JPH078850B2 - ペンタエリスリト−ル−テトラキス(3−アルキルチオ−プロピオネ−ト)の製造方法 - Google Patents

ペンタエリスリト−ル−テトラキス(3−アルキルチオ−プロピオネ−ト)の製造方法

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JPH078850B2
JPH078850B2 JP61217961A JP21796186A JPH078850B2 JP H078850 B2 JPH078850 B2 JP H078850B2 JP 61217961 A JP61217961 A JP 61217961A JP 21796186 A JP21796186 A JP 21796186A JP H078850 B2 JPH078850 B2 JP H078850B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C323/00Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups

Description

【発明の詳細な説明】 (a)発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明はペンタエリスリトール−テトラキス(3−アル
キルチオ−プロピオネート)の製造方法に関する。
(従来の技術) ペンタエリスリトール−テトラキス(3−アルキルチオ
−プロピオネート)は、ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂
等のプラスチックの耐熱劣化性や銅害防止性を高める改
質剤として知られている。そして、従来、その製造方法
としては、α−オレフィンにβ−メルカプトプロピオン
酸又はそのエステルを反応させてから得られる3−アル
キルチオプロピオン酸にペンタエリスリトールを反応さ
せる方法が知られていた(特開昭54−59225号公報、特
公昭55−39249号公報、特公昭55−41654号公報)。しか
し、この方法は、n−アルキル体のみならずイソ−アル
キル体も同時に生成し、そのイソ−体を含む混合体は大
幅な融点低下をもたらす。また、n−体の分離はコスト
を大幅に増加させる。
また、米国特許第3,758,579号明細書には、アルキルメ
ルカプタンを原料とする3−アルキルチオプロピオン酸
エステルの製造方法が記載されているが、具体的にはエ
チレングリコールでエステル化させた一例が記載されて
いるのみである。そして、同号証にはペンタエリスリト
ール・テトラキス(3−アルキルチオプロピオネート)
の1種であるペンタエリスリトール−テトラキス(3−
n−ドデシルチオ−プロピオネート)に関する言及があ
るにしても、それは単にペンタエリスリトール−テトラ
キス(3−n−ドデシルチオ−プロピオネート)の融点
が47〜49℃であると記載している程度のことである。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、アルキルメルカプタンを原料として、ペンタ
エリスリトールの四つのOH基のすべてをエステル化した
テトラキス(3−アルキルチオプロピオネート)を高収
率で、かつ高純度で製造する方法を提供しようとするも
のである。
(b)発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明のペンタエリスリトール−テトラキス(3−アル
キルチオ−プロピオネート)の製造方法は、炭素数8〜
30のアルキルメルカプタンとアクリル酸エステル又はア
クリル酸アミドとを反応させて3−アルキルチオープロ
ピオン酸エステル又は3−アルキルチオープロピオン酸
アミドとし、次いでその生成物を加水分解して3−アル
キルチオープロピオン酸とし、次いでこれにペンタエリ
スリトールを反応させることを特徴とする方法であり、
このペンタエリスリトール−テトラキス(3−アルキル
チオ−プロピオネート)は、一般式 (式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基である。) で表わされる化合物である。
本発明の製造方法を、(i)アルキルチオプロピオン酸製
造工程、(ii)アルキルチオプロピオン酸エステル化工
程、及び(iii)製品の晶析・過・乾燥工程の三つの工
程に分けて、以下に詳述する。
(i) アルキルチオプロピオン酸製造工程: この工程は、炭素数8〜30のアルキルメルカプタンに、
アクリル酸エステル又はアクリル酸アミドをアルカリ触
媒の存在下で反応させて、3−アルキルチオ−プロピオ
ン酸エステル又は3−アルキルチオープロピオン酸アミ
ドとし、次いでその生成物を加水分解して3−アルキル
チオープロピオン酸を得る工程である。その原料のアク
リル酸エステルとしては、メチルエステル、エチルエス
テル等の低級アルキルエステルが好ましい。
なお、アクリル酸エステル又はアクリル酸アミドの代り
にアクリロニトリルを用いて反応させたものを加水分解
することによっても3−アルキルチオープロピオン酸を
得ることができるが、加水分解の反応性及び3−アルキ
ルチオプロピオン酸の収率等の点からして、アクリル酸
エステル又はアクリル酸アミド、特にアクリル酸アミド
を反応させる方法が好ましいのである。
この付加反応及び加水分解反応は、無溶媒下でも反応が
可能であるが、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン
等の不活性溶媒を反応溶媒として用いるのが好ましい。
付加反応用のアルカリ触媒としては、ナトリウムメチラ
ート、苛性ソーダ、苛性カリ等が使用される。付加反応
割合は、アクリル酸アミド又はアクリル酸エステルを、
アルキルメルカプタンに対して当モル比よりもやや過剰
に使用するのが望ましく、好ましい同反応モル比は1.00
5〜1.1である。反応溶媒は、前述のように必須ではない
が、トルエンの場合についていえば原料アルキルメルカ
プタンに対してトルエンが重量比で2/1〜1/2の範囲が好
ましい。
付加反応方法は、たとえばアルキルメルカプタン、苛性
ソーダ等のアルカリ触媒及びトルエンなどの反応溶媒を
混合した混合溶液を所定の温度、好ましくは60〜95℃の
温度に加熱し、攪拌しながら、これにアクリル酸アミド
又はアクリル酸エステルの水溶液を滴下し、その滴下終
了後さらに同温度で所定の時間反応させる。その滴下に
要する時間は反応のコントロール上重要であり、反応器
の冷却能力等によっても異なるが、通常は3〜5時間程
度である。また、滴下終了後の反応時間は2〜4時間程
度が好ましい。触媒の使用割合は、苛性ソーダの場合に
例をとれば、アルキルメルカプタンに対して0.2〜2.0重
量%、好ましくは0.5〜1.0重量%である。
付加反応終了後の反応生成液を加水分解処理すれば3−
アルキルチオープロピオン酸が得られる。すなわち、前
記の付加反応生成液に加水分解触媒として塩酸、硫酸等
の酸触媒の水溶液を添加し、望ましくは付加反応時に添
加した共沸剤としての作用を有する反応溶媒(トルエン
等)の存在下に、80〜120℃の温度で加水分解処理をす
る。その触媒の使用割合は、硫酸(62.5%)の場合に
は、3−アルキルチオープロピオン酸アミド又は3−ア
ルキルチオープロピオン酸エステルに対して0.6〜3.0、
好ましくは1.0〜2.0であり、塩酸の場合には同モル比で
1.2〜3.0、好ましくは1.5〜2.5である。
加水分解の反応系には、必要に応じて加水分解反応を円
滑に行なわせるために、界面活性剤を添加することがで
きる。その界面活性剤としては、一般的な工業用界面活
性剤を使用することができるが、特にアルキルベンゼン
スルホン酸ソーダや第四級アンモニウム塩等が好まし
い。界面活性剤の添加量は、3−アルキルチオープロピ
オン酸アミド又は3−アルキルチオープロピオン酸エス
テルに対して1.5重量%以下、好ましくは0.5〜1.0重量
%である。硫酸触媒を使用する場合には界面活性剤の添
加効果が特に大きい。
加水分解の反応時間は、通常8〜20時間程度である。加
水分解反応は、反応の進行につれて酸触媒の濃度が低下
し、、反応速度が低下してくるので、反応の途中で適宜
に酸触媒の入替えをするのが、反応時間の短縮を図るう
えで望ましい。たとえば、硫酸触媒を用いる加水分解反
応においては、加水分解開始後3〜4時間経過した時
点、すなわち加水分解率が60〜70%に達した時点で第1
回目の硫酸触媒の入替えをし、さらに加水分解率が90%
程度に達した時点で第2回目の硫酸触媒の入替えをす
る。かかる硫酸触媒の入替えは、反応液を静置して分離
する硫酸層を反応系外に抜き出してから、新たな硫酸触
媒を反応系に添加する方法により行なうことができる。
かかる硫酸触媒の入替えに使用する新たな硫酸触媒も、
濃度50〜70重量%程度の硫酸が好ましい。
加水分解反応は極めて重要であり、充分に加水分解を行
なわせる必要がある。加水分解反応が不充分であると、
次のエステル化工程及び晶析・過工程において操作上
の種々のトラブルの原因となる。加水分解終了後は、反
応液中の未反応物、無機塩、触媒、界面活性剤等を除く
ために、水洗又は湯洗を行なう。必要な水洗又は湯洗の
回数は、使用水量、温度及び攪拌等の条件によっても異
なってくるから、水洗後の水相のpHがほぼ中性になるこ
とを目安にする。
(ii) アルキルチオプロピオン酸のエステル化工程: この工程は、ペンタエリスリトールを前記(i)の工程で
得られた3−アルキルチオープロピオン酸で完全に中和
する工程である。このエステル化反応は、前工程におい
て使用した反応溶媒(たとえばトルエン)を除去してか
ら行なってもよいが、その反応溶媒の除去は必須ではな
い。3−アルキルチオープロピオン酸とペンタエリスリ
トールとの混合割合は、ペンタエリスリトール1モルに
対して前記の酸を4.0〜4.4モルとするのが好ましい。こ
の範囲外で混合して反応させることも可能であるが、そ
の場合にはいずれかの未反応物の割合が多くなったり、
目的のテトラキス−エステル化物の収率低下等の不利が
生ずる。
エステル化反応には、一般的なエステル化用の酸触媒、
たとえば硫酸、トルエンスルホン酸やベンゼンスルホン
酸等の各種のスルホン酸類、強酸性イオン交換樹脂など
が用いられるが、特にパラトルエンスルホン酸が最も好
ましい。パラトルエンスルホン酸の使用量は、アルキル
チオプロピオン酸に対して0.2〜5重量%、好ましくは
2〜3重量%である。
このエステル化反応は可逆反応であり、生成する水を系
外に除去することが反応を進行させる上で重要である。
そのために、この反応は、望ましくはトルエンなどの共
沸剤の存在下において、共沸剤と水が共沸混合物となっ
て留出する条件で行なわせるようにする。前工程におい
て、反応溶媒としてトルエンなどを使用した場合には、
残存する反応溶媒を共沸剤としての作用をせしめること
ができる。エステル化反応の温度は100〜140℃の範囲内
が好ましく、圧力は常圧でもよいが、若干の減圧が好ま
しい。
エステル化反応の完結は、水の留出がなくなることによ
っても確めることが可能であるが、通常は反応液をサン
プリングし、液体クロマトグラフィ分析によりトリス体
が消失したことを確める方法を用いるのが望ましい。エ
ステル化反応の終了後は、アルカリ洗浄、次いで水洗又
は湯洗を行なって触媒を完全に除去する。
(iii) 製品の晶析・過・乾燥工程: 水洗又は湯洗後の前記のエステル化反応生成物は、次い
で減圧蒸留等によって反応溶媒(トルエン等)を除く。
かくして得られる生成物は粗ペンタエリスリトール−テ
トラキス(3−アルキルチオ−プロピオネート)(本明
細書ではこれを単に「粗製品」ということがある。)で
あるから、これにイソプロパノール又はイソプロパノー
ルを主成分とする混合溶媒を加えて、30〜75℃に加熱
し、溶解させる。イソプロパノールを主成分とする混合
溶媒としては、たとえばイソプロパノールを50重量%以
上含有するイソプロパノールとメタノール、エタノー
ル、ブタノール等との混合溶媒が使用される。溶媒の使
用量は、イソプロパノールの場合についていえば、粗製
品に対して2〜3倍量である。
イソプロパノール又はイソプロパノールを主成分とする
混合溶媒に溶解された粗製品の溶液は、次いで35℃以
下、好ましくは5〜30℃に冷却して、製品のペンタエリ
スリトール−テトラキス(3−アルキルチオ−プロピオ
ネート)を晶析させる。なお、溶媒に溶解する粗製品の
脱水が不充分であると、結晶化の支障となるから、粗製
品は充分に脱水しておく必要がある。
また、白色度の高い製品を得ようとする場合には、粗製
品の溶液に活性炭粉末を加えて脱色処理をし、活性炭を
別して得られた溶液から晶析を行なわせる。
晶析により析出した結晶は、次いで遠心分離機等を用い
て母液と分離し、さらに必要に応じてその結晶をイソプ
ロパノール等の溶媒を用いて洗浄する。その結晶分離後
の母液及び洗浄液は蒸留により溶媒を回収するととも
に、溶媒回収後の釜残渣は、なお相当量の製品及び3−
アルキルチオープロピオン酸等が含有されているから、
エステル化工程にリサイクルして反応に有利する。ま
た、溶媒回収後の釜残渣は、別途ペンタエリスリトール
を加えて反応させ、さらに溶媒に溶解して晶析を行なっ
て製品として回収することも可能である。
母液と分離された製品結晶は乾燥すれば目的の製品とな
る。その乾燥には流動乾燥、特に加熱を用いない流動乾
燥が好ましい。
次に、本発明の製造方法の実施に使用される装置を概略
図で示した添付図面(フローシート)にもとづき、本発
明の実施態様例について詳述する。
添付図面において、まず原料のアルキルメルカプタンは
導管1を経て、予め反応溶媒のトルエンが所定量仕込ま
れた反応器A1に、所定量供給される。導管4を経てN2
スを反応器A1に導入するとともに、反応器A1の内容物を
75〜85℃に加熱する。次いで、導管3を経て40重量%の
アクリルアミド水溶液を滴下しながら、かつ反応器A1
内温を80〜85℃にコントロールしながら反応させる。ア
クリルアミド水溶液の滴下終了後、さらに同温度で所定
時間反応を続ける。この全反応期間中、反応器A1内は攪
拌を継続する。この反応によって3−アルキルチオープ
ロピオン酸アミドが生成する。
次いで、反応器A1内の反応生成物を導管5を経て反応器
A2に移し、導管6より所定量の硫酸を供給し、100℃程
度の温度に加熱・攪拌しながら加水分解反応を行なわせ
る。この場合に、必要に応じて導管7を経てアルキルベ
ンゼンスルホン酸ソーダのような界面活性剤を添加する
ことができる。反応開始2〜3時間後に、一旦攪拌を停
止して内容物を静置し、分離した硫酸層を抜き出してか
ら、導管6を経て新たに所定量の硫酸を添加して、さら
に同一条件で反応を継続する。なお、反応器A2は反応器
A1を以て共用することも可能である。
次いで、反応器A2の反応生成物を導管5を経て反応器A3
に移し、導管9を経て水又は温湯を供給し、水洗又は湯
洗する。なお、反応器A3は反応器A1又は反応器A2を以て
共用することも可能である。
次いで、反応器A3の内容物を導管10を経て反応器A4に移
し、導管11より所定量のペンタエリスリトールを供給す
る。また必要に応じて、反応器A4内には、後述する製品
結晶分離後の母液から溶媒を回収した後の蒸留器の釜残
渣を導管13を経て供給(リサイクル)しておくことがで
きる。反応器A4には、さらに導管12を経てエステル化触
媒(たとえばパラトルエンスルホン酸)を所定量供給し
てから、内容物を攪拌下に100〜135℃に加熱しながら、
還流下に反応させる。この際に、反応器A4内で発生する
蒸気(トルエン及び水の混合蒸気)は導管14を経てコン
デンサーBに達し、そこで冷却されて凝縮した水は導管
14″を経て系外に排出されるとともに、同様に凝縮した
トルエンは導管14′を経て反応器A4内に還流する。この
エステル化反応の終点は、反応液を適宜にサンプリング
して、液体クロマトグラフィで分析し、トリス体が消失
したことを確めることにより確認する。
次いで、エステル化反応完結後の反応器A4内の反応生成
物は、導管15を経て反応器A5に移し、導管16より水又は
温湯を供給して水洗又は湯洗し、その洗浄水(湯)を導
管18より排出してから、反応器A5の内圧を100mmHg程度
の減圧にして、反応溶媒のトルエンを留去して除く。
次いで、反応器A5内に所定量のイソプロパノール(又は
イソプロパノールを主成分とする混合溶媒)を加え、30
〜75℃に加熱・攪拌して内容物を溶解する。さらに、脱
色のために、導管17を経て所定量の活性炭粉末を供給
し、攪拌混合しながら所定時間放置する。次いで、反応
器A5内の内容物は導管19を経てフィルターCに供給さ
れ、活性炭を別したのち結晶槽Dに移送される。な
お、反応器A5は反応器A4を以て共用することができる。
結晶槽Dに移された前記の溶液は5〜30℃に冷却され
て、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−アルキル
チオ−プロピオネート)の結晶を析出する。この析出に
要する時間は、通常3〜5時間である。結晶槽D内で析
出した結晶は母液とともに導管20を経て遠心分離機Eに
供給され、結晶を分離する。分離された結晶は乾燥器G
において乾燥されて製品のペンタエリスリトール−テト
ラキス(3−アルキルチオ−プロピオネート)として取
出される。また、遠心分離器Eにおいて分離された母液
は、導管21を経て蒸留器Fに供給され、イソプロパノー
ル等の溶媒は導管22より回収され、溶剤回収後の釜残渣
は、原料の3−アルキルチオープロピオン酸やトリスエ
ステル体等を含有しているから、導管13を経て反応器A4
にリサイクルされ、反応に利用できるのは前述のとおり
である。なお、蒸留器Fの釜残渣は、別途ペンタエリス
リトールと反応させてから、溶媒溶液より晶析して製品
に仕上げることも可能である。
(実施例) 以下に実施例をあげてさらに詳述する。
実施例1 攪拌機付きの容量5Eの三つ口フラスコにドデシルメ
ルカプタン808g、苛性ソーダ86g、及びトルエン620gの
混合物を入れ、80℃に加熱した。次いで、これにアクリ
ルアミド287gを水に溶解した濃度40重量%の水溶液を、
フラスコ内を攪拌し、かつ80±5℃に保ちながら、4時
間を要して滴下した。滴下終了後、さらに液温を85℃に
保って攪拌しながら3時間反応させた。
次いで、その反応生成物に濃度62.5重量%の硫酸360cc
及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ8gを加え、攪拌
下で100℃に保持して20時間反応させた。反応終了後に
油分を分離し、70℃の温水1000ccで5回洗浄した。
次いで、その洗浄後の油分にペンタエリスリトール130
g、及びパラトルエンスルホン酸24gを加え、100〜130℃
の温度に加熱して共沸還流下に脱水しながら24時間反応
させた。反応終了後に、生成物を室温に冷却し、70℃の
温水1000ccで3回洗浄してから、トルエンを蒸留して回
収した。トルエン回収後の残分にイソプロパノール2900
gを加え、70℃に加熱して溶解したのち、20℃に冷却し
て12時間保ち、析出した結晶を別し、常温の空気を用
いて流動乾燥し、生成物1093gを得た。
この生成物は、融点が51.2〜51.9℃であり、液体クロマ
トグラフィ〔カラムにはFine−pak−Gel(日本分光株式
会社商品名)を使用した〕により分析をしたところ、ペ
ンタエリスリトール−テトラキス(3−n−ドデシルチ
オ−プロピオネート)の純度が99.7%であった。また、
原料のドデシルメルカプタンに対する製品の収率は75%
であった。
実施例2 実施例1におけるアクリルアミド287gに代えて、アクリ
ル酸メチル287gを使用し、それ以外は実施例1と同様に
して反応させ、同様に精製を行なった。その目的物の収
率は、原料のドデシルメルカプタンに対して72%であっ
た。
(c)発明の効果 本発明の製造方法は、アルキルメルカプタンを原料にし
て、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−アルキル
チオ−プロピオネート)を容易に高純度で、かつ高収率
で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、本発明の実施態様例を示すフローシートで
あり、その装置は概略図で示されている。図中のA1〜A5
はいずれも反応器であり、Bはコンデンサー、Cはフィ
ルター、Dは結晶槽、Eは遠心分離機、Fは蒸留器、G
は乾燥器をそれぞれ示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 (72)発明者 皆藤 光雅 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化フ ァイン株式会社開発研究所内 (72)発明者 森 彰一郎 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数8〜30のアルキルメルカプタンとア
    クリル酸エステル又はアクリル酸アミドとを反応させて
    3−アルキルチオープロピオン酸エステル又は3−アル
    キルチオープロピオン酸アミドとし、次いでその生成物
    を加水分解して3−アルキルチオ−プロピオン酸とし、
    次いでこれにペンタエリスリトールを反応させることを
    特徴とする一般式 (式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基である。) で表わされるペンタエリスリトール−テトラキス(3−
    アルキルチオ−プロピオネート)の製造方法。
  2. 【請求項2】炭素数8〜30アルキルメルカプタンとアク
    リル酸エステル又はアクリル酸アミドとの反応を、アル
    カリ触媒の存在下に60〜95℃の温度で行なわせる特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】3−アルキルチオープロピオン酸エステル
    又は3−アルキルチオープロピオン酸アミドの加水分解
    を、酸触媒の存在下に80〜120℃の温度で行なわせる特
    許請求の範囲第1項又は第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】3−アルキルチオープロピオン酸とペンタ
    エリスリトールとの反応を、酸触媒の存在下に100〜140
    ℃の温度で行なわせる特許請求の範囲第1項、第2項又
    は第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】製品のペンタエリスリトール−テトラキス
    (3−アルキルチオ−プロピオネート)が、最終反応生
    成物から得られた粗製品のイソプロパノール又はイソプ
    ロパノールを主成分とする混合触媒溶液から晶析により
    結晶として回収される特許請求の範囲第1項、第2項、
    第3項又は第4項記載の方法。
JP61217961A 1986-09-18 1986-09-18 ペンタエリスリト−ル−テトラキス(3−アルキルチオ−プロピオネ−ト)の製造方法 Expired - Lifetime JPH078850B2 (ja)

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