JPH078892B2 - エチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン共重合体の製造方法

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JPH078892B2
JPH078892B2 JP33278687A JP33278687A JPH078892B2 JP H078892 B2 JPH078892 B2 JP H078892B2 JP 33278687 A JP33278687 A JP 33278687A JP 33278687 A JP33278687 A JP 33278687A JP H078892 B2 JPH078892 B2 JP H078892B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体
からなるエチレン共重合体の製造方法に関し、さらに詳
しくは、フィッシュアイが少なくて、機械的特性、成形
性、透明性等の諸特質に優れたエチレン共重合体の製造
方法に関する。
[従来の技術およびその問題点] 従来、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のエチレ
ン共重合体の製造方法として、有機マグネシウム化合
物、チタン化合物、有機アルミニウム化合物および有機
ハロゲン化合物から得られる触媒の存在下に高温での溶
液重合を行ない方法(特開昭61-126110号公報)が知ら
れている。
しかしながら、この方法で得られるエチレン共重合体は
フィッシュアイが多く、透明性も不十分であるという問
題点がある。
また、有機マグネシウム化合物、チタン化合物、有機ア
ルミニウム化合物からなる触媒に種々の活性剤を添加す
ることによる、エチレン共重合体を製造する方法(特公
昭46-61330号公報,特公昭46-31968号公報)も知られて
いるが、この共重合体の透明性は未だ十分とは言い難い
ものであった。
新規な直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の製造方法
が、特公昭59-526343号公報に開示されているが、この
方法によって得られる共重合体もフィッシュアイ、透明
性の点で満足すべきものではなかった。
更に、亜鉛化合物を含む触媒を用いて水素の存在下に高
密度ポリエチレンを製造する方法として特開昭57-10010
6号公報に記載の方法が知られているが、得られるポリ
マーは分子量分布が広く、機械的強度の点で不充分であ
ると言う問題点があった。
本発明者等は、先に溶液重合でLLDPEを製造するに当
り、水素の不存在下に重合を行う方法(特願昭62-18038
5号)を完成したが、製造可能なポリマーの分子量が一
定範囲に限定されて狭かった。
[発明の目的] この発明の目的は、フィッシュアイが少なく、機械的特
性、成形性、透明性等の諸特性に優れ、かつ広い範囲に
おいて所望分子量を有するエチレン共重合体の製造方法
を提供するものである。
[問題点を解決するための手段] この発明者等は、前記問題点を解決すべく鋭意研究を重
ねた結果、溶液重合でLLDPEを製造するにあたり、分子
量調節剤として水素の代りにジアルキル亜鉛を用いるこ
とにより、得られるエチレン共重合体の分子量分布を広
げず、その結果として機械的特性を保持しつつ透明性を
向上させ、且つフィッシュアイを大幅に低減させ得るこ
とを見出し、この知見に基いてこの発明を完成するに至
ったものである。
すなわち、前記目的を達成するためのこの発明の構成
は、不活性溶媒中で、ジアルキルマグネシウム、テトラ
アルコキシチタンおよび有機アルミニウム化合物から得
られる触媒の存在下ならびに分子量調節剤としてのジア
ルキル亜鉛の存在下および水素の不存在下に、温度120
〜300℃の範囲内で、エチレンとエチレン以外のα−オ
レフィンとを重合させることを特徴とするエチレン共重
合体の製造方法である。
前記ジアルキルマグネシウムとしては、次式 MgR1R5 (ただし、式中、R1、R5は炭素数1〜18のアルキル基を
示す。また、nは0≦n≦2を満たす実数を意味す
る。)で表される化合物を挙げることができる。
前記ジアルキルマグネシウムとしては、例えば、ジエチ
ルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジイソプロ
ピルマグネシウム、ジイソブチルマグネシウム、ジヘキ
シルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルメ
チルマグネシウム、エチルイソプロピルマグネシウム、
エチル−n−ブチルマグネシウムなどのジアルキルマグ
ネシウムなどを挙げることができる。
前記一般式によって表されるジアルキルマグネシウムの
中でも、特にエチル−n−ブチルマグネシウムなどが好
ましい。
なお、これらジアルキルマグネシウムは1種単独で用い
てもよく、2種以上を組み合せて用いることもできる。
前記有機アルミニウム化合物としては、様々な化合物が
あるが、通常は、分子内に少なくとも1個のアルミニウ
ム−炭素結合を有する化合物を用いることができ、たと
えば次式、 R2 3-pAlXp、 R2 3-tAl(OR3)Xt、 R2 3Al2X3 (ただし、式中、R2、R3は炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基を示し、Xは前記と同様であり、pは0、1
または2を示し、tは0または1を示す。)のいずれか
で表される化合物が挙げられる。
このような有機アルミニウム化合物としては、例えば、
ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソプロピル
アルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウ
ムモノクロライド、ジオクチルアルミニウムモノクロラ
イド、エチルアルミニウムジクロライド、イソプロピル
アルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセス
キクロライド等が挙げられる。
これらの中でも、R2 3Al2X3で表される有機アルミニウム
が好ましく、特にエチルアルミニウムセスキクロライド
などが好ましい。
前記テトラアルコキシチタンとしては、次式 Ti(OR4 (ただし、式中、R4は炭素数1〜10、好ましくは1〜6
のアルキル基、シクロアルキル基あるいはアラルキル基
を示す。)で表される化合物を用いることができる。
前記テトラアルコキシチタンとして、たとえば、テトラ
メトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−
プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テト
ラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン等
が挙げられる。
これらの中でも、特にテトラ−n−ブトキシチタンが好
ましい。
これら各種のテトラアルコキシチタンは、1種単独で使
用しても良いし、また二種以上を混合して使用しても良
い。
また、重合触媒は、前記ジアルキルマグネシウムと前記
アルミニウム化合と前記テトラアルコキシチタンとを調
製することにより得られる。
触媒の調製法としては特に制限がなく、たとえば、モノ
マーを有する重合反応容器中に前記ジアルキルマグネシ
ウムと前記有機アルミニウム化合物と前記テトラアルコ
キシチタンとを別々に添加してこれらを混合しても良
い。
触媒の好ましい調製の方法としては、たとえば、前記ジ
アルキルマグネシウムと前記有機アルミニウム化合物と
を反応させ、得られる反応生成物と前記テトラアルコキ
シチタンとを混合する方法が挙げられる。
この方法をさらに詳述すると、次のとおりである。
すなわち、前記ジアルキルマグネシウムと前記有機アル
ミニウム化合物とを不活性溶媒中に加え、たとえば温度
0〜240℃にて、たとえば1時間以内の時間をかけて、
撹拌しながら接触反応をさせることにより行なう。
なお、この際に使用する不活性溶媒としては、たとえば
炭素数5〜16の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香
族炭化水素等が挙げられ、具体的には、ノルマル−ある
いはイソ−ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカン、ドデカン、テトラデカン、またはシクロヘキサ
ンさらにはベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げら
れる。
また、ここで加えるジアルキルマグネシウムと有機アル
ミニウム化合物との割合は特に制限はなく、要するに後
述する触媒中の各金属成分の割合となるような範囲で適
宜に調節すれば良い。
前記ジアルキルマグネシウムと前記有機アルミニウム化
合物との反応生成物と前記テトラアルコキシチタンとの
混合については特に制限がない。
ただし、混合に当って、触媒中の各金属成分の割合が、
マグネシウム/チタン(原子比)=0.1〜200、特に0.5
〜30の範囲内とし、またアルミニウム/チタン(原子
比)=1〜200、特に2〜100の範囲内とするのが好まし
い。
マグネシウム/チタンが前記範囲外であると、触媒の活
性が低下し、アルミニウム/チタンが1よりも小さいと
触媒の活性が低下し、またアルミニウム/チタンを200
よりも大きくしてもそれに見合う触媒活性が得られない
ことがある。
また、マグネシウム/チタン、アルミニウム/チタンが
前記範囲外であると、得られるポリマーの物性、特にフ
ィルム成形性が悪化して好ましくないことがある。
なお、重合に際して前記触媒にさらに、公知の活性剤、
たとえば周期律表第IV族に属する元素のハロゲン化物な
どを共存させて重合触媒系として用いることもでき、そ
のようにすることに活性をさらに高めることも可能であ
る。
前記活性剤としては、たとえば、炭素、シリコン、ゲル
マニウム、スズ、鉛等のハロゲン化物などが挙げられ、
具体的には、たとえば、塩化メチル、ヨウ化メチル、塩
化メチレン、塩化イソプロピル、塩化−t−ブチル、四
塩化炭素などの炭素のハロゲン化物、テトラクロロシラ
ン等のケイ素のハロゲン化物、四塩化スズ等のスズのハ
ロゲン化物、四塩化鉛等の鉛のハロゲン化物等が挙げら
れる。
これら各種のハロゲン化物の中でも、炭素のハロゲン化
物、n−プロピルクロライド、イソプロピルクロライ
ド、n−ブチルクロライド、イソブチルクロライド、te
rt−ブチルクロライド、sec−ブチルクロライド等を好
適に用いることができる。
なお、これらの活性剤は、その1種を単独で用いても、
2種以上を混合もしくは複合するなどして組み合わせて
用いることもできる。
重合に先立って行なう、活性剤と重合触媒との配合手順
については、特に制限がなくたとえば、 (1)重合反応容器中に前記ジアルキルマグネシウムと
前記有機アルミニウム化合物と前記テトラアルコキシチ
タンと活性剤とを別々に供給しても良く、 (2)触媒調製時に、前記ジアルキルマグネシウム、有
機アルミニウム化合物およびテトラアルコキシチタンの
いずれかに活性剤を全量混合し、次いで触媒の他成分を
これに混合しても良く、あるいはまた、 (3)触媒調製時に、前記ジアルキルマグネシウム、有
機アルミニウム化合物およびテトラアルコキシチタンの
いずれかに活性剤の一部を混合し、次いでこれに触媒の
他成分を混合調製する時に、前記ジアルキルマグネシウ
ム、有機アルミニウム化合物およびテトラアルコキシチ
タンのいずれかに活性剤の残量を添加しても良い。
重合器に供給する前記触媒の割合は、用いる触媒の種類
・組成、モノマーの種類、所望ポリマーの物性および上
記のごとき他のさまざまの因子を考慮して適宜に設定す
べきであるが、重合反応系における触媒濃度が、チタン
濃度として0.001〜10ミリモル/、好ましくは0.001〜
1.0ミリモル/程度とするのが好適である。
また、前記活性剤の転化量が、活性剤/Alのモル比をa
としたときに、通常0<a≦5.0、好ましくは、0.01≦
a≦1.0の範囲に設定して行なえばよい。
本発明の方法では、不活性溶媒中で、前記触媒ならびに
分子量調節剤としてのジアルキル亜鉛の存在下および水
素ガスの不存在下に、所定の温度で、エチレンとα−オ
レフィンとを共重合する。
この発明の方法における前記不活性溶媒としては、重合
反応系に対していわゆる実質的に不活性な炭化水素溶
媒、たとえば炭素数5〜16の脂肪族飽和炭化水素、脂環
式炭化水素、芳香族炭化水素などを挙げることができ
る。
具体例としては、たとえば、n−ペンタン、イソペンタ
ン、ヘキサン、イソヘキサン、ネオヘキサン、ヘプタ
ン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、
イソノナン、デカン、イソデカン、ウンデカン、ドデカ
ン、テトラデカン、ヘキサデカンなどのアルカン;シク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
エチルシクロヘキサン、ジメチルシケロヘキサンなどの
シケロアルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼンなどの芳香族炭化水素などを挙げることがで
きる。
これらの中でも、たとえば、n−ペンタン、イソペンタ
ン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソ
ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、
イソデカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどが好ましく、特にn−ヘキサンなどが好まし
い。
なお、これらは、1種単独で用いても、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
前記ジアルキル亜鉛としては、たとえばジメチル亜鉛、
ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジブトキシ亜鉛、メチ
ルエチル亜鉛、メチルプロピル亜鉛、エチルプロピル亜
鉛、その他のジアルキル亜鉛を使用することができる。
これら各種のアルキル亜鉛の中でZnR(ただし、Rは炭
素数が1〜3であるジアルキル亜鉛)が好ましく、特に
ジエチル亜鉛が好ましい。
本発明においては、重合反応を分子量調節剤としての水
素の不存在下に行なうのが重要である。重合反応系中に
分子量調節剤としての水素が存在すると、得られるエチ
レン共重合体の成形物にフィッシュアイが多く発生す
る。
前記α−オレフィンは、エチレン以外のα−オレフィン
であれば特に制限がなく、たとえばその炭素数が4〜2
0、好ましくは4〜8のものを好適に使用することがで
きる。前記α−オレフィンは一種単独であっても、また
二種以上であっても良い。
このα−オレフィンとしては、ブテン−1、ペンテン−
1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1、ヘプテ
ン−1、オクテン−1、デセン−1、ウンデセン−1な
どが挙げられる。
前記エチレン(A)と前記α−オレフィン(B)との使
用割合は、目的とするエチレン共重合体の種類、特性に
応じて様々な値に選定すればよいのであるが、例えば、
使用する(A)と(B)との合計を100モル%としたと
きに、(A)を通常60〜99.95モル%、好ましくは
(A)を70〜99.5モル%の範囲に設定して行なうことに
よって、この発明のエチレン共重合体を好適に製造する
ことが可能である。
本発明においては、前記重合反応を行なうに際しての反
応温度を、120〜300℃の範囲内に設定することが重要で
ある。この温度範囲の中でも生成ポリマーの溶解する温
度範囲、例えば、150〜250℃程度の温度範囲が好まし
い。
反応圧力は、通常10〜150kg/cm2 G、好ましくは20〜90k
g/cm2 Gに設定して行なうのが好適である。
また、重合反応混合物の重合容器内における平均滞留時
間は、用いる触媒、モノマー、溶媒などの種類や組成、
反応温度などの他のさまざまの条件によって異なるので
一様に規定することはできない。
すなわち、この平均滞留時間は、転化率が十分に得られ
るように適宜選定すればよいのであるが、通常、好適に
行なわれる範囲として、例えば、0.1〜100分、好ましく
は0.5〜60分の範囲を例示することができる。
この発明の方法によると、フィッシュアイが少なくて、
機械的特性、成形性および透明性に優れたエチレン共重
合体を製造することができる。
この発明の方法により得られる好適なエチレン共重合体
を例示すると、炭素数が4〜20であるα−オレフィン単
位の含有量が3〜40重量%であり、好ましくは5〜30重
量%であり、極限粘度[η]が0.5〜5dl/g、特に1〜3d
l/gであり、その密度が0.900〜0.940g/cm3であり、特に
0.905〜0.940g/cm3であり、その最高融点の範囲が110〜
130℃であり、特に112〜128℃であり、その数平均分子
量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)
が2.0〜5.0であり、好ましくは2.2〜4.0であり、ゲル浸
透クロマトグラフィー(GPC)・低角度レーザー光散乱
光度計(LALLSS測定(GPC−LALLS法)による分子量分布
を反映したクロマトグラムの全面積に対する超高分子量
成分に相当するピーク面積の比(γLALLS)が0.1以下で
あり、特に0.08以下であるエチレン共重合体である。
エチレン以外の前記α−オレフィン単位の含有量が3重
量%以下であると、エチレン共重合体の透明性および機
械的強度が不十分となり、40重量%以上であるとエチレ
ン共重合体の成形品の表面がべたつき易くなることがあ
る。したがって、エチレン共重合体の使用目的などに応
じて、前記範囲内で適宜にα−オレフィン単位の含有量
を調整するのが良い。
前記極限粘度は135℃の条件下でデカリン中で測定して
得られる粘度を示す。
前記極限粘度[η]が0.5dl/g以下である場合はエチレ
ン共重合体の機械的強度が不十分となり、5dl/g以上の
場合はエチレン共重合体の成形性が不良となることもあ
る。
前記密度が0.900g/cm3以下ではエチレン共重合体の成形
品の表面がべたつき易くなり、また、0.940g/cm2以上で
はエチレン共重合体の透明性や機械的強度が不十分とな
ることがある。
なお、密度の測定はJIS K7112の密度勾配管法に準拠し
て行なうことができる。
前記エチレン共重合体の最高融点が110℃以下である
と、エチレン共重合体は実用的な耐熱性を失う。一方、
最高融点が130℃を超えるとエチレン共重合体をフィル
ムに成形した場合に、そのヒートシール温度が高くな
り、実用性に乏しくなる。
ここで最高融点は、示差走査熱量分析法(DSC)に基い
て決定される。すなわち、ASTMD3418に準じて、エチレ
ン共重合体10mgを200℃で5分間保持し、10℃/分の速
度で50℃まで冷却して5分間保持した後、10℃/分の速
度で昇温して吸熱カーブを記録し、その場合最も高温側
に表われるピークに対応する温度である。
前記Mw/Mnの比が2.0未満であるとエチレン共重合体の成
形性,透明性が不十分となり、5.0を超えると機械的強
度か不十分となることがある。
この発明の方法により得られると共に前記諸特性を備え
たエチレン共重合体は超高分子量成分の含有量が極めて
少ない。ここで超高分子量成分とは重量平均分子量が10
6以上であるものを言う。
前記比(γLALLS)が0.1より大きいと、フィッシュアイ
が増加して、実用に耐えない。
なお、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)・低角度レ
ーザー光散乱光度計(LALLS)測定法(GPC−LALLS法)
は近年、開発された高分子の分子量測定である。このGP
C−LALLS法は低角度レーザー光散乱光度計をGPC用検出
器として組み込んだ装置により高分子の分子量測定を行
うものである。
この場合のGPC−LALLS測定は、試料を1,2,4-トリクロロ
ベンゼン中で150℃,2時間かけて溶解し、孔径0.45μm
のメンブランフィルターを用いて熱時ロ過した後、LALL
Sを用いて、温度140℃、波長633nm,散乱角6〜7℃の条
件で散乱光強度を測定することにより行なうことができ
る。
この発明の方法により得られると共に前記諸特性を備え
たエチレン共重合体は超高分子量成分とすなわち重量平
均分子量が106以上であるものの含有量が極めて少な
い。
したがって、フィッシュアイが極めて少なく、機械的特
性、成形性、および透明性に特に優れたエチレン共重合
体である。
そして、このエチレン共重合体は、フィルム、シート等
に好適に成形することができ、その商品価値が一段と高
いものである。
[実施例] 次にこの発明の実施例および比較例を示してこの発明を
さらに具体的に説明する。
(実施例1) 1の連続重合反応容器内に、脱水したn−ヘキサンを
7.5/時間、エチルアルミニウムセスキクロライドを
3.3mmol/時間、エチル−n−ブチルマグネシウムを0.68
mmol/時間およびテトラブトキシチタンを0.17mmol/時間
の割合で供給し、同時にエチレンを700g/時間、1−オ
クテンを700g/時間およびジエチル亜鉛をエチレン1モ
ル当り8×10-4モルの割合で連続供給し、反応温度185
℃、反応圧力70kg/cm2 Gの条件で0.11時間の重合反応を
行ないエチレン−1−オクテン共重合体750gを得た。
このときの重合条件と重合結果を第1表に示す。
なお、密度、フィッシュアイ、ヘイズおよびフィルム衝
撃強度は、それぞれ次のようにして評価した。
密度;JIS K7112密度勾配管法に準拠して測定した。
フィシュアイ;直径20mmの押出成形機を用いて、ダイ幅
170mm,ダイリップ0.5mmの条件で製膜して、厚さ25μm
のフィルムを製造し、フィッシュアイを目視で評価し
た。
ヘイズ;JIS K7105に準拠して測定した。
フイルム衝撃強度;ATSM 03420に準拠して測定した。
(比較例1) 前記実施例1において、ジエチル亜鉛の代りにH2を用い
た以外は、前記実施例1と同様の操作を繰返し、表示し
た結果を得た。
(実施例2〜4) 前記実施例1において、所定のMI、密度となるようにジ
エチル亜鉛/エチレンモル比(ZnEt2/C2)、ジエチル亜
鉛/エチレンモル比(Zn/C2)およびα−オレフィン量
を各実施例において第1表に示すように変化させた以外
は、前記実施例1と同様の操作を繰返し、表示した結果
を得た。
(比較例2〜5) 前記実施例1において、所定のMI、密度となるように水
素/エチレンモル比(H2/C2)、ジエチル亜鉛/エチレ
ンモル比(ZnEt2/C2)、α−オレフィン量を変化させた
以外は、前記実施例1と同様の操作を繰返し、表示した
結果を得た。
(実施例5) 前記実施例1において、ジエチル亜鉛の代りにジプロピ
ル亜鉛を使用した以外は、前記実施例1と同様の操作を
繰返し、表示した結果を得た。
[発明の効果] この発明によると、フィッシュアイの発生が著しく少
く、機械的特性、成形性、透明性などの諸特性に優れた
高品質の直鎖状低密度ポリエチレン等のエチレン共重合
体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明における触媒の調製手順を示す説明図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性溶媒中で、ジアルキルマグネシウ
    ム、テトラアルコキシチタンおよび有機アルミニウム化
    合物から得られる触媒の存在下ならびに分子量調節剤と
    してのジアルキル亜鉛の存在下および水素の不存在下
    に、温度120〜300℃の範囲内で、エチレンとエチレン以
    外のα−オレフィンとを重合させることを特徴とするエ
    チレン共重合体の製造方法。
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