JPH07211222A - 電子管用陰極 - Google Patents

電子管用陰極

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JPH07211222A
JPH07211222A JP7029409A JP2940995A JPH07211222A JP H07211222 A JPH07211222 A JP H07211222A JP 7029409 A JP7029409 A JP 7029409A JP 2940995 A JP2940995 A JP 2940995A JP H07211222 A JPH07211222 A JP H07211222A
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金治郎 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間にわたって安定したエミツシヨン特性
を有し、かつ生産性、信頼性の高い電子管用陰極を得
る。 【構成】 主成分がニッケルからなり、還元性元素を含
む基体上に、少なくともバリウムを含むアルカリ土類金
属酸化物を主成分とし、0.3/20重量%の希土類金
属酸化物の成分を含んだ電子放射物質層を被着形成した
テレビ用陰極に用いられる電子管用陰極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、TV用ブラウン管な
どに用いられる電子管用陰極に関し、特に電子放射性物
質層の改良に関するものである。本願は、特願平2−4
08884号(出願日平成2年12月28日)を原出願
とする分割出願であり、特願平2−408884号は特
願昭60−160851号(出願日昭和60年7月19
日)を原出願とする分割出願である。
【0002】
【従来の技術】図2は従来のTV用ブラウン管や撮像管
に用いられている陰極を示すものであり、図において1
はシリコン(Si)、マグネシウム(Mg)などの還元
性元素を微量含む主成分がニッケルからなる有底筒状の
基体、2はこの基体の底部上面に被着され、少なくとも
バリウム(Ba)を含み、他にストロンチウム(Sr)
あるいは/及びカルシウム(Ca)を含むアルカリ土類
金属酸化物からなる電子放射物質層、3は上記基体1内
に配設されたヒータ3で、加熱により上記電子放射物質
層2から熱電子を放出させるためのものである。
【0003】この様に構成された電子管用陰極におい
て、基体1への電子放射物質層2の被着は次の様にして
行なわれるものである。まずアルカリ土類金属(Ba、
Sr、Ca)の炭酸塩からなる懸濁液を基体1に塗布
し、真空排気工程中にヒータ3によって加熱する。この
時、アルカリ土類の炭酸塩はアルカリ土類金属の酸化物
に変わる。その後、アルカリ土類金属の酸化物の一部を
還元して半導体的性質を有するように活性化を行なうこ
とにより、基体1上にアルカリ土類金属の酸化物からな
る電子放射物質層2を被着せしめているものである。
【0004】この活性化工程において、アルカリ土類金
属の酸化物の一部は次の様に反応しているものである。
つまり基体1中に含有されたシリコン、マグネシウム等
の還元性元素は拡散によりアルカリ土類金属の酸化物と
基体1の界面に移動し、アルカリ土類金属酸化物と反応
する。例えばアルカリ土類酸化物として酸化バリウム
(BaO)であれば式(1)、(2)の様に反応するも
のである。
【0005】 BaO+1/2Si=Ba+1/2SiO2 …(1) BaO+Mg=Ba+MgO …(2)
【0006】この反応の結果、基体1上に被着形成され
たアルカリ土類金属酸化物の一部が還元され、酸素欠乏
型の半導体となり、陰極温度700〜800℃の動作温
度で0.5〜0.8A/cm2 の電子放射が得られること
になる。しかるに、この様にして形成された電子管用陰
極にあっては電子放射が0.5〜0.8A/cm2 以上の
電流密度は取り出せないものである。その理由としては
次の様なものである。つまり、アルカリ土類金属酸化物
の一部を還元反応させた場合、上記(1)(2)式から
も明らかな如く基体1とアルカリ土類金属酸化物との界
面にSiO2 、MgOあるいはBaO・SiO2 なる複
合酸化物層(中間層)が形成され、この中間層が高抵抗
層となって電流の流れを妨げること、また上記中間層が
基体1中の還元元素が電子放射物質層2の表面側へ拡散
するのを妨げ十分なバリウム(Ba)が生成されないこ
とが考えられている。
【0007】また、従来の電子管用陰極としては特開昭
59−20941号公報に、上記した図2のものと同様
の構成をしており、陰極の速動性を得るために基体1の
板厚を薄くし、寿命中の還元剤の涸濁を防止しかつ基板
1の強度低下を防止する目的で、基体1にランタンがL
aNi5 及びLa2 3 の形で分散含有させたものが示
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この様に構成された電
子管用陰極においては、動作中に基体1と電子放射物質
層2の界面近傍、特に基体1表面近傍のニッケル結晶粒
界と上記界面より10μm程度電子放射物質層2内側の
位置に前述の中間層が偏析するため、電流の流れ及び電
子放射物質層2表面側への還元性元素の拡散が妨げら
れ、高電流密度下の十分な電子放出特性が得られないと
いう問題があった。また、後者に示したものにおいて
は、ニッケルを主成分とする基体1の制作時にLaNi
5 及びLa2 3 を含有させるため、基体1内のLaN
5 及びLO2 3 の含有状態のばらつきなどが生じ易
かった。
【0009】この発明は上記した点に鑑みてなされたも
のであり、高電流密度下において基体と電子放射物質層
との界面近傍の複合酸化物からなる中間層が集中して形
成されることを防止し、長時間にわたって安定したエミ
ッション特性を有し、かつ生産性、信頼性の高い電子管
用陰極を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電子管用
陰極は、少なくともバリウムを含むアルカリ土類金属酸
化物とを主成分とし、0.3〜20重量%の希土類金属
酸化物を含んだ電子放射物質層をニッケルを主成分と
し、還元性元素を含んだ基体上に被着形成したものであ
る。また、その電子管用陰極としてテレビ用陰極に用い
たものである。
【0011】さらに、この発明に係る電子管用陰極は、
0.3〜20重量%の希土類金属酸化物の成分を含み、
該希土類金属酸化物が酸化スカンジウムあるいは酸化イ
ツトリウムの少なくとも一方とした電子放射物質層を、
ニッケルを主成分とし、還元性元素を含んだ基体上に被
着形成させたものである。さらにまた、0.3〜15重
量%の希土類金属酸化物の成分を含んだ電子放射物質層
を、ニッケルを主成分とし、シリコンあるいはマグネシ
ウムの少なくとも一方を含む還元性元素を含んだ基体上
に被着形成させたものである。
【0012】
【作用】この発明においては、電子放射物質層中に含有
された0.3〜20重量%の希土類金属酸化物が、電子
放射物質層を基体に被着形成する際の活性化時に、アル
カリ土類金属の炭酸塩が分解する際、あるいは陰極とし
ての動作中に酸化バリウムが解離反応を起こす際に基体
が酸化する反応を防止するとともに、電子放射物質層中
への基体に含有された還元性元素の拡散を適度に制御
し、還元性元素による複合酸化物からなる中間層が基体
と電子放射物質層との界面近傍に集中的に形成されるこ
とを防止し、中間層を電子放射物質層内に分散させるも
のである。
【0013】
【実施例】
実施例1.以下にこの発明の一実施例を図1に基づいて
説明する。図において、2は基体1の底部上面に被着さ
れ、少なくともバリウムを含み、他にストロンチウムあ
るいは/及びカルシウムを含むアルカリ土類金属酸化物
11を主成分とし、0.1〜20重量%酸化スカンジウ
ム、酸化イツトリウム等の希土類金属酸化物12を含ん
だ電子放射物質層である。
【0014】次に、この様に構成された電子管用陰極に
おいて、基板1への電子放射物質層2の被着方法につい
て説明すると、まず、バリウム、ストロンチウム、カル
シウムの三元炭酸塩に酸化スカンジウム粉末あるいは酸
化イツトリウム粉末を所望の重量%(上記三元炭酸塩が
全て酸化物になるとしての重量%)添加混合し、懸濁液
を作成する。この懸濁液をニッケルを主成分とする基体
1上にスプレイにより約80ミクロンの厚みで塗布し、
その後、従来のものと同様に、炭酸塩から酸化物への分
解過程及び酸化物の一部を還元する活性化過程を経て、
電子放射物質層2を基体1に被着せしめるものである。
【0015】この様な方法で被着される電子放射物質層
2に含有される希土類金属酸化物(Sc2 3 、Y2
3 )の含有量を種々変えた電子管用陰極を種々作成し、
この電子管用陰極を用いて2極管真空管を作成し、種々
の電流密度で寿命試験を行ない、エミツシヨン電流の変
化を調べた結果、図3及び図4の結果を得た。図3は従
来のテレビ用陰極としての電流密度0.66A/cm2
3.1倍(2.05A/cm2 )で動作させた時の5重量
%のSc2 3 が含有された電子放射物質層2を有した
電子管用陰極、12重量%のY2 3 が含有された電子
放射物質層2を有した電子管用陰極の寿命特性と希土類
金属酸化物が全く含有されていない電子放射物質層2を
有した従来の寿命特性との関係を示したものである。こ
の図3から明らかなように希土類金属酸化物が含有され
た本実施例のものは従来例のものに対して高電流密度動
作でのエミツシヨン劣化が少ないものである。
【0016】また、図4は希土類金属酸化物であるSc
2 3 及びY2 3 の添加比率を種々変えた電子放射物
質層2を有した電子管用陰極において電流密度0.66
A/cm2 (1とする)に対し、電流密度が2倍、3.1
倍、4倍である条件で寿命テストを行い、電流密度と初
期エミツシヨン電流に対する6000時間でのエミツシ
ヨン電流の比との関係を示したものである。この図4か
ら判るように、希土類金属酸化物であるSc2 3 、Y
2 3 が0.1重量%以上の添加率になると、高電流密
度動作下でのエミツシヨン低下を防止する効果があり、
0.3重量%以上になるとこの効果は顕著になる。図示
していないがSc2 3 、Y2 3 は20wt%の添加
率までこの効果が確認できた。次に希土類金属酸化物で
あるSc2 3 の添加比率を0.1、1、5、10、2
0、25重量%の6種類に変化させた電子放射物質層2
を有した陰極を各々TV用ブラウン管に組込んで所定の
工程を経てTV用ブラウン管を作成した。
【0017】図5は初期電子放射電流特性の測定結果を
示す図で、縦軸は最大陰極電流、横軸は酸化スカンジウ
ムの添加比率を示す。図5から明らかなように、酸化ス
カンジウムの添加比率が20wt%を越えると、初期の
電子放射電流の低下が著しくなる。すなわち、これら希
土類金属酸化物であるSc2 3 及びY2 3 の添加率
が20重量%を越えると、製造工程を経た後新たに長時
間のエージングを行わないとエミツシヨン電流の安定な
取り出しが困難となり、実用的でなかった。従って、電
子放射物質層2における希土類金属酸化物の含有量は
0.1〜20重量%の範囲にする必要があるものであ
る。特に0.3〜15重量%の範囲で上記した効果が顕
著であった。
【0018】このように電子放射物質層2に希土類金属
酸化物を含有した効果を詳細に調査するために、図3の
実験結果において6000時間でのエミツシヨン電流測
定後、従来品及び5重量%のSc2 3 を含有した電子
放射物質層2を有した電子管用陰極の断面を電子ビーム
X線マイクロアナライザー(EPMA)によって分析を
行った結果、図6及び図7の結果を得た。図6は従来の
希土類金属酸化物が全く含有されていない電子放射物質
層2を有した電子管用陰極の実験結果を示すものであ
り、図6から明らかなように、基板1であるニッケルと
電子放射物質層2との界面近傍に、基体1内に含有され
た還元剤である、Si、Mgが偏析しており、この偏析
状態は基体1と電子放射物質層2の界面より基体1側の
約5μの深さの位置及び上記界面より電子放射物質層2
への約3〜5μの位置に還元剤であるSi及びMgのピ
ークが同時に確認され、Siはさらに上記界面より電子
放射物質層2側への約13μの位置に最大のピークが観
察された。
【0019】図示していないが電子放射物質中のこれら
Mg、Siのピークの位置と同一箇所でBaのピークの
存在も確認された。これら、Si、Mg、Baのピーク
は酸素のピークとほぼ一致するので、これらの金属は酸
化物あるいは複合酸化物として存在していると考えられ
る。さらに、基体1中には少量のSiの存在が確認され
た。このように、高電流密度動作の従来品においては、
基体1と電子放射物質層2との界面近傍で、基体1内の
結晶粒界では、SiO2 、MgO及びこれらの複合酸化
物層が形成され、さらに上記界面から電子放射物質層2
の位置にはBaO、MgO、SiO2 の複合酸化物層が
形成されていることがわかるものである。上記したSi
2 ・MgO層及びBaO・SiO2 層は基体1内から
電子放射物質層2内への還元剤であるSi、Mgの拡散
速度を抑制するとともに高絶縁であるために電流の流れ
を阻害し、ついには電子放射物質内での絶縁破壊による
損耗をもたらすことになるものである。
【0020】これに対して、本実施例である希土類金属
酸化物であるSc2 3 を含有した電子放射物質層2を
有する電子管用陰極においては、図7にその実験結果を
示すように基体1内に含有された還元剤であるSi、M
gは平均的に分散されており、上記図6に示した従来例
のもののように基体1と電子放射物質層2との界面近傍
に、これら還元剤のピークが全く存在していないもので
ある。このことは次の理由によるものと判断される。つ
まり活性化時にアルカリ土類金属の炭酸塩が酸化物へと
分解する場合、あるいは電子管用陰極の動作時にBaO
などが解離反応を起こす場合において、希土類金属酸化
物が基体1の酸化を防ぐことに起因しているものと考え
られる。
【0021】例えば、希土類金属酸化物が基体1の酸化
を防ぐことに起因しているものと考えられる。例えば、
希土類金属酸化物が酸化スカンジウム(Sc2 3 )で
ある場合の反応は次式(4)(6)の様になるものであ
る。
【0022】
【化1】
【0023】従って、上式(3)(5)から明らかなよ
うに、希土類金属酸化物を含有していない電子放射物質
層2を有した電子管用陰極においては、寿命初期におい
て既に基体1と電子放射物質層2との界面に形成された
ニッケルの酸化物と基体1中の還元剤であるSi、Mg
とが反応し、SiO2 ・MgO2 が界面の最表層及びそ
の近傍の粒界中に形成されることになる。そのため、還
元剤であるSi、Mgの電子放射物質層2中への拡散は
上記SiO2 ・MgOの酸化物層に律速され、反応1、
2のサイト(場所)は該酸化物層の近傍に形成される。
【0024】そのため、特に高電流密度で動作する場
合、(1)(2)の反応が活発に行われ、還元剤による
酸化物SiO2 ・MgOが上記酸化物層の近傍に集中し
て生成され、(1)(2)の反応が進むとともに還元元
素であるSi、Mgの電子放射物質中への拡散がますま
す抑制され、エミツシヨン低下が著しくなる。
【0025】一方、本発明の実施例である希土類金属酸
化物を含有した電子放射物質層2を有した電子管用陰極
においては、電子放射物質層2中の希土類金属酸化物が
基体1のニッケルの酸化反応を防止するので、還元元素
であるSi、Mgは基体1内の結晶粒界またはその近傍
で酸化物層を形成せず、電子放射物質層中へと容易に拡
散していき、(1)(2)の反応サイトは電子放射物質
層2内の粒界に形成され、従来例よりも分散された場所
に反応サイトがある。
【0026】さらに、電子放射物質層2中の希土類金属
酸化物が上記還元元素の電子放射物質層中への拡散を適
度に律速するので、長時間高電流密度下の動作後におい
ても安定で良好なエミツシヨン特性を維持できる。従っ
て、0.1重量%未満の希土類金属酸化物の添加では基
体1の粒界近傍でSiO2 ・MgOの酸化物層を形成す
るのを抑制する効果が不十分で、エミツシヨン特性の低
下が現れ始める。希土類金属酸化物を0.3重量%以上
添加すると良好なエミツシヨン特性を維持できる効果は
顕著となる。また、20重量%より多い添加では電子放
射物質内での還元元素の拡散を抑制する機能が大にな
り、エミツシヨン電流の安定な取り出しに長時間のエー
ジングが必要となる。
【0027】また、0.1〜20重量%の希土類金属酸
化物の添加範囲であれば、基体1中への希土類金属の固
溶現象が確認され、かつ6000時間動作後(電流密度
2.05A/cm2 )に電子放射物質層2の基体1からの
はくり現象が皆無であった。因みに、従来の希土類金属
酸化物が含有されていない電子放射物質層2を有した電
子管用陰極でのはくり現象の発生ひん度は30%であっ
た。
【0028】なお、上記実施例においては、希土類金属
酸化物としてSc2 3 及びY2 3 を用いたものを説
明したが他の希土類金属酸化物でも同様の効果は得られ
たものの、特にSc2 3 、Y2 3 、Ce2 3 にお
いてその効果が顕著であった。このように本発明は従来
とほぼ同等の製造条件で陰極を製造することができ、希
土類金属酸化物の分散状態なども比較的容易に制御でき
る。
【0029】
【発明の効果】この発明は以上のように述べたように還
元性元素を含有した基体に被着される少なくともバリウ
ムを含むアルカリ土類金属酸化物を主成分とする電子放
射物質層に0.3〜20重量%の希土類金属酸化物を含
有させたものとしたので、希土類金属酸化物が電子放射
物質層に含まれていない従来のものに対して2〜4倍、
つまり1.32A/cm2 (=0.66×2)〜2.64
A/cm2 (=0.66×4)の高電流密度動作下での長
寿命を実現し、安価で製造の制約の少ない信頼性の高い
電子管用陰極が得られるという効果を有するものであ
る。また、テレビ用陰極に用いた場合には、従来の酸化
物陰極と同様な動作温度で使用できるため、TV用ブラ
ウン管内の陰極部品の熱変形に新たな影響を与えない。
従って信頼性の高い陰極が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】 従来の電子管用陰極を示す断面図である。
【図3】 寿命試験時間とエミツシヨン電流との関係を
示す特性図である。
【図4】 電流密度とエミツシヨン電流比との関係を示
す特性図である。
【図5】 酸化スカンジンム含有率と最大陰極電流との
関係を示す特性図である。
【図6】 図2のものの6000時間でのエミツシヨン
電流測定後の断面をEPMAによって測定した結果を示
す特性図である。
【図7】 図1のものを図6と同様に測定した結果を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 基体 2 電子放射物質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 金治郎 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電機 株式会社京都製作所内 (72)発明者 鎌田 豊一 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電機 株式会社京都製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分がニッケルからなり、還元性元素
    を含む基体上に、少なくともバリウムを含むアルカリ土
    類金属酸化物を主成分とし、0.3〜20重量%の希土
    類金属酸化物の成分を含んだ電子放射物質層を、被着形
    成したことを特徴とする電子管用陰極。
  2. 【請求項2】 電子放射物質層が、1.32A/cm2
    2.64A/cm2 の範囲内の電流密度下で動作されるテ
    レビ用陰極に用いられることを特徴とする請求項1に記
    載の電子管用陰極。
  3. 【請求項3】 希土類金属酸化物が酸化スカンジウムあ
    るいは酸化イツトリウムの少なくとも一方であることを
    特徴とする請求項1に記載の電子管用陰極。
  4. 【請求項4】 還元性元素がシリコンあるいはマグネシ
    ウムの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の電子管用陰極。
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