JPH0788706A - 丸バイト - Google Patents
丸バイトInfo
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- JPH0788706A JPH0788706A JP23263893A JP23263893A JPH0788706A JP H0788706 A JPH0788706 A JP H0788706A JP 23263893 A JP23263893 A JP 23263893A JP 23263893 A JP23263893 A JP 23263893A JP H0788706 A JPH0788706 A JP H0788706A
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- JP
- Japan
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- tool
- cutting
- chip
- cutting edge
- workpiece
- Prior art date
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 延性材料の高速切削においても良好な切屑処
理性能が得られ、且つ切れ刃の再現性に優れたバイトを
提供する。 【構成】 円柱形状の工具本体12の外周面に、一定の
ねじれ角で螺旋状に切屑誘導溝16を設けるとともに、
その切屑誘導溝16をすくい面としてそれに沿う横切れ
刃18を設け、被工作物に対して工具軸心が送り方向と
交差する姿勢で移動させられることにより、工具本体1
2の先端部における横切れ刃18により被工作物の切削
加工を行うようにし、銅やアルミニウムなどの延性材料
を高速切削した場合でもコイル状の切屑を連続した状態
で切屑誘導溝16に沿って所定の方向へ排出させるとと
もに、再研磨の際には切削に関与した先端部を取り除く
だけで切削性能が再現されるようにした。
理性能が得られ、且つ切れ刃の再現性に優れたバイトを
提供する。 【構成】 円柱形状の工具本体12の外周面に、一定の
ねじれ角で螺旋状に切屑誘導溝16を設けるとともに、
その切屑誘導溝16をすくい面としてそれに沿う横切れ
刃18を設け、被工作物に対して工具軸心が送り方向と
交差する姿勢で移動させられることにより、工具本体1
2の先端部における横切れ刃18により被工作物の切削
加工を行うようにし、銅やアルミニウムなどの延性材料
を高速切削した場合でもコイル状の切屑を連続した状態
で切屑誘導溝16に沿って所定の方向へ排出させるとと
もに、再研磨の際には切削に関与した先端部を取り除く
だけで切削性能が再現されるようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転駆動される被工作
物に押し当てられて切削加工を行うバイトに係り、特
に、切屑の排出処理性と切れ刃の再現性とに優れたバイ
トに関するものである。
物に押し当てられて切削加工を行うバイトに係り、特
に、切屑の排出処理性と切れ刃の再現性とに優れたバイ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】軸心まわりに回転駆動される被工作物に
対し、その被工作物の軸心と平行な送り方向へ相対移動
させられることにより切削加工を行う切削工具として種
々のバイトが知られているが、このようなバイトには、
切削に伴う切屑の処理を容易にする目的で、切屑を適度
に細断するためのチップブレーカを設けることがある。
ところが、かかるチップブレーカは、被工作物の材質や
切削速度等の切削条件によっては必ずしも正常に切屑処
理性能を発揮できない場合があり、特に、近年多用され
てきたステンレス鋼や銅、アルミニウムなどの延性に富
んだ材料への対応が困難であった。
対し、その被工作物の軸心と平行な送り方向へ相対移動
させられることにより切削加工を行う切削工具として種
々のバイトが知られているが、このようなバイトには、
切削に伴う切屑の処理を容易にする目的で、切屑を適度
に細断するためのチップブレーカを設けることがある。
ところが、かかるチップブレーカは、被工作物の材質や
切削速度等の切削条件によっては必ずしも正常に切屑処
理性能を発揮できない場合があり、特に、近年多用され
てきたステンレス鋼や銅、アルミニウムなどの延性に富
んだ材料への対応が困難であった。
【0003】これに対し、ツイストドリルによる切屑の
形状および排出性に着目して、切屑を積極的に連続さ
せ、切屑の成形性および排出処理性を向上させるように
したバイトが提案されている。特公平1−46242号
公報に記載されているバイトはその一例であり、かかる
バイトにおいては、横切れ刃の近傍に、その横切れ刃に
よる切削で生じる切屑を案内して連続したコイル状に成
形するとともに、その切屑を誘導して一定の排出方向へ
排出させるようにする円弧状断面の切屑誘導溝が一直線
方向に設けられており、銅やアルミニウムなどの非鉄金
属に対しても良好な切屑処理性能が得られる。
形状および排出性に着目して、切屑を積極的に連続さ
せ、切屑の成形性および排出処理性を向上させるように
したバイトが提案されている。特公平1−46242号
公報に記載されているバイトはその一例であり、かかる
バイトにおいては、横切れ刃の近傍に、その横切れ刃に
よる切削で生じる切屑を案内して連続したコイル状に成
形するとともに、その切屑を誘導して一定の排出方向へ
排出させるようにする円弧状断面の切屑誘導溝が一直線
方向に設けられており、銅やアルミニウムなどの非鉄金
属に対しても良好な切屑処理性能が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記バイト
の切れ味や切屑形状,切屑の排出方向は、主として横切
れ刃角,横すくい角,およびバックレーキ(上すくい
角)によって大きく左右され、所望する切削性能,切屑
処理性能が得られるように製作しても、摩耗により再研
磨した場合には、それらの性能を再現することが極めて
困難である。また、再研磨による切れ刃の後退量だけ切
れ刃高さが下がるため、敷き金等をバイトシャンクの下
側に挟んで高さ調整を行うことになるが、最適な敷き金
厚さを選択する作業は面倒であり、且つ、高さ調整が可
能な寸法は刃物台とバイトシャンクとの嵌合部の隙間に
よって制限され、それに伴って再研磨の量も制限され
る。更に、再研磨により刃物自身の剛性が不足し、びび
り振動を生じるようになる恐れもあった。
の切れ味や切屑形状,切屑の排出方向は、主として横切
れ刃角,横すくい角,およびバックレーキ(上すくい
角)によって大きく左右され、所望する切削性能,切屑
処理性能が得られるように製作しても、摩耗により再研
磨した場合には、それらの性能を再現することが極めて
困難である。また、再研磨による切れ刃の後退量だけ切
れ刃高さが下がるため、敷き金等をバイトシャンクの下
側に挟んで高さ調整を行うことになるが、最適な敷き金
厚さを選択する作業は面倒であり、且つ、高さ調整が可
能な寸法は刃物台とバイトシャンクとの嵌合部の隙間に
よって制限され、それに伴って再研磨の量も制限され
る。更に、再研磨により刃物自身の剛性が不足し、びび
り振動を生じるようになる恐れもあった。
【0005】一方、上記従来のバイトは、切屑誘導溝が
一直線方向に設けられていたため、切削速度が速くなる
と切屑が必ずしも良好に巻かなくなり、十分な切屑処理
性能を得るためには、切削速度が比較的低速に制限され
るという問題も含んでいた。このようなバイトの切屑処
理性能を調べた「切りくず誘導穴付バイトによる切りく
ず処理」(加工技術データファイル 401A 63−
02 昭和57年3月(財)機械振興協会技術研究所発
行)では、銅に対する切削速度が15m/min、アル
ミニウムに対する切削速度が47m/min、ステンレ
ス鋼に対する切削速度が11m/minである。
一直線方向に設けられていたため、切削速度が速くなる
と切屑が必ずしも良好に巻かなくなり、十分な切屑処理
性能を得るためには、切削速度が比較的低速に制限され
るという問題も含んでいた。このようなバイトの切屑処
理性能を調べた「切りくず誘導穴付バイトによる切りく
ず処理」(加工技術データファイル 401A 63−
02 昭和57年3月(財)機械振興協会技術研究所発
行)では、銅に対する切削速度が15m/min、アル
ミニウムに対する切削速度が47m/min、ステンレ
ス鋼に対する切削速度が11m/minである。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、延性材料の高速切削
においても良好な切屑処理性能が得られ、且つ切れ刃の
再現性に優れたバイトを提供することにある。
もので、その目的とするところは、延性材料の高速切削
においても良好な切屑処理性能が得られ、且つ切れ刃の
再現性に優れたバイトを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、軸心まわりに回転駆
動される被工作物に対し、その被工作物の軸心と平行な
送り方向へ相対移動させられることにより切削加工を行
う丸バイトであって、(a)円柱形状の工具本体と、
(b)その工具本体の外周面に一定のねじれ角で螺旋状
に設けられた切屑誘導溝と、(c)その切屑誘導溝をす
くい面としてその切屑誘導溝に沿って設けられた横切れ
刃とを有し、工具軸心が前記送り方向と交差する姿勢で
その送り方向へ相対移動させられることにより、前記工
具本体の先端部分で前記横切れ刃により前記被工作物に
切削加工を行うようにしたことにある。
め、本発明の要旨とするところは、軸心まわりに回転駆
動される被工作物に対し、その被工作物の軸心と平行な
送り方向へ相対移動させられることにより切削加工を行
う丸バイトであって、(a)円柱形状の工具本体と、
(b)その工具本体の外周面に一定のねじれ角で螺旋状
に設けられた切屑誘導溝と、(c)その切屑誘導溝をす
くい面としてその切屑誘導溝に沿って設けられた横切れ
刃とを有し、工具軸心が前記送り方向と交差する姿勢で
その送り方向へ相対移動させられることにより、前記工
具本体の先端部分で前記横切れ刃により前記被工作物に
切削加工を行うようにしたことにある。
【0008】なお、好適には、上記工具本体は、円柱形
状のシャンクを同軸上に備えているとともに、そのシャ
ンクには、前記切屑誘導溝と同じリードで工具位置決め
溝が形成されており、その工具位置決め溝が工具ホルダ
に設けられた位置決め部材と係合させられることによ
り、軸心まわりの位相が一定の状態でその工具ホルダに
取り付けられる。
状のシャンクを同軸上に備えているとともに、そのシャ
ンクには、前記切屑誘導溝と同じリードで工具位置決め
溝が形成されており、その工具位置決め溝が工具ホルダ
に設けられた位置決め部材と係合させられることによ
り、軸心まわりの位相が一定の状態でその工具ホルダに
取り付けられる。
【0009】また、前記工具本体は前記横切れ刃の直径
寸法より大径で、その工具本体そのものがシャンクとし
ても機能することが望ましい。
寸法より大径で、その工具本体そのものがシャンクとし
ても機能することが望ましい。
【0010】
【作用および発明の効果】このような丸バイトにおいて
は、工具本体の外周に、螺旋状の切屑誘導溝と、その切
屑誘導溝をすくい面としその切屑誘導溝に沿った横切れ
刃とが設けられており、工具軸心が被工作物に対する送
り方向と交差する姿勢で送り移動させられることによ
り、上記工具本体の先端部分で横切れ刃により被工作物
に切削加工を行うことから、その切削で生じた切屑は、
切屑誘導溝に沿って所定のコイル状に成形され、連続し
た状態で螺旋状の切屑誘導溝に案内されつつ所定の方向
へ排出される。ここで、上記横切れ刃および切屑誘導溝
は工具本体の軸心方向に連続して設けられていることか
ら、横切れ刃の摩耗により再研磨する場合には、切削加
工に関与した工具本体の先端部分を研磨若しくは切断し
て除去し、コーナノーズ部を研磨するだけで良く、横切
れ刃およびすくい面を研磨する必要がないため、横切れ
刃角や横すくい角,上すくい角に変化を生じない。これ
により、当初の切削性能および切屑処理性能を安定して
再現できるとともに、工具本体の軸方向の長さに応じて
多数回の再研磨が可能となる。切れ刃高さすなわち工具
本体の先端部における横切れ刃の高さ位置については、
工具本体を軸心まわりに回転させるだけで高さ調整を行
うことができ、敷き金等を用いて高さ調整する場合に比
較して作業が容易となる。
は、工具本体の外周に、螺旋状の切屑誘導溝と、その切
屑誘導溝をすくい面としその切屑誘導溝に沿った横切れ
刃とが設けられており、工具軸心が被工作物に対する送
り方向と交差する姿勢で送り移動させられることによ
り、上記工具本体の先端部分で横切れ刃により被工作物
に切削加工を行うことから、その切削で生じた切屑は、
切屑誘導溝に沿って所定のコイル状に成形され、連続し
た状態で螺旋状の切屑誘導溝に案内されつつ所定の方向
へ排出される。ここで、上記横切れ刃および切屑誘導溝
は工具本体の軸心方向に連続して設けられていることか
ら、横切れ刃の摩耗により再研磨する場合には、切削加
工に関与した工具本体の先端部分を研磨若しくは切断し
て除去し、コーナノーズ部を研磨するだけで良く、横切
れ刃およびすくい面を研磨する必要がないため、横切れ
刃角や横すくい角,上すくい角に変化を生じない。これ
により、当初の切削性能および切屑処理性能を安定して
再現できるとともに、工具本体の軸方向の長さに応じて
多数回の再研磨が可能となる。切れ刃高さすなわち工具
本体の先端部における横切れ刃の高さ位置については、
工具本体を軸心まわりに回転させるだけで高さ調整を行
うことができ、敷き金等を用いて高さ調整する場合に比
較して作業が容易となる。
【0011】また、本発明の丸バイトは、切屑誘導溝が
螺旋状に設けられているため、従来のように一直線方向
に切屑誘導溝が形成されている場合に比較して切屑が連
続して巻き易くなり、比較的切削速度が速い場合でも良
好な切屑処理性能が得られるようになる。
螺旋状に設けられているため、従来のように一直線方向
に切屑誘導溝が形成されている場合に比較して切屑が連
続して巻き易くなり、比較的切削速度が速い場合でも良
好な切屑処理性能が得られるようになる。
【0012】一方、工具本体が円柱形状のシャンクを同
軸上に備え、そのシャンクに切屑誘導溝と同じリードで
形成された工具位置決め溝が、工具ホルダに設けられた
位置決め部材と係合させられることにより、軸心まわり
の位相が一定の状態でその工具ホルダに取り付けられる
ようになっている場合には、工具ホルダからの突き出し
長さを一定にして固定するだけで、常に切れ刃高さを一
定に維持することができ、再研磨後の位置調整を一層容
易且つ迅速に行い得る。
軸上に備え、そのシャンクに切屑誘導溝と同じリードで
形成された工具位置決め溝が、工具ホルダに設けられた
位置決め部材と係合させられることにより、軸心まわり
の位相が一定の状態でその工具ホルダに取り付けられる
ようになっている場合には、工具ホルダからの突き出し
長さを一定にして固定するだけで、常に切れ刃高さを一
定に維持することができ、再研磨後の位置調整を一層容
易且つ迅速に行い得る。
【0013】また、工具本体が横切れ刃の直径寸法より
大径で、その工具本体そのものがシャンクとしても機能
する場合には、工具ホルダからの工具本体の突き出し長
さを自在に調整することが可能となり、びびり振動等を
効果的に防止できるようになるとともに、切屑誘導溝の
横断面における円弧長さを延長してその切屑誘導性能お
よびコイル形状への成形性能を高めることもできる。な
お、この場合には、切屑誘導溝を前記工具位置決め溝と
してそのまま利用することができるが、切屑誘導溝とは
別個に工具位置決め溝を設けることも可能である。
大径で、その工具本体そのものがシャンクとしても機能
する場合には、工具ホルダからの工具本体の突き出し長
さを自在に調整することが可能となり、びびり振動等を
効果的に防止できるようになるとともに、切屑誘導溝の
横断面における円弧長さを延長してその切屑誘導性能お
よびコイル形状への成形性能を高めることもできる。な
お、この場合には、切屑誘導溝を前記工具位置決め溝と
してそのまま利用することができるが、切屑誘導溝とは
別個に工具位置決め溝を設けることも可能である。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例である丸バイ
ト10を軸心と直角な方向から見た正面図である。丸バ
イト10は、円柱形状の工具本体12と、刃物台に把持
される円柱形状のシャンク14とを同軸上に一体に備え
ている。工具本体12の外周面には、一定のねじれ角で
螺旋状に切屑誘導溝16が設けられているとともに、そ
の切屑誘導溝16に沿って切屑誘導溝16をすくい面と
する横切れ刃18が設けられている。切屑誘導溝16の
横断面は略円弧状を成しており、切屑が円弧に沿ってコ
イル状に変形させられるようになっている。横切れ刃1
8が螺旋状に存在する一円筒面の軸心はシャンク14の
軸心と一致するとともに、その円筒の外径すなわち切れ
刃直径はシャンク14の外径よりも小さい。
細に説明する。図1は、本発明の一実施例である丸バイ
ト10を軸心と直角な方向から見た正面図である。丸バ
イト10は、円柱形状の工具本体12と、刃物台に把持
される円柱形状のシャンク14とを同軸上に一体に備え
ている。工具本体12の外周面には、一定のねじれ角で
螺旋状に切屑誘導溝16が設けられているとともに、そ
の切屑誘導溝16に沿って切屑誘導溝16をすくい面と
する横切れ刃18が設けられている。切屑誘導溝16の
横断面は略円弧状を成しており、切屑が円弧に沿ってコ
イル状に変形させられるようになっている。横切れ刃1
8が螺旋状に存在する一円筒面の軸心はシャンク14の
軸心と一致するとともに、その円筒の外径すなわち切れ
刃直径はシャンク14の外径よりも小さい。
【0015】図2は、かかる丸バイト10が被工作物2
0を切削する状態を簡略に示す斜視図であり、旋盤の主
軸等によって軸心まわりに回転駆動される被工作物20
に対し、丸バイト10の工具軸心が送り方向(図2では
被工作物20の軸心と平行な左方向)と略直角に交差す
る姿勢で、その送り方向へ刃物台(図示せず)によって
丸バイト10が相対移動させられることにより、工具本
体12の先端部における横切れ刃18が被工作物20を
一定の切込み量で切削する。この横切れ刃18により生
成される切屑22は、切屑誘導溝16に沿ってコイル状
に成形され、連続した状態で螺旋状の切屑誘導溝16に
案内されつつ、例えば丸バイト10の移動方向と反対の
図2における右下方向へ排出される。丸バイト10の各
部の諸元、例えば横逃げ角や横すくい角,前切れ刃角,
切屑誘導溝16のねじれ角などは、所望する切屑処理性
能が得られるように、予め実験等により設定されてい
る。
0を切削する状態を簡略に示す斜視図であり、旋盤の主
軸等によって軸心まわりに回転駆動される被工作物20
に対し、丸バイト10の工具軸心が送り方向(図2では
被工作物20の軸心と平行な左方向)と略直角に交差す
る姿勢で、その送り方向へ刃物台(図示せず)によって
丸バイト10が相対移動させられることにより、工具本
体12の先端部における横切れ刃18が被工作物20を
一定の切込み量で切削する。この横切れ刃18により生
成される切屑22は、切屑誘導溝16に沿ってコイル状
に成形され、連続した状態で螺旋状の切屑誘導溝16に
案内されつつ、例えば丸バイト10の移動方向と反対の
図2における右下方向へ排出される。丸バイト10の各
部の諸元、例えば横逃げ角や横すくい角,前切れ刃角,
切屑誘導溝16のねじれ角などは、所望する切屑処理性
能が得られるように、予め実験等により設定されてい
る。
【0016】ここで、上記横切れ刃18および切屑誘導
溝16は工具本体12の軸心方向に連続して設けられて
いることから、横切れ刃18が摩耗して切れ味が悪くな
ったときに再研磨する場合には、切削加工に関与した工
具本体12の先端部分、すなわち前記切込み量に対応す
る長さの部分を研磨若しくは切断して除去し、コーナノ
ーズ部、および必要に応じて前切れ刃24に続く前逃げ
面を研磨するだけで良く、横切れ刃18およびすくい面
(切屑誘導溝16)を研磨する必要がないため、横切れ
刃角や横すくい角,バックレーキ(上すくい角)に変化
を生じない。これにより、当初の切削性能および切屑処
理性能を安定して再現できるとともに、工具本体12の
軸方向の長さに応じて多数回の再研磨が可能となる。切
れ刃高さすなわち工具本体12の先端部における横切れ
刃18の高さ位置については、工具本体12を軸心まわ
りに回転させるだけで高さ調整を行うことができ、敷き
金等を用いて高さ調整する場合に比較して作業が容易と
なる。
溝16は工具本体12の軸心方向に連続して設けられて
いることから、横切れ刃18が摩耗して切れ味が悪くな
ったときに再研磨する場合には、切削加工に関与した工
具本体12の先端部分、すなわち前記切込み量に対応す
る長さの部分を研磨若しくは切断して除去し、コーナノ
ーズ部、および必要に応じて前切れ刃24に続く前逃げ
面を研磨するだけで良く、横切れ刃18およびすくい面
(切屑誘導溝16)を研磨する必要がないため、横切れ
刃角や横すくい角,バックレーキ(上すくい角)に変化
を生じない。これにより、当初の切削性能および切屑処
理性能を安定して再現できるとともに、工具本体12の
軸方向の長さに応じて多数回の再研磨が可能となる。切
れ刃高さすなわち工具本体12の先端部における横切れ
刃18の高さ位置については、工具本体12を軸心まわ
りに回転させるだけで高さ調整を行うことができ、敷き
金等を用いて高さ調整する場合に比較して作業が容易と
なる。
【0017】また、丸バイト10は、切屑誘導溝16が
螺旋状に設けられているため、従来のように一直線方向
に切屑誘導溝が形成されている場合に比較して切屑が連
続して巻き易くなり、比較的切削速度が速い場合でも良
好な切屑処理性能が得られるようになる。
螺旋状に設けられているため、従来のように一直線方向
に切屑誘導溝が形成されている場合に比較して切屑が連
続して巻き易くなり、比較的切削速度が速い場合でも良
好な切屑処理性能が得られるようになる。
【0018】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、前述の実施例と共通する部分については同じ符号を
付して説明を省略する。
お、前述の実施例と共通する部分については同じ符号を
付して説明を省略する。
【0019】図3に示す丸バイト30は、前記丸バイト
10と同様に、円柱形状の工具本体32と、刃物台に把
持される円柱形状のシャンク34とを同軸上に一体に備
えており、工具本体32の外周面には、前記切屑誘導溝
16および前記横切れ刃18が設けられている。丸バイ
ト10と異なる点は、シャンク34に切屑誘導溝16と
同じリードで工具位置決め溝36が設けられていること
にある。この工具位置決め溝36は、図4の断面図に示
すように、切屑誘導溝16と略同じ断面形状を有すると
ともに、シャンク34が刃物台の工具ホルダ38内に挿
入された状態において、工具軸心と直角な方向に螺合し
て配設されたセットスクリュウ40と係合させられるよ
うになっている。これら工具位置決め溝36とセットス
クリュウ40との係合により、工具本体32の軸心まわ
りの位相が一定の状態に位置決めされ、工具ホルダ38
から工具先端までの突き出し長さを一定にして固定すれ
ば、その工具先端における横切れ刃18の位相すなわち
切れ刃高さが常に一定の状態に保持される。これによ
り、再研磨後を含めて丸バイト30を工具ホルダ38に
装着する際の作業を一層容易且つ迅速に行えるようにな
る。セットスクリュウ40は位置決め部材に相当する。
10と同様に、円柱形状の工具本体32と、刃物台に把
持される円柱形状のシャンク34とを同軸上に一体に備
えており、工具本体32の外周面には、前記切屑誘導溝
16および前記横切れ刃18が設けられている。丸バイ
ト10と異なる点は、シャンク34に切屑誘導溝16と
同じリードで工具位置決め溝36が設けられていること
にある。この工具位置決め溝36は、図4の断面図に示
すように、切屑誘導溝16と略同じ断面形状を有すると
ともに、シャンク34が刃物台の工具ホルダ38内に挿
入された状態において、工具軸心と直角な方向に螺合し
て配設されたセットスクリュウ40と係合させられるよ
うになっている。これら工具位置決め溝36とセットス
クリュウ40との係合により、工具本体32の軸心まわ
りの位相が一定の状態に位置決めされ、工具ホルダ38
から工具先端までの突き出し長さを一定にして固定すれ
ば、その工具先端における横切れ刃18の位相すなわち
切れ刃高さが常に一定の状態に保持される。これによ
り、再研磨後を含めて丸バイト30を工具ホルダ38に
装着する際の作業を一層容易且つ迅速に行えるようにな
る。セットスクリュウ40は位置決め部材に相当する。
【0020】図5および図6に示す丸バイト50は、工
具本体52に工具軸心を中心として対称的に一対の切屑
誘導溝56a,56bおよび一対の横切れ刃58a,5
8bが設けられた2枚刃の例である。この場合には、一
方の横切れ刃58aの切れ味が悪くなったときには工具
本体52を180゜回転させて他方の横切れ刃58bに
より切削を行い、双方共に再研磨が必要となった時点で
再研磨を実施すればよいため、トータル工具寿命が2倍
になる。
具本体52に工具軸心を中心として対称的に一対の切屑
誘導溝56a,56bおよび一対の横切れ刃58a,5
8bが設けられた2枚刃の例である。この場合には、一
方の横切れ刃58aの切れ味が悪くなったときには工具
本体52を180゜回転させて他方の横切れ刃58bに
より切削を行い、双方共に再研磨が必要となった時点で
再研磨を実施すればよいため、トータル工具寿命が2倍
になる。
【0021】図7に横断面を示す丸バイト70は、前記
丸バイト50と同様に、工具本体72に工具軸心を中心
として対称的に一対の切屑誘導溝76a,76bおよび
一対の横切れ刃78a,78bが設けられた2枚刃の例
であるが、工具本体72の直径寸法d1が横切れ刃78
a,78bの直径寸法d2よりも大径で、その工具本体
72そのものがシャンクとしても機能するようになって
いる。かかる丸バイト70においては、工具ホルダから
の工具本体72の突き出し長さを自在に調整することが
可能となり、びびり振動等を効果的に防止できるととも
に、切屑誘導溝76a,76bの横断面における円弧長
さが工具本体72と横切れ刃78a,78bとの直径差
に対応して延長されるため、その切屑誘導性能およびコ
イル形状への成形性能が一層高められる。また、切屑誘
導溝76a,76bを工具位置決め溝として利用し、前
記セットスクリュウ40等の位置決め部材との係合によ
り丸バイト70を位置決めすることもできる。なお、リ
ードが等しい工具位置決め溝を別に設けることも可能で
ある。
丸バイト50と同様に、工具本体72に工具軸心を中心
として対称的に一対の切屑誘導溝76a,76bおよび
一対の横切れ刃78a,78bが設けられた2枚刃の例
であるが、工具本体72の直径寸法d1が横切れ刃78
a,78bの直径寸法d2よりも大径で、その工具本体
72そのものがシャンクとしても機能するようになって
いる。かかる丸バイト70においては、工具ホルダから
の工具本体72の突き出し長さを自在に調整することが
可能となり、びびり振動等を効果的に防止できるととも
に、切屑誘導溝76a,76bの横断面における円弧長
さが工具本体72と横切れ刃78a,78bとの直径差
に対応して延長されるため、その切屑誘導性能およびコ
イル形状への成形性能が一層高められる。また、切屑誘
導溝76a,76bを工具位置決め溝として利用し、前
記セットスクリュウ40等の位置決め部材との係合によ
り丸バイト70を位置決めすることもできる。なお、リ
ードが等しい工具位置決め溝を別に設けることも可能で
ある。
【0022】一方、本発明による丸バイトの切屑処理性
能を確かめるため、表1に示す仕様の本発明品を用い
て、表2に示す切削条件で銅およびアルミニウムに切削
加工を行ったところ、何れの場合も切屑はコイル状に連
続して略一定方向へ排出され、良好な切屑処理性能が得
られた。
能を確かめるため、表1に示す仕様の本発明品を用い
て、表2に示す切削条件で銅およびアルミニウムに切削
加工を行ったところ、何れの場合も切屑はコイル状に連
続して略一定方向へ排出され、良好な切屑処理性能が得
られた。
【表1】
【表2】
【0023】以上、本発明の幾つかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施する
こともできる。
づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施する
こともできる。
【0024】例えば、前述した各実施例において、切屑
誘導溝の数や横切れ刃の直径、或いは溝のねじれ角、ね
じれ方向、溝底直径等は適宜変更され得、求められる切
削性能に応じて任意に設定され得る。
誘導溝の数や横切れ刃の直径、或いは溝のねじれ角、ね
じれ方向、溝底直径等は適宜変更され得、求められる切
削性能に応じて任意に設定され得る。
【0025】また、前記図2に切削状態を示す第1実施
例では、丸バイト10が送り方向に対して略直角に交差
する姿勢で切削を行うようになっていたが、工具軸心が
送り方向と斜めに交差する姿勢で送り移動させられて
も、良好な切削および切屑処理が可能であれば差し支え
ない。
例では、丸バイト10が送り方向に対して略直角に交差
する姿勢で切削を行うようになっていたが、工具軸心が
送り方向と斜めに交差する姿勢で送り移動させられて
も、良好な切削および切屑処理が可能であれば差し支え
ない。
【0026】また、前記図3および図4の第2実施例で
は、切屑誘導溝16と略同じ断面形状の工具位置決め溝
36が設けられていたが、切屑誘導溝16と異なる断面
形状でもよいし、リードさえ同一であれば位相がずれて
いても差し支えない。
は、切屑誘導溝16と略同じ断面形状の工具位置決め溝
36が設けられていたが、切屑誘導溝16と異なる断面
形状でもよいし、リードさえ同一であれば位相がずれて
いても差し支えない。
【0027】また、上記第2実施例では、位置決め部材
として1本のセットスクリュウ40が用いられていた
が、複数本のセットスクリュウ40が用いられてもよい
し、工具位置決め溝に係合可能であれば、どのような形
態の位置決め部材が用いられても良い。
として1本のセットスクリュウ40が用いられていた
が、複数本のセットスクリュウ40が用いられてもよい
し、工具位置決め溝に係合可能であれば、どのような形
態の位置決め部材が用いられても良い。
【0028】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図1】本発明の一実施例である丸バイトの正面図であ
る。
る。
【図2】図1の丸バイトによる被工作物の切削状態を簡
略に示す斜視図である。
略に示す斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例を示す正面図である。
【図4】図3の丸バイトが工具ホルダ内で位置決めされ
る状態を説明する断面図である。
る状態を説明する断面図である。
【図5】本発明の更に別の実施例を説明する図で、丸バ
イトの先端部を示す正面図である。
イトの先端部を示す正面図である。
【図6】図5の丸バイトを工具軸心方向の先端側から見
た図である。
た図である。
【図7】本発明の更に別の実施例を説明する図で、丸バ
イトの軸心に直角な断面図である。
イトの軸心に直角な断面図である。
10,30,50,70:丸バイト 12,32,52,72:工具本体 16,56a,56b,76a,76b:切屑誘導溝 18,58a,58b,78a,78b:横切れ刃 20:被工作物 22:切屑 34:シャンク 36:工具位置決め溝 38:工具ホルダ 40:セットスクリュウ(位置決め部材)
Claims (3)
- 【請求項1】 軸心まわりに回転駆動される被工作物に
対し、該被工作物の軸心と平行な送り方向へ相対移動さ
せられることにより切削加工を行うバイトであって、 円柱形状の工具本体と、 該工具本体の外周面に一定のねじれ角で螺旋状に設けら
れた切屑誘導溝と、 該切屑誘導溝をすくい面として該切屑誘導溝に沿って設
けられた横切れ刃とを有し、工具軸心が前記送り方向と
交差する姿勢で該送り方向へ相対移動させられることに
より、前記工具本体の先端部分で前記横切れ刃により前
記被工作物に切削加工を行うことを特徴とする丸バイ
ト。 - 【請求項2】 前記工具本体は、円柱形状のシャンクを
同軸上に備えているとともに、該シャンクには、前記切
屑誘導溝と同じリードで工具位置決め溝が形成されてお
り、該工具位置決め溝が工具ホルダに設けられた位置決
め部材と係合させられることにより、軸心まわりの位相
が一定の状態で該工具ホルダに取り付けられる請求項1
に記載の丸バイト。 - 【請求項3】 前記工具本体は前記横切れ刃の直径寸法
より大径で、該工具本体そのものがシャンクとしても機
能する請求項1または2に記載の丸バイト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23263893A JPH0788706A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 丸バイト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23263893A JPH0788706A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 丸バイト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0788706A true JPH0788706A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=16942442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23263893A Pending JPH0788706A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 丸バイト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0788706A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007051344A1 (fr) * | 2005-10-31 | 2007-05-10 | Shiqing Li | Outil de coupe helicoidal multi-niveaux |
JP2015213992A (ja) * | 2014-05-09 | 2015-12-03 | 株式会社豊田中央研究所 | 切削工具および切削方法 |
JP6835194B1 (ja) * | 2019-12-12 | 2021-02-24 | 株式会社タンガロイ | 穴あけ工具 |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP23263893A patent/JPH0788706A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007051344A1 (fr) * | 2005-10-31 | 2007-05-10 | Shiqing Li | Outil de coupe helicoidal multi-niveaux |
JP2015213992A (ja) * | 2014-05-09 | 2015-12-03 | 株式会社豊田中央研究所 | 切削工具および切削方法 |
JP6835194B1 (ja) * | 2019-12-12 | 2021-02-24 | 株式会社タンガロイ | 穴あけ工具 |
JP2021091062A (ja) * | 2019-12-12 | 2021-06-17 | 株式会社タンガロイ | 穴あけ工具 |
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