JPH078Y2 - 非線形特性を有するカルチベーターにおける自動高低調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、カルチベーターにおいて、牽引抵抗に順応
した上下揺動運動を奏することができる自動高低調節装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

カルチベータに加わる牽引抵抗に対応させるために、そ
の上下揺動の支持力手段として、引張バネあるいは圧縮
バネのいずれか一種を介装して自動高低調節機構を構成
していたものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

カルチベーターに加わる牽引抵抗は、使用する爪の種類
および土質条件によって様ざまに変化する。この大小様
ざまな牽引抵抗に対して自動高低調節装置に備えた弾性
部材は、前記したように、従来は圧縮バネあるいは引張
りバネのいずれか一種を用いていたものであった。この
一種のバネを用いた作用形態は当然線形特性を示す。

使用する弾性部材の弾性度合を弱く設定すると強い抵抗
が生じた際にはつぶれてしまいまた、弾性度合を強く設
定すると弱い抵抗時には作用しないものであった。

そこで、この考案は弾性部材を２種用い、一方は弱い抵
抗で作用する弱抵抗用バネと他方は強い抵抗で作用する
強抵抗用バネを備え使用による抵抗に対しはじめに弱抵
抗用バネが作用し、該弱抵抗用バネの対抗限界を超えた
際に自動的に強抵抗用バネが作用するように構成したも
ので、これら牽引抵抗の度合によって強弱２種の弾性部
材が時時刻々変化する抵抗に即時反応して作用すること
を目的としたものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成させる手段として、中骨ビームとチャ
ンネルビームとを前リンクならびに後リンクの２本とで
前低後高の平行四辺形が形成されるように枢着構成する
とともに、前記前リンク下端と中骨ビームとの枢着箇所
に枢着し、且つ、前記のチャンネルビームに摺動係合で
きるように装着した円弧状ガイドロッドに自然放置状態
時に該円弧状ガイドロッドの全円周よりも短かい長さの
圧縮バネを囲繞し、更に、前記の前リンクの上端枢着部
と後リンクの下端枢着部間に引張りスプリングを掛け渡
して成るものである。

また、前記の円弧状ガイドロッドに囲繞する圧縮バネの
前・後または少なくともいずれか一方端部にスペーサー
を介装して圧縮バネの弾性度合を調整できるようにして
成るものである。

〔作用〕

この考案によれば、ゲージホイールならびに掻爪を装着
した中骨ビームは、平行四辺形を形成する前・後リンク
を介して接続するチャンネルビームを固定側とした場合
において、後リンクを高位置に装着したことと、該後リ
ンクの下端枢着部と前リンクの上端枢着部間を引張りス
プリングを掛け渡してあるので、牽引抵抗が無に等しい
状態時においては、前リンクならびに後リンクは水平線
に対し垂直状態を形成し、且つ、これらは相接近状態が
維持されている。

このような状態時より中骨ビーム側に牽引抵抗が発生す
れば、前記引張りスプリングは、その弾力に抗して引き
伸ばされ、前・後リンクの各々は各枢支箇所を中心とし
て回動し、且つ、垂直状態より斜状に移行し、この動作
に伴い円弧状ガイドロッドがチャンネルビームとの係合
位置も徐々に下方に移動し、その段階における終局が、
該円弧状ガイドロッドに囲繞された圧縮バネの上端部が
チャンネルビームに接触するまでを第１作動期とし、こ
の第１作動期に終局時の中骨ビームの上下揺動の上昇位
置までの高さを一次高さ（ｈ）として弱牽引抵抗作動区
間とするもので、この弱牽引抵抗より大なる牽引抵抗を
受けると、前記圧縮バネがその弾力に抗して圧縮され、
中骨ビームが二次高さ（Ｈ）の範囲に突入し上下揺動す
るものである。

このようにして、中骨ビームにかかる牽引抵抗の大小に
より、作用する弾器の支持範囲が異なり、その作用に応
じた上下揺動範囲に変化を与えることができる。

また、掻爪の形状あるいは土質によって、前記した強牽
引抵抗作動区間における圧縮バネの作用に変化を求める
場合において、該圧縮バネのいずれかの端部と接触支持
部材であるチャンネルビームあるいは中骨ビーム間のい
ずれか一方、場合によってはその双方に任意設定した長
さのスペーサーを介装することによって前記した一次高
さ（ｈ）ならびに二次高さ（Ｈ）に変化を与えることが
できる。

〔実施例〕

次にこの考案の実施例を図面とともに説明すれば、ゲー
ジホイール（１）ならびに掻爪（２）を装着する中骨ビ
ーム（３）の上面前部に前ブラケット（11）を取り付
け、平行四辺形の一辺を形成する前リンク（４）の下端
を軸（12）をもって回動自在に枢着して枢軸箇所を軸点
（Ａ）とし、該軸点（４）よりも後方で、且つ、高い位
置に軸点（Ｂ）として形成できるように中骨ビーム
（３）を隆設した副ビーム（５）の高所に後ブラケット
（13）を設けて前記の前リンク（４）と同長で、且つ該
リンク（４）に対応する後リンク（６）の下端を軸（1
2）で回動自在に枢着し、これとはべつに、主フレーム
（７）に装着するチャンネルビーム（８）を前記軸点
（Ａ），（Ｂ）を結ぶ前低後高の下斜線（Ｅ）と平行す
る上斜線（Ｆ）が内在できるように装着固定し、該上斜
線（Ｆ）の下端に穿設した軸孔を軸点（Ｃ）とし、前記
の前リンク（４）の上端ピン（14）で回動自在に枢着
し、更に、前記後リンク（６）の上端も前記上斜線
（Ｆ）の上端に穿設した軸孔にピン（14）をもって回動
自在に枢着して該位置を軸点（Ｄ）と定める。

また、前記軸点（Ａ）における軸（12）で中骨ビーム
（３）側に下端を枢着し、上方を前記チャンネルビーム
（８）に摺動係合できる円弧状ガイドロッド（10）に、
円弧状ガイドロッド（10）の円周よりも短かい圧縮バネ
（９）を囲繞係合するものであるが、この圧縮バネ
（９）の長さは、円弧状ガイドロッド（10）がチャンネ
ルビーム（８）にある設定した距離を接触摺動した後に
上端がチャンネルビーム（８）に当接できるよう保有す
る弾性度合ならびに掻爪の形状、使用する土質等による
牽引抵抗を算定の基準として設定するものである。

また、これら圧縮バネ（９）の前後両端外方が少なくと
もいずれか一方端部に任意設定した長さのスペーサー
（16）を介装できるようにするものである。

そして更に、前リンク（４）の上端を枢着したピン（1
4）と後リンク（６）の下端を枢着した軸（12）間に引
張りバネ（17）を掛け渡してなるものである。

なお図中、符号（15）は前記円弧状ガイドロッド（10）
の先端に設けた抜止ピンを示すもの、（ｈ）は一次高
さ、（Ｈ）は二次高さを示すものである。

〔考案の効果〕

この考案は上記した構成に基いて作用するもので、作業
中カルチベーターにかかる牽引抵抗は予測できない大抵
抗および小抵抗など急激な抵抗値の変化にも追随して作
用し、特に弱抵抗用に引張りバネを装着したことにより
該引張りバネの作用限度を超えた時点で作用する圧縮バ
ネの弾性度合を強く設定できるので牽引抵抗の弱から強
に至る広範囲に作用できるように設定することができる
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は牽引抵抗の度合によって異る作用を説明するた
めのカルチベーターの側面図、第２図は円弧状ガイドロ
ッドと圧縮バネとスペーサーとの関係を示す側面図であ
る。 （３）…中骨ビーム、（４）…前リンク、（６）…後リ
ンク、（８）…チャンネルビーム、（９）…圧縮バネ、
（10）…円弧状ガイドロッド、（16）…スペーサー、
（17）…引張りバネ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中骨ビームとチャンネルビームとを前リン
   クならびに後リンクの２本とで前低後高の平行四辺形が
   形成されるように枢着構成するとともに、前記前リンク
   下端と中骨ビームとの枢着箇所に枢着し、且つ、前記の
   チャンネルビームに摺動係合できるように装着した円弧
   状ガイドロッドに自然放置状態時に該円弧状ガイドロッ
   ドの全円周よりも短かい長さの圧縮バネを囲繞し、更
   に、前記の前リンクの上端枢着部と後リンクの下端枢着
   部間に引張りスプリングを掛け渡して成ることを特徴と
   する非線形特性を有するカルチベータにおける自動高低
   調節装置。
2. 【請求項２】円弧状ガイドロッドに囲繞する圧縮バネの
   前・後または少なくともいずれか一方端部にスペーサー
   を介装して圧縮バネの弾性度合を調整できるようにして
   成ることを特徴とする請求項１記載の非線形特性を有す
   るカルチベーターにおける自動調節装置。