JPH0788366B2 - エピクロルヒドリンの製造法 - Google Patents

エピクロルヒドリンの製造法

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JPH0788366B2
JPH0788366B2 JP16276886A JP16276886A JPH0788366B2 JP H0788366 B2 JPH0788366 B2 JP H0788366B2 JP 16276886 A JP16276886 A JP 16276886A JP 16276886 A JP16276886 A JP 16276886A JP H0788366 B2 JPH0788366 B2 JP H0788366B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2・3−ジクロル−1−プロパノールを石灰乳
でケン化してエピクロルヒドリンを製造する方法に関す
る。
〔従来の技術およひその欠点〕
エピクロルヒドリン(以下ECHという)は、従来アリル
クロライドのクロリヒドリン化によって得られる2・3
−ジクロル−1−プロパノールおよび1・3−ジクロル
−2−プロパノールの2種性の異性体混合物(以下ジク
ロル−プロパノールという)水溶液を、そのまま石灰乳
と混合し、棚段式の蒸留塔でスチームによりストリッピ
ングしながらケン化反応させ、塔頂より生成したエピク
ロルヒドリンを抜き出し、塔底から副生物のグリセリン
を廃液とともに排出させることにより製造されている。
しかし、上記ジクロル−プロパノールは濃度が低く、生
成したECHが蒸発しにくく、良好な選択率が得られな
い。そのためECHのストリッピングが充分行なわれるよ
うにするため、スチームkg/ECHkg=4〜8の大量のスチ
ームを必要とし、コスト高となる。さらに、ジクロル−
プロパノールは混合物であり、それぞれの成分のケン化
速度が異なるため、各成分に対して最適な反応条件が得
られない等の欠点がある。
本発明者は、先に欠点を解決するため、使用する石灰乳
とジクロル−プロパノール合計量の10〜15wt%のジクロ
ル−プロパノールと石灰乳とを、反応蒸留塔の同じ位置
に導入してケン化することにより、スチームkg/ECHkgが
1〜3.5のスチーム量で、ストリッピング効果を高め、
高選択率が維持出来る方法を提案した(特開昭60−2581
72)。
しかし、ジクロル−プロパノールの高濃度溶液特に2・
3−ジクロル−1−プロパノールの高濃度溶液を用いた
場合、これのケン化速度は比較的遅いため、2・3−ジ
クロル−1−プロパノールと水との共沸によって、未反
応の2・3−ジクロル−1−プロパノールがECH、水と
ともに蒸発して塔頂に移行して反応系外に出て反応しな
いため、反応率に限界を生ずる。
これを解決する方法として、反応蒸留塔のジクロループ
ロパノール供給位置より上部に石灰乳を供することが提
案されている(特開昭59−196880)。
この方法においては、ジクロル−プロパノール供給位置
より上部に、反応に必要な石灰乳を供給するので、水と
の共沸によって蒸発するジクロル−プロパノールは、Ca
(OH)と反応してECHとなるので、未反応の状態で系
外に出ることはない。しかし、その量は比較的少ないた
め、石灰乳中のCa(OH)濃度はあまり低下しない。そ
のため、ジクロループロパノールの供給される位置まで
降下する間の塔につまりが発生し易い。このため安定運
転をする事が困難である。さらに、発生したECHがCa(O
H)濃度の高い石灰乳と接触して塔頂に移行するの
で、加水分解を受け易く、選択率が低下する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上記の事情に鑑み、比較的ケン化速度の遅い2
・3−ジクロル−1−プロパノールの濃度の高い溶液を
用い、反応率、選択率が共に高く、水蒸気の消費量の少
ない、そして安定運転の可能となるECHの製造法を提供
することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記の目的を達成すべくなされたもので、その
要旨は、反応蒸留塔を用いて、使用する石灰乳と2・3
−ジクロル−1−プロパノールの合計重量に対して、10
〜50wt%の濃度の2・3−ジクロル−1−プロパノール
を蒸留塔に供給して、反応生成するエピクロルヒドリン
をスチームによってストリッピングさせるエピクロルヒ
ドリンの製造法において、2・3−ジクロル−1−プロ
パノール1モルに対して、0.05〜0.2モルのCa(OH)
を含有する石灰乳を2・3−ジクロル−1−プロパノー
ルの供給位置より上部に供給し、0.35〜0.6モルのCa(O
H)を含有する石灰乳を2・3−ジクロル−1−プロ
パノールと同じ供給位置に供給するエピクロルヒドリン
の製造法にある。
〔発明の具体的構成および作用〕
以下本発明の方法を説明する。
本発明の方法に使用される反応蒸留塔には、充填塔、多
孔板塔などがあるが、通常ダウンカマーを有する多孔板
塔が用いられ、下端より水蒸気が導入される。
2・3−ジクロル−1−プロパノール(以下2・3DCPL
という)をケン化するのに用いられるアルカリとして
は、生成したECHの加水分解が少ないためCa(OH)
用いられる。Ca(OH)の理論量は、2・3DCPL1モルに
対して1/2モルであるが、ケン化反応が充分行なわれる
ように、理論量の1.1〜1.5倍が用いられる。
また、反応蒸留塔に導入される2・3DCPLの濃度は、使
用される石灰乳の量および2・3DCPL量の合計の10〜50w
t%である。この濃度が10wt%未満では、スチームの使
用量が多くなって経済的に不利となり、50wt%を越える
と、石灰乳中のCa(OH)濃度が濃くなって取扱いが困
難となる。
また、2・3DCPLは全量反応蒸留塔の最上段よりやや下
方の段に所定の流速で、所定量の石灰乳とともに導入さ
れるが、その際、それぞれ別個に同じ段に供給しても、
或いは導入直前に合流混合して供給してもよい。この2
・3DCPLの導入される段より上の段には、2・3DCPLの導
入量1モルに対して0.05〜0.2モルのCa(OH)を含有
する石灰乳が導入される。また、上記2・3DCPLと共
に、2・3DCPL1モルに対して、0.35〜0.6モルのCa(O
H)を含有する石灰乳が導入される。
上記上部段に導入されるCa(OH)が2・3DCPL1モルに
対して0.05モル未満では、水と共沸する2・3DCPLを完
全にケン化することが出来ず、0.2モルを越えると未反
応のCa(OH)が多くなり、石灰乳がつまり易くなった
り、生成したECHがストリッピングされて塔頂に移行す
る過程で加水分解され易くなる。
また、2・3DCPLと共に供給するCa(OH)の量が2・3
DCPL1モルに対し、0.35モル未満では、2・3DCPL、上段
に供給するCa(OH)の量が多くなり、石灰濃度の濃い
部分が生じ、ECHの加水分解が速進され、0.6モルを越え
ると、石灰が過剰となって経済的でなくなる。
本発明の方法は、上記の構成となっているので、反応蒸
溜塔下端より吹込まれるスチームによって加熱され、水
と共沸する2・3DCPLは、上部段に供給される石灰乳に
よってケン化される。その場合、共沸する2・3DCPLの
量は比較的少ないが、上部段より供給されるCa(OH)
の量も少ないので、大部分のCa(OH)がケン化反応に
よって消費される。したがって蒸留反応塔内部にはCa
(OH)濃度の高い部分がなく、生成してストリッピン
グされたECHは、ほとんどが加水分解されることなく、
塔頂より放出される。
この水蒸気とECHの蒸気は冷却凝縮されるが、ECHは水に
殆ど溶解せず、ECHは下層の液として回収される。した
がって、転化率、選択率が共によくなり、消費するスチ
ーム量はECH1kg当り1〜3.5kgとなる。
〔実施例、比較例〕
次に実施例、比較例を示して本発明の方法を説明する。
用いた反応蒸留塔は、内径55mm、高さ1500mmのガラス製
の塔で、内部には、径1mmの孔が280個穿設され、深さ5m
mのダウンカマーを有する多孔板が100mm間隔に10枚設け
られた多孔板塔である。この塔の最下段の下側には、ス
チーム吹込みノズルが取付けられ、流量計を通して所定
量のスチームが供給出来るようになっている。また、最
上段には石灰乳が定量ポンプによって一定速度で供給す
る供給ノズルが設けられ、最上段から2段目には、定量
ポンプによってそれぞれ送られる石灰乳および2・3DCP
Lが合流混合される液供給ノズルが取付けられている。
また、塔頂には、留出液を冷却捕集するクーラーおよび
アキュムレータが取付けられ、塔底には500mlの丸底フ
ラスコが取付けられており、この丸底フラスコ中の液量
が40mlに保持されるように、定量ポンプを用いて連続的
に抜出されるようになっている。
実施例1 上記装置を使用し、最上段の供給ノズルからは、Ca(O
H)が9.5wt%の石灰乳77g/hrを導入し、最上段より2
段目の供給ノズルからは、同じ濃度の石灰乳300g/hrお
よび2・3DCPL85.3g/hrを供給しながら、スチーム吸込
ノズルからスチームを吹込んだ。また、塔底から流出す
る廃液を、丸底フラスコより抜出しながら、2時間運転
をして反応系を安定化させた。その後さらに1時間運転
を行ない、塔頂留出液と、丸底フラスコ内の液をサンプ
リングして分析した。その結果、2・3DCPLの転化率は9
7.5%、ECHの選択率は97.0%であった。また、ECH1kgに
対するスチームの消費量は2.0kgである。
但し、 比較例1 石灰乳の全量377g/hrおよび2・3DCPL85.3g/hrを最上段
に供給した他は実施例1と同じ操作によって反応蒸留、
サンプリングを行なった。その結果、2・3DCPLの転化
率は84.1%、ECHの選択率は97.1%、ECH1kgに対する消
費スチーム量は、2.0kgであった。
比較例2 石灰乳の全量377g/hrを最上段に供給し、2・3DCPL85.3
g/hrを最上段により2段目に供給した他は、実施例1と
同じ操作によって反応蒸留を行なった。その結果、この
運転においては最上段における石灰乳の流れが安定せず
運転が困難であった。
〔効果〕
以上述べたように本発明に係るECHの製造法は、転化
率、選択率が共によく、スチームの使用量も少なく、安
定した運転が可能で、従来の方法に比して極めて優れた
ものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応蒸留塔を用いて、使用する石灰乳と、
    2・3−ジクロル−1−プロパノールの合計重量に対し
    て、10〜50wt%の濃度の2・3−ジクロル−1−プロパ
    ノールを蒸留塔に供給して、反応生成するエピクロルヒ
    ドリンをスチームによってストッピングさせるエピクロ
    ルヒドリンの製造法において、2・3−ジクロル−1−
    プロパノール1モルに対して、0.05〜0.2モルのCa(O
    H)を含有する石灰乳を2・3−ジクロル−1−プロ
    パノールの供給位置より上部に供給し、2・3−ジクロ
    ル−1−プロパノール1モルに対して、0.35〜0.6モル
    のCa(OH)を含有する石灰乳を2・3−ジクロル−1
    −プロパノールと同じ供給位置に供給することを特徴と
    するエピクロルヒドリンの製造法。
JP16276886A 1986-07-10 1986-07-10 エピクロルヒドリンの製造法 Expired - Lifetime JPH0788366B2 (ja)

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