JPH0784885B2 - 容積式流体圧モータ - Google Patents

容積式流体圧モータ

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JPH0784885B2
JPH0784885B2 JP61285291A JP28529186A JPH0784885B2 JP H0784885 B2 JPH0784885 B2 JP H0784885B2 JP 61285291 A JP61285291 A JP 61285291A JP 28529186 A JP28529186 A JP 28529186A JP H0784885 B2 JPH0784885 B2 JP H0784885B2
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稔郎 玉田
啓 服部
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株式会社テクノ−ル
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B49/00Control, e.g. of pump delivery, or pump pressure of, or safety measures for, machines, pumps, or pumping installations, not otherwise provided for, or of interest apart from, groups F04B1/00 - F04B47/00
    • F04B49/02Stopping, starting, unloading or idling control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hydraulic Motors (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 −産業上の利用分野− 本発明は,油圧モータ,エアモータ等の流体圧モータに
関するものであり、特に、複数の互いに遮断された流体
室に対する流体の流出入により回転体が連続的に回転す
る容積式流体圧モータ(以下、特に必要がある場合を除
いて単に流体圧モータと称する)を特定の回転位置で停
止させ、あるいは停止状態に保つ技術に関するものであ
る。
−従来の技術− 流体圧モータ、例えば油圧モータを例にとれば、特定の
回転位置で停止可能な機能を備えたものとして、イッデ
ックスモータがある。
従来、そのインデックスモータの特定位置での停止、つ
まり位置決めのために、メカニカルバルブと減速位置決
めカムとを組み合わせた機構が知られている。その機構
ではメカニカルバルブのスプールにレバーが連結され、
スプールの動きに連動してレバーが一軸線まわりに回動
するようにされて、このレバーの先端にローラピンが設
けられる。一方、モータ軸に減速位置決めカムで固定さ
れ、このカムの外周に上記ローラピンが入り込む位置決
め溝が形成されるとともに、位置決め溝の前後が減速カ
ーブとなるようにカム形状が決定されるのである。通常
の回転時には、メカニカルバルブによりローラピンがカ
ムの位置決め溝から外れた状態が保たれるが、回転停止
の際にはメカニカルバルブが作動し、そのスプールの移
動によりレバーが回動してローラピンがカムの外周面に
押し付けられ、カムの減速カーブに追従する。これに従
って動くレバーがスプールに絞り作用を与えることによ
りモータは減速され、その減速下にローラピンの位置決
め溝に入り込むと、モータ軸がその位置で位置決めさ
れ、停止するのである。
また、このようなインデックスモータとは構成が異なる
が、回転の停止という点で共通するものにブレーキモー
タがある。従来のブレーキモータは、メカニカルブレー
キ機構、つまり摩擦を利用して油圧モータ部の回転を停
止させるもので、そのために回転部分に押し付けられる
ブレーキ板を備え、油圧モータ部への油の供給・排出が
止められた時、それにほぼ同期してブレーキ板がシリン
ダ等の押圧手段により回転部分に押し付けられる構成と
なっている。
−発明が解決しようとする問題点− しかし、まずインデックスモータについて言えば、メカ
ニカルバルブ,レバー,ローラピンおよび位置決めカム
等が必要であるため構造が複雑であり、かつ、摩耗部分
が多いため寿命およびその管理の点で不利な面がある。
また、ローラピンが位置決め溝に係合して機械的に停止
するのであるが、停止時のショックが比較的大きく、そ
のショックをやわらげるためには相当長い減速区間が必
要である。加えて、特定の回転位置を過ぎてしまうと、
その位相から戻ることはできず、次の位置決め溝まで行
かないと停止できない。
また、ブレーキモータについて言えば、制動作用をなす
ブレーキ板および押圧手段が要るから、やはり構造が複
雑であり、またブレーキ板は当然摩耗し、摩耗の限度に
達すれば新しいものに交換しなければならず、そのメン
テナンスが面倒である。実際上、油圧モータ部への油の
流出入が止められる瞬間にブレーキ機構を作動させるこ
とは困難であり、そのため一般的にはタイミング調整の
ためにオーバラップさせざる得ず、従ってブレーキ機構
が制動作用を開始した以後もなお油圧モータ部が短時間
は回転トルクを発生する状態となって、ブレーキ板の摩
耗は一層激しくなるのである。
本発明はこの問題を解決することを目的として為された
ものであり、特に第一発明は、モータ本体部とバルブ部
とを備えた形式の流体圧モータであって、簡単な流体圧
回路を接続することによって、特定の回転位置で停止さ
せることが可能な流体圧モータを得ることを目的として
為されたものである。
また、第二発明は、バルブ部を備えず、モータ本体部自
体がバルブ機能を果たす形式の流体圧モータであって、
簡単な流体圧回路を接続することによって、特定の回転
位置で停止させることが可能な流体圧モータを得ること
を目的として為されたものである。
容積式流体圧モータは、例えばシリンダ固定形ラジアル
ピストンモータのように、容積が可変な複数の流体室を
備えたモータ本体部とそのモータ本体部に回転を継続さ
せるために流体室の高圧源または低圧源との連通状態を
切り換えるバルブ部とを備えた「バルブ部付き流体圧モ
ータ」と称すべきものと、例えばベーンモータのよう
に、バルブ部を備えないでモータ本体部自体がバルブ機
能を果たす「バルブ部なし流体圧モータ」と称すべきも
のとがある。容積式流体圧モータは全て画然とこれら2
つの形式のいずれかに分類できるわけでなく、両者の中
間的な形式のものがあるが、それらも強いて分類すれば
2つの形式のいずれかに属させることができる。本明細
書において、「バルブ部付き流体圧モータ」,「バルブ
部なし流体圧モータ」の用語は、この意味において使用
する。
さらに、本願の第三発明ないし第八発明は、流体圧モー
タに流体圧回路を接続した「流体圧回路付き流体圧モー
タ(以下特に必要がある場合を除いて単に回路付きモー
タと略称する)」と称すべきものであって、特定の回転
位置で停止させることができるものを得ることを目的と
して為されたものである。そして、特に、第三発明は停
止可能な位置が多いものを得ることを目的とし、第四発
明および第五発明は汎用性に富んだものを得ることを目
的とし、第六発明,第七発明および第八発明は決まった
一回転方向の偏荷重を受けた状態で停止し続ける必要の
ある用途に適したものを得ることを目的としている。
−問題点を解決するための手段− 上記目的を達成するための本発明の基本思想を一言で言
えば、カムやローラピンあるいはブレーキ板等の機械的
手段を用いることなく、流体圧モータの流体室内の圧力
制御により、流体圧モータ自身に、特定の回転位置で停
止しあるいは特定の回転位置に停止し続けるための回転
トルクを生じさせることである。
すなわち、複数の互いに遮断された流体室への流体の流
出入により、回転体(モータロータとロータリバルブと
の両方を含む場合と、モータロータのみから成る場合と
ある)が連続的に回転する容積式流体圧モータを、特定
の回転位置で停止させるために、その流体圧モータに圧
力流体を供給しつつ、回転体が特定回転位置の手前にあ
る時は、複数の流体室のうちその回転体を更に回転させ
る側(進める側)のものに流体を流入させる一方、その
回転体を戻す側のものから流体を流出させ、回転体が特
定回転位置を過ぎている時は、複数の流体室のうちその
回転体を戻す側のものに流体を流入させる一方、その回
転体を進める側のものから流体を流出させ、かつその流
体の流体入の切換えを回転自体に行わせることを基本思
想とするものなのである。
そして、第一発明は、上記制御を行うに適した流体圧モ
ータ自体(流体圧回路を備えない流体圧モータ)を提供
するものであり、その要旨は、特許請求の範囲第1項に
記載されているように、モータケーシングとモータロー
タとの間に複数の互いに遮断された流体室が形成される
とともにそれら複数の流体室の容積が順次増減するのに
伴ってモータロータがモータケーシングに対して相対回
転するモータ本体部と、モータケーシングと一体的なバ
ルブケーシングとモータロータに接続されたロータリバ
ルブとの相対回転により複数の流体室の各々の高圧源と
低圧源とへの連通を順次切り換えることによってモータ
ケーシングとモータロータとの相対回転を継続させるバ
ルブ部とを備えた容積式流体圧モータにおいて、バルブ
ケーシングとロータリバルブとの少なくとも一方に停止
用流体通路を、その停止用流体通路がバルブケーシング
とロータリバルブとの相対回転により複数の流体室のう
ちモータロータで予め定められた特定相対回転位置の手
前の位置からモータケーシングに対して相対的に進める
側の流体室とそのモータロータをその特定相対回転位置
を過ぎた位置から戻す側の流体室とに選択的に連通させ
られる状態で設けたことにある。
通常は、モータケーシングおよびバルブケーシングが固
定され、モータロータおよびロータリバルブが回転させ
られるが、特殊な用途においては逆に前者が回転させら
れ、後者が固定されることもある。「特定相対回転位
置」なる用語が使用されているのはこのためである。し
かし、特に厳密さを要しない限り、ケーシング側が固定
でロータ側が回転するものとして説明する。
モータケーシングとバルブケーシングとは、画然と区別
されている必要はなく、一体に形成されたケーシングの
それぞれ一部でもよい。また、モータケーシングやバル
ブケーシングなる用語は、本来文字通りモータロータや
ロータリバルブを内部に収容する容器状の部材を意味す
る用語であるが、本明細書においては、このような容器
状部材のみならず、後に実施例として説明する斜軸式ア
キシャルピストンモータにおけるシリンダ(ないしシリ
ンダブロック)202のように、モータロータとしてのケ
ーシング200内に収容されているモータケーシング等も
含む広義の用語として使用し、さらに、別体に製造はさ
れるが後に組立によりケーシング本体部に取り付けられ
てそれの一部として機能する部材もモータケーシングや
バルブケーシングの一部であると解することとする。
同様に、モータロータとロータリバルブとも画然と区別
されている必要はなく、一体の回転体のそれぞれ一部で
もよい。また上記斜軸式アキシャルピストンモータにお
けるケーシング200のようにモータケーシングの外部に
設けられているモータロータや、バブルプレート214の
ようにバブルケーシングとしてのシリンダ202内に収容
されてはいないロータリバルブもあり得、さらに、別体
に製造され、後に組み付けられる部材もモータロータや
ロータリバルブの一部であると解することとする。
第二発明の要旨は、特許請求の範囲第8項に記載されて
いるように、モータケーシングとモータロータとの間に
複数の互いに遮断された流体室が形成され、それら複数
の流体室の一部のものが高圧源に連通させられ、他のも
のの少なくとも一部が低圧源に連通させられ、各流体室
の高圧源と低圧源とへの連通状態がモータケーシングと
モータロータとの相対回転自体により切り換えられるこ
とによってそれらモータケーシングとモータロータとの
相対回転が継続する容積式流体圧モータにおいて、モー
タケーシングとモータロータとの少なくとも一方に停止
用流体通路を、その停止用流体通路がモータケーシング
とモータロータとの相対回転自体により前記複数の流体
室のうち前記モータロータを予め定められた特定相対回
転位置の手前の位置から前記モータケーシングに対して
相対的に進める側の流体室とそのモータロータをその特
定相対回転位置を過ぎた位置から戻す側の流体室とに選
択的に連通させられる状態で設けたことにある。
第三発明の要旨は、特許請求の範囲第18項に記載されて
いるように、ケーシングと回転体との間に複数の互いに
遮断された流体室が形成され、それら流体室に対する流
体の流出入によって回転体がケーシングに対して相対回
転するとともに、その回転体が第一回転位置と第二回転
位置とで停止可能な容積式流体圧モータを、それぞれ
前記複数の流体室のうち前記回転体を前記ケーシングに
対して相対的に進める側の流体室と戻す側の流体室との
いずれにも連通可能であり、その連通状態が回転体とケ
ーシングとの相対回転によって切り換えられる停止用流
入通路および停止用流出通路と、回転体の通常回転の
際に、前記進める側の流体室に流体圧源からの圧力流体
を供給する一方、前記戻す側の流体室からタンクへ流体
を排出させる第一流体給排手段と、回転体の回転停止
の際に、停止用流入通路を流体圧源に連通させる状態と
停止用流出通路をタンクに連通させる状態とのいずれか
の連通状態に択一的に切り換えられる切換手段と、停
止用流入通路が流体圧源に連通させられた第一状態にお
いて、回転体を第一回転位置に寄せる側の流体室に停止
用流入通路を経て流体を供給するとともに、回転体をそ
の位置から遠ざける側の流体室から流体を排出する第二
流体給排手段と、停止用流出通路がタンクに連通させ
られた第二状態において、回転体を第二回転位置に寄せ
る側の流体室に流体を供給するとともに、回転体をその
位置から遠ざける側の流体室から停止用流出通路を経て
流体を排出する第三流体給排手段とを含むものとするこ
とにある。
ここにおいて、バルブ部付き流体圧モータにおいては、
回転体はモータロータとロータリバルブとの両方を含
み、ケーシングはモータケーシングとバルブケーシング
との両方を含む。一方、バルブ部なし流体圧モータにお
いては、回転体はモータロータのみを含み、ケーシング
はモータケーシングのみを含む。
また、タンクに連結とは、直接タンクに連結される態様
に限らず排出側回路の種々の機器を経る態様も含み、ま
たタンクという語句自体、実体的なタンクに限らず、い
わゆるリターン側ないしはドレン側を総称するものであ
る。
第四発明の要旨は、特許請求の範囲第21項に記載されて
いるように、ケーシングと回転体との間に複数の互いに
遮断された流体室が形成され、それら複数の流体室の一
部のものが流入側ポートに連通させられ、他のものの少
なくとも一部が流出側ポートに連通させられ、各流体室
の流入側ポートと流出側ポートとの連通状態がケーシン
グと回転体との相対回転により切り換えられることによ
ってそれらケーシングと回転体との相対回転が継続する
容積式流体圧モータを、(a)ケーシングと回転体との
少なくとも一方に、ケーシングに対する回転体の回転に
より、前記複数の流体室のうち前記回転体を予め定めら
れた特定相対回転位置の手前の位置から前記ケーシング
に対して相対的に進める側の流体室とその回転体をその
特定相対回転位置を過ぎた位置から戻す側の流体室とに
選択的に連通させられる状態で設けられた停止用流体通
路と、(b)流入側ポートと流体圧源とを接続する第一
流体通路と、(c)流出側ポートとタンクとを接続する
第二流体通路と、(d)停止用流体通路と前記流体圧源
とを接続する第三流体通路と、(e)回転体の通常回転
の際にはその第三流体通路を閉じ、回転停止の際にはそ
の第三流体通路を開く開閉手段と、(f)第一流体通路
と第二流体通路とにそれぞれ設けられた絞り手段と、
(g)回転体の通常回転の際には第一流体通路を前記流
体圧源に、また第二流体通路をタンクに連通させている
が、少なくとも回転停止の際にはそれら第一流体通路お
よび第二流体通路を前記絞りを介してタンクに連通させ
る状態に切り換えられる切換手段とを含むものとするこ
とにある。
なお、切換手段は、回転停止の際のみならず、通常回転
の際にも上記絞りを経てタンクに流体が漏れる回路構成
であっても差支えない。『少なくとも回転停止の際には
・・・』と表現する理由はここにある。
絞り手段について言えば、モータの回転停止の際に停止
用流入通路が流入側ポートと流出側ポートとのいずれか
に連通させられるとき、その最大開度時の流路面積より
第一流体通路および第二流体通路の流路面積を小さく絞
るものであるのが普通である。しかし、特殊な態様では
例外もある。そして、この絞り手段は、一面では流体の
排出を抑える役割を、他面では流体の排出を許容する役
割を担う(二面性を有する)ということができ、これが
第一流体通路と第二流体通路との双方に設けられている
ために、停止用流入通路が流入側および流出側のどちら
側のポートに連通しても、進め側および戻し側の双方に
つき回転体を特定回転位置に寄せるのに必要な流体の流
出入を生じさせ得ることとなる。
第五発明の要旨は、特許請求の範囲第23項に記載されて
いるように、第四発明に係る容積式流体圧モータの第三
流体通路を、停止用流体通路と流体圧源とを接続するも
のから停止用流体通路とタンクとを接続するものに変
え、かつ、切換手段を、回転停止の際には第一流体通路
および第二流体通路を絞りを介してタンクに連通させる
状態に切り換えられるものから、第一流体通路および第
二流体通路を絞り手段を介して流体圧源に連通させる状
態に切り換えられるものに変えることにある。
第六発明の要旨は、特許請求の範囲第25項に記載されて
いるように、第四発明に係る容積式流体圧モータから第
一流体通路および第二流体通路の絞り手段をなくすとと
もに、切換手段を、回転停止の際には第一流体通路およ
び第二流体通路を絞りを介してタンクに連通させる状態
に切り換えられるものから、第一流体通路を遮断し、第
二流体通路をタンクに連通させる状態に切り換えられる
ものに変えることにある。
第七発明の要旨は、特許請求の範囲第26項に記載されて
いるように、第四発明に係る容積式流体圧モータの第三
流体通路を、停止用流体通路と流体圧源とを接続するも
のから停止用流体通路とタンクとを接続するものに変
え、第一流体通路および第二流体通路の絞り手段をなく
すとともに、切換手段を、回転停止の際には第一流体通
路および第二流体通路を絞りを介してタンクに連通させ
る状態に切り換えられるものから、第一流体通路を流体
圧源に連通させ、第二流体通路を遮断する状態に切り換
えられるものに変えることにある。
第八発明の要旨は、特許請求の範囲第27項に記載されて
いるように、第四発明に係る容積式流体圧モータにおい
て、開閉手段,絞り手段および切換手段に代えて、
(1)第一流体通路と第二流体通路とのそれぞれ流入側
ポートと流出側ポートとに接続された端とは反対側の端
に接続され、第一切換状態においては第一流体通路を流
体圧源に、第二流体通路をタンクにそれぞれ連通させ、
第二切換状態においては第二流体通路をタンクに連通さ
せたままで第一流体通路を遮断する第一切換手段と、
(2)第一流体通路に接続され、前記第三流体通路の流
体圧をパイロット圧として受け、常には閉じているが、
パイロット圧が高い状態では開いて、前記第一切換手段
により前記流体圧源から遮断された第一流体通路を流体
圧源に連通させる第二切換手段とを設け、第一切換手段
の第一切換状態においては回転体が一定回転方向の偏荷
重に抗して回転し、第二切換状態においては特定相対回
転位置において停止するようにすることにある。
−作用− 第一発明(特許請求の範囲第1項)は流体圧モータが必
然的に備えているバルブ部を利用することにより、停止
用流体通路の形成というきわめて簡単な手段で通常の流
体圧モータを特定の回転位置で停止可能な流体圧モータ
に変えることに成功したものであり、シリンダ固定形ピ
ストンモータ,シリンダ回転形ピストンモータ,トロコ
イドモータ等に適用可能である。
停止用流体通路は、流体圧モータに接続される流体圧回
路の構成に応じて、停止用流入通路として機能したり、
停止用流出通路として機能したりする。停止用流入通路
は、流体圧モータを停止させる場合に、流体圧源から流
体圧モータへの圧力流体を流入を許容することにより、
流体圧モータを停止状態に保つための回転トルクを発生
させる通路であり、停止用流出通路は、流体圧モータを
停止させる場合に、流体圧モータからタンクへの流体の
流出を許容することにより、流体圧モータを停止状態に
保つための回転トルクを発生させる通路である。
第一発明に係る流体圧モータの作用は、それに接続され
る流体圧回路と共にでなければ論じ得ないが、この流体
圧モータは従来の流体圧モータが備えていなかった停止
用流体通路を備えており、後に説明するように種々の流
体圧回路と組み合わせることにより、特定の回転位置で
停止可能となることに実用的な価値を有するものであ
る。
停止用流体通路は固定側の部材、つまり非回転部材に形
成する方が製作上は容易である。しかし回転側部材に形
成することもできる。また別の観点から、停止用流体通
路を、複数の流体室(それが固定側か回転側かに関係な
く)の特定のものに直接または連通路を介して間接に開
口させた場合には、停止可能な位置はその流体室に対応
して絶対的に定まる。一方、位置固定の流体室に対して
回転する側の部材に形成した場合、または回転する流体
室に対して固定側の部材に形成した場合には、停止可能
な位置は停止指令のタイミングによって決まる相対的な
ものとなる。
なお、例えばトロコイドモータように、ロータ(スタ
ー)が公転と自転との両方を行い、自転が出力軸の回転
として取り出される流体圧モータに関しては「停止可能
な位置」に二つの意味がある。トロコイドモータにおい
ては、複数の流体室の全部に対する流体の流入,流出が
一巡する間にロータが1回公転し、その間にロータの歯
数分の1回転だけ自転する。したがって、「停止可能な
位置」を「停止可能な公転位置」と解すれば、上記絶対
的に定まる停止位置は一つであることになり、「停止可
能な自転位置」と解すれば、絶対的に定まる停止位置は
ロータの歯数と同数であることになる。
停止用流体通路が、特定の流体室に対して一つ設けられ
ることにより停止可能な位置が絶対的に一つに定まる態
様において、その停止用流体通路を複数設けることがで
きる。停止用流入通路が複数設けられた態様では、それ
らが択一的に流体圧源に連通させられ、停止用流出通路
が複数設けられた態様では、それらが択一的にタンクに
連通させられ、それによって停止用流体通路の数と同数
の特定相対回転位置のいずれかで停止可能となる。な
お、上記トロコイドモータにおいては、停止可能な公転
位置が停止用流体通路の数と同数となり、停止可能な自
転位置が停止用流体通路の数とロータの歯数との積とな
る。
また、停止用流入通路と停止用流出通路とを併設し、そ
れらを択一的に使用することもできる。停止用流入通路
を使用する場合の停止位置と停止用流出通路を使用する
場合の停止位置とは異なるのが普通であるから、停止可
能な位置が2倍に増える。
第二発明(特許請求の範囲第8項)は流体圧モータのバ
ルブ部の代わりにモータ本体部のバルブ機能を利用する
ことにより、通常の流体圧モータを特定の回転位置で停
止可能な流体圧モータに変える点に特徴を有するもので
あり、実質的には第一発明と同じである。第二発明はギ
ヤモータ,ベーンモータ等に適用可能である。
第三発明(特許請求の範囲第18項)に係る流体圧モータ
は、停止用流入通路と停止用流出通路との両方を備え、
回転停止の際に切換手段により停止用流入通路が流体圧
源に連通させられるか、あるいは停止用流出通路がタン
クに連通させられる。
通常回転時には、回転体を特定相対回転位置へ進める側
の流体室に流体圧源かからの圧力流体が供給され、回転
体を特定相対回転位置へ戻す側の流体室から流体が排出
されて、回転体が回転を継続する。そして、回転体を停
止させる必要が生じた場合には、停止用流入通路が流体
圧源に連通させられた第一状態において、第一流体給排
手段により、回転体を第一回転位置に寄せる側の流体室
の停止用流入通路を経て流体が供給されるとともに、回
転体をその位置から遠ざける側の流体室から流体が排出
される。また、停止用流出通路がタンクに連通させられ
た第二状態において、第二流体給排手段により、回転体
を第二回転位置に寄せる側の流体室に流体が供給される
とともに、回転体をその位置から遠ざける側の流体室か
ら停止用流出通路を経て流体が排出される。停止用流入
通路が使用されることにより回転体が第一回転位置に停
止させられ、停止用流出通路が使用されることにより第
二回転位置に停止させられるのである。
停止用流体通路が特定の流体室に対して設けられる場合
(停止可能な位置が絶対的に定まる場合)には、一つの
停止用流体通路を流入通路と流出通路とに兼用すること
ができる。一方、停止用流体通路が流体室と相対回転す
る関係にある部材に設けられる場合(停止可能な位置が
相対的に定まる場合)には、停止用流入通路と停止用流
出通路とのそれぞれが設けられることとなる。
なお、停止用流体通路として流入通路と流出通路との双
方が設けられた流体圧モータにおいては、それら専用の
通路により停止時における流体の流入・流出が行われる
ため、次の第四発明や第五発明におけるような絞り手段
は不可欠ではない。
第四発明(特許請求の範囲第21項)に係る流体圧モータ
においては、停止用流体通路が停止用流入通路として使
用される。
回転体の通常回転時には、停止用流体通路と接続された
第三流体通路が開閉手段により閉じられるとともに、切
換手段により第一流体通路が流体圧源に、第二流体通路
がタンクにそれぞれ連通させられ、流体圧モータは普通
の流体圧モータと同様に回転させられる。
そして、回転停止が必要になった場合には、切換手段に
より第一流体通路および第二流体通路が絞りを介してタ
ンクに連通させられるとともに、開閉手段により第三流
体通路が開かれ、この第三流体通路を経て停止用流体通
路に圧力流体が供給される。この時、回転体が特定相対
回転位置の手前にあり、停止用流体通路が回転体を特定
相対回転位置の手前の位置からケーシングに対して相対
的に進める側の流体室に連通させられていれば、圧力流
体はそれら進める側の流体室に流入する。これら流体室
からの流体の流出は第一流体通路に設けられている絞り
により妨げられているため、進める側の流体室の容積が
増大させられ、回転体が特定相対回転位置に向かって回
転を継続する。これに伴って戻す側の流体室の容積が減
少し、これら流体室から流体が流出する必要があるが、
この流出は第二流体通路の絞りによって許容される。
一方、切換手段と開閉手段とが停止用の状態に切り換え
られた時に回転体が特定相対回転位置を過ぎており、停
止用流体通路が戻す側の流体室に連通していれば、戻す
側の流体室の容積が増大させられ、回転体は特定相対回
転位置に向かって進められる。この際、回転体を進める
側の流体室からの流体の流出は第一流体通路の絞りによ
り許容される。
上記いずれの場合にも、回転体が特定相対回転位置に到
達した後は、停止用流体通路が進める側の流体室にも戻
す側の流体室にも連通しない状態となり、回転体の回転
が停止する。このようにして一旦特定相対回転位置に停
止した回転体が外力によりその特定相対回転位置から外
れさせられれば、上記いずれかの場合と同様にして回転
体が特定相対回転位置へ寄せられる。
なお、以上の説明においては、理解を容易にするため
に、回転体が特定相対回転位置にある状態では停止用流
体通路が、回転体を進める側の流体室にも戻す側の流体
室にも連通しないものとしたが、回転体を進める側の流
体室か戻す側の流体室かのいずれか、もしくは両方に連
通した状態で回転体を静止し続けさせることも可能であ
る。例えば、流体圧がウインチ駆動用である場合のよう
に、決まった一回転方向の偏荷重を受けつつ回転体が回
転し、停止状態においても偏荷重を受け続ける場合に
は、停止用流体通路が回転体を進める側の流体室に連通
し、戻す側の流体室から遮断されて、回転体に偏荷重に
対抗する回転トルクが作用している状態で流体圧モータ
が停止し続けることとなるのである。また、流体圧モー
タが停止状態では荷重を受けない用途のものである場合
に、停止用流体通路が回転体を進める側の流体室にも戻
す側の流体室にも連通して、両側の流体室の圧力が等し
く保たれるようにすることができる。
このように、第四発明に係る流体圧モータにおいては、
停止用流体通路と開閉手段と切換手段とによって、通常
回転においては流体圧モータが通常の流体圧モータと全
く同様に回転し、停止時には流体圧モータに接続されて
いる流体圧回路が停止用の状態に切り換えられて、流体
圧モータが停止させられ、かつ十分に大きな停止用回転
トルクにより停止状態に保たれる。
第五発明(特許請求の範囲第23項)に係る流体圧モータ
においては、停止用流体通路が停止用流出通路として機
能する。
回転体の通常回転時に流体圧モータが通常の流体圧モー
タと同様に回転させられることは第四発明に係る流体圧
モータと同じである。回転停止が必要になった場合に
は、開閉手段により第三流体通路が開かれるとともに、
切換手段により第一流体通路および第二流体通路が絞り
を介して流体圧源に連通させられ、圧力流体が絞りを経
て回転体を進める側の流体室と戻す側の流体室とに供給
される。この時、まだ回転体が特定相対回転位置の手前
にあり、停止用流体通路が回転体を進める側の流体室と
連通しておらず、戻す側の流体室と連通していれば、戻
す側の流体室の流体は停止用流体通路を経て流出可能で
あるのに対し、進める側の流体室からは流出不能である
ため、第一流体通路の絞りを経て供給された圧力流体に
より進める側の流体室の容積が増大させられ、回転体が
特定相対回転位置に向かって回転させられる。
一方、切換手段と開閉手段とが停止用の状態に切り換え
られた時に回転体が特定相対回転位置を過ぎており、停
止用流体通路が回転体を進める側の流体室と連通し、戻
す側の流体室とは連通していなければ、戻す側の流体室
の容積が増大させられ、回転体は特定相対回転位置に向
かってそれまでとは逆向きに回転させられる。この際、
進める側の流体室からの流体の流出は停止用流体通路に
より許容される。
一旦特定相対回転位置に停止した回転体が外力によりそ
の特定相対回転位置から外れさせられても再び特定相対
回転位置へ寄せられること、および、停止用流体通路
が、回転体を進める側の流体室か戻す側の流体室かのい
ずれか、もしくは両方に連通した状態でも回転体を特定
相対回転位置で静止し続けさせることが可能であること
は、第四発明に係る流体圧モータと同様である。
第六発明(特許請求の範囲第25項)に係る流体圧モータ
はウインチ駆動用等、決まった一回転方向の偏荷重を受
けて回転し、停止状態でも偏荷重を受け続ける用途に適
している。この種の用途の流体圧モータにおいては、流
体圧モータおよび流体圧回路の漏れを前提として、絞り
手段を用いない回路が成立する。
通常回転時の作動は通常の流体圧モータと同じであり、
回転停止が必要になった場合には、切換手段により第一
流体通路が遮断され、第二流体通路がタンクに連通させ
られるとともに、開閉手段により第三流体通路が開かれ
て停止用流体通路に流体圧源から圧力流体が供給され
る。停止用流体通路が停止用流入通路として機能させら
れるのである。この停止状態への切換時に回転体が特定
相対回転位置より手前にあれば、停止用流体通路が回転
体を進める側の流体室に連通するが、この流体室に連通
している第一流体通路は遮断されているため、この流体
室の容積が増大させられ、回転体が特定相対回転位置に
向かって進められる。この際、回転体を戻す側の流体室
は第二流体通路を経てタンクへ流出する。
それに対して、停止状態への切換時に回転体が特定相対
回転位置を過ぎていれば、停止用流体通路が回転体を戻
す側の流体室に連通するが、この流体室に連通している
第二流体通路はタンクに連通させられているため、この
流体室の圧力は上昇しない。一方、回転体を進める側の
流体室は停止用流体通路と連呈しておらず、かつ、それ
に連通している第一流体通路が遮断されているため、こ
の流体室に流体が閉じ込められることとなるが、回転体
が偏荷重を受けているため圧力が高く、流体圧モータ内
および圧力流体回路の漏れによりこの流体室の容積が減
少させられて、回転体が特定相対回転位置へ戻される。
第七発明(特許請求の範囲第26項)に係る流体圧モータ
も、決まった一回転方向の偏荷重を受けて回転し、停止
状態でも偏荷重を受け続ける用途に適している。ただ
し、この流体圧モータにおいては停止用流体通路が停止
用流出通路として機能する。
回転停止時には、開閉弁により第三流体通路が開かれて
停止用流体通路がタンクに連通させられるとともに、切
換手段により第一流体通路が流体圧源に連通させられ、
第二流体通路が遮断される。この停止状態への切換時に
回転体が特定相対回転位置の手前にあれば、停止用流体
通路は回転体を戻す側の流体室に連通し、進める側の流
体室には連通しない。したがって、第一流体通路から流
入する圧力流体により回転体を進める側の流体室の容積
が増大させられ、回転体は特定相対回転位置へ更に進め
られる。この際、回転体を戻す側の流体室の流体は停止
用流体通路を経てタンクへ排出される。回転体は、回転
体を進める側の流体室が停止用流体通路にある程度連通
し、この流体室内の圧力が回転体への偏荷重と釣り合う
状態で停止する。
一方、停止状態への切換時に回転体が特定相対回転位置
を過ぎていれば、停止用流体通路が回転体を進める側の
流体室に連通するため、この流体室から流体が流出し、
第一流体通路から圧力流体が供給されているにもかかわ
らずこの流体室の圧力が回転体に対する偏荷重に対抗し
得るほど高くならず、回転体が特定相対回転位置へ戻さ
れる。この際、回転体を戻す側の流体室に連通している
第二流体通路が遮断されているが、回転体への偏荷重に
よってこの流体室の圧力が低くなるため、流体圧モータ
内部や流体圧回路の漏れによってこの流体室に流体が流
入し、容積の増大が許容される。
第八発明(特許請求の範囲第27項)に係る流体圧モータ
も決まった一回転方向の偏荷重が作用した状態で停止状
態を維持する必要がある場合に適したものである。この
流体圧モータにおいては停止用流体通路は、上記各発明
の流体圧モータにおけるように流体を流入させたり流出
させたりする通路としてではなく、パイロット圧取出し
用の通路として機能し、流体の流入がパイロット圧に基
づいて作動する第二切換手段により制御される。
通常回転時の作動は普通の流体圧モータと同じである
が、回転停止の必要が生じた場合には第一切換手段が第
二流体通路をタンクに連通させたままで第一流体通路を
遮断する。この時回転体が特定相対回転位置より手前に
あれば、回転体を進める側の流体室が停止用流体通路と
連通する。この流体室の圧力は回転体に対する一回転方
向の偏荷重によって高く保たれるため、停止用回転通路
の圧力、すなわちパイロット圧が高くなり、第二切換手
段が開状態になって第一切換手段により遮断されている
第一流体通路を流体圧源に連通させる。それによって回
転体を進める側の流体室に圧力流体が供給され、回転体
が特定相対回転位置に向かって更に回転させられる。そ
して、停止用流体通路が回転体を進める側の流体室に連
通しない状態になれば、漏れによりパイロット圧が低下
して第二切換手段が閉じ、進める側の流体室に圧力流体
が供給されなくなって回転体が停止する。
停止状態への切換時に停止用流体通路が回転体を戻す側
の流体室に連通している場合には、パイロット圧が低い
ため第二切換手段が閉じた状態に保たれ、流体圧モータ
には圧力流体が供給されない。そして、回転体への偏荷
重に基づく流体の漏れによって回転体が特定相対回転位
置へ戻ることが許容される。
なお、以上の説明は、各発明の流体圧モータが単一のモ
ータであるとして行ったが、各発明が複合的なモータと
して具現化される態様も存在する。その態様では、第一
モータ部と第二モータ部とが、両者の対応する流体室同
士が互いに連通する状態で接続され、第一モータ部が前
述のような停止用流体通路を備えたものとされる。従っ
て第二モータ部は、第一モータ部によって規定される回
転位置に自身のトルクで停止可能となる。第二モータ部
をシリンダ部に置換することも可能であり、このような
態様は、視点を変えれば本発明に係るモータの使用方法
とも言える。
また、上記各発明は、油圧モータ等液圧モータに好適で
あるが、エアモータ等他の流体圧モータにも適用するこ
とができる。
−発明の効果− 以上の説明から明らかなように、第一発明によれば、バ
ルブ部付き流体圧モータであって特定の回転位置に停止
させることができるものが得られる。
また、第二発明によれば、バルブ部なし流体圧モータで
あって特定の回転位置に停止させることができるものが
得られる。
これら第一発明あるいは第二発明に係る流体圧モータ
は、通常の回転は普通の液体圧モータと全く同様に行
い、回転停止が必要になったときには停止用流体通路を
利用して流体の供給、排出を制御し、回転中の流体圧モ
ータを停止させ、あるいは停止状態を維持するものであ
り、イッデンクスモータやブレーキモータとして使用で
きるが、従来のインデックスモータやブレーキモータと
比べて、複雑な機械的機構を設けることを要さず、普通
の流体圧モータを少し改造する(停止用流体通路を形成
する)だけで停止機能を与えることができ、しかも原理
的に摩耗部分がないから耐久性が高いものとなる。ま
た、流体圧で停止するからダンパ的効果があり緩衝性が
高い。
これはインデックスモータとしてみれば、ことさら減速
手段を設けなくても確実に、かつショック少なく短時間
で位置決めし得ることを意味し、また特定の回転位置を
過ぎても、所定の角度範囲では流体圧によるブレーキが
作用し、かつその位置まで戻ることとなる。つまり流体
圧による復元力が働くのである。
またブレーキモータとしてみれば、制動時のショックが
小さくてスリップがない他、停止時期の面倒な制御が必
要でなくなる。つまり、従来のブレーキモータでは、前
述のように流体の給排停止とメカニカルブレーキの作動
とのタイミングを合わせる必要が生じるが、本発明に係
るものではその必要がなく、取り扱いが容易となるので
ある。
第三発明によれば、第一発明あるいは第二発明に係る流
体圧モータの停止用流体通路を、停止用流入通路と停止
用流出通路との両方として機能させることにより、それ
らの一方のみとして機能させる場合に比較して、停止可
能な位置の多い流体圧モータを得ることができる。
しかも、以下の回路付きモータについても同様である
が、停止用流入通路や停止用流出通路に接続すべき流体
圧回路も市販のごく一般的な開閉弁や方向切換弁を用い
て構成することができるので、安価に製造することがで
きる。
第四発明によれば、第一発明あるいは第二発明に係る流
体圧モータの停止用流体通路を停止用流入通路として機
能させることにより、決まった一回転方向の偏荷重を受
ける場合にも受けない場合にも特定の回転位置で停止さ
せ得る汎用性の高い流体圧モータを得ることができる。
第五発明によれば、第一発明あるいは第二発明に係る流
体圧モータの停止用流体通路を停止用流出通路として機
能させることにより、第四発明と同様に汎用性の高い流
体圧モータを得ることができる。
これら第四発明および第五発明における流体圧回路は、
停止状態において外力が作用しない用途の流体圧モータ
(例えばインデックステーブル用モータ等)について
は、回路内に一義的な圧力関係が生じるため、後に実施
例において詳述するように、バルブの組み合わせにより
停止に必要な圧力差をつくり出すことで対処できる。し
かし、外力が作用するモータの場合には、そのような圧
力関係は乱れ、一義的なものとして把握困難となり、圧
力,流量または流れ方向のいずれをも基準にすることが
できなくなる。しかし、これら両発明における絞り手段
を用いれば、その二面性により外力が作用してもしなく
ても、また外力がどちらの回転方向に作用しようとも、
停止に必要な流体の流出入を生じさせることができ、流
体圧モータとしての用途が大幅に拡大されるのである。
第六発明によれば、第一発明あるいは第二発明に係る流
体圧モータの停止用流体通路を停止用流入通路として機
能させることにより、決まった一回転方向の偏荷重を受
ける用途に適した流体圧モータが得られる。
外力の作用する方向が予め一つに決まっている一方向偏
荷重形の流体圧モータについては、既述のように流体圧
モータ内や流体圧回路内の漏れを利用することにより、
絞り手段に代えることができる。漏れは液体圧モータに
つきものであるが、従来はその漏れがあるためにメカニ
カルブレーキ等でモータの停止状態を維持するのが普通
であったが、その漏れを停止状態において積極適に利用
するのが本第六発明および下記第七,第八発明の特徴と
言える。
第七発明によれば、第一発明あるいは第二発明に係る流
体圧モータの停止用流体通路を停止用流出通路として機
能させることにより、決まった一回転方向の偏荷重を受
ける用途に適した流体圧モータが得られる。
第八発明によれば、第一発明あるいは第二発明に係る流
体圧モータの停止用流体通路をパイロット圧取出し通路
として利用することにより、決まった一回転方向の偏荷
重を受ける用途に適した流体圧モータが得られる。
−実 施 例− 以下、本発明思想を具現化した各種の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
第1図は、容積式油圧モータの一種であるシリンダ固定
形ラジアルピストンモータ、いわゆる星形モータをその
油圧回路を含めて概念的に示すものである。ここでモー
タというとき、その油圧回路を含む回路付モータとして
把握することもできるし、また回路を除く狭義のモータ
として把握することもできるが、ここでは説明および理
解の容易さの点から、便宜上モータと回路とに分けて考
える。
この星形モータは位置固定のケーシング2(シリンダブ
ロック)を備えている。ケーシング2は半径方向に放射
状に形成された5個のシリンダ4を備え、それらのシリ
ンダ4にピストン6が挿入されて、流体室として機能す
る容積可変の5個の油室8a,8b,8c,8dおよび8e(以下、8
a〜eとも称する。他の符号についてもこれに準ずる)
を形成している。
ケーシング2は第2図から明らかなように、ケーシング
体10,フロントカバー12,シリンダカバー14,バルブケー
シング18およびリヤカバー20が油密に一体化されて成る
ものである。このケーシング2には、その中心線と同心
的にクランク軸22がベアリング24,26により回転可能に
支持されており、クランク軸22にはその軸心から偏心し
て円形の偏心カム28が一体的に形成され、この偏心カム
28の外周面に各ピストン6に連結されたコンロッド32の
端部がそれぞれ摺接させられる。
バルブケーシング18内には、クランク軸22と同心的にロ
ータリバルブ34が回転可能に嵌合され、クロスカップリ
ング36を介してクランク軸22の内端部に連結されて、ク
ランク軸22の回転と同期して回転させられるようになっ
ている。このロータリバルブ34がクランク軸22とともに
回転体を構成している。バルブケーシング18にはAポー
ト38およびBポート40が形成されている。これらボート
のうち流体圧源としてのポンプにつながるものが流入側
ポートとなり、タンクにつながるものが流出側ポートと
なるが、ロータリバルブ34はその回転にかかわらず、常
にAポート38に連通する油通路42と常にBポート40に連
通する油通路とを互いに独立に備えている。また、上記
ケーシング本体10とバルブケーシング18とにまたがっ
て、油給排用の連通路46a,46b,46c,46dおよび46eが形成
され、それらの一端は油室8a〜eにそれぞれ開口する一
方、他端はバルブケーシング18の内面に各々開口し、第
3図から明らかなように油室ポート48a,48b,48c,48dお
よび48eとされている。従ってロータリバルブ34の回転
に伴い、油通路42,44を介してAポート38,Bポート40が
油室ポート48a〜eに順次連通し、それによって油室8a
〜eに油が供給され、または油室8a〜eから排出される
こととなる。油室ポート48a〜eは、連通状態(流出
入)の切換え時にはロータリバルブ34により一時的に閉
塞され、この時が油室8a〜eの容積が最大または最小と
なる位相に対応する。
なお、クランク軸22はケーシン2から突出した外端部が
出力軸(モータ軸)として被駆動体と直接結合される
か、もしくはギヤやチェーン等でトルクを伝達すべく、
ギヤまたはスプロケット等が取り付けられる。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、
ケーシング本体10,フロントカバー12,シリンダカバー14
およびリヤカバー20によって特許請求の範囲第1項にい
うモータケーシングが構成され、このモータケーシング
がバルブケーシング18と共同して星形モータ全体のケー
シングを構成している。また、クランク軸22および偏心
カム28がモータロータを構成し、このモータロータがロ
ータリバルブ34と共同して星形モータ全体の回転を構成
している。そして、モータケーシングとモータロータと
がモータ本体部を構成し、バルブケーシング18とロータ
リバルブ34とがバルブ部を構成しており、本星形モータ
はバルブ部付き流体圧モータの1つである。
第1図は上記のようなモータの構造を模式的に表わすも
のであり、第2図におけるAポート38および油通路42、
ならびにBポート40および油通路44が、第1図ではそれ
ぞれ円弧状のAポート38およびBポート40として簡略に
描かれている。この円弧状に描かれたAポート38および
Bポートがクランク軸22と同じ方向に同期して回転する
と考えればよい。
5個の油室8a〜eのいずれか任意のもの、この例では油
室8aを形成するシリンダ4に、停止用の流入ポート50
(以下、停止用ポート5とも称する)が形成されてい
る。この流入ポート50は、第2図に示すようにシリンダ
4の端壁たるシリンダカバー14を貫通して形成され、そ
の外部の開口端は第一開口端に相当するもので、ここが
ポンプに接続されるべき接続ポート52とされている。流
入ポート50は直接的には油室8aに開口しているが、第1
図に示すように油室8a,連通路46aを経て油室ポート48a
に連通しており、この例では接続ポート52から油室ポー
ト48aに至る通路が停止用流入通路に相当し、それの第
二開口端を油室ポート48aが兼ねる形となっている。そ
して、流入ポート50はこの油室ポート48aにおいて、A
ポート38またはBポート40、および連通路46b,46c,46d,
46eを介して他の油室8b〜eにも選択的に連通可能であ
る。その連通状態は前記ロータリバルブ34によって切り
換えられるが、油室8aの容積が最大の状態、つまりその
ピストン6が下死点にある状態では、油室ポート48aが
Aポート38とBポート40との間の中立位置にあるため、
流入ポート50は専ら油室8aに連通する。
以上のような星形モータは、例えば第1図に示す油圧回
路に接続され、それとの組み合わせで使用される。以
下、この回路を説明する。
Aポート38には油通路56が接続され、Bポート40には油
通路58が接続され、また停止用流入ポート50の接続ポー
ト52には油通路60が接続されている。油通路60は流体圧
源としてのポンプ62に接続されており、この油通路60の
途上には開閉手段として機能する電磁切換弁64が設けら
れ、ソレノイド66の励磁・消磁により油通路60を閉じま
たは開くようになっている。
一方、油通路56および油通路58の途上には、切換手段と
して機能する電磁切換弁68が設けられており、油通路56
および58はこの切換弁68を経てポンプ62およびタンク70
に接続されている。切換弁68は、ソレノイド72の励磁に
対応する図中のA位置で油通路56をポンプ62に、油通路
58をタンク70にそれぞれ連通させ、ソレノイド74の励磁
に対応する図中のB位置でその連通状態を逆にし、更に
中立状態のC位置で油通路56および58をいずれもタンク
70に連通させる状態とするものである。そのC位置にお
いて切換弁68内には、油通路56および58の一部をなす独
立の通路部分がそれぞれ形成されるとともに、それらを
一体化してタンク62に導く共用の通路部分が形成されて
いる。そして、油通路56の切換弁68内における独立通路
部分には、絞り手段としての絞り76が設けられ、また油
通路58の同様な独立通路部分にも、同じ絞り78が設けら
れている。切換弁68は、上述のC位置において油通路56
および58をそれぞれ絞り76および78を経てタンク70に連
通させる役割を果たすのである。
なお、絞り76および78は、油室ポート48aがAポート38
とBポート40とのいずれかに連通させられるとき、その
最大開度時の流路面積より油通路56および5の流路面積
を小さく絞るものとされている。
次に、以上のような油圧回路と組み合わされた星形モー
タ(見方を変えれば回路付モータともいえる)の作動を
説明する。この説明はモータ停止方法についての実施例
の説明を兼ねるものである。
通常回転の際には切換弁64が閉位置に維持され、停止用
の流入ポート50につながる油通路60が遮断された状態に
ある。従って、その流入ポート50は存在しないのと同じ
である。また、切換弁68はA位置またはB位置に保持さ
れる。例えばA位置に保持された状態では、油通路56を
ポンプ62に、油通路58をタンク70にそれぞれ連通させ、
その結果ポンプ62からAポート38に油が供給され、Bポ
ート40からタンク70に排出される。この場合にはAポー
ト38が流入側ポートに、Bポート40が流出側ポートにな
り、また油通路56が第一流体通路に、油通路58が第二流
体通路になるが、油通路60は常に第三流体通路としての
役割を果たす。第1図の状態ではAポート38と油室ポー
ト48b,48cとが連通し、Bポート40と油室ポート48d,48e
とが連通しているため、油室8b,8cに油が供給され、油
室8d,8eから排出されて、モータ軸たるクランク軸22を
図中反時計まわりに回転させるトルクが生じる。このよ
うな連通状態がクランク軸22と一体的に回転する前記ロ
ータリバルブ34により切り換え続けられることにより、
クランク軸22が連続的に回転するのである。なお、切換
弁68がB位置に切換られれば回転方向は逆転する。
回転停止の際には、切換弁64が開作動させられて図示に
ように油通路60を開き、この油通路60を経て停止用流入
ポート50をポンプ62に連通させた状態とする。また、こ
れと同時に切換弁68が図示のようにC位置に切り換えら
れて、油通路56,58(つまりAポート38,Bポート40)を
それぞれ絞り76,78を介してタンク70に連通させた状態
とする。
油通路60が開かれることにより、流入ポート50から油室
8aに圧油が供給され、連通路46aを経て油室ポート48aか
ら吹出し可能となる。モータの停止可能な回転位置(以
下、停止位置とも称する)は、このポート48aがAポー
ト38とBポート40との間にある中立位置に対応する。い
ま、モータが第1図において反時計まわりの回転状態か
ら停止するものとすれば、その停止位置の手前にあると
き、つまり行き足りない状態では、第4図に示すように
油室ポート48aがAポート38に連通し、かつ油通路46b,4
6cを介してクランク軸22を更に進める側の油室8b,8cに
連通した状態となる。通常回転の場合とは逆に油室ポー
ト48aからAポート38に油が流入するのである。以下、
説明を簡単にするために、インデックステーブル用モー
タ等のように外力が作用しないものを想定して説明を進
める。このAポート38に接続された油通路56には絞り76
が設けられているため、タンク70に油が漏れるもののA
ポート38の圧力は高まり、連通路46b,46cを経て油室8b,
8cに圧油が供給される。
一方、クランク軸22を戻す側の油室8d,8eは連通路46d,4
6eおよび油室ポート48d,48eを経てBポート40に連通
し、更に油通路58によりタンク70に連通しているため、
それら油室8d,8eから油がタンク70に流出可能である。
油の流出は油通路58に設けられた絞り78を経て許容され
る効果、Aポート38とBポート40との間に圧力差が生
じ、Aポート38が高圧側、Bポートが低圧側となる。す
なわち油室8b,8cが高圧側、油室8d,8eが低圧側となり、
この圧力差により生じるトルクによってクラック軸22が
停止位置の側へ更に回転するのである。このトルクはモ
ータの運転トルクの脈動範囲内のもので、運転時のトク
ルとほぼ同じと言える。
このように停止位置の手前から更に進められた結果、第
1図に示すように油室ポート48aがAポート38とBポー
ト40との間に位置する中立状態になると、上述の圧力差
は消滅し、油室8b,8cの2本のピストン6で生じる進め
側(反時計方向)のトルクと、油室8d,8eの2本のピス
トン6で生じる戻し側のトルクとが互いに打ち消し合っ
て平衡(バランス)状態となり、クランク軸22は油室8a
の容積が最大、つまりそのピストン6が下死点にある状
態で安定し、停止するのである。
他方、この停止位置を過ぎた状態では、第5図に示すよ
うに油室ポート48aがBポート40に連通し、更に連通路4
6d,46eを経てクランク軸22を戻す側の油室8d,8eに連通
した状態となる。従って、行き足りない場合と逆に、B
ポート40が高圧側、Aポート38が低圧側となり、それら
の油室48d,48eに圧油が供給されるとともに、クランク
軸22を更に進める側の油室8b,8cから油がタンク70側に
排出されて、クランク軸22は停止位置の側へ戻される。
それによって行き足りないとき同様にクランク軸22が停
止位置に落ち着く。
この戻しの際のトルクも絞り76,78による圧力差を前提
とするが、Bポート40側の絞り78が圧力を上げる作用を
なす。つまり、これら絞り76および78のうち、高圧側
(一般的に言えば流入側)ゐ位置するものは第一義的に
は油の排出を抑える役割を果たし、低圧側(一般的に言
えば流出側)に位置するものは第一義的には油の排出を
許容する役割を果たすのであるが、行き足りない状態と
行き過ぎた状態とでは流入側と流出側とが入れ換わるた
め、どちらの状態にも対応可能であるためには、油通路
56と58との双方に各々絞り76,78が必要となるのであ
る。
以上は、説明を単純にするために外力が作用しない無負
荷の状態を想定したが、外力が作用する場合は、無負荷
時のように高圧側,低圧側と単純に圧力差で論ずること
はできず、外力によって戻される状態は停止用ポートが
連通する側の圧力が他方の側の圧力より低くなる場合も
ある。また、停止状態においてAポート38とBポート40
との圧力自体はバランスせず、進め側と戻し側とのトル
クは外力を含めた状態で平衡状態となる。例えば、図中
時計方向に外力が作用するとすれば、その外力に抗する
素の油室8b,8cに基づくトルクと、外力に従う側の油室8
d,8eに基づくトルクおよび外力によるトルクの和とが釣
り合うのであり、このとき油室ポート48aはAポート38
側にある程度傾いて安定する傾向も生じ得る。
このように、本モータの発生トルクの範囲内では、外力
がどちらの回転方向に作用してもその外力に耐えること
ができ、仮にモータトルクを超える外力が一時的に作用
し、停止位置を外れることがあっても、上記トルクによ
って戻し力が働く。このトクルは、油室ポート48aがA
ポート38またはBポート40に対して絞り76,78の存在を
無視できる程度まで開いたとき最大となり、従って実用
上は必ずしも油室ポート48aの全開状態に対応するもの
ではない。そしてモータはそのトルクで停止位置に維持
されるが、別の位置決め手段(例えばメカニカルブレー
キ,ノッチ等)の併用を妨げるものではない。油圧回路
が故障したような場合に有効であり、また停止状態の維
持は一層確実となる。
なお、比較的高速から停止させられる際には、回転質量
の慣性により若干は予定の停止位置を過ぎてから戻され
る傾向が強くなり、このことが緩衝効果を高めることに
寄与する。
また、上述の停止機能は、切換弁64および68へ切換信号
が供給されたときから開始され、第1図に示す停止位置
の手前180度以内の位相ではクランク軸22を更に進める
トルクが生じ、その停止位置を経過後180度以内の位相
では戻すトルクが生じる。そして第1図に示す停止位置
は油室8aの容積が最大となる状態に対応して絶対的に一
位置に決まる。インデックスモータとして使用される場
合、割り出し数は1とな、この割り出し(停止)位置の
前後180度以内の角度からインデックスがかかることに
なる。なお、その停止位置から180度隔たった対称位置
で不安定な平衡状態を生じる可能性は論理上は否定でき
ないが、実用上は無視できるものである。
停止位置の精度は、主にAポート38,Bポート40および油
室ポート48aの加工精度で決まる。外力(負荷)による
モータの変位もそれらの加工精度ひいては切換精度によ
る。Aポート38とBポート40との間の遮蔽部の幅寸法に
対して油室ポート48aの穴径を小さく形成するか、等し
く形成する(ゼロラップとする)か、大きく形成するか
は制作上および設計上(閉込み,効率,音等との関係)
の問題であり、いずれの場合でも上記停止作用は奏され
る。しかし、ゼロラップの形態により近づければ、変位
に対して油圧ポート48aの開度が急に増すから、切換感
度が高くなって停止位置精度が高まり、また停止後の変
位に対する応答が鋭敏となる。形状的にも開度が急変す
るものが精度向上に有効である。また油室ポート48aの
形成位置精度も停止時の精度を左右する他、機械的部分
の製作誤差(例えばクロスカップリング36等におけるガ
タ)が少ないほど良い精度が得られる。
次に、第1図に示すものの変形例を第6図および第7図
に示す。この例では第7図から明らかなように、ロータ
リバルブ34と油室8aとをつなぐ連通路46aの中間部に停
止用流入ポート80が設けられている。言い換えれば、連
通路46aがその中間部において外部に開口させられ、こ
の部分(80)がポンプに接続されるべき接続ポートとさ
れているのである。回路上は第6図のようになる。そし
て、連通路46aのうち流入ポート80から油室ポート48aま
での部分が、通常の油給排通路としての役割のみなら
ず、停止用の流入通路の役割をも果たすものとなる。接
続ポートになるポート80が第一開口端に相当し、油室ポ
ート48aがその第二開口端を兼ねるのである。ポンプ62
からの油通路60は流入ポート80に接続されているが、機
能的には第1図のものと変わるところはない。
なお、停止用の流入ポート50または80は、油室8aまたは
連通路46aに限らず、他の油室8b〜eのいずれか、また
は他の連通路46b〜eのいずれかに開口して形成するこ
ともできる。どれに形成したかにより停止時の一位相が
定まる。また、それらのいずれにも形成すれば、各々の
位相で停止可能となる。第8図はその態様の一具体例を
簡略に示すものである。
この図では連通路46a〜eは省略されている。図示のよ
うに、油室8a〜eのそれぞれにつき停止用流入ポート50
が1個ずつ各シリンダ4(または連通路46a〜e)に形
成され、5個の油室8a〜eに対応して5個の流入ポート
50を備えたモータとされている。そして各ポート50には
ポンプ62から延びる油通路60がそれぞれ接続され、それ
ら5本の油通路60の各々に切換弁64が設けられている。
図では煩雑さを避けるため3個のみ示す。他は第1図ま
た第6図と同様である。
そして、これら油通路6のいずれかが切換弁64により択
一的に開かれることによって、油室ポート48a〜eがそ
れぞれ択一的に前述と同様の停止機能を担う。例えば、
油室ポート48bに圧油が供給される場合には油室8bの容
積が最大となる位置で停止し、油室ポート48cに圧油が
供給される場合には油室8cの容積が最大となる位置で停
止する。他の油室についても同様である。従って、停止
可能な位置は都合5位置となり、72度ずつ位相の異なる
5分割のインデックスが可能となる。例えば、一定角度
の回転を挟んで、5個の切換弁64をモータの回転方向に
対応させて順次択一的に開いていくのである。なお、メ
インの切換弁68は停止作動位置に保持したまま切り換え
ないで、切換弁64を順次択一的に開くことのみによって
インデックスすることも可能である。切換弁68の切換え
を間に挟めばイデックス速度は速くなるが、必要回転角
度が小さい場合等には切換弁64の開閉だけで行っても不
都合はない。このように等角度間隔で5分解のインデッ
クスが行われる場合にも、現に停止させられる停止位置
を基準にして、その±180度以内の角度からインデック
ス機能が働く。
なお、油室8a〜eの全てに対応して5個の流入ポート50
を形成するのではなく、例えば、油室8bおよび8eにのみ
対応して2個の流入ポート50を設けること等、2以上で
かつ油室数より少ない流入ポート50を設け、等角度間隔
でない変則的なイッデックスを行わせることも可能であ
る。
次に、油圧回路についての変形例を説明するが、回路の
変形は多種多様に可能であるため、代表的なもののみに
ついて第9図〜第17図にそれぞれ示す。なお、これらの
図では煩雑さを避けるために、モータ側についてはAポ
ート38およびBポート40と、停止用の流入ポート50とを
示すに止める。流入ポート50(流入ポート80でも同じ)
は、厳密にみれば前記油室ポート48a〜eのいずれかに
相当するものであるが、原理上理解が容易な表記とし
た。
第9図に示す油圧回路は1個の電磁切換弁84を備えてお
り、この切換弁84は第1図における切換弁64および切換
弁68の2個の弁に取って代わり、それらの機能を1台で
果たすものである。すなわち、停止用ポート50につなが
る油通路60の遮断・連通用の弁ポートが付加されて、5
ポート3位置切換弁とされ、その油通路60を開閉する開
閉手段と、Aポート38,Bポート40からの油通路56,58を
停止作動時には絞り76,78を介してタンク70に連通させ
る切換手段とを兼ねるのである。なお、切換弁84は図示
のように電磁弁であってもよいが、マニュアル(手動)
操作されるものでも差し支えない。これは電磁弁として
図示されている他の弁についても言えることである。
第10図に示す油圧回路では、第1図における切換弁64の
代わりに、シーケンス弁86とチェック弁88とが設けら
れ、協同して開閉手段の役目をしている。切換弁68が図
示の停止作動位置に切り換えられて、油通路60の圧力が
一定値を超えると、シーケンス弁86が作動して油通路60
を連結状態とする結果、圧油がチェック弁88を経て停止
用ポート50に供給される。
第11図に示す油圧回路では、Aポート38からの油通路56
が途中で第一分岐路90と第二分岐路92とに分かれ、また
Bポート40からの油通路58も同様に第一分岐路94と第二
分岐路96とに分岐している。双方の第一分岐路90および
94は切換弁98を介してポンプ62またはタンク70に接続さ
れているが、第二分岐路92および96は常にタンク70に連
通するようになっていて、この第二分岐路92に絞り76
が、また第二分岐路76に絞り78がそれぞれ設けられてい
る。すなわち、切換弁98の内部ではなく、油通路56およ
び58の各分岐路に絞り76,78が形成されているのであ
る。そして、切換弁98の中立位置(モータ停止用切換位
置)においては、油通路56,58の第一分岐路90,94がいず
れも遮断され、油通路60のみが連通状態となるようにさ
れている。これは、第9図に示す切換弁84の弁通路が、
絞り76,78のところで遮断された構造に等しい。絞り76,
78が油通路56,58に設けられているため、切換弁98は既
成のありふれたものでよい。
この回路では、油通路56,58が絞り76,78を経てタンク70
に常時連通させられ、モータ停止の際に前述の実施例と
同様の作用をなすが、停止の際のみならず通常回転の際
もその連通状態が続くため、絞り76,78を経て圧油がタ
ンク70に漏れる分だけ運転効率は低下する。
第12図に示す回路はそれの改良形といえる。この回路に
おいては、油通路56,58の第二分岐路92と96同士が合流
して共通路100とされ、この共通路100が切換弁102を介
してタンク70に接続されている。各第二分岐路92,96に
は絞り106,108に併せて、チェック弁110,112が設けられ
ている。チェック弁110はAポート38と絞り106との間に
位置し、Aポート38から絞り106に向かう方向の油の流
れは許容するが逆方向の流れは阻止するものである。ま
たチェック弁112はBポート40と絞り108との間に位置
し、Bポート40から絞り108に向かう方向の流れは許容
するが逆方向の流れは阻止するものである。これらのチ
ェック弁110,112により、Aポート38とBポート40との
連通が阻止されている。停止用ポート50からの油通路60
は切換弁102を介してポンプ62に接続され、また油通路5
6,58の第一分岐路90,94は切換弁114を介してポンプ62ま
たはタン70に接続されている。
モータの通常回転の際には、切換弁114がその第一分岐
路90をポンプ62に、第一分岐路94をタンク70に連通さ
せ、また逆転の場合にはその反対に連通させて、Aポー
ト38とBポート40の一方に油を供給し、他方から排出さ
せる。このとき切換弁102は共用路100および油通路60を
遮断した位置に維持されている。従って、絞り106,108
を経てタンク70に油が漏れることが回路上なく、連続回
転時の運転効率は低下しない。
回転停止の際には、切換弁114が切り換えられて第一分
岐路90および94が遮断される。それとともに切換弁102
が切り換えられ、油通路60が開いてポンプ62と停止用ポ
ート50とが連通し、かつ共用路100が開いて油通路56,58
が絞り106,108を介してタンク70に連通した状態とされ
る。すなわち、この回路では切換弁102が油通路60の開
閉手段の役割を果たすとともに、切換弁114と協同し
て、回転時の連通状態と停止時の連通状態との相互間の
切換えを行う切換手段の役割を果たしているのである。
ただし、切換弁114が停止用切換位置に切り換えられた
後(無負荷の状態であればモータは一応止まる)、時間
的に間をおいて切換弁102が停止用切換位置に切り換え
られてもよい。この場合には停止とインデックスとを別
々に行うことが可能となる。更に、これら切換弁102,11
4を多ポートの1台の切換弁に置き換えることもでき
る。いずれにしても油通路60を経て圧油が停止用ポート
50に供給されることにより、前述と同じ作動が行われ
る。例えば、Aポート38に油が流入すれば絞り106によ
りAポート38が進め側となり、戻し側となるBポート40
から流出する油は、チェック弁112,絞り108および切換
弁102を経てタンク70に逃がされる。Bポート40に油が
流入する場合にはこの関係は逆になる。
なお、絞り76,78や絞り106,108は、固定絞りでもよい
し、第12図に表示するように可変絞りでもよい。固定絞
りは流路に形成されるチョークまたはオリフィスで、ま
た可変絞りは流路に設けられる流量制御弁で構成される
のが普通である。可変絞りの場合に、圧力補償付きの流
量制御弁として、圧力の変動にかかわらず絞り流量が一
定になるようにすることも可能である。
インデックスモータ用の回路の場合、その停止精度は絞
りが小さいほど良くなるが、絞れば絞るほど停止位置へ
のアプローチ速度が遅くなり、インデックス時間が長く
なる。従って、停止精度とアプローチ速度との兼ね合い
において、実用上妥当な絞り径を選ぶ必要がある。可変
絞りとすれば、積極的にその絞り量を換えてアプローチ
速度の調整を図ることができる。
ブレーキモータ用の回路の場合には、制動のための圧力
が充分発生する絞り径であればよく、あまり大きくしな
い方が効率が高い。大きすぎるとAポート38とBポート
40との間に充分な差圧力が発生せず、ブレーキ能力が小
さくなる。
このような絞り径(絞り面積)は、第1図の実施例で述
べたように、実際上、停止用流入ポート50(厳密には油
室ポート48a等)とAポート38またはBポート40との連
通時における最大流路面積より小さいとものと一応は言
えようが、必ずしも一義的に規定され得るものでもな
い。それと同じか、または大きくても圧力が立たないこ
とはないからである。
ただ、この絞りの程度について一つの考察を試みること
は可能である。上述の説明から、絞りはその最大流量の
側で、つまり大きい方の限度(最大面積)で規定される
と言うことができ、停止用の流入ポート50から流入する
油の流量(Q)を、絞りから充分には流出させ得ないよ
うい抑える絞り面積(A)を有する絞りと言えよう。次
の式を満足することが目安となる。
ただし、 C:定数 P:モータの必要トルク発生に要するAポートおよびBポ
ート間の圧力差 また、圧力補償付きの流量制御弁が使用される場合に
は、次の式を満足することが一の目安となる。
ただし、 C:定数 P′:圧力補償付き流量制御弁の絞り部の差圧力 なお、絞りの小さい方の限度は特段の規制はないが、強
いて言えば、モータ内や回路内の漏れ量よりは多くの油
を流し得る程度の大きさと言えよう。
ところで、上記のような絞りが不可欠かというと必ずし
もそうではない。例えば第13図に示すように、専用の絞
りを設ける代わりに、モータ自体の漏れを利用して、絞
りと実質的に同様な挙動を行わせることも可能である。
回転停止の際には、第11図と同じ切換弁98により油通路
56,58が回路上は完全に遮断される。このモータ自体の
漏れを利用する態様は、モータの形式によってはできな
いものもあるが、通常のモータであれば適用でき、実用
に供し得ることが確認されている。
第14図に示す回路は、これまで説明した意味での絞り、
つまり停止過程での流出入を生じさせるという意味での
絞りは一切用いられず、それをバルブの組み合わせによ
って行わせるものである。油通路56,58の第二分岐路92,
96は共にパイロット操作切換弁(以下、パイロット弁と
いう)118を介してタンク70に接続されており、このパ
イロット弁118の両端には第三分岐路120,122により油通
路56,58の圧力が作用するようなっている。第三分岐路1
20,122はそれぞれチェック弁124,126を経て互いに合流
し、パイロット操作切換弁128を介してタンク70に接続
されており、一方、油通路56,58の第一分岐路90,94は電
磁切換弁130を介してポンプ62に接続されている。な
お、パイロット弁118および128の各操作圧の取入れ部に
絞りが存在するが、これらの絞りは切換速度を規制する
ためのもであり、またパイロット弁118のB位置におい
て、その内部に絞りが描かれているが、これは油通路56
または58の圧力上昇を可能にして自身の切換えを可能と
するものであり、いずれも前述の絞りとは目的が異な
る。
通常回転の際には、切換弁130によりポンプ62からAポ
ート38またはBポート40に圧油が供給される。例えばA
ポート38に供給されるときは、パイロット弁128がA位
置にあり、油通路56の圧力によりパイロット弁118がB
位置からA位置に切り換えられ、Bポート40からパイロ
ット弁118を経てタンク70に油が戻される。このような
状態から停止指令が出されると、切換弁130が切り換え
られて停止用の流入ポート50に圧油を供給する。ここで
停止位置に行き足りない状態では、ポート50がAポート
38に連通するからパイロット弁118,128はいずれもA位
置に維持され、Bポート40からタンク70に油が戻る。
停止位置を行き過ぎると、停止用ポート50がBポート40
に連通するため、油通路56の圧力が落ちてパイロット弁
118はB位置に復帰する。従って油通路58の圧力が高く
なりパイロット弁118に作用するが、分岐路120の圧力が
充分に下がらないと切り換えられない。しかし分岐路94
の圧力上昇により、パイロット弁128がA位置からB位
置を経てC位置へと切り換えられ、そのB位置を経ると
き分岐路120の油がタンク70に排出される結果、パイロ
ット弁118がC位置に切り換えられ、油通路58が遮断さ
れる一方で油通路56がタンク70に連動させられて、戻し
のトルクが生じるのである。
このような回路は、絞りで油を漏らしながら停止作動を
行わせるものではないから効率は良いが、インデックス
テーブルのモータなど、専ら静止時に負荷のかからない
モータ用の回路に適する。負荷(外力)が作用すると圧
力の高低が上記のように一義的には定まらないからであ
る。これに対して、前述の絞りを備えた回路(例えば第
12図等の回路)は、外力が作用してもしなくても、いず
れのモータにも対応でき、しかも回路構成が簡単な利点
がある。
第15図に示す回路は、無負荷の場合の他、ウインチ用モ
ータなど、予め定められた一定回転方向に偏荷重が作用
するモータにも対応できるものである。
この回路において油通路56の第二分岐路92は、絞り132
を経るとともにパイロット操作切換弁(以下、パイロッ
ト弁という)134を介してタンク70に接続されている。
このパイロット弁134には油通路58の第二分岐路96の圧
力が作用させられるようになっており、分岐路96は絞り
136を経てタンク70に連通している。また油通路56,58の
第一分岐路96,94は電磁切換弁138を介してポンプ62また
はタンク70に接続されている。
この切換弁138によりポンプ62から油通路56を経てAポ
ート38に圧油が供給され、Bポート40から排出されるこ
とによって、例えば矢印の向きに巻上げが行われるもの
とする。このとき油通路40側は低圧側となるから、パイ
ロット弁134は図示の位置に維持され、油通路56の第二
分岐路92を遮断した状態に保つ。
巻上げ停止の指令により切換弁138が切り換えられ、停
止用流入ポート50に圧油を供給する。巻き足りない状態
では流入ポート50がAポート38に連通し、Bポート40側
は低圧であるためパイロット弁134はそのままの状態で
あり、Bポート58からの油は絞り136を経てタンク70に
漏れ、更に巻き上げられる。また、巻き過ぎた場合には
流入ポート50がBポート40に連通し、流入する油が絞り
136で絞られるため分岐路96の圧力が上昇する。その結
果、パイロット弁134は油通路56を絞り132を介してタン
ク70に連通させる位置に移動させられ、Aポート38から
絞り132を通じてタンク70に油が排出されつつ、モータ
は荷重によって戻される。ただし、無負荷の場合でも圧
力差により同様に戻される。
ここで、絞り132は主に戻り速度を規制する役目をし、
また絞り136はパイロット弁134の切換圧力を生じさせる
役目をしている。この回路の場合、巻き上げ方向の停止
作用において効率はよいが、外力の作用方向が決まって
いないモータには不向きである。
前述の絞り76,78等を備えた回路は、いわば万能形と言
えるが、どんな油圧モータでも漏れがあるのが常であ
り、一般的には漏れのないモータは存在しないとさえ言
える。この漏れを前提とすれば、ウインチ用モータ等、
予め決められた一回転方向に偏荷重を受けるモータのた
めの回路としては、むしろ絞りは要らないということも
できる。第16図はそのような回路の一例を、ウインチ用
モータの場合を代表的に挙げて示すものである。
この実施例はウインチ140を駆動するモータの油圧回路
であり、ウインチ140はワイヤ142により荷重Wを吊り上
げている。モータの巻き上げ方向を図において矢印で示
す反時計方向とすれば、モータには荷重Wにより常に時
計方向の偏荷重、つまりその方向にモータを戻そうとす
る力が作用する。図においてAポート38は巻き上げ側の
ポートであり、Bポート40は戻し側のポートである。
Aポート38に接続された油通路56およびBポート40に接
続された油通路58は、電磁切換弁144を介してポンプ62
またはタンク70に接続されている。また、停止用の流入
ポート50に接続された油通路60もこの切換弁144を介し
てポンプ62に接続されている。切換弁144は6ポート3
位置切換弁であって、巻き上げ用のA位置および巻き戻
し用のB位置で油通路60を取だし、停止用のC位置で油
通路60を開く状態となり、この部分が油通路60の開閉手
段とされている。更に、切換弁144はそのA位置におい
て油通路56をポンプ62に、また油通路58をタンク70に連
通させ、B位置においてそれらを互いに逆に連通させ
る。そして停止用のC位置においては巻き上げ側の油通
路56を遮断し、かつ戻り側の油通路58をタンク70に直接
連通させた状態とする。切換弁144はこのような各回路
状態を生じるように切り換えられる切換手段の役割も果
たしている。
巻き上げの際には、切換弁144がA位置にあってポンプ6
2からAポート38に油が供給され、Bポート40からタン
ク70に排出される。荷重Wを下ろす際には、切換弁144
がB位置に切り換えられ、逆の給排となる。そしてモー
タの回転停止の際には、切換弁144がC位置に切り換え
られ、ポンプ62から停止用の流入ポート50に圧油が供給
される。ここで巻き上げが足りない状態では、流入ポー
ト50からAポート38に油が流入し、油通路56が遮断され
ているためその圧力が高まる。また、油通路58はタンク
70に連通しているため、Bポート40からの油の流出を伴
いつつ、モータは更に巻き上げ方向に回転させられる。
巻き上げ過ぎの状態では、流入ポート50からAポート38
に圧油の供給がないため、荷重Wに抗するトルクは生じ
ない。逆に流入ポート50からBポート40に油が流入する
が、タンク70に連通しているため圧力は上がらない。こ
の油は戻り方向において容積の増大する油室に、その容
積の増大に追従して流入可能であり、また巻き上げ側に
当たるAポート38側の油通路5は回路上遮断されている
が、モータ内および回路内の漏れにより巻き上げ側から
の油の排出が許容される。従って、荷重Wによりモータ
が戻されるのである。この回路では絞りで漏らすのと比
べて効率は良いが、絞り76等を含む回路と比較すると、
やはり用途が限定される。なお、前述の第15図の回路
は、モータ内および回路内に仮に漏れがない場合でも機
能し得る。
なお、第15図ないしは第16図の変形回路として、例えば
第56図に示すような回路も存在する。この回路において
停止用ポート145は、停止の際に積極的に油を流入また
は流出させるものではなく、圧力検出ポートとして機能
するようにされ、停止作動のための流体の流出入はパイ
ロット切換弁134で切り換えられる。すなわち圧力検出
ポート(145)に作用する圧力がパイロット圧としてパ
イロット切換弁134に供給されるのである。いまAポー
ト38が巻き上げ側で、反時計方向に巻き上げられるとす
れば、巻き足りない状態では圧力検出ポート(145)が
高圧のAポート38に連通するため、パイロット切換弁13
4は図のA位置からB位置に切り換えられて更に巻き上
げられ、巻き過ぎの状態ではそのポート(145)が低圧
のBポート40に連通するため、パイロット切換弁134は
A位置に復帰し、モータは荷重により戻される。
第17図は第16図の応用回路である。この回路は、ウンイ
チ140および146をそれぞれ駆動する2個のモータの組み
合わせ、いわゆるガイウインチ用のものに係り、ワイヤ
142および150の巻取り・解き戻しにより、被駆動部材14
8が一軸線まわりに所定の角度範囲内で双方向に回動さ
せられる。ウインイチ140用のモータは被駆動部材148の
負荷(荷重)に抗して図中反時計方向に巻取り回転し、
時計方向に解き戻される一方、ウインチ146用のモータ
は時計方向に巻き取り回転し、反時計方向に解き戻され
るものである。両者の関係は逆になり、一応が他方に追
従する関係にある。両モータのAポート38側の油通路5
6,56は切換弁144を介してポンプ62またはタンク70に接
続されており、各油通路56,56にはカウンタバランス弁1
52,152がそれぞれ設けられ、Aポート38側へは油が流れ
易く切換弁144側へは流れにくくされ、モータの解き戻
し方向の回転に抵抗を与え、ワイヤ142,150のたるみ防
止が図られている。また各Bポート40側の油通路58,58
はいずれもタンク70に直接接続されており、油通路60は
各モータの停止用流入ポート50,50にそれぞれチェック
弁156または158を経て接続されている。これの作動につ
いての詳細な説明は割愛するが、第16図と原理的には同
様の停止作用が奏される。
油圧回路の説明はこの程度とし、再びモータを含めた全
体の構成に戻る。
これまでの態様はすべて、停止の際に油を強制的に流入
させる、つまり押し込むものであったが、発想を転換す
ると、それとは逆、つまり流出させる(抜く)という思
想が導き出される。第18図にその一実施例を示す。ただ
し、第1図と同様な部分には対応する符号を付して詳し
い説明は省略する。
このモータは停止用の流出ポート160を備えている。流
出ポート160は、第1図の流入ポート50または第6図の
流入ポート80と構造的には全く同じもので、油室8aおよ
び油室ポート48aに連通している。この流出ポート160を
第一開口端とし、油室ポート48aを第二開口端とする停
止用流出通路が、連通路46aおよび油室ポート48aを利用
して構成されているのである。流出ポート160は外部へ
の接続ポートとされ、ここには油通路162が接続され、
この油通路162は電磁切換弁164(開閉手段)を介してタ
ンク70に接続されている。
本図に示すモータの回転位相は、第1図に示す位相から
反時計まわりに更に180度だけ回転した位相に相応し、
Aポート38は図中右側に、Bポート40は左側にそれぞれ
移行している。これらのポート38,40にそれぞれ接続さ
れた油通路56,58は電磁切換弁166を経てポンプ62または
タンク70に接続されている。この切換弁166は図示の停
止用切換位置(C位置)において、油通路56および58を
それぞれ絞り76および78を経てポンプ62に連通させるも
のである。
いま、説明を単純化するために無負荷時を例にとり、図
中反時計方向の回転状態から停止する場合を想定する。
切換弁166はC位置に切り換えられ、油通路56,58により
絞り76,78を通じてAポート38およびBポート40に圧油
を供給し、一方、切換弁164は油通路162を開く位置に切
換られ、停止用流出ポート160(ひいては油室ポート48
a)をタンク70に連通させる。
第19図に例示するように、行き足りない状態では、Bポ
ート40が流出ポート160に連通し、従って戻し側となる
油室8a,8b,8cから油がタンク70に流出し、モータは更に
進められる。すなわち、Aポート38に供給されている圧
油が進み側の油室8d,8eに入るのであり、またBポート4
0にもポプン62から油が供給されているが、絞り78で絞
られるためBポート40側(戻し側)の圧力が低下し、そ
の圧力差に基づきモータを更に進めるトルクが生じるの
である。
また第20図に例示するように行き過ぎた状態では、Aポ
ート38が流出ポート160に連通する結果、進め側の油室8
a,8d,8eから油がタンク70に流出し、戻し側の油室8b,8c
にBポート40を経て圧油が供給される結果、モータが戻
される。このときは、絞り76がAポート38側の圧力の低
下を助ける。
いずれにしても、そのような回転の過不足が解消され
て、流出ポート160がAポート38とBポート40との中間
に位置する中立状態になると、進め側と戻し側のトルク
が均衡し、油室8aのピストン6が上死点にあってその容
積が最小の状態で安定し、停止するのである。時計回り
の回転状態から停止する場合でも、進め側と戻し側の関
係が逆転するだけで作用は同じである。なお、外力が作
用する場合はその外力を含めて平衡状態となることは押
込み(流入)の場合と同様であり、また、押込み用回路
における絞り76,78の条件は抜き用回路にも原理的には
同様に応用できる。
第21図にこのような停止用流出ポート160を備えたモー
タ用の回路、つまり抜き用回路の変形例を示す。この回
路は第12図で説明した押込み用回路と比較すると明らか
なように、油通路56,58の第二分岐路92,96に第12図とは
逆向きのチェック弁170,172を備えており、分岐路92,96
は共用路174で一本化され、切換弁176を介してポンプ62
に接続されている。この切換弁176は停止用切換位置で
油通路162をタンク70に、また共用路174をポンプ62にそ
れぞれ連通させた状態に切り換えられる。他は第12図と
同じである。停止の際にはポンプ62から共用路174,チェ
ック弁170,172を通り、更にそれぞれ絞り106,108を経て
Aポート38およびBポート40に油が供給される一方、流
出ポート160からタンク70に油が抜かれる。
この他にも、第9図〜第11図等の回路に対応して抜き用
回路には各種の変形例が存在するが、要するに、停止の
際に流出ポート160がタンク70に、またAポート38およ
びBポート40がそれぞれ絞りを経てポンプ62に連通させ
られる回路であればよい。またウインチ用モータなど偏
荷重を受けるモータのための回路も同様に存在する。
第22図は、第16図に対応するウインチ用モータ等のため
の抜き用回路を示すものである。第16図の回路と異なる
点は、切換弁178が停止用切換位置たるC位置におい
て、Aポート38側の油通路56をポンプ62に連通させ、B
ポート40側の油通路58を遮断し、かつ油通路162をタン
ク70に連通させる点である。従って、巻き足りない場合
にはAポート38が高圧側となり、Bポート40から流出ポ
ート160を経てタンク70に油が抜かれる一方、巻過ぎの
場合にはAポート38から流出ポート160を経てタンク70
に油が排出され、かつ、漏れによりBポート40側へ油が
入り込みつつ、荷重Wによって戻される。
なお、流出ポート160から油を抜く思想においても、第
8図に示したような多分割インデックスが可能であり、
原理的には押し込むか抜くかの違いに過ぎない。
ところで、一つの停止用ポートを流入と流出とに択一的
に用いることも可能である。つまり停止用の流入ポート
と流出ポートとが設けられ、それらが一つのポートで形
成されて流入と流出とに兼用のものとされる態様であ
る。第23図にその一実施例を示す。図において180はそ
の兼用に用いられる停止用ポートであるが、第1図に示
すポート50または第6図に示すポート80(つまりポート
160でもある)を、態様上区別するために新たな符号で
表したものである。図例の油圧回路は第12図に示すもの
と第21図に示すものとを合体させた回路と言えよう。油
通路56,58の第二分岐路92,96の合流部には、チェック弁
110および112と組とチェック弁170および172の組が互い
に並列に設けられ、各チェック弁の組を分断するように
共用路100,174がそれぞれ接続されている。チェック弁1
10および112の組は共用路100への流出を許容し、チェッ
ク弁170および172の組は共用路174からの流入を許容す
るが、いずれの組も第二分岐路92と96との間の流通を阻
止する点で共通する。共用路100は切換弁182を介して、
また共用路174は切換弁184を介して、それぞれポンプ62
またはタンク70に接続され、他方、停止用ポート180に
接続された油通路186は、切換弁182を経てポンプ62に接
続されるとともに、それと並列の関係にある切換弁184
を経てタンク70に接続されている。
モータ停止の際、切換弁182が油通路186をポンプ62に、
共用路100をタンク70にそれぞれ連通させる位置に切り
換えられ、切換弁114が全ての通路を遮断する位置に維
持される場合には、ポンプ62から圧油が停止用ポート18
0に供給される一方、A・B両ポート38,40から絞り106,
108、チェック弁110,112、共用路100を経てタンク70に
油が漏らされる。これは『押込み』が選択された場合で
あり、モータは第1図の例において油室8aの容積が最大
となる位置で停止し、この位置が第一の特定回転位置に
相当するものと言える。
一方、これとは逆に、切換弁182が遮断位置に維持され
るとともに、切換弁184が油通路186をタンク70に、共用
路174をポンプ62にそれぞれ連通させる位置に切り換え
られれば、『抜き』が選択されたのであり、モータは油
室8aの容積が最小となる位置で停止する。この位置を第
二の特定回転位置とすれば、最大容積の位置とは位相が
180度異なっている。これは中間に停止可能な回転位置
が一つ増え、2倍のインデックスが可能となることを意
味している。
従って、例えば第8図に示す5個の停止用ポート50(18
0)の各々について以上のような回路を組めば、5分割
のインデックスを10分割のインデックスとすることがで
きる。
本実施例においては、切換弁114が通常回転時に複数の
流体室の一部のものに流体圧源からの圧力流体を供給す
る一方、他のものからタンクへ流体を排出させる第一流
体給排手段を構成し、切換弁114と切換弁182および184
とが、押込みと抜きとのいずれかの連通状態を生じさせ
るべく切り換えられる切換手段を構成する一方、押込み
時における切換弁182,油通路186,油通路56および58,絞
り106および108,共用路100等が第二流体給排手段を構成
し、また抜き時における切換弁184,共用路174,絞り106
および108,油通路56および58,油通路186等が第三流体給
排手段を構成している。
次に、シリンダ回転形ピストンモータに本発明が適用さ
れた一実施例を説明する。
第24図にその一種である斜軸式アキシャルピストンモー
タを示す。このモータはよく知られているように、ケー
シング200内に回転可能なシリダ202(シリンダブロッ
ク)を備え、このシリンダ202内に軸方向に挿入された
複数のピストン204(例えば9本)が、油室208a,208b・
・・208iへの油の給排により往復運動を行い、この力に
よってシリンダ202およびそれに傾斜して連結された出
力軸210に回転運動を生じるものである。シリンダ202は
自身と一体的なシリンダ軸212の軸線まわりに回転可能
に支持され、また油室208a〜iへの油の給排はケーシン
グ200に固定されたバルブプレート214によって行われ
る。バルブプレート214は円弧状のバルブポート218,220
(以下Aポート,Bポートという)を備えており、各油室
208a〜iに連通する9個の油室ポート222a〜iが、シリ
ンダ202の回転に従ってAポート218とBポート220とに
選択的に連通させられる。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、
シリンダ(シリンダブロック)202がモータケーシング
として機能し、このシリンダ202と、複数のピストン204
と、それらピストン204の往復運動をシリンダ202のケー
シング200に対する相対回転運動に変換する運動変換機
構(ケーシング200,出力軸210,シリンダ軸212等により
構成されている)とによってモータ本体部が構成されて
いる。すなわち、モータケーシングとしてのシリンダ20
2が回転部材とされる一方、モータロータとしてのケー
シング200が非回転部材とされるとともにモータケーシ
ングたるシリンダ202の外側に配置された特殊な構成と
なっているのである。また、バルブプレート214と、シ
リンダ202のバルブプレート214側の部分とによってバル
ブ部が構成されており、前者がロータリバルブ、後者が
バルブケーシングなのであるが、これらもロータリバル
ブが非回転部材、バルブケーシングが回転部材とされて
いる。
第25図に示すように、このバルブプレート214(固定バ
ルブ部材)には停止用の流入ポート224が設けられてい
る。流入ポート224はAポート218およびBポート220と
同一円周上で、かつこれら両ポート218および220の互い
に隣り合う一端部間に位置して形成されている。この流
入ポート224は、油室ポート222a〜iのいずれか任意の
ものを介してAポート218とBポート220とに選択的に連
通可能であるが、中立状態では油室208a〜iのうち容積
が最大(ピストン204の下死点に対応する)の状態のも
のに連通させられる。そして流入ポート224の大きさ
は、油室ポート間のシリンダ端面によって閉塞され得る
大きさとされ、同時に2個の油室ポートには連通しない
ようにされている。この流入ポート224は油圧回路への
接続ポート223に連通しており、そこを第一開口端と
し、流入ポート224を第二開口端とする停止用流入通路2
27が形成されているということができる。
この流入ポート224は、適宜の押込み用回路(ここでは
第12図のものを例にとる)の油通路60に接続されること
となる。いま、Aポート218への油の流入、Bポート220
からの流出により、シリンダ202が図において時計方向
に回転し、その回転状態から停止させられるものとす
る。流入ポート224への圧油の供給時に、例えば第26図
に示すような状態であれば、流入ポート224から油室ポ
ート222gを介してAポート218に油が流入し、モータ
(シリンダ202)は更に回転させられる。これが第27図
に示す状態となれば、油室ポート222gを介してBポート
220に油が流入し、モータは戻される。結局、油室ポー
ト222gがAポート218とBポート220との中間位置、換言
すれば油室208gの容積が最大となる位置で安定して停止
するが、慣性により仮に油室ポート222gが停止用ポート
224を通過しても、次の油室ポート222h等で同様な制止
トルクが作用する。つまり、油室ポート222a〜iのいず
れかが流入ポート224に連通した状態で停止するのであ
る。従って停止可能な位置は油室ポート222a〜iに対応
して9箇所存在するが、どの位置で停止するかは切換弁
114および102の切換タイミングにより、停止位置はその
タイミングとの関係において定まる相対的なものとな
る。
また、流入ポート224に代えて、図中2点鎖線で示すよ
うに、バルブプレート214の中心に関して流入ポート224
とは反対側に停止用流出ポート225を形成し、これを抜
き用回路に接続して使用することも可能である。その場
合には、流出ポート225が油室222a〜iのうち容積が最
小(ピストン204の位置が上死点)のものと対応する状
態で停止することとなり、停止可能な位置は流入の場合
と同じく9位置存在するが、停止位相は油室間隔の半ピ
ッチだけずれる。従って、上述の流入ポート224とこの
流出ポート225との双方を設け、それらの択一的に使用
すれば、都合18位置で停止可能となる。例えば、第23図
を援用して例示すれば、流入ポート224を切換弁182に、
また流出ポート225を切換弁184に、互いに独立に接続す
ればよい。
なお、第1図および第2図に示す星形モータでも、回転
するロータリバルブ34(回転バルブ部材)に停止用の流
入ポート224または流出ポート225もしくはそれらの双方
に相当するポートを形成し、そのポートを回路に接続す
れば、固定側と回転側とが逆になるだけで同様の停止作
動を奏する。
次の第28図に示す実施例は、シリンダ回転形ピストンモ
ータにおいて停止用流入ポートと流出ポートとの双方が
設けられ、かつそれらが同時に使用される例である。
この実施例のモータは偶数本(例えば10本)のピストン
204を備え、それに対応する10個の油室208a〜jおよび
油室ポート222a〜jを備えている。バルブプレート214
には、Aポート218とBポート220との互いに隣り合う一
方の端部間に停止用流入ポート226が、また他方の端部
間に停止用流出ポート228が設けられている。これらの
ポート226および228は、構造的には第25図に示す流入ポ
ート224および流出ポート225と同じものであるが、機能
の差を明瞭にするために別の符号を付した。流入ポート
226と流出ポート228とは、バルブプレート214の中心に
関して対称的な位置にあり、油室ポート222a〜jのうち
180度位置の異なる2個のもの、つまり対称位置にある
任意の二つのものが、流入ポート226と流出ポート228と
に同時に連通するようにされている。
そして、流入ポート226は油通路230によりポンプ62に接
続され、流出ポート228は油通路232によりタンク70に接
続されていて、これら油通路230および232の途中には切
換弁234が設けられ、この切換弁234が双方の油通路230
および232を開閉する共通の開閉手段とされている。ま
たAポート218およびBポート220は、油通路56および58
により切換弁114を介してポンプ62またはタンク70に連
通するようになっているが、回転停止の際には切換弁11
4が油通路56および58を遮断する状態に切り換えられ
る。また切換弁234は油通路230および232を開く位置に
切り換えられる。
このとき、第29図に示すような状態であるとすれば、流
入ポート226は油室ポート222gを介してAポート218に、
また流出ポート228は油室ポート222bを介してBポート2
20にそれぞれ連通しているため、流入ポート226からA
ポート218に油が流入し、かつBポート220から流出ポー
ト228に油が流出する。つまり、この状態においてモー
タを更に進める側(進め側)の油室ポート222g,h,i,jお
よびaに圧油が供給され、戻す側の油室ポート222b,c,
d,eおよびfから排出されるのである。よってモータは
更に回転する。また第30図に示すように流入ポート226
がBポート220に連通し、流出ポート228がAポート218
に連通した状態では、反対の関係となってモータは戻さ
れ、結局、第28図に示す位置、つまり油室ポート222gの
油室の容積が最大で、油室ポート222bの油室の容積が最
小の状態で安定して停止する。このような状態は油室ポ
ート222a〜jのうち対称関係にある他の二つのものにつ
いても生じ得るから、停止可能な回転位置は5位置であ
る。
このように、流入ポート226と流出ポート228とにより押
込みと抜きとが同時に行われるのであれば、油通路56,5
8の遮断および油通路232のタンク70への連通により、A
ポート218とBポート220との間に、停止トルクの発生に
必要な油の流出入が通常回転の際と実質的に同様に生じ
るから、第1図等に示す絞り76,78等は要らないことに
なる。つまり、絞りで漏らしながら停止作用を奏させる
ものでないから、偶数ピストンによるモータ性能への影
響を別にすれば、油の効率,インデックス速度および負
荷への対応等の面で好ましいと言える。
第31図は、奇数本(図例では9本)のピストン204を備
えたモータにおいて、押込みと抜きを同時に行う実施例
を示すものである。この実施例では第25図のバルブプレ
ート214と比較してAポート218が長く形成され、その分
Bポート220が短くされている。そして、図示の安定状
態においてAポート218は油室ポート222a〜iのうち4
個と連通し、Bポート220は3個と連通し、また残る2
個はそれら両ポート218と220との間に形成された二つの
遮蔽部にそれぞれ位置するようになっている。流入ポー
ト226はその遮蔽部の一方に、また流出ポート228は他方
に形成されており、従って両ポート226と228とはバルブ
プレート214の中心に関して対称ではなく、油室ポート2
22a〜iの間隔の半ピッチ分だけずれた位置関係にあ
る。
いま、油室ポート222gが時計方向において図示の位置の
手前にあり、このポート222gを介して流入ポート226が
Aポート218に連通し、また油室ポート222cを介して流
出ポート228がBポート220に連通した状態では、油室ポ
ート222g,h,i,aおよびbの5個に圧油が入り、更に進め
るトルクが生じる。逆に、油室ポート222gが図示の位置
を過ぎて、流入ポート226がBポート220に、また流出ポ
ート228がAポート218に連通した状態では、油室ポート
222g,f,eおよびdの4個に圧油が入って戻しのトルクが
生じるが、油室ポート222cに連通する油室208cはそのト
ルクを生じない。
第32図に示す実施例では、通常のパターンに比べてAポ
ート218およびBポート220が、流入ポート226とは遠い
側において、油室ポート222a〜iの半ピッチ分ずつそれ
ぞれ短く形成され、それよって生じたスペースに円周方
向に長く延びる長穴状の流出ポート236が設けられてい
る。この流出ポート236は、流入ポート226およびバルブ
プレート214の各中心を通る直線に関して対称的に、か
つ油室ポート222a〜iの2個に同時に連通し得る長さに
形成されていて、油通路232に接続されている。この場
合には、モータの連続回転中および停止過程において、
流出ポート236に連通する2個の油室ポートすなわち2
個の油室のピストン204はトルクを発生しない。
第33図に示す実施例では、Aポート218およびBポート2
20の短い形成パターンは第32図と変わりないが、その図
の流出ポート236の両端に相当する位置に、2個の流出
ポート238および240が形成されている。これらのポート
238および240は、いずれも油室ポート222a〜iの2個に
同時には連通し得ないものであって、それぞれ油通路24
2,244により切換弁246を経てタンク70に接続されてい
る。そして流出ポート238は更に、油通路248および油通
路56の一部を経て切換弁250に至り、その切換弁250によ
りポンプ62またはタンク70に連通可能とされている。ま
た、流出ポート240は切換弁246から、油通路252および
油通路58の一部を経て、切換弁250によりタンク70また
はポンプ62に連通可能とされている。
回転時には切換弁250が図のA位置またはB位置に位置
し、また切換弁246がAB位置に位置しているが、回転停
止の際には切換弁250および246がいずれもC位置に切り
換えられる。その結果、流入ポート226はポンプ62に、
また流出ポート238および240はタンク70にそれぞれ連通
させられる。この停止過程において、油室ポート222a〜
iのうち流出ポート238または240に連通するものは低圧
となり、それに通じる油室のピストンには停止に寄与す
るトルクが生じない。
しかし、切換弁250が例えばA位置にある回転時には、
ポンプ62から油通路56を経てAポート218に圧油が供給
され、Bポート220から油通路58を経てタンク70に排出
されることはもちろん、ポンプ62から油通路248,切換弁
246,油通路242を経て流出ポート238に圧油が供給され、
かつ流出ポート240から油通路244,切換弁246,油通路252
等および切換弁250を経てタンク70に油が排出される。
つまり回転中は流出ポート238がAポート218と同じ役割
を、また流出ポート240がBポート220と同じ役割を果た
すのであり、従ってこれらのポート238または240に連通
しても通常と変わることなく回転トルクが生じるのであ
る。この実施例の特徴は、通常回転時に流出ポート238
および240が遮断されることなく、Aポート218およびB
ポート220の一部として積極的に使用される点にある。
なお、第1図等に示すシリンダ固定形ピストンモータで
あっても、ロータリバルブ34(ピントル)またはバルブ
プレート等の回転バルブ部材に以上のような流入・流出
の各ポートを設ければ、固定側と回転側が逆になるだけ
で、押込みかつ抜く思想を同様に適用でき、また固定シ
リンダに対して上記バルブプレート214の形態を当ては
めれば、絶対位置においてその思想を具現化できる。
第24図に戻って、回転シリンダ形のピストンモータで
は、位置固定のバルブプレート214に停止用ポートを形
成するのが容易であり、これまでの実施例は全てそれで
あった。しかし、回転するシリンダ202の油室に対して
停止用ポートを設けることも可能であり、そうすれば第
1図等のモータと同様、絶対的な回転位置で停止可能と
なる。
例えば、第34図に示す例では、ケーシング200の外部か
らシリンダ202の側に第一孔300が穿孔され(ケーシング
200の内面に小径部が形成さてシリンダ202の外周面に摺
接させられる)、この第一孔300がケーシング200の内周
面に形成された円環溝302に連通し、更に、例えば油室2
08aを形成するシリンダ壁を貫通して第二孔304が形成さ
れて、この第二孔304が円環溝302と油室208aとを連通さ
せている。その結果、ケーシング200の外部から油室208
aに至る停止用油通路305が形成され、シリンダ202の回
転にかかわらず第一孔300は常に油室208aに連通する状
態となる。そして第一孔300の外側開口端が接続ポート3
06とされ、また第二孔304が油室208a,油室ポート222aを
介してAポート218またはBポート220に選択的に連通可
能とされているのである。この停止用油通路305が流入
通路として使用されれば、モータは油室208aの容積が最
大となる回転位置で停止し、流出通路として使用されれ
ば容積が最小となる回転位置で停止するが、これらの位
置は絶対的に定まるものである。また、シリンダ固定式
のものと同様、前述と多分割インデックス(第8図)や
2倍インデックス(第23図)も可能である。
第35図に示す例では、ケーシング200の一部を構成する
バルブケーシング308の外部から、バルブプレート214の
中心穴310に向かって第一孔312が形成され、更にシリン
ダ軸212の内部に第二孔314が形成されるとともに、この
第二孔314が、例えば油室208aのシリンダ壁を貫通して
形成された第三孔316により油室208aに通じている。す
なわち、接続ポート318から第一孔312,バルブプレート
中心穴310,第二孔314,第三孔316および油室208aを経て
油室ポート222aに至る停止用油通路319が構成されてい
るのである。
次に、ギヤモータに本発明を適用した場合の実施例につ
いて説明する。
第36図および第37図に、外接ギヤモータへの適用例を示
す。このモータはよく知られているように、ケーシング
320内でギヤ322とギヤ324とがかみ合わされ、流入側油
室326への油の流入、流出側油室328からの流出により図
のように回転するものである。逆転の場合は反対の関係
となる。ギヤ322には出力軸330が固定され、ギヤ324は
ギヤ軸332の軸線まわりに回転させられる。
ケーシング320は両ギヤ322,324が収容されるケーシング
本体334と、その両側に配置されたサイドプレート336,3
38と、更にその前後に設けられたフロントカバー340お
よびリヤカバー342とを備え、これらが油密に一体化さ
れて構成されている。そしてケーシング320の一方の側
の側壁に当たるリヤカバー342およびサイドプレート338
を貫通して、停止用の流入通路344が形成され、その外
端が外部または油圧回路部の側に開口する接続ポート34
6とされる一方、内端が停止用流入ポート348としてサイ
ドプレート338の内面に開口している。
停止用流入ポート348は、第38図から明らかなように、
両ギヤ322および324のかみ合い部、つまり流入側油室32
6と流出側油室328との境界部に開口し、かつギヤ322の
歯端面で閉塞され得る大きさおよび位置に形成されてい
る。この流入ポート348は既に説明した押込み用回路
(図例は第9図のもの)に接続され、停止の際にポンプ
62から圧油が供給される。
このとき、第39図に示すように流入ポート348が流入側
油室326に連通した状態では、その油室326に油が流入し
てギヤ322,324は更に回転するが、第40図に示すように
流入ポート348が流出側油室328に連通した状態では、そ
こに油が流入して戻される。従ってモータは平衡状態で
安定して停止する。これによる停止可能な位置はギヤ32
2の歯数と同数で存在し、この例では歯が10個あるから1
0位置である。そのいずれに停止するかは切換弁84の切
換タイミングで決まる。
第38図において、このような流入ポート348に代え、停
止用の流出ポート350を設け、抜き用回路に接続して使
用することもできる。この流出ポート350は両側の油室3
26と328との境界部において、ギヤ322の歯先とギヤ324
の歯底(歯溝)との間に形成される隙間に連通可能に形
成され、第39図の状態では流出側油室328の油を流出さ
せてギヤ322,324を更に進める作用をし、第40図の状態
では流入側油室326から油を流出させて戻す作用をし
て、停止位置を規定する。
この流出ポート350と上記流入ポート348とを共に設けれ
ば、抜きと押込みとの各作用が同時に奏される。すなわ
ち、第39図の状態では流入側油室326への流入、流出側
油室328からの流出が生じ、第40図の状態ではその関係
が逆になる。また、第41図に示すように、例えばギヤ32
2の側に寄せて、その歯端面によって閉塞され得る流入
ポート352と、その歯底部分に連通可能な流出ポート354
とを形成し、それらの切換えにより流入・流出を選択的
に行えば、停止位置は半ピッチだけずれるため停止可能
な位置は倍加され、都合20位置となる。
なお、以上は固定側たるケーシング320のサイドプレー
トに停止用油通路を開口させた例であるが、この場合、
ギヤ322等を挟んで両側のサイド336および338にそれぞ
れ同じように開口させることできる。そうすれば軸方向
荷重が均衡するため、円滑な回転を図る上で有効とな
る。
第42図および第43図に示す実施例は、停止用の流入通路
を回転側に形成した例である。リヤカバー342の外部に
接続ポート356が設けられ、ここからギヤ軸332の内部を
経てギヤ324の歯底面(歯溝)に流入ポート360として開
口する停止用流入通路358が形成されている。またサイ
ドプレート338の内面にはギヤ324の円周方向、例えばピ
ッチ線に沿って油溝362および364が形成されている。油
溝362は流入側油室326に、油溝364は流出側油室328に常
時連通するものであり、これら二つの油溝362および364
の端部同士は、ギヤ324の互いに隣り合うフランクの間
隔に対応する距離を隔てて向き合っている。
従って、上記流入ポート360により、行き足りない状態
では油が流入側油室326に、また行き過ぎの状態では流
出側油室328にそれぞれ流入し、その結果ギヤ322,324が
いずれかの方向に回転して平衡状態で停止し、停止位置
は絶対的に1位置に定まる。このような流入ポート360
を複数設ければ停止可能な位置はその分増える。停止用
流入通路358をそれぞれ独立に複数本形成し、それらの
いずれかに択一的に流体を供給すれば、ギヤ324を複数
の停止位置で選択的に停止させ得るのである。なお、流
入ポート360を停止用の流出ポートとして使用し、そこ
から油を抜くようにすれば、そのポート(360)がギヤ3
22とのかみ合い部の隙間に連通した状態(180度異なる
位相)で停止可能となる。また例えばギヤ324の歯端面
に開口するように停止用ポートを形成することもでき
る。
第44図は内接ギヤモータへの適用例を示すものである。
ケーシング366内でインターナルギヤ368とピニオン370
とが内接状態でかみ合わされるとともに、シールピース
372が流入側油室374と流出側油室376とをシールし、そ
れらへの油の流入・流出によりインターナルギヤ368お
よびピニオン370が図示のように回転し、出力軸378から
出力が取り出される。ケーシング366の側壁(サイドプ
レート)には、インターナルギヤ368とピニオン370との
かみ合い部に向かって開口する停止用流出ポート380が
形成され、インターナルギヤ368の歯溝とピニオン730の
歯先とにより形成される隙間に連通可能とされている。
停止用流出ポート380は図例のような切換弁382を含む抜
き用回路に接続されており、油室374および376のうち停
止用流出ポート380と連通する側のものから油が流出す
ることにより、停止可能な位置はインターナルギヤ368
の歯数と同数存在する。
第45図は、いわゆるトロコイドモータへの適用例を示す
ものである。
このモータは、ジロータモータまたはオービットモータ
とも称されるもので、一対のトロコイドギヤ、つまりス
テータ(リング)390とロータ(スター)392とを備え、
それらはトロコイド曲線またはそれに近い曲線を利用し
て輪郭が形成され、この例においては、5枚の歯を有す
る位置固定のステータ390内に4枚の歯を備えたロータ3
92が偏心配置されて、容積可変の5個の油室394a〜eが
形成されている。これら油室394a〜eに対応して油室ポ
ート396a〜eが設けられ、これらを介してロータリバル
ブ398が、Aポート400およびBポート402から油室394a
〜eへの油の給排を切り換えることにより、ロータ392
に回転力が生じる。いま、図の状態で油室394b,cに油が
供給され、油室394d,eから排出されるとすれば、ロータ
392は油室394a付近を支点にして図中反時計方向に回さ
れ、すべての油室394a〜eに対する給排が一巡すると
(これをロータ392の1公転とすれば)、その給排の1
サイクルでロータ392はステータ390との歯数差分、つま
り1歯分たる90度だけ自転し、そのような給排が4回行
われてロータ392は1回転し、その回転が出力軸404によ
り取り出される。
ステータ390の外部には停止用の接続ポート406が設けら
れ、例えば油室394aに連通させられている。この接続ポ
ート406を第一開口端とし、油室ポート396aを第二開口
端に利用する停止用油通路が存在するのである。図の例
では接続ポート406に第1図と同様の押込み用回路が接
続されており、上記停止用の油通路は流入通路となって
いる。
その切換弁68が停止用切換位置に切り換えられた時、例
えば第46図に示すような状態では、油室394aのほかロー
タリバルブ398を介して油室394d,eに油が流入してロー
タ392は更に進められ、また第47図に示す状態では油室3
94a,b,cが流入側となってロータ392は戻される。そし
て、第48図に示すように油室394aの容積が最大となる位
置で平衡状態となって停止する。このような状態はロー
タ392のA部だけでなくB,CまたはD部においても生じ得
るため、停止可能な位置は4位置となり、どの位置で停
止するかは切換弁64および68の切換タイミングで決ま
る。例えば、停止させたい位置の前後半ピッチの区間を
タイミング時間的に検出し、あるいはリミットスイッチ
等で位相的に検出して、切換信号を発するようにするの
である。
停止用の接続ポート406が、油室394a〜eの全てについ
て設けるられる場合には、停止可能な位置はこの5倍の
20位置となる。また、停止用の接続ポート406が抜き用
回路に接続される場合には、押込みのときと比べて停止
位置がロータ392の半ピッチ分ずれるため、押込みと抜
きを選択的に行う場合、停止可能な位置は最大で40位置
となる。
なお、第49図に示すように、回転側たるロータリバルブ
398の外周面に停止用ボード406を開口させて、油室ポー
ト396a〜eに選択的に連通可能とし、このポート406か
ら外部の接続ポート408に至る停止用油通路410を設ける
こともできる。この場合には、油室ポート396a〜eと停
止用ポート406との対応により、押込みか抜きかで各々
5位置が規定され、停止可能な位置は10位置となる。
第50図は本発明をベーンモータに適用した場合の一実施
例を示すものである。
この図はいわゆる平衡タイプの片側を示し、カムリング
420内に円柱状のロータ422が配置され、このロータ422
が複数のベーン424を出入り可能に保持している。図示
は省略するが、各ベーン424はスプリングによりカムリ
ング420の内周面に押し付けられて、カムリング420内の
空間を複数の容積可変の油室426に仕切り、Aポート428
からの油の流入、およびBポート430への流出によりロ
ータ422に回転力を生じさせる。
これらポート428および430は、カムリング420の両側開
口を塞ぐサイドプレート432に形成されているが、この
サイドプレート432には更に停止用ポート444が設けられ
ている。この停止用ポート444は、Aポート428とBポー
ト430との互いに隣り合う端部間においてサイドプレー
ト432の内面に開口し、かつベーン424の端面で閉塞され
得る大きさのものとされている。
第51図に模式的に示すように、停止用ポート444は外部
の接続ポート446に連通し、両者を含むこの間が停止用
油通路448とされ、この図では接続ポート446が押込み用
回路に接続されて、停止の際に停止用ポート444が流入
ポートとなるようにされている。なお、ロータ422の中
心に関して対称的にもう一組のAポート450およびBポ
ート452があるが、対応するもの同士は互いに連通して
いる。
停止用ポート444から油室426に油が流入し、それがAポ
ート428へ流入すれば反対側のAポート450へも流入し、
各油室426のうち全体的に進め側のものに油が供給され
てロータ422が更に回転する。Bポート430,452側なら反
対に戻され、図示のように油室426の容積が最大の状態
で落ち着き、この停止位置はベーン424の数と同数存在
する。同様に、停止用ポート444が抜き用回路と組み合
わされる場合には、第50図に示すようにベーン間隔の半
分だけずれた位置で停止可能となる。なお、停止用ポー
ト444を両側のサイドプレートに互いに対応させて形成
することが、ベーン424に対する軸方向の偏荷重を防止
する上で好ましい。更に、回転側であるロータ422の内
部を通じて停止用の油通路を形成し、ベーン間において
ロータ422の外周面に停止用ポートとして開口させれ
ば、絶対的な位置で停止する。
第52図はカムロータ形ベーンモータへの適用例を示して
いる。このタイプではシリンダ状のステータ460内にカ
ムロータ462が収容され、ステータ460から出入り可能に
設けられた二つのベーン464,466と摺接させられること
により、ロータ中心に関して対称に容積可変の油室468,
470が形成され、Aポート472,474への油の流入、Bポー
ト476,478からの油の流出によってカムロータ462が回転
する。シリンダ側壁に当たる両側のサイドプレート480
には、カムロータ462の端面によって塞がれる程度の停
止用流出ポート482が開口させられ、これから外部の接
続ポート484までが停止用流出通路486となる。図ではそ
れが切換弁488を含む抜き用回路に接続されている。
第53図を示す実施例は、これまで説明したものとはやや
趣を異にする。このモータは第一モータ部490と第二モ
ータ部492とを備えた複合的なものと言うことができ、
第一モータ部490と第二モータ部492とは互いの油室が連
通させられ、それら二つのモータ部にわたって共通の油
室を備えている。換言すれば、進め側の油室同士および
戻し側の油室同士(Aポート同士,Bポート同士)が互い
に連通させられているのである。両モータ部490と492と
は、例えばギヤ494および496など適宜の回転伝達機構49
8を介して、または直接に連結されている。第一モータ
部490はこれまでに詳しく説明した停止用油通路を備
え、それが図例のような切換弁500を有する押込み用回
路、または既述の抜き用回路に接続されているが、第二
モータ部492は停止用油通路を備えず、第一モータ部490
とともに切換弁500を介してポンプ62およびタンク70に
接続されている。そして、第一モータ部490に停止用油
通路からの流入または流出によって停止作用が生じれ
ば、第一モータ部490と油室が共通である第二モータ部4
92にも同様の停止作用が生じ、第二モータ部492自体は
特定位置での停止機能を有しなくても、自身のモータト
ルクで停止可能となる。つまり第一モータ部490が第二
モータ部492に停止機能を付与すると言える。特に、第
一モータ部490をパイロットインデックスモータ部と
し、第二モータ部492をメインモータ部として、回転伝
達機構498により変速比を与えれば、パイロットインデ
ックスモータ部(490)の停止分割数と変速比に応じて
メインモータ部(492)がインデックス作用を行う。例
えば前者が5分割の停止機能を備え、1/2の減速比が与
えられれば、メインモータ部(492)には10分割のイン
デックス機能が付与される。第一モータ部490がこのよ
うなパイロットモータの働きをする場合、それはサーボ
モータ的な性格を有し、第二モータ部492は流量の大き
いものであるほど増幅器的な性格が強いと言える。ま
た、例えば第一モータ部490がギヤモータで第二モータ
部492が星形モータである等、両モータ部490と492とは
モータ種類の異なるものの組み合わせでもよい。
以上はこの実施例を複合的なモータとしてとらえたが、
見方を変えればモータ使用方法ということもできる。す
なわち、第一モータ部490を本発明に係るモータと考え
れば、そのモータを通常のモータに対して図例のように
連結することにより、簡単にインデックスまたはブレー
キ機能を与え得ると言うことになる。
第54図は第53図の変形例であり、モータ部506とシリン
ダ部508とを備えた特殊なモータと見ることができる。
第53図の第二モータ部492がシリンダ部508に置き換えら
れたものである。モータ部506は例えばラック510とピニ
オン512など、回転運動を直線運動に変換する適宜の運
動変換機構514を介してシリンダ部508に接続されてお
り、またモータ部506とシリンダ部508とは各々の油室が
互いに連通させられている。従って、モータ部506がシ
リンダ部508の直線運動においてステップ作動またはブ
レーキ付作動を行わせる。ここでシリンダ部508を揺動
モータに置換することも可能である。なお、シリンダ部
508に重点をおけば、全体を特定位置で停止可能なアク
チュエータとも言えるし、またモータ部506を本発明に
係るモータと見れば、モータ使用方法とも言える。
第55図は、第一モータ部520と第二モータ部522とが共に
停止用油通路によるインデックス機能またはブレーキ機
能を有するものであり、それらのモータ部520および522
が互いの油室が連通させられ、かつ停止可能位置が異な
るように連結されている。そして停止時の押込みまたは
抜きが、第一モータ部520と第二モータ部522とに選択的
に行われることにより、どちらかを基準に停止位置が規
定され、従って停止分割数は両モータ部520と522との和
になる。
以上、本発明思想を具体化した各種の実施例について多
くの紙面を用い説明してきたが、その全てを網羅するこ
とは紙面の都合上困難であり、こうして開示した実施例
は文字どおり例示に過ぎない。特に適用対象については
多種多様にわたり、まだ触れていないものも少なくな
い。例えば回転シリンダ形のものとして、第57図に簡略
に示すような多行程形(マルチストローク)のラジアル
ピストンモータ、また図示は省略するが、斜板式さらに
対向斜板式のもの、またシリンダ固定形で斜板式のもの
をはじめ、エアモータも含めて適用対象は数多くあり、
要するに容積式の流体圧モータに関して本発明思想を適
用することができるのである。
その他、具体的な説明は割愛するが、本発明思想の本質
を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づき種々
の変形,改良等を施した態様でこの発明思想を具現化し
得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図:シリンダ固定形ピストンモータに関する実施例
である星形モータの回路付模式図。 第2図:その星形モータの断面図。 第3図:第2図のIII−III断面図。 第4図,第5図:第1図の作動説明図。 第6図:第1図に対応する変形例の模式図。 第7図:第6図の星形モータの断面図。 第8図:第1図の変形例の模式図。 第9図,第10図,第11図,第12図,第13図,第14図,第
15図:互いに異なる油圧回路の変形例を示す回路図 第16図:ウインチ用モータの油圧回路例を示す回路図。 第17図:その応用例の回路図。 第18図:第1図の変形例(流出)の模式図。 第19図,第20図:第18図の作動説明図。 第21図:第18図の油圧回路の変形例を示す回路図。 第22図:第16図の変形例を示す回路図。 第23図:第12図と第21図の回路を合わせたものの回路
図。 第24図:回転シリンダ形ピストンモータに関する実施例
である斜軸式ピストンモータの断面図。 第25図:そのモータを押込み用回路に組み合わせた例を
示す回路付模式図。 第26図,第27図:第25図の作動説明図。 第28図:第25図の変形例を示す回路付模式図。 第29図,第30図:第28図の作動説明図。 第31図,第32図,第33図:第28図のそれそれ別の変形例
を示す回路付模式図。 第34図,第35図:第24図の互いに異なる変形例を示す断
面図。 第36図:外接ギヤモータの実施例を示す簡略な正面図。 第37図:第36図の断面図。 第38図:第36図のモータを油圧回路に接続した例を示す
回路付模式図。 第39図,第40図:第38図の作動説明図。 第41図:第38図の変形例を示す部分的正面図。 第42図:第36図の変形例を示す簡略な正面図。 第43図:第42図の断面図。 第44図:内接ギヤモータの実施例を示す回路付模式図。 第45図:トロコイドモータの実施例を示す回路付模式
図。 第46図,47図,第48図:第45図の作動説明図。 第49図:第45図の変形例を示す部分図。 第50図:カムリング形ベーンモータの実施例を示す部分
断面図。 第51図:そのモータを油圧回路とともに示す回路付模式
図。 第52図:カムロータ形ベーンモータの実施例を示す回路
付断面図。 第53図:複合的モータの実施例を示す模式図。 第54図:第53図の変形例を示す模式図。 第55図:第53図の別の変形例を示す模式図。 第56図:第15図ないしは第16図の変形回路例を示す回路
図。 第57図:適用対象の一例である多行程形ラジアルピスト
ンモータの簡略な正面図。 2:ケーシング、4:シリンダ 6:ピストン、8a〜e:油室 22:クランク軸、34:ロータリバルブ 38:Aポート、40:Bポート 48a〜e:油室ポート、50:停止用流入ポート 52:接続ポート 56,58,60:油通路、62:ポンプ 64,68:電磁切換弁、70:タンク 76,78:絞り、80:停止用流入ポート 86:シーケンス弁、106,108:絞り 140,146:ウインチ 160:停止用流出ポート、162:油通路 164,166:電磁切換弁 202:シリンダ、204:ピストン 208a〜i:油室、210:出力軸 214:バルブプレート 218:バルブポート(Aポート) 220:バルブポート(Bポート) 222a〜i:油室ポート、223:接続ポート 224,226:停止用流入ポート 225,228,236,238,240:停止用流出ポート 305,319:停止用油通路 306,318:接続ポート 320:ケーシング、322,324:ギヤ 326:流入側油室、328:流出側油室 330:出力軸、336,338:サイドプレート 344:停止用流入通路、346:接続ポート 348,352:停止用流入ポート 350,354:停止用流出ポート 356:接続ポート、358:停止用流入通路 360:停止用流入ポート、366:ケーシング 368:インターナルギヤ、370:ピニオン 374:流入側油室、376:流出側油室 378:出力軸、380:停止用流出ポート 390:ステータ、392:ロータ 394a〜e:油室、396a〜e:油室ポート 398:ロータリバルブ、400:Aポート 402:Bポート、404:出力軸 406:停止用ポート、408:接続ポート 408:停止用油通路 420:カムリング、422:ロータ 424:ベーン、426:油室 432:サイドプレート、444:停止用ポート 446:接続ポート、448:停止用油通路 460:ステータ、462:カムロータ 464,466:ベーン、468,470:油室 480:サイドプレート 482:停止用流出ポート、484:接続ポート 486:停止用流出通路 490:第一モータ部、492:第二モータ部 498:回転伝達機構 506:モータ部、508:シリンダ部 514:運転変換機構

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータケーシングとモータロータとの間に
    複数の互いに遮断された流体室が形成されるとともにそ
    れら複数の流体室の容積が順次増減するのに伴ってモー
    タロータがモータケーシングに対して相対回転するモー
    タ本体部と、前記モータケーシングと一体的なバルブケ
    ーシングと前記モータロータに接続されたロータリバル
    ブとの相対回転により前記複数の流体室の各々の高圧源
    と低圧源とへの連通を順次切り換えることによって前記
    モータケーシングと前記モータロータとの相対回転を継
    続させるバルブ部とを備えた容積式流体圧モータにおい
    て、 前記バルブケーシングと前記ロータリバルブとの少なく
    とも一方に停止用流体通路を、その停止用流体通路がバ
    ルブケーシングとロータリバルブとの相対回転により前
    記複数の流体室のうち前記モータロータを予め定められ
    た特定相対回転位置の手前の位置から前記モータケーシ
    ングに対して相対的に進める側の流体室とそのモータロ
    ータをその特定相対回転位置を過ぎた位置から戻す側の
    流体室とに選択的に連通させられる状態で設けたことを
    特徴とする特定回転位置で停止可能な容積式流体圧モー
    タ。
  2. 【請求項2】前記停止用流体通路が、前記複数の流体室
    の数の範囲内で複数設けられ、それぞれ異なる流体室に
    常時連通させられており、それによって前記特定相対回
    転位置がそれら停止用流体通路の数だけ設定されている
    特許請求の範囲第1項に記載の容積式流体圧モータ。
  3. 【請求項3】当該容積式流体圧モータがシリンダ固定形
    のピストンモータであって、前記モータ本体部が、前記
    モータケーシングとしての位置固定のシリンダブロック
    と、そのシリンダブロック内に挿入された複数のピスト
    ンと、それらピストンとシリンダブロックとによって形
    成された容積可変の前記複数の流体室への流体の流出入
    に伴う各ピストンの直線運動を前記モータロータの回転
    運動に変換する運動変換機構とを含み、前記バルブ部
    が、前記バルブケーシングに前記複数の流体室の各々に
    対応して形成され、各流体室にそれぞれ連通する流体室
    ポートと、前記モータロータと一体的に回転する前記ロ
    ータリバルブに形成され、そのロータリバルブの回転に
    伴って前記流体室ポートに順次連通させられる流入側ポ
    ートおよび流出側ポートとを含み、かつ、前記停止用流
    体通路が、それの一端が前記シリンダブロックまたは前
    記バルブケーシングの外面に開口させられる一方、他端
    が前記流体室ポートのうちの特定のものに連通させられ
    ており、前記ロータリバルブの回転に伴い前記流入側ポ
    ートまたは流出側ポートを介して前記複数の流体室に選
    択的に連通可能とされている特許請求の範囲第1項に記
    載の容積式流体圧モータ。
  4. 【請求項4】当該容積式流体圧モータがシリンダ固定形
    のピストンモータであって、前記モータ本体部が、前記
    モータケーシングとしての位置固定のシリンダブロック
    と、そのシリンダブロック内に挿入された複数のピスト
    ンと、それらピストンとシリンダブロックとによって形
    成された容積可変の前記複数の流体室への流体の流出入
    に伴う各ピストンの直線運動を前記モータロータの回転
    運動に変換する運動変換機構とを含み、前記バルブ部
    が、前記シリンダブロックと一体的なバルブケーシング
    に前記流体室の各々に対応して形成され、各流体室にそ
    れぞれ連通する流体室ポートと、前記モータロータと一
    体的に回転する前記ロータリバルブに形成され、そのロ
    ータリバルブの回転に伴って前記流体室ポートに順次連
    通させられる流入側ポートおよび流出側ポートとを含
    み、かつ、前記停止用流体通路が前記ロータリバルブ
    に、そのロータリバルブの表面に開口して形成され、そ
    のロータリバルブの回転に伴って前記複数の流体室ポー
    トに順次連通可能であり、それら流体室ポートを介して
    前記流入側ポートと流出側ポートとに選択的に連通可能
    とされている特許請求の範囲第1項に記載の容積式流体
    圧モータ。
  5. 【請求項5】当該容積式流体圧モータがシリンダ回転形
    のピストンモータであって、前記モータ本体部が、回転
    可能なシリンダブロックと、そのシリンダブロック内に
    挿入された複数のピストンと、それらピストンとシリン
    ダブロックとにより形成された容積可変の前記複数の流
    体室への流体の流出入に伴うピストンの往復運動をシリ
    ンダブロックの回転運動に変換する運動変換機構とを含
    み、前記バルブ部が、前記流体室の各々に対応して前記
    シリンダブロックに形成され、各流体室に連通する流体
    室ポートと、位置固定に設けられた固定バルブ部材に形
    成され、シリンダブロックの回転により各流体室ポート
    と順次連通可能な流入側ポートおよび流出側ポートとを
    含み、かつ、前記停止用流体通路が前記固定バルブ部材
    に、それの一端が固定バルブ部材の表面に開口して形成
    され、シリンダブロックの回転に伴ってその開口端が前
    記流体室ポートに順次連通可能であり、その流体室ポー
    トを介して前記流入側ポートと流出側ポートとに選択的
    に連通可能である特許請求の範囲第1項に記載の容積式
    流体圧モータ。
  6. 【請求項6】当該容積式流体圧モータがシリンダ回転形
    のピストンモータであって、前記モータ本体部が、回転
    可能なシリンダブロックと、そのシリンダブロック内に
    挿入された複数のピストンと、それらピストンとシリン
    ダブロックとにより形成された容積可変の前記複数の流
    体室への流体の流出入に伴うピストンの往復運動をシリ
    ンダブロックの回転運動に変換する運動変換機構とを含
    み、前記バルブ部が、前記流体室の各々に対応して前記
    シリンダブロックに形成され、各流体室に連通する流体
    室ポートと、位置固定に設けられた固定バルブ部材に形
    成され、シリンダブロックの回転により各流体室ポート
    と順次連通可能な流入側ポートおよび流出側ポートとを
    含み、かつ、前記停止用流体通路が、前記流体室ポート
    のうちの特定のものに常時連通するように形成され、そ
    の流体室ポートが前記流入側ポートまたは流出側ポート
    を介して前記複数の流体室に選択的に連通可能とされて
    いる特許請求の範囲第1項に記載の容積式流体圧モー
    タ。
  7. 【請求項7】当該容積式流体圧モータがトロコイドモー
    タであって、前記モータ本体部が、トロコイド曲線また
    はこれに代わる曲線により歯形が形成されたロータおよ
    びステータをそれぞれ前記モータロータおよびモータケ
    ーシングとして備え、位置固定のステータにロータが内
    接する状態で偏心配置されることによりそれらロータと
    ステータとの間に容積可変の前記複数の流体室が形成さ
    れ、これら流体室に対する流体の流出入が一巡する間に
    ロータがステータとの歯数差に相当する自己の1歯分だ
    け回転する特許請求の範囲第1項に記載の容積式流体圧
    モータ。
  8. 【請求項8】モータケーシングとモータロータとの間に
    複数の互いに遮断された流体室が形成され、それら複数
    の流体室の一部のものが高圧源に連通させられ、他のも
    のの少なくとも一部が低圧源に連通させられ、各流体室
    の高圧源と低圧源とへの連通状態がモータケーシングと
    モータロータとの相対回転自体により切り換えられるこ
    とによってそれらモータケーシングとモータロータとの
    相対回転が継続する容積式流体圧モータにおいて、 前記モータケーシングと前記モータロータの少なくとも
    一方に停止用流体通路を、その停止用流体通路がモータ
    ケーシングとモータロータとの相対回転自体により前記
    複数の流体室のうち前記モータロータを予め定められた
    特定相対回転位置の手前の位置から前記モータケーシン
    グに対して相対的に進める側の流体室とそのモータロー
    タをその特定相対回転位置を過ぎた位置から戻す側の流
    体室とに選択的に連通させられる状態で設けたことを特
    徴とする特定回転位置で停止可能な容積式流体圧モー
    タ。
  9. 【請求項9】前記停止用流体通路が、前記複数の流体室
    の数の範囲内で複数設けられ、それぞれ異なる流体室に
    常時連通させられており、それによって前記特定相対回
    転位置がそれら停止用流体通路の数だけ設定されている
    特許請求の範囲第8項に記載の容積式流体圧モータ。
  10. 【請求項10】前記モータケーシング内でかみ合いつつ
    回転可能な2個以上のギヤを前記モータロータとして備
    え、そのかみ合いにより流入側流体室と流出側流体室と
    が遮断されるギヤモータであって、 前記停止用流体通路が、前記流入流体室と流出側流体室
    との境界部におけるモータケーシング内面の、前記特定
    相対回転位置にあるギヤの歯端面によってほぼ閉塞され
    得る位置に開口させられた停止用流入通路である特許請
    求の範囲第8項に記載の容積式流体圧モータ。
  11. 【請求項11】前記モータケーシング内でかみ合いつつ
    回転可能な2個以上のギヤを前記モータロータとして備
    え、そのかみ合いにより流入側流体室と流出側流体室と
    が遮断されるギヤモータであって、 前記停止用流体通路が、前記流入側流体室と流出側流体
    室との境界部におけるケーシング内面の、前記特定回転
    位置にあるギヤの歯とそれにかみ合う相手方のギヤの歯
    溝とで形成される隙間に連通する位置に開口させられた
    停止用流出通路である特許請求の範囲第8項に記載の容
    積式流体圧モータ。
  12. 【請求項12】前記モータケーシング内でかみ合いつつ
    回転可能な2個以上のギヤを前記モータロータとして備
    え、そのかみ合いにより流入側流体室と流出側流体室と
    が遮断されるギヤモータであって、 前記停止用流体通路が、前記流入側流体室と流出側流体
    室との境界部におけるケーシング内面の、前記特定相対
    回転位置にあるギヤの歯端面によってほぼ閉塞され得る
    位置に開口させられた停止用流入通路と、前記流入側流
    体室と流出側流体室との境界部におけるケーシング内面
    の、前記特定相対回転位置にあるギヤの歯とそれにかみ
    合う相手方のギヤの歯溝とで形成される隙間に連通する
    位置に開口させられた停止用流出通路との両方を含む特
    許請求の範囲第8項に記載の容積式流体圧モータ。
  13. 【請求項13】前記モータケーシング内でかみ合いつつ
    回転可能な2個以上のギヤを前記モータロータとして備
    え、そのかみ合いにより流入側流体室と流出側流体室と
    が遮断されるギヤモータであって、 前記停止用流体通路が、前記ギヤの内部を経てギヤ外面
    に開口するように形成されている特許請求の範囲第8項
    に記載の容積式流体圧モータ。
  14. 【請求項14】前記モータロータがベーンを出入り可能
    に保持して前記モータケーシング内で回転し、ベーンで
    仕切られることによりモータケーシング内に形成された
    容積可変の前記複数の流体室の各々が、モータロータの
    回転につれて、モータケーシングに形成された流入側ポ
    ートまたは流出側ポートと選択的に連通するベーンモー
    タであって、 前記停止用流体通路が、前記流入側ポートと流出側ポー
    トとの間において前記ケーシング内面に開口するように
    形成された特許請求の範囲第8項に記載の容積式流体圧
    モータ。
  15. 【請求項15】前記モータロータがベーンを出入り可能
    に保持して前記モータケーシング内で回転し、ベーンで
    仕切られることによりモータケーシング内に形成された
    容積可変の前記複数の流体室の各々が、モータロータの
    回転につれて、モータケーシングに形成された流入側ポ
    ートまたは流出側ポートと選択的に連通するベーンモー
    タであって、 前記停止用流体通路が、前記モータロータの内部を経て
    そのモータロータ外面に開口するように形成された特許
    請求の範囲第8項または第9項に記載の容積式流体圧モ
    ータ。
  16. 【請求項16】前記モータケーシングがベーンを出入り
    可能に保持し、前記モータロータがそのモータケーシン
    グ内で回転可能なカムロータであり、前記ベーンで仕切
    られることによりモータケーシング内に形成される容積
    可変の前記複数の流体室が、カムロータの回転につれ
    て、モータケーシングに形成された流入側ポートまたは
    流出側ポートと選択的に連通するカムロータ形ベーンモ
    ータであって、 前記停止用流体通路が、前記流入側ポートと流出側ポー
    トとの間において前記モータケーシング内面に開口する
    ように形成された特許請求の範囲第8項に記載の容積式
    流体圧モータ。
  17. 【請求項17】前記モータケーシングがベーンを出入り
    可能に保持し、前記モータロータがそのモータケーシン
    グ内で回転可能なカムロータであり、前記ベーンで仕切
    られることによりモータケーシング内に形成される容積
    可変の前記複数の流体室が、カムロータの回転につれ
    て、モータケーシングに形成された流入側ポートまたは
    流出側ポートと選択的に連通するカムロータ形ベーンモ
    ータであって、 前記停止用流体通路が、前記カムロータの内部を経てそ
    のカムロータ外面に開口するように形成された特許請求
    の範囲第8項に記載の容積式流体圧モータ。
  18. 【請求項18】ケーシングと回転体との間に複数の互い
    に遮断された流体室が形成され、それら流体室に対する
    流体の流出入によって回転体がケーシングに対して相対
    回転するとともに、その回転体が第一回転位置と第二回
    転位置とで停止可能な容積式流体圧モータであって、 それぞれ前記複数の流体室のうち前記回転体を前記ケー
    シングに対して相対的に進める側の流体室と戻す側の流
    体室とのいずれにも連通可能であり、その連通状態が回
    転体とケーシングとの相対回転によって切り換えられる
    停止用流入通路および停止用流出通路と、 前記回転体の通常回転の際に、前記進める側の流体室に
    流体圧源からの圧力流体を供給する一方、前記戻す側の
    流体室からタンクへ流体を排出させる第一流体給排手段
    と、 前記回転体の回転停止の際に、前記停止用流入通路を前
    記流体圧源に連通させる状態と前記停止用流出通路を前
    記タンクに連通させる状態とのいずれかの連通状態に択
    一的に切り換えられる切換手段と、 前記停止用流入通路が前記流体圧源に連通させられた第
    一状態において、前記回転体を前記第一回転位置に寄せ
    る側の流体室に停止用流入通路を経て流体を供給すると
    ともに、回転体をその位置から遠ざける側の流体室から
    流体を排出する第二流体給排手段と、 前記停止用流出通路がタンクに連通させられた第二状態
    において、前記回転体を前記第二回転位置に寄せる側の
    流体室に流体を供給するとともに、回転体をその位置か
    ら遠ざける側の流体室から停止用流出通路を経て流体を
    排出する第三流体給排手段と を含むことを特徴とする容積式流体圧モータ。
  19. 【請求項19】前記停止用流入通路と前記停止用流出通
    路とが共用の流体通路によって構成され、その共用流体
    通路が前記複数の流体室の特定のものに常時連通して形
    成されている特許請求の範囲第18項に記載の容積式流体
    圧モータ。
  20. 【請求項20】前記停止用流入通路と前記停止用流出通
    路とが別々の専用流体通路によって構成されている特許
    請求の範囲第18項に記載の容積式流体圧モータ。
  21. 【請求項21】ケーシングと回転体との間に複数の互い
    に遮断された流体室が形成され、それら複数の流体室の
    一部のものが流入側ポートに連通させられ、他のものの
    少なくとも一部が流出側ポートに連通させられ、各流体
    室の流入側ポートと流出側ポートとの連通状態がケーシ
    ングと回転体との相対回転により切り換えられることに
    よってそれらケーシングと回転体との相対回転が継続す
    る容積式流体圧モータであって、 前記ケーシングと前記回転体との少なくとも一方に、ケ
    ーシングに対する回転体の回転により、前記複数の流体
    室のうち前記回転体を予め定められた特定相対回転位置
    の手前の位置から前記ケーシングに対して相対的に進め
    る側の流体室とその回転体をその特定相対回転位置を過
    ぎた位置から戻す側の流体室とに選択的に連通させられ
    る状態で設けられた停止用流体通路と、 前記流入側ポートと流体圧源とを接続する第一流体通路
    と、 前記流出側ポートとタンクとを接続する第二流体通路
    と、 前記停止用流体通路と前記流体圧源とを接続する第三流
    体通路と、 前記回転体の通常回転の際にはその第三流体通路を閉
    じ、回転停止の際にはその第三流体通路を開く開閉手段
    と、 前記第一流体通路と前記第二流体通路とにそれぞれ設け
    られた絞り手段と、 前記回転体の通常回転の際には前記第一流体通路を前記
    流体圧源に、また前記第二流体通路を前記タンクに連通
    させているが、少なくとも回転停止の際にはそれら第一
    流体通路および第二流体通路を前記絞りを介してタンク
    に連通させる状態に切り換えられる切換手段と を含むことを特徴とする特定回転位置で停止可能な容積
    式流体圧モータ。
  22. 【請求項22】前記絞り手段が、前記回転体の回転停止
    の際に停止用流入通路が前記流入側ポートと流出側ポー
    トとに選択的に連通させられるとき、その最大開度時の
    流路面積より第一流体通路および第二流体通路の流路面
    積を小さく絞るものである特許請求の範囲第21項記載の
    容積式流体圧モータ。
  23. 【請求項23】ケーシングと回転体との間に複数の互い
    に遮断された流体室が形成され、それら複数の流体室の
    一部のものが流入側ポートに連通させられ、他のものの
    少なくとも一部が流出側ポートに連通させられ、各流体
    室の流入側ポートと流出側ポートとの連通状態がケーシ
    ングと回転体との相対回転により切り換えられることに
    よってそれらケーシングと回転体との相対回転が継続す
    る容積式流体圧モータであって、 前記ケーシングと前記回転体との少なくとも一方に、ケ
    ーシングに対する回転体の回転により、前記複数の流体
    室のうち前記回転体を予め定められた特定相対回転位置
    の手前の位置から前記ケーシングに対して相対的に進め
    る側の流体室とその回転体をその特定相対回転位置を過
    ぎた位置から戻す側の流体室とに選択的に連通させられ
    る状態で設けられた停止用流体通路と、 前記流入側ポートと流体圧源とを接続する第一流体通路
    と、 前記流出側ポートとタンクとを接続する第二流体通路
    と、 前記停止用流体通路と前記タンクとを接続する第三流体
    通路と、 前記回転体の通常回転の際にはその第三流体通路を閉
    じ、回転停止の際にはその第三流体通路を開く開閉手段
    と、 前記第一流体通路と前記第二流体通路とにそれぞれ設け
    られた絞り手段と 前記回転体の通常回転の際には前記第一流体通路を前記
    流体圧源に、また前記第二流体通路を前記タンクにそれ
    ぞれ連通させているが、回転停止の際にはそれら第一流
    体通路および第二流体通路を前記絞り手段を介して流体
    圧源に連通させる状態に切り換えられる切換手段と を含むことを特徴とする特定回転位置で停止可能な容積
    式流体圧モータ。
  24. 【請求項24】前記絞り手段が、前記回転体の回転停止
    の際に停止用流出通路が前記流入側ポートと流出側ポー
    トとに選択的に連通させられるとき、その最大開度時の
    流路面積より第一流体通路および第二流体通路の流路面
    積を小さく絞るものである特許請求の範囲第23項に記載
    の容積式流体圧モータ。
  25. 【請求項25】ケーシングと回転体との間に複数の互い
    に遮断された流体室が形成され、それら複数の流体室の
    一部のものが流入側ポートに連通させられ、他のものの
    少なくとも一部が流出側ポートに連通させられ、各流体
    室の流入側ポートと流出側ポートとの連通状態がケーシ
    ングと回転体との相対回転により切り換えられることに
    よってそれらケーシングと回転体との相対回転が一回転
    方向の偏荷重に抗して継続する容積式流体圧モータであ
    って、 前記ケーシングと前記回転体との少なくとも一方に、ケ
    ーシングに対する回転体の回転により、前記複数の流体
    室のうち前記回転体を予め定められた特定相対回転位置
    の手前の位置から前記偏荷重に抗しつつ前記ケーシング
    に対して相対的に進める側の流体室とその回転体をその
    特定相対回転位置を過ぎた位置から戻す側の流体室とに
    選択的に連通させられる状態で設けられた停止用流体通
    路と、 前記流入側ポートと流体圧源とを接続する第一流体通路
    と、 前記流出側ポートとタンクとを接続する第二流体通路
    と、 前記停止用流体通路と前記流体圧源とを接続する第三流
    体通路と、 前記回転体の通常回転の際にはその第三流体通路を閉
    じ、回転停止の際にはその第三流体通路を開く開閉手段
    と、 前記回転体の通常回転の際には前記第一流体通路を前記
    流体圧源に、また前記第二流体通路を前記タンクに連通
    させているが、回転停止の際には第一流体通路を遮断
    し、第二流体通路をタンクに連通させる状態に切り換え
    られる切換手段と を含むことを特徴とする特定回転位置で停止可能な容積
    式流体圧モータ。
  26. 【請求項26】ケーシングと回転体との間に複数の互い
    に遮断された流体室が形成され、それら複数の流体室の
    一部のものが流入側ポートに連通させられ、他のものの
    少なくとも一部が流出側ポートに連通させられ、各流体
    室の流入側ポートと流出側ポートとの連通状態がケーシ
    ングと回転体との相対回転により切り換えられることに
    よってそれらケーシングと回転体との相対回転が一回転
    方向に偏荷重に抗して継続する容積式流体圧モータであ
    って、 前記ケーシングと前記回転体との少なくとも一方に、ケ
    ーシングに対する回転体の回転により、前記複数の流体
    室のうち前記回転体を予め定められた特定相対回転位置
    の手前の位置から前記偏荷重に抗しつつ前記ケーシング
    に対して相対的に進める側の流体室とその回転体をその
    特定相対回転位置を過ぎた位置から戻す側の流体室とに
    選択的に連通させられる状態で設けられた停止用流体通
    路と、 前記流入側ポートと流体圧源とを接続する第一流体通路
    と、 前記流出側ポートとタンクとを接続する第二流体通路
    と、 前記停止用流体通路と前記タンクとを接続する第三流体
    通路と、 前記回転体の通常回転の際にはその第三流体通路を閉
    じ、回転停止の際にはその第三流体通路を開く開閉手段
    と、 前記回転体の通常回転の際には前記第一流体通路を前記
    流体圧源に、また前記第二流体通路を前記タンクに連通
    させているが、回転停止の際には第一流体通路を流体圧
    源に連通させ、第二流体通路を遮断する状態に切り換え
    られる切換手段と を含むことを特徴とする特定回転位置で停止可能な容積
    式流体圧モータ。
  27. 【請求項27】ケーシングと回転体との間に複数の互い
    に遮断された流体室が形成され、それら複数の流体室の
    一部のものが流入側ポートに連通させられ、他のものの
    少なくとも一部が流出側ポートに連通させられ、各流体
    室の流入側ポートと流出側ポートとの連通状態がケーシ
    ングと回転体との相対回転により切り換えられることに
    よってそれらケーシングと回転体との相対回転が一回転
    方向の偏荷重に抗して継続する容積式流体圧モータであ
    って、 前記ケーシングと前記回転体との少なくとも一方に、ケ
    ーシングに対する回転体の回転により、前記複数の流体
    室のうち前記回転体を予め定められた特定相対回転位置
    の手前の位置から前記偏荷重に抗しつつ前記ケーシング
    に対して相対的に進める側の流体室とその回転体をその
    特定相対回転位置を過ぎた位置から戻す側の流体室とに
    選択的に連通させられる状態で設けられた停止用流体通
    路と、 前記流入側ポートに接続された第一流体通路と、 前記流出側ポートに接続された第二流体通路と、 前記停止用流体通路と接続された第三流体通路と、 前記第一流体通路と第二流体通路との前記接続された端
    とは反対側の端に接続され、第一切換状態においては第
    一流体通路を流体圧源に、第二流体通路をタンクにそれ
    ぞれ連通させ、第二切換状態においては第二流体通路を
    タンクに連通させたままで第一流体通路を遮断する第一
    切換手段と、 前記第一流体通路に接続され、前記第三流体通路の流体
    圧をパイロット圧として受け、常には閉じているが、パ
    イロット圧が高い状態では開いて、前記第一切換手段に
    より前記流体圧源から遮断された第一流体通路を流体圧
    源に連通させる第二切換手段と を含み、第一切換手段の第一切換状態においては前記回
    転体が前記一定回転方向の偏荷重に抗して回転し、第二
    切換状態においては前記特定相対回転位置において停止
    する特定回転位置で停止可能な容積式流体圧モータ。
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EP87111334A EP0270740B1 (en) 1986-11-29 1987-08-05 Method of controlling a fluid motor

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DE3789495T2 (de) 1994-08-04
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JPS63140101A (ja) 1988-06-11
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