JPH078621B2 - 不整地走行用車輛の制御装置 - Google Patents

不整地走行用車輛の制御装置

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JPH078621B2
JPH078621B2 JP60095615A JP9561585A JPH078621B2 JP H078621 B2 JPH078621 B2 JP H078621B2 JP 60095615 A JP60095615 A JP 60095615A JP 9561585 A JP9561585 A JP 9561585A JP H078621 B2 JPH078621 B2 JP H078621B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジン出力を変速用クラッチおよび変速機
を介して駆動輪に伝達するようにしたPTO出力軸付きの
不整地走行用車輛に適用される制御装置に関するもので
ある。
(発明の背景) エンジン出力を変速用のクラッチおよび多段変速機を介
して駆動輪に伝達する3、4輪の車輛であってPTO出力
を取出し可能にしたものがある。この種の車輛で、運転
者が着座したことを確認してから走行を可能にし、また
PTO出力を取出すモード(PTOモードという)にできるよ
うにするものがある(特開昭60−169332号)。すなわち
運転者の非乗車を検出する検出器を設け、変速機が中立
以外の状態であるかPTOモードである時には、非乗車を
検出するとエンジンを停止させるものである。
しかしPTOモードにする際には降車してPTOの試運転を行
ってその駆動状態を確認したいことがあるが、前記従来
のものでは降車時にエンジンが停止してしまうので不可
能であった。またPTOモードでポンプなどを駆動する場
合には、乗車している必要性が乏しいが、従来は乗車し
続けていなければならない。
(発明の目的) 本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、変
速機が非中立の時に運転車が降車するとエンジンを停止
させるが、変速機が中立ならPTOモードでは運転車が降
車してもエンジンを停止させないようにして、停車した
ままPTO駆動の試運転を降車して確認できるようにし、
またPTOでポンプなどを駆動する場合には乗車している
必要をなくすことができるようにいた不整地走行用車輛
の制御装置を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明によればこの目的は、エンジン出力を、変速用ク
ラッチおよび中立状態を選択可能な変速機を介して駆動
輪に伝達するようにした不整地走行用車輛において、運
転車の非乗車を検出する複数の非乗車検出器と、前記変
速機の中立状態を検出する中立検出器と、前記変速用ク
ラッチおよび変速機を迂回して前記エンジン出力をPTO
出力軸に伝えるためのドッグクラッチと、前記ドッグク
ラッチが接続したPTOモードを検出するPTO検出器と、複
数の前記非乗車検出器が共に非乗車の状態でありかつ前
記PTO検出器がPTOモードでありさらに前記中立検出器が
非中立状態であることを判別して走行制限信号を出力す
る判別器と、この走行制限信号に基づきエンジンを停止
させる走行規制手段とを備えることを特徴とする不整地
走行用車輛の制御装置により達成される。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図はこの実施
例を適用した車輛の側面図、第3図はその動力装置の斜
視図、第4図はガバナ付近の断面図である。
第2図で作業用車輛10は2個の操向前輪12と2個の駆動
輪としての後輪14とを備える。これら前輪12および後輪
14には、幅広超低圧タイヤ(いわゆるバルーンタイヤ)
が装着されている。車体の中央付近には走行用エンジン
16が搭載されている。前輪12の上方には操向バーハンド
ル18が配設され、このバーハンドル18の後方には燃料タ
ンク20および跨座式運転シート22が順次配設されてい
る。運転車はこの運転シート22に跨がって着座する。
エンジン16は第4図に示すように、クランク軸24の回転
を、自動遠心クラッチ26、変速用クラッチとしての多板
クラッチ28、変速機30および傘歯車32を介して出力軸34
に伝えるように構成されている。この出力軸の回転はド
ライブ軸36によって後輪軸38に設けられた終減速装置40
に伝えられる(第3図)。なお多板クラッチ28は、変速
機30の変速操作に連動して変速の瞬間に一時的に断続さ
れる。
またエンジン16にはPTO出力取出機構42が内装されてい
る。この機構42は、エンジン16の出力を、変速用の多板
クラッチ28および変速機30を迂回してPTO出力軸60に取
出すものである。すなわち前記遠心クラッチ26およびク
ラッチ28の歯車28aを介してクランク軸24により駆動さ
れる歯車44、46と、歯車46を回転自在に支持する軸48
と、この軸48にスプライン結合され歯車46と共にドッグ
クラッチ50を形成するスライダ52と、軸48に設けられた
機械式遠心ガバナ54と、軸48の回転を軸55に伝える傘歯
車56とを備える。軸55の回転はドライブ軸58を介してPT
O出力軸60に伝えられる。なおこのPTO出力軸60は第3図
に示すように終減速装置40のケースに支持されている。
エンジン16の右側面には手動の切換レバー62が設けられ
ている。またエンジン16の後部には切換軸64が設けら
れ、この切換軸64の上端に固定されたレバー66と前記レ
バー62とがリンク68で連結されている。切換軸64には他
のレバー70(第4図)が固定され、このレバー70の回動
端は前記スライダ52を移動させるフォーク72に係合して
いる。従って切換レバー62を前方(進行方向)に倒せば
PTOモードとなり、切換軸64は第4図で反時計方向に回
動しフォーク72およびスライダ52は左へ移動してドッグ
クラッチ50が噛み合う。このためクランク軸24が所定回
転速度以上になれば、クランク軸24の回転は、遠心クラ
ッチ26、歯車28a、44,46、スライダ52、軸48、傘歯車5
6、軸55、ドライブ軸58を介して、PTO出力軸60に伝えら
れる。反対に切換レバー62を後方に倒せば走行モードと
なり、ドッグクラッチ50は切れ、PTO出力軸60は停止す
る。
前記ガバナ54は第4図に示すように、スライダ52と一体
の円板74と、この円板74に支持された重錐76と、軸48に
摺動自在に保持されたスライダ78とを備える。スライダ
78にはレバー80が当接し、このレバー80と共にレバー82
が回動する。
第3図で84気化器であり、この気化器84は切換レバー62
の操作に従って、バーハンドル18に設けた走行用スロッ
トルレバー86と、ガバナ54のレバー82とに選択的に連動
する。すなわち切換レバー62を前に倒したPTOモードで
は気化器84はガバナ54に連動してエンジン16を定速制御
する。また切換レバー62を後へ倒した走行モードでは気
化器84はスロットルレバー86により制御され、車輛はス
ロットルレバー86の操作量に応じた速度で走行する。
90はPTO検出器であって、前記フォーク72の移動によっ
て開閉するスイッチからなり、PTOモードでオンとなっ
て"H"レベル信号を出力する。
第1図において92は点火回路であり、例えばCDI方式の
ものが使用される。この点火回路92はフラマグの充電コ
イル94によって同図に示す極性に充電されるコンデンサ
96と、パルサコイル98により点弧されこのコンデンサ96
の充電電荷を点火コイル100の一時側を介して放電させ
るサイリスタ102とを備える。
104は操作規制手段であり、点火回路92の、パルサイコ
ル98とサイリスタ102のゲートとの間に介在する常閉ス
イッチ104aで構成される。このスイッチ104aは判別器と
してのアンド回路106の出力が"H"レベルになると開路し
て、点火栓108の点火を止めエンジン16を停止させる。
すなわちエンジン16を停止することにより車輛の走行を
規制する。
110は中立検出器であり、前記変速機30の変速ドラム112
(第1図参照)の回転位置から変速機30が中立(ニュー
トラル)以外の位置にあることを検出して"H"レベルの
非中立信号を出力する。この中立検出器110の出力は、
アンド回路106に入力される。
116,116は左右一対の非乗車検出器であり、左右一対の
足置台118,118に運転者が足を載せたことから乗車状態
を判別する常閉スイッチからなる。すなわち左右の足置
台118,118には、その上面よりわずかに上方へ突出する
ように付勢されたレバー120,120が上下に揺動自在に取
付けられ、このレバー120,120は運転者が足を置いた時
に下方へ揺動し非乗車検出器116,116が開路することに
より乗車状態を検出する。
2つの非乗車検出器116,116は電源の正極(+)と前記
アンド回路106との間に直列接続され、両者が共に閉路
する時、すなわち非乗車であると判別する時にのみ"H"
レベルの信号をアンド回路106に送る。なおレバー120が
足置台118の上面に達するまでのレバー120のストローク
を比較的大きくとり、非乗車検出器116はレバー120の最
大復帰位置直前付近で作動するようにしておけば、運転
者が僅かに足を足置台118上面から浮かせても、足がレ
バー120を僅かに押し下げているかぎり非乗車と判別す
ることがないので、判別が一層確実になる。
また非乗車検出器116には遅延回路を設け、足を足置台1
18から所定時間以上続けて離した時に作動するようにし
ておけば非乗車の検出はさらに確実になる。
前記のようにアンド回路106にはPTO検出器90と中立検出
器110と、複数の非乗車検出器116との各出力が入力され
ている。従ってこのアンド回路106はPTOモードで、かつ
変速機30が中立位置以外にあって、かつ運転者が非乗車
の状態にある時に、"H"レベルの出力、すなわち走行制
限信号を出力する。前記走行規制手段104のスイッチ104
aは、この走行制限信号に基づいて開路され、エンジン1
6が停止される。
このようにPTOモードで変速機30が非中立状態にある時
には、運転者が乗車していなければエンジン16の回転が
停止し、走行できなくなる。このためPTOモードで外部
機器が接続される時には、運転者が乗車して発進準備が
完全に整わなければ発進できず、発進準備の整わない状
態で発進して外部機器を損傷するおそれがない。
またPTOモードでも変速機30が中立であれば乗車・非乗
車に関係なくエンジン16は運転を続ける。このため停車
状態で降車してPTOの試運転を確認できる。またPTOでポ
ンプなどを駆動する場合には降車してPTO駆動を続ける
ことが可能になる。特に非乗車か否かの判別には複数の
非乗車検出器116が共に非乗車と判別することが必要で
あるから、非乗車の判別が一層確実になる。
第5図は他の実施例の車輛の平面図である。この実施例
では、操向バーハンドル18にレバー130を設け、走行時
にこのレバー130を握ることによって乗車を検出するよ
うにした非乗車検出器134と、跨座式運転シート22への
着座により乗車を検出するようにした非乗車検出器134
とを備える。
本発明における非乗車検出器は、足置台118や操向バー
ハンドル18や運転シート22など、種々の位置に設けるこ
とができ、本発明は複数の非乗車検出器が共に非乗車を
判別することから非乗車を判別するようにしたものであ
ればよく、非乗車検出器の取付位置は問わない。
(発明の効果) 本発明は以上のように、変速用クラッチおよび変速機を
迂回してエンジンからPTO出力を取出すと共に、非乗車
とPTOモードと変速機の非中立との3つの条件が揃った
時にエンジンを停止させるものである。従って非乗車の
時に車輛が走り出すのを防止することができる。また変
速機が中立であれば乗車か、非乗車かおよびPTOモード
か否かに関係なくエンジンは運転可能であるから、停車
したまま降車してPTO駆動できる。例えばPTOの運転状態
を確認するために試運転を降車して行うことができる。
またPTOでポンプなどを駆動する場合に乗車している必
要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図はこの実施
例を適用した車輛の側面図、第3図はその動力装置の斜
視図、第4図はガバナ付近の断面図である。また第5図
は他の実施例の車輛の平面図である。 16……エンジン、 30……変速機、 50……ドッグクラッチ、 60……PTO出力軸、 90……PTO検出器、 104……走行規制手段、 106……判別器としてのアンド回路、 116、132、134……非乗車検出器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン出力を、変速用クラッチおよび中
    立状態を選択可能な変速機を介して駆動輪に伝達するよ
    うにした不整地走行用車輛において、 運転者の非乗車を検出する複数の非乗車検出器と、前記
    変速機の中立状態を検出する中立検出器と、前記変速用
    クラッチおよび変速機を迂回して前記エンジン出力をPT
    O出力軸に伝えるためのドッグクラッチと、前記ドッグ
    クラッチが接続したPTOモードを検出するPTO検出器と、
    複数の前記非乗車検出器が共に非乗車の状態でありかつ
    前記PTO検出器がPTOモードでありさらに前記中立検出器
    が非中立状態であることを判別して走行制限信号を出力
    する判別器と、この走行制限信号に基づきエンジンを停
    止させる走行規制手段とを備えることを特徴とする不整
    地走行用車輛の制御装置。
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