JPH0788176A - 強制排便装置 - Google Patents

強制排便装置

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JPH0788176A
JPH0788176A JP5261870A JP26187093A JPH0788176A JP H0788176 A JPH0788176 A JP H0788176A JP 5261870 A JP5261870 A JP 5261870A JP 26187093 A JP26187093 A JP 26187093A JP H0788176 A JPH0788176 A JP H0788176A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排便器具先端の肛門挿入時の苦痛を少なく
し、肛門に傷をつけず容易に挿入でき、腸内で先端が吸
盤状に開き糞隗をその中に吸着して包み込んで腸壁を保
護し、腸を傷つけずに糞隗の周囲から掻き崩して体外に
排泄することができる強制排便装置を提供する。 【構成】 肛門へ差し付けて着用する外径が伸縮可能な
筒形の挿入用補助具と、挿入用補助具を通して肛門へ差
し込み糞隗を解ぐして取り出し得るように、先端部を直
腸内で開拡可能に開閉し得るようにゴム状の薄膜で被覆
構成した可撓性管状の排便器具と、排便器具に糞隗を溶
解するための液体を送る液調装置とからなる。 【効果】 外径が伸縮可能な筒形の挿入用補助具を縮み
状態で肛門に差し付けてから開拡し、その中を通して排
便器具を挿入するので、患者に苦痛を与えたり肛門に損
傷を与えたりすることもなく、排便器具の先端を腸内に
容易に挿入することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、福祉医療において自力
で滞留便を排便できない老人や障害者の排便介護のため
の自動排便装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は介護者の技術にたよって、人の手
の指で掻き出していた。この方法では、直腸につまった
糞隗を排出するのに、肛門から直接手の指を入れて指で
糞隗をひっぱり出したため、もちろん手には汚染防止用
の手袋をはめて行うが、使用中に手袋が破れたりなどし
て手が汚染される問題があった。
【0003】また、肛門は大変弱い器官で、無理な力で
の拡張や強い摩擦により、患者への苦痛や傷による出血
がともなうため、介護技術の熟練が要求される。
【0004】このように排便の介護は、介護の仕事の中
でも最も嫌われる仕事の一つである上、経験者の指導に
よる技術習得や経験による慣れなどが必要になってく
る。
【0005】その上、社会的傾向として寝たきり老人な
どの排便介護を必要とする患者が増え続けており、看護
人の不足が深刻な問題となっている。
【0006】ところが、人の介護を必要としない排便機
械・器具に関しては、人体に有害とか、効果が顕著でな
いなどの問題で実用化に至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】大腸において小腸から
送られてきた廃棄物が腸壁のハウストラの運動により水
分を吸収されつつ、上行結腸、横行結腸、下行結腸を経
て直腸に糞隗として溜まる。この糞隗を体外へ排出する
ためには、腹圧で糞隗を押し出し肛門の括約筋を押し広
げて排出しなければならない。
【0008】ところが何らかの障害によって腹圧が無い
患者の糞隗は、括約筋の関門を通過することができず、
長い間大腸や直腸に溜まりがちなために、水分が吸収さ
れ、岩のように硬くなり、直腸に滞留する。
【0009】この糞隗は、生体に無害ないかなる溶媒で
も容易には溶けず、物理的刺激による方法も、人体に傷
をつける恐れがあるので、容易には利用できなかった。
そのため器具による排便は容易ではなかつた。
【0010】本発明は上記のような実情に鑑みて、排便
器具先端の肛門挿入時の苦痛を少なくし、肛門に傷をつ
けず容易に挿入でき、腸内で先端が吸盤状に開き糞隗を
その中に吸着して包み込んで腸壁を保護し、腸を傷つけ
ずに糞隗の周囲から掻き崩して体外に排泄することがで
きる器具と、それを便利に容易に使用するための自動排
便装置を提供することを目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の自動排便装置は、まず第1に苦痛を少な
くし、肛門に傷をつけずスムーズな挿入をするために、
挿入補助具を排便器具の先端に組み付けた。
【0012】挿入補助具は、可撓性シート1の円周方向
に沿って内部に複数個のシリンダー2を埋め込むことに
より、外部にシリンダーの突起を出す事がなく、かつ円
筒部の肉厚も薄くなるため、挿入がよりスムーズにな
る。ホース5から流体を流し入れることによりシリンダ
ー2に圧力が加わり、図4、図5のごとく円筒径が広が
る。また肛門の奥に入り込んで抜けなくなることを防止
するために、鍔3を付けた構造とした。
【0013】組み付けの方法は、図12のごとく先端に
Oリングの付いたゴム状円筒薄膜54を排便器具の先端
にかぶせ、末端は溶着等により接着し、Oリングの付い
た方は挿入補助具の内側を通し、外側で止める構造とし
た。
【0014】第2には、腸内を傷つけることなく糞隗を
掻き崩し体外へ排泄させるために、排便器具の先端は、
挿入時は先端の2本の骨格部材10、12が細く折り畳
まれた状態で容易に挿入でき、腸内挿入後においては、
図6の状態のものは、内部の円筒状可撓管17を引っ張
ることによつて、また、図7の状態のものは、内部の円
筒状可撓管17を押し出すことによって、図8のごと
く、各骨格部材10、12と両方の円筒状可撓管16、
17の先端との間に隙間無くゴム状の薄膜18を貼りめ
ぐらした骨格部材10、12が吸盤状に開く。さらに図
11に示す構造のものは、内部に流体を流すための中空
構造の円筒状可撓管20と蝶番13aと骨格部材10a
と、骨格部材10aに突起した流体噴射ノズル21を複
数個取り付けた構造とした。
【0015】また、請求項3の骨格部材10に複数個取
り付けた突起物および、請求項4の骨格部材10aに複
数個取り付けた突起した流体噴射ノズルの形状には、鋸
歯状、円柱状、角柱状、円錐状、角錐状のものを用いる
と良い。
【0016】排便処理の自動化を図るため、ピストン駆
動するシリンダーを内部の円筒状可撓管に取付け動力と
した。送排装置の動力は、次の二通りの構造を採用し
た。 (1)送液ポンプを使用する構造とした。 (2)内部の円筒状可撓管に取り付けたピストン駆動す
るシリンダーの動力を利用する構造とした。
【0017】洗浄液のリサイクルを図るため、一つの槽
を汚物を通さない濾過フィルターで分離し、汚物をため
る沈澱槽と洗浄液を送る濾過槽に分ける構造とした。
【0018】汚物の後処理の簡便化と衛生化を図るた
め、沈澱槽の底を逆円錐形に加工しシャッター60を取
り付け、その下に熱溶着器66を取付け、この熱溶着器
66に水溶性容器を入れたポリ袋を取り付け、リフト6
4の上に置く構造とした。
【0019】
【作用】上記のごとく構成された自動排便装置は、径の
小さい状態で挿入補助具を無理なく肛門に挿入し、挿入
後シリンダーに適度の圧力を加えながら円筒の径を広げ
ることにより、肛門をむりなくゆるやかに排便器具の先
端が入る大きさに広げることができるので、患者に大き
な苦痛も損傷も与えずに排便器具の先端を腸内に挿入す
ることができ、且つこの補助具が肛門を保護するため、
挿入時に排便器具の先端で肛門を傷つけることがない。
【0020】また、図13のごとく、圧力センサを取り
付け、シリンダーに加圧する圧力装置と連動させること
によって、排便器具の先端を押し込む力が設定値を超え
るとシリンダーが加圧され、挿入補助具の径が(押し込
む力の設定値以下になるまで)広がり、安定した力で、
且つ肛門には最小限の負担で、排便器具の先端を腸内に
挿入することができる。
【0021】そして、腸内の排便器具の先端は、先端が
吸盤状に開いた状態において、貼りめぐらしたゴム状薄
膜18で密封されるので、内部の円筒状可撓管17から
吸引することで糞隗をこの器具の先端に包み込むように
吸着させることができる。ノズル21からお湯等を糞隗
に噴射し、その圧力と溶解力によって糞隗を軟化させ、
さらに円筒状可撓管20に取り付けたシリンダーのピス
トン駆動により、ノズル21が指の爪で引掻くように駆
動して糞隗を掻き崩し、お湯等に溶かして円筒状可撓管
20の内側から体外へ吸引排泄させるため、腸壁等に害
を与えることはない。
【0022】送排装置の動力は、送液ポンプを使用する
構造、あるいは内部の円筒状可撓管に取り付けたピスト
ン駆動するシリンダーの動力を利用する構造としたた
め、一つの原動力を制御することで駆動することができ
る。
【0023】一つの槽を汚物を通さない濾過フィルター
で分離して、汚物をためる沈澱槽と洗浄液を送る濾過槽
にした構造のため、汚物は沈澱槽に溜まり、洗浄液は濾
過され浄化して濾過槽に移動する。
【0024】沈澱槽の底を逆円錐形に加工しシャッター
60を取り付け、その下に熱溶着器66を取り付け、こ
の熱容着器66に水溶性容器を入れたポリ袋を取り付
け、リフト64の上に置く構造のため、リフトを上げて
水溶性容器を沈澱槽の底に押し当ててシャッターを開
け、沈澱槽に溜まった汚物を(外と遮断したまま)水溶
性容器に入れ、リフトを熱溶着器に水溶性容器の口がか
からない所まで下げて、熱溶着器でポリ袋の口を密封す
ることができる。
【0025】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図4において、挿入補助具は射出成形で材料にポリエチ
レン、ポリプロピレン等を用いて、径が広がった状態で
一体物で成形し、その後、縮まった状態にして加熱変形
する。寸法は、シリンダーが直径2mm程度、円筒部
は、外径が開いた状態で26mm程度、縮んだ状態で1
3mm程度で、肉厚が3mm程度のものを作る。
【0026】図1において、排便器具先端では、外側の
円筒状可撓管16と、円周を8等分した各8本の蝶番1
5と骨格部材12と蝶番19と骨格部材10とを、ブロ
ー成形によって一体成形したものを、内側の円筒状可撓
管17と溶着接合して蝶番13を作り、吸盤効果をもた
らすゴム薄膜の貼り付けは、ラテックス等の円筒形ゴム
薄膜18で(骨格部材で構成した)骨格の周りを覆い、
先端と円筒状可撓管17の先端を、末端と円筒状可撓管
16の先端を接着材を用いて密封接合する。
【0027】寸法は円筒状可撓管16が、外径が16m
m、円筒状可撓管17は外径が13mm、各肉厚が1m
m程度で、骨格部材には補強のためリブを付ける。
【0028】図6において、排便器具先端では、外側の
円筒状可撓管16と、円周を8等分した各8本の蝶番1
5と骨格部材12と蝶番19と1本の骨格部材10に対
して長さが8mm程度の(鋸歯型や円錐形の)突起を等
間隔に3から7本程度立てた骨格部材10とを、ブロー
成形によって一体成形したものを、内側の円筒状可撓管
17と溶着接合して蝶番13を作り、吸盤効果をもたら
すゴム薄膜の貼り付けは、突起物があたる部分に穴をあ
けたラテックス等の円筒形ゴム薄膜18で(骨格部材で
構成した)骨格の周りを覆い、突起の付いた骨格部材も
当たる部分と、先端と円筒状可撓管17の先端を、末端
と円筒状可撓管16の先端を接着材を用いて密封接合す
る。
【0029】寸法については、円筒状可撓管16は外径
が16mm、円筒状可撓管17は外径が13mmで、各
肉厚は1mm程度で、骨格部材には補強のためリブを付
ける。
【0030】図11bにおいては、排便器具先端では、
外側の円筒状可撓管16と、円周を8等分した各8本の
蝶番15と骨格部材12と蝶番19と1本の骨格部材1
0に対して長さが8mm程度の円錐形の突起状ノズルを
等間隔に3本立てた骨格部材10とを、ブロー成形によ
って一体成形したものを、内側の円筒状可撓管17と溶
着接合して蝶番13を作り、内外2本の円筒状可撓管の
間に8本のチュウブを通し、その先端を突起状ノズルを
立てた骨格部材10にノズルの位置に穴をあけ密封溶着
し、末端は、1本の円筒管23に溶着して接合する。吸
盤効果をもたらすゴム薄膜の貼り付けは、突起物があた
る部分に穴をあけたラテックス等の円筒形ゴム薄膜18
で(骨格部材で構成した)骨格の周りを覆い、突起の付
いた骨格部材も当たる部分と、先端と円筒状可撓管17
の先端を、末端と円筒状可撓管16の先端を接着材を用
いて密封接合する。
【0031】寸法については、円筒状可撓管16は外径
が20mm、円筒状可撓管17は外径が17mm、各肉
厚は1mm程度で、骨格部材には補強のためリブを付け
る。
【0032】図14においては自動排便装置の実施例で
あり、これを先端部、送排水部、後処理部に分けて説明
すると、先端部は実施例図11bの構造の排便器具先端
の先端に、実施例図1の構造の挿入用補助具を、ゴム状
円筒物54で取り付け、円筒状可撓管17の末端に、マ
グネット70aを取り付けたピストン35を接着し、接
合口のついた底のある円筒管36とでシリンダーを構成
し、シリンダーの接合口は作動油の輸送装置につなぐ。
【0033】給排水部は、一つの槽を汚物を通さない濾
過フィルターで仕切り、沈澱槽43と濾過槽44の二つ
の槽に分ける。沈澱槽43にはホースの接続口を取り付
け、底を逆円錐形に加工しシャッター60を取り付け
る。濾過槽44には底の方にホースの接続口と温度調節
器49付きのヒータを取り付ける。槽にはパッキンの付
いた空気の漏れない蓋32をする。沈澱槽と液送ポンプ
38、濾過槽と液送ポンプ39をホース40および41
で接続する。
【0034】後処理部は、シャッターの下に熱溶着器6
6を取り付け、この熱溶着器66に水溶性容器を入れた
ポリ袋を取り付け、リフト64の上に置く。
【0035】先端部と送排水部の接続は、内側の円筒状
可撓管17と液送ポンプ38を、接続口23と液送ポン
プ39をホース78aおよび76aでつなぐ。
【0036】図15においては自動排便装置の実施例
で、後処理部は、実施例14と同じ構造であり、先端部
は実施例図11bの構造の排便器具先端の先端に、実施
例図1の構造の挿入用補助具を、ゴム状円筒物54で取
り付け、円筒状可撓管17の末端には弁80と円筒形の
マグネット70aを通して取り付けピストンを構成し、
接合口の付いた円筒管36の底にソレノイド72を密封
して取り付けてシリンダーを構成する。
【0037】給排水部は、一つの槽を汚物を通さない濾
過フィルター42で仕切り、沈澱槽43と濾過槽44の
二つの槽に分ける。沈澱槽43には内側に弁とホースの
接続口を取り付け、底を逆円錐形に加工しシャッター6
0を取付ける。濾過槽44には外側に弁75とホースの
接続口と温度調整器49付きのヒータを取り付ける。槽
にはパッキンの付いた空気の漏れない蓋32をする。
【0038】先端部と送排水部の接続は、シリンダーと
沈澱槽43を、円筒管23と濾過槽44をそれぞれホー
ス78bおよび76で結ぶ。
【0039】図16においては自動排便装置の実施例
で、後処理部は、実施例14と同じ構造であり、先端部
は実施例図11bの構造の排便器具先端の先端に、実施
例図1の構造の挿入用補助具を、ゴム状円筒物54で取
り付け、円筒状可撓管17の末端に、円柱形のマグネッ
ト70aを取り付けたピストン35を接着して取り付
け、接合口の付いた円筒管36の底にソレノイド72を
密封して取り付けてシリンダーを構成する。
【0040】給排水部は、一つの槽を汚物を通さない濾
過フィルター42で仕切り、沈澱槽43と濾過槽44の
二つの槽に分ける。沈澱槽43には内側に弁とホースの
接続口を取り付け、底を逆円錐形に加工しシャッター6
0を取り付ける。濾過槽44には外側に弁75とホース
の接続口と温度調節器49付きのヒータを取り付ける。
槽にはパッキンの付いた空気の漏れない蓋33をする。
蓋にはダイヤフラム74と油室を取付ける。
【0041】先端部と送排水部の接続は、中を作動油で
満たしたシリンダー室と油室を、円筒管23と濾過槽を
結ぶ。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0043】挿入補助具を排便器具の先端に取り付ける
ことによって、患者に大きな苦痛も肛門への損傷も与え
ずに排便器具の先端を腸内に挿入することができる。そ
して、排便器具先端が、骨格部材と貼りめぐらしたゴム
状薄膜で吸盤を形成するため、排便器具先端を外部の吸
引装置に接続することで、糞隗をこの器具の先端に吸着
し包み込むことができる。
【0044】さらに、図9、図11bの構造のものは、
糞隗を吸引するのみならずシリンダとの連結によるピス
トン駆動が突起物に伝達して糞隗を掻き崩す効果も有し
ており、図11bの構造の排便器具先端で、図14、図
15、図16の実施例の自動排便装置を構成することに
より、中空構造の骨格部材から突き出した突起状ノズル
の先端からのお湯等の噴射と、(円筒状可撓管のピスト
ン駆動による)突起状ノズルの駆動により、糞隗を腸壁
等に害を与えることなく掻き崩すことができ、外部から
吸引することにより掻き崩した汚物を内側の円筒状可撓
管から体外の沈澱槽へ吸引排泄させることができる。
【0045】また、、吸引装置と液体輸送装置につなが
る沈澱槽と濾過槽は、液体だけを通す濾過フィルターの
仕切りをはさんでつながっているので、汚物のみが沈澱
槽にたまり、液体はリサイクルして使用できる。そし
て、濾過槽の中には温度調整器付きのヒータが取り付け
てあるので、たえず液体の温度が一定に保たれる。
【0046】図15および図16の実施例の装置は、原
動力がソレノイドに加わる電力のみで駆動する簡単な構
造のため、製造が容易で、エネルギーの損失も少ない。
【0047】排便終了時の汚物処理は、沈澱槽の底に取
り付けたシャッターを開くことで、水溶性の容器に落と
すことができ、さらに水溶性容器を包み込むポリ袋の口
をシャッターの下に取り付けた熱溶着器で密封すること
ができるので、手を汚さず悪臭も感じずに行なえる。
【0048】水溶性容器は水に溶けるので、水溶性容器
の汚物は容器ごと便槽に捨てれば良く、後始末もいたっ
て簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の挿入補助具の径が縮んだ状態の立面図
【図2】図1の上部のA−A縦断面図
【図3】図2の下部のB−B横断面図
【図4】実施例の挿入補助具の径が広がった状態の立面
【図5】図4の上部のC−C縦断面図
【図6】先端が閉じた状態の排便器具先端の縦断面図
【図7】先端が閉じた状態の排便器具先端の縦断面図
【図8】先端が開いた状態の排便器具先端の縦断面図
【図9】排便器具先端の実施例を示す閉じた状態の縦断
面図
【図10】図9の開いた状態の縦断面図
【図11a】請求項4の構造を示す縦断面図
【図11b】排便器具先端の実施例を示す開いた状態の
縦断面図
【図12】挿入補助具と排便器具先端とを結合した実施
例を示す図
【図13】挿入補助具と先端に圧力センサを取り付けた
排便器具先端とを結合した実施例を示す図
【図14】排便装置の実施例を示す図
【図15】排便装置の別の実施例を示す図
【図16】排便装置のさらに別の実施例を示す図
【符号の説明】
1 可撓性シート物(鞘) 2 可撓性のシリンダ 3 可撓性シート物(鍔) 4 可撓性のピストン(グラスファイバー等) 5 ホース 10、10a、12 骨格部材 13、13a、14、15 蝶番 16 外側の円筒状可撓管 17 内側の円筒状可撓管 18 ゴム薄膜 19 突起物 20 中空状の内側の円筒状可撓管 21 ノズル 22 ノズルから噴射した流体 23a、23b 円筒管(接続口) 24 チューブ 25 挿入補助具 26 ホース 27 ゴム状円筒形薄膜 28 圧力センサ 29 圧力センサのコード 32、33 槽の蓋 35 シリンダーのピストン 36 シリンダーの外筒 38、39 ポンプ 40、41 ホース 42 濾過フィルター 43 沈澱槽 44 濾過槽 45 上澄み液 46 沈澱した汚物 47 濾過水 48 ヒータ 49 温度調整器 51 括約筋 52 直腸 53 糞隗 54 ゴム状円筒物 60 シャッター 61 熱溶着器 62 水溶性容器 63 ポリ袋 64 リフト 70a、70b マグネット 71a、71b、71c シリンダー室 72 ソレノイド 73、75、80 開閉弁 74 ダイヤフラム 76a、76b、76c、77、78a、78b ホー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 強制排便装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、福祉医療において自力
で滞留便を排便できない老人や障害者の排便介護のため
の強制排便装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は介護者の技術にたよって、人の手
の指で掻き出していた。この方法では、直腸につまった
糞隗を排出するのに、肛門から直接手の指を入れて指で
糞隗をひっぱり出したため、もちろん手には汚染防止用
の手袋をはめて行うが、使用中に手袋が破れたりなどし
て手が汚染される問題があった。
【0003】また、肛門は大変弱い器官で、無理な力で
の拡張や強い摩擦により、患者への苦痛や傷による出血
がともなうため、介護技術の熟練が要求される。
【0004】このように排便の介護は、介護の仕事の中
でも最も嫌われる仕事の一つである上、経験者の指導に
よる技術習得や経験による慣れなどが必要になってく
る。
【0005】その上、社会的傾向として寝たきり老人な
どの排便介護を必要とする患者が増え続けており、看護
人の不足が深刻な問題となっている。
【0006】ところが、人の介護を必要としない排便機
械・器具に関しては、人体に有害とか、効果が顕著でな
いなどの問題で実用化に至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】大腸において小腸から
送られてきた廃棄物が腸壁のハウストラの運動により水
分を吸収されつつ、上行結腸、横行結腸、下行結腸を経
て直腸に糞隗として溜まる。この糞隗を体外へ排出する
ためには、腹圧で糞隗を押し出し肛門の括約筋を押し広
げて排出しなければならない。
【0008】ところが何らかの障害によって腹圧が無い
患者の糞隗は、括約筋の関門を通過することができず、
長い間大腸や直腸に溜まりがちなために、水分が吸収さ
れ、岩のように硬くなり、直腸に滞留する。
【0009】この糞隗は、生体に無害ないかなる溶媒で
も容易には溶けず、物理的刺激による方法も、人体に傷
をつける恐れがあるので、容易には利用できなかった。
そのため器具による排便は容易ではなかつた。
【0010】本発明は上記のような実情に鑑みて、排便
器具先端の肛門挿入時の苦痛を少なくし、肛門に傷をつ
けず容易に挿入でき、腸内で先端が吸盤状に開き糞隗を
その中に吸着して包み込んで腸壁を保護し、腸を傷つけ
ずに糞隗の周囲から掻き崩して体外に排泄することがで
きる強制排便装置を提供することを目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、肛門へ差し付けて着用する外径が伸
縮可能な筒形の挿入用補助具と、挿入用補助具を通して
肛門へ差し込み糞隗を解ぐして取り出し得るように、先
端部を直腸内で開拡可能に開閉し得るようにゴム状の薄
膜で被覆構成した可撓性管状の排便器具と、排便器具に
糞隗を溶解するための液体を送る液調装置とからなる強
性排便装置を構成した。
【0012】挿入用補助具について、円筒状の可撓性シ
ートの円周方向上に、可撓性のピストンを差し込んだ可
撓性のシリンダーを複数取り付け、ピストンの端をシー
トの端面部に固定してあつて、シリンダー内に流入ある
いは流出する空気や作動油等の液体の圧力により円筒物
の周囲が延び縮みするように構成し、末端に鍔を取り付
けることもある。
【0013】排便器具について、ヒンジ部で接合した二
本の骨格部材の両端と、外側の円筒状可撓管とその内部
に通した円筒状可撓管の両先端とを、ヒンジ部で円筒状
可撓管の外周上に複数本接合し、このように構成した骨
格部材と両方の円筒状可撓管の先端との間に、隙間無く
ゴム状の薄膜を貼り巡らすこともある。
【0014】排便器具について、先端における骨格部材
に糞隗を掻き取るための複数の突起物を設けることもあ
る。
【0015】排便器具の先端の構造について、内部に液
体を流すための中空構造の内側筒状可撓管に、ヒンジ部
と、骨格部材と、骨格部材に突起したノズルを複数取り
付けることもある。
【0016】液調装置について、ピストン駆動するシリ
ンダーを内側の円筒状可撓管に嵌合して、内側の円筒状
可撓管の基端に、加圧されると閉じる弁を取り付けるこ
とにより、その駆動により排便器具の先端部から糞隗溶
解液を回収し濾過槽へ圧送可能に構成し、シリンダーの
嵌着部をマグネツトにより構成し、シリンダーの基端に
ソレノイドを取り付け、濾過槽においては、濾過フィル
ターで仕切った沈澱槽の反対側にヒータと温度調整器と
を備え、さらに、沈澱槽の下部に設置する水溶性容器入
の熱溶着性袋の嵌着口の仕切りシャッターと、熱溶着性
袋の口を密封する熱溶着器を備えていることもある。
【0017】液調装置について、内側の円筒状可撓管か
ら回収される糞隗溶解液の濾過槽においては、濾過フィ
ルターで仕切った沈澱槽の反対側にヒータと温度調整器
とを備える他、濾過槽の液体を噴射可能に排便器具へ圧
送するポンプとを備え、さらに、沈澱槽の下部に設置す
る水溶性容器入り熱溶着性袋の嵌着口の仕切りシャッタ
ーと、熱溶着性袋の口を封じる熱溶着器とを備えている
こともある。
【0018】液調装置について、ピストン駆動するシリ
ンダーを内側の円筒状可撓管の下端部に取り付ける一
方、その駆動によるシリンダー室内の液圧を受けるダイ
ヤフラムを濾過槽の沈澱槽に取り付けることにより、排
便器具の先端部から糞隗溶解液を回収し濾過槽へ圧送可
能に構成し、シリンダーには、円柱形のマグネットおよ
びソレノイドが内装され、濾過槽においては、濾過フィ
ルターで仕切った沈澱槽の反対側にヒータと温度調整器
とを備え、さらに、沈澱槽の下部に設置する水溶性容器
入り熱溶着性袋の嵌着口の仕切りシャッターと、熱溶着
性袋の口を密封する熱溶着器とを備えていることもあ
る。
【0019】
【作用】上記のごとく構成された強制排便装置は、径の
小さい状態で挿入補助具を無理なく肛門に挿入し、挿入
後シリンダーに適度の圧力を加えながら円筒の径を広げ
ることにより、肛門をむりなくゆるやかに排便器具の先
端が入る大きさに広げることができるので、患者に大き
な苦痛も損傷も与えずに排便器具の先端を腸内に挿入す
ることができ、且つこの補助具が肛門を保護するため、
挿入時に排便器具の先端で肛門を傷つけることがない。
【0020】また、図15のごとく、圧力センサを取り
付け、シリンダーに加圧する圧力装置と連動させること
によって、排便器具の先端を押し込む力が設定値を超え
るとシリンダーが加圧され、挿入補助具の径が(押し込
む力の設定値以下になるまで)広がり、安定した力で、
且つ肛門には最小限の負担で、排便器具の先端を腸内に
挿入することができる。
【0021】そして、腸内の排便器具の先端は、先端が
吸盤状に開いた状態において、貼りめぐらしたゴム状薄
膜で密封されるので、内部の円筒状可撓管から吸引する
ことで糞隗をこの器具の先端に包み込むように吸着させ
ることができる。ノズルからお湯等を糞隗に噴射し、そ
の圧力と溶解力によって糞隗を軟化させ、さらに円筒状
可撓管に取り付けたシリンダーのピストン駆動により、
ノズルが指の爪で引掻くように駆動して糞隗を掻き崩
し、お湯等に溶かして円筒状可撓管の内側から体外へ吸
引排泄させるため、腸壁等に害を与えることはない。
【0022】液調装置の動力は、液送ポンプを使用する
構造、あるいは内部の円筒状可撓管に取り付けたピスト
ン駆動するシリンダーの動力を利用する構造としたた
め、一つの原動力を制御することで駆動することができ
る。
【0023】一つの槽を汚物を通さない濾過フィルター
で分離して、汚物をためる沈澱槽と洗浄液を送る濾過槽
にした構造のため、汚物は沈澱槽に溜まり、洗浄液は濾
過され浄化して濾過槽に移動する。
【0024】沈澱槽の底を逆円錐形に加工しシャッター
を取り付け、その下に熱溶着器を取り付け、この熱容着
器に水溶性容器を入れたポリ袋を取り付け、リフトの上
に置く構造のため、リフトを上げて水溶性容器を沈澱槽
の底に押し当ててシャッターを開け、沈澱槽に溜まった
汚物を(外と遮断したまま)水溶性容器に入れ、リフト
を熱溶着器に水溶性容器の口がかからない所まで下げ
て、熱溶着器でポリ袋の口を密封することができる。
【0025】
【実施例】次に、この発明の幾つかの代表的な実施例を
図面に基づいて説明する。
【0026】図1は、一実施例を示したもので、図1
6,17にも示すように、強制排便装置は、肛門に差し
込んで着用する挿入用補助具Pと、挿入用補助具Pから
肛門に挿入して先端で糞隗を解ぐし取る排便器具Tと、
糞隗を解ぐすために必要な水を圧送し回収する液調装置
Sとから構成されている。
【0027】挿入用補助具Pは、患者の苦痛を少なく
し、肛門に傷をつけずにスムーズな挿入をするためのも
ので、材料にポリエチレン、ポリプロピレン等を用い
て、径が広がった状態で円筒形に一体に射出成形され、
その後、縮まった状態にして加熱変形した。その構造に
ついては、図2ないし図6に示すように、可撓性シート
1の円周方向に沿って内部に複数個のシリンダー2を埋
め込むことにより、外部にシリンダー2の突起を出すこ
とがないようにして円筒部の肉厚も薄く形成した。その
ため挿入がスムーズになった。
【0028】着用するときには、縮んだ状態において肛
門に挿入し、それから、ホース5から液体を流し入れ
る。そうすると、シリンダー2に圧力が加わり、図5,
図6に示す如く、排便器具Tを挿入できるように円筒径
が広がる。また、肛門の奥に入り込んで抜けなくなるこ
とを防止するために、基端に鍔3を取り付けてある。寸
法については、シリンダー2が直径2mm程度であっ
て、円筒部は、外形が開いた状態で26mm程度、縮ん
だ状態で13mm程度で、肉厚が3mm程度である。
【0029】排便器具Tは、図7および図8に示すよう
に、外側の円筒状可撓管16と、内側の円筒状可撓管1
7とからなり、外側の円筒状可撓管16を先端方向に押
すと、先端部が開拡するようにしたものであって、開拡
部分の構造については、円筒状可撓管16,17の先端
部を円周において8等分してそれぞれに8つの骨格部材
10,12を形成し、内側の円筒状可撓管17の先端近
くと、両円筒状可撓管16,17の先端連結部と、外側
の円筒状可撓管16の先端近くとに、開拡に要するヒン
ジ部13,14,15を形成したものであって、テラッ
クス等の円筒形ゴム薄膜18で骨格の周りを覆ってあ
る。また、内側の骨格部材10には、直腸52に詰まる
糞隗53を和らげて掻き崩すための液体噴射ノズル21
が突設される(図12,図13参照)。
【0030】糞隗を掻き崩す部分を単なる突起19とし
て形成することもある(図10,図11)。いずれの場
合も、櫛歯状、円柱状、角柱状、円錐状、角錐状等の形
状が良い。ノズル21に水を送るために、内側の円筒状
可撓管17において、それを構成する周壁を中空にする
ことにより二重壁チューブ24が形成されている。吸引
はその円筒状可撓管17の内部を通してなされる。
【0031】寸法については、円筒状可撓管16の外径
が16mm、円筒状可撓管17の外径が13mm、各肉
厚が1mm程度で、骨格部材には補強のためリブを形成
した。
【0032】腸内を傷つけることなく糞隗を掻き崩し体
外へ排泄させるために、排便器具Tを肛門へ挿入すると
きには、図14および図15に示すように、括約筋51
に抗しやすく挿入用補助具Pを細めて肛門に挿入してか
ら、排便器具Tの挿入が可能に開拡し、排便器具Tを挿
入するときは、その骨格部材10,12を細く折り畳ま
れた状態になし、挿入後において先端部を開拡させる。
それから、液調装置Sにより開拡部分に水を送る。な
お、図9に示す排便器具Tでは、引っ張って開拡させ
る。先端部を開拡させると、ゴム状の薄膜18が弾力に
抗して伸びることによって、吸盤状の開き方となるの
で、液調装置Sにより腸内に送った水を吸引することが
できる。
【0033】液調装置Sは、洗浄液をリサイクルし、濾
過した汚物46を熱溶着フィルムの袋63の中の水溶性
容器62に収めて廃棄できるようにしたもので、洗浄液
を循環する動力としてシリンダー71が用いられ、それ
を内側の円筒状可撓管17の下端部に嵌めてあって、そ
の下端に逆止めの開閉弁80が取り付けてあるので、シ
リンダー71を往復運動させると、シリンダー室71c
に汚物の水が吸引され、ホース78bから濾過槽44に
送られる。
【0034】濾過槽44には入口および出口にそれぞれ
開閉弁73,75が取り付けられているので、シリンダ
ー71による力で濾過されて洗浄液がホース76bを通
って円筒状可撓管17の二重壁チューブ24に送られる
ようになっている。濾過については、濾過フィルター4
2が中間部に張られ、沈澱槽43の下端の口にシャッタ
ー60が装着されている。そして、濾過されて汚物が前
記の袋63に収納され、熱溶着器61により密封される
ようになつている。64は、その袋63を受けるリフト
である。また、濾過された洗浄液は、温度調整器49に
よるヒーター48により適度に加熱される。
【0035】図13においては、排便器具先端では、外
側の円筒状可撓管16と、円周を8等分した各8本のヒ
ンジ部15と骨格部材12とヒンジ部19と1本の骨格
部材10に対して長さが8mm程度の円錐形の突起状ノ
ズルを等間隔に3本立てた骨格部材10とを、ブロー成
形によって一体成形したものを、内側の円筒状可撓管1
7と溶着接合してヒンジ部13を作り、内外2本の円筒
状可撓管の間に8本のチューブを通し、その先端を突起
状ノズル21を立てた骨格部材10にノズルの位置に穴
をあけ密封溶着し、末端は、1本の円筒管23に溶着し
て接合する。吸盤効果をもたらすゴム薄膜の貼り付け
は、突起物があたる部分に穴をあけたラテックス等の円
筒形ゴム薄膜18で(骨格部材で構成した)骨格の周り
を覆い、突起の付いた骨格部材も当たる部分と、先端と
円筒状可撓管17の先端を、末端と円筒状可撓管16の
先端を接着材を用いて密封接合する。
【0036】寸法については、円筒状可撓管16は外径
が20mm、円筒状可撓管17は外径が17mm、各肉
厚は1mm程度で、骨格部材には補強のためリブを付け
る。
【0037】図16においては強制排便装置の他の実施
例であり、これを先端部、送排水部、後処理部に分けて
説明すると、排便器具Tの先端に、挿入用補助具Pをゴ
ム状円筒物54で取り付け、円筒状可撓管17の末端
に、マグネットを取り付けたピストン35を接着し、接
合口のついた底のある円筒管36とでシリンダーを構成
し、シリンダーの接合口は作動油の輸送装置につなぐ。
【0038】給排水部は、一つの槽を汚物を通さない濾
過フィルターで仕切り、沈澱槽43と濾過槽44の二つ
の槽に分ける。沈澱槽43にはホースの接続口を取り付
け、底を逆円錐形に加工しシャッター60を取り付け
る。濾過槽44には底の方にホースの接続口と温度調節
器49付きのヒータを取り付ける。槽にはパッキンの付
いた空気の漏れない蓋32をする。沈澱槽と液送ポンプ
38、濾過槽と液送ポンプ39をホース40および41
で接続する。
【0039】後処理部は、シャッターの下に熱溶着器6
1を取り付け、この熱溶着器61に水溶性容器を入れた
ポリ袋を取り付け、リフト64の上に置く。
【0040】先端部と送排水部の接続は、内側の円筒状
可撓管17と液送ポンプ38を、接続口23と液送ポン
プ39を、ホース78a及び76aでつなぐ。
【0041】図17に示した強制排便装置の実施例で
は、後処理部は最初の実施例と同じ構造であり、先端部
は、図13に示す構造の排便器具先端の先端に挿入用補
助具Pをゴム状円筒物27で取り付け(図14,図15
参照)、円筒状可撓管17の末端に、円柱形のマグネッ
ト70aを取り付けたピストン35を接着して取り付
け、接合口の付いた円筒管36の底にソレノイド72を
密封して取り付けてシリンダーを構成する。
【0042】給排水部は、一つの槽を汚物を通さない濾
過フィルター42で仕切り、沈澱槽43と濾過槽44の
二つの槽に分ける。沈澱槽43には内側に弁とホースの
接続口を取り付け、底を逆円錐形に加工しシャッター6
0を取り付ける。濾過槽44には外側に弁75とホース
の接続口と温度調節器49付きのヒータを取り付ける。
槽にはパッキンの付いた空気の漏れない蓋33をする。
蓋にはダイヤフラム74と油室を取付ける。
【0043】先端部と送排水部の接続は、中を作動油で
満たしたシリンダー室と油室を、円筒管23と濾過槽4
4を結ぶ。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0045】外径が伸縮可能な筒形の挿入用補助具を縮
み状態で肛門に差し付けてから開拡し、その中を通して
排便器具を挿入するので、患者に苦痛を与えたり肛門に
損傷を与えたりすることもなく、排便器具の先端を腸内
に容易に挿入することができる。
【0046】排便器具が先端部を直腸内で開拡可能に開
閉し得るように構成されているので、その開閉により糞
隗を掻き取りやすく、また、その先端部がゴム状薄膜に
より吸盤状に形成されているので、洗浄液を送って糞隗
を解ぐし、先端部で包み込むことにより容易に排泄する
ことができる。
【0047】挿入用補助具について、円筒状の可撓性シ
ートの円周方向上に、可撓性のピストンを差し込んだ可
撓性のシリンダーを複数取り付け、ピストンの端をシー
トの端面部に固定してあって、シリンダー内に流入ある
いは流出する空気や作動油等の液体の圧力により円筒物
の周囲が延び縮みするように構成し、末端に鍔を取り付
けてある場合には(請求項2)、挿入用補助具の挿入が
殊に容易となり、肛門をさらに傷つけないようにするこ
とができる。
【0048】排便器具について、ヒンジ部で接合した二
本の骨格部材の両端と、外側の円筒状可撓管とその内部
に通した円筒状可撓管の両先端とを、ヒンジ部で円筒状
可撓管の外周上に複数本接合し、このように構成した骨
格部材と両方の円筒状可撓管の先端との間に、隙間無く
ゴム状の薄膜を貼り巡らした場合には(請求項3)、排
便器具の挿入や糞隗の包み込みが容易となる。
【0049】排便器具について、先端における骨格部材
に糞隗を掻き取るための複数の突起物を設けたり、洗浄
液の噴射ノズルを設けたりしたときには(請求項4,
5)、糞隗の掻き取りがさらに容易となる。
【0050】液調装置について、濾過槽を設けたときに
は(請求項6,7,8)、洗浄液のリサイクル可能に都
合良く使用でき、袋に糞隗を詰めて熱溶着して衛生的に
廃棄することができる。また、ヒーターにより湯にして
洗浄液を送るときには、糞隗を解ぐしやすいし、患者に
不快感を与えなくて済む。さらに、ソレノイドを使用す
るときには、簡単な構造においてエネルギーの損失が少
ない。水溶性容器が水に溶けるので、水溶性容器の汚物
は容器ごと便槽に捨てれば良く、後始末も至って簡単で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例を示す強制排便装置の説明図である。
【図2】挿入用補助具の径が縮んだ状態の断面図であ
る。
【図3】図2のA−A線矢視の断面図である。
【図4】図2のB−B線矢視の断面図である。
【図5】挿入用補助具の径が広がった状態の断面図であ
る。
【図6】図5のC−C線矢視の断面図である。
【図7】先端が閉じた状態における排便器具の縦断面図
である。
【図8】先端が開いた状態における同排便器具の縦断面
図である。
【図9】先端が閉じた状態における他の排便器具の縦断
面図である。
【図10】先端が閉じた状態におけるさらに他の排便器
具の縦断面図である。
【図11】先端が開いた状態における同排便器具の縦断
面図である。
【図12】先端が開いた状態における他の排便器具の縦
断面図である。
【図13】先端が開いた状態におけるさらに他の排便器
具の縦断面図である。
【図14】排便器具を肛門に差し込む手順を示す説明図
である。
【図15】他の実施例における排便器具を肛門に差し込
む手順を示す説明図である。
【図16】他の実施例を示す強制排便装置の説明図であ
る。
【図17】さらに他の実施例を示す強制排便装置の説明
図である。
【符号の説明】 P 挿入用補助具 T 排便器具 S 液調装置 1 可撓性シート物(鞘) 2 可撓性のシリンダ 3 可撓性シート物(鍔) 4 可撓性のピストン(グラスファイバー等) 5 ホース 10、10a、12 骨格部材 13、13a、14、15 ヒンジ部 16 外側の円筒状可撓管 17 内側の円筒状可撓管 18 ゴム薄膜 19 突起物 20 中空状の内側の円筒状可撓管 21 ノズル 22 ノズルから噴射した液体 23a、23b 円筒管(接続口) 24 チューブ 26 ホース 27 ゴム状円筒形薄膜 28 圧力センサ 29 圧力センサのコード 32、33 槽の蓋 35 シリンダーのピストン 36 シリンダーの外筒 38、39 ポンプ 40、41 ホース 42 濾過フィルター 43 沈澱槽 44 濾過槽 45 上澄み液 46 沈澱した汚物 47 濾過水 48 ヒータ 49 温度調整器 51 括約筋 52 直腸 53 糞隗 54 ゴム状円筒物 60 シャッター 61 熱溶着器 62 水溶性容器 63 ポリ袋 64 リフト 70a、70b マグネット 71 シリンダー 71a、71b、71c シリンダー室 72 ソレノイド 73、75、80 開閉弁 74 ダイヤフラム 76a、76b、76c、77、78a、78b ホー
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図1】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の可撓性シートの円周方向上に、
    可撓性のピストンを差し込んだ可撓性のシリンダーを複
    数取付け、ピストンの端をシートの端面部に固定した構
    造をもち、シリンダー内に流入あるいは流出する空気や
    作動油などの流体の圧力により円筒物の周囲が延び縮み
    する特徴をもち、末端に鍔3をつけた構造の排便器具の
    先端の挿入用補助具を備えた自動排便装置。
  2. 【請求項2】 蝶番14で接合した2本の骨格部材1
    0、12の両端と、外側の円筒状可撓管16とその内部
    に通した円筒状可撓管17の両先端とを、蝶番15、1
    3で円筒状可撓管の外周上に複数本接合し、このように
    構成した骨格部材と両方の円筒状可撓管の先端との間
    に、隙間無くゴム状の薄膜18を貼り巡らした構造を特
    徴とする排便器具の先端を備えた自動排便装置。
  3. 【請求項3】 先端が、骨格部材10に突起物を複数個
    取り付けたことを特徴とする請求項2記載の自動排便装
    置。
  4. 【請求項4】 排便器具の先端の構造が、内部に流体を
    流すための中空構造の内側円筒状可撓管20に、蝶番1
    3aと、骨格部材10aと、骨格部材10aに突起した
    流体噴射ノズル21とを複数個取り付けた構造を特徴と
    する請求項2記載の自動排便装置。
  5. 【請求項5】 先端に請求項1記載の挿入用補助具を取
    り付け、ピストン駆動するシリンダを円筒状可撓管20
    に接合した請求項4記載の排便器具の先端と、濾過フィ
    ルター42で仕切った沈澱層43とヒータ48と温度調
    整器49を取り付けた濾過槽44とを、ホース34およ
    び23で結び、濾過槽の流体をノズル21から流体を噴
    射させるポンプ39と、汚物溶液を吸引し沈澱槽に溜め
    るポンプ38と、沈澱槽の下部に取り付けた仕切りシャ
    ッター46と熱溶着器60と水溶性容器62とからなる
    自動排便装置。
  6. 【請求項6】 先端に請求項1記載の挿入用補助具を取
    り付け、ピストン部に末端のシリンダー室が加圧される
    と閉じる弁を取り付けた円筒状のマグネット70bをシ
    リンダ部にソレノイド72を取り付けたシリンダを、円
    筒状可撓管20に接合した請求項4記載の排便器具の先
    端と、濾過フィルター42で仕切った沈澱槽43とヒー
    タ48と温度調整器49を取り付けた濾過槽44とを、
    ホース78bおよび76で結び、ホース78bと沈澱槽
    の接合口にホース78bからの圧力によって開く弁を、
    濾過槽とホース76の接合口には濾過槽からの圧力によ
    って開く弁を取り付けた、沈澱槽の下部に取り付けた仕
    切りシャッター46と熱溶着器60と水溶性容器62と
    からなる自動排便装置。
  7. 【請求項7】 先端に請求項1記載の挿入用補助具を取
    り付け、ピストン部に円柱形のマグネット70aをシリ
    ンダ部にソレノイド72を取り付けたシリンダを円筒状
    可撓管20に接合した請求項4記載の排便器具の先端
    と、濾過フィルター42で仕切った沈澱槽43とヒータ
    48と温度調整器49を取り付けた濾過槽44とを、ホ
    ース78aおよび76で結び、濾過槽または沈澱槽にダ
    イヤフラムを取り付け円筒状可撓管20に接合したシリ
    ンダーの流体室とホースで結び、ホース78aと沈澱槽
    の接合口に槽内が加圧時に閉じる弁を、濾過槽とホース
    76の接合口には加圧時に開く弁を取り付けた、沈澱槽
    の下部に取り付けた仕切りシャッター46と熱溶着器6
    0と水溶性容器62とからなる自動排便装置。
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JP2011055956A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Tokyo Univ Of Science 挿入型排便器
JP2016209381A (ja) * 2015-05-12 2016-12-15 茂彬 白石 腸洗浄用ノズル及び腸洗浄器

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