JPH0790092A - 分解性膜の製造方法およびその利用 - Google Patents

分解性膜の製造方法およびその利用

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JPH0790092A
JPH0790092A JP5200820A JP20082093A JPH0790092A JP H0790092 A JPH0790092 A JP H0790092A JP 5200820 A JP5200820 A JP 5200820A JP 20082093 A JP20082093 A JP 20082093A JP H0790092 A JPH0790092 A JP H0790092A
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JP
Japan
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methylstyrene
poly
film
water
polyalkylene carbonate
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JP5200820A
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English (en)
Inventor
Tadashi Asanuma
浅沼  正
Kaoru Kawanishi
薫 川西
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリα−メチルスチレンまたはポリアルキレ
ンカーボネートを水中に分散させ、好ましくはそれらを
溶媒に溶解した溶液を水中に分散させ次いで溶媒を蒸発
させてそれらのポリマー重量の20〜100重量%とな
るようにし、得られる水性エマルジョンを塗布しついで
乾燥する分解性膜の製法、および該分解性膜表面に金属
を蒸着させついで分解温度より高い温度で処理すること
による平滑な表面を有する金属膜の製法。 【効果】 熱分解性の塗膜を簡便に形成でき、その利用
として平滑な表面を有する金属膜が形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子化合物の分解性膜
を製造する方法およびその利用方法に関する。詳しくは
特定の高分子化合物を含有するエマルジョンを塗布して
熱分解性の膜を製造する方法およびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】低い平滑度の表面を一時的に平滑にする
とか、一時的に表面を保護する目的で分解性の高分子化
合物の溶液を塗布し乾燥することによって塗膜を形成さ
せることは広く行われている。この場合、分解性のポリ
マーは、通常有機溶剤に溶解して用いられるが、有機溶
剤の使用を嫌う場合には、水性エマルジョンが用いられ
る。このような目的で、メタクリル酸エステルをエマル
ジョン重合して得られる水性エマルジョンを用いること
が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリメタクリル酸エス
テルの水性エマルジョンは比較的熱分解性に優れている
が、酸素あるいは、水の存在しない条件では加熱しても
完全に分解飛散させることが困難でかなりの量の分解残
渣が残るという問題があり、より分解性に優れたポリマ
ーの水性エマルジョンの提供が要望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決することを目的として、より分解性に優れたポリ
マーの水性エマルジョンについて鋭意探索し本発明を完
成した。
【0005】すなわち、本発明は、ポリα−メチルスチ
レンまたはポリアルキレンカーボネートを水中に分散さ
せた水性エマルジョンを塗布しついで乾燥することを特
徴とする分解性膜の製造方法である。
【0006】本発明の方法により得られる分解性膜の利
用方法として、表面が平らでない材料面に、ポリα−メ
チルスチレンまたはポリアルキレンカーボネートを水に
分散した水性エマルジョンを塗布乾燥し、ついで形成さ
れたポリα−メチルスチレンまたはポリアルキレンカー
ボネート層の表面に金属を蒸着し、ついで該ポリα−メ
チルスチレンまたはポリアルキレンカーボネートの熱分
解温度より高い温度で処理することを特徴とする平らな
表面を有する金属膜の製造方法、が挙げられる。
【0007】本発明において、ポリα−メチルスチレン
としてはα−メチルスチレンをアニオン重合することに
より得られる高分子量のポリマーが用いられ、分解性を
損なわない範囲で他のスチレン系のモノマーを共重合し
たもの、例えば、スチレンを用いる場合では50モル%
以下の範囲で用いられ、数平均分子量としては5,00
0〜1,000,000程度のものが好ましく利用され
る。特に好ましくは、数平均分子量が50,000以下
で重量平均分子量と数平均分子量の比が3以上のポリα
−メチルスチレンであり、そのようなものを用いること
により膜の性状が良好なものとなる。このようなポリα
−メチルスチレンとしては上述のアニオン重合法の他
に、ルイス酸などでα−メチルスチレンを重合するカチ
オン重合法により、そのような条件を満足するポリマー
を混合などすることなく製造することができる。例え
ば、カチオン重合法により比較的触媒濃度を高くして比
較的高温で重合すれば目的のものが得られる。一方、通
常のアニオン重合で得られるポリマーは触媒濃度を濃く
して重合しても分子量分布としてはせいぜい2程度であ
り、そのままでは上述の条件を満足することはできな
い。したがって、重合の途中で一部の触媒を失活させ、
さらに重合温度を下げて重合を行うか、カチオン重合で
得られるオリゴマーを混合することにより分布を広げる
と共にガラス転移温度を所望のものにすることも可能で
あり、ガラス転移温度を100℃以下、特に100〜0
℃としたものが好ましく利用できる。
【0008】またポリアルキレンカーボネートとして
は、触媒を用いて炭素数2〜10のアルキレンオキサイ
ドと二酸化炭素を共重合して得られるものが挙げられ、
数平均分子量としては、1,000〜1,000,00
0、通常5,000〜500,000程度のものが利用
できる。さらにアルカリで加水分解して分子量を低下さ
せて利用しても良い。また、ジオールと2,5−dia
lkyl−o−o′−bis(1−imidazoyl
carbonyl)−2,5−hexanediolか
ら得られるポリカーボネート(HoulihanらMa
cromolecules,19,13(1986)、
或いは環状カーボネートを開環重合して得られるもの
(KeulらMakromol.Chem.,187
2579(1986)、StoregらMacromo
lecules,25,5369(1992)など)も
利用可能である。
【0009】本発明においては上記のポリマー類をベン
ゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン,塩化メチ
レン,クロロホルム,二塩化エチレンなどの水と相溶し
ない溶剤に比較的高濃度で溶解した後、少量の界面活性
剤、水溶性のポリマーを含有する水を比較的強度の攪拌
下に混合することによりエマルジョン化される。こうし
て得られたエマルジョンはついで攪拌しながら加熱、減
圧することにより溶剤が除去され、水性のエマルジョン
が製造される。溶媒の除去は完全に行う必要はなく、一
定の溶媒を残すことにより得られた膜の性状が優れたも
のとすることもできる。そのような目的の溶媒の量とし
てはポリマーに対し20〜100重量%の範囲である。
またこの際、ポリマー溶液の粘度を調節する目的で可塑
剤を用いるのがより好ましい。可塑剤としては、融点の
低い、比較的沸点の高い化合物が利用され、フタル酸の
エステル、燐酸のエステル、α−メチルスチレンのオリ
ゴマーなどが利用される。このような場合には格別溶媒
を残す必要がない場合がある。なかでも、脂肪族カルボ
ン酸のエステルを用いる場合はエマルジョンの粘度が低
く、ポリマー濃度を高くしてもエマルジョンの流動性が
保たれるため、高濃度のエマルジョンを用いて製膜で
き、結果として良好な膜を製造することができる。脂肪
族カルボン酸のエステルとしては具体的には、アジピン
酸,アゼライン酸,セバシン酸などの二価のカルボン酸
のエステル,オレイン酸などの一価のカルボン酸のエス
テルなどが例示できる。エステルを形成するアルコール
としては、炭素数3以上のものが好ましく用いられる。
また水性エマルジョンを安定化するため水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム,水酸化カルシウム,リン酸ナトリ
ウム,リン酸二水素ナトリウム,リン酸カリウム,リン
酸二水素カリウムなどを用いることも可能である。
【0010】また他の方法としては、水と混合される溶
剤に比較的高濃度に上記ポリマーを溶解しその溶液を強
攪拌下に少量のノニオン系,アニオン系の界面活性剤、
水溶性のポリマーを含有する水と混合することによりエ
マルジョン化することも可能である。この場合には、ポ
リマー濃度をかなり高くすることが好ましい。この場合
にも必要に応じて、エマルジョン化の後、攪拌下に加
熱、減圧することにより過剰の溶剤を除くことができ
る。
【0011】エマルジョンより製膜したときの膜の性状
をより良好均一な膜にする目的で消泡剤を用いることが
可能である。このような目的で使用する消泡剤としては
特に制限はなく、市販の種々のものが利用できるが、シ
リコン系の消泡剤が特に効果が大きく利用しやすい。使
用量としては、消泡効果がある量、通常重量基準でエマ
ルジョンの1/100,000〜1/1,000程度で
ある。
【0012】ここでエマルジョン中のポリα−メチルス
チレンまたはポリアルキレンカーボネートの濃度として
は5重量%以上、特に10〜30重量%の範囲であるの
が一般的である。
【0013】前記した分散時に使用する界面活性剤とし
ては、ノニオン系,アニオン系,カチオン系のものが多
く市販されており、どのようなものでも使用可能である
が特にアニオン系,ノニオン系のものが好ましく利用さ
れる。界面活性剤の種類としてはカルボン酸塩,スルホ
ン酸塩,硫酸エステル塩,リン酸エステル塩,四級アン
モニウム塩,エーテル型,エーテルエステル型,エステ
ル型,脂肪酸アミド型などがあり、具体的にはアルキル
ベンゼンスルホン酸ソーダ,アルキルスルホン酸ソー
ダ,ポリエチレンオキサイドアルキルエーテル,ポリエ
チレンオキサイドアルキルフェニルエーテル,ポリエチ
レンオキサイドアルキルエーテルスルホン酸塩,ポリエ
チレンオキサイドアルキルエーテルリン酸塩などが例示
される。
【0014】またエマルジョンの安定化の目的で使用す
る水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール,ポ
リアクリル酸,ポリメタクリル酸,ポリN−メチルピロ
リドン,ポリピリジンなどが例示できる。
【0015】本発明においてはこうして得られたエマル
ジョンを塗布しついで乾燥することにより分解性の膜と
することができるが、乾燥はポリマーの分解温度以下、
通常50〜200℃の範囲で行われる。
【0016】こうして得られた膜は250〜500℃の
範囲に加熱することにより完全に分解飛散させることが
可能であり、比較的に低温で膜を除去できるので、塗布
した基盤を劣化させるなどの問題がない。
【0017】このような分解性膜の実際の用途として
は、例えば表面に凹凸のある面に平らな金属膜を製造し
ようとするような場合に適用できる。具体的には、分解
性の膜の上に金属膜を蒸着によって形成し、ついで加熱
して分解性膜を蒸発除去することにより凹凸のある面に
平らな金属膜を製造することができる。
【0018】すなわち、上記のようにして得られたエマ
ルジョンを、平らな金属膜を生成させたい、平らでない
材料面に塗布し、ついで乾燥することにより分解性膜の
平らな面を形成する。ついで金属をその表面に蒸着さ
せ、さらにポリマーの分解温度以上に加熱することによ
り平らな表面を有する金属膜を形成することができる。
ここで使用する金属としては蒸着可能なものであれば良
く特に制限はないが、通常、金,銀,アルミニウム,ニ
ッケル,銅などが使用される。ここで、乾燥はポリマー
の分解温度以下、通常50〜200℃で、蒸着もポリマ
ーの分解温度以下、通常50〜100℃、ポリマーの分
解は200〜500℃で行われる。この方法による場合
は、低温で膜を除去できるので、金属を劣化、あるいは
蒸着表面を変形させるなどの問題がない。
【0019】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0020】実施例1 α−メチルスチレンをブチルリチウムを用いて重合して
得た、数平均分子量120,000のポリα−メチルス
チレン12gとα−メチルスチレンの3量体8gを20
mlのベンゼンに溶解したものを、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ1gを水100mlに溶解したものに加
えホモジナイザーで良く混合した後、攪拌しながら10
0mmHgに減圧しながらベンゼンを18ml留去し
た。得られたエマルジョンをガラス板に塗布し、乾燥し
て厚さ3μmの膜を形成した。この膜を380℃で1時
間処理したところ、完全に塗膜は飛散した。
【0021】比較例1 メタクリル酸メチルを過硫酸カリウムで乳化重合して得
た、エマルジョン(界面活性剤、固形分濃度は実施例1
と同じ)を用いた他は実施例1と同様にしたところ、ガ
ラスの表面に炭化した残渣が観測された。
【0022】実施例2 プロピレンオキサイドと二酸化炭素を重合して得たポリ
プロピレンカーボネート(数平均分子量80,000)
を、さらに水酸化ナトリウム水溶液で加水分解して得た
オリゴマー(数平均分子量約4,500)20gを用い
た他は実施例1と同様にしたところ、同様に残渣は全く
観測されなかった。
【0023】実施例3 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダに代えてポリエチレ
ングリコールノニルフェニルエーテルを用いた他は実施
例1と同様にしたところ、厚さ4μmの膜が得られ塗膜
は380℃で1時間処理すると完全に飛散した。
【0024】実施例4 α−メチルスチレンをブチルリチウムを用いて重合して
得た、数平均分子量120,000のポリα−メチルス
チレン12gとα−メチルスチレンの3量体8gを20
gのトルエンに溶解したものを、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ1gを水100mlに溶解したものに加え
ホモジナイザーで良く混合した後、攪拌しながら100
mmHgに減圧しながらトルエンを15g流去した。得
られたエマルジョンをガラス板に塗布し、乾燥して厚さ
3μmの膜を形成した。この膜の表面は平らであり、3
80℃で1時間処理したところ、完全に塗膜は飛散し
た。これに対しトルエンを19g除いたところ得られた
膜は完全に平らではなく約0.3μmの凹凸が観測され
た。
【0025】実施例5 プロピレンオキサイドと二酸化炭素を重合して得たポリ
プロピレンカーボネート(数平均分子量80,000)
をさらに水酸化ナトリウム水溶液で加水分解して得たオ
リゴマー(数平均分子量約4,500)20gを用い溶
媒としてメチルエチルケトン30gを用いメチルエチル
ケトンを20g除去した他は実施例4と同様にしたとこ
ろ、同様に膜の表面は平らであり残渣は全く観測されな
かった。 実施例6 α−メチルスチレンを硫酸を用いて重合して得た、数平
均分子量12,000、重量平均分子量と数平均分子量
の比が6.5のポリα−メチルスチレン12gとジイソ
ブチルアジペート8gを20gのトルエンに溶解したも
のを、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1gを水10
0mlに溶解したものに加えホモジナイザーで良く混合
した後、攪拌しながら100mmHgに減圧しながら4
0℃に加熱しトルエンを15g留去した。こうして得ら
れたエマルジョンは固形分濃度(ポリα−メチルスチレ
ンとジイソブチルアジペートの和の、全体に対する割
合。)は35%であり、100rpmでスピンコート
し、80℃で乾燥したところ厚さ8μmの均一な透明な
膜が得られ、塗膜は380℃で1時間処理すると完全に
飛散した。
【0026】実施例7 ポリα−メチルスチレンとしてアニオン重合で得た数平
均分子量120,000、重量平均分子量と数平均分子
量の比が1.8のものを用いた他は実施例6と同様にし
たところ、固形分濃度が35%ではスピンコートの回転
数を400rpmとしても厚さ65μmの厚い膜しか得
られず、15%に希釈してコートすると平均の厚さが8
μmの膜が得られたが白く濁った膜であり、塗膜は38
0℃で1時間処理すると完全に飛散した。
【0027】実施例8 ジイソブチルアジペートに代えてジオクチルフタレート
を用いた他は実施例6と同様にしたところ、固形分濃度
が35%のエマルジョンが得られ、厚さ10μmの均一
な透明な膜が得られ塗膜は380℃で1時間処理すると
完全に飛散した。
【0028】実施例9 ポリα−メチルスチレンとしてアニオン重合で得た数平
均分子量12,000、重量平均分子量と数平均分子量
の比が1.6のものを用いた他は実施例6と同様にした
ところ、9μmの白く濁った膜が得られ、塗膜は380
℃で1時間処理すると完全に飛散した。
【0029】実施例10 α−メチルスチレンをブチルリチウムを用いて重合して
得た、数平均分子量120,000のポリα−メチルス
チレン12gとジイソオクチルアジペート8gを20g
のトルエンに溶解したものを、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ1gを水100mlに溶解したものに加えホ
モジナイザーで良く混合した後、攪拌しながら100m
mHgに減圧しながら40℃に加熱しトルエンを15g
留去した。こうして得られたエマルジョンは固形分濃度
(ポリα−メチルスチレンとジイソオクチルアジペート
の和の、全体に対する割合。)は35%であり、300
回転でスピンコートし、80℃で乾燥したところ厚さ1
2μmの均一な膜が得られ、塗膜は380℃で1時間処
理すると完全に飛散した。
【0030】実施例11 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1gに代えてポリエ
チレングリコールノニルフェニルエーテル0.5gとポ
リビニルアルコール(ケン化率85%、重合度2,00
0)を用いた他は実施例10と同様にしたところ、厚さ
13μmの膜が得られ、塗膜は380℃で1時間処理す
ると完全に飛散した。
【0031】実施例12 ジイソオクチルアジペートに代えてジイソブチルフタレ
ートを用いた他は実施例10と同様にしたところ、固形
分濃度が35%では厚さ65μmの厚い膜しか得られ
ず、20%に希釈してコートすると平均の厚さが15μ
mの膜が得られたがやや不均一な膜であり、塗膜は38
0℃で1時間処理すると完全に飛散した。 実施例13 ジイソオクチルアジペートに代えてジオクチルフタレー
トを用いた他は実施例10と同様にしたところ、固形分
濃度が35%では厚さ70μmの厚い膜しか得られず、
15%に希釈してコートすると平均の厚さが13μmの
膜が得られたがやや不均一な膜であり、塗膜は380℃
で1時間処理すると完全に飛散した。
【0032】実施例14 ポリα−メチルスチレンに代え、プロピレンオキサイド
と二酸化炭素を重合して得たポリプロピレンカーボネー
ト(数平均分子量80,000)20gを用い溶媒とし
て酢酸エチルを用い、可塑剤として2−エチルヘキシル
アジペートを用いた他は実施例10と同様にしたところ
固形分濃度が38%のエマルジョンが得られ、同様にし
たところ厚さ8μmの均一な膜が得られ、塗膜は380
℃で1時間処理すると完全に飛散した。
【0033】実施例15 2−エチルヘキシルアジペートに代えてジオクチルフタ
レートを用いた他は実施例2と同様にしたところ、固形
分濃度が38%では厚さ45μmの厚い膜しか得られ
ず、16%に希釈してコートすると平均の厚さが10μ
mの膜が得られたがやや不均一な膜であり、塗膜は38
0℃で1時間処理すると完全に飛散した。
【0034】実施例16 市販のガラス転移温度が45℃のポリα−メチルスチレ
ン(アモコ・ケミカルズ社(株)製 Resin 18
#210)20gを20gのトルエンに溶解したもの
を、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1gを水100
mlに溶解したものに加えホモジナイザーで良く混合し
た後、攪拌しながら100mmHgに減圧しながら40
℃に加熱しトルエンを19g留去した。こうして得られ
たエマルジョンは固形分濃度は40%であり、100r
pmでスピンコートし、80℃で乾燥したところ厚さ8
μmの均一でむらのない膜が得られ、塗膜は380℃で
1時間処理すると完全に飛散した。
【0035】実施例17 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1gに代えてポリエ
チレングリコールノニルフェニルエーテル0.5gとポ
リビニルアルコール(ケン化率85%、重合度2,00
0)を用いた他は実施例1と同様にしたところ、厚さ1
0μmの膜が得られ、塗膜は380℃で1時間処理する
と完全に飛散した。
【0036】実施例18 ポリα−メチルスチレンとしてアニオン重合で得た数平
均分子量120,000、重量平均分子量と数平均分子
量の比が1.8のもの(ガラス転移温度168℃)を2
0gを用いた他は実施例16と同様にして厚さ7μmの
膜が得られたが白く濁った膜であり、塗膜は380℃で
1時間処理すると完全に飛散した。
【0037】実施例19 実施例18のポリα−メチルスチレン10gに、α−メ
チルスチレンのオリゴマー(α−メチルスチレンをエチ
ルジクロルアルミニウムで重合して得た平均分子量45
0のα−メチルスチレンオリゴマー)を10g加えてガ
ラス転移温度が65℃のポリα−メチルスチレンとし実
施例16と同様にエマルジョンとしたところ厚さ12μ
mの均一な膜が得られ、塗膜は380℃で1時間処理す
ると完全に飛散した。
【0038】実施例20 実施例16のポリα−メチルスチレン12gにフタル酸
ジオクチル8gを併用した(ガラス転移温度48℃)他
は実施例19と同様にしたところ、厚さ25μmの透明
な膜が得られたが、所々に斑点がありやや均一でなかっ
たが、塗膜は380℃で1時間処理すると完全に飛散し
た。
【0039】実施例21 α−メチルスチレンをブチルリチウムを用いて重合して
得た、数平均分子量120,000のポリα−メチルス
チレン12gとα−メチルスチレンの3量体8gを20
mlのベンゼンに溶解したものを、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ1gを水100mlに溶解したものに加
えホモジナイザーで良く混合した後、攪拌しながら10
0mmHgに減圧しながら40℃に加熱しベンゼンを1
8ml留去した。得られたエマルジョンに1/100,
000重量比の消泡剤(東レダウコーニング・シリコー
ン(株)製SH5503)を加え混合した後ガラス板に
塗布し、乾燥して厚さ3μmの均一な膜を形成した。こ
の膜を380℃で1時間処理したところ、完全に塗膜は
飛散した。
【0040】これに対し、消泡剤を用いることなく上述
と同様にしたところガラス面の一部にはじきが見られ、
やや不均一であったが、膜を380℃で1時間処理した
ところ、完全に塗膜は飛散した。
【0041】実施例22 ポリα−メチルスチレンに変え、プロピレンオキサイド
と二酸化炭素を重合して得たポリプロピレンカーボネー
ト(数平均分子量80,000)をさらに水酸化ナトリ
ウム水溶液で加水分解して得たオリゴマー(数平均分子
量約4,500)20gを用い、α−メチルスチレンの
3量体を用いなかった他は実施例21と同様にした。但
し、消泡剤としてはメチルシリコーンとポリオキシエチ
レンのブロック共重合体(信越化学工業(株)製KF3
51)を用いたところ均一な膜が形成でき、同様に残渣
は全く観測されなかった。
【0042】実施例23 α−メチルスチレンをブチルリチウムを用いて重合して
得た、数平均分子量120,000のポリα−メチルス
チレン12gとα−メチルスチレンの3量体8gを20
mlのベンゼンに溶解したものを、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ1gを水100mlに溶解したものに加
えホモジナイザーで良く混合した後、攪拌しながら10
0mmHgに減圧しながら40℃で加熱しベンゼンを1
8ml留去した。得られたエマルジョンをスリガラス板
上に塗布し、80℃で乾燥して厚さ30μmの膜を形成
した。ついで蒸着装置にポリα−メチルスチレンの膜を
形成したガラスをいれ50℃、10-5mmHgでアルミ
ニウムを10μm蒸着した。さらにそのまま380℃に
30分かけて昇温したところ表面が平らなアルミニウム
膜が形成された。
【0043】比較例2 エマルジョンを塗布することなくアルミニウムを蒸着し
たところ金属光沢のないアルミニウム膜となった。
【0044】実施例24 ポリα−メチルスチレンに代えてプロピレンオキサイド
と二酸化炭素を重合して得たポリプロピレンカーボネー
ト(数平均分子量80,000)をさらに水酸化ナトリ
ウム水溶液で加水分解して得たオリゴマー(数平均分子
量約4500)20gを用い、α−メチルスチレンの3
量体を用いなかった他は実施例23と同様にしたとこ
ろ、同様に表面が平らなアルミニウム膜が形成された。
【0045】
【発明の効果】本発明の分解性膜の製造方法による場合
は、工程において有機溶剤の顕著な揮散もなく簡便に形
成できるため工業的に極めて価値が大きく、例えば平滑
な表面を有する金属蒸着膜の形成に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69:00 (31)優先権主張番号 特願平5−167700 (32)優先日 平5(1993)7月7日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−177730 (32)優先日 平5(1993)7月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−177731 (32)優先日 平5(1993)7月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−183642 (32)優先日 平5(1993)7月26日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリα−メチルスチレンまたはポリアル
    キレンカーボネートを水中に分散させて得られる水性エ
    マルジョンを塗布しついで乾燥することを特徴とする分
    解性膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリα−メチルスチレンまたはポリアル
    キレンカーボネートを溶媒に溶解した溶液を水中に分散
    させたのち、該溶媒をポリα−メチルスチレンまたはポ
    リアルキレンカーボネートの20〜100重量%になる
    ように蒸発除去して得られる水性エマルジョンである請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 エマルジョン中のポリα−メチルスチレ
    ンまたはポリアルキレンカーボネートの濃度が10〜3
    0重量%の範囲である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 ポリα−メチルスチレンまたはポリアル
    キレンカーボネートを界面活性剤および消泡剤の存在下
    に水中に分散させる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 消泡剤の使用量が重量基準でエマルジョ
    ンの1/100,000〜1/1,000の範囲である
    請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポリα−メチルスチレンまたはポリアル
    キレンカーボネートを可塑剤の存在下に水中に分散させ
    る請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 ポリα−メチルスチレンまたはポリアル
    キレンカーボネートを水中に分散させるに際して、脂肪
    族カルボン酸のエステルを可塑剤として使用する請求項
    1記載の方法。
  8. 【請求項8】 ポリα−メチルスチレンの数平均分子量
    が5,000〜1,000,000の範囲である請求項
    1記載の方法。
  9. 【請求項9】 ポリα−メチルスチレンのガラス転移温
    度が100〜0℃の範囲である請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 水性エマルジョンが数平均分子量が5
    0,000以下で、重量平均分子量と数平均分子量の比
    が3以上のポリα−メチルスチレンと可塑剤を水に分散
    して得られる水性エマルジョンである請求項1記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 表面が平らでない材料面にポリα−メ
    チルスチレンまたはポリアルキレンカーボネートを水に
    分散した水性エマルジョンを塗布乾燥し、ついで形成さ
    れたポリα−メチルスチレンまたはポリアルキレンカー
    ボネート層の表面に金属を蒸着し、ついで該ポリα−メ
    チルスチレンまたはポリアルキレンカーボネートの熱分
    解温度より高い温度で処理することを特徴とする平らな
    表面を有する金属膜の製造方法。
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