JPH0787071B2 - 電子管用陰極 - Google Patents

電子管用陰極

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JPH0787071B2
JPH0787071B2 JP6212188A JP6212188A JPH0787071B2 JP H0787071 B2 JPH0787071 B2 JP H0787071B2 JP 6212188 A JP6212188 A JP 6212188A JP 6212188 A JP6212188 A JP 6212188A JP H0787071 B2 JPH0787071 B2 JP H0787071B2
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量 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、TV用ブラウン管などに用いられる電子管用
陰極に関するものである。
〔従来の技術〕
第2図は従来のTV用ブラウン管や撮像管に用いられてい
る陰極を示すものであり、図において、(1)はシリコ
ン(Si)、マグネシウム(Mg)などの還元性元素を微量
含む主成分がニッケルからなる有底筒状の基体、(2)
はこの基体(1)の底部上面に被着され、少なくともバ
リウム(Ba)を含み、他にストロンチウム(Sr)および
/またはカルシウム(Ca)を含むアルカリ土類金属酸化
物からなる電子放射物質層、(3)は上記基体(1)内
に配設されたヒータ(3)で、加熱により上記電子放射
物質層(2)から熱電子を放出させるためのものであ
る。
この様に構成された電子管用陰極において、基体(1)
への電子放射物質層(2)の被着は次の様にして行なわ
れる。まず、アルカリ土類金属(Ba,Sr,Ca)の三元炭酸
塩からなる懸濁液を基体(1)の底部上面に塗布し、真
空排気工程中にヒータ(3)によって加熱する。この
時、アルカリ土類金属の炭酸塩はアルカリ土類金属の酸
化物に変わる。その後、アルカリ土類金属の酸化物の一
部を還元して半導体的性質を有するように活性化を行な
うことにより、基体(1)上にアルカリ土類金属の酸化
物からなる電子放射物質(2)を被着形成している。
この活性化工程において、アルカリ土類金属の酸化物の
一部は次の様に反応する。つまり、基体(1)内に含有
されたシリコン,マグネシウム等の還元性元素は拡散に
よりアルカリ土類金属の酸化物と基体(1)の界面に移
動し、アルカリ土類金属酸化物と反応する。たとえば、
アルカリ土類酸化物として酸化バリウム(BaO)であれ
ば次式(1),(2)の様に反応する。
BaO+1/2Si=Ba+1/2SiO2 ……(1) BaO+Mg=Ba+MgO ……(2) この反応の結果、基体(1)上に被着形成されたアルカ
リ土類金属酸化物の一部が還元され、酸素欠乏型の半導
体となり、陰極温度700〜800℃の動作温度で0.5〜0.8A/
cm2の電子放射が得られることになる。
ところが、上記電子管用陰極では、電子放射が0.5〜0.8
A/cm2以上の電流密度は取り出せない。その理由とし
て、アルカリ土類金属酸化物の一部を還元反応させた場
合、上記(1),(2)式からも明らかなように、基体
(1)とアルカリ土類金属酸化物層との界面にSiO2,MgO
あるいはBaO・SiO2などの複合酸化物層(中間層)が形
成され、この中間層が高抵抗層となって電流の流れを妨
げること、および上記中間層が基体(1)中の還元性元
素(Si,Mg)が電子放射物質層(2)の表面側へ拡散す
るのを妨げるため十分な量のバリウム(Ba)が生成され
ないためであると考えられている。つまり、電子管作動
中に基体(1)と電子放射物質層(2)の界面近傍、特
に基体(1)表面近傍のニッケル結晶粒界と上記界面よ
り10μm程度電子放射物質層(2)内側の位置に上記中
間層が偏析するため、電流の流れおよび電子放射物質層
(2)表面側への還元性元素の拡散が妨げられ、高電流
密度下の十分な電子放出特性が得られないという問題が
あった。
これに対して特願昭60-229303の出願には、基体に0.01
〜0.5重量%の希土類金属を含有させることによって電
子放射物質層を基体に被着形成する際の活性化時に、ア
ルカリ土類金属の炭酸塩が分解する際、あるいは陰極と
しての動作中に酸化バリウムが解離反応を起こす際に基
体が酸化する反応を防止するとともに、電子放射物質層
中への基体に含有された還元性元素の拡散を適度に制御
し、還元性元素による複合酸化物からなる中間層が基体
と電子放射物質との界面近傍に集中的に形成されること
を防止し、中間層を電子放射物質層内に分散させるとい
う技術が示されている。つまり、この第2の従来例の電
子管用陰極においては、中間層が分散されるために、1
〜2A/cm2程度の高電流密度動作でのエミッション劣化が
少ないという優れた特性を有するものである。更に特願
昭60-160851の出願には、電子放射物質層に0.1〜20重量
%の希土類金属酸化物を含有させることにより、第2の
従来例と同様、基体の酸化を防止するとともに中間層を
分散させるという技術が示されている。この場合におい
ても上記と同様に2A/cm2以上の高電流密度動作でも、エ
ミッションの劣化を少くできる。しかしながら、2A/cm2
以上の高電流密度動作においては、電子放射物質層を流
れる電流によるジュール熱でバリウムの蒸発が顕著にな
り、電子放射特性が劣化することがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
この発明は、2A/cm2以上の高電流密度動作においても、
長時間にわたって安定したエミッション特性を有する電
子管用陰極を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る電子管用陰極は、主成分がニッケルから
なる基体上に電子放射物質層を被着形成するものにおい
て、この電子放射物質層を少なくともアルカリ土類金属
酸化物とスカンジウムの酸化物との混合物を基体上に被
着形成した第1層と、この第1層の上に被着形成され、
少なくともバリウムを含むアルカリ土類金属酸化物を主
成分とし、これに耐熱酸化物を含ませた第2層とを有す
るものとしたものである。
〔作用〕
この発明においては、電子放射物質層の第1層に含有さ
せたスカンジウムの化合物が、電子放射物質層を基体に
被着形成する際の活性化時に、アルカリ土類金属の炭酸
塩が分解する際、あるいは陰極としての動作中に酸化バ
リウムが解離反応を起こす際に基体が酸化する反応を防
止するとともに、電子放射物質層中への基体に含有され
た還元性元素の拡散を適度に制御し、還元性元素による
複合酸化物からなる中間層が基体と電子放射物質層との
界面近傍に集中的に形成されることを防止し、中間層を
電子放射物質内に分散させるもであり、しかも、電子放
射物質層の第2層に含有された耐熱酸化物がバリウムの
蒸発を抑制するものである。
〔実施例〕
以下にこの発明の一実施例を第1図にもとづいて説明す
る。図において(1)は主成分がニッケルからなり、S
i,Mg等の還元剤が含有された基体、(2)は基体(1)
の底部上面に被着された電子放射物質層で、第1層(2
a)及び第2層(2b)を有している。この電子放射物質
層の製造方法の一例としては、まず第1層(2a)として
バリウムの炭酸塩に酸化スカンジウム50wt%(炭酸バリ
ウムが酸化物になるとしての重量%)添加混合し、懸濁
液を作成してスプレイによって約10μmの厚みで塗布
し、さらに第2層(2b)として、バリウム、ストロンチ
ウム、カルシウムの炭酸塩に耐熱酸化物である酸化チタ
ンを4wt%混合し、同様に懸濁液にしてスプレイで第1
層と第2層合わせて約100μmになるように塗布した。
また他の製造方法の例としては、第2層(2b)における
耐熱酸化物として酸化クロムを用い、この酸化クロム4w
t%を混合したものとしても良いものである。このよう
に作成した電子管用陰極を用いて2極真空管を作成し、
従来と同様に真空排気しながら、分解・活性化処理を行
った。これを2.5A/cm2の電流密度で動作させて寿命試験
を行った場合のエミッション電流の変化を調べた結果を
第3図に示た。図中には従来例としてバリウム、ストロ
ンチウム、カルシウムの炭酸塩のみを塗布したものSc2O
3なしとして図示)、および(Ba・Sr・Ca)にSc2O3を4w
t%塗布したものを併記した。この図から明らかなよう
にこの発明の実施例のものは従来に比べてエミッション
劣化が少なく良好な特性を示しているものかわかる。
さらに、発明者らは第1層について種々検討したとこ
ろ、少なくともバリウムを含むアルカリ土類金属酸化物
と酸化スカンジウムとから構成されていることが必要で
あることがわかった。すなわち、上記実施例のようにBa
O、さらに(Ba・Sr)O、(Ba・Ca)O、(Ba・Sr・C
a)OにSc2O3を添加する。この時の塗布厚みは50μm以
下がよく、望ましくは10〜20μmである。
また、第2層に添加する耐熱酸化物は上記実施例のTi
O2,Cr2O3以外にAl2O3,SiO2,V2O5,Fe2O3,ZrO2,Nb2
O5,HfO2,Ta2O5,M0O3,WO3などがよい。
上記したようにこの発明が従来に比較して優れた特性が
得られるのは以下の理由によると考えられる。第1層に
添加したSc2O3は、電子管用陰極の動作とともに、その
一部が解離して基体(1)の表面から約20μmの深さま
で拡散する。一方、基体(1)内の還元剤Si,MgはScと
は逆に表面へ拡散し、表面でBaOと反応し、遊離Baをつ
くるが、またBaSiO3を生成する。このBaSiO3は中間層と
呼ばれ、還元剤のBaOとの反応を阻害する。しかし、こ
の発明の実施例においては、基体(1)の表層に存在す
るScによって上記中間層を分解するので、還元剤Siは電
子放射物質層内へさらに移動でき、電子放射に寄与す
る。また第2層に添加したTiO2やCr2O3などの耐熱酸化
物はBaの蒸発を抑制するものと考えられる。この電子管
用陰極の表面をオージェ分光分析装置で観察したとこ
ろ、TiO2やCr2O3粒子の上にBaが十分に存在しているこ
とがわかった。すなわち、従来電子放射物質層(2)を
高電流が流れると、ジュール熱により電子放射物質層
(2)の温度上昇をひきおこし、その結果Baの蒸発が増
加することになり、Baの蒸発増大は必然的に短寿命につ
ながるものであった。本発明ではTiO2やCr2O3などの酸
化物が、Baを吸着する機能を有するのであろう。
なお、耐熱酸化物の量が20重量%を越えると、初期電子
放射量が低く、またこの量が0.01%以下であると、Ba蒸
発の抑制に効果的でない。
また本発明において、電子放射物質層(2)内に微量の
金属粉末、例えばNi,Co,Ti,Zrなどを含むことにより導
電性を良好にすることは効果がある。
また上記において、第1層の塗布厚みを50μm以下とし
たが、50μm以上であると基体(1)内の還元剤マグネ
シウム,シリコンが第2層まで拡散するに要する距離が
長く、好ましくない。
〔発明の効果〕
この発明は以上に述べたように、Niからなる基体上に少
なくともバリウムを含むアルカリ土類金属酸化物とスカ
ンジウム化合物との混合物を第1層として被着形成し、
この第1層の上に第2層として少なくともバリウムを含
むアルカリ土類金属酸化物を主成分とし、これに耐熱酸
化物を含ませたものを被着形成したことにより、通常の
活性化工程のみで、2A/cm2以上の高電流密度による動作
の下での長寿命を確実に実現できるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による電子管用陰極を示す
断面図、第2図は従来の電子管用陰極を示す断面図、第
3図は寿命試験時間とエミッション電流との関係を示す
図である。 図において(1)は基体、(2)は電子放射物質層、 なお各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 量 神奈川県鎌倉市大船2丁目14番40号 三菱 電機株式会社商品研究所内 (72)発明者 斉藤 正人 神奈川県鎌倉市大船2丁目14番40号 三菱 電機株式会社商品研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−198029(JP,A) 特開 昭52−2082(JP,A) 特公 昭50−30939(JP,B1) 特公 昭50−30940(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分がニッケルからなりシリコン及びマ
    グネシウムのうち少なくとも一方の還元性元素を含む基
    体上に、少なくともバリウムを含むアルカリ土類金属酸
    化物とスカンジウムの酸化物との混合物を第1層として
    被着形成し、さらにこの第1層の上に第2層として少な
    くともバリウムを含むアルカリ土類金属酸化物を主成分
    とし、これに耐熱酸化物を含ませたものを被着形成した
    電子放射物質層を備えたことを特徴とする電子管用陰極
  2. 【請求項2】上記耐熱酸化物として、アルミニウム、シ
    リコン、チタン、バナジウム、クロム、鉄、ジルコニウ
    ム、ニオブ、ハフニウム、タンタル、モリブデン、タン
    グステンの酸化物の少なくとも1種を選び、これを0.01
    〜20重量%含有させたことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の電子管用陰極。
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