JPH0785145B2 - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH0785145B2
JPH0785145B2 JP61061829A JP6182986A JPH0785145B2 JP H0785145 B2 JPH0785145 B2 JP H0785145B2 JP 61061829 A JP61061829 A JP 61061829A JP 6182986 A JP6182986 A JP 6182986A JP H0785145 B2 JPH0785145 B2 JP H0785145B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、液晶表示素子や液晶−光シャッタ等で用いる
液晶素子、特に強誘電性液晶を用いた液晶素子に関し、
更に詳しくは液晶分子の初期配向状態を改善することに
より、表示特性を改善した液晶素子に関するものであ
る。
背景技術 強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用して偏向素子と
の組み合わせにより透過光線を制御する型の表示素子が
クラーク(Clark)及びラガーウオル(Lagerwall)によ
り提案されている(特開昭56−107216号公報、米国特許
第4367924号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に
特定の温度域において、カイラルスメクチックC相(Sm
C)又はH相(SmH)を有し、この状態において、加
えられる電界に応答して第1の光学的安定状態と第2の
光学的安定状態のいずれかを取り、且つ電界の印加のな
いときはその状態を維持する性質、すなわち双安定性を
有し、また電界の変化に対する応答も速やかであり、高
速ならびに記憶型の表示素子としての広い利用が期待さ
れている。
この双安定性を有する液晶を用いた光学変調素子が所定
の駆動特性を発揮するためには、一対の平行基板間に配
置される液晶が、電界の印加状態とは無関係に、上記2
つの安定状態の間での変換が効果的に起るような分子配
列状態にあることが必要である。たとえばSmCまたはS
mH相を有する強誘電性液晶については、SmCまたはS
mH相を有する液晶分子相が基板面に対して垂直で、し
たがって液晶分子軸が基板面にほぼ平行に配列した領域
(モノドメイン)が形成される必要がある。
ところで、強誘電性液晶の配向方法としては、一般にラ
ビング処理や斜方蒸着処理などによる一軸性配向処理を
施した配向制御膜を用いる方法が知られている。この従
来からの配向方法は、そのほとんどが双安定性を示さな
いらせん構造をもつ強誘電性液晶に対するものであっ
た。例えば、ヨーロッパ公開特許第91661号公報や特開
昭60−230635号公報に開示された配向方法は、双安定性
を示さないらせん構造の状態下で強誘電性液晶をラビン
グ処理したポリイミド、ポリアミド又はポリビニルアル
コール膜によって配向制御するものであった。
しかしながら、前述した如きの従来の配向制御膜をクラ
ークとラガーウオルによって発表された双安定性を示す
非らせん構造の強誘電性液晶に対する配向制御に適用し
た場合には、下述の如き問題点を有していた。
発明が解決しようとする問題点 すなわち、本発明者らの実験によれば、従来の配向制御
膜によって配向させて得られた非らせん構造の強誘電性
液晶でのチルト角θ(後述の第2図に示す角度θ)がら
せん構造をもつ強誘電性液晶でのチルト角Θ(後述の第
1図に示す三角錐の項角Θ)と較べて小さくなっている
ことが判明した。特に、従来の配向制御膜によって配向
させて得た非らせん構造の強誘電性液晶でのチルト角θ
は、一般に数度程度で、その時の透過率はせいぜい3〜
5%程度であった。
この様に、クラークとラガーウオルによれば双安定性を
実現する非らせん構造の強誘電性液晶でのチルト角がら
せん構造をもつ強誘電性液晶でのチルト角と同一の角度
をもつはずであるが、実際には非らせん構造でのチルト
角θの方がらせん構造でのチルト角Θより小さくなって
いる。すなわち、チルト角θが最大チルト角Θを採るた
めには、液晶分子の配向状態が第3図に示すユニフォー
ム配向となっている必要があるが、実際には第4図に示
す様に隣接するそれぞれの液晶分子がねじれ角αでねじ
れて配向していことに原因するスプレイ配向状態となっ
ているために、十分に大きいチルト角θを形成すること
ができない問題点があった。又、スプレイ配向状態下の
液晶素子は、第6図に示す様なパルス信号に対する光学
応答特性を示し、この光学応答特性がマルチプレクシン
グ駆動を行なった時の表示画面でのちらつきの原因とな
る問題点があった。
発明の目的 従って、本発明の目的は、前述の問題点を解決するこ
と、すなわち少なくとも2つの安定状態、特に双安定性
を実現する非らせん構造の強誘電性液晶でのチルト角を
増大し、これによって画素シャッタ開口時の透過率を向
上させた液晶素子を提供することにある。
又、本発明の別の目的は、マルチプレクシング駆動時の
画面にちらつきを生じない液晶素子を提供することにあ
る。
発明の概要 本発明によれば、特定の配向制御膜を用い、且つ交流印
加処理を施すことによって、第3図に示すユニフォーム
配向状態のカイラルスメクチック液晶素子を実現するこ
とができ、これに伴ない第5図に示す様なパルス信号に
対する光学応答特性を示し、マルチプレクシング駆動時
の画面につらつきを生じない液晶素子を実現することが
できる。
本発明で用いる特定の配向制御膜は、ケン化度80モル%
以上のポリビニルアルコール樹脂によって形成すること
ができる。
本明細書で記載の「ケン化度」とは、JISK6726−1977に
基いた方法で測定したケン化度のことを言う。
実施例 以下、本発明を図面に従って説明する。
第1図は、らせん構造を用いた強誘電性液晶セルの例を
模式的に描いたものである。11aと11bは、In2O3、SnO2
やITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極がコートされ
た基板(ガラス板)であり、その間に複数の液晶分子層
12がガラス基板面に対して垂直な層となるように配向し
たSmC(カイラルスメクチックC相)の液晶が封入さ
れている。太線で示した線13が液晶分子を表わしてお
り、この液晶分子13は、その分子に直交した方向に双極
子モーメント(P)14を有している。この時の三角錐
の頂角をなす角度がかかるらせん構造のカイラルスメク
チック相でのチルト角Θを表わしている。基板11aと11b
上の電極間に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶
分子13のらせん構造がほどけ、相極子モーメント(P
14)はすべて電界方向に向くよう、液晶分子13の配向方
向を変えることができる。
しかし、このらせん構造を用いた強誘電性液晶は、電界
無印加時には、もとのらせん構造に復帰するもので、望
ましい表示駆動特性を与えるために必要な下述する双安
定性を示さない。
本発明の好ましい具体例では、無電界時に少なくとも2
つの安定配向状態、特に双安定状態をもつ第2図に示す
強誘電性液晶素子を用いることができる。すなわち、液
晶セルの厚さを充分に薄くした場合(例えば1μ)に
は、第2図に示すように電界を印加していない状態でも
液晶分子のらせん構造はほどけ、非らせん構造となり、
その双極子モーメントPa又はPbは上向き(24a)又は下
向き(24b)のどちらかの状態をとり、双安定状態が形
成される。このようなセルに第2図に示す如く一定の閾
値以上の極性の異る電界Ea又はEbを付与すると、双極子
モーメント電界Ea又はEbは電界ベクトルに対応して上向
き24a又は、下向き24bと向きを変え、それに応じて液晶
分子は第1の安定状態23aかあるいは第2の安定状態23b
の何れか一方に配向する。この時の第1と第2の安定状
態のなす角度の1/2がチルト角θに相当している。
このような強誘電性液晶を光学変調素子として用いるこ
との利点は2つある。第1に、応答速度が極めて速いこ
と、第2の液晶分子の配向が双安定性を有することであ
る。第2の点を、例えば第2図によって説明すると、電
界Eaを印加すると液晶分子は第1の安定状態23aに配向
するが、この状態は電界を切っても安定である。又、逆
向きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の安定状態
23bに配向して、その分子の向きを変えるが、やはり電
界を切ってもこの状態に留っている。又、与える電界Ea
が一定の閾値を超えない限り、それぞれの配向状態にや
はり維持されている。このような応答速度の速さと、双
安定性によるメモリー効果が有効に実現されるには、セ
ルとしては出来るだけ薄い方が好ましく、一般的には、
0.5μ〜20μ、特に1μ〜5μが適している。この種の
強誘電性液晶を用いたマトリクス電極構造を有する液晶
−電気光学装置は、例えばクラークとラガバルにより、
米国特許第4367924号明細書で提案されている。
本発明の液晶素子で用いることができる強誘電性液晶と
しては、例えばp−デシロキシベンジリデン−p′−ア
ミノ−2−メチルブチルシンナメート(DOBAMBC)、p
−ヘキシロキシベンジリデン−p′−アミノ−2−クロ
ルプロピルシンナメート(HOBACPC)、p−デシロキシ
ベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチル−α−
シアノシンナメート(DOBAMBCC)、p−テトラデシロキ
シベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチル−α
−シアノシンナメート(TDOBAMBCC)、p−オクチルオ
キシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチル−
α−クロロシンナメート(OOBAMBCC)、p−オクチルオ
キシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチル−
α−メチルシンナメート、4,4′−アゾキシシンナミッ
クアシッド−ビス(2−メチルブチル)エステル、4−
o−(2−メチル)ブチルレゾルシリデン−4′−オク
チルアニリン、4−(2′−メチルブチル)フェニル−
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボキシレー
ト、4−ヘキシルオキシフェニル−4−(2″−メチル
ブチル)ビフェニル−4′−カルボキシレート、4−オ
クチルオキシフェニル−4−(2″−メチルブチル)ビ
フェニル−4′−カルボキシレート、4−ヘプチルフェ
ニル−4−(4″−メチルヘキシル)ビエニル−4′−
カルボキシレート、4−(2″−メチルブチル)フェニ
ル−4−(4″−メチルヘキシル)ビフェニル−4′−
カルボキシレートなどを挙げることができ、これらは単
独又は2種以上組合せて用いることができ、又強誘電性
を示す範囲で他のコレステリック液晶やスメクチック液
晶を含有させることができる。
又、本発明では強誘電性液晶としてカイラルスクメチッ
ク相を用いることができ、具体的には、カイラルスメク
チックC相(SmC)、H相(SmH)、I相(Sm
I)、K相(SmK)、G相(SmG)を用いることが
できる。
第7図(a)及び(b)はそれぞれ、本発明の液晶素子
の態様を表わす断面図である。第7図(b)に示す液晶
素子は、一対の平行配置した上基板71a及び下基板71b
と、それぞれの基板に配線した透明電極72aと72bと備え
ている。上基板71aと下基板71bとの間には強誘電性液
晶、好ましくは少なくとも2つの安定状態をもつ非らせ
ん構造の強誘電性液晶73が配置されている。
前述した透明電極72aと72bは、強誘電性液晶73をマルチ
プレクシング駆動するために、それぞれストライプ形状
で配線され、且つそのストライプ形状が互いに交差させ
て配置されていることが好ましい。
第7図(b)に示す液晶素子では、基板71aと71bにそれ
ぞれ前述したケン化度80モル%以上のポリビニルアルコ
ール樹脂で形成した配向制御膜74aと74bが配置されてい
る。
又、第7図(b)に示す液晶素子で用いた配向制御膜74
aと74bのうち何れか一方をポリビニルアルコール樹脂と
し、何れか他方をポリビニルアルコール樹脂以外の配向
制御膜とすることも可能である。この際に用いる配向制
御膜としてポリイミドやポリアミドで形成した被膜とす
ることができる。又、第7図(a)に示す様に、本発明
では第7図(b)の液晶素子で用いた配向制御膜74bの
使用を省略することも可能である。
本発明では、前述した配向制御膜74aと74bに一軸性配向
軸を付与することができる。この一軸性配向軸は、好ま
しくはラビング処理によって付与されることができる。
この際に、前述した一軸性配向軸を互いに平行方向とす
ることができるが、互いに交差させることも可能であ
る。又、配向制御膜74aと74bは、通常100Å〜1μ程度
の膜厚に設定することができるが、好ましくは500Å〜2
000Åの範囲の膜厚に設定することができる。
前述した配向制御膜74aと74bは、ポリビニルアルコール
樹脂を適当な溶剤に0.1重量%〜20重量%の割合で溶解
させ、この溶液を適当な塗布法、例えばスピンナー塗布
法、浸漬塗布法、スクリーン印刷法、スプレイ塗布法や
ロール塗布法などの方法によって塗布することによって
得ることができる。この際に用いる溶剤としては水、グ
リコール、グリセロール、ホルムアミドなどを挙げるこ
とができる。
本発明で用いるポリビニルアルコールの重合度は、100
〜10000、好ましくは500〜2000である。又、そのケン化
度は、好ましくは85モル%以上である。好ましい市販品
の例としては、日本合成化学社製の「ゴーセノールN
型」、「ゴーセノールA型」、「ゴーセノールG型」
(何れも商品名)が挙げられる。
第3図は、強誘電性液晶素子の電圧無印加時におけるユ
ニフォーム配向状態を模式的に表わした断面図で、第5
図はその際のパルス信号に対する光学応答特性を表わし
ている。すなわち、第3図は第2図に示す複数カイラル
スメクチック液晶分子で形成した垂直層12の法線方向か
ら見た断面図で、第3図中の31は第2図に示す液晶分子
23a又は23bの前述の垂直層12への写影(C−ディレク
タ)を表わしており、32は前述の吸直層12に対する液晶
分子23a又23bの先端部を表わしている。従って、第3図
によれば垂直層12内の液晶分子は互いに実質的に平行に
配向した状態を採り、チルト角θを最大チルト角Θに近
づけることができる。この状態をユニフォーム配向状態
という。
これに対し、第4図は第3図と同様の方法で垂直層12内
の液晶分子の他の配列状態を表わしたものである。第4
図から判る様に垂直層12内の液晶分子31の先端部32が垂
直層の層厚方向に円周に添って回転している。従って、
基板11aと11bに隣接する液晶分子は、互いに平行とはな
っておらず、垂直層12内の液晶分子は基板11aから11bに
向けて連続的にねじれた状態で配向していることにな
る。この様な配向状態をスプレイ配向状態という。この
スプレイ配向状態は所定の電圧が印加された状態下で
は、第3図に示すユニフォーム配向状態を採るが、一旦
印加電圧を遮断し、メモリー状態とした時に第4図に示
すスプレイ配向状態に戻ることが判明した。従って、ス
プレイ配向状態の素子を用いた場合、第6図に示す様に
電圧印加状態下では、ユニフォーム配向状態に基づく高
い透過率の光学特性を示すが、電圧無印加時ではチルト
角θが小さいもとのスプレイ配向状態に戻ってしまうた
め、これに基づく低い透過率の光学特性となっている。
これに対し、第3図に示すユニフォーム配向状態では、
前述したスプレイ配向状態を採らないことから、第5図
に示す様に印加電圧遮断時のメモリー状態下でも電圧印
加時の高い透過率特性をほぼそのまま維持することがで
きる。
この点をパルス信号に対する光学応答特性曲線である第
5図および第6図により説明する。
すなわち、第5図は、電圧10V、パルス幅500μsecのパ
ルス52を、ユニフォーム配向状態の素子に印加した時の
透過率曲線51を表わしているが、電圧0Vのメモリー状態
下でもパルス印加時の透過率を維持していることが判
る。第6図では同様の電圧10V、パルス幅500μsecのパ
ルス62を、スプレー配向状態の素子に印加した時の透過
率曲線61を表わしている。この透過率曲線61によれば、
パルス印加時には高い透過率となっているため、これが
駆動時のちらつきの原因となっている。さらに、電圧0V
のメモリー状態下では透過率が急激に低下しているた
め、これが表示画面での暗さの原因となっている。
本発明では、強誘電性液晶が第3図に示すユニフォーム
配向状態を採る上で交流印加による前処理が有効であ
る。この交流印加前処理により前述したチルトθをらせ
ん構造でのチルトΘと等しいか、あるいは同程度の角度
まで効果的に増大させることができる。この際に用いる
交流としては、電圧20〜500ボルト、好ましくは30〜150
ボルトで周波数10〜500Hz、好ましくは10〜200Hzのもの
を用いることができ、その印加時間は数秒〜10分間程度
で交流印加前処理を施すことができる。又、かかる交流
印加前処理は、液晶素子を例えば映像信号や情報信号に
応じて書込みを行う前の段階で行なわれ、好ましくはか
かる液晶素子を装置に組込み、かかる装置を操作する時
のウエイトタイムで前述の交流印加前処理を行なうか、
あるいはかかる液晶素子の製造時でも交流印加前処理を
施すことができる。
かかる交流印加前処理により、印加前のチルト角θをら
せん構造でのチルトΘと同程度にまで増大させたチルト
角とすることが効果的にでき、しかもかかる交流印加を
除去した後であってもその増大されたチルト角を維持す
ることができる。又、かかる交流印加前処理は、自発分
極の大きい強誘電性液晶(例えば25℃で5nC/cm2以上、
好ましくは10nC/cm2〜300nC/cm2;nCはナノクーロンを示
す単位である)に対して有効である。この自発分極は10
0μセルで三角波印加法により測定することができ
る。 ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィ
ジックス(Japanese Journal of Applied Physics)22
(10)号、661〜663頁(1983年)に掲載されたケー・ミ
ヤサト(K.Miyasato)らの共著の“ダイレツクト・メソ
ツド・ウイズ・トライアンギュラー・ウエーブズ・フォ
ー・メジャーリング・スポンテイニアス・ポーラリゼー
ション・イン・フェロエレクトリック・リキッド・クリ
スタル”(“Direct Method with Triangular Waves fo
r Measuring Spontaneous Polarization in Ferroelect
ric Liquid Crystal")による。
以下、本発明を具体的な実施例を挙げて説明する。
実施例1 2枚の0.7mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス
板の上にITO膜を形成した。このITO膜付きのガラス板の
それぞれにケン化度86.5モル%のポリビニルアルコール
(「ゴーセノールGH−23」;日本合成化学社製。重合
度:1500:以上、ヘプラー粘度計による4%水溶液(20
℃)の粘度:48−56cps)の15重量%水溶液を回転数500r
pmで10秒間、次いで2000rpmで20秒間のスピンナー塗布
した。成膜後、約1.5時間の180℃加熱焼成処理を施し
た。この時の塗膜の膜厚は約200Åであった。
その焼成後の被膜には、アセテート触毛布によるラビン
グ処理がなされ、その後、イソプロピルアルコール液で
洗浄し、平均粒径約1μmのアルミナビーズを一方のガ
ラス板上に塗布した後、それぞれのラビング処理軸が互
いに平行となる様に2枚のガラス板を重ね合せてセルを
作成した。
このセルのセル厚をベレック位相板(位相差による測
定)によって測定したところ、約1μmであった。この
セル内にチッソ社製の強誘電性液晶材料「CS−1011」
(商品名)を等方相下で真空注入してから、等方相から
0.5℃/hで60℃まで徐冷することにより配向させること
ができた。以後の実験は60℃で行った。
尚、前述の「CS−1011」の相変化は下記のとおりであっ
た。
(SmA;スメクチックA相、Ch;コレステリック相、Iso;
等方相を示す) 直交ニコル下でこのセルを観察すると、一様で欠陥のな
い非らせん構造のカイラルスメクチックC相を形成した
ドメインが得られていた。
次いで、上述した液晶セルに電圧70ボルトで周波数70Hz
の高電界交流を約1分間印加した(交流印加前処理)。
この時のチルト角θを測定したところ、17.5゜であっ
た。
このチルト角θは、液晶セルにパルス電界(10V;500μs
ec)を印加することにより、一方の安定状態に液晶分子
方向をそろえ、直交ニコル下で液晶セルを回転させなが
ら透過光量が最も低くなる最暗状態となる位置を見つ
け、次に前のパルスと逆極性のパルス電界(−10V;500
μsec)を印加することによってもう一方の安定分子配
列状態に転移させて明状態とした後、再び液晶セルを回
転させて最暗状態となる角度を見つけることによって測
定することができる。この2つの最暗状態の位置は、液
晶の安定な平均的分子軸を検出していることに対応し、
これら2つの状態の間の角度がチルト角2θに相当して
いる。
この液晶セルを1日放置した後のチルト角θを同様の方
法で測定したところ、15゜であった。すなわち、1日放
置後であってもそのチルト角θの減少は、わずかに2.5
゜であった。
又、本実施例の液晶素子を下記の駆動条件でマルチプレ
クシング駆動したところ、ちらつきのない表示画面が形
成されていた。
駆動条件 1)第1ステップ;全走査線にパルス幅500μsec、電圧
10ボルトの信号を印加し、且つ全信号線にパルス幅500
μsec、電圧−5ボルトの信号を一時に印加する。
2)第2ステップ;走査選択信号としてパルス幅500μs
ec、電圧10ボルトを使用し、この信号を順次走査線に印
加し、この走査選択信号に同期させて、パルス幅500μs
ec、電圧5ボルトの信号とパルス幅500μsec、電圧−5
ボルトの信号を選択的に信号線に印加する。
比較例1 実施例1の液晶セルを作成した時に用いたポリビニルア
ルコール樹脂をポリイミド樹脂(3,3′,4,4′−ジフェ
ニルテトラカルボン酸無水物とp−フェニレンジアミン
とを1:1のモル比で脱水縮合反応させて得たポリアミッ
ク酸の3.5重量%N−メチル−2−ピロリドン液の塗布
膜を脱水閉環させて形成したポリイミド)に代えたほか
は、実施例1と全く同様の方法で液晶セルを作成し、実
施例1と同様の交流印加前処理を行なった。この時の液
晶セルのチルト角θを測定したところ8゜であった。
又、この液晶セルを実施例1と同様のマルチプレクシン
グ駆動によって表示画面を形成したが、書込み時にちら
つきが発生していた。
比較例2 実施例1の液晶セルを作成した時に用いたケン化度86.5
%のポリビニルアルコール樹脂をケン化度76.7のポリビ
ニルアルコール(日本合成化学製の「ゴーセノールKM−
11」(商品名);重合度1000〜1500、4%水溶液粘度
(20℃):11.7〜14.3cps)に代えたほかは、実施例1と
全く同様の方法で液晶セルを作成し、実施例1と同様の
交流印加前処理を行なった。この時の液晶セルのチルト
角θを測定したところ、16゜であった。さらに、この液
晶セルがもつ16゜のチルト角θの維持時間を測定したと
ころ、1日目でそのチルト角は10゜までに減少すること
が判明した。又、この1日放置後の液晶セルを実施例1
と同様のマルチプレクシング駆動によって表示画面を形
成したが、書込み時にちらつきが発生していた。
実施例2〜3、比較例3 実施例1の液晶セルを作成した時に用いたポリビニルア
ルコール樹脂を下表1に記載のケン化度をもつポリビニ
ルアルコール樹脂に代えたほかは、実施例1と全く同様
の方法で液晶セルを作成し、実施例1と同様の交流印加
前処理を行なった。その時のチルト角θ及び1日放置後
のチルト角θを測定した。これらの結果を表1に示す。
表中の実施例2及び3と比較例3で用いたポリビニルア
ルコールは、それぞれ日本合成化学社製の「ゴーセノー
ルNL−05」(重合度1000以下、4%水溶液粘度(20
℃):4.6〜6.0cps)「ゴーセノールAH−17」(重合度15
00以上、4%水溶液粘度(20℃):25〜30cps)と「ゴー
セノールKP−08」(4%水溶液粘度(20℃):6〜8cps)
であった。
実施例2と3の液晶セルを実施例1と同様のマルチプレ
クシング駆動によって表示画面を形成したが、何れも書
込み時のちらつきはなかったが、比較例3の液晶セルで
は1日放置ではちらつきの発生があった。
発明の効果 上述したように本発明によれば、増大したチルト角を得
ることができるユニフォーム配向状態の強誘電性液晶素
子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、らせん構造の強誘電性液晶を用いた液晶素子
を模式的に表わす斜視図である。第2図は、非らせん構
造の強誘電性液晶を用いた液晶素子を模式的に表わす斜
視図である。第3図は、ユニフォーム配向状態を模式的
に表わす断面図である。第4図は、スプレイ配向状態を
模式的に表わす断面図である。第5図は、ユニフォーム
配向状態の素子のパルス信号に対する光学応答特性を表
わす特性図である。 第6図は、スプレイ配向状態の素子のパルス信号に対す
る光学反応特性を表わす特性図である。 第7図(a)及び(b)は、本発明の液晶素子の断面図
である。 11a、71a……上基板、 11b、71b……下基板、 12……液晶垂直分子層、 13、23a、23b……液晶分子軸、 14、24a、24b……双極子モーメント、 31……液晶分子軸の垂直層への射影(C−ディレク
タ)、 32……垂直層に投射された液晶分子の先端部、 51……透過率曲線(ユニフォーム配向)、 52…… 〃 (スプレー配向)、 73……強誘電性液晶、 74a、74b……配向制御膜、 Θ……らせん構造でのチルト角、 θ……非らせん構造でのチルト角。 代表図:第7図(a)、(b)
フロントページの続き (72)発明者 稲葉 豊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−178215(JP,A) 特公 平4−48368(JP,B2)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板と、該一対の基板間に配置した
    カイラルスメクチック液晶とを有する液晶素子におい
    て、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板がケン
    化度80モル%以上のポリビニルアルコールで形成した配
    向制御膜を有しており、且つ前記カイラルスメクチック
    液晶が交流印加によってユニフォーム配向状態となって
    いることを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】前記ポリビニルアルコールのケン化度が85
    モル%以上である特許請求の範囲第1項記載の液晶素
    子。
  3. 【請求項3】前記配向制御膜が一軸性配向軸を有してい
    る特許請求の範囲第1項記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】前記一軸性配向軸がラビング処理によって
    付与された配向軸である特許請求の範囲第3項記載の液
    晶素子。
  5. 【請求項5】前記カイラルスメクチック液晶が、無電界
    時に少なくとも2つの安定配向状態を示す液晶である特
    許請求の範囲第1項記載の液晶素子。
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