JPH0785498A - 光学的情報記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録再生装置

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JPH0785498A
JPH0785498A JP5252122A JP25212293A JPH0785498A JP H0785498 A JPH0785498 A JP H0785498A JP 5252122 A JP5252122 A JP 5252122A JP 25212293 A JP25212293 A JP 25212293A JP H0785498 A JPH0785498 A JP H0785498A
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JP
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light
optical system
information recording
optical
reflection
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JP5252122A
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Inventor
Moritoshi Miyamoto
守敏 宮本
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ヘッドの反射手段での反射によりP偏光と
S偏光とに発生する位相差を低減し、光検出器へと向か
う光量を増加させ、良好な記録再生を行うことが可能な
光学的情報記録再生装置を提供する。 【構成】 光ヘッドの光学系を構成する全反射プリズム
20’によりP偏光及びS偏光が反射せしめられ、この
反射の際のP偏光及びS偏光の位相差を実質上無くすよ
うに前記全反射プリズムでの光束反射条件を、全反射面
への光束入射角をi1 とし、反射手段の屈折率をn1
して、Sini1 =1/n1 となる様に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的情報記録媒体に
情報を記録し、該記録媒体に記録された情報を再生し及
び/又は該記録媒体に記録された情報を消去する光学的
情報記録再生装置に関する。本発明は、特に光ヘッドの
構成要素が可動部と固定部とに分かれている光学的情報
記録再生装置に適用して大なる有効性を発揮する。
【0002】
【従来の技術】従来、光を用いて情報の記録、再生を行
なう情報記録媒体としてディスク状、カード状、テープ
状等の各種の形態のものが知られている。これら光学的
情報記録媒体には記録及び再生の可能なものや再生のみ
可能なもの等がある。記録可能な媒体への情報の記録
は、記録情報に従って変調され微小スポット状に絞られ
た光ビームで情報トラックを走査することにより行なわ
れ、光学的に検出可能な情報ビット列として情報が記録
される。
【0003】又、記録媒体からの情報の再生は、該媒体
に記録が行なわれない程度の一定のパワーの光ビームス
ポットで情報トラックの情報ビット列を走査し、該媒体
からの反射光又は透過光を検出することにより行なわれ
る。
【0004】上述した記録媒体への情報の記録、再生に
用いられる光ヘッドは、記録媒体に対しその情報トラッ
ク方向及び該方向を横切る方向に相対的に移動可能とさ
れており、この移動により光ビームスポットの情報トラ
ック走査が行なわれる。光ヘッドにおける光ビームスポ
ットの絞り込み用レンズとしては、例えば対物レンズが
用いられる。この対物レンズはその光軸方向(フォーカ
シング方向)及び該光軸方向と記録媒体の情報トラック
方向との双方に直交する方向(トラッキング方向)に夫
々独立して移動することができるように光ヘッド本体に
保持されている。このような対物レンズの保持は、一般
に弾性部材を介して成され、対物レンズの上記2方向の
移動は一般に磁気的相互作用を利用したアクチュエータ
により駆動される。
【0005】ところで、上述した光学的情報記録媒体の
うちカード状の光学的情報記録媒体(以下、光カードと
称する)は、小型軽量で持ち運びに便利な比較的大容量
の情報記録媒体として今後大きな需要が見込まれてい
る。
【0006】図6に追記型光カードの模式的平面図、図
7にその部分拡大図を示す。
【0007】図6において、光カード1の情報記録面に
は多数本の情報トラック2がL−F方向に平行に配列さ
れている。又、光カード1の情報記録面には上記情報ト
ラック2へのアクセスの基準位置となるホームポジショ
ン3が設けられている。情報トラック2は、ホームポジ
ション3に近い方から順に2−1,2−2,2−3,…
と配列され、図7に示すように、これらの各情報トラッ
クに隣接してトラッキングトラック4が4−1,4−
2,4−3,…というように順次設けられている。これ
らのトラッキングトラック4は、情報記録再生時の光ビ
ームスポット走査の際に該ビームスポットが所定の情報
トラックから逸脱しないように制御するオートトラッキ
ング(以下、ATと記す)のためのガイドとして用いら
れる。
【0008】このATサーボは、光ヘッドにおいて上記
光ビームスポットの情報トラックからのずれ(AT誤
差)を検出し、該検出信号を上記トラッキングアクチュ
エータへと負帰還させ、光ヘッド本体に対し対物レンズ
をトラッキング方向(D方向)に移動させて光ビームス
ポットを所望の情報トラックへと追従させることにより
行なわれる。
【0009】又、情報記録再生時において、光ビームス
ポットで情報トラックを走査する際、該光ビームを光カ
ード面上にて適当な大きさのスポット状とする(合焦さ
せる)ために、オートフォーカシング(以下、AFと記
す)サーボが行なわれる。このAFサーボは、光ヘッド
において上記光ビームスポットの合焦状態からのずれ
(AF誤差)を検出し、該検出信号を上記フォーカシン
グアクチュエータへと負帰還させ、光ヘッド本体に対し
対物レンズをフォーカシング方向に移動させて光ビーム
スポットを光カード面上に合焦させることにより行なわ
れる。
【0010】なお、図7において、S1 ,S2 ,S3
光ビームスポットを示し、S1 とS3 の光スポットを使
用してATを行ない、S2 の光スポットを使用してAF
及び記録時の情報ビットの作成、再生時の情報ビットの
読出しを行なう。又、各情報トラックにおいて、6−
1,6−2及び7−1,7−2は夫々プリフォーマット
された左側アドレス部及び右側アドレス部を示し、この
アドレス部を読出すことにより情報トラックの識別が行
なわれる。5(図中、5−1,5−2が相当する)はデ
ータ部であり、ここに所定の情報が記録される。
【0011】ここで、光学的情報記録方法を図8に示す
光ヘッド光学系の概略図を用いて説明する。
【0012】図8において、21は光源たる半導体レー
ザであり、この例ではトラックに垂直の方向に偏光して
いる(電界振動面を有する)830nmの波長の光を発
する。また、22はコリメータレンズ、23はビーム整
形プリズム、24は光束分割のための回折格子、25は
偏光ビームスプリッタである。更に、26は1/4波長
板、20は全反射ミラー(全反射プリズム)、27は対
物レンズ、28は球面レンズ、29はシリンドリカルレ
ンズ、30は光検出器を示す。光検出器30は、受光素
子30a,30c及び4分割受光素子30bから構成さ
れている。
【0013】半導体レーザ21から発せられた光ビーム
は、発散光束となってコリメータレンズ22に入射す
る。そして、該レンズにより平行光ビームとされ、さら
にビーム整形プリズム23により所定の光強度分布、つ
まり円形の強度分布を有するビームに整形される。その
後、回折格子24に入射し、該回折格子24により有効
な3つの光ビーム(0次回折光及び±1次回折光)に分
割される。この3つの光束は、偏光ビームスプリッタ2
5にP偏光光束として入射する。偏光ビームスプリッタ
25は、図9に示すような分光特性を有し、入射したP
偏光は100%近く透過する。
【0014】次いで、前記3つの光束は1/4波長板2
6を透過する際に円偏光に変換され、対物レンズ27に
よって光カード1上に集束される。この集束された光が
図7に示したように、3つの微小ビームスポットS1
(+1次回折光)、S2 (0次回折光)、S3 (−1次
回折光)である。S2 は記録、再生、AF制御に用いら
れ、S1 とS3 はAT制御に用いられる。光カード1上
におけるスポット位置は、図7に示したように、光ビー
ムスポットS1 ,S3 は隣接するトラッキングトラック
4上に位置し、光ビームスポットS2 は該トラッキング
トラック間の情報トラック2上に位置している。かくし
て、光カード1上に形成された光ビームスポットからの
反射光は、再び対物レンズ30を通って平行光束とさ
れ、1/4波長板29を透過することにより入射時とは
偏光方向が90°回転した光ビームに変換される。そし
て、偏光ビームスプリッタ27にはS偏光ビームとして
入射し、図9に示した分光特性により100%近く反射
され、検出光学系に導かれる。
【0015】前記検出光学系では、球面レンズ28とシ
リンドリカルレンズ29とが組み合わされており、この
組み合わせにより非点収差法によるAF制御が行なわれ
る。光カード1から反射した3つの光束は前記検出光学
系によりそれぞれ集光され、光検出器30に入射して、
3つの光スポットを形成する。受光素子30a,30c
は前述の光スポットS1 ,S3 の反射光を受光し、これ
ら2つの受光素子の出力の差を用いてAT制御が行なわ
れる。また、4分割の受光素子30bは光スポットS2
の反射光を受光し、その出力を用いてAF制御が行なわ
れ且つ記録情報が再生される。図10に示される様に、
受光素子30a,30b,30cにおいて、各光スポッ
トSa ,Sb ,Sc は、受光素子30a,30b,30
cに完全に含まれている。
【0016】以上の様な光ヘッド光学系を、図8に示さ
れている様に、固定部と可動部とに分け、該可動部のみ
を矢印に示す様に移動させることにより、光ビームスポ
ットS2 で情報トラックの走査を行うことができる。こ
の様な分離型の光ヘッドでは、可動部の移動量は、光カ
ード1の縦方向の長さ程度は必要であり、通常100m
m程度である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、記録
再生速度を高めるため、1/4波長板26を固定部に配
置して可動部の軽量化を図っており、従って、光源側か
ら、1/4波長板26−全反射ミラー20−対物レンズ
27の順に配置されている。この様な配置の場合には、
1/4波長板26を経た光束は円偏光となってミラー2
0に入射するが、一般的に該ミラーにより反射された光
束は該ミラーの反射特性がP偏光とS偏光とで位相差を
発生させるものであるために、楕円偏光や直線偏光とな
ってしまうという問題があった。この問題点に関し以下
に詳細に説明する。
【0018】先ず、図8において、ミラー20が光束反
射に際しP偏光とS偏光との間で位相差を発生させない
理想的な場合を考える。半導体レーザ21から発せられ
た光束は1/4波長板26の手前において電気ベクトル
がx方向に振動する直線偏光であり、そのx−y座標系
で表した電界(Ein:そのx成分及びy成分をそれぞれ
in/x,Ein/yとする;以下同様)は次式で表される: Ein/x=aCosωt Ein/y=0 ここで、aは振幅である。これをx−y座標系をz軸を
中心として45度回転させたX−Y座標系で表すと次式
の様になる: Ein/X=(a/21/2 )Cosωt Ein/Y=(−a/21/2 )Cosωt そして、1/4波長板26を通過した後はY方向成分の
位相がπ/2遅れるので、この時の電界Emid は次式で
表される: Emid/X =(a/21/2 )Cosωt Emid/Y =(−a/21/2 )Cos(ωt−π/2) =(−a/21/2 )Sinωt これは円偏光である。ミラー20による反射でP偏光と
S偏光との間に位相差が発生しないとすると、このまま
の状態で光カード面で反射し、再び1/4波長板26を
通過する。この通過後にもY方向成分の位相がπ/2遅
れるので、この時の電界Eout は次式で表される: Eout/X =(a/21/2 )Cosωt Eout/Y =(−a/21/2 )Cos(ωt−π) =(−a/21/2 )Cosωt これをx−y座標系で表すと次式の様になる: Eout/x =0 Eout/y =aCosωt これは、偏光ビームスプリッタ25にy方向の電界振動
面を有する直線偏光が入射されることを意味しており、
この光は偏光ビームスプリッタ25により反射されて−
x方向(光検出器30の方)に進行し、−z方向(半導
体レーザ21の方)に戻ることはない。
【0019】以上がミラー20での反射で位相差が発生
しない理想的な場合であるが、実際には、該ミラー20
での反射でP偏光(y方向の電界振動面を持つ)とS偏
光(x方向の電界振動面を持つ)との間に位相のずれが
発生する。このため、半導体レーザ21への戻り光が発
生し光検出器30へと到達する光量が減少する。以下、
これに関し説明する。上記の如く、 Emid/X =(a/21/2 )Cosωt Emid/Y =(−a/21/2 )Sinωt であり、これをx−y座標系で表すと次式の様になる: Emid/x =(a/21/2 )Cos(ωt−π/4) Emid/y =(−a/21/2 )Sin(ωt+π/4) ここで、ミラー20での反射でP偏光の位相がΔδだけ
遅れる(往復で2Δδ)とすると、再び1/4波長板2
6に入射する直前の光束の電界Eref は次式で表され
る: Eref/x =(a/21/2 )Cos(ωt−π/4) Eref/y =(−a/21/2 )Cos(ωt+π/4−2
Δδ) これをX−Y座標系で表すと次式の様になる: Eref/X =aCos(ωt−Δδ)Cos(π/4−Δ
δ) Eref/Y =−aSin(ωt−Δδ)Sin(π/4−
Δδ) これは、X方向の振幅がaCos(π/4−Δδ)でY
方向の振幅がaSin(π/4−Δδ)の楕円偏光を表
している。再び1/4波長板26を通過した後にもY方
向成分の位相がπ/2遅れるので、この時の電界Eout
は次式で表される: Eout/X =aCos(ωt−Δδ)Cos(π/4−Δ
δ) Eout/Y =−aSin(ωt−Δδ−π/2)Sin
(π/4−Δδ)=aCos(ωt−Δδ)Sin(π
/4−Δδ) これをx−y座標系で表すと次式の様になる: Eout/x =aCos(ωt−Δδ)Cos(π/2−Δ
δ)=aSinΔδCos(ωt−Δδ) Eout/y =aCos(ωt−Δδ)Sin(π/2−Δ
δ)=aCosΔδCos(ωt−Δδ) これは直線偏光である。この光の強度Iout は次式の様
になる: Iout/x =a2 Sin2 Δδ Iout/y =a2 Cos2 Δδ かくして、半導体レーザ21の方への戻り光の強度ILD
がa2 Sin2 Δδとなり、光検出器30へと向かう光
の強度ISEN がa2 Cos2 Δδとなる(図11参
照)。
【0020】次に、ミラー20での反射でP偏光成分と
S偏光成分との位相がどの位ずれるかを求めてみる。一
般に、入射角i1 で屈折率n1 の媒質から屈折率n2
媒質へと光が入射した場合、P偏光及びS偏光の位相δ
P ,δS は、それぞれ次式の様になる: δP =2Tan-1(nγ/Cosi1 ) δS =2Tan-1(γ/nCosi1 ) ここで、n=n1 /n2 であり、γ=(n2 Sin2
1 −1)1/2 である。従って、Δδ=δP −δS の位相
差が生ずる。従来使用されている通常屈折率(n=n1
≒1.5)の直角全反射プリズム(i1 =45°)の場
合についてみれば、γ=0.35355となり、δP
73.74°、δS =36.87°となる。よって、Δ
δ=δP −δS =36.87°となり、Sin2 (3
6.87°)=0.36であるので、全光量の36%も
半導体レーザ21の方へと戻るので、光検出器へと向か
う光量が減少し、かくして良好な記録再生の大きな妨げ
となっていた。
【0021】本発明は、光ヘッドの反射手段での反射に
よりP偏光とS偏光とに発生する位相差を低減し、光検
出器へと向かう光量を増加させ、良好な記録再生を行う
ことが可能な光学的情報記録再生装置を提供することを
目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的を達成するものとして、照射光学系からの光束を絞っ
て光学的情報記録媒体に光スポットとして照射し且つ前
記記録媒体上の光スポットからの光束を検出光学系に投
影する光ヘッドを有し、前記照射光学系からの光束の照
射により前記記録媒体に対し情報を記録し及び/または
記録情報を再生する光学的情報記録再生装置において、
前記照射光学系及び/または前記検出光学系を構成する
反射手段によりP偏光及びS偏光が反射せしめられ、こ
の反射の際のP偏光及びS偏光の位相差を実質上無くす
ように前記反射手段での光束反射条件を設定してなるこ
とを特徴とする光学的情報記録再生装置、が提供され
る。
【0023】本発明の一態様においては、前記反射手段
は全反射を利用したものである。
【0024】本発明の一態様においては、前記光束反射
条件は、全反射面への光束入射角をi1 とし、反射手段
の屈折率をn1 として、Sini1 =1/n1 である。
【0025】本発明の他の態様においては、前記光束反
射条件は、入射面における入射角及び屈折角をそれぞれ
α,βとし、全反射面への光束入射角をi1 とし、反射
手段の屈折率をn1 として、 Sini1 =1/n1 Sinα=n1 Sinβ 45°−i1 =α−β であり、且つ、前記反射手段への入射光束と該反射手段
からの出射光束とのなす角度が略90°である。
【0026】また、本発明によれば、上記目的を達成す
るものとして、照射光学系からの光束を絞って光学的情
報記録媒体に光スポットとして照射し且つ前記記録媒体
上の光スポットからの光束を検出光学系に投影する光ヘ
ッドを有し、前記照射光学系からの光束の照射により前
記記録媒体に対し情報を記録し及び/または記録情報を
再生する光学的情報記録再生装置において、前記照射光
学系及び/または前記検出光学系を構成する反射手段に
よりP偏光及びS偏光が反射せしめられ、光源側からの
光束が前記反射手段により反射せしめられた後に前記記
録媒体へと入射し且つ該記録媒体を経た光束が前記反射
手段により反射せしめられる様にされており、これらの
反射の際のP偏光及びS偏光の位相差を実質上180°
とするように前記反射手段として金属膜を有する反射面
を備えたものを用いてなることを特徴とする光学的情報
記録再生装置、が提供される。
【0027】本発明の一態様においては、前記反射面は
金属膜を含む複数層膜を有する。
【0028】本発明の一態様においては、光源側からの
光束が1/4波長板を通過し前記反射手段により反射せ
しめられた後に前記記録媒体へと入射する様にされてい
る。
【0029】本発明の一態様においては、前記光ヘッド
の光学系は前記照射光学系の少なくとも一部及び前記検
出光学系の少なくとも一部を含む固定部と該固定部に対
し移動可能で前記光スポットを形成する対物レンズを含
む可動部とからなる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0031】図1は本発明による光学的情報記録再生装
置の光ヘッドに用いられる全反射ミラー(全反射プリズ
ム)20’の一例を示す概略図である。尚、本実施例で
は、上記図8に示されている従来例装置における全反射
プリズム20の代わりに図1に示されている全反射プリ
ズムを用いることのみ、上記図8の従来例装置と異な
る。
【0032】本実施例では、使用するレーザ光の波長λ
を830nmとし、直角全反射プリズム20’の材質を
BK7としており、この場合、プリズム20’の屈折率
1は1.509744である。そして、光源側からプ
リズム20’の入射面への入射角を5.32°とし、該
プリズムの全反射面への入射角i1 を41.48°と
し、該プリズムの出射面から記録媒体側への出射角を
5.32°として、使用している。
【0033】従って、本実施例では、Sini1 =1/
1 を満たしており、γ=(n2 Sin21 −1)
1/2 =0であり、δP =2Tan-1(n1 γ/Cosi
1 )=0、δS =2Tan-1(γ/n1 Cosi1 )=
0であり、Δδ=δP −δS =0となり、プリズム2
0’を出るP偏光及びS偏光の位相差は0となる。かく
して、本実施例によれば、光検出器へと向かう光量を増
大させ、良好な記録再生を行うことが可能となる。
【0034】本実施例では、図2に示されている様に、
記録媒体たる光カード1に対し光束を5.32°傾けて
入射させることになるが、対物レンズ27の作用によ
り、入射光に対し反射光が平行にシフトするだけで、同
一光路を戻るので、光学的には殆ど問題とならない。
【0035】もちろん、光カード1に対し光束を垂直に
入射させたい場合には、固定部及び全反射プリズム2
0’を図1における紙面内に垂直の方向を中心として反
時計回りに5.32°回転させればよい。
【0036】また、固定部及び全反射プリズム20’を
図1における紙面内に垂直の方向を中心として時計回り
に5.32°回転させ、光カード1に対し光束を10.
64°傾けて入射させることもでき、この場合には可動
部の移動によってもプリズム20’に対する光束入射位
置、反射位置及び出射位置は変化せず、該プリズムとし
て必要最小限のものを用いることが可能になる。
【0037】図3は本発明による光学的情報記録再生装
置の光ヘッドに用いられる全反射ミラー(全反射プリズ
ム)20’の一例を示す概略図である。尚、本実施例で
は、上記図8に示されている従来例装置における全反射
プリズム20の代わりに図3に示されている全反射プリ
ズムを用いることのみ、上記図8の従来例装置と異な
る。
【0038】本実施例では、使用するレーザ光の波長λ
を830nmとし、全反射プリズム20’の材質をBK
7としており、この場合、プリズム20’の屈折率n1
は1.509744である。そして、光源側からプリズ
ム20’の入射面への入射角αを10.36°とし、該
プリズムの2つの等角を34.64°とし、該プリズム
の全反射面への入射角i1 を41.48°とし、該プリ
ズムの出射面から記録媒体側への出射角αを10.36
°として、使用している。この場合、プリズム入射面で
の屈折角β及び及びプリズム出射面での入射角βはいず
れも6.84°となる。
【0039】従って、本実施例では、Sini1 =1/
1 を満たしており、γ=(n2 Sin21 −1)
1/2 =0であり、δP =2Tan-1(n1 γ/Cosi
1 )=0、δS =2Tan-1(γ/n1 Cosi1 )=
0であり、Δδ=δP −δS =0となり、プリズム2
0’を出るP偏光及びS偏光の位相差は0となる。かく
して、本実施例によれば、光検出器へと向かう光量を増
大させ、良好な記録再生を行うことが可能となる。そし
て、本実施例では、プリズム20’への入射光束と該プ
リズムからの出射光束とのなす角度が90°であるの
で、可動部の移動によってもプリズム20’に対する光
束入射位置、反射位置及び出射位置は変化せず(即ち、
光束の平行シフトが生ずることがなく)、該プリズムと
して必要最小限のものを用いることが可能になる。この
ため、該プリズムその他の光学部品の大きさを最小限の
ものとしても、光束ケラレを発生させることがなく、光
ヘッドの小型化に極めて有利である。
【0040】以上の本発明においては、反射プリズム2
0’での反射の際に生ずるP偏光及びS偏光の位相差
が、20°以下、望ましくは10°以下、好ましくは5
°以下、更に好ましくは2°以下、最も好ましくは1°
以下となる様にする。
【0041】図4は本発明による光学的情報記録再生装
置の光ヘッドに用いられる全反射ミラー20”の一例を
示す概略図である。尚、本実施例では、上記図8に示さ
れている従来例装置における全反射プリズム20の代わ
りに図4に示されている全反射ミラー20”を用いるこ
とのみ、上記図8の従来例装置と異なる。
【0042】本実施例では、全反射ミラー20”とし
て、蒸着により形成された100nm厚のCu膜を反射
面に有するものを用いている。本実施例の場合、使用す
るレーザ光の波長λを830nmとすると、反射光中の
P偏光とS偏光との位相差は約165°であり、全反射
ミラー20”で光束が往復2回反射された後には位相差
は約330°となる。これは、実質上360°−330
°=30°の位相差であり、1回の反射あたり生ずる位
相差は15°である。上記従来例装置の1回の反射あた
り生ずる位相差は36.87°であるので、本実施例で
はその半分以下であり、光源側への戻り光量もSin2
(15°)=6.7%となり、従来例装置の場合の約1
/6である。尚、Cu膜の厚さが50nmの場合は反射
光中のP偏光とS偏光との位相差は約164°であり、
Cu膜の厚さが15nmの場合は反射光中のP偏光とS
偏光との位相差は約160°である。
【0043】更に、全反射ミラー20”の反射面の上記
Cu膜上にTiO2 膜を光学的膜厚で173nm形成す
ると、1回の反射あたり生ずるP偏光とS偏光との位相
差は179°となり、180°に極めて近い良好な特性
を示す反射面を得ることができる。尚、TiO2 膜の光
学的膜厚を159〜188nmとすることで、Cu膜の
みの場合より良好な特性を得ることができる。
【0044】図5は本発明による光学的情報記録再生装
置の光ヘッドに用いられる全反射ミラー20”の一例を
示す概略図である。本例は、ミラー基体の形状が平行平
面板である点のみ上記図4の例と異なる。
【0045】以上の様に、先ず光源側からの光を記録媒
体側へと反射させ次いで記録媒体側からの光を反射させ
るのに使用する反射手段として、1回の反射で生ずるP
偏光とS偏光との位相差を180°に近い値とする様に
金属膜を有する反射面を用い、2回の反射により位相差
を360°即ち0°に近い値とすることにより、光検出
器へと向かう光量を増大させ、良好な記録再生を行うこ
とが可能となる。
【0046】以上の本発明においては、反射ミラー2
0”での反射の際に生ずるP偏光及びS偏光の位相差と
180°との差が、20°以下、望ましくは10°以
下、好ましくは5°以下、更に好ましくは2°以下、最
も好ましくは1°以下となる様にする。
【0047】尚、以上の実施例は分離型光ヘッドを有す
るものであるが、本発明は、分離型に限らず、その他の
一般的な光ヘッドを有する装置に対しても同様に適用す
ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光ヘッドの反射手段による反射の際のP偏光及びS偏光
の位相差を実質上無くすように反射手段での光束反射条
件を設定したことにより、光検出器へと向かう光量を増
大させ、良好な記録再生を行うことが可能となる。
【0049】更に、本発明では、反射手段を全反射プリ
ズムで構成し、上記条件に加えて該反射手段への入射光
束と該反射手段からの出射光束とのなす角を略90°に
設定することができ、これにより光学系を固定部と可動
部とから構成した場合であっても、該可動部の移動に伴
う該プリズムに対する光束平行シフトの発生を無くすこ
とができ、光学部品の大きさを最小限のものとしても、
光束ケラレを発生させることがなく、光ヘッドの小型化
に極めて有利である。
【0050】また、本発明によれば、1回の反射で生ず
るP偏光とS偏光との位相差を180°に近い値とする
様に金属膜を有する反射面を用い、2回の反射により位
相差を360°即ち0°に近い値とすることにより、光
検出器へと向かう光量を増大させ、良好な記録再生を行
うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学的情報記録再生装置の光ヘッ
ドに用いられる全反射プリズムの一例を示す概略図であ
る。
【図2】図1の全反射プリズムを用いた場合の対物レン
ズ及び光カードに対する光束進行の様子を示す図であ
る。
【図3】本発明による光学的情報記録再生装置の光ヘッ
ドに用いられる全反射プリズムの一例を示す概略図であ
る。
【図4】本発明による光学的情報記録再生装置の光ヘッ
ドに用いられる全反射ミラーの一例を示す概略図であ
る。
【図5】本発明による光学的情報記録再生装置の光ヘッ
ドに用いられる全反射ミラーの一例を示す概略図であ
る。
【図6】光カードの模式的平面図である。
【図7】光カードの部分拡大図である。
【図8】分離型光ヘッド光学系の図である。
【図9】偏光ビームスプリッタの分光特性図である。
【図10】光学的情報記録再生装置の光ヘッドにおける
光検出器の形状及び配置と光スポットとの関係を示す図
である。
【図11】光学的情報記録再生装置の光ヘッドの反射手
段において発生するP偏光とS偏光との位相差に対する
光源側への戻り光及び光検出器へと向かう光の強度の関
係を示す図である。
【符号の説明】
1 光カード 20,20’ 全反射プリズム 20” 全反射ミラー 21 半導体レーザ 22 コリメータレンズ 23 ビーム整形プリズム 24 回折格子 25 偏光ビームスプリッタ 26 1/4波長板 27 対物レンズ 28 球面レンズ 29 シリンドリカルレンズ 30 光検出器 30a,30b,30c 受光素子 S1 ,S2 ,S3 光スポット Sa ,Sb ,Sc 光スポット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照射光学系からの光束を絞って光学的情
    報記録媒体に光スポットとして照射し且つ前記記録媒体
    上の光スポットからの光束を検出光学系に投影する光ヘ
    ッドを有し、前記照射光学系からの光束の照射により前
    記記録媒体に対し情報を記録し及び/または記録情報を
    再生する光学的情報記録再生装置において、 前記照射光学系及び/または前記検出光学系を構成する
    反射手段によりP偏光及びS偏光が反射せしめられ、こ
    の反射の際のP偏光及びS偏光の位相差を実質上無くす
    ように前記反射手段での光束反射条件を設定してなるこ
    とを特徴とする光学的情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 前記反射手段は全反射を利用したもので
    あることを特徴とする、請求項1に記載の光学的情報記
    録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記光束反射条件は、全反射面への光束
    入射角をi1 とし、反射手段の屈折率をn1 として、S
    ini1 =1/n1 であることを特徴とする、請求項2
    に記載の光学的情報記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記光束反射条件は、入射面における入
    射角及び屈折角をそれぞれα,βとし、全反射面への光
    束入射角をi1 とし、反射手段の屈折率をn1 として、 Sini1 =1/n1 Sinα=n1 Sinβ 45°−i1 =α−β であり、且つ、前記反射手段への入射光束と該反射手段
    からの出射光束とのなす角度が略90°であることを特
    徴とする、請求項2に記載の光学的情報記録再生装置。
  5. 【請求項5】 照射光学系からの光束を絞って光学的情
    報記録媒体に光スポットとして照射し且つ前記記録媒体
    上の光スポットからの光束を検出光学系に投影する光ヘ
    ッドを有し、前記照射光学系からの光束の照射により前
    記記録媒体に対し情報を記録し及び/または記録情報を
    再生する光学的情報記録再生装置において、 前記照射光学系及び/または前記検出光学系を構成する
    反射手段によりP偏光及びS偏光が反射せしめられ、光
    源側からの光束が前記反射手段により反射せしめられた
    後に前記記録媒体へと入射し且つ該記録媒体を経た光束
    が前記反射手段により反射せしめられる様にされてお
    り、これらの反射の際のP偏光及びS偏光の位相差を実
    質上180°とするように前記反射手段として金属膜を
    有する反射面を備えたものを用いてなることを特徴とす
    る光学的情報記録再生装置。
  6. 【請求項6】 前記反射面は金属膜を含む複数層膜を有
    することを特徴とする、請求項5に記載の光学的情報記
    録再生装置。
  7. 【請求項7】 光源側からの光束が1/4波長板を通過
    し前記反射手段により反射せしめられた後に前記記録媒
    体へと入射する様にされていることを特徴とする、請求
    項1〜6のいずれかに記載の光学的情報記録再生装置。
  8. 【請求項8】 前記光ヘッドの光学系は前記照射光学系
    の少なくとも一部及び前記検出光学系の少なくとも一部
    を含む固定部と該固定部に対し移動可能で前記光スポッ
    トを形成する対物レンズを含む可動部とからなることを
    特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の光学的情
    報記録再生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005326823A (ja) * 2004-03-25 2005-11-24 Konica Minolta Opto Inc 反射光学素子および光ピックアップ装置
JP2006155730A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Konica Minolta Opto Inc 光学素子及びそれを用いた光ピックアップ装置

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JP4496940B2 (ja) * 2004-11-29 2010-07-07 コニカミノルタオプト株式会社 光学素子及びそれを用いた光ピックアップ装置

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