JPH078895A - 塗膜構造およびその形成方法 - Google Patents

塗膜構造およびその形成方法

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JPH078895A
JPH078895A JP15726293A JP15726293A JPH078895A JP H078895 A JPH078895 A JP H078895A JP 15726293 A JP15726293 A JP 15726293A JP 15726293 A JP15726293 A JP 15726293A JP H078895 A JPH078895 A JP H078895A
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JP
Japan
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coating film
color
film
transparent
clear paint
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JP15726293A
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English (en)
Inventor
Yukifumi Taniguchi
幸文 谷口
Takakazu Yamane
貴和 山根
Makoto Aizawa
誠 相澤
Hirokatsu Umeda
裕功 梅田
Kazuo Hironaka
和夫 弘中
Kenji Matsuzaki
賢士 松▲崎▼
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 プレスライン部2上に、透明クリヤー塗料
6’を、その膜厚が、カラークリヤー塗料膜7が透け易
い部分よりも透け難い部分の方が厚くなるように塗布し
た後、ウエットオンウエットでカラークリヤー塗料7’
を塗布する。塗布された両塗料6’・7’は、一体的に
カラーベース塗料膜5上を重力方向に流れ落ちるが、こ
の際、透け難い部分の方が膜厚が厚いので、カラークリ
ヤー塗料7’が流れ落ちる速度は、透け易い部分よりも
透け難い部分の方が速くなる。 【効果】 カラークリヤー塗料膜が透け易い部分と透け
難い部分とにおいて、その膜厚を均一に調節することが
できるので、プレスライン部近傍に色ムラを発生するこ
となく、プレスライン部におけるカラークリヤー塗料膜
の透け具合を均一なものとすることができる。従って、
例えば、カラークリヤー塗料膜の明度・彩度等の色調の
微妙な変化による車体等のデザイン性の向上を図ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばプレス成形等に
より形成された被塗物の突起ライン部に形成される塗膜
構造およびその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の高級化や高意匠化等に伴
い、例えば実開平1-108726号公報に開示されているよう
に、カラークリヤー塗料を用いて塗色に深み感を付与す
る塗装が行われている。上記のカラークリヤー塗料は、
その特性として高吸収・高透過性を備えており、従っ
て、形成されるカラークリヤー塗料膜は、その膜厚の微
妙な差、即ち膜厚の振れによって色ムラが発生する。ま
た、上記の色ムラは、カラークリヤー塗料膜の色調が濃
い場合に顕著に発生する。
【0003】このため、従来は、被塗物である車体を均
一に塗装するという観点から、重力方向に流れ落ちるカ
ラークリヤー塗料の塗布後の膜厚を一定に保つことが重
要視されており、特に、フェンダー等のプレスライン部
においては膜厚が薄くなり易いので、カラークリヤー塗
料膜が透けないように種々の工夫がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の塗装は、カラークリヤー塗料により塗色に深み感を
付与しているものの、カラークリヤー塗料膜の明度・彩
度等の色調がその膜厚によって微妙に変化するという、
カラークリヤー塗料の特性である高吸収・高透過性が充
分に活かされていなかった。このため、例えばフェンダ
ー等のプレスライン部とその他の部分とでカラークリヤ
ー塗料膜の膜厚を変更することにより、プレスライン部
における透け具合を調節し、上記の透けによりカラーク
リヤー塗料膜の色調を変化させてプレスライン部を強調
する等といったデザイン的な新しさを得ることは試みら
れていなかった。
【0005】本発明は、上記の問題点に鑑みなされたも
のであって、その目的は、被塗物の突起ライン部におけ
るカラークリヤー塗料の流れ落ちる速度を制御し、カラ
ークリヤー塗料膜の透け具合を突起ライン部全体にわた
って均一に調節することにより、カラークリヤー塗料膜
の明度・彩度等の色調の変化によるデザイン性の向上を
図ることができる塗膜構造およびその形成方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の塗
膜構造は、上記の課題を解決するために、被塗物の突起
ライン部に、ウエットオンウエットにより透明クリヤー
塗料膜およびカラークリヤー塗料膜がこの順に備えら
れ、上記透明クリヤー塗料膜の膜厚が、カラークリヤー
塗料膜が透け易い部分よりも透け難い部分の方が厚くな
るように形成されていることを特徴としている。
【0007】請求項2記載の発明の塗膜構造は、上記の
課題を解決するために、請求項1記載の塗膜構造におい
て、カラークリヤー塗料膜が染料を含有していることを
特徴としている。
【0008】請求項3記載の発明の塗膜構造の形成方法
は、上記の課題を解決するために、被塗物の突起ライン
部に、ウエットオンウエットで透明クリヤー塗料および
カラークリヤー塗料をこの順に塗布するときに、上記透
明クリヤー塗料を、その膜厚が、カラークリヤー塗料膜
が透け易い部分よりも透け難い部分の方が厚くなるよう
に塗布することを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1記載の構成によれば、透明クリヤー塗
料膜の膜厚は、カラークリヤー塗料膜が透け易い部分よ
りも透け難い部分の方が厚くなっており、これら透明ク
リヤー塗料膜およびカラークリヤー塗料膜は、ウエット
オンウエットにより被塗物の突起ライン部に形成されて
いる。上記の両塗料膜を形成するときに、透明クリヤー
塗料およびカラークリヤー塗料を被塗物の突起ライン部
に塗布すると、これら塗料は一体的に被塗物の突起ライ
ン部を重力方向に流れ落ちる。この際、カラークリヤー
塗料膜が透け易い部分よりも透け難い部分の方が膜厚が
厚くなるように透明クリヤー塗料膜を形成するので、カ
ラークリヤー塗料が流れ落ちる速度は、透け易い部分よ
りも透け難い部分の方が速くなる。
【0010】これにより、カラークリヤー塗料膜が透け
難い部分と透け易い部分とにおいて、カラークリヤー塗
料膜の膜厚を均一に調節することができる。従って、被
塗物の突起ライン部近傍に色ムラを発生することなく、
上記の突起ライン部におけるカラークリヤー塗料膜の透
け具合を均一なものとすることができる。それゆえ、例
えば、カラークリヤー塗料膜の明度・彩度等の色調の微
妙な変化による車体等の被塗物のデザイン性の向上を図
ることができる。
【0011】請求項2記載の構成によれば、カラークリ
ヤー塗料膜が染料を含有しているので、その膜厚を変更
すると、色調が微妙に変化する。
【0012】これにより、カラークリヤー塗料の特性で
ある高吸収・高透過性を充分に活かすことができ、表現
可能な色調を拡大することができると共に、適用可能な
膜厚の範囲も拡がる。また、例えばカラークリヤー塗料
膜の色調が濃い場合においても、その膜厚を変更するこ
とにより、色調を変化させることができる。
【0013】請求項3記載の方法によれば、被塗物の突
起ライン部に、透明クリヤー塗料を、その膜厚が、カラ
ークリヤー塗料膜が透け易い部分よりも透け難い部分の
方が厚くなるように塗布した後、ウエットオンウエット
でカラークリヤー塗料を塗布する。塗布された透明クリ
ヤー塗料およびカラークリヤー塗料は、一体的に被塗物
の突起ライン部を重力方向に流れ落ちるが、この際、カ
ラークリヤー塗料膜が透け易い部分よりも透け難い部分
の方が膜厚が厚くなるように透明クリヤー塗料を塗布し
ているので、カラークリヤー塗料が流れ落ちる速度は、
透け易い部分よりも透け難い部分の方が速くなる。
【0014】これにより、カラークリヤー塗料膜が透け
難い部分と透け易い部分とにおいて、カラークリヤー塗
料膜の膜厚を均一に調節することができる。従って、被
塗物の突起ライン部近傍に色ムラを発生することなく、
上記の突起ライン部におけるカラークリヤー塗料膜の透
け具合を均一なものとすることができる。それゆえ、例
えば、カラークリヤー塗料膜の明度・彩度等の色調の微
妙な変化による車体等の被塗物のデザイン性の向上を図
ることができる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図4に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0016】図1に示すように、本発明にかかる塗膜構
造は、例えば自動車のボデー外板であるフェンダー10
等の塗装に採用される。フェンダー10は、ホイルハウ
ス近傍部分に斜面部11および垂直面部12を有してお
り、斜面部11はタイヤ13の形状に沿うように略円弧
状に形成されている。このため、斜面部11は、同図
中、Aで示される中央部位(以下、A部位と称する)
と、Bで示される末端部位(以下、B部位と称する)と
で傾斜角度が異なっており、A部位はB部位よりも傾斜
角度が緩やかになっている。尚、斜面部11および垂直
面部12の境界線がプレスライン部2となっている。
【0017】図2(c)および図3に示すように、本実
施例にかかる塗膜構造は、フェンダー10となる被塗物
としての鋼板1の表面に、下塗り塗膜3、中塗り塗膜
4、カラーベース塗料膜5、透明クリヤー塗料膜6、カ
ラークリヤー塗料膜7がこの順に形成されて構成されて
いる。鋼板1は、例えばプレス成形等により、突起ライ
ン部としてのプレスライン部2を有する所定形状に折り
曲げ成形されている。また、カラーベース塗料膜5、透
明クリヤー塗料膜6およびカラークリヤー塗料膜7によ
り上塗り塗膜8が構成されており、透明クリヤー塗料膜
6は、上記の鋼板1のプレスライン部2に沿って形成さ
れている。
【0018】下塗り塗膜3は、鋼板1に所定の前処理を
施した後、例えば電着塗装等により顔料を含有する下塗
り塗料を塗布し、焼き付け乾燥することにより形成され
ており、鋼板1の防錆等を目的としている。中塗り塗膜
4は、下塗り塗膜3表面の微小な凹凸を埋め、仕上がり
外観向上のための表面調整を行うことを主な目的として
おり、例えばスプレー塗装や静電塗装等により顔料を含
有する中塗り塗料を塗布し、焼き付け乾燥することによ
り形成されている。
【0019】上塗り塗膜8は、フェンダー10に美観を
付与すると共に、環境に対する耐久性、例えば耐候性、
耐薬品性、耐磨耗性等の向上を図ることを主な目的とし
ている。そして、カラーベース塗料膜5は、顔料を含有
するカラーベース塗料を例えばスプレー塗装や静電塗
装、ソリッド塗装等により塗布し、焼き付け乾燥するこ
とにより形成されている。
【0020】透明クリヤー塗料膜6は、図2(a)に示
すように、無色透明の透明クリヤー塗料6’を、例えば
スプレー塗装や、マスキングによる塗装等によりプレス
ライン部2上に塗布することにより形成されている。そ
して、透明クリヤー塗料6’は、後述のようにカラーク
リヤー塗料7’を塗布したときに、プレスライン部2に
おけるカラークリヤー塗料膜7の透けが均一となるよう
に、例えば図1に示すA部位の近傍部分とB部位の近傍
部分とで異なった厚みとなるように塗布されている。即
ち、透明クリヤー塗料6’は、斜面部11の傾斜角度等
に応じてその塗布量が決定されており、従って、形成さ
れる透明クリヤー塗料膜6は、斜面部11の傾斜角度に
対応する所定の膜厚を有している。
【0021】尚、透明クリヤー塗料6’としては、例え
ば、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルポリエステル
樹脂塗料等を用いることができ、具体的には、例えば、
日本ペイント株式会社製・NAXマイティラックGIIエ
ポカシリーズを挙げることができる。
【0022】カラークリヤー塗料膜7は、図2(b)に
示すように、染料を含有するカラークリヤー塗料7’を
例えばスプレー塗装や静電塗装等により、透明クリヤー
塗料6’が乾燥する前にウエットオンウエット(以下、
W/Wと記す)でカラーベース塗料膜5表面全体に均一
に塗布した後、焼き付け乾燥することにより形成されて
いる。また、上記のカラークリヤー塗料膜7は、その特
性として、高吸収・高透過性を備えている。尚、カラー
クリヤー塗料7’としては、例えば、アクリルメラミン
樹脂塗料、アクリルポリエステル樹脂塗料等を用いるこ
とができる。
【0023】そして、上塗り塗膜8、即ちカラークリヤ
ー塗料膜7に入射した光は、カラークリヤー塗料膜7お
よび透明クリヤー塗料膜6を透過し、カラーベース塗料
膜5表面で反射した後、再び両塗料膜6・7を透過す
る。従って、上記構成の塗膜構造は、カラークリヤー塗
料膜7の膜厚により、色相が同じで、その明度・彩度等
の色調が変化するようになっている。尚、カラークリヤ
ー塗料膜7は、その膜厚が厚くなるほど、より暗い色調
となり、塗色に深み感が生じる。また、カラークリヤー
塗料膜7を保護するために、カラークリヤー塗料膜7表
面に、さらに透明クリヤー塗料膜(図示せず)を形成し
てもよい。
【0024】上記構成の塗膜構造の形成方法について、
以下に説明する。先ず、図2(a)に示すように、鋼板
1に下塗り塗膜3、中塗り塗膜4、カラーベース塗料膜
5をこの順に形成した後、プレスライン部2上に、所定
の厚みとなるように透明クリヤー塗料6’を塗布する。
上記の透明クリヤー塗料6’の塗布量は、斜面部11の
傾斜角度の他、例えば、透明クリヤー塗料6’やカラー
クリヤー塗料7’の粘度、所望するカラークリヤー塗料
膜7の膜厚、即ち透け具合等を考慮して決定すればよ
い。また、透明クリヤー塗料6’は、カラークリヤー塗
料膜7の透けが均一となるように塗布するので、後述す
る理由により、斜面部11の傾斜角度が急なB部位の近
傍部分が、斜面部11の傾斜角度が緩やかなA部位の近
傍部分よりも厚くなるように塗布する。
【0025】続いて、同図(b)に示すように、カラー
クリヤー塗料7’を、透明クリヤー塗料6’が乾燥する
前にW/Wでカラーベース塗料膜5表面全体に均一な厚
みとなるように塗布する。塗布後、透明クリヤー塗料
6’およびカラークリヤー塗料7’は、一体となってカ
ラーベース塗料膜5上を重力方向(図で下向き)に流れ
る。このため、同図(c)に示すように、プレスライン
部2におけるカラークリヤー塗料膜7は、他の部分の膜
厚よりも薄い膜厚tとなり、透けが生じる。
【0026】次に、透明クリヤー塗料6’を、斜面部1
1の傾斜角度が急なB部位の近傍部分(以下、B部分と
称する)が、斜面部11の傾斜角度が緩やかなA部位の
近傍部分(以下、A部分と称する)よりも厚くなるよう
に塗布する理由について、説明する。
【0027】先ず、透明クリヤー塗料6’が塗布されて
いない場合について考える。カラークリヤー塗料7’
は、斜面部11と垂直面部12とで流れ落ちる速度が異
なり、斜面部11の傾斜角度が緩やかになるほど両者の
差が大きくなる。図4(a)に示すように、カラークリ
ヤー塗料7’は、斜面部11の傾斜角度が緩やかなA部
分では、垂直面部12を流れ落ちる塗料量に対して、斜
面部11を流れ落ちる塗料量が極端に少なくなる。この
ため、A部分では斜面部11から供給される塗料量が少
ないので、厚みが薄くなり易い。よって、同図(b)に
示すように、カラークリヤー塗料膜7の膜厚t1 が薄く
なり、透け具合が大きくなる。一方、同図(c)に示す
ように、斜面部11の傾斜角度が急なB部分では、垂直
面部12を流れ落ちる塗料量と斜面部11を流れ落ちる
塗料量とが殆ど変わらなくなる。このため、B部分では
斜面部11から供給される塗料量が多いので、厚みが薄
くなり難い。よって、同図(d)に示すように、カラー
クリヤー塗料膜7の膜厚t2が厚くなり、透け具合が小
さくなる。
【0028】次に、透明クリヤー塗料6’が塗布されて
いる場合について考える。一般に、塗料は、その厚みが
厚いほど流れ落ち易く、また、塗料層の内側(被塗物
側)に位置する塗料よりも外側(表面側)に位置する塗
料の方が流れ落ち易い。従って、カラークリヤー塗料
7’は、透明クリヤー塗料6’が塗布されていない場合
と比較して、透明クリヤー塗料6’が塗布されることに
よりその厚みが厚くなっているので、より速く流れ落ち
る。尚、透明クリヤー塗料6’は、塗料層の内側に位置
するので流れ落ちる速度が小さく、よって、塗布された
位置から殆ど流れ落ちない。
【0029】そこで、図4に示すA部分の膜厚t1 と、
B部分の膜厚t2 とを同一にするためには、B部分に塗
布されたカラークリヤー塗料7’の流れ落ちる速度を大
きくし、厚みが薄くなるようにすればよい。図2(c)
および図3に示すように、透明クリヤー塗料6’をA部
分よりもB部分の方が厚くなるように塗布すると、B部
分の厚みが厚くなるので、カラークリヤー塗料7’の流
れ落ちる速度が速くなる。従って、B部分のカラークリ
ヤー塗料膜7の膜厚は、透明クリヤー塗料6’が塗布さ
れない場合に比べて薄くなり、透け具合が大きくなる。
そして、透明クリヤー塗料6’の塗布量を適宜調節する
ことにより、A部分の膜厚t1 と、B部分の膜厚t2
を同一の膜厚t(図2、図3)にすることができる。即
ち、カラークリヤー塗料膜7におけるA部分の透け具合
と、B部分の透け具合とを同一にすることができる。ま
た、例えばカラークリヤー塗料膜7の色調が濃い場合に
おいても、色ムラが発生することはない。
【0030】上記のA部分に透明クリヤー塗料6’を塗
布するのは、プレスライン部2におけるカラークリヤー
塗料膜7の透けを所望の透け具合に調整するためであ
る。従って、B部分にだけ透明クリヤー塗料6’を塗布
することにより所望の透け具合が得られる場合には、A
部分に透明クリヤー塗料6’を塗布しなくてもよい。ま
た、透明クリヤー塗料6’は無色透明であるので、カラ
ークリヤー塗料膜7およびカラーベース塗料膜5間に透
明クリヤー塗料膜6を形成しても、カラークリヤー塗料
膜7の色ムラが発生することはない。
【0031】尚、上記の如くプレスライン部2に透明ク
リヤー塗料6’を塗布する代わりに、カラークリヤー塗
料7’の塗布量を変化させてカラークリヤー塗料膜7の
透け具合を調整すると、フェンダー10(図1)におけ
るプレスライン部2以外の部分に色ムラが発生するので
好ましくない。
【0032】上記構成の塗膜構造は、以上のように、フ
ェンダー10となる被塗物としての鋼板1のプレスライ
ン部2上に、透明クリヤー塗料6’を、その膜厚が、カ
ラークリヤー塗料膜7が透け易いA部分よりも透け難い
B部分の方が厚くなるように塗布した後、W/Wでカラ
ークリヤー塗料7’を塗布することにより形成されてい
る。塗布された両塗料6’・7’は、一体的にカラーベ
ース塗料膜5上を重力方向に流れ落ちるが、この際、A
部分よりもB部分の方が膜厚が厚くなるように透明クリ
ヤー塗料6’を塗布しているので、カラークリヤー塗料
7’が流れ落ちる速度は、A部分よりもB部分の方が速
くなる。
【0033】これにより、透け易いA部分と透け難いB
部分とにおいて、カラークリヤー塗料膜7の膜厚tを均
一に調節することができる。従って、フェンダー10の
プレスライン部2近傍に色ムラを発生することなく、上
記のプレスライン部2におけるカラークリヤー塗料膜7
の透け具合を均一なものとすることができる。それゆ
え、例えば、カラークリヤー塗料膜7の明度・彩度等の
色調の微妙な変化による車体等のデザイン性の向上を図
ることができる。
【0034】また、カラークリヤー塗料膜7が染料を含
有しているので、その膜厚tを変更すると、色相が同じ
で、明度・彩度等の色調がより微妙に変化する。これに
より、カラークリヤー塗料7’の特性である高吸収・高
透過性を充分に活かすことができ、表現可能な色調を拡
大することができると共に、適用可能な膜厚tの範囲も
拡がる。また、例えばカラークリヤー塗料膜7の色調が
濃い場合においても、その膜厚tを変更することによ
り、色調を変化させることができる。
【0035】尚、上記の実施例においては、被塗物とし
てフェンダー10となる鋼板1を例に挙げて説明した
が、上記構成の塗膜構造が形成される被塗物は、勿論、
上記の鋼板1に限定されるものではなく、プレスライン
部を備えている被塗物であればよい。
【0036】以下に、上記の塗膜構造の形成方法の具体
例を、比較例と共に示す。〔具体例〕 図5に示すよう
に、被塗物として矩形のプレスラインモデル20を用い
た。このプレスラインモデル20において、斜面部11
と垂直面部12がなす角度は90°であり、斜面部11は
略垂直である。従って、上記のプレスラインモデル20
のプレスライン部2は、最も透け難いものとなってい
る。
【0037】先ず、斜面部11および垂直面部12に白
色の顔料を含有するカラーベース塗料膜5を形成した
後、プレスライン部2を中心線とした幅 5mmのプレスラ
イン部分だけを残して斜面部11および垂直面部12を
マスキングした。次に、上記のプレスライン部分に透明
クリヤー塗料6’として、アクリルメラミン樹脂(日本
ペイント株式会社製:OTO 563 クリヤー)を、
膜厚が20μm となるように塗布した後、マスキングを外
した。
【0038】続いて、カラークリヤー塗料7’として、
上記のアクリルメラミン樹脂に黒色の染料(日本ペイン
ト株式会社製:DBK−02 黒染料)を添加したもの
をW/Wで膜厚が40μm となるようにベル式で静電塗装
した。上記の塗装条件は、プレスラインモデル20およ
び塗装機間の距離を30cm、ベル回転数を 30000r.p.m.、
印加電圧を -90kVとし、また、シェーピングエア圧を3
kgf/cm2 とした。
【0039】上記の条件でカラークリヤー塗料膜7を形
成したところ、得られたカラークリヤー塗料膜7におけ
るプレスライン部2の透け具合は、良好であった。尚、
上記の透け具合の評価は、目視により行った。
【0040】〔比較例〕 プレスライン部分に透明クリ
ヤー塗料6’を塗布しない以外は、上記の具体例と同様
の条件でカラークリヤー塗料7’を静電塗装し、カラー
クリヤー塗料膜7を形成した。
【0041】上記の条件でカラークリヤー塗料膜7を形
成したところ、得られたカラークリヤー塗料膜7におけ
るプレスライン部2の透けは、殆ど認められなかった。
尚、上記の透けの評価は、目視により行った。
【0042】上記の具体例および比較例から、本実施例
の塗膜構造の形成方法により、例えばプレスラインモデ
ル20のプレスライン部2のように、最も透け難いプレ
スライン部においても、例えば透明クリヤー塗料6’の
塗布量を調節することで、その透け具合を操作すること
が可能であることがわかる。従って、プレスライン部2
におけるカラークリヤー塗料膜7が透け難い部分と透け
易い部分とにおいて、その透け具合を均一なものとする
ことが可能であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の塗膜構造は、以
上のように、被塗物の突起ライン部に、ウエットオンウ
エットにより透明クリヤー塗料膜およびカラークリヤー
塗料膜がこの順に備えられ、上記透明クリヤー塗料膜の
膜厚が、カラークリヤー塗料膜が透け易い部分よりも透
け難い部分の方が厚くなるように形成されている構成で
ある。
【0044】これにより、カラークリヤー塗料膜が透け
難い部分と透け易い部分とにおいて、カラークリヤー塗
料膜の膜厚を均一に調節することができる。従って、被
塗物の突起ライン部近傍に色ムラを発生することなく、
上記の突起ライン部におけるカラークリヤー塗料膜の透
け具合を均一なものとすることができる。それゆえ、例
えば、カラークリヤー塗料膜の明度・彩度等の色調の微
妙な変化による車体等の被塗物のデザイン性の向上を図
ることができるという効果を奏する。
【0045】本発明の請求項2記載の塗膜構造は、以上
のように、カラークリヤー塗料膜が染料を含有している
構成である。
【0046】これにより、カラークリヤー塗料の特性で
ある高吸収・高透過性を充分に活かすことができ、表現
可能な色調を拡大することができると共に、適用可能な
膜厚の範囲も拡がる。また、例えばカラークリヤー塗料
膜の色調が濃い場合においても、その膜厚を変更するこ
とにより、色調を変化させることができるという効果を
奏する。
【0047】本発明の請求項3記載の塗膜構造の形成方
法は、以上のように、被塗物の突起ライン部に、ウエッ
トオンウエットで透明クリヤー塗料およびカラークリヤ
ー塗料をこの順に塗布するときに、上記透明クリヤー塗
料を、その膜厚が、カラークリヤー塗料膜が透け易い部
分よりも透け難い部分の方が厚くなるように塗布する方
法である。
【0048】これにより、カラークリヤー塗料膜が透け
難い部分と透け易い部分とにおいて、カラークリヤー塗
料膜の膜厚を均一に調節することができる。従って、被
塗物の突起ライン部近傍に色ムラを発生することなく、
上記の突起ライン部におけるカラークリヤー塗料膜の透
け具合を均一なものとすることができる。それゆえ、例
えば、カラークリヤー塗料膜の明度・彩度等の色調の微
妙な変化による車体等の被塗物のデザイン性の向上を図
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗膜構造が採用される被塗物の一例を
示すものであり、自動車のフェンダーの要部の側面図で
ある。
【図2】(a)および(b)は、本発明の一実施例にお
ける塗膜構造を形成する手順を説明する断面図、(c)
は、カラークリヤー塗料膜が透け難い部分に形成された
上記塗膜構造を示す断面図である。
【図3】カラークリヤー塗料膜が透け易い部分に形成さ
れた上記塗膜構造を示す断面図である。
【図4】傾斜面の傾斜角度によってカラークリヤー塗料
膜が透け難い部分と透け易い部分とが生じる理由を説明
する説明図である。
【図5】プレスラインモデルの斜視図である。
【符号の説明】
1 鋼板(被塗物) 2 プレスライン部(突起ライン部) 3 下塗り塗膜 4 中塗り塗膜 5 カラーベース塗料膜 6 透明クリヤー塗料膜 7 カラークリヤー塗料膜 8 上塗り塗膜 10 フェンダー 11 斜面部 12 垂直面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 裕功 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 弘中 和夫 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 松▲崎▼ 賢士 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗物の突起ライン部に、ウエットオンウ
    エットにより透明クリヤー塗料膜およびカラークリヤー
    塗料膜がこの順に備えられ、 上記透明クリヤー塗料膜の膜厚が、カラークリヤー塗料
    膜が透け易い部分よりも透け難い部分の方が厚くなるよ
    うに形成されていることを特徴とする塗膜構造。
  2. 【請求項2】カラークリヤー塗料膜が染料を含有してい
    ることを特徴とする請求項1記載の塗膜構造。
  3. 【請求項3】被塗物の突起ライン部に、ウエットオンウ
    エットで透明クリヤー塗料およびカラークリヤー塗料を
    この順に塗布するときに、 上記透明クリヤー塗料を、その膜厚が、カラークリヤー
    塗料膜が透け易い部分よりも透け難い部分の方が厚くな
    るように塗布することを特徴とする塗膜構造の形成方
    法。
JP15726293A 1993-06-28 1993-06-28 塗膜構造およびその形成方法 Pending JPH078895A (ja)

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