JPH0785457A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0785457A
JPH0785457A JP5227136A JP22713693A JPH0785457A JP H0785457 A JPH0785457 A JP H0785457A JP 5227136 A JP5227136 A JP 5227136A JP 22713693 A JP22713693 A JP 22713693A JP H0785457 A JPH0785457 A JP H0785457A
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acid
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iron oxide
magnetic
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JP5227136A
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English (en)
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Kazuhiro Okamoto
和広 岡本
Taro Sasaki
太郎 佐々木
Haruo Watanabe
春夫 渡辺
Katsuko Watanabe
勝子 渡辺
Koichiro Hikuma
弘一郎 日隈
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁性層中の高分散性を確保しつつ、磁性層表
面の比抵抗の低減化を図る。 【構成】 塗布型の磁気記録媒体において、磁性層の構
成材料である磁性粉末としてコバルト変成磁性酸化鉄粉
末を用い、該コバルト変成磁性酸化鉄粉末の表面をモリ
ブデン酸、タングステン酸、錫酸のうち少なくとも1種
により被覆する。また、結合剤としては、極性基含有バ
インダーを使用する。 【効果】 良好なドロップアウト特性及び走行性を備え
た磁気記録媒体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗布型の磁気記録媒体
に関し、特に走行性、ドロップアウト特性の向上に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁性粉末や結合剤、分散剤、潤滑剤等を
有機溶剤に分散混練してなる磁性塗料を非磁性支持体上
に塗布することにより磁性層が形成されてなる、所謂塗
布型の磁気記録媒体においては、近年、より一層の高記
録密度化が要求されている。
【0003】このような要請から、磁性粉末としてコバ
ルト変成磁性酸化鉄粉末を用いた磁気記録媒体が開発さ
れ、現在、オーディオ用、ビデオ用の各種フォーマット
を始め、高密度フロッピーディスクあるいはバックアッ
プ用データカートリッジなどコンピューター周辺機器等
として広く利用されている。
【0004】このコバルト変成磁性酸化鉄粉末を用いた
磁気記録媒体においては、特性の向上を図るために、使
用する磁性粉末の微細化及び該磁性粉末の高分散化が積
極的に行われており、比表面積が50m2 /gを越える
材料が実用化されるに及んでいる。
【0005】
【発明が解決しようとすう課題】しかしながら、上述の
ように磁性粉末の高分散化が進められると、磁性層中で
該磁性粉末が絶縁体有機物により被覆されていることと
等しい状態となり、必然的に得られる磁気記録媒体の表
面電気抵抗の増大及び静電的な帯電量の増加を招いてし
まう。この結果、走行性やドロップアウト特性が著しく
劣化するという問題が生じる。
【0006】そこで、本発明はこのような実情に鑑みて
提案されたものであって、電磁変換特性の向上を図りつ
つ、走行性やドロップアウト特性に優れた磁気記録媒体
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、磁性粉末の表面を
モリブデン酸等により被覆することにより、磁性層の表
面電気抵抗を著しく低減することが可能であることを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち、本願の第1の発明は、非磁性基体上
にコバルト変成磁性酸化鉄粉末と結合剤とを主体とする
磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、上記コ
バルト変成磁性酸化鉄粉末の表面がモリブデン酸、タン
グステン酸、錫酸の少なくとも1種により被覆されてお
り、且つ上記結合剤が極性官能基を含有する結合剤であ
ることを特徴とするものである。
【0009】また、本願の第2の発明は、非磁性基体上
に磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成されて
なる磁気記録媒体において、上記磁性粉末の表面がポリ
モリブデン酸、ポリタングステン酸の少なくとも1種に
より被覆されており、且つ上記結合剤が極性官能基を含
有する結合剤であることを特徴とするものである。
【0010】本発明の磁気記録媒体は、基本的に、非磁
性支持体上に単数または複数の磁性層が積層形成されて
なる構成を有するものである。上記非磁性支持体上の上
記磁性層が設けられていない面(裏面)には、磁気記録
媒体の走行性の向上や帯電防止および転写防止などを目
的として、バックコート層が設けられてもよいし、又上
記磁性層と上記非磁性支持体との間には、いわゆる下塗
り層としての中間層が設けられても良い。
【0011】上記磁性層は、磁性粉末と結合剤とを主体
とする磁性材料を有機溶剤に分散混練してなる磁性塗料
を非磁性支持体上に塗布することにより形成される。
【0012】この磁性層の構成材料である磁性粉末とし
て、第1の発明では、コバルト変成磁性酸化鉄粉末が好
適である。
【0013】上記酸化鉄としては、ガンマ酸化鉄とマグ
ネタイトならびにその中間状態の酸化鉄、化学式として
FeOX (1.5 >x>1.33)で示されるものが使用可能
である。
【0014】この酸化鉄において、上記xの値として
は、1.35以上、1.40以下であることが望ましい。この値
未満では、酸化安定性が悪く、磁気特性の経時劣化が顕
著となる。また、上記値を越えると磁性体の飽和磁化量
が低下すると共に、磁性体の電気抵抗が高まり好ましく
ない。
【0015】一方、本願の第2の発明においては、磁性
粉末として、例えば上述したコバルト変成磁性酸化鉄粉
末、金属磁性粉末或いはバリウムフェライト微粒子粉末
等がいずれも使用可能であるが、これらに限定されるも
のではなく、従来公知の磁性材料がいずれも使用可能で
ある。
【0016】具体的に例示するならば、Fe、Co,N
iなどの金属材料、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−A
l、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、Fe−Ni−
Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−Mn、Fe−M
n−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−Ni、Co−P、
Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−Cr、Fe−C
o−Ni−P、Fe−CoーB、FeーCo−Cr−
B、Mn−Bi、Mn−Al,Fe−Co−V等の合金
材料、或いは窒化鉄、炭化鉄等が挙げられる。
【0017】また、還元時の焼結防止または形状維持等
の目的で添加されるAl,Si、P,Bなどの軽金属元
素が適当量含有したとしても、本発明の効果を妨げるも
のではない。
【0018】更に、γ−Fe2 3 ,Fe3 4 ,γ−
Fe2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合物、Co
含有γ−Fe2 3 、Co含有Fe3 4 、Coを含有
するγ−Fe2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合
物、CrO2 に1種又はそれ以上の金属元素、たとえば
Te,Sb,Fe,Biなどを含有させた酸化物等もい
ずれも使用可能である。
【0019】これら磁性粉末は、それぞれ一種を用いる
ことができるが、二種以上を併用することができる。
【0020】なお、本願の第1の発明では、上記コバル
ト変成磁性酸化鉄粉末と上述した従来公知の磁性粉末と
を併用することも可能である。この場合、使用量は、総
磁性粉量の0.1 重量%〜5.0 重量%の範囲内とされるこ
とが好ましい。この上限を越える場合は、本発明の目的
とする効果が十分に得られない。
【0021】本発明に使用される磁性粉末は、その分布
中心値としての保磁力の値が500 〜1000エルステッドで
あることが好ましく、より好ましくは600 〜900 エルス
ッテドとされる。保磁力が上記未満では短波長信号出力
が低下し、逆に上記範囲を越えると長波長信号出力が低
下する虞れがあり好ましくない。
【0022】また、上記磁性粉末の比表面積は、20〜90
2 /gであることが好ましく、より好ましくは25〜70
2 /gとされる。比表面積が上記範囲内であると、磁
性粉末の形状の微粒子化に伴い、高密度記録化が可能と
なり、ノイズ特性の優れた磁気記録媒体を得ることがで
きる。
【0023】更に、上記磁性粉末としては、長軸長が0.
05〜0.50μm 、軸比が5 〜15であることが好ましい。長
軸長が0.05μm 未満であると、磁性塗料中の分散が困難
となり、逆に0.50μm を越えると、ノイズ特性が劣化す
る虞れがあり好ましくない。また、軸比が5 未満である
と、磁性粉末の配向性が低下し出力の低下となり、逆に
軸比が15を越えると、短波長信号出力が低下する虞れが
あり好ましくない。
【0024】本願の第1の発明では、上記磁性粉末の表
面がモリブデン酸、タングステン酸、錫酸の少なくとも
1種(以下、モリブデン酸等と省略して記す。)、或い
はモリブデン酸、タングステン酸、錫酸の少なくとも1
種と珪酸(以下、モリブデン酸等と珪酸、と省略して記
す。)により被覆される。
【0025】ここで、上記磁性粉末に対するモリブデン
酸等の被覆量、或いはモリブデン酸等と珪酸の被覆量
は、該磁性粉末の 0.3重量%〜 10.0 重量%が好まし
く、より好ましくは0.8 重量%〜 5.0重量%とされる。
上記被覆量がこの範囲より少ない場合は、磁性粉末の分
散性が良好でないと同時に、得られる磁性層の表面比抵
抗を十分に低減することができない。逆に、上記被覆量
が上記範囲より多い場合は、磁性粉末の磁気特性が低下
してしまう。
【0026】これらモリブデン酸等、或いはモリブデン
酸等と珪酸による上記酸化鉄の表面被覆を行う際には、
上記酸化鉄をコバルトで変性した後、硅酸、次いでモリ
ブデン酸等を被着することが好ましい。ただし、上記手
順に限定されるものではなく、磁性粉末の表面から内部
への元素組成のプロファイルを見た場合、最外層にモリ
ブデン酸等が最大に分布している状態が達成できれば良
い。
【0027】このようにモリブデン酸等、或いはモリブ
デン酸等と珪酸により表面が被覆された磁性粉末を得る
手法としては、従来より公知の方法がいずれも使用可能
である。
【0028】本願の第2の発明では、上記磁性粉末の表
面がポリモリブデン酸、ポリタングステン酸の少なくと
も1種(以下、ポリモリブデン酸等と省略して記
す。)、或いはポリモリブデン酸、ポリタングステン酸
の少なくとも1種と珪酸及び/又はアルミニウム化合物
(以下、ポリモリブデン酸等と珪酸等、と省略して記
す。)により被覆される。
【0029】ここで、上記磁性粉末に対するポリモリブ
デン酸等の被覆量、或いはポリモリブデン酸等と珪酸等
の被覆量は、該磁性粉末の 0.3重量%〜 10.0 重量%が
好ましく、より好ましくは0.8 重量%〜 5.0重量%とさ
れる。上記被覆量がこの範囲より少ない場合は、磁性粉
末の分散性が良好でないと同時に、得られる磁性層の表
面比抵抗を十分に低減することができない。逆に、上記
被覆量が上記範囲より多い場合は、磁性粉末の磁気特性
が低下してしまう。
【0030】これらポリモリブデン酸等、或いはポリモ
リブデン酸等と珪酸等による上記磁性粉末の表面被覆を
行う際には、磁性粉末として上記酸化鉄を使用した場
合、酸化鉄をコバルトで変性した後、硅酸等、次いでポ
リモリブデン酸等を被着することが好ましい。
【0031】また、磁性粉末として金属粉末を使用した
場合では、メタル粉として還元する前の出発原料たるゲ
ーサイトの段階で珪酸等の被着を行う方法が実用的であ
り、還元後、更にポリモリブデン酸等の被着を行うこと
が好ましい。
【0032】ただし、上記手順に限定されるものではな
く、いずれの場合にしても磁性粉末の表面から内部への
元素組成のプロファイルを見た場合に、最外層にポリモ
リブデン酸等が最大に分布している状態が達成できれば
良い。
【0033】このようにポリモリブデン酸等、或いはポ
リモリブデン酸等と珪酸等により表面が被覆された磁性
粉末を得る手法としては、従来より公知の方法がいずれ
も使用可能である。
【0034】本発明の磁気記録媒体においては、磁性層
の表面の比抵抗が小さいことが望ましく、具体的には1
×107 〜5×108 Ω/sqであることが好ましい。比
抵抗がこの上限を越えると、ドロップアウトが生じる可
能性がある。逆に、比抵抗が上記範囲よりも小さいと、
カーボンブラックの磁性層含有量を多くしなければなら
ず、電磁変換特性の低下をもたらす。
【0035】また、本発明において、上記磁性層に含有
される結合剤としては、極性官能基を含有する化合物が
使用される。この化合物の骨格の高分子樹脂としては、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂等が好ましい。
【0036】上記極性官能基としては、−SO3 M、−
OSO3 M、−COOM、−(O=)P(OM1 )(O
2 )等がある。ここで、式中Mは、水素原子、或いは
リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属であ
る。また、M1 及びM2 は、それぞれ水素原子、或いは
リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属であ
り、M1 及びM2 は同一であっても異なっていてもよ
い。
【0037】また、これら極性官能基としては、−NR
1 2 、−NR1 2 3 +X−の末端基を有する側鎖
型のもの、>NR1 2 +X−の主鎖型のものがある。
ここにおいて、式中R1 ,R2 ,R3 は、水素原子ある
いは炭化水素基であり、X−は弗素、塩素、臭素、ヨウ
素等のハロゲン元素イオンあるいは無機・有機イオンで
ある。
【0038】このような極性官能基を有する結合剤は、
磁性粉末表面への吸着性がよく、磁性粉末の凝集防止効
果があり、磁性塗料中の分散性が改善されるとともに、
磁性層の耐久性が向上し電磁変換特性が向上する。ま
た、上記磁性粉末の表面の性質との絡みで、電気抵抗低
下効果への寄与があるものと考えられる。
【0039】これら結合剤は、一種単独で用いられるこ
とができるが、二種以上を併用することもできる。な
お、本発明では、上述の結合剤を用いることが要件であ
るが、この結合剤と従来公知の結合剤とを併用すること
も可能である。
【0040】この従来公知の結合剤としては、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂がいずれも使用可能である。
【0041】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニルー酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニルーアクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステルーアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステルー塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ルー塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステルー
塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステルーエチレン
共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデンーアルリロ
ニトリル共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重
合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロ
ース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロ
ースダイアセテート、セルローストリアセテート、セル
ロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレン
ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、
合成ゴム等の熱可塑性樹脂等がある。
【0042】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹
脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等がある。
【0043】磁性層中におけるこれら結合剤は、上記磁
性粉末100重量部に対して、1〜200重量部の割合
で添加されることが好ましく、より好ましくは1〜50
重量部とされる。この結合剤の使用量が、多すぎると相
対的に磁性粉末の磁性層中に占める割合が低下し、出力
の低下となり、逆に少なすぎると、磁性層の力学的強度
が低下し、磁気媒体の走行耐久性が低下する。
【0044】なお、本発明では、上記結合剤を架橋硬化
させるポリイソシアネートを併用することができる。こ
のポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネ
ート、並びにその付加体、アルキレンジイソシアネー
ト、並びにその付加体等がある。これらポリイソシアネ
ートの上記結合剤への配合量は、上記結合剤100重量
部に対して、5〜80重量部、好ましくは10〜50重
量部である。
【0045】本発明においては、必要に応じて潤滑剤、
非磁性補強粒子、導電性粒子、界面活性剤などを上記磁
性層に含有させることができる。上記潤滑剤としては、
黒鉛、二硫化モリブデン、シリコーンオイル、炭素数1
0から22までの脂肪酸、ならびに、これと炭素数2か
ら26までのアルコールからなる脂肪酸エステル、テル
ペン系化合物、ならびにこれらのオリゴマーなどある。
【0046】上記非磁性補強粒子としては、酸化アルミ
ニウム、酸化クロム、炭化珪素、ダイヤモンド、ガーネ
ット、エメリー、窒化ホウ素などがある。これらの粒子
は、上記磁性粉末100重量部に対して、20重量部、
好ましくは、10重量部以下がよい、又、平均粒径は、
1.0 μm 以下、好ましくは0.5 μm 以下がよい。
【0047】上記導電性粒子としては、カーボンブラッ
ク、黒鉛、その他金属粒子などがある。上記界面活性剤
としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性
の界面活性剤がある。
【0048】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン-2,6- ナフタレートなどのポ
リエステル類、ポリプロピレンなどのポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
トなどのセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、
ポリカーボネート類に代表されるような高分子材料ある
いは、金属、ガラス、セラミクスなどにより形成される
支持体等である。
【0049】上記非磁性支持体上に磁性層を形成するに
は、前記磁性層形成材料を塗料として塗布乾燥して形成
されるが、この塗料化に用いられる溶剤は、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、
エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、2ーエトキシエ
タノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素系溶媒などが用いられる。
【0050】上記塗料作製のための分散・混練には、ロ
ールミル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニーダ
ー、エクストルーダー、ホモジナイザー、超音波分散機
などが用いられる。また、このように形成された塗料を
非磁性支持体上に塗布するには、グラビアコーター、ナ
イフコーター、ワイヤーバーコーター、ドクターブレー
ドコーター、リバースロールコーター、ディッピングコ
ーター、エアナイフコーター、ダイコーターなどが用い
られる。
【0051】
【作用】本願の第1の発明においては、磁性層の構成材
料である磁性粉末として使用されるコバルト変成磁性酸
化鉄粉末の表面をモリブデン酸、タングステン酸、錫酸
の少なくとも1種により被覆することにより、磁性層の
表面電気抵抗が小さくなる。
【0052】本願の第2の発明においては、磁性層の構
成材料である磁性粉末の表面をポリモリブデン酸、ポリ
タングステン酸の少なくとも1種により被覆することに
より、磁性層の表面電気抵抗が小さくなる。
【0053】また、本願の第1及び第2の発明におい
て、結合剤として極性官能基を含有する化合物を使用す
ることにより、上記磁性粉末への吸着性が良好となり、
磁性粉末の凝集が防止される。この結果、磁性層中での
上記磁性粉末の高分散性が確保される。
【0054】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない
ことはいうまでもない。
【0055】実施例1 9lのイオン交換水中に長軸長 0.3μm、軸比11、B
ET法による比表面積35m2/gを有する市販のCo変成
γ−Fe23 粉末1kgを分散させ、これに1lのイオン
交換水に溶解させた錫酸カリウム(K2 SnO3 ・3H
2 O;試薬一級)5.4 g を加えて、室温で1時間攪拌、
粒子表面に錫酸の吸着反応を行った。
【0056】なお、錫酸イオン(SnO3 2+)の投入量
は、酸化鉄粉に対して 0.3重量%に相当する。吸着終了
後、常法により水洗、濾別、乾燥して、錫酸によって表
面修飾されたCo 変成酸化鉄を得た。
【0057】このようにして得られたCo 変成酸化鉄の
磁気特性は表1に示す通りである。
【0058】
【表1】
【0059】次にサンプル粉末は、以下の組成にて常法
に従い、結合剤、添加剤、および溶剤と混合し塗料化し
た。
【0060】 <塗料組成> 磁性粉末 100重量部 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製;極性基としてスルホン酸金属塩を 樹脂10-6g 当たり50当量含む) 20重量部 添加剤(カーボン) 3重量部 添加剤(Al2 O3) 2重量部 メチルエチルケトン 27重量部 シクロヘキサノン 27重量部
【0061】上記の様に調整された塗料をPET(ポリ
エチレンテレフタレート)フィルム上に塗布し、配向処
理した後、乾燥、裁断してテープ化した。そして、以上
のようにして作製したサンプルテープの諸特性を測定し
た。この結果を下記の表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】ここで、磁気特性は試料振動型磁力計(東
英工業製)で、比表面積はBET一点法(島津製作所
製)で測定した。テープ表面電気抵抗は、絶縁抵抗計
(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し
た。
【0064】表2に示すように、表面電気抵抗は、4.0
×108 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常は
見られなかった。
【0065】実施例2〜5 実施例1において、錫酸カリウムの量を表1に示す様に
増量する以外は、実施例1と同様に処理し、錫酸によっ
て表面修飾されたCo 変成酸化鉄を得た後、実施例1と
同様にテープ化した。錫酸イオンの量(SnO3 2+
は、酸化鉄に対して各々 0.8, 2, 5, 10重量%に相当す
る。
【0066】なお、実施例2〜4において使用したCo
変成酸化鉄の磁気特性は、上記表1に示す通りである。
そして、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と
同様に測定し、その結果を上記表2に併せて記した。
【0067】表2から明らかなように、錫酸の量を増量
するに従って表面電気抵抗は漸減し、10重量%処理にお
いては、1.1 ×107 と極めて低い値が得られた。又、い
ずれのテープも走行性には何等問題が見られなかった。
【0068】実施例6 実施例1において、錫酸カリウムに代えて、タングステ
ン酸ナトリウム(Na2WO4 ・2H2 O;試薬一級)4.
0gを用いた以外は、実施例1と同様に処理し、タングス
テン酸によって表面修飾されたCo 変成酸化鉄を得た
後、実施例1と同様にテープ化した。タングステン酸イ
オン(WO4 2+)の量は、酸化鉄に対して0.3重量%に
相当する。
【0069】なお、本実施例において使用したCo変成
酸化鉄の磁気特性は、上記表1に示す通りである。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
に測定し、その結果を上記表2に併せて記した。
【0070】表2から明らかなように、表面電気抵抗
は、5.0 ×108 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0071】実施例7〜10 実施例5において、タングステン酸ナトリウムの量を表
1に示す様に増量する以外は、実施例5と同様に処理
し、タングステン酸によって表面修飾されたCo変成酸
化鉄を得た後、実施例1と同様にテープ化した。タング
ステン酸イオン(WO4 2+)の量は、酸化鉄に対して各
々 0.8, 2, 5, 10重量%に相当する。
【0072】なお、実施例7〜10において使用したC
o変成酸化鉄の磁気特性は、上記表1に示す通りであ
る。そして、得られたサンプルテープの諸特性を実施例
1と同様に測定し、その結果を上記表2に併せて記し
た。
【0073】表2から明らかなように、タングステン酸
の量を増量するに従って表面電気抵抗は漸減し、10重量
%処理においては、3.0 ×107 と極めて低い値が得られ
た。又、いずれのテープも走行性には何等問題が見られ
なかった。
【0074】実施例11 実施例1において、錫酸カリウムに代えて、モリブデン
酸ナトリウム(Na2MoO4 ・2H2 O;試薬一級)4.
5gを用いた以外は、実施例1と同様に処理し、モリブデ
ン酸によって表面修飾されたCo 変成酸化鉄を得た後、
実施例1と同様にテープ化した。モリブデン酸イオン
(MoO4 2+)の量は、酸化鉄に対して0.3 重量%に相
当する。
【0075】なお、本実施例において使用したCo変成
酸化鉄の磁気特性は、上記表1に示す通りである。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
に測定し、その結果を上記表2に併せて記した。
【0076】表2から明らかなように、表面電気抵抗
は、4.4 ×108 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0077】実施例12〜15 実施例11において、モリブデン酸ナトリウムの量を表
1に示す様に増量する以外は、実施例11と同様に処理
し、モリブデン酸によって表面修飾されたCo変成酸化
鉄を得た後、実施例1と同様にテープ化した。モリブデ
ン酸イオン(MoO4 2+)の量は、酸化鉄に対して各々
0.8, 2, 5, 10重量%に相当する。
【0078】なお、実施例12〜15において使用した
Co変成酸化鉄の磁気特性は、上記表1に示す通りであ
る。そして、得られたサンプルテープの諸特性を実施例
1と同様に測定し、その結果を上記表2に併せて記し
た。
【0079】表2から明らかなように、モリブデン酸の
量を増量するに従って表面電気抵抗は漸減し、10重量%
処理においては、1.5 ×107 と極めて低い値が得られ
た。又、いずれのテープも走行性には何等問題が見られ
なかった。
【0080】比較例1 実施例1において、錫酸カリウムを用いずに、同様の工
程を行い、実施例1と同様の組成でテープ化した。
【0081】なお、ここで使用したCo変成酸化鉄の磁
気特性は、上記表1に示す通りである。そして、得られ
たサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定し、
その結果を上記表2に併せて記した。
【0082】表2から明らかなように、表面電気抵抗
は、1.0 ×109 と高い値であり、帯電による集塵が原因
と思われるドロップアウトが若干観察された。
【0083】実施例16 実施例1で用いたCo 変成酸化鉄1kgを 0.1Nの水酸化
ナトリウム水溶液8l中に懸濁させた。この懸濁液に1
lのイオン交換水に溶解させたオルト珪酸ナトリウム
(Na2SiO4 ;試薬一級)31.3g を加え混合し、これ
に炭酸ガスを吹き込み、pH 10 以下に中和してCo 変成
酸化鉄表面に珪酸水和物(SiO2 ・nH 2 O)を被着
させた。
【0084】次に、この珪酸水和物に被覆されたCo 変
成酸化鉄懸濁液に、1lのイオン交換水に溶解させた錫
酸カリウム 14.4gを加えて、室温で1時間攪拌、粒子表
面に錫酸の被着反応を行った。錫酸イオン(Sn
3 2+)の投入量は、酸化鉄粉に対して 0.8重量%に相
当する。
【0085】吸着反応終了後、常法により水洗、濾別、
乾燥して、珪酸及び錫酸によって表面修飾されたCo 変
成酸化鉄を得た。このようにして得られたCo 変成酸化
鉄の磁気特性は表3に示す通りである。
【0086】
【表3】
【0087】続いて、このCo 変成酸化鉄を用い、実施
例1と同様にしてサンプルテープを作製した。そして、
得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様にし
て測定し、この結果を下記の表4に表した。
【0088】
【表4】
【0089】表4に示すように、表面電気抵抗は、3.9
×108 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常は
見られなかった。
【0090】実施例17, 18 実施例16において、錫酸カリウムの量を表3に示す様
に増量する以外は、実施例16と同様に処理し、珪酸及
び錫酸によって表面修飾されたCo 変成酸化鉄を得た
後、実施例1と同様にテープ化した。錫酸イオンの量
(SnO3 2+)は、酸化鉄に対して各々2, 10 重量%に
相当する。
【0091】なお、実施例17,18において使用した
Co変成酸化鉄の磁気特性は、上記表3に示す通りであ
る。そして、得られたサンプルテープの諸特性を実施例
1と同様に測定し、その結果を上記表4に併せて記し
た。
【0092】表4から明らかなように、錫酸の量を増量
するに従って表面電気抵抗は漸減し、10重量%処理にお
いては、9.0 ×107 と低い値が得られた。又、いずれの
テープも走行性には何等問題が見られなかった。
【0093】実施例19 実施例16において、錫酸カリウムに代えて、タングス
テン酸ナトリウム10.7g を用いた以外は、実施例16と
同様に処理し、珪酸及びタングステン酸によって表面修
飾されたCo 変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテ
ープ化した。タングステン酸イオン(WO4 2+)の量
は、酸化鉄に対して 0.8重量%に相当する。
【0094】なお、本実施例において使用したCo変成
酸化鉄の磁気特性は、上記表3に示す通りである。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
に測定し、その結果を上記表4に併せて記した。
【0095】表4から明らかなように、表面電気抵抗
は、5.0 ×108 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0096】実施例20, 21 実施例19において、タングステン酸ナトリウムの量を
表3に示す様に増量する以外は、実施例19と同様に処
理し、珪酸及びタングステン酸によって表面修飾された
Co 変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテープ化し
た。タングステン酸イオン(WO4 2+)の量は、酸化鉄
に対して各々2,10重量%に相当する。
【0097】なお、実施例20,21において使用した
Co変成酸化鉄の磁気特性は、上記表3に示す通りであ
る。そして、得られたサンプルテープの諸特性を実施例
1と同様に測定し、その結果を上記表4に併せて記し
た。
【0098】表4から明らかなように、タングステン酸
の量を増量するに従って表面電気抵抗は漸減し、10重量
%処理においては、2.0 ×108 と低い値が得られた。
又、いずれのテープも走行性には何等問題が見られなか
った。
【0099】実施例22 実施例16において、錫酸カリウムに代えて、モリブデ
ン酸ナトリウム12.1gを用いた以外は、実施例16と同
様に処理し、珪酸及びモリブデン酸によって表面修飾さ
れたCo 変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテープ
化した。モリブデン酸イオン(MoO4 2+)の量は、酸
化鉄に対して0.8 重量%に相当する。
【0100】なお、本実施例において使用したCo変成
酸化鉄の磁気特性は、上記表3に示す通りである。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
に測定し、その結果を上記表4に併せて記した。
【0101】表4から明らかなように、表面電気抵抗
は、4.5 ×108 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0102】実施例23,24 実施例22において、モリブデン酸ナトリウムの量を表
3に示す様に増量する以外は、実施例22と同様に処理
し、珪酸及びモリブデン酸によって表面修飾されたCo
変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテープ化した。
モリブデン酸イオン(MoO4 2+)の量は、酸化鉄に対
して各々 2, 10重量%に相当する。
【0103】なお、実施例23,24において使用した
Co変成酸化鉄の磁気特性は、上記表3に示す通りであ
る。そして、得られたサンプルテープの諸特性を実施例
1と同様に測定し、その結果を上記表4に併せて記し
た。
【0104】表4から明らかなように、モリブデン酸の
量を増量するに従って表面電気抵抗は漸減し、10重量%
処理においては、1.4 ×107 と低い値が得られた。又、
いずれのテープも走行性には何等問題が見られなかっ
た。
【0105】比較例2 実施例16において、錫酸カリウムを用いずに、同様の
工程を行い、珪酸のみによって表面修飾されたCo変成
酸化鉄を得た後、実施例1と同様の組成でテープ化し
た。
【0106】なお、ここで使用したCo変成酸化鉄の磁
気特性は、上記表3に示す通りである。そして、得られ
たサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定し、
その結果を上記表4に併せて記した。
【0107】表4から明らかなように、表面電気抵抗
は、2.5 ×109 と高い値であり、帯電による集塵が原因
と思われるドロップアウトが多少観察された。
【0108】以上の実施例1〜24から、錫酸、タング
ステン酸、モリブデン酸のうちの1種のアニオンによる
表面修飾、叉は錫酸、タングステン酸、モリブデン酸の
うちの1種と珪酸による表面修飾が、テープ表面抵抗の
低減に有効であることが明らかになった。
【0109】次に、これらのアニオンは、2種以上同時
に用いてもその効果が何等損なわれるものではないこと
を実施例によって示す。
【0110】実施例25 実施例1において、錫酸カリウムを単独で用いる代わり
に、錫酸カリウム及びタングステン酸ナトリウムを各々
18.0 g, 13.4 g 同時に用いる以外は、実施例1と同様
に処理し、錫酸及びタングステン酸によって表面修飾さ
れたCo変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテープ
化した。錫酸イオン(SnO3 2+)及びタングステン酸
イオン(WO4 2+)の量は、両方とも酸化鉄に対して 1
重量%に相当する。
【0111】なお、本実施例で使用したCo変成酸化鉄
の磁気特性は、下記表5に示す通りである。
【0112】
【表5】
【0113】そして、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を下記表6に示し
た。
【0114】
【表6】
【0115】表6から明らかなように、表面電気抵抗
は、1.1 ×108 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0116】実施例26 実施例1において、錫酸カリウムを単独で用いる代わり
に、錫酸カリウム及びモリブデン酸ナトリウムを各々 1
8.0 g, 15.1 g 同時に用いる以外は、実施例1と同様に
処理し、錫酸及びモリブデン酸によって表面修飾された
Co 変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテープ化し
た。錫酸イオン(SnO3 2+)及びモリブデン酸イオン
(MoO4 2+)の量は、両方とも酸化鉄に対して1 重量
%に相当する。
【0117】なお、本実施例で使用したCo変成酸化鉄
の磁気特性は、上記表5に示す通りである。そして、得
られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定
し、その結果を上記表6に併せて記した。表6から明ら
かなように、表面電気抵抗は、9.0 ×107 と低い値とな
り、テープ走行性にも何等異常は見られなかった。
【0118】実施例27 実施例1において、錫酸カリウムを単独で用いる代わり
に、タングステン酸ナトリウム及びモリブデン酸ナトリ
ウムを各々 13.4 g, 15.1 g 同時に用いる以外は、実施
例1と同様に処理し、タングステン酸及びモリブデン酸
によって表面修飾されたCo 変成酸化鉄を得た後、実施
例1と同様にテープ化した。タングステン酸イオン(W
4 2+)及びモリブデン酸イオン(MoO4 2+)の量
は、両方とも酸化鉄に対して1 重量%に相当する。
【0119】なお、本実施例で使用したCo変成酸化鉄
の磁気特性は、上記表5に示す通りである。そして、得
られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定
し、その結果を上記表6に併せて記した。表6から明ら
かなように、表面電気抵抗は、1.5 ×108 と適当な値と
なり、テープ走行性にも何等異常は見られなかった。
【0120】実施例28 実施例1において、錫酸カリウムを単独で用いる代わり
に、錫酸カリウム、タングステン酸ナトリウム及びモリ
ブデン酸ナトリウムを各々 12.0 g, 8.9g, 10.1 g 同時
に用いる以外は、実施例1と同様に処理し、錫酸、タン
グステン酸及びモリブデン酸によって表面修飾されたC
o 変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテープ化し
た。錫酸イオン(SnO3 2+)、タングステン酸イオン
(WO4 2+)、モリブデン酸イオン(MoO4 2+)の量
は、全て酸化鉄に対して0.67重量%に相当する。
【0121】なお、本実施例で使用したCo変成酸化鉄
の磁気特性は、上記表5に示す通りである。そして、得
られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定
し、その結果を上記表6に併せて記した。表6から明ら
かなように、表面電気抵抗は、1.2 ×108 と適当な値と
なり、テープ走行性にも何等異常は見られなかった。
【0122】実施例29 実施例16において、錫酸カリウムを単独で用いる代わ
りに、錫酸カリウム及びタングステン酸ナトリウムを各
々 18.0 g, 13.4 g 用いた以外は、実施例16と同様に
処理し、珪酸、錫酸及びタングステン酸によって表面修
飾されたCo 変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテ
ープ化した。錫酸イオン(SnO3 2+)及びタングステ
ン酸イオン(WO4 2+)の量は、両方とも酸化鉄に対し
て1 重量%に相当する。
【0123】なお、本実施例で使用したCo変成酸化鉄
の磁気特性は、上記表5に示す通りである。そして、得
られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定
し、その結果を上記表6に併せて記した。表6から明ら
かなように、表面電気抵抗は、2.6 ×108 と適当な値と
なり、テープ走行性にも何等異常は見られなかった。
【0124】実施例30 実施例16において、錫酸カリウムを単独で用いる代わ
りに、錫酸カリウム及びモリブデン酸ナトリウムを各々
18.0 g, 15.1 g 同時に用いる以外は、実施例16と同
様に処理し、珪酸、錫酸及びモリブデン酸によって表面
修飾されたCo変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様に
テープ化した。錫酸イオン(SnO3 2+)及びモリブデ
ン酸イオン(MoO4 2+)の量は、両方とも酸化鉄に対
して1 重量%に相当する。
【0125】なお、本実施例で使用したCo変成酸化鉄
の磁気特性は、上記表5に示す通りである。そして、得
られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定
し、その結果を上記表6に併せて記した。表6から明ら
かなように、表面電気抵抗は、2.4 ×108 と適当な値と
なり、テープ走行性にも何等異常は見られなかった。
【0126】実施例31 実施例16において、錫酸カリウムを単独で用いる代わ
りに、タングステン酸ナトリウム及びモリブデン酸ナト
リウムを各々 13.4 g, 15.1 g 同時に用いる以外は、実
施例16と同様に処理し、珪酸、タングステン酸及びモ
リブデン酸によって表面修飾されたCo 変成酸化鉄を得
た後、実施例1と同様にテープ化した。タングステン酸
イオン(WO4 2+)及びモリブデン酸イオン(MoO4
2+)の量は、両方とも酸化鉄に対して1 重量%に相当す
る。
【0127】なお、本実施例で使用したCo変成酸化鉄
の磁気特性は、上記表5に示す通りである。そして、得
られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定
し、その結果を上記表6に併せて記した。表6から明ら
かなように、表面電気抵抗は、2.8 ×108 と適当な値と
なり、テープ走行性にも何等異常は見られなかった。
【0128】実施例32 実施例16において、錫酸カリウムを単独で用いる代わ
りに、錫酸カリウム、タングステン酸ナトリウム及びモ
リブデン酸ナトリウムを各々 12.0 g, 8.9g, 10.1 g 同
時に用いる以外は、実施例16と同様に処理し、珪酸、
錫酸、タングステン酸及びモリブデン酸によって表面修
飾されたCo 変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテ
ープ化した。錫酸イオン(SnO3 2+)、タングステン
酸イオン(WO4 2+)、モリブデン酸イオン(MoO4
2+)の量は、全て酸化鉄に対して0.67重量%に相当す
る。
【0129】なお、本実施例で使用したCo変成酸化鉄
の磁気特性は、上記表5に示す通りである。そして、得
られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定
し、その結果を上記表6に併せて記した。表6から明ら
かなように、表面電気抵抗は、2.5 ×108 と適当な値と
なり、テープ走行性にも何等異常は見られなかった。
【0130】次に、バインダー極性官能基の分散性及び
表面電気抵抗に対する影響を実施例にて示す。
【0131】実施例33 実施例3の方法で作製したサンプル、即ち錫酸2 重量%
によって表面修飾されたCo変成酸化鉄を用い、表7に
示すように実施例1の組成においてスルホン酸金属塩含
有バインダーに代えて、燐酸金属塩含有バインダーを用
いた以外は同一の組成で塗料化した。極性基含有量は、
樹脂10-6 g当たり50当量含む。
【0132】
【表7】
【0133】そして、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を下記表8に示し
た。
【0134】
【表8】
【0135】表8から明らかなように、表面電気抵抗
は、9.5 ×107 と低い値となり、テープ走行性にも何等
異常は見られなかった。
【0136】実施例34 実施例8の方法で作製したサンプル、即ちタングステン
酸 2重量%によって表面修飾されたCo変成酸化鉄を用
い、実施例33と同様の燐酸金属塩含有バインダーを用
いた組成で塗料化した。
【0137】そして、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を上記表8に示し
た。表8から明らかなように、表面電気抵抗は、2.5 ×
108 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常は見
られなかった。
【0138】実施例35 実施例13の方法で作製したサンプル、即ちモリブデン
酸2 重量%によって表面修飾されたCo変成酸化鉄を用
い、実施例33と同様の燐酸金属塩含有バインダーを用
いた組成で塗料化した。
【0139】そして、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を上記表8に示し
た。表8から明らかなように、表面電気抵抗は、1.8 ×
108 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常は見
られなかった。
【0140】実施例36 実施例17の方法で作製したサンプル、即ち珪酸及び錫
酸2 重量%によって表面修飾されたCo変成酸化鉄を用
い、実施例33と同様の燐酸金属塩含有バインダーを用
いた組成で塗料化した。
【0141】そして、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を上記表8に示し
た。表8から明らかなように、表面電気抵抗は、4.0 ×
108 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常は見
られなかった。
【0142】実施例37〜40 実施例33から実施例36で用いたサンプル、即ち各々
錫酸2 重量%、タングステン酸2 重量%、モリブデン酸
2 重量%、珪酸及び錫酸2 重量%によって表面修飾され
たCo変成酸化鉄を用い、表7に示すように実施例1の
組成においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代え
て、第3級アミン含有バインダーを用いた以外は同一の
組成で塗料化した。極性基含有量は、樹脂10-6 g当たり
50当量含む。
【0143】表面電気抵抗は、表8にまとめた様に4実
施例とも適当な値となり、全てのテープにおいて走行性
には何等異常が見られなかった。
【0144】実施例41〜44 実施例33から実施例36で用いたサンプル、即ち各々
錫酸2重量%、タングステン酸2重量%、モリブデン酸
2重量%、珪酸及び錫酸2重量%によって表面修飾され
たCo変成酸化鉄を用い、表7に示すように実施例1の
組成においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代え
て、第4級アミン含有バインダーを用いた以外は同一の
組成で塗料化した。極性基含有量は、樹脂10-6 g当たり
50当量含む。
【0145】表面電気抵抗は、表8にまとめた様に4実
施例とも適当な値となり、全てのテープにおいて走行性
には何等異常が見られなかった。
【0146】実施例45〜48 実施例33から実施例36で用いたサンプル、即ち各々
錫酸2重量%、タングステン酸2重量%、モリブデン酸
2重量%、珪酸及び錫酸2重量%によって表面修飾され
たCo変成酸化鉄を用い、実施例1の組成においてスル
ホン酸金属塩含有バインダーに代えて、表7に示すよう
にカルボン酸含有バインダーを用いた以外は同一の組成
で塗料化した。極性基含有量は、樹脂10-6 g当たり50
当量含む。
【0147】表面電気抵抗は、表8にまとめた様に4実
施例とも適当な値となり、全てのテープにおいて走行性
には何等異常が見られなかった。
【0148】比較例3〜6 実施例33から実施例36で用いたサンプル、即ち各々
錫酸2重量%、タングステン酸2重量%、モリブデン酸
2重量%、珪酸及び錫酸2重量%によって表面修飾され
たCo変成酸化鉄を用い、表7に示すように実施例1の
組成においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代え
て、極性基を含有しないバインダーを用いた以外は同一
の組成で塗料化した。
【0149】表面電気抵抗は、表8にまとめた様に4実
施例とも高い値を示している。実施例と比較して分散性
が劣り角形比は低い値しか得られなかった。一部のテー
プにおいては、帯電による集塵が原因と思われるドロッ
プアウトが観察された。
【0150】以上の様に錫酸、タングステン酸、モリブ
デン酸またはこれらと珪酸で同時に表面修飾されたCo
変成酸化鉄に対して、極性基含有バインダーを用いるこ
とによって、優れた分散性と低い表面電気抵抗の実現で
きることがわかる。
【0151】実施例49 100mlのイオン交換水中に、モリブデン金属5gと
30%過酸化水素水20mlを投入後、24時間静置
し、ポリモリブデン酸溶液を調製した。この溶液のpH
は1以下で、強酸性であった。
【0152】続いて、上記ポリモリブデン酸溶液を2.
9ml分取し、アンモニア水とイオン交換水を用いてp
H=4に希釈し、約150mlのポリモリブデン酸希薄
溶液とした後、この希薄溶液に、軸比11、BET法に
よる比表面積35m2/gを有する市販のCo変成γ−Fe2
3 粉末20gを分散させ、室温で1時間攪拌、粒子表
面にポリモリブデン酸の吸着反応を行った。ポリモリブ
デン酸の投入量は、モリブデン/鉄原子比で約0.5原
子%に相当する。
【0153】吸着終了後、常法により水洗、濾別、乾燥
して、ポリモリブデン酸によって表面修飾されたCo 変
成酸化鉄を得た。このようにして得られたCo 変成酸化
鉄の磁気特性は表9に示す通りである。
【0154】
【表9】
【0155】次に、サンプル粉末は、以下の組成にて常
法に従い、結合剤、添加剤、および溶剤と混合し塗料化
した。
【0156】 <塗料組成> 磁性粉末 100重量部 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製;極性基としてスルホン酸金属塩を 樹脂10-6g 当たり50当量含む) 20重量部 添加剤(カーボン) 3重量部 添加剤(Al2 O3) 2重量部 メチルエチルケトン 27重量部 シクロヘキサノン 27重量部
【0157】上記の様に調整された塗料をPET(ポリ
エチレンテレフタレート)フィルム上に塗布し、配向処
理した後、乾燥、裁断してテープ化した。そして、上述
のようにして作製したサンプルテープの諸特性を実施例
1と同様にして測定した。この結果を下記の表10に示
す。
【0158】
【表10】
【0159】表10に示すように、表面電気抵抗は、5.
0 ×107 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常
は見られなかった。
【0160】実施例50,51 実施例49において、ポリモリブデン酸の量を表8に示
す様に増量する以外は、実施例49と同様に処理し、ポ
リモリブデン酸によって表面修飾されたCo 変成酸化鉄
を得た後、実施例49と同様にテープ化した。ポリモリ
ブデン酸の量は、モリブデン/鉄原子比で各々1,3原
子%に相当する。
【0161】なお、実施例50,51において使用した
Co変成酸化鉄の磁気特性は、上記表8に示す通りであ
る。そして、得られたサンプルテープの諸特性を実施例
1と同様に測定し、その結果を上記表10に併せて記し
た。
【0162】表10から明らかなように、ポリモリブデ
ン酸の量を増量するに従って表面電気抵抗は漸減し、1
原子%処理においては1.2 ×107 、3原子%処理におい
ては、3.1 ×106 と極めて低い値が得られた。又、いず
れのテープも走行性には何等問題が見られなかった。
【0163】実施例52 実施例49で用いたCo 変成酸化鉄20gを 0.1Nの水
酸化ナトリウム水溶液400ml中に懸濁させた。この
懸濁液に100mlのイオン交換水に溶解させたオルト
珪酸ナトリウム(Na2SiO4 ;試薬一級)0.63g を加
え混合し、これに炭酸ガスを吹き込み、pH 10 以下に中
和してCo 変成酸化鉄表面に珪酸水和物(SiO2 ・n
2 O)を被着させた。
【0164】次に、別に準備した実施例50と同じポリ
モリブデン酸希薄溶液150mlに上記Co 変成酸化鉄
を濾過したケーキを加え、リパルプしつつ室温で1時間
攪拌、粒子表面にポリモリブデン酸の被着反応を行っ
た。ポリモリブデン酸の投入量は、モリブデン/鉄原子
比で1原子%に相当する。
【0165】吸着反応終了後、常法により水洗、濾別、
乾燥して、珪酸及びポリモリブデン酸によって表面修飾
されたCo 変成酸化鉄を得た。このようにして得られた
Co 変成酸化鉄の磁気特性は表9示す通りである。
【0166】続いて、このCo 変成酸化鉄を用い、実施
例73と同様にしてサンプルテープを作製した。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
にして測定し、この結果を上記表10に併せて記した。
【0167】表10に示すように、表面電気抵抗は、3.
3 ×107 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常
は見られなかった。
【0168】実施例53 実施例49で用いたCo 変成酸化鉄20gを 0.1Nの水
酸化ナトリウム水溶液400ml中に懸濁させた。この
懸濁液に100mlのイオン交換水に溶解させたアルミ
ン酸ナトリウム(NaAlO2 ;試薬一級)0.31g を加
え混合し、これに炭酸ガスを吹き込み、pH 10 以下に中
和してCo 変成酸化鉄表面にアルミニウム化合物を被着
させた。
【0169】次に、別に準備した実施例50と同じポリ
モリブデン酸希薄溶液150mlに上記Co 変成酸化鉄
を濾過したケーキを加え、リパルプしつつ室温で1時間
攪拌、粒子表面にポリモリブデン酸の被着反応を行っ
た。ポリモリブデン酸の投入量は、モリブデン/鉄原子
比で1原子%に相当する。
【0170】吸着反応終了後、常法により水洗、濾別、
乾燥して、アルミニウム化合物及びポリモリブデン酸に
よって表面修飾されたCo 変成酸化鉄を得た。このよう
にして得られたCo 変成酸化鉄の磁気特性は表9に示す
通りである。
【0171】続いて、このCo 変成酸化鉄を用い、実施
例49と同様にしてサンプルテープを作製した。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
にして測定し、この結果を上記表10に併せて記した。
【0172】表10に示すように、表面電気抵抗は、5.
0 ×107 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常
は見られなかった。
【0173】実施例54 実施例49で用いたCo 変成酸化鉄20gを 0.1Nの水
酸化ナトリウム水溶液400ml中に懸濁させた。この
懸濁液に100mlのイオン交換水に溶解させたオルト
珪酸ナトリウム(NaSiO4 ;試薬一級)0.32g 及び
アルミン酸ナトリウム(NaAlO2 ;試薬一級)0.16
g を加え混合し、これに炭酸ガスを吹き込み、pH 10 以
下に中和してCo 変成酸化鉄表面に珪酸及びアルミニウ
ム化合物を被着させた。
【0174】次に、別に準備した実施例50と同じポリ
モリブデン酸希薄溶液150mlに上記Co 変成酸化鉄
を濾過したケーキを加え、リパルプしつつ室温で1時間
攪拌、粒子表面にポリモリブデン酸の被着反応を行っ
た。ポリモリブデン酸の投入量は、モリブデン/鉄原子
比で1原子%に相当する。
【0175】吸着反応終了後、常法により水洗、濾別、
乾燥して、珪酸、アルミニウム化合物及びポリモリブデ
ン酸によって表面修飾されたCo 変成酸化鉄を得た。こ
のようにして得られたCo 変成酸化鉄の磁気特性は表9
に示す通りである。
【0176】続いて、このCo 変成酸化鉄を用い、実施
例49と同様にしてサンプルテープを作製した。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
にして測定し、この結果を上記表10に併せて記した。
【0177】表10に示すように、表面電気抵抗は、3.
9 ×107 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常
は見られなかった。
【0178】実施例55 100mlのイオン交換水中に、タングステン金属9.
6gと30%過酸化水素水20mlを投入後、24時間
静置し、ポリタングステン酸溶液を調製した。この溶液
のpHは1以下で、強酸性であった。
【0179】続いて、上記ポリタングステン酸溶液を
2.9ml分取し、アンモニア水とイオン交換水を用い
てpH=4に希釈し、約150mlのポリタングステン
酸希薄溶液とした後、この希薄溶液に、軸比11、BE
T法による比表面積35m2/gを有する市販のCo変成γ
−Fe23 粉末20gを分散させ、室温で1時間攪拌、
粒子表面にポリタングステン酸の吸着反応を行った。ポ
リタングステン酸の投入量は、タングステン/鉄原子比
で約0.5原子%に相当する。
【0180】吸着終了後、常法により水洗、濾別、乾燥
して、ポリタングステン酸によって表面修飾されたCo
変成酸化鉄を得た。このようにして得られたCo 変成酸
化鉄の磁気特性は上記表9に示す通りである。
【0181】次いで、このCo 変成酸化鉄を用い、上記
実施例49と同様の工程によりテープ化し、得られたサ
ンプルテープの諸特性を実施例1と同様にして測定し
た。この結果を上記表10に併せて記す。
【0182】表10に示すように、表面電気抵抗は、2.
7 ×108 と適当な値となり、テープ走行性にも何等異常
は見られなかった。
【0183】実施例56,57 実施例55において、ポリタングステン酸の量を表14
に示す様に増量する以外は、実施例55と同様に処理
し、ポリタングステン酸によって表面修飾されたCo 変
成酸化鉄を得た後、実施例55と同様にテープ化した。
ポリタングステン酸の量は、タングステン/鉄原子比で
各々1,3原子%に相当する。
【0184】なお、実施例56,57において使用した
Co変成酸化鉄の磁気特性は、上記表9に示す通りであ
る。そして、得られたサンプルテープの諸特性を実施例
1と同様に測定し、その結果を上記表10に併せて記し
た。
【0185】表10から明らかなように、ポリタングス
テン酸の量を増量するに従って表面電気抵抗は漸減し、
1原子%処理においては5.9 ×107 、3原子%処理にお
いては、7.0 ×106 と極めて低い値が得られた。又、い
ずれのテープも走行性には何等問題が見られなかった。
【0186】実施例58 実施例52において、ポリモリブデン酸をポリタングス
テン酸に代える以外は、実施例52と同様に処理し、珪
酸及びポリタングステン酸によって表面修飾されたCo
変成酸化鉄を得た後、実施例1と同様にテープ化した。
ポリタングステン酸の量は、タングステン/鉄原子比で
1原子%に相当する。
【0187】なお、本実施例において使用したCo変成
酸化鉄の磁気特性は、上記表9に示す通りである。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
に測定し、その結果を上記表10に併せて記した。
【0188】表10から明らかなように、表面電気抵抗
は、7.7 ×107 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0189】実施例59 実施例53において、ポリモリブデン酸をポリタングス
テン酸に代える以外は、実施例53と同様に処理し、ア
ルミニウム化合物及びポリタングステン酸によって表面
修飾されたCo 変成酸化鉄を得た後、実施例53と同様
にテープ化した。ポリタングステン酸の量は、タングス
テン/鉄原子比で1原子%に相当する。
【0190】なお、本実施例において使用したCo変成
酸化鉄の磁気特性は、上記表9に示す通りである。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
に測定し、その結果を上記表10に併せて記した。
【0191】表10から明らかなように、表面電気抵抗
は、9.2 ×107 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0192】実施例60 実施例54において、ポリモリブデン酸をポリタングス
テン酸に代える以外は、実施例54と同様に処理し、珪
酸、アルミニウム化合物及びポリタングステン酸によっ
て表面修飾されたCo 変成酸化鉄を得た後、実施例54
と同様にテープ化した。ポリタングステン酸の量は、タ
ングステン/鉄原子比で1原子%に相当する。
【0193】なお、本実施例において使用したCo変成
酸化鉄の磁気特性は、上記表9に示す通りである。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
に測定し、その結果を上記表10に併せて記した。
【0194】表10から明らかなように、表面電気抵抗
は、8.5 ×107 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0195】実施例61 実施例49において、ポリモリブデン酸を単独で用いる
代わりに、ポリモリブデン酸とポリタングステン酸を同
時に吸着させる以外は、実施例73と同様に処理し、ポ
リモリブデン酸及びポリタングステン酸によって表面修
飾されたCo変成酸化鉄を得た。ポリモリブデン酸及び
ポリタングステン酸の量は、各々モリブデン/鉄原子
比、タングステン/鉄原子比で0.5原子%に相当す
る。
【0196】なお、得られたCo変成酸化鉄の磁気特性
は、上記表9に示す通りである。
【0197】続いて、このCo変成酸化鉄を用い、上記
実施例49と同様の工程によりテープ化し、得られたサ
ンプルテープの諸特性を実施例1と同様にして測定し
た。この結果を上記表10に併せて記す。
【0198】表10から明らかなように、表面電気抵抗
は、3.0 ×107 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0199】実施例62 実施例54において、ポリモリブデン酸を単独で用いる
代わりに、ポリモリブデン酸とポリタングステン酸を同
時に吸着させる以外は、実施例54と同様に処理し、珪
酸、アルミニウム化合物、ポリモリブデン酸及びポリタ
ングステン酸によって表面修飾されたCo変成酸化鉄を
得た。ポリモリブデン酸及びポリタングステン酸の量
は、各々モリブデン/鉄原子比、タングステン/鉄原子
比で0.5原子%に相当する。
【0200】なお、得られたCo変成酸化鉄の磁気特性
は、上記表9に示す通りである。
【0201】続いて、このCo変成酸化鉄を用い、上記
実施例54と同様の工程によりテープ化し、得られたサ
ンプルテープの諸特性を実施例1と同様にして測定し
た。この結果を上記表10に併せて記す。
【0202】表10から明らかなように、表面電気抵抗
は、6.3 ×107 と適当な値となり、テープ走行性にも何
等異常は見られなかった。
【0203】比較例7 実施例49において、ポリモリブデン酸希薄溶液の代わ
りにイオン交換水でpH=4に調製した塩酸溶液を用い
て、同様の工程を行い、実施例49と同様の組成でテー
プ化した。
【0204】なお、ここで使用したCo変成酸化鉄の磁
気特性は、上記表9に示す通りである。そして、得られ
たサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定し、
その結果を上記表10に併せて記した。
【0205】表10から明らかなように、表面電気抵抗
は、1.0 ×109 と高い値であり、帯電による集塵が原因
と思われるドロップアウトが若干観察された。
【0206】比較例8 実施例52と同様にCo 変成酸化鉄表面に珪酸水和物を
被着させた後、ポリモリブデン酸の吸着反応を行わず
に、実施例49と同様の組成でテープ化した。
【0207】なお、ここで使用したCo変成酸化鉄の磁
気特性は、上記表9に示す通りである。そして、得られ
たサンプルテープの諸特性を実施例1と同様に測定し、
その結果を上記表10に併せて記した。
【0208】表9から明らかなように、表面電気抵抗
は、2.5 ×109 と高い値であり、帯電による集塵が原因
と思われるドロップアウトが若干観察された。
【0209】比較例9 実施例53と同様にCo 変成酸化鉄表面にアルミニウム
化合物を被着させた後、ポリモリブデン酸の吸着反応を
行わずに、実施例49と同様の組成でテープ化した。
【0210】なお、本実施例において使用したCo変成
酸化鉄の磁気特性は、上記表9に示す通りである。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
に測定し、その結果を上記表10に併せて記した。
【0211】表10から明らかなように、表面電気抵抗
は、3.0 ×109 と高い値であり、帯電による集塵が原因
と思われるドロップアウトが若干観察された。
【0212】比較例10 実施例54と同様にCo 変成酸化鉄表面に珪酸及びアル
ミニウム化合物を被着させた後、ポリモリブデン酸の吸
着反応を行わずに、実施例49と同様の組成でテープ化
した。
【0213】なお、本実施例において使用したCo変成
酸化鉄の磁気特性は、上記表9に示す通りである。そし
て、得られたサンプルテープの諸特性を実施例1と同様
に測定し、その結果を上記表10に併せて記した。
【0214】表10から明らかなように、表面電気抵抗
は、2.7 ×109 と高い値であり、帯電による集塵が原因
と思われるドロップアウトが若干観察された。
【0215】実施例63 実施例49と同様の手順で作製したポリモリブデン酸溶
液2.9mlを分取し、アンモニア水と十分に脱酸素し
たイオン交換水を用いてpH=4に希釈し、約150m
lのポリモリブデン酸希釈溶液とした後、この希釈溶液
に、軸比12、BET法による比表面積52m2/gを有す
る磁気記録媒体用金属粉末20gを分散させ、室温で1
時間攪拌、粒子表面にポリモリブデン酸の吸着反応を行
った。
【0216】ここで用いた金属粉末は、オルト珪酸ナト
リウム(Na2 SiO4 ;試薬一級)0.32g及びア
ルミン酸ナトリウム(NaAlO2 ;試薬一級)0.1
6gを溶解した溶液中に含水酸化鉄を分散した懸濁液
を、アンモニア水でpH=9に調整し、含水酸化鉄表面
に珪酸及びアルミニウム化合物を形成後、濾過、乾燥し
たケーキを、700℃で焼成し、更に10l/分の水素
流量下、500℃で2時間還元して得られたものであ
る。
【0217】このようにして得られた金属粉末の磁気特
性は表11に示す通りである。
【0218】
【表11】
【0219】以上のようにして作製した珪酸、アルミニ
ウム化合物及びポリモリブデン酸によって表面修飾され
たサンプル粉末は、溶媒を水からアセトンに置換し、1
mmHgの真空下、12時間の真空乾燥を行った後、空
気中に取り出し、実施例73と同様の組成にてテープ化
した。螢光X線測定からモリブデン量は、モリブデン/
鉄原子比で約0.3原子%であった。
【0220】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に記し
た。
【0221】
【表12】
【0222】表12から明らかなように、表面電気抵抗
は7.5 ×107 と適当な値となり、テープも走行性には何
等問題が見られなかった。
【0223】実施例64,65 実施例63において、モリブデン量を表11に示すよう
に増量する以外は、実施例63と同様に処理し、珪酸、
アルミニウム化合物及びポリモリブデン酸によって表面
修飾された金属粉末を得た後、実施例63と同様にして
テープ化した。螢光X線測定からモリブデン量は、モリ
ブデン/鉄原子比で各々0.7、2.5原子%であっ
た。
【0224】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗はそ
れぞれ2.1 ×107 、7.3 ×106と適当な値となり、テー
プも走行性には何等問題が見られなかった。
【0225】実施例66 実施例64において、アルミン酸ナトリウムを使用しな
いこと以外は実施例64と同様に処理し、珪酸及びポリ
モリブデン酸によって表面修飾された金属粉末を得た
後、実施例64と同様にしてテープ化した。
【0226】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗は1.
8 ×107 と適当な値となり、テープも走行性には何等問
題が見られなかった。
【0227】実施例67 実施例64において、オルト珪酸ナトリウムを使用しな
いこと以外は実施例64と同様に処理し、アルミニウム
化合物及びポリモリブデン酸によって表面修飾された金
属粉末を得た後、実施例64と同様にしてテープ化し
た。
【0228】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗は3.
0 ×107 と適当な値となり、テープも走行性には何等問
題が見られなかった。
【0229】実施例68 実施例63で用いた金属粉末を、実施例55と同様の手
順で作製したポリタングステン酸希薄溶液中に分散し、
珪酸、アルミニウム化合物及びポリタングクテン酸によ
って表面修飾された金属粉末を得た後、実施例63と同
様にしてテープ化した。
【0230】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗は4.
1 ×108 と適当な値となり、テープも走行性には何等問
題が見られなかった。
【0231】実施例69,70 実施例68において、タングステン量を表11に示すよ
うに増量する以外は、実施例68と同様に処理し、珪
酸、アルミニウム化合物及びポリタングステン酸によっ
て表面修飾された金属粉末を得た後、実施例68と同様
にしてテープ化した。螢光X線測定からタングステン量
は、タングステン/鉄原子比で各々0.7、2.5原子
%であった。
【0232】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗はそ
れぞれ8.1 ×107 、1.1 ×107と適当な値となり、テー
プも走行性には何等問題が見られなかった。
【0233】実施例71 実施例69において、アルミン酸ナトリウムを使用しな
いこと以外は実施例69と同様に処理し、珪酸及びポリ
タングステン酸によって表面修飾された金属粉末を得た
後、実施例69と同様にしてテープ化した。
【0234】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗は6.
1 ×107 と適当な値となり、テープも走行性には何等問
題が見られなかった。
【0235】実施例72 実施例69において、オルト珪酸ナトリウムを使用しな
いこと以外は実施例69と同様に処理し、アルミニウム
化合物及びポリタングステン酸によって表面修飾された
金属粉末を得た後、実施例69と同様にしてテープ化し
た。
【0236】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗は8.
8 ×107 と適当な値となり、テープも走行性には何等問
題が見られなかった。
【0237】実施例73 実施例63において、ポリモリブデン酸を単独で用いる
代わりに、ポリモリブデン酸とポリタングステン酸を実
施例63の半量を同時に吸着させる以外は、実施例63
と同様に処理し、珪酸、アルミニウム化合物、ポリモリ
ブデン酸及びポリタングステン酸によって表面修飾され
た金属粉末を得た後、実施例63と同様にしてテープ化
した。螢光X線測定からモリブデン量、タングステン量
は、それぞれモリブデン/鉄原子比、タングステン/鉄
原子比で0.35、0.35原子%であった。
【0238】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗は4.
6 ×107 と適当な値となり、テープも走行性には何等問
題が見られなかった。
【0239】比較例11 実施例66で用いた珪酸によって表面修飾された金属粉
末を、ポリモリブデン酸で処理せずに、実施例66と同
様にしてテープ化した。
【0240】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗は3.
0 ×109 と高い値となり、帯電による集塵が原因を思わ
れるドロップアウトが若干観察された。
【0241】比較例12 実施例67で用いたアルミニウム化合物によって表面修
飾された金属粉末を、ポリモリブデン酸で処理せずに、
実施例67と同様にしてテープ化した。
【0242】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗は4.
0 ×109 と高い値となり、帯電による集塵が原因を思わ
れるドロップアウトが若干観察された。
【0243】比較例13 実施例63で用いた珪素化合物及びアルミニウム化合物
によって表面修飾された金属粉末を、ポリモリブデン酸
で処理せずに、実施例63と同様にしてテープ化した。
【0244】続いて、得られたサンプルテープの諸特性
を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に併せて
記した。表12から明らかなように、表面電気抵抗は3.
3 ×109 と高い値となり、帯電による集塵が原因を思わ
れるドロップアウトが若干観察された。
【0245】実施例74 実施例50で作製したサンプル、即ちポリモリブデン酸
によって表面修飾されたCo変成磁性酸化鉄を用い、実
施例49の組成においてスルホン酸金属塩含有バインダ
ーに代えて、燐酸金属塩含有バインダーを用いた(表1
3参照)以外は、同一の組成で塗料化した。極性基含有
量は、樹脂10-6g当たり50当量含む。
【0246】
【表13】
【0247】続いて、実施例50と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表14に記した。
【0248】
【表14】
【0249】表14から明らかなように、表面電気抵抗
は2.0 ×107 と適当な値となり、テープ走行性に何等異
常は見られなかった。
【0250】実施例75 実施例54で作製したサンプル、即ち珪素化合物、アル
ミニウム化合物及びポリモリブデン酸によって表面修飾
されたCo変成磁性酸化鉄を用い、実施例49の組成に
おいてスルホン酸金属塩含有バインダーに代えて、燐酸
金属塩含有バインダーを用いた以外は、同一の組成で塗
料化した。極性基含有量は、樹脂10-6g当たり50当
量含む。
【0251】続いて、実施例54と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表14に併せて記し
た。表14から明らかなように、表面電気抵抗は5.5 ×
107 と適当な値となり、テープ走行性に何等異常は見ら
れなかった。
【0252】実施例76 実施例56で作製したサンプル、即ちポリタングステン
酸によって表面修飾されたCo変成磁性酸化鉄を用い、
実施例49の組成においてスルホン酸金属塩含有バイン
ダーに代えて、燐酸金属塩含有バインダーを用いた以外
は、同一の組成で塗料化した。極性基含有量は、樹脂1
-6g当たり50当量含む。
【0253】続いて、実施例56と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表14に併せて記し
た。表14から明らかなように、表面電気抵抗は8.2 ×
107 と適当な値となり、テープ走行性に何等異常は見ら
れなかった。
【0254】実施例77 実施例60で作製したサンプル、即ち珪素化合物、アル
ミニウム化合物及びポリタングステン酸によって表面修
飾されたCo変成磁性酸化鉄を用い、実施例49の組成
においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代えて、燐
酸金属塩含有バインダーを用いた以外は、同一の組成で
塗料化した。極性基含有量は、樹脂10 -6g当たり50
当量含む。
【0255】続いて、実施例60と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表14に併せて記し
た。表14から明らかなように、表面電気抵抗は5.5 ×
107 と適当な値となり、テープ走行性に何等異常は見ら
れなかった。
【0256】実施例78〜81 実施例74〜77で用いたサンプル、即ち各々ポリモリ
ブデン酸、珪素化合物及びアルミニウム化合物及びポリ
モリブデン酸、ポリタングステン酸、珪素化合物及びア
ルミニウム化合物及びポリタングステン酸によって表面
修飾されたCo変成磁性酸化鉄を用い、実施例49の組
成においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代えて、
第3級アミン含有バインダーを用いた以外は、同一の組
成で塗料化した。極性基含有量は、樹脂10-6g当たり
50当量含む。
【0257】続いて、実施例74と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表14に併せて記し
た。表14から明らかなように、表面電気抵抗はいずれ
も適当な値となり、全てのサンプルテープにおいてテー
プ走行性に何等異常は見られなかった。
【0258】実施例82〜85 実施例74〜77で用いたサンプル、即ち各々ポリモリ
ブデン酸、珪素化合物及びアルミニウム化合物及びポリ
モリブデン酸、ポリタングステン酸、珪素化合物及びア
ルミニウム化合物及びポリタングステン酸によって表面
修飾されたCo変成磁性酸化鉄を用い、実施例49の組
成においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代えて、
第4級アミン含有バインダーを用いた以外は、同一の組
成で塗料化した。極性基含有量は、樹脂10-6g当たり
50当量含む。
【0259】続いて、実施例74と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表14に併せて記し
た。表14から明らかなように、表面電気抵抗はいずれ
も適当な値となり、全てのサンプルテープにおいてテー
プ走行性に何等異常は見られなかった。
【0260】実施例86〜89 実施例74〜77で用いたサンプル、即ち各々ポリモリ
ブデン酸、珪素化合物及びアルミニウム化合物及びポリ
モリブデン酸、ポリタングステン酸、珪素化合物及びア
ルミニウム化合物及びポリタングステン酸によって表面
修飾されたCo変成磁性酸化鉄を用い、実施例49の組
成においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代えて、
カルボン酸含有バインダーを用いた以外は、同一の組成
で塗料化した。極性基含有量は、樹脂10-6g当たり5
0当量含む。
【0261】続いて、実施例74と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表14に併せて記し
た。表14から明らかなように、表面電気抵抗はいずれ
も適当な値となり、全てのサンプルテープにおいてテー
プ走行性に何等異常は見られなかった。
【0262】比較例14〜17 実施例74〜77で用いたサンプル、即ち各々ポリモリ
ブデン酸、珪素化合物及びアルミニウム化合物及びポリ
モリブデン酸、ポリタングステン酸、珪素化合物及びア
ルミニウム化合物及びポリタングステン酸によって表面
修飾されたCo変成磁性酸化鉄を用い、実施例49の組
成においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代えて、
極性基を有しないバインダーを用いた以外は、同一の組
成で塗料化した。
【0263】続いて、実施例74と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表14に併せて記し
た。表14から明らかなように、表面電気抵抗はいずれ
も高い値となった。また、本実施例と比較して分散性が
かなり劣り、角形比は低い値しか得られなかった。更
に、全ての比較テープにおいて帯電による集塵が原因と
思われるドロップアウトが若干観察された。
【0264】実施例90 実施例64で作製したサンプル、即ち珪素化合物、アル
ミニウム化合物及びポリモリブデン酸によって表面修飾
された金属粉末を用い、表5に示すように実施例49の
組成においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代え
て、燐酸金属塩含有バインダーを用いた以外は、同一の
組成で塗料化した。極性基含有量は、樹脂10-6g当た
り50当量含む。
【0265】
【表15】
【0266】続いて、実施例64と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表16に記した。
【0267】
【表16】
【0268】表16から明らかなように、表面電気抵抗
は2.7 ×107 と適当な値となり、テープ走行性に何等異
常は見られなかった。
【0269】実施例91 実施例69で作製したサンプル、即ち珪素化合物、アル
ミニウム化合物及びポリタングステン酸によって表面修
飾された金属粉末を用い、表15に示すように実施例4
9の組成においてスルホン酸金属塩含有バインダーに代
えて、燐酸金属塩含有バインダーを用いた以外は、同一
の組成で塗料化した。極性基含有量は、樹脂10-6g当
たり50当量含む。
【0270】続いて、実施例69と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表16に併せて記し
た。表14から明らかなように、表面電気抵抗は9.5 ×
107 と適当な値となり、テープ走行性に何等異常は見ら
れなかった。
【0271】実施例92,93 実施例90,91で用いたサンプル、即ち各々珪素化合
物及びアルミニウム化合物及びポリモリブデン酸、珪素
化合物及びアルミニウム化合物及びポリタングステン酸
によって表面修飾された金属粉末を用い、表15に示す
ように実施例49の組成においてスルホン酸金属塩含有
バインダーに代えて、第3級アミン含有バインダーを用
いた以外は、同一の組成で塗料化した。極性基含有量
は、樹脂10-6g当たり50当量含む。
【0272】続いて、実施例90と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表16に併せて記し
た。表16から明らかなように、表面電気抵抗はいずれ
も適当な値となり、テープ走行性に何等異常は見られな
かった。
【0273】実施例94,95 実施例90,91で用いたサンプル、即ち各々珪素化合
物及びアルミニウム化合物及びポリモリブデン酸、珪素
化合物及びアルミニウム化合物及びポリタングステン酸
によって表面修飾された金属粉末を用い、表15に示す
ように実施例49の組成においてスルホン酸金属塩含有
バインダーに代えて、第4級アミン含有バインダーを用
いた以外は、同一の組成で塗料化した。極性基含有量
は、樹脂10-6g当たり50当量含む。
【0274】続いて、実施例90と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表16に併せて記し
た。表16から明らかなように、表面電気抵抗はいずれ
も適当な値となり、テープ走行性に何等異常は見られな
かった。
【0275】実施例96,97 実施例90,91で用いたサンプル、即ち各々珪素化合
物及びアルミニウム化合物及びポリモリブデン酸、珪素
化合物及びアルミニウム化合物及びポリタングステン酸
によって表面修飾された金属粉末を用い、表15に示す
ように実施例49の組成においてスルホン酸金属塩含有
バインダーに代えて、カルボン酸含有バインダーを用い
た以外は、同一の組成で塗料化した。極性基含有量は、
樹脂10 -6g当たり50当量含む。
【0276】続いて、実施例90と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表16に併せて記し
た。表16から明らかなように、表面電気抵抗はいずれ
も適当な値となり、テープ走行性に何等異常は見られな
かった。
【0277】比較例18,19 実施例90,91で用いたサンプル、即ち各々珪素化合
物及びアルミニウム化合物及びポリモリブデン酸、珪素
化合物及びアルミニウム化合物及びポリタングステン酸
によって表面修飾された金属粉末を用い、表15に示す
ように実施例49の組成においてスルホン酸金属塩含有
バインダーに代えて、極性基を有しないバインダーを用
いた以外は、同一の組成で塗料化した。
【0278】続いて、実施例90と同様にしてサンプル
テープを作製し、得られたサンプルテープの諸特性を実
施例1と同様に測定し、その結果を表16に併せて記し
た。
【0279】表16から明らかなように、表面電気抵抗
はいずれも高い値となった。また、本実施例と比較して
分散性がかなり劣り、角形比は低い値しか得られなかっ
た。更に、全ての比較テープにおいて帯電による集塵が
原因と思われるドロップアウトが若干観察された。
【0280】以上の様にポリモリブデン酸、ポリタング
ステン酸またはこれらと珪酸化合物及び/又はアルミニ
ウム化合物で表面修飾されたCo変成酸化鉄や金属粉末
に対して、極性基含有バインダーを用いることによっ
て、優れた分散性と低い表面電気抵抗の実現できること
が判った。
【0281】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、磁性粉末の表面をモリブデン酸、タングス
テン酸、錫酸の少なくとも1種、或いはポリモリブデン
酸、ポリタングステン酸の少なくとも1種により表面修
飾しているので、磁性層表面の比抵抗を十分に低く保つ
ことができる。従って、本発明の磁気記録媒体では、ド
ロップアウト等の発生が少なく、高い信頼性を確保する
ことが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C01G 49/00 E (72)発明者 渡辺 勝子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 日隈 弘一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上にコバルト変成磁性酸化鉄
    粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成されてなる磁
    気記録媒体において、上記コバルト変成磁性酸化鉄粉末
    の表面がモリブデン酸、タングステン酸、錫酸の少なく
    とも1種により被覆されており、且つ上記結合剤が極性
    官能基を含有する結合剤であることを特徴とする磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 上記コバルト変成磁性酸化鉄粉末の表面
    がモリブデン酸、タングステン酸、錫酸の少なくとも1
    種と珪酸により被覆されていることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性基体上に磁性粉末と結合剤とを主
    体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
    て、上記磁性粉末の表面がポリモリブデン酸、ポリタン
    グステン酸の少なくとも1種により被覆されており、且
    つ上記結合剤が極性官能基を含有する結合剤であること
    を特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記磁性粉末の表面がポリモリブデン
    酸、ポリタングステン酸の少なくとも1種と珪酸及び/
    又はアルミニウム化合物により被覆されていることを特
    徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。
JP5227136A 1993-09-13 1993-09-13 磁気記録媒体 Withdrawn JPH0785457A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007134614A (ja) * 2005-11-14 2007-05-31 Dowa Electronics Materials Co Ltd 高保磁力鉄系磁性粉末及び磁気記録媒体
US7456724B2 (en) 2000-12-28 2008-11-25 Nippon Steel Corporation Electrical steel sheet for low-noise transformer and low-noise transformer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7456724B2 (en) 2000-12-28 2008-11-25 Nippon Steel Corporation Electrical steel sheet for low-noise transformer and low-noise transformer
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