JPH0787830A - コンバインの刈取部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】倒伏穀稈を良好に引き起こし、後続の穀稈の刈
取作業効率を高める。 【構成】穀稈掻込リール１の回転に伴い、回転連動機構
４を介して、リールタイン３をその上下方向に沿う軸線
の回りに回転させ、隣り合うリールタイン３の水平部３
３を互いに向き合うようにし、その水平部３３を倒伏穀
稈の下方に入り込ませて、倒伏穀稈を持ち上げるように
引き起こし動作させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、穀稈掻込リールに備え
るリールタイン部分に改良を加えたコンバインの刈取部
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンバインの刈取部は、例えば実
開昭６４−４３８号公報等で広く知られているように、
穀稈掻込リールに横架するタイン支軸に、下方に指向す
るリールタインを複数本支持しており、穀稈掻込リール
による掻込に伴い、穀稈を引き起こすようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、タイン支軸の
幅方向に隣り合う各リールタインの間には隙間があるか
ら、特に、倒れている穀稈の確実な引き起こしが困難で
あり、後続の穀稈の刈取作業効率等が悪くなる問題があ
る。

【０００４】本発明の目的は、倒伏穀稈の引き起こしを
良好に行い得るコンバインの刈取部を提供する点にあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成
するために、図１に明示するように、穀稈掻込リール１
に横架するタイン支軸２に、下方に指向するリールタイ
ン３を複数本支持したコンバインの刈取部において、前
記リールタイン３を前記タイン支軸２に対し、前記リー
ルタイン３の上下方向に沿う軸線の回りに回転自由に支
持すると共に、前記リールタイン３の一部に、水平又は
略水平に指向する水平部３３を設ける一方、前記リール
タイン３を前記穀稈掻込リール１の回転に連動させて回
転させる回転連動機構４を設けた構成にした。

【０００６】

【作用】穀稈掻込リール１の回転に伴い、リールタイン
３がその上下方向に沿う軸線の回りに回転し、リールタ
イン３の水平部３３が倒伏穀稈の下方に入り込んで、該
倒伏穀稈を持ち上げるため、倒伏穀稈の引き起こしを良
好に行い得る。

【０００７】

【実施例】図２に示すものは、走行機体の前部に昇降可
能に支持するコンバインの刈取部であり、機体から延び
るフィーダハウス５の前部にプラットフォーム６を備
え、該プラットフォーム６に、高さ調節用シリンダ７に
より昇降自在とした左右一対の支持アーム８を介して、
穀稈掻込リール１を支持している。

【０００８】穀稈掻込リール１は、伝動ケース９から動
力を受け取る主軸１１と、左右の回転板１２、該各回転
板１２から放射状に延びる６本のアーム１３、その端部
の軸受ブロック１４、該各ブロック１４をリング状に連
結する連結杆１５を備え、左右に対向する軸受ブロック
１４間には、合計６本のタイン支軸２を回転自由に受入
れさせている。主軸１１を支える軸受ステー１６は、前
後調節用シリンダ１７により支持アーム８に沿って摺動
自由としている。

【０００９】各タイン支軸２には、複数本のリールタイ
ン３を支持しており、各タイン支軸２の一端側にＬ字形
に突設する連結片２１を、主軸１１に対し前方側に偏心
させた従動回転板２２をもつ偏心ガイドリング２３の各
端部ブロック２４にピン２５を介して連結し、穀稈掻込
リール１の回転により、タイン支軸２を軸受ブロック１
４内で滑らせ、リールタイン３が常時下方に指向するよ
うにしている。

【００１０】尚、図２において、６１は左右の分草体、
６２は往復動式の刈刃、６３は刈取穀稈の掻込オーガで
ある。

【００１１】以上の構成で、図１に明示するように、リ
ールタイン３を、タイン支軸２に貫通状に設ける受入穴
２５に受け入れさせて、上下を係止体２６，２７で係止
し、リールタイン３をその上下方向に沿う軸線の回りに
回転自由な状態でタイン支軸２に支持する。

【００１２】又、リールタイン３における巻回バネ部３
１及びくの字部３２に連続する下端をＬ字形に屈曲させ
て、水平又は略水平に指向する水平部３３を形成する。

【００１３】更に、軸受ブロック１４に固定し、円周上
に沿って円弧形を呈する一連の部分的な歯部４１ａを複
数組備えた傘歯車から成る第一係合体４１と、これに係
合する歯部４２ａをもち、タイン支軸２の一端側に軸４
２ｂを中心に回動自由に支持する傘歯車から成る第二係
合体４２と、タイン支軸２の他端に軸４３ａを中心に回
動自由に支持する転動体４３と、第二係合体４２に係止
部４４ａ，４４ｂを介して固定し、転動体４３に巻回し
て上下に折返す操作ワイヤ４４と、リールタイン３を一
つ飛び毎に操作ワイヤ４４の上部又は下部に結合する操
作片４５，４６と、第二係合体４２及びタイン支軸２に
設ける各突出片４７ａ，４７ｂ間に介装するコイルスプ
リングから成る弾性体４７とをもつ回転連動機構４を設
ける。

【００１４】以上の構成により、図中矢印イに示す穀稈
掻込リール１の回転に伴い、第一係合体４１の歯部４１
ａと第二係合体４２の歯部４２ａとが噛み合ったとき
に、図中矢印ロで示すように、第二係合体４２が回動さ
れ、操作ワイヤ４４が操作されて、隣り合うリールタイ
ン３，３はその各水平部３３，３３が互いに向き合うよ
うに回転させられる。一方、第一係合体４１の歯部４１
ａと第二係合体４２の歯部４２ａとの係合が外れたと
き、弾性体４７の復元力によりリールタイン３は元の状
態に自動復帰される。これにより、リールタイン３の水
平部３３を倒伏穀稈の下方に入り込ませて、該倒伏穀稈
を持ち上げながら掻込み動作を行うことができるため、
倒伏穀稈の引き起こしを良好に行い得る。

【００１５】尚、図１のものでは、第一係合体４１に、
円弧形の歯部４１ａを円周上に複数組設けたが、穀稈掻
込リール１の回転に伴いリール支軸２が下方に位置され
て穀稈の掻込動作を真に行う掻込動作域においてのみ、
第二係合体４２の歯部４２ａに係合する単一の円弧形に
沿う歯部４１ａを設けてもよい。

【００１６】又、図１のものでは、リールタイン３を一
つ飛び毎に操作ワイヤ４４の上部又は下部に互い違いに
結合し、各水平部３３，３３が互いに向き合うように回
転させ、特に稲の刈取りに効果的なものとしたが、各リ
ールタイン３は、操作ワイヤ４４の上部又は下部の何れ
かに統一して結合し、各リールタイン３を同一方向に回
転させるようにしても勿論よい。

【００１７】更に、図１のものでは、上下に折返すワイ
ヤ４４を用いてリールタイン３の水平部３３を向き合う
ように回転させたが、図３に示すように、一本の操作ワ
イヤ４４０を用い、このワイヤ４４０に、タイン支軸２
の前後に支持筒２５１，２５２を介して支持するリール
タイン３を各操作片４５０，４６０を介して結合するこ
とによっても、同様な動きを実現することができる。

【００１８】その上、以上のものでは、傘歯車から成る
一対の係合体４１，４２と、操作ワイヤ４４又は４４０
を用いたが、軸受ブロック１４に固定するカムと、これ
に端部を当接し、そのカム形状に倣ってタイン支軸２の
長さ方向に進退するロッドとを用いても同様な機構を構
成することができる。

【００１９】ところで、以上のものでは、図２及び図４
に示すように、タイン支軸２の一本毎に、各リールタイ
ン３の支持位置を例えば半ピッチｐだけずらせて取付け
ており、掻込動作域の幅方向にデッドスペースが極力生
じないようにしている。

【００２０】

【発明の効果】以上、本発明によれば、穀稈掻込リール
１の回転に伴い、リールタイン３がその上下方向に沿う
軸線の回りに回転し、リールタイン３の水平部３３が倒
伏穀稈の下方に入り込んで、該倒伏穀稈を持ち上げるた
め、倒伏穀稈の引き起こしを良好に行い得て、後続の穀
稈の刈取作業効率を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るコンバインの刈取部の一実施例を
示す要部斜視図。

【図２】同刈取部全体の斜視図。

【図３】同他の実施例を示す要部斜視図。

【図４】同リールタインの取付ピッチのずれを示す説明
図。

【符号の説明】

１；穀稈掻込リール、２；タイン支軸、３；リールタイ
ン、３３；水平部、４；回転連動機構

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】穀稈掻込リール（１）に横架するタイン支
   軸（２）に、下方に指向するリールタイン（３）を複数
   本支持したコンバインの刈取部において、前記リールタ
   イン（３）を前記タイン支軸（２）に対し、前記リール
   タイン（３）の上下方向に沿う軸線の回りに回転自由に
   支持すると共に、前記リールタイン（３）の一部に、水
   平又は略水平に指向する水平部（３３）を設ける一方、
   前記リールタイン（３）を前記穀稈掻込リール（１）の
   回転に連動させて回転させる回転連動機構（４）を設け
   たことを特徴とするコンバインの刈取部。