃×2分間、張力3kg/mm2の条件で実施し
た。
のロールを2本もつ水平方向圧延ロールを使用し、これ
に振動板上から粉末を供給して、圧力70トンの一定値
でキスロール方式で圧延することにより実施した。各製
造方法において、一次焼結工程(C)は、バッチ炉(製
法1,2)または連続炉(製法3〜8)を使用して行な
い、二次焼結工程(E)は、冷却速度が230℃/分の
連続炉を使用して行なった。仕上圧延(スキンパス圧
延)工程(F)における圧下率は、前記したとおり、
0.5〜10%である。平坦化工程(H)の張力下焼鈍
は、750℃×2分間、張力3kg/mm2の条件で実施し
た。
【0036】製法6の製品を除く各薄板製品について、
直流磁気特性および交流磁気特性を測定した。磁気焼鈍
を施さなかった実施例、すなわち製法3および7以外の
製品に対しては、いずれも850℃×4時間の磁気焼鈍
を行なった上で、直流磁気特性測定をした。その結果
を、表3に示す。
直流磁気特性および交流磁気特性を測定した。磁気焼鈍
を施さなかった実施例、すなわち製法3および7以外の
製品に対しては、いずれも850℃×4時間の磁気焼鈍
を行なった上で、直流磁気特性測定をした。その結果
を、表3に示す。
【0037】 表 3 製法 B1 B2 B10 B10 B25 Hc(Oe) μm 1 4400 9750 14000 17400 20150 1.09 5070 2 4300 9600 13800 17250 20100 1.10 4750 3 2500 9250 15100 18100 20425 1.37 4380 4 6650 12500 15500 17875 20125 0.80 6750 5 1750 9500 16150 19900 21150 1.60 4700 7 1600 5000 9900 13500 18700 1.90 3900 8 2500 11500 16000 18500 21200 1.50 6500
【0038】製品のうち、板厚0.1mmのものを対象
に、交流磁気特性を測定した。この場合も、製法3およ
び7以外の製品は、いずれも850℃×4時間の磁気焼
鈍を行なった上で測定に用いた。結果は、つぎの表4の
とおりである。
に、交流磁気特性を測定した。この場合も、製法3およ
び7以外の製品は、いずれも850℃×4時間の磁気焼
鈍を行なった上で測定に用いた。結果は、つぎの表4の
とおりである。
【0039】 表 4(Bm=1T、単位w/kg) 製法 50Hz 100Hz 400Hz 1KHz 3KHz 5KHz 1 4.90 9.7 39.5 101.8 335.8 603.4 2 4.40 8.8 35.8 93.5 310.1 561.6 3 4.86 9.8 39.8 103.2 341.8 618.5 4 4.16 8.4 34.4 90.3 307.1 566.2 5 5.20 10.6 43.3 111.2 356.6 638.5 7 6.53 13.0 51.1 128.9 407.5 719.6 8 4.40 8.8 36.5 93.6 315.4 570.4
【0040】
【実施例2】表5に示す合金組成のFe−Co合金また
はFe−Co−M合金を高周波誘導炉で溶製し、水噴霧
法により粉末化した。これらの合金は、それぞれつぎの
成分系に属するものである: 合金1 Fe−50Co 合金2 Fe−49.5Co−1V 合金3 Fe−49Co−2V 合金4 Fe−49.5Co−1V−Ta 合金5 Fe−49.5Co−1V−Nb 表 5 (重量%、残部Fe)合金 C Si Mn P S Co M N O 1 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 - 0.001 0.01 2 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 V:0.99 0.001 0.01 3 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 V:2.00 0.001 0.01 4 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 V:1.96 Ta:0.37 0.001 0.01 5 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 V:2.0 Nb:0.28 0.001 0.01
はFe−Co−M合金を高周波誘導炉で溶製し、水噴霧
法により粉末化した。これらの合金は、それぞれつぎの
成分系に属するものである: 合金1 Fe−50Co 合金2 Fe−49.5Co−1V 合金3 Fe−49Co−2V 合金4 Fe−49.5Co−1V−Ta 合金5 Fe−49.5Co−1V−Nb 表 5 (重量%、残部Fe)合金 C Si Mn P S Co M N O 1 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 - 0.001 0.01 2 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 V:0.99 0.001 0.01 3 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 V:2.00 0.001 0.01 4 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 V:1.96 Ta:0.37 0.001 0.01 5 0.009 0.05 0.01 0.005 0.002 49.51 V:2.0 Nb:0.28 0.001 0.01
【0041】各粉末から粒径250μm以下の粉末を分
け取り、前記した製法4すなわち粉末圧延−焼結1−冷
間圧延−焼鈍−冷間圧延−焼結2−仕上圧延の工程に従
って、厚さ0.1mm の薄板製品にした。850℃×4
時間の磁気焼鈍を行なったのち測定した直流磁気特性の
値は、表6に示すとおりである。
け取り、前記した製法4すなわち粉末圧延−焼結1−冷
間圧延−焼鈍−冷間圧延−焼結2−仕上圧延の工程に従
って、厚さ0.1mm の薄板製品にした。850℃×4
時間の磁気焼鈍を行なったのち測定した直流磁気特性の
値は、表6に示すとおりである。
【0042】 表 6 合金 B1 B2 B10 B10 B25 Hc(Oe) μm 1 6500 11550 15150 17350 10900 0.99 6500 2 6650 12550 15500 17875 20125 0.80 6750 3 6400 12000 16550 18775 21175 1.25 6300 4 2500 9250 15100 18100 20425 1.37 4650 5 1800 2720 12280 15520 19300 1.75 3240
【0043】
【実施例3】実施例1で製造した粉末Aを、やはり実施
例1で使用した圧延ロールを用いて粉末圧延し、厚さ
0.11mmの薄板を得た。この薄板を1300℃に加熱
して焼結(拡散焼鈍)したのち、一部はそのままとし、
一部には圧下率5%または12%の仕上げ圧延を施し
た。それらについて凹凸の状況を調べたところ、表7に
示すとおりであった。
例1で使用した圧延ロールを用いて粉末圧延し、厚さ
0.11mmの薄板を得た。この薄板を1300℃に加熱
して焼結(拡散焼鈍)したのち、一部はそのままとし、
一部には圧下率5%または12%の仕上げ圧延を施し
た。それらについて凹凸の状況を調べたところ、表7に
示すとおりであった。
【0044】 表 7 試料 圧下率(%) 凹凸間隔(mm) 凹凸深さ(mm) A 0 0.03 0.03 B 5 0.05 0.022 C 12 0.09 0.010
【0045】各薄板に950℃×1時間の磁気焼鈍を施
してから、種々の周波数における鉄損を測定して、交流
磁気特性を評価した。結果を表8に示す。薄板表面の凹
凸のコントロールにより交流磁気特性が改善されること
が、表のデータからわかる。
してから、種々の周波数における鉄損を測定して、交流
磁気特性を評価した。結果を表8に示す。薄板表面の凹
凸のコントロールにより交流磁気特性が改善されること
が、表のデータからわかる。
【0046】 表8 (Bm=1T、単位w/kg) 試料 50Hz 100Hz 400Hz 1kHz 3kHz 5kHz A 7.29 21.30 73.9 165.3 467.0 780.2 B 6.60 13.37 48.1 118.5 369.6 674.5 C 4.16 8.40 34.4 90.3 307.1 566.2
【0047】
【発明の効果】本発明により、Fe−Co系合金の難点
である加工性の低さを、プレアロイ粉末の粒度と見掛け
密度とをコントロールして適切な値に選ぶことによって
カバーすることができ、従来製造が困難とされていた、
Fe−50%Co合金やFe−49%Co−2%V合金
の薄板が、容易に製造できるようになった。粉末の粒度
と見掛け密度のコントロールは、水噴霧の条件を適切に
えらぶことにより可能である。薄板の板厚は、仕上工程
のスキンパス圧延により、0.05〜0.5mmの範囲に
おいて高い精度が実現できる。テンションアニ−リング
を施した好適態様の製品は、高い平坦度を示す。
である加工性の低さを、プレアロイ粉末の粒度と見掛け
密度とをコントロールして適切な値に選ぶことによって
カバーすることができ、従来製造が困難とされていた、
Fe−50%Co合金やFe−49%Co−2%V合金
の薄板が、容易に製造できるようになった。粉末の粒度
と見掛け密度のコントロールは、水噴霧の条件を適切に
えらぶことにより可能である。薄板の板厚は、仕上工程
のスキンパス圧延により、0.05〜0.5mmの範囲に
おいて高い精度が実現できる。テンションアニ−リング
を施した好適態様の製品は、高い平坦度を示す。
【図1】 本発明に従うFe−Co系合金の薄板の製造
方法の、基本的な態様の工程を示すフローチャート。
方法の、基本的な態様の工程を示すフローチャート。
【図2】 本発明に従うFe−Co系合金の薄板の製造
方法の、簡略化された態様の工程を示すフローチャー
ト。
方法の、簡略化された態様の工程を示すフローチャー
ト。
【図3】 図1に示したFe−Co系合金の薄板の製造
方法の、ひとつの変更態様を示すフローチャート。
方法の、ひとつの変更態様を示すフローチャート。
【図4】 図1に示したFe−Co系合金の薄板の製造
方法の、いまひとつの変更態様を示すフローチャート。
方法の、いまひとつの変更態様を示すフローチャート。
【図5】 図1に示したFe−Co系合金の薄板の製造
方法の、別の変更態様を示すフローチャート。
方法の、別の変更態様を示すフローチャート。
【図6】 図2に示したFe−Co系合金の薄板の製造
方法の、ひとつの変更態様を示すフローチャート。
方法の、ひとつの変更態様を示すフローチャート。
【図7】 図2に示したFe−Co系合金の薄板の製造
方法の、いまひとつの変更態様を示すフローチャート。
方法の、いまひとつの変更態様を示すフローチャート。
【図8】 図2に示したFe−Co系合金の薄板の製造
方法の、別の変更態様を示すフローチャート。
方法の、別の変更態様を示すフローチャート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 19/07 C22C 19/07 M 38/00 303 38/00 303S 38/10 38/10
Claims (12)
- 【請求項1】 下記の諸工程からなるFe−Co系合金
の薄板の製造方法: A)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が実
質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20〜
60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wおよ
びTiの1種または2種、2種以上の場合は合計で):
5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるFe−C
o−M合金の溶湯を水噴霧法により粉末化して、粒径2
50μm以下であって、見掛け密度が3.3g/cm3以
下の粉末を得る粉末製造工程、 B)粉末製造工程で得た粉末を、粉末圧延法により厚さ
0.05〜0.8mmの薄板に成形する粉末圧延工程、 C)粉末圧延によって得た薄板を、950℃以上140
0℃未満の温度で焼結する一次焼結工程、 D)一次焼結した薄板を冷間圧延して、板厚を所定の厚
さにするとともに、焼結時に残存したマイクロポアを圧
着してつぶし、かつ加工変形することにより旧粉末粒界
に存在していた酸化被膜を破壊する冷間圧延工程、 E)冷間圧延後の薄板を1150℃以上1400℃未満
の温度で非酸化性雰囲気下に加熱して、緻密化を促進す
る二次焼結工程、および F)二次焼結により緻密化を進めた薄板に、圧下率0.
5〜10%のスキンパス圧延を行なって、板厚0.05
〜0.5mmの範囲内で所定の厚さを有し、マイクロポア
の面積率が1%以下である薄板を得る仕上圧延工程。 - 【請求項2】 下記の諸工程からなるFe−Co系合金
の薄板の製造方法: A’)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が
実質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20
〜60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wお
よびTiの1種または2種、2種以上の場合は合計
で):5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるF
e−Co−M合金の粉末であって、粒径44μm以下の
微粉末を30%以上含む粉末を、焼鈍処理またはバイン
ダーを用いた造粒処理により、粒径250μm以下であ
って見掛け密度が3.3g/cm3以下の粉末とする粉末
製造工程、 B)粉末製造工程で得た粉末を、粉末圧延法により厚さ
0.05〜0.8mmの薄板に成形する粉末圧延工程、 C)粉末圧延によって得た薄板を、950℃以上140
0℃未満の温度で焼結する一次焼結工程、 D)一次焼結した薄板を冷間圧延して、板厚を所定の厚
さにするとともに、焼結時に残存したマイクロポアを圧
着してつぶし、かつ加工変形することにより旧粉末粒界
に存在していた酸化被膜を破壊する冷間圧延工程、 E)冷間圧延後の薄板を1150℃以上1400℃未満
の温度で非酸化性雰囲気下に加熱して、緻密化を促進す
る二次焼結工程、および F)二次焼結により緻密化を進めた薄板に、圧下率0.
5〜10%のスキンパス圧延を行なって、板厚0.05
〜0.5mmの範囲内で所定の厚さを有し、マイクロポア
の面積率が1%以下である薄板を得る仕上圧延工程。 - 【請求項3】 仕上圧延工程(F)に続いて、下記の工
程を行なう請求項1または2に記載のFe−Co系合金
の薄板の製造方法: G)薄板の磁気特性を改善するための磁気焼鈍工程、ま
たは H)薄板に対し、550℃以上の温度で、長手方向に張
力を加えて形状の修正を行なう平坦化処理。 - 【請求項4】 一次焼結工程(C)に続いて下記の工程
のいずれかを行ない、一次焼結工程で残存したマイクロ
ポアの圧着と、旧粉末粒界に存在していた酸化被膜の加
工による破壊を推し進める、請求項1ないし3のいずれ
かに記載のFe−Co系合金の薄板の製造方法: I)冷間圧延後、600℃以上1150℃未満の温度に
加熱する焼鈍と、それに後続する冷間圧延との組み合わ
せ、または J)600以上900℃以下の温度における温間圧延。 - 【請求項5】 下記の諸工程からなるFe−Co系合金
の薄板の製造方法: A)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が実
質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20〜
60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wおよ
びTiの1種または2種、2種以上の場合は合計で):
5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるFe−C
o−M合金の溶湯を水噴霧法により粉末化して、粒径2
50μm以下であって、見掛け密度が3.3g/cm3以
下の粉末を得る粉末製造工程、 B)粉末製造工程で得た粉末を、粉末圧延法により厚さ
0.05〜0.8mmの薄板に成形する粉末圧延工程、 E’)粉末圧延によって得た薄板を、非酸化性雰囲気下
に、1150℃以上1400℃未満の温度に加熱して焼
結する焼結工程、および F)二次焼結により緻密化を進めた薄板に、圧下率0.
5〜10%のスキンパス圧延を行なって、板厚0.05
〜0.5mmの範囲内で所定の厚さを有し、マイクロポア
の面積率が1%以下である薄板を得る仕上圧延工程。 - 【請求項6】 下記の諸工程からなるFe−Co系合金
の薄板の製造方法: A’)重量%で、Co:20〜60%を含有し、残部が
実質上FeからなるFe−Co合金、またはCo:20
〜60%ならびにM(MはV,Ta,Nb,Mo,Wお
よびTiの1種または2種、2種以上の場合は合計
で):5%以下を含有し、残部が実質上FeからなるF
e−Co−M合金の粉末であって、粒径44μm以下の
微粉末を30%以上含む粉末を、焼鈍処理またはバイン
ダーを用いた造粒処理により、粒径250μm以下であ
って見掛け密度が3.3g/cm3以下の粉末とする粉末
製造工程、 B)粉末製造工程で得た粉末を、粉末圧延法により厚さ
0.05〜0.8mmの薄板に成形する粉末圧延工程、 E’)粉末圧延によって得た薄板を、非酸化性雰囲気下
に、1150℃以上1400℃未満の温度に加熱して焼
結する焼結工程、および F)二次焼結により緻密化を進めた薄板に、圧下率0.
5〜10%のスキンパス圧延を行なって、板厚0.05
〜0.5mmの範囲内で所定の厚さを有し、マイクロポア
の面積率が1%以下である薄板を得る仕上圧延工程。 - 【請求項7】 仕上圧延工程(F)に続いて、下記の工
程を行なう請求項5または6に記載のFe−Co系合金
薄板の製造方法: G)薄板の磁気特性を改善するための磁気焼鈍工程、お
よび H)薄板に対し、550℃以上の温度で、長手方向に張
力を加えて形状の修正を行なう平坦化処理。 - 【請求項8】 焼結工程(E’)に続いて、下記の工程
のいずれかを行ない、焼結工程で残存したマイクロポア
の圧着と、旧粉末粒界に存在していた酸化被膜の加工に
よる破壊を推し進める、請求項5ないし7のいずれかに
記載のFe−Co系合金の薄板の製造方法: I)冷間圧延後、600℃以上1150℃未満の温度に
加熱する焼鈍と、それに後続する冷間圧延との組み合わ
せ、または J)600以上900℃以下の温度における温間圧延。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の方
法により製造された、Co:20〜60重量%を含有
し、残部が実質上Feからなる合金組成を有する、厚さ
が0.05〜0.5mmのFe−Co合金の薄板。 - 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれかに記載の
方法により製造された、Co:20〜60重量%および
M(Mは、V,Ta,Nb,Mo,WおよびTiの1種
または2種以上、2種以上の場合は合計で):5%以下
を含有し、残部が実質上Feからなる合金組成を有す
る、厚さが0.05〜0.5mmのFe−Co−M合金の
薄板。 - 【請求項11】 請求項1ないし8のいずれかに記載の
方法により製造されたFe−Co−M合金の薄板であっ
て、製造条件の選択により表面の凹凸の深さおよび凹凸
の間隔を制御して、磁区の細分化を行なうことにより交
流磁気特性を改善し、高い飽和磁化をもったFe−Co
−M合金の薄板。 - 【請求項12】 請求項1ないし8のいずれかに記載の
方法により製造され、表面に絶縁性の被膜を設けた、F
e−Co合金またはFe−Co−M合金の薄板。
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JP2000398251A JP2002194475A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | Fe−Co系合金の薄板とその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2000-12-27 JP JP2000398251A patent/JP2002194475A/ja active Pending
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