JPH0786976A - 車載用受信機 - Google Patents

車載用受信機

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JPH0786976A
JPH0786976A JP22983693A JP22983693A JPH0786976A JP H0786976 A JPH0786976 A JP H0786976A JP 22983693 A JP22983693 A JP 22983693A JP 22983693 A JP22983693 A JP 22983693A JP H0786976 A JPH0786976 A JP H0786976A
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signal
noise
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JP22983693A
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Kazuo Takayama
一男 高山
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Denso Ten Ltd
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Denso Ten Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放送電波を受信して音声信号を再生する過程
における再生条件を複数通りに設定可能であり、受信状
態や信号状態に応じて再生条件の設定を変更する車載用
受信機に関し、再生音声の聴感上の連続性を最大限に確
保させた状態で再生条件を変更し、自然な聴感を形成し
て放送の魅力を損なわせない車載用受信機を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 検波回路12の出力信号を検知して、時間的
な変調度の平均値を計測する検出手段14と、計測され
た前記平均値に基づいて、再生回路13の再生条件の設
定を変更し、平均値が高い場合には、低い場合よりも、
設定の変更を抑制する制御手段15と、を設けた構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放送電波を受信して音
声信号を再生する過程における再生条件を複数通りに設
定可能であり、受信状態や信号状態に応じて再生条件の
設定を変更する車載用受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の集積回路技術の進歩に伴い、FM
放送、AM放送、アナログ無線通信に使用される車載用
受信機の回路構成が大幅に簡略化され、機能別の複数の
アナログICのそれぞれにバスインターフェイスを設
け、制御用のマイコン回路で複数のアナログICを統括
的に制御する構成が採用され始めている。
【0003】そして、不揮発かつ書き替え可能なメモリ
素子やバックアップ電源付きの記憶回路に、複数のアナ
ログICの個々の設定条件を一括して保存させておき、
アナログICの必要な設定条件を、装置の電源投入後
に、制御用のマイコン回路を通じてプログラム式に設定
する構成が採用され始めている。
【0004】このような車載用受信機では、ハード構成
を共通にして一括大量生産した車載用受信機に対して、
それぞれ固有の受信特性や再生特性を付与できる。ま
た、制御用のマイコン回路を通じて、アナログICの設
定条件をプログラム式に変更できるから、アナログIC
の入出力状態や周囲の環境に応じて、設定条件を最適化
することも可能である。
【0005】このような車載用FM受信機の例は、ダイ
バーシティアンテナ機能、オートセパレーション制御
(ASC)機能、オートトーン制御(ATC)機能、マ
ルチパスオートセパレーション制御(M−ASC)機
能、ノイズキャンセラー機能等を備えている。
【0006】ダイバーシティアンテナ機能は、複数のア
ンテナを切り換えて接続し、FMステレオ信号のマルチ
パスノイズのレベルが最も低いアンテナを自動的に選択
してFM放送電波を受信し続ける機能である。
【0007】オートセパレーション制御(ASC)機能
は、電界強度(RF入力レベル)が低くなると強制的に
モノラル再生に移行させ、ステレオ音声信号のセパレー
ションを犠牲にして雑音レベルを低減させる機能であ
る。
【0008】オートトーン制御(ATC)機能は、電界
強度(RF入力レベル)が低い場合に再生音声の高域部
分を抑制し、音質を犠牲にして雑音レベルを低減させる
機能である。
【0009】マルチパスオートセパレーション制御(M
−ASC)機能は、FMステレオ放送の左右チャンネル
信号が混合して発生するマルチパスノイズのレベルが高
くなると強制的にモノラル再生に移行させ、ステレオ音
声信号のセパレーションを犠牲にしてマルチパスノイズ
のレベルを低減させる機能である。
【0010】ノイズキャンセラー機能は、FM復調信号
に含まれるスパイク状のノイズを検知してゲート素子を
制御し、ノイズ部分のアナログ出力をゲート素子で遮断
する機能である。ノイズキャンセラー機能は、FM受信
信号の位相ひずみや、自動車のイグニッションノイズに
起因する突発的な雑音成分を除去する。
【0011】これらの機能は、アナログICであるチュ
ーナ用ICから制御用のマイコン回路にRF入力レベル
等のA/D変換データを送出し、制御用のマイコン回路
で必要な演算を実行して、チューナ用ICに再生条件の
設定データを送出し、設定内容を変更させることで達成
される。
【0012】しかし、従来のプログラム機能を持たない
固定回路で、同様な機能を達成することも可能である。
また、通信機能を持たないアナログ回路の内部にマイコ
ン回路を設けて、同様な機能を達成することも可能であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のダイバーシティ
アンテナ機能、ASC機能、ATC機能、M−ASC機
能、ノイズキャンセラー機能は、雑音レベルを有効に低
減させて再生音声の物理的な品質を高めるが、再生音声
の安定度を損なわせて聴感的な品質を逆に低下させる問
題がある。
【0014】すなわち、電界強度やマルチパス雑音のレ
ベルに応じてチューナ用ICの再生条件を変更すると、
雑音が物理的に低減されて、小さな音でも聞取り易くな
る一方で、再生条件の変更の前後でトーンやステレオ感
の連続性が失われ、不自然な聴感が形成されてしまう。
【0015】特に、音楽放送では、音楽の音色(トー
ン)やステレオ感に注意が集中しており、雑音もまた音
楽の一部を構成するため、トーン、ステレオ感、雑音レ
ベルが途中で段階的に変化すると、聴感上の不自然さが
際立ち、放送の魅力が著しく損なわれる。
【0016】ところで、車載用受信機では、周囲の建物
や障害物、車輛の進行方向(アンテナの指向方向)、山
や谷、走行高度等の影響を受けて、車輛の走行中に電界
強度やマルチパス雑音のレベルがかなり変動する。従っ
て、電界強度やマルチパス雑音の変化に対して一様に再
生条件を追従させると、聴感が振動するかのごとく変動
して放送内容を快適に聴取できない。
【0017】また、従来のダイバーシティアンテナ機能
は、FMステレオ信号のマルチパスノイズのレベルが最
も低いアンテナを自動的に選択するが、アンテナが切り
換えられた前後では、再生条件の場合と同様な理由で、
再生音声の聴感上の連続性が損なわれる。そして、アン
テナ切り換え時に再生音声をミュートさせる構成を採用
していると、ミュートによる聴感上の不自然感も追加さ
れる。
【0018】本発明は、再生音声の聴感上の連続性を最
大限に確保させた状態で再生条件を変更し、自然な聴感
を形成して放送の魅力を損なわせない車載用受信機を提
供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の基本的な
構成の説明図である。図1において、請求項1の車載用
受信機は、放送電波を受信して所望の帯域を取り出す受
信回路11と、前記受信回路11の出力信号を検波して
復調する検波回路12と、前記検波回路12の出力信号
から音声信号を再生するとともに、その再生過程におけ
る再生条件を複数通りに設定可能な再生回路13と、を
有する車載用受信機において、前記検波回路12の出力
信号を検知して、時間的な変調度の平均値を計測する検
出手段14と、計測された前記平均値に基づいて前記複
数の再生条件の設定を変更し、前記平均値が高い場合に
は、低い場合よりも、前記再生条件の変更を抑制する制
御手段15と、を設けたものである。
【0020】請求項2の車載用受信機は、請求項1の車
載用受信機において、前記検出手段は、前記検波回路の
出力信号の周波数特性を変化させて、人の聴感特性に適
合した前記変調度の信号を形成するフィルター手段、を
備えたものである。
【0021】請求項3の車載用受信機は、請求項1の車
載用受信機において、前記再生条件を、ASC特性の感
度補正、ATC特性の感度補正、M−ASC特性の感度
補正、ノイズキャンセラーの感度補正のうちの少なくと
も1つ、としたものである。
【0022】請求項4の車載用受信機は、複数のアンテ
ナを切り換えて、選択された1つのアンテナを通じてF
M放送電波を受信可能な受信回路と、受信されたFM放
送電波から所望の帯域を選択し、検波処理を通じてFM
ステレオ放送のコンポジット信号を復調する検波回路
と、前記検波回路の入力信号を検知して、マルチパス雑
音信号のレベルを計測する第1検出手段と、計測された
前記マルチパス雑音信号のレベルがしきい値を越えた場
合に、前記受信回路におけるアンテナの切り換えを実行
させる制御手段と、を有する車載用受信機において、前
記検波回路の出力信号を検知して、時間的な変調度の平
均値を計測する第2検出手段、を設け、前記制御手段
を、計測された前記変調度に応じて前記しきい値を変化
させ、前記変調度が大きい場合には、低い場合よりも、
前記マルチパス雑音信号のレベルが高い値に達しないと
前記アンテナを切り換えない制御手段としたものであ
る。
【0023】
【作用】請求項1の車載用受信機では、放送信号の変調
度(その時間的な平均値)が十分に高い場合には、電界
強度やマルチパス雑音が多少変動しても、再生条件を変
更しない。そして、放送信号の変調度が高いほど、電界
強度やマルチパス雑音の変化に対する再生条件の変動幅
が圧縮される。
【0024】例えば、FMステレオ放送の場合、電界強
度(RF入力レベル)に追従して単純にセパレーション
特性やトーン特性を変化させないで、時間的な変調度の
平均値が大きい場合には、電界強度の変動をある程度無
視してもセパレーション特性やトーン特性を一定に保持
する。
【0025】何故なら、変調度の平均値が大きい場合に
は、電界強度が多少変化しても放送再生のSN比を十分
に確保できるから、再生条件の段階的な変動のほうが、
雑音よりも耳障りとなるからである。一方、変調度の平
均値が小さい場合には、雑音が聴感上の認容の限度を越
えるから、雑音の抑制を優先して、再生条件の変動を許
容する。
【0026】検出手段14、制御手段15、再生回路1
3の具体的な構成としては、固定された専用のアナログ
回路、アナログ回路内にデジタル演算素子を内蔵させた
専用回路、アナログICとマイコン回路とを双方向の通
信線路で結んだプログラム可能な構成等を採用できる。
【0027】請求項2の車載用受信機では、人の耳の特
性を考慮して再生音声の周波数特性の重み付け処理を行
う。これにより、単純に全周波数領域を一様に扱って変
調度の平均値を求めた場合よりも、再生条件の変更の前
後で、再生音声の聴感上の自然な連続性が確保される。
すなわち、再生条件の変更による聴感上の影響が人間の
耳に対して最小となる。
【0028】請求項3の車載用受信機では、ASC特性
の感度補正、ATC特性の感度補正、M−ASC特性の
感度補正、ノイズキャンセラーの感度補正のうちのそれ
ぞれ単独、または、2以上の組合せについて、電界強度
やマルチパスノイズのレベルに変調度の平均値を加味し
た設定変更が実行される。
【0029】請求項4の車載用受信機では、FMステレ
オ放送信号の変調度(その時間的な平均値)が十分に高
い場合には、マルチパス雑音が多少変動しても、アンテ
ナ切り換えを実行しない。FMステレオ放送信号の変調
度が高いほど、アンテナ切り換えを実行するしきい値が
高くなり、マルチパス雑音が多少増した程度では、アン
テナ切り換えには至らなくなる。
【0030】そして、検波回路の出力信号の周波数特性
を変化させて、聴感特性に適合した変調度の信号を形成
するフィルター手段を備えれば、アンテナの切り換えに
よる聴感上の影響を人間の耳に対して最小にできる。正
確に言えば、人間の聴感に対する影響が最小となるタイ
ミングでアンテナの切り換えを実施できる。
【0031】
【実施例】図2は実施例の車載用オーディオ装置の構成
の説明図、図3はチューナ用ICを含む部分の構成の説
明図、図4は再生条件の説明図、図5はダイバーシティ
アンテナ動作の説明図である。図4中、(a) は補正フィ
ルタの特性、(b) はATC特性、(c) はASC特性を示
す。
【0032】ここでは、ここでは、チューナ用ICを含
む複数のアナログICと、制御用のマイコン回路が双方
向のデジタル通信線路で結ばれる。マイコン回路は、複
数のアナログICを統括的に制御する。
【0033】図2において、チューナ用IC21Aは、
AM受信機とFM受信機の機能を兼ね備えた1チップ型
のアナログICで構成される。チューナ用IC21A
は、アンテナANから受信した電波から音声のアナログ
信号を再生して、オーディオ処理用IC22Aに入力さ
せる。
【0034】チューナ用IC21Aは、バスインターフ
ェイスを備え、マイコン回路24と双方向の通信を行
う。バスインターフェイスは、A/Dコンバータおよび
D/Aコンバータを備える。バスインターフェイスは、
チューナ用IC21Aの内部回路の各段階で取り出した
アナログ信号のレベルを、デジタル変換してマイコン回
路24に送出する。また、マイコン回路24が送出した
デジタルデータから、受信回路の各段階に必要なアナロ
グ電圧を形成し、さらに、デジタルデータ内容に相当さ
せて、内部の多数のゲートスイッチのON−OFFを制
御する。
【0035】オーディオ処理用IC22Aもまた、マイ
コン回路24との間で双方向のデジタル通信を行う。オ
ーディオ処理用IC22Aは、マイコン回路24からの
指令に応じて、チューナ用IC21AとCD制御用IC
21Bの一方を選択し、入力されたアナログ信号に必要
な音響効果を施す。
【0036】パワーIC22Bもまた、マイコン回路2
4との間で双方向のデジタル通信を行う。パワーIC2
2Bは、オーディオ処理用IC22Aから出力されたア
ナログ信号を増幅し、スピーカーSPを駆動して音声を
再生する。
【0037】EEPROM25は、電源が遮断されても
記憶内容をそのまま保持でき、その記憶内容を後から書
き替えることも可能である。操作部26は、オーディオ
装置の外部に露出したコントロールパネルを有し、操作
者が任意に操作可能な複数のスイッチやボリウム、オー
ディオ装置の状態を示す各種のインジケータや表示素子
を配置する。
【0038】マイコン回路24は、外部接続用のインタ
ーフェイスを備え、コネクタ57Aを通じて、マイコン
回路24自体の各種設定、制御プログラムの格納、チュ
ーナ用IC21Aの再生条件の内部設定等を実行でき
る。
【0039】再生条件の内部設定は、オーディオ周波数
特性、オートセパレーション制御特性(ASC特性)、
オートトーン制御特性(ATC特性)等に関するもの
で、その他に、リミッタ特性、ダイバーシティアンテナ
の切り換え特性等の設定が可能である。これらの設定
は、それぞれの機能の条件を定める多数のゲート(スイ
ッチ)のON/OFFによる。
【0040】チューナ用IC21Aの内部設定は、設定
用コンピュータ28から延長したコネクタ27Bをオー
ディオ装置のコネクタ27Aに接続し、専用の測定器2
9をオーディオ装置のアンテナ20に接続して行う。設
定用コンピュータ28と測定器29は、双方向のデジタ
ル通信線路で結ばれ、測定器29は、設定用コンピュー
タ28の指令に応じた擬似信号をアンテナANに入力さ
せる。
【0041】設定用コンピュータ28は、測定器29が
出力する擬似信号の状態を変化させながら、チューナ用
IC21Aからマイコン回路24を経て送出されたデジ
タル信号を計測して、チューナ用IC21Aの内部回路
に最適な回路定数や再生条件を設定する。これらの設定
内容は、設定データに変換されてEEPROM25に書
き込まれ、不揮発に保存される。
【0042】マイコン回路24は、チューナ用IC21
Aに電源が入ると、EEPROM25から設定データを
呼び出して、チューナ用IC21Aの多数のゲート(ス
イッチ)を駆動して、必要な回路定数や再生条件を設定
する。
【0043】図3において、チューナ用IC21AのR
F回路21は、アンテナANから受信した放送電波から
高周波信号を再生して増幅する。また、2組のアンテナ
ANのうち、マイコン回路24からの指令に応じて設定
部Aで接続された一方のアンテナを通じて電波が受信さ
れ、RF回路21に入力される。
【0044】IF回路32は、入力された高周波信号を
中間周波数信号に変換して、特定の周波数帯域を選択し
て、放送電波の特定のチャンネルを選局する。チャンネ
ル選局は、マイコン回路24からのバスラインを通じた
通信によって制御され、操作者は、図2の操作部26の
選局スイッチを操作すれば、選局状態を任意に設定でき
る。
【0045】検波回路33は、入力信号にリミッタをか
けてFM変調信号を取り出し、FM復調処理をして、ベ
ースバンド信号(音声アナログ信号、ステレオコンポジ
ット信号)を復元形成する。検波回路33は、また、電
界強度(RF入力レベル)に応じた制御用の参照信号を
出力する。
【0046】チューナ用IC21Aが出力するアナログ
信号には、参照信号の振幅に応じたATC特性、ASC
特性が付与される。また、変動検出回路38で参照信号
から抽出したマルチパス参照信号に応じて、M−ASC
特性が付与される。これらの特性は、後述するように、
時間的な変調度の平均値が加味され、聴感上の自然な連
続性を大切にして変更される。
【0047】ノイズキャンセラー34は、入力されたコ
ンポジット信号に含まれるスパイク状のノイズを検知し
て、ノイズ部分のアナログ信号を遮断する。ノイズキャ
ンセラー34におけるノイズ検知のしきい値は、設定部
BのゲートのON−OFFの組合せで設定される。
【0048】ノイズ検知のしきい値を下げると、低いピ
ークの成分まで除去されてノイズ感は低減されるが、音
声情報も部分的に失われ再生音声のひずみ感が増大す
る。しかし、ノイズ検知のしきい値を上げると、再生音
声のひずみ感は解消するが、低いピークのノイズが残っ
てノイズ感が増大する。
【0049】マイコン回路24は、ADコンバータ41
を通じて通信線路に出力された「時間的な変調度の平均
値」に基づいて、設定部Bのゲートを制御し、再生音声
のノイズ感とひずみ感のトレードオフを聴感的に最適化
する。
【0050】すなわち、時間的な変調度の平均値が大き
い場合には、ノイズが多少大きくても再生音声のSN比
が十分に確保されるから、ノイズ検知のしきい値を上げ
て、再生音声のひずみ感の解消を優先させる。
【0051】これに対して、時間的な変調度の平均値が
小さい場合には、ノイズが相対的に目立つから、ノイズ
検知のしきい値を下げて、再生音声のノイズ感の解消を
優先させる。
【0052】ステレオ復調回路35は、コンポジット信
号から右チャンネル(Rch)と左チャンネル(Lc
h)の音声信号を復元形成する。コンポジット信号がス
テレオ信号に分離される過程で、ATC入力、ASC入
力の電圧レベルに応じてステレオセパレーションの度合
いと出力周波数特性がそれぞれ調整され、ASC特性と
ATC特性が付与される。
【0053】ASC特性、ATC特性は、基本的には、
検波回路33から出力される参照信号(RF入力レベ
ル)のレベルによって、ステレオのセパレーション、出
力のトーン周波数特性を自動的に変化させる機能であ
る。しかし、ここでは、「時間的な変調度の平均値」を
加味して、再生状態の自然な連続性をできるだけ損なわ
せないようにしている。
【0054】マイコン回路24は、時間的な変調度の平
均値に応じてASC特性、ATC特性を補正する。この
補正は、設定部Cの複数のゲートのON−OFF状態を
変更して、増幅器36の入力レベルを変化させることに
より実現される。
【0055】マイコン回路24は、時間的な変調度の平
均値が高い場合には、RF入力レベルが低くてもステレ
オ再生のSN比を十分に確保でき、高域ノイズもあまり
目立たないから、RF入力レベルが多少低くても、ステ
レオのセパレーションの度合いを維持し、また、高域の
周波数特性も抑制しない。
【0056】しかし、時間的な変調度の平均値が低い場
合には、ステレオ再生のSN比が不足し、高域ノイズも
耳障りなので、RF入力レベルの低下に追従させて、ス
テレオのセパレーションの度合いを早めに低下させ、高
域の周波数特性を抑制してノイズ感の低減を優先する。
【0057】変動検出回路38は、検波回路33の参照
信号からマルチパスノイズに相当する成分を抽出して、
マルチパス参照信号を形成する。M−ASC特性は、マ
ルチパス参照信号のレベルに応じてASC特性を変化さ
せる機能である。
【0058】M−ASC特性は、マルチパス雑音が大き
い場合には、RF入力レベルが高くてもステレオセパレ
ーションの度合いを低下させて、マルチパス雑音を目立
たなくする。しかし、ここでは、「時間的な変調度の平
均値」が加味され、聴感上の連続性を大切にしている。
【0059】マイコン回路24は、時間的な変調度の平
均値に応じて設定部Dの複数のゲートのON−OFF状
態を変更して、抵抗分割されたベース電圧を増減して、
トランジスタ39がONするマルチパス参照信号のレベ
ルを定める。トランジスタ39がONすると、ステレオ
復調回路35のASC入力が0Vとなり、完全なモノラ
ル再生が実行される。
【0060】マイコン回路24は、時間的な変調度の平
均値が高い場合には、マルチパスノイズが多少高くて
も、ステレオセパレーションを高めに維持させる。しか
し、時間的な変調度の平均値が低い場合には、マルチパ
スノイズの増加に追従して、ステレオセパレーションを
早めに低下させてノイズ感の低減を優先する。
【0061】ADコンバータ41、42は、実際には共
通の素子で構成され、共通の入力を時分割的に使用し
て、それぞれのアナログ入力をデジタルデータに変換す
る。ADコンバータ41は、変調度検出回路37から出
力される「時間的な変調度の平均値」のアナログ信号を
変換する。ADコンバータ42は、変動検出回路38か
ら出力されるマルチパス参照信号を変換する。
【0062】変調度検出回路37は、補正フィルタ、全
波整流回路、平均化回路を含む。補正フィルタは、人間
の耳の聴感特性、すなわち、人間の耳が同じ音量と判断
する音圧レベルの周波数特性を付与した1種のバンドパ
スフィルターである。全波整流回路、平均化回路は、補
正フィルタで重み付けされたコンポジット信号につい
て、時間的な平均値を求める。
【0063】図4(a) において、図3の変調度検出回路
37の補正フィルターは、1kHzを中心とする幅広い帯
域を透過し、1kHzから離れる程に出力が低下する特性
を有する。これは、人間の耳が同じ音量と判断する音圧
レベルの周波数特性に似せて設計したものである。
【0064】図4(b) において、変調度出力大(時間的
な変調度の平均値が大きい)の場合には、標準時に比較
して高域部分を強調したATC特性が付与される。一
方、変調度出力小(時間的な変調度の平均値が小さい)
場合には、標準時に比較して高域部分を抑制したATC
特性が付与される。
【0065】図4(c) において、変調度出力大(時間的
な変調度の平均値が大きい)の場合には、標準時に比較
してRF入力レベルが低い段階でもセパレーションの程
度が高いステレオ再生を実行する。一方、変調度出力小
(時間的な変調度の平均値が小さい)場合には、標準時
に比較してかなり高いRFレベルに達しないと、通常の
ステレオ再生に移行しない。
【0066】図5において、図2のチューナ用ICのダ
イバーシティアンテナ動作、すなわち、図3のアンテナ
ANの切り換え処理は、マイコン回路24からの指令に
応じて設定部Aのゲートの接続を変更して実行される。
【0067】マイコン回路24は、チューナ用IC21
Aから取り込んだ、変調度出力Vm(時間的な変調度の
平均値)、および、マルチパス検出値Vp(マルチパス
参照信号)に基づいて、設定部Aのゲートの接続を制御
する。
【0068】すなわち、変調度出力Vmを取り込んで、
スレッショルド電圧Vs(アンテナ切り換えを実行する
しきい値)を演算する。次に、マルチパス検出値Vpを
取り込んで、スレッショルド電圧Vsにマルチパス検出
値Vpを比較し、スレッショルド電圧Vsよりもマルチ
パス検出値Vpが大きい場合には、図3の設定部Aのゲ
ートのON−OFFを交代して、アンテナANを切り換
える。
【0069】このような制御によれば、変調度出力Vm
が大きければ、それだけスレッショルド電圧Vsも大き
くなり、マルチパス検出値Vpが多少大きくなった程度
ではアンテナの切り換えが実行されない。従って、ダイ
バーシティ動作による不連続を排して、受信状態の連続
性を維持できることになる。
【0070】なお、アンテナ切り換えのサイクルは、1
0〜100msec に定めてある。また、一方のアンテナ
でマルチパス検出値Vpがスレッショルド電圧Vsを越
えてアンテナが切り換えられた後、切り換えた先のアン
テナでもマルチパス検出値Vpがスレッショルド電圧V
sを越えた場合には、元のアンテナへの切り換えが再び
実行されるとともに、スレッショルド電圧Vsの演算式
における固定値bが1段階大きな値に交換される。これ
により、スレッショルド電圧Vsを大きくして同様の制
御を繰り返すことになる。
【0071】
【発明の効果】請求項1の車載用受信機によれば、再生
条件を電界強度等に応じて変更する機能(ダイバーシテ
ィアンテナ機能、ASC機能、ATC機能、M−ASC
機能、ノイズキャンセラー機能)を設けても、再生状態
の連続性が損なわれず、再生音声の安定度が損なわれな
い。
【0072】すなわち、これらの機能によるノイズ削減
効果を実質的に確保しつつも、ノイズ削減による効果が
あまり実感できない場合や、ノイズ削減が再生音声の自
然な連続性を大きく損なわせる場合について、これらの
機能が抑制され、聴感上の不自然さや不快さの度合いが
大きく低下する。
【0073】従って、従来の単なる物理的なノイズ削減
効果を、聴感上の不快感の少ない人間基準のノイズ処理
に変えることができ、再生音声の実質的、総合的な品質
を高めて放送内容を明瞭かつ快適に聴取させ得る。そし
て、不自然な聴感を形成することなく、音楽放送の音色
(トーン)やステレオ感を楽しむことができ、音楽放送
の魅力を増大させる。
【0074】また、実施例のように、設定手段を外付け
してチューナ回路の内部設定を自動的に実行できる構成
とした場合、この自動設定に適合したチューナ用IC、
マイコン回路、操作部、メモリ等をそのまま利用して、
マイコン回路におけるプログラム内容のわずかな変更の
みで発明を実施できる。従って、コスト高、部品点数の
増加、装置の大型化等を招くことなく、チューナ回路の
機能(実用性)を高めることができる。
【0075】請求項2の車載用受信機によれば、フィル
ター手段によって、人の耳の特性に適合したノイズ感の
識別が行われるから、再生条件を電界強度等に応じて変
更する機能が動作した場合に、再生音声の連続性やノイ
ズ状態の変化が人間の耳にとってより自然なものにな
る。
【0076】請求項3の車載用受信機によれば、ASC
特性の感度補正、ATC特性の感度補正、M−ASC特
性の感度補正、ノイズキャンセラーの感度補正が人間の
聴感を基準にして最適化される。
【0077】請求項4の車載用受信機では、少なくと
も、マルチパスノイズが聴感上あまり目立たず、従っ
て、ダイバーシティアンテナの切り換え効果が目立たな
い部分について、ダイバーシティアンテナの切り換え動
作に伴う再生音声への影響が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成の説明図である。
【図2】実施例の車載用オーディオ装置の構成の説明図
である。
【図3】チューナ用ICを含む部分の構成の説明図であ
る。
【図4】再生条件の説明図である。
【図5】ダイバーシティアンテナ動作の説明図である。
【符号の説明】
11 受信回路 12 検波回路 13 再生回路 14 検出手段 15 制御手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放送電波を受信して所望の帯域を取り出
    す受信回路(11)と、 前記受信回路(11)の出力信号を検波して復調する検
    波回路(12)と、 前記検波回路(12)の出力信号から音声信号を再生す
    るとともに、その再生過程における再生条件を複数通り
    に設定可能な再生回路(13)と、を有する車載用受信
    機において、 前記検波回路の出力信号を検知して、時間的な変調度の
    平均値を計測する検出手段(14)と、 計測された前記平均的値に基づいて前記複数の再生条件
    の設定を変更し、前記平均値が高い場合には、低い場合
    よりも、前記再生条件の変更を抑制する制御手段(1
    5)と、を設けたことを特徴とする車載用受信機。
  2. 【請求項2】 請求項1の車載用受信機において、前記
    検出手段は、 前記検波回路の出力信号の周波数特性を変化させて、人
    の聴感特性に適合した前記変調度の信号を形成するフィ
    ルター手段、を備えることを特徴とする車載用受信機。
  3. 【請求項3】 請求項1の車載用受信機において、前記
    再生条件は、ASC特性の感度補正、ATC特性の感度
    補正、M−ASC特性の感度補正、ノイズキャンセラー
    の感度補正のうちの少なくとも1つ、であることを特徴
    とする車載用受信機。
  4. 【請求項4】 複数のアンテナを切り換えて、選択され
    た1つのアンテナを通じてFM放送電波を受信可能な受
    信回路と、 受信されたFM放送電波から所望の帯域を選択し、検波
    処理を通じてFMステレオ放送のコンポジット信号を復
    調する検波回路と、 前記検波回路の入力信号を検知して、マルチパス雑音信
    号のレベルを計測する第1検出手段と、 計測された前記マルチパス雑音信号のレベルがしきい値
    を越えた場合に、前記受信回路におけるアンテナの切り
    換えを実行させる制御手段と、を有する車載用受信機に
    おいて、 前記検波回路の出力信号を検知して、時間的な変調度の
    平均値を計測する第2検出手段、を設け、 前記制御手段は、計測された前記変調度に応じて前記し
    きい値を変化させ、前記変調度が大きい場合には、低い
    場合よりも、前記マルチパス雑音信号のレベルが高い値
    に達しないと前記アンテナを切り換えない制御手段、で
    あることを特徴とする車載用受信機。
JP22983693A 1993-09-16 1993-09-16 車載用受信機 Withdrawn JPH0786976A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009081598A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Sanyo Electric Co Ltd Fm受信機、及びfmチューナ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009081598A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Sanyo Electric Co Ltd Fm受信機、及びfmチューナ

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