JPH0790279B2 - 板金製箱の製造方法 - Google Patents

板金製箱の製造方法

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JPH0790279B2
JPH0790279B2 JP19241688A JP19241688A JPH0790279B2 JP H0790279 B2 JPH0790279 B2 JP H0790279B2 JP 19241688 A JP19241688 A JP 19241688A JP 19241688 A JP19241688 A JP 19241688A JP H0790279 B2 JPH0790279 B2 JP H0790279B2
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良光 中村
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、圧延鋼板,ステンレス鋼板,アルミニウム合
金板等の板金材を折り曲げ加工して、段付縁部及び角部
を有する板金製箱を加工する方法に関するものである。
(従来の技術) 従来では、1枚または2枚以上の板金材を折り曲げ加工
して、段付縁部および段付縁部の端縁が接合する角部を
形成して板金製箱を加工する方法として、第6図ないし
第16図に示す方法が採用されていた。
この方法は、第一の方向Xと、前記第一の方向Xと交叉
する第二の方向Yとに延びる板金材イを前記第一の方向
Xの中間位置が略V字状の切除部ロが形成されるよう打
抜き加工される。前記切除部ロは第6図に示す如く板金
材イの第一の方向Xと略45度に交叉する端縁ハ,ホと、
第一の方向Xと略90度に交叉する端縁ニ,ヘとからな
り、前記端縁ヘは端縁ニよりも幅が広く欠如されてい
る。前記端縁ハ,ニ,ホ,ヘが順に並びそれぞれの境界
位置は第一の方向Xと平行な方向に延びる折り曲げ領域
タ,ト,チ,リが対応しており、これらの折り曲げ領域
リ,チ,ト,タの順で折り曲げ加工して第7図に示す如
くそれぞれ段付縁部ワ,ヲ,ル,ヌが形成される。これ
らの段付縁部ヌ,ル,ヲ,ワを互いに対向するそれぞれ
の端縁ハ,ハ,ニ,ニ,ホ,ホ,ヘ,ヘ同士を接合する
よう板金材イを折り曲げ加工して、第8図に示すような
L字状片を有する箱の一部が形成される。この箱の一部
をもう1つ加工し、互いに突き合わされる端面を加工
し、この2つの部分を第9図に示すように組み合わせ
て、破線で囲んだL曲げ部Pと突合部Qおよび立面Rを
溶接することにより板金製箱を作成していた。
(発明が解決しようとする課題) 上述した従来の加工方法にあっては、切除部ロが段付縁
部ヌに相当する部分で浅く切除されると、即ち第10図に
示す如く端縁ハ,ハの交叉点Oが段付縁部ヌ上にある
と、角部カの形成時、第11図に示す如く前記端縁ハ,ハ
が中間部しか接合せず、角部カの頂角位置が膨大となり
端縁ハ,ハの接合が不十分であるとともに外観上好まし
くないという問題がある。また、切除部ロが段付縁部ヌ
に相当する部分で深く切除されると、即ち第12図に示す
如く端縁ハ,ハの交叉点Oが段付縁部ヌ外にあると、角
部カの形成時、第13図に示す如く前記端縁ハ,ハが接合
できないという問題がある。特にL曲げ部においては、
第14図に示すL曲げ部Pにおいて打抜端面がゆがみや隆
起が発生し、曲げコーナに隙間δa2が生ずる。このゆが
みを発生した部分は、突合せ部の対向面積が減少し、溶
接時に孔あきが発生しやすい。そのため、上段面はフィ
ラー供給による肉盛溶接を施し、その後肉盛部の研削除
去や仕上加工を施さなければならなかった。また、突合
部Qにおいては第15図及び第16図に示すように、上面
Q1,立面部Q2,角部Q3とも肉盛溶接を施し、その後肉盛
部の研削除去や仕上加工を施すだけでなく、溶融ビード
が突合部の両端面で盛り上るため機械仕上げを必要と
し、かつ四角の立面曲率半径RWを略同一仕上げをしなけ
ればならなかった。特に角部Q3は立面部Q2と上面Q1との
溶接ビードの交点で、プレス曲げによる肩部の曲率半径
RBと立面曲率半径RWとが滑らかに仕上げなければならな
い作業を必要としていた。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、その目的
とするところは、上記の各問題点を解決し、板金製箱の
角部の接合を確実に加工することができる板金製箱の製
造方法を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明の板金製箱の製造方法
は、第一の方向Xと、この第一の方向Xと交叉する第二
の方向Yとに延びる板金材Aを、前記第一の方向Xの中
間位置で略V字状に切除して形成された第一の切除部1
および2を設け、前記板金材の第一の方向Xの少なくと
も一方の端部に第二の切除部3および4を前記第一の切
除部1,2と間隔を置いて並設し、、前記第一の方向Xと
平行な方向に折り曲げ加工して段付縁部11,12,13,14を
形成し、前記第一および第二の切除部1,2,3,4を前記第
二の方向Yと平行な方向で、かつ互いに対応する方向に
平行に突出させ、前記第二の切除部3,4にて折り曲げ加
工されたL字状片を立面溶接部としたものである。
(作用) 上記のように構成された板金製箱の製造方法において
は、溶接個所が箱体の上面部とL字状片の立面溶接部と
に限られるため、溶接が簡単に行え、肉盛部の研削除去
も容易となり、機械仕上等を施すことなく溶融ビードの
曲率半径を考慮することなく、確実に加工できる板金製
箱を製造できる。
(第1実施例) 以下、本発明の第1実施例を第1図ないし第5図により
説明する。この第1実施例は二辺合せの例である。
第1図において、Aは第一の方向Xと、この第一の方向
Xに略90度に交叉する第二の方向Yとに延びる平板状の
板金材で、圧延鋼板,ステンレス鋼板,アルミニウム合
金等の金属板の板金材である。この板金材Aにおける第
一の方向Xの中間位置で、第二の方向Yの端部および前
記端部から若干距離をあけた部分とが打抜き加工され、
それぞれ第一の切除部1および2が形成される。このと
き、第一の切除部1は2つの切欠1aと6とからなり、こ
の切欠1aの側縁5a,5b間の長さは、切欠6の側縁6a,6b間
の長さよりも長くなっている。この切欠6は側縁6a,6b
と第一の方向Xに沿った6c,6dとで囲まれた長方形状に
打抜かれてある。また、第一の切除部2は前記第一の切
除部1の中心を頂点とし、その頂角を90度として二等辺
三角形の形状で打抜き加工が施されている。また、第一
の切除部1および2を結ぶ第一のL曲げ部Mに平行な第
二のL曲げ部Nが平行となるよう板金材Aの第一の方向
Xの一方の端部に第二の切除部3および4が第一の切除
部1,2と間隔を置いて並設してある。この第二の切除部
3および4を結ぶ第二のL曲げ部Nの外側には後述する
段付縁部14の第二の方向Yに沿う幅に等しい距離をおい
て板金材Aの端面と一致させてある。この第二の切除部
3は前記第一の切除部1と同様に構成されてある。ま
た、第二の切除部4は前記第一の切除部2と同様に構成
してある。このような板金材Aの形状において、図中の
7,8,9,10の破線は段付縁部11,12,13,14を形成するため
の折り曲げ領域を示すものであって、また、破線17,18
は下側の段付縁部15,16を形成するためのもので、とも
に、第一の方向Xに沿って設けてある。
第2図は、上述した板金材Aを折り曲げたもので、折り
曲げ領域8,10,17は紙面に対して垂直上方向に、7,9,16
はその反対方向に折り曲げたもので、段付縁部14および
12は第二の方向Yに対して垂直に第三の方向Zに沿って
突出され、段付縁部13および11は第二の方向Yに沿って
垂設されるように構成されている。また、段付縁部15は
第三の方向Zに沿って突出され、段付縁部16は前記15に
対して僅かな段差をもって第三の方向Zに突出されてい
る。このように加工された板金材Aはプレスのダイによ
って支えられ、段付縁部14上の二点鎖線で囲まれた第一
のL曲げ部Mと第二のL曲げ部Nの三角形状14Aを打抜
き加工される。また、段付縁部12上の二点鎖線で囲まれ
た台形状12Aをそれぞれ打抜き加工して第3図に示すよ
うに加工される。
この加工された板金材Aは第一のL曲げ部Mおよび第二
のL曲げ部Nより第二の方向Yに沿って折り曲げられ、
第4図に示す形状となる。この形状は板金製箱の対角線
で切られた半分に等しく、第二のL曲げ部Nで折り曲げ
られたL字状片19の端面20と、もう一方の端面21は第一
の方向Xに対して垂直方向に突出され、もう一方の同様
の部材22と組み合わされて板金製箱となる。このとき溶
接部分Pは、第5図に示すように、第一および第二の切
除部1,2、および3,4が角部Bで、箱体として組み合わせ
たときは前記端面20および21の立面溶接部Cのみで板金
製箱が加工される。上述のように構成したため、溶接作
業が容易となり、また、折り曲げ領域の加工後に打抜き
加工を施したので、溶接スキマは減少し、従来の角部に
おける突合せ面の溶接のように肉盛してから、機械加工
を施して曲率半径を揃える手間が全くなくなった。
また、立面溶接部が角部に近いので、溶接による変形も
ほとんどなく平滑面に仕上げることが可能である。この
とき、第二の切除部3,4を板金材Aの一方の端部だけで
なく、他方の端部にも形成して、2対のL字形片を形成
しても同様な効果が得られる。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明の板金製箱の製造
方法は、第一の方向と、この第一の方向と交叉する第二
の方向とに延びる板金材において、前記第一の方向の中
間位置で略V字状に切除して形成された第一の切除部を
設け、前記板金材の第一の方向の少なくとも一方の端部
に第二の切除部を前記第一の切除部と間隔を置いて並設
し、前記第一の方向と平行な方向に折り曲げ加工して段
付縁部を形成し、前記第一および第二の切除部を前記第
二の方向と平行な方向で、かつ互いに対応する方向に平
行に突出させ、前記第二の切除部にて折り曲げ加工され
たL字状片を立面溶接部とすることを構成としたため、
溶接個所が箱体の上面部とL字状片の立面溶接部とに限
られるので、肉盛り部の研削除去が容易となり、機械加
工を施すことなく、溶融ビードの曲率半径を考慮するこ
となく、確実に加工することが可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明の第1実施例で、第1図は
板金材の斜視図、第2図は折り曲げ加工後の斜視図、第
3図は折り曲げ後打抜加工を施した板金材の斜視図、第
4図は板金製箱の組合せを示す斜視図、第5図は溶接個
所の説明図、第6図ないし第16図は従来例である。 A……板金材 1,2……第一の切除部 3,4……第二の切除部 19……L字状片

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の方向と、この第一の方向と交叉する
    第二の方向とに延びる板金材を、前記第一の方向の中間
    位置で略V字状に切除して形成された第一の切除部を設
    け、前記板金材の第一の方向の少なくとも一方の端部に
    第二の切除部を前記第一の切除部と間隔を置いて並設
    し、前記第一の方向と平行な方向に折り曲げ加工して段
    付縁部を形成し、前記第一および第二の切除部を前記第
    二の方向と平行な方向で、かつ互いに対応する方向に平
    行に突出させ、前記第二の切除部にて折り曲げ加工され
    たL字状片を立面溶接部とすることを特徴とした板金製
    箱の製造方法。
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