JPH0784611A - コントローラ - Google Patents

コントローラ

Info

Publication number
JPH0784611A
JPH0784611A JP24858193A JP24858193A JPH0784611A JP H0784611 A JPH0784611 A JP H0784611A JP 24858193 A JP24858193 A JP 24858193A JP 24858193 A JP24858193 A JP 24858193A JP H0784611 A JPH0784611 A JP H0784611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control amount
dead time
unit
internal model
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24858193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3259112B2 (ja
Inventor
Masahito Tanaka
雅人 田中
Hiroyuki Mitsubuchi
裕之 三渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Azbil Corp filed Critical Azbil Corp
Priority to JP24858193A priority Critical patent/JP3259112B2/ja
Publication of JPH0784611A publication Critical patent/JPH0784611A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3259112B2 publication Critical patent/JP3259112B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御対象プロセスのむだ時間が未知であって
も内部モデルのむだ時間を自動的に設定して良好な制御
を行うことができるコントローラを提供する。 【構成】 目標値rが目標値フィルタ部2に入力されこ
の出力から第1の減算処理部3にてフィードバック量e
が減算される。この結果から操作量演算部4にて操作量
uが演算され制御対象プロセスに出力される。第2の減
算処理部8にて制御量yから参照制御量ymが減算され
フィードバック量eとなる。そして、制御量yに制御応
答としての変化が現れない間は、逐次むだ時間更新部9
にてむだ時間Lmが更新され内部モデル記憶部6aに出
力されることが繰り返される。よって、制御対象プロセ
スのむだ時間が未知であっても内部モデルのむだ時間L
mを設定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIMC(Internal Model
Control)構造のコントローラに関し、特に制御対象プ
ロセスのむだ時間が未知であっても内部モデルのむだ時
間を自動的に設定して良好な制御を行うことができるコ
ントローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より制御対象プロセスを数式表現し
た内部モデルを組み込んで制御を行うIMC構造の制御
アルゴリズムを用いたコントローラが提案されており、
このIMCコントローラを用いれば制御対象プロセス
(例えばこのコントローラが室内空調機であれば室内環
境に相当する)に大きなむだ時間(空調機から温風が出
てから室内温度が上昇するまでの時間)が存在しても対
応が可能という優れた利点がある。
【0003】図20は従来のIMCコントローラを用い
た制御系のブロック線図である。33は目標値(室内温
度設定値)から後述するフィードバック量を減算する第
1の減算処理部、32は第1の減算処理部33の出力の
変化が急激に伝わらないようにするためのフィルタ部、
34はフィルタ部32の出力に基づいてこのコントロー
ラの出力である操作量(室内空調機から出る温風又は冷
風の温度)を演算する操作部、36は制御対象プロセス
を数式で近似したものであって制御結果である制御量
(室内温度)に相当する参照制御量を出力する内部モデ
ル、38は制御量から内部モデル36からの参照制御量
を減算してフィードバック量を出力する第2の減算処理
部、40は制御対象プロセスである。
【0004】また、F、Gc、Gm、Gpはそれぞれフ
ィルタ部32、操作部34、内部モデル36、制御対象
プロセス40の伝達関数、rは目標値、uは操作量、d
は例えば室内環境に対する室外環境等に相当する外乱、
yは制御量、ymは参照制御量、eはフィードバック量
である。
【0005】次に、このようなIMCコントローラの動
作を説明する。まず、第1の減算処理部33にて目標値
rからフィードバック量eが減算され、この結果がフィ
ルタ部32に出力される。次いで、操作部34にてフィ
ルタ部32の出力から操作量uが演算され、制御対象プ
ロセス40及びコントローラの内部モデル36へ出力さ
れる。そして、第2の減算処理部38にて制御対象プロ
セス40の制御量yから制御対象プロセス40の近似的
な動作をする内部モデル36からの参照制御量ymが減
算され、この結果がフィードバック量eとして第1の減
算処理部33へフィードバックされるフィードバック制
御系が構成されている。
【0006】このようなIMCコントローラの内部モデ
ル36は、制御対象プロセス40と全く同一になるよう
に数式表現されるのが理想的であり、また操作部34
は、内部モデル36の伝達関数の逆特性(1/Gm)に
なるのが理想的であるが、内部モデル36のむだ時間の
要素については逆数化は不可能なので、通常はむだ時間
の要素は無視する。よって、制御量yは、このような構
成により目標値r、外乱dから次式にて求めることがで
きる。 y=F×Gp×Gc×r/{1+F×Gc×(Gp−Gm)} +(1−F×Gm×Gc)×d/{1+F×Gc×(Gp−Gm)} ・・・(1)
【0007】ここで、内部モデル36の伝達関数Gmが
制御対象プロセス40の伝達関数Gpに等しく、操作部
34の伝達関数Gcが内部モデル36の伝達関数の逆数
(1/Gm=1/Gp)に等しい理想的な状態を仮定す
ると、式(1)は次式のようになる。 y=F×r+(1−F)×d ・・・(2)
【0008】更に、目標値rに急激な変化がない理想的
な条件であればフィルタ部32は不要となり、F=1に
できるので、制御量yは目標値rと等しくなり(y=
r)、外乱dの影響が全くない制御を実現できることに
なる。また、外乱dに着目すると、制御対象プロセス4
0と内部モデル36に大きなむだ時間があったとしても
両者は操作量uに対して同じ特性を示すので、第2の減
算処理部38の出力であるフィードバック量eは外乱d
のみとなり、外乱dを抑制できることが分かる。
【0009】このようなIMCコントローラでは既知の
モデル同定技術によって制御対象プロセス40の近似的
な動作をする内部モデル36が決定されるが、内部モデ
ル36のパラメータであるむだ時間が未知の場合に制御
を行いながら対応する手法は存在しない。また、このむ
だ時間を設定できても内部モデル36の制御対象プロセ
ス40に対するモデル同定誤差はある程度避けられず、
このモデル同定誤差の見積を誤ったときの制御は想定通
りの動作にならないので、その場合の対策は制御の知識
を有する専門家によって行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のIMCコントロ
ーラは以上のように構成されているので、制御を行いな
がら制御対象プロセスの未知のむだ時間に対応すること
はできず、フィルタ部の時定数を設定することもできな
いので、制御の知識を有する専門家以外のオペレータは
IMCコントローラの利用を断念しなければならないと
いう問題点があった。また、制御対象プロセスのむだ時
間を推定して内部モデルを決定することができても、そ
のモデル同定誤差の見積を誤ったときや制御対象プロセ
スのむだ時間が不規則に変動する場合はコントローラが
想定通りの動作にならないという問題点があった。本発
明は、上記課題を解決するために、制御対象プロセスの
むだ時間が未知であっても内部モデルのむだ時間を自動
的に設定して良好な制御を行うことができるコントロー
ラを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力された制
御の目標値を伝達関数が時間遅れの特性で出力する目標
値フィルタ部と、目標値フィルタ部の出力からフィード
バック量を減算する第1の減算処理部と、第1の減算処
理部の出力を伝達関数が時間遅れの特性で出力する目標
値・外乱フィルタ部と、内部モデルのパラメータに基づ
いて目標値・外乱フィルタ部の出力から操作量を演算し
て出力する操作部とからなる操作量演算部と、内部モデ
ルのパラメータを記憶する内部モデル記憶部と、内部モ
デルのパラメータに基づき操作量から参照制御量を演算
する内部モデル出力演算部と、制御対象プロセスの制御
量から内部モデル出力演算部から出力された参照制御量
を減算してフィードバック量を出力する第2の減算処理
部と、制御量に制御応答としての変化が現れない間は、
内部モデルのパラメータ中のむだ時間を増やして更新し
内部モデル記憶部に記憶されたパラメータ中のむだ時間
をこの更新されたむだ時間に変更させることを繰り返す
逐次むだ時間更新部とを有するものである。
【0012】また、目標値、制御量、参照制御量に基づ
いて制御量及び参照制御量の初期値と整定値との差であ
るステップ幅を算出するステップ幅算出部と、制御量及
び参照制御量のステップ幅に基づいて制御量及び参照制
御量が変化を始める応答開始領域を検出し、この応答開
始領域の制御量及び参照制御量を出力する応答開始領域
検出部と、応答開始領域の制御量及び参照制御量に基づ
く制御量及び参照制御量の変化量から制御対象プロセス
のむだ時間の推定値を算出し、内部モデル記憶部に記憶
された内部モデルのパラメータ中のむだ時間をこの推定
値に変更させるむだ時間検出部とを有するものである。
【0013】また、制御対象プロセスの制御量のノイズ
を低減する処理を行いこのノイズが低減された制御量を
逐次むだ時間更新部に出力するノイズ処理部を有するも
のである。
【0014】また、制御対象プロセスの制御量のノイズ
を低減する処理を行いこのノイズが低減された制御量を
逐次むだ時間更新部に出力するノイズ処理部と、目標
値、制御量、参照制御量に基づいて制御量及び参照制御
量の初期値と整定値との差であるステップ幅を算出する
ステップ幅算出部と、制御量及び参照制御量のステップ
幅、ノイズ処理部から出力されたノイズ処理後の制御
量、参照制御量に基づいて制御量及び参照制御量が変化
を始める応答開始領域の開始時点と終了時点を検出する
応答開始領域検出部と、応答開始領域の開始時点と終了
時点により特定される制御量及び参照制御量の変化率か
ら制御対象プロセスのむだ時間の推定値を算出し、内部
モデル記憶部に記憶された内部モデルのパラメータ中の
むだ時間をこの推定値に変更させるむだ時間検出部とを
有するものである。
【0015】また、応答開始領域検出部から出力された
応答開始領域の開始時点と終了時点により特定される制
御量及び参照制御量の変化率に基づき、むだ時間推定精
度である確信度を算出する確信度算出部と、むだ時間検
出部の代わりに、制御量及び参照制御量の変化率、確信
度に基づいて制御対象プロセスのむだ時間の推定値を算
出し、内部モデル記憶部に記憶された内部モデルのパラ
メータ中のむだ時間をこの推定値に変更させる修正むだ
時間検出部とを有するものである。
【0016】また、入力された制御の目標値を伝達関数
が時間遅れの特性で出力する目標値フィルタ部と、目標
値フィルタ部の出力からフィードバック量を減算する第
1の減算処理部と、第1の減算処理部の出力を伝達関数
が時間遅れの特性で出力する目標値・外乱フィルタ部
と、内部モデルのパラメータに基づいて目標値・外乱フ
ィルタ部の出力から操作量を演算して出力する操作部と
からなる操作量演算部と、内部モデルのパラメータを記
憶する内部モデル記憶部と、内部モデルのパラメータに
基づいて操作量から参照制御量を演算する内部モデル出
力演算部と、制御対象プロセスの制御量から内部モデル
出力演算部から出力された参照制御量を減算してフィー
ドバック量を出力する第2の減算処理部と、制御対象プ
ロセスの制御量のノイズを低減する処理を行うノイズ処
理部と、目標値、制御量、参照制御量に基づいて制御量
及び参照制御量の初期値と整定値との差であるステップ
幅を算出するステップ幅算出部と、制御量及び参照制御
量のステップ幅、ノイズ処理部から出力されたノイズ処
理後の制御量、参照制御量に基づいて制御量及び参照制
御量が変化を始める応答開始領域の開始時点と終了時点
を検出する応答開始領域検出部と、応答開始領域検出部
の検出結果から制御量と参照制御量の応答開始領域の開
始時点の時間差を検出する開始領域時間差検出部と、応
答開始領域の開始時点と終了時点により特定される制御
量及び参照制御量の変化率、開始領域時間差検出部によ
って検出された時間差から誤差修正されたむだ時間を算
出し、内部モデル記憶部に記憶された内部モデルのパラ
メータ中のむだ時間をこの算出されたむだ時間に変更さ
せるむだ時間修正部とを有するものである。
【0017】
【作用】本発明によれば、目標値が目標値フィルタ部に
入力され第1の減算処理部にて目標値フィルタ部の出力
からフィードバック量が減算され、操作量演算部にて第
1の減算処理部の出力から操作量が演算されて制御対象
プロセス及び内部モデル出力演算部へ出力される。次
に、第2の減算処理部にて制御対象プロセスの制御量か
ら内部モデル出力演算部からの参照制御量が減算され、
この結果がフィードバック量として第1の減算処理部へ
出力されるフィードバック制御系が構成されている。そ
して、制御量に制御応答としての変化が現れない間は逐
次むだ時間更新部にて内部モデルのパラメータ中のむだ
時間が更新され内部モデル記憶部に出力されることが繰
り返されることにより、内部モデルのむだ時間が設定さ
れる。
【0018】また、ステップ幅算出部にて制御量及び参
照制御量のステップ幅が算出され、応答開始領域検出部
にてこのステップ幅に基づき制御量及び参照制御量の応
答開始領域が検出され、むだ時間検出部にて応答開始領
域の制御量及び参照制御量の変化量から制御対象プロセ
スのむだ時間の推定値が算出されて内部モデル記憶部に
出力されることにより、内部モデルのむだ時間が修正さ
れる。
【0019】また、ノイズ処理部から出力されたノイズ
処理後の制御量に変化が現れない間は、逐次むだ時間更
新部にて内部モデルのパラメータ中のむだ時間が更新さ
れ内部モデル記憶部に出力されることが繰り返されるこ
とにより、内部モデルのむだ時間が設定される。
【0020】また、応答開始領域検出部にてステップ幅
及びノイズ処理部から出力されたノイズ処理後の制御量
に基づき制御量及び参照制御量の応答開始領域が検出さ
れ、むだ時間検出部にて応答開始領域の制御量及び参照
制御量の変化率からむだ時間の推定値が算出されて内部
モデルのむだ時間が修正される。
【0021】また、確信度算出部にて応答開始領域の制
御量及び参照制御量の変化率に基づきむだ時間推定精度
である確信度が算出され、修正むだ時間検出部にて制御
量及び参照制御量の変化率、及び確信度に基づいてむだ
時間の推定値が算出され内部モデルのむだ時間が修正さ
れる。
【0022】また、開始領域時間差検出部にて応答開始
領域検出部の検出結果から制御量と参照制御量の応答開
始領域の開始時点の時間差が検出され、むだ時間修正部
にて制御量及び参照制御量の変化率、開始領域時間差検
出部により検出された時間差から誤差修正されたむだ時
間が算出され内部モデルのむだ時間が修正される。
【0023】
【実施例】図1は本発明の1実施例を示すIMC構造の
コントローラのブロック図、図2はこのIMC構造のコ
ントローラを用いた制御系のブロック線図である。図1
において、1は図示しないオペレータによって設定され
た目標値rをこのコントローラに入力する目標値入力
部、2は目標値入力部1からの目標値rを伝達関数が1
次遅れの特性で出力する目標値フィルタ部、3は目標値
フィルタ部2の出力からフィードバック量eを減算する
第1の減算処理部、4は後述する内部モデル記憶部から
のパラメータに基づいて第1の減算処理部3の出力から
操作量uを演算する操作量演算部である。
【0024】また、5は操作量演算部4から出力された
操作量uを図1では図示しない制御対象プロセスへ出力
する信号出力部、6aはこのコントローラの内部モデル
のパラメータを記憶する内部モデル記憶部、6bは内部
モデル記憶部6aから出力されたパラメータに基づいて
内部モデルとしての演算を行い参照制御量ymを出力す
る内部モデル出力演算部、7は制御対象プロセスからの
制御量yをこのコントローラに入力する制御量入力部で
ある。
【0025】また、8は制御量入力部7から出力された
制御量yから内部モデル出力演算部6bから出力された
参照制御量ymを減算してフィードバック量eを出力す
る第2の減算処理部、9は制御量yに制御応答としての
変化が現れない間は、内部モデルのパラメータ中のむだ
時間を増やし内部モデル記憶部6aに記憶されたパラメ
ータ中のむだ時間をこれに更新させることを繰り返す逐
次むだ時間更新部である。
【0026】図2において、4aは操作量演算部4の内
部にあって、第1の減算処理部3の出力を伝達関数が1
次遅れの特性で出力する目標値・外乱フィルタ部、4b
は同じくその内部にあって目標値・外乱フィルタ部4a
の出力から操作量uを演算する操作部、6は内部モデル
記憶部6a及び内部モデル出力演算部6bからなる内部
モデル、F1は目標値フィルタ部2の伝達関数、F2は
目標値・外乱フィルタ部4aの伝達関数である。また、
duは操作量外乱であり、外乱d=Gp×duとするこ
とで制御量外乱dと等価に扱うことができる。
【0027】なお、図2は図1の目標値フィルタ部2、
第1の減算処理部3、操作量演算部4、内部モデル記憶
部6a、内部モデル出力演算部6b、及び第2の減算処
理部8からなるこのIMC構造のコントローラの基本構
成に、制御対象プロセス40、外乱d、及び操作量外乱
duを含めて制御系として書き直したものである。
【0028】次に、このようなコントローラの基本構成
の動作について説明する。目標値rは、このコントロー
ラのオペレータ等によって設定され、目標値入力部1を
介して目標値フィルタ部2に入力される。目標値フィル
タ部2は、目標値rをその時定数をT1とする次式のよ
うな伝達関数F1の特性で出力する。 F1=1/(1+T1×s) ・・・(3)
【0029】そして、時定数T1は、あらかじめ設定さ
れた初期値を除いて後述する内部モデル6のむだ時間L
mの変更に伴い次式のように設定されるようになってい
る。 T1=4×α×Lm ・・・(4) ここで、αは比例定数であり、例えばα=0.3であ
る。
【0030】次に、第1の減算処理部3は、この目標値
フィルタ部2の出力から第2の減算処理部8から出力さ
れるフィードバック量eを減算する。操作量演算部4内
の目標値・外乱フィルタ部4aは、第1の減算処理部3
の出力をその時定数をT2とする次式のような伝達関数
F2の特性で出力する。 F2=1/(1+T2×s) ・・・(5)
【0031】そして、時定数T2も目標値フィルタ部2
の時定数T1と同様に初期値を除いてむだ時間Lmの変
更に伴い次式のように変更されるようになっている。 T2=α×Lm ・・・(6) つまり、時定数T1は標準設定として時定数T2の4倍
に設定されている。
【0032】また、同じく操作量演算部4内の操作部4
bは、目標値・外乱フィルタ部4aの出力から操作量u
を演算するが、その伝達関数Gcは内部モデル記憶部6
aから出力された内部モデル6のゲイン及び時定数によ
り次式となり、図20の例と同様にむだ時間Lmの要素
を除いた内部モデル6の伝達関数Gmの逆数となってい
る。 Gc=(1+Tm×s)/Km ・・・(7) ここで、Km、Tmはそれぞれ内部モデル6のゲイン、
時定数である。
【0033】よって、操作量演算部4全体としての伝達
関数は次式となる。 F2×Gc=(1+Tm×s)/{Km×(1+T2×s)}・・・(8) このようにして、第1の減算処理部3の出力から操作量
uが演算されて信号出力部5を介して制御対象プロセス
40へ出力され、また内部モデル出力演算部6bへ出力
される。
【0034】次に、制御対象プロセス40は、1次遅れ
とむだ時間の要素を有するものとしてその伝達関数Gp
を次式のような近似伝達関数で表現できる。 Gp=Kp×exp(−Lp×s)/(1+Tp×s) ・・・(9) ここで、Kp、Lp、Tpはそれぞれ制御対象プロセス
40のゲイン、むだ時間、時定数である。
【0035】そして、内部モデル6は、内部モデル記憶
部6aに記憶されたゲインKm、時定数Tm、及びむだ
時間Lmからなるこれらのパラメータによって、上記の
ような制御対象プロセス40を数式表現したものであ
り、内部モデル出力演算部6bにて操作量演算部4から
出力された操作量uから参照制御量ymを演算する。そ
の伝達関数Gmは次式となる。 Gm=Km×exp(−Lm×s)/(1+Tm×s) ・・・(10)
【0036】次に、第2の減算処理部8は、制御量入力
部7を介して入力された制御対象プロセス40からの制
御量yから内部モデル出力演算部6bからの参照制御量
ymを減算してフィードバック量eを出力する。そし
て、このフィードバック量eが上記のように第1の減算
処理部3に入力される。これで、このIMC構造のコン
トローラの基本構成であるフィードバック制御系が成立
する。
【0037】このような制御系において、逐次むだ時間
更新部9は、以下のようにして内部モデル記憶部6aに
記憶された内部モデル6のむだ時間Lmを変更する。図
3(a)は逐次むだ時間更新部9の動作を説明するため
の制御量yの目標値追従性を示す図、図3(b)はこの
制御量yの変化開始部分を示す図である。y0は制御量
yの初期値、STは制御量yにおける目標値rと初期値
y0との差であるステップ幅、Lm1は逐次むだ時間更
新部9によって変更されたむだ時間Lm、△tは本制御
系の制御周期(サンプリング周期)であり、制御量y上
の○印はサンプリング時点を示している。
【0038】図3(a)では時間0(初期状態)におい
てステップ入力である目標値rが入力されてコントロー
ラから操作量uが制御対象プロセス40に出力され、そ
の結果制御量yが初期値y0から変化して最終的に目標
値rと一致し整定状態に移行する様子が示されており、
図3(b)は図3(a)において制御量yが初期値y0
から変化する最初の部分を拡大した図に相当する。
【0039】逐次むだ時間更新部9は、次式によって制
御量yに制御応答としての変化が現れたかどうかを判定
する。 |y−y0|<ε×ST=ε×|r−y0| ・・・(11) ここで、εは比例定数であり、例えばε=0.05であ
る。
【0040】つまり、図3(b)のようにε×STをし
きい値とし現在の制御量yと初期値y0との差がこのし
きい値より小さいときは制御量yに変化がないと判定
し、以上のときは変化が現れたと判定する。このように
制御量yの変化の判定にステップ幅STの5%というし
きい値を設けているのは、外乱等による制御量yの変化
を誤って検出するのを防ぐためである。
【0041】そして、制御量yに変化がないと判定した
場合は内部モデル記憶部6aに記憶されているむだ時間
Lmに制御周期△tを加算する。最初は制御対象プロセ
ス40のむだ時間Lpが未知なので、むだ時間Lmの初
期値は0に設定されており、よってむだ時間Lmは△t
となる。この加算されたむだ時間Lmが逐次むだ時間更
新部9から内部モデル記憶部6aに出力されることによ
り、内部モデル記憶部6aに記憶されている現在のむだ
時間Lmが更新される。
【0042】そして、上記のようなむだ時間Lmの変更
は、式(11)による判定で制御量yに変化が検出され
ない間繰り返され、変化が検出された時点で停止され
る。この結果、最終的に得られたむだ時間Lmが図3
(b)のLm1である。実際の制御では、むだ時間Lm
が制御周期△tだけ加算されるたびに内部モデル記憶部
6aに出力され、記憶されているむだ時間Lmが変更さ
れてから内部モデル出力演算部6bに出力され、参照制
御量ymが変更されたむだ時間Lmに基づいて演算され
るようになっている。
【0043】よって、制御対象プロセス40の制御量y
に変化が現れるまでむだ時間Lmが繰り返し長くなるこ
とにより参照制御量ymが初期値y0のまま保持され、
制御量yに制御応答による変化が現れてむだ時間Lmの
変更が終了した時点から参照制御量ymに変化が現れる
ようになる。むだ時間は目標値rが入力されてから制御
量yに変化が現れるまでの時間なので、以上のように制
御量yに制御応答としての変化が現れない間は内部モデ
ル6のむだ時間Lmを逐次更新することにより、制御対
象プロセス40のむだ時間Lpが未知の場合にも内部モ
デル6のむだ時間Lmを設定することができる。
【0044】図1の例では制御量yの制御応答による変
化を誤検出を防ぐためのしきい値によって検出している
ので、検出精度はしきい値によって決まり、制御対象プ
ロセス40のむだ時間Lpをより高精度に検出するには
別の対応が必要となる。図4は本発明の他の実施例を示
すIMC構造のコントローラのブロック図であり、図1
と同様の部分には同一の符号を付してある。
【0045】10は目標値r、制御量y、及び参照制御
量ymに基づいて制御量y、参照制御量ymの初期値か
ら変化終了の整定値までの差であるステップ幅を算出す
るステップ幅算出部である。11は応答開始領域検出部
であり、制御量y、参照制御量ymのステップ幅に基づ
いてそれぞれの応答開始領域、すなわち目標値rの入力
に対して操作量演算部4から操作量uが出力されること
により制御量y、参照制御量ymが初期値から変化を始
める領域を検出する。また、12は応答開始領域の制御
量y、参照制御量ymの変化量から制御対象プロセス4
0のむだ時間Lpの推定値を算出し、内部モデル記憶部
6aに記憶された内部モデル6のむだ時間Lmをこの推
定値に変更させるむだ時間検出部である。
【0046】本実施例のコントローラの構成は、ステッ
プ幅算出部10、応答開始領域検出部11、むだ時間検
出部12を除いて図1の例と全く同様である。その基本
的な動作も図1の例と同様であり、逐次むだ時間更新部
9が内部モデル記憶部6aに記憶されたむだ時間Lmを
Lm1に変更する。このようなコントローラにおいて、
ステップ幅算出部10、応答開始領域検出部11、及び
むだ時間検出部12は、以下のようにして制御対象プロ
セス40のむだ時間Lpの推定値を算出する。
【0047】図5はステップ幅算出部10の動作を説明
するための参照制御量ymの目標値追従性を示す図であ
る。ym0は参照制御量ymの初期値、rmは目標値r
に相当する参照制御量ymの整定値、STmは参照制御
量ymにおける整定値rmと初期値ym0との差である
ステップ幅である。図5では図3(a)と同様に目標値
rの入力により参照制御量ymが初期値ym0から変化
し整定値rmに整定する様子が示されている。
【0048】そして、ステップ幅算出部10は逐次むだ
時間更新部9と同様に制御量yのステップ幅STを次式
にて算出する。 ST=|r−y0| ・・・(12) また、参照制御量ymのステップ幅STmを次式のよう
に算出する。 STm=|rm−ym0| ・・・(13)
【0049】ここで、制御対象プロセス40の制御量
y、内部モデル6から出力される参照制御量ymは、目
標値r、外乱dから次式にて求めることができる。 y=F1×F2×Gp×Gc×r/{1+F2×Gc×(Gp−Gm)} +(1−F2×Gm×Gc)×d/{1+F2×Gc×(Gp−Gm)} ・・・(14) ym=F1×F2×Gm×Gc×r/{1+F2×Gc×(Gm−Gp)} +(−F2×Gm×Gc)×d/{1+F2×Gc×(Gm−Gp)} ・・・(15)
【0050】そして、内部モデル6のゲインKmの初期
値をKm0とすると、式(14)、(15)より参照制
御量ymの初期値ym0は次式となる。 ym0=(y0−d)×Km0/Kp ・・・(16) 式(16)より外乱d=0であれば、制御量初期値y0
と参照制御量初期値ym0との比は、次式のように制御
対象プロセス40のゲインKp(ここでは推定値)と内
部モデル6のゲイン初期値Km0との比に一致する。 Kp/Km0=y0/ym0 (y0≠0、ym0≠0) ・・・(17)
【0051】よって、制御対象プロセス40のゲインK
pは次式のように推定することができる。 Kp=Km0×y0/ym0 ・・・(18) また、同様にして目標値rと参照制御量ymの整定値r
mとの比は、ゲインKpとゲイン初期値Km0との比に
一致する。 Kp/Km0=r/rm ・・・(19)
【0052】したがって、式(13)は式(17)〜
(19)より次式のように変形することができる。 STm=|rm−ym0|=|r×Km0/Kp−y0×Km0/Kp| =|r−y0|×Km0/Kp =|(r×ym0/y0)−ym0| ・・・(20) こうして、ステップ幅算出部10は、制御量yのステッ
プ幅ST、参照制御量ymのステップ幅STmを式(1
2)、(20)によって算出し、これらを応答開始領域
検出部11に出力する。
【0053】次に、応答開始領域検出部11は、ステッ
プ幅ST、STmに基づいて制御量y及び参照制御量y
mの応答開始領域、すなわち目標値rの入力に対して操
作量演算部4から操作量uが出力されることにより制御
量y、参照制御量ymがそれぞれ初期値y0、ym0か
ら変化を始める領域を検出する。
【0054】図6(a)は応答開始領域検出部11の動
作を説明するための制御量yの応答開始領域を示す図、
図6(b)は同じく参照制御量ymの応答開始領域を示
す図である。i1、i2はそれぞれ制御量yの応答開始
領域の開始時点、終了時点、im1、im2は参照制御
量ymの応答開始領域の開始時点、終了時点、y1、y
2はそれぞれ応答開始領域の開始時点i1、終了時点i
2における制御量、ym1、ym2は同じく開始時点i
m1、終了時点im2における参照制御量である。
【0055】また、1、2・・・j、j+1・・・n、
n+1の各数字はサンプリング時点であり、応答開始領
域の開始時点を1としている。図6(a)、(b)はそ
れぞれ図3(a)、図5における変化開始部分を拡大し
た図に相当する。
【0056】まず、応答開始領域検出部11は、次式に
よって検出するサンプリング時点を制御量yの応答開始
領域の開始時点i1とする。 |y−y0|>β×ST ・・・(21) ここで、βは比例定数であり、例えばβ=0.05であ
る。
【0057】つまり、制御量yの応答開始領域の開始時
点i1は、図6(a)のようにβ×STをしきい値とし
現在の制御量yと初期値y0との差がこのしきい値を超
えた最初のサンプリング時点である。こうして、開始時
点i1の制御量y1が求められる。
【0058】そして、参照制御量ymの応答開始領域の
開始時点im1を同様に検出する。 |ym−ym0|>β×STm ・・・(22) すなわち、参照制御量ymの応答開始領域の開始時点i
m1は、図6(b)のようにβ×STmをしきい値とし
現在の参照制御量ymとその初期値ym0との差がこの
しきい値を超えた最初のサンプリング時点である。こう
して、開始時点im1の参照制御量ym1が求められ
る。
【0059】次に、制御量yの応答開始領域の終了時点
i2は、制御量yの応答開始領域の開始時点i1からn
サンプリング後の時点か(例えばn=9)、あるいは次
式を満たす最初のサンプリング時点のうちどちらか先に
検出した方とする。 |y−y0|>δ×ST ・・・(23) ここで、δは比例定数であり、例えばδ=0.20であ
る。そして、式(23)によるサンプリング時点を終了
時点i2とする場合は、開始時点i1からこの終了時点
i2までのサンプリング数をjとする。
【0060】すなわち、制御量yの応答開始領域の終了
時点i2は、本実施例では9サンプリング後の時点か
(図6(a)ではn+1時点)、あるいは現在の制御量
yとその初期値y0との差がステップ幅STの20%を
超えた最初のサンプリング時点(図6(a)ではj+1
時点)のうちの早い方なので、図6(a)ではj+1時
点を応答開始領域の終了時点i2としている。こうし
て、終了時点i2の制御量y2が求められる。
【0061】そして、参照制御量ymの応答開始領域の
終了時点im2は、参照制御量ymの応答開始領域の開
始時点im1からnサンプリング後の時点か、あるいは
上記で得られたサンプリング数jによる同じく開始時点
im1からjサンプリング後の時点のうちどちらか早い
方とする。こうして、終了時点im2の参照制御量ym
2が求められる。
【0062】よって、制御量yの応答開始領域の開始時
点i1から終了時点i2までのサンプリング数と参照制
御量ymの応答開始領域の開始時点im1から終了時点
im2までのサンプリング数が一致するようになってお
り、このn又はjの得られたサンプリング数をNyとす
る。
【0063】また、上記のように終了時点i2、im2
の検出を2点のうち早い方としているのは、固定サンプ
リング数nによる検出のみでは、制御量yが早めに整定
状態に近づいてしまい終了時点i2、im2の検出が間
に合わなくなってしまうことがあるからである。応答開
始領域検出部11は、このようにして検出した応答開始
領域における制御量y1、y2、参照制御量ym1、y
m2、制御量yの応答開始領域の開始時点(時間)i
1、サンプリング数Nyをむだ時間検出部12に出力す
る。
【0064】むだ時間検出部12は、これらの値から以
下のようにして制御対象プロセス40のむだ時間Lpの
推定値を算出する。図7(a)はむだ時間検出部12の
動作を説明するための制御量yの応答開始領域を示す
図、図7(b)は同じく参照制御量ymの応答開始領域
を示す図である。
【0065】図7(a)において、Lm2は算出すべき
制御対象プロセス40のむだ時間Lpの推定値、i0は
制御量yが変化を始める時点、Aはこの点i0から制御
量y上における直線H2〜H1の延長線と初期値y0と
の交点までの時間、Bはこの交点から応答開始領域の開
始時点i1までの時間である。図7(b)において、i
m0は参照制御量ymが変化を始める時点、Cは参照制
御量ym上における直線H4〜H3の延長線と初期値y
m0との交点から応答開始領域の開始時点im1までの
時間、Dは点im0から開始時点im1までの時間であ
る。
【0066】ここで、むだ時間Lm2は時間0から制御
量yの変化開始時点i0までの経過時間として推定する
ことができる。そして、逐次むだ時間更新部9による変
化開始判定しきい値(式(11))の比例定数εと応答
開始領域検出部11による開始時点i1の検出しきい値
(式(21))の比例定数βがε=β=0.05である
ことから、逐次むだ時間更新部9によって求められるむ
だ時間Lm1は図7(a)のように時間0から開始時点
i1までの時間となる。
【0067】また、前述のようにこのむだ時間Lm1の
確定後に参照制御量ymが変化を始めるので、Lm1は
図7(b)のように時間0から変化開始時点im0まで
の時間となる。
【0068】よって、むだ時間の推定値Lm2は、図7
(a)に示すように逐次むだ時間更新部9によって求め
られ現在内部モデル記憶部6aに記憶されているむだ時
間Lm1、時間A、Bから次式のように算出することが
できる。 Lm2=Lm1−B−A ・・・(24)
【0069】そして、制御量yの応答開始領域の開始時
点i1から終了時点i2までの時間がサンプリング数N
y、制御周期△tよりNy×△tとなるので、時間Bは
次式となる。 B=Ny×△t×(y1−y0)/(y2−y1) ・・・(25) また、時間Aは次式によって求めることができる。 A={(ym2−ym1)/(y2−y1)}1/2 ×(D−C) ・・・(26)
【0070】参照制御量ymの応答開始領域の開始時点
im1から終了時点im2までの時間もNy×△tなの
で、時間Cは次式となる。 C=Ny×△t×(ym1−ym0)/(ym2−ym1) ・・・(27) また、時間Dは次式となる。 D=im1−Lm1 ・・・(28)
【0071】よって、式(24)は式(25)〜(2
8)より次式となる。 Lm2=Lm1−Ny×△t×(y1−y0)/(y2−y1) −{(ym2−ym1)/(y2−y1)}1/2 ×{im1−Lm1 − Ny×△t×(ym1−ym0)/(ym2−ym1)} ・・・(29)
【0072】むだ時間検出部12は、式(29)によっ
て制御対象プロセス40のむだ時間の推定値Lm2を算
出するが、本来0以上の値であるべきむだ時間Lm2が
負の値に算出されたとき、すなわちLm2<0のときは
次式のようにする。 Lm2=Lm1−2×B =Lm1−2×Ny×△t×(y1−y0)/(y2−y1) ・・・(30) 式(30)によってもなおLm2が負の値の場合はLm
2=0とする。
【0073】むだ時間検出部12は、このようにして算
出したむだ時間Lm2を制御応答の終了後、すなわち制
御量yが目標値rに整定した後に内部モデル記憶部6a
に出力する。こうして、内部モデル記憶部6aに記憶さ
れたむだ時間Lm(現在はLm1)が制御対象プロセス
40のむだ時間の推定値Lm2に変更されるが、整定後
に変更されることから実際に制御に使用されるのは次に
目標値rが入力されてからとなる。
【0074】そして、以後は逐次むだ時間更新部9によ
るむだ時間Lm1への変更とむだ時間検出部12による
むだ時間Lm2への変更は通常実行されない。以上のよ
うにしてむだ時間Lm1より精度の高いむだ時間Lm2
を算出することができる。
【0075】図8は本実施例のコントローラをタンク内
の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を示
す図、図9は従来のIMCコントローラの目標値追従性
を示す図である。図8、9は0秒にて目標値r(一点鎖
線)を液面の高さ4cmというステップ入力として入力
し、その制御結果の液面の高さである制御量y(実線)
を求めたシミュレーション結果である。また、ここでの
従来のIMCコントローラは、本実施例のコントローラ
において内部モデル6のむだ時間Lmの変更を行わない
ものを用いている。
【0076】ここで、タンク内の液体という制御対象プ
ロセス40のゲインKpを8、時定数Tpを20秒、む
だ時間Lpを15秒とし、本実施例と従来のIMCコン
トローラの内部モデル6のゲインKmを8、時定数Tm
を20秒とし、制御対象プロセス40のむだ時間Lpは
未知としているためむだ時間Lmを0秒とする。また、
本実施例及び従来のIMCコントローラの目標値フィル
タ部2の時定数T1を24秒、目標値・外乱フィルタ部
4aの時定数T2を6秒とし、制御周期△tは1秒であ
る。
【0077】図8は最初の制御応答であり、逐次むだ時
間更新部9によるむだ時間Lm1への変更の結果なの
で、図1のコントローラでも結果は同じである。また、
この結果得られたむだ時間Lm1は18秒である。図
8、9の比較で明らかなように、本実施例のコントロー
ラによれば従来のIMCコントローラに比べて安定な応
答が得られることが分かる。また、算出された制御対象
プロセス40のむだ時間の推定値Lm2は15秒であ
る。
【0078】図1の例において、制御量入力部7から出
力された制御量yにノイズが加わると、制御量yの変化
開始の検出、むだ時間Lm1の算出が不正確になり制御
が不安定になってしまう。このような制御量yのノイズ
には、例えば制御量yを測定し制御量入力部7に出力す
るセンサによる測定ノイズがある。
【0079】図10は本発明の他の実施例を示すIMC
構造のコントローラのブロック図であり、図1と同様の
部分には同一の符号を付してある。9aは図1の逐次む
だ時間更新部9と同様の処理を後述するノイズ処理部か
ら出力されたダンピング処理後の制御量yに基づいて行
う逐次むだ時間更新部、13は制御量yのノイズを低減
する処理を行うノイズ処理部である。
【0080】次に、本実施例のコントローラの動作を説
明する。基本的な動作は図1の例と同様であるが、ロー
パスフィルタであるノイズ処理部13は、次式のように
制御量yをダンピング処理してノイズを減少させる。 yd(i)={y(i)+Td×yd(i−1)}/(1+Td) ・・・(31)
【0081】ここで、yd(i)は本制御系のサンプリ
ング時刻iにおけるダンピング処理後の制御量y、y
(i)はサンプリング時刻iにおける制御量yである。
また、Tdはダンピング時定数であり、例えば制御周期
△tが1秒であればTd=5秒である。そして、このダ
ンピング処理後の制御量yd(i)が逐次むだ時間更新
部9aに入力される。
【0082】逐次むだ時間更新部9aの動作は図1の逐
次むだ時間更新部9と同様であるが、ダンピング処理後
の制御量yd(i)が入力されるので、制御量yの変化
の検出は式(11)に相当する次式によって行われる。 |yd(i)−yd(0)|<ε×ST2 ・・・(32) 式(32)において、ST2は制御量yにおけるノイズ
対応のステップ幅であるが、ステップ幅STと異なり次
式にて算出する。
【0083】 ST2=|r−r0| ・・・(33) ここで、r0は目標値rの初期値である。制御の初期状
態は整定状態でもあることから制御量yにノイズが加わ
っていなければ、r0=y0で、ST=|r−y0|=
|r−r0|となる。しかし、制御量yにノイズが加わ
っているとr0≠y0となるので、ノイズ対応のステッ
プ幅としては上記のST2を用いる。こうして、制御量
yにノイズが加わっていても制御量yに変化が現れたか
どうかを正しく検出することができる。
【0084】逐次むだ時間更新部9aのこのような制御
量yの変化検出を除く動作は、逐次むだ時間更新部9と
同じである。したがって、図1の例と同様に制御量yに
制御応答としての変化が現れない間は内部モデル6のむ
だ時間Lmを逐次更新して最終的にむだ時間Lm1に変
更することにより、制御対象プロセス40のむだ時間L
pが未知で、かつ制御量yにノイズが加わっていても制
御特性の劣化を回避することができる。
【0085】図4の例でも制御量yにノイズが加わって
いると、応答開始領域の検出、むだ時間Lm2の算出が
不正確になってしまうので、ノイズ対応が必要となる。
図11は本発明の他の実施例を示すIMC構造のコント
ローラのブロック図であり、図4、10と同様の部分に
は同一の符号を付してある。
【0086】10aは図4のステップ幅算出部10と同
様でノイズに対応した制御量及び参照制御量のステップ
幅を算出するステップ幅算出部、11aは制御量及び参
照制御量のステップ幅、ノイズ処理部13から出力され
たノイズ処理後の制御量yd(i)、参照制御量ymに
基づいて応答開始領域の開始時点i1、im1と終了時
点i2、im2を検出する応答開始領域検出部、12a
は応答開始領域の開始時点i1、im1と終了時点i
2、im2により特定される制御量y及び参照制御量y
mの変化率からむだ時間の推定値Lm2を算出し、内部
モデル記憶部6aに記憶されたむだ時間Lmをこの推定
値に変更させるむだ時間検出部である。
【0087】ステップ幅算出部10aは、ステップ幅算
出部10と同様にして制御量y、参照制御量ymのステ
ップ幅を算出するが、これらには逐次むだ時間更新部9
aと同様の理由からノイズ対応のステップ幅としてそれ
ぞれST2、STm2を用いる。
【0088】よって、制御量yのステップ幅ST2は式
(33)によって算出され、参照制御量ymのステップ
幅STm2は式(20)に基づく次式によって算出され
る。 STm2=|(r×ym0/r0)−ym0| ・・・(34) こうして、ステップ幅算出部10aは、制御量yのステ
ップ幅ST2、参照制御量ymのステップ幅STm2を
算出し、これらを応答開始領域検出部11aに出力す
る。
【0089】次に、応答開始領域検出部11aは、これ
らステップ幅ST2、STm2、ノイズ処理部13から
出力されたダンピング処理後の制御量yd(i)、内部
モデル出力演算部6bから出力された参照制御量ymに
基づいて応答開始領域を検出する。
【0090】応答開始領域検出部11aの動作は図4の
応答開始領域検出部11の動作とほぼ同様であるが、式
(21)に相当する次式によって検出するサンプリング
時点を制御量yの応答開始領域の開始時点i1とする。 |yd(i)−yd(0)|>β×ST2 ・・・(35)
【0091】つまり、制御量yの応答開始領域の開始時
点i1は、ノイズ処理された現在の制御量yd(i)と
その初期値yd(0)との差がしきい値β×ST2を超
えた最初のサンプリング時点である。そして、参照制御
量ymの応答開始領域の開始時点im1を同様に次式に
よって検出する。 |ym−ym0|>β×STm2 ・・・(36)
【0092】次に、制御量yの応答開始領域の終了時点
i2を検出する図4の例の式(23)に相当する式は次
式となる。 |yd(i)−yd(0)|>δ×ST2 ・・・(37) よって、終了時点i2は、図4の例と同様に開始時点i
1からnサンプリング後の時点か、あるいは式(37)
を満たす最初のサンプリング時点のうちどちらか先に検
出した方とし、式(37)によるサンプリング時点を終
了時点i2とする場合は、開始時点i1から終了時点i
2までのサンプリング数をjとする。
【0093】そして、参照制御量ymの応答開始領域の
終了時点im2は、参照制御量ymの応答開始領域の開
始時点im1からnサンプリング後の時点か、あるいは
上記で得られたサンプリング数jによる同じく開始時点
からjサンプリング後の時点のうちどちらか早い方とす
る。応答開始領域検出部11aは、このようにして検出
した応答開始領域の開始時点i1、im1、終了時点i
2、im2をむだ時間検出部12aに出力する。
【0094】次に、むだ時間検出部12aは、以下のよ
うにして制御対象プロセス40のむだ時間の推定値Lm
2を算出する。図12(a)はむだ時間検出部12aの
動作を説明するための制御量yの応答開始領域を示す
図、図12(b)は同じく参照制御量ymの応答開始領
域を示す図である。
【0095】むだ時間検出部12aにはノイズ処理され
ない制御量y、参照制御量ymが入力されているので、
これらの値にはノイズによる影響が加わっている。図1
2(a)、(b)は図7(a)、(b)と同様の図であ
るが、応答開始領域におけるこのノイズの影響を○印の
サンプリング時点のように示しており、その他の区間に
ついてはこれらを近似した直線のみを示している。
【0096】むだ時間の推定値Lm2は、図12(a)
において図7(a)と同様に定義される時間A2、B2
から次式のように算出することができる。 Lm2=Lm1−B2−A2 ・・・(38)
【0097】むだ時間検出部12aは、初期値y0以後
の制御量yを記憶しており、応答開始領域の開始時点i
1、終了時点i2によって特定される制御量y、すなわ
ち応答開始領域における制御量y(i1)〜y(i2)
を最小2乗法により分析し、次式のような1次関数式を
得る。 y(i)=Ay×i+By ・・・(39)
【0098】つまり、式(39)は図12(a)の直線
H6〜H5を表す式であり、Ayはこの直線の傾きであ
る制御量変化率、Byは同じく切片である定数項であ
る。また、むだ時間検出部12aは、同様に初期値ym
0以後の参照制御量ymを記憶しており、応答開始領域
における参照制御量ym(im1)〜ym(im2)を
最小2乗法により分析し、次式を得る。 ym(i)=Aym×i+Bym ・・・(40)
【0099】これは、参照制御量変化率Aym、定数項
Bymによって図12(b)の直線H8〜H7を表す式
である。こうして、制御量変化率Ay、参照制御量変化
率Aym、定数項By、Bymを算出することができ
る。
【0100】次に、時間B2はこれらの得られた値から
次式となる。 B2=i1−(r0−By)/Ay ・・・(41) また、時間A2は次式によって求めることができる。 A2=(Aym/Ay)1/2 ×(D2−C2) ・・・(42)
【0101】そして、時間C2、D2は次式となる。 C2=im1−(ym0−Bym)/Aym ・・・(43) D2=im1−Lm1 ・・・(44)
【0102】よって、式(38)は式(41)〜(4
4)より次式となる。 Lm2=Lm1−{i1−(r0−By)/Ay} −(Aym/Ay)1/2 ×{−Lm1+(ym0−Bym)/Aym} ・・・(45)
【0103】むだ時間検出部12aは、式(45)によ
って制御対象プロセス40のむだ時間の推定値Lm2を
算出するが、本来0以上の値であるべきむだ時間Lm2
が負の値に算出されたときは次式のようにする。 Lm2=Lm1−2×{i1−(r0−By)/Ay} ・・・(46) 式(46)によってもなおLm2が負の値の場合はLm
2=0とする。
【0104】むだ時間検出部12aは、このむだ時間L
m2をむだ時間検出部12と同様に制御の整定後に内部
モデル記憶部6aに出力して内部モデル6のむだ時間を
Lm2に変更させる。以上のようにして制御量yにノイ
ズが加わっていてもむだ時間Lm1より精度の高いむだ
時間Lm2を算出することができる。
【0105】図13は本実施例のコントローラを図8の
例と同様にタンク内の液面の高さの制御に使用したとき
の目標値追従性を示す図、図14はこのコントローラの
制御量入力部7から出力された制御量yを示す図、図1
5は図4のコントローラの目標値追従性を示す図であ
る。図14では真の制御量ytがセンサによって測定さ
れセンサから制御量入力部7に入力された制御量yが示
されており、センサによる測定ノイズが加わっている様
子が示されている(図8ではyt=yである)。
【0106】ここで、制御対象プロセス40、本実施例
及び図4のコントローラのパラメータは図8、9の例と
同様とし、測定ノイズは最大振幅が0.4(ステップ幅
ST2の10%)、平均値0のランダムノイズとする。
図13、15の比較で明らかなように、本実施例のコン
トローラによれば制御量yにノイズが含まれる場合でも
図4のコントローラに比べて安定な応答が得られること
が分かる。また、図4のコントローラで算出されたむだ
時間Lm1が4秒であるのに対し、本実施例のコントロ
ーラで算出されたむだ時間Lm1、Lm2が21秒、1
4秒と制御対象プロセス40のむだ時間Lpに近い値が
得られる。
【0107】図1、10の例ではむだ時間Lm1を算出
し、図4、11の例ではこのLm1及び更に精度の高い
むだ時間Lm2を算出して内部モデル6のむだ時間Lm
を修正することができるが、内部モデル6の他のパラメ
ータ、すなわちゲインKm、時定数Tmの同定誤差が大
きいと算出されたむだ時間Lm1、Lm2の誤差が大き
くなることがあり、このような場合には修正後の制御が
不安定になるので、むだ時間推定精度の評価をすること
が必要となる。
【0108】図16は本発明の他の実施例を示すIMC
構造のコントローラのブロック図、図17はこのコント
ローラの確信度算出部が算出する確信度を示す図であ
る。12bは修正むだ時間検出部であり、応答開始領域
検出部11aから出力された応答開始領域の開始時点i
1、im1、終了時点i2、im2により特定される制
御量y、参照制御量ymの変化率Ay、Aym、むだ時
間推定精度である確信度に基づいて制御対象プロセス4
0のむだ時間の推定値を算出し、内部モデル6のむだ時
間Lmをこの推定値に変更させる。14は制御量y、参
照制御量ymの変化率Ay、Aymに基づき確信度を算
出する確信度算出部である。
【0109】本実施例のコントローラの構成は、修正む
だ時間検出部12b、確信度算出部14を除いて図11
の例と全く同様である。その基本的な動作も図11の例
と同様であるが、確信度算出部14は以下のようにして
むだ時間推定精度である確信度を算出する。
【0110】確信度算出部14は、制御量入力部7から
出力された初期値y0以後の制御量y、内部モデル出力
演算部6bから出力された初期値ym0以後の参照制御
量ymを記憶しており、応答開始領域検出部11aから
出力された応答開始領域の開始時点i1、im1、終了
時点i2、im2に基づいて最小2乗法により、図11
のむだ時間検出部12aと同様の応答開始領域の制御量
変化率Ay、参照制御量変化率Aymを算出する。
【0111】そして、次式により確信度CFを算出し、
修正むだ時間検出部12bに出力する。 CF=exp{−(1−Ay/Aym)2 /AC} ・・・(47) ここで、ACは正数設定値であり、例えばAC=10.
0である。確信度CFは、図17に示すようにAy/A
ym=1のときにCF=1となる釣り鐘型の関数であ
り、Ay/Aym=1のときにむだ時間推定精度が最も
高いことを示している。
【0112】参照制御量ymには、前述のように内部モ
デル6のむだ時間Lmが逐次むだ時間更新部9aにて算
出されたむだ時間Lm1に変更された時点から制御応答
としての変化が現れる。よって、上記の比Ay/Aym
に基づいて確信度CFを算出することはこのむだ時間L
m1による制御応答の結果を評価することになる。
【0113】次に、修正むだ時間検出部12bの動作
は、むだ時間検出部12aとほぼ同様であるが、確信度
CFに基づく算出を行うことにより、式(45)に相当
する次式によって制御対象プロセス40のむだ時間の推
定値Lm2を算出する。 Lm2=CF×[Lm1−i1+(r0−By)/Ay −(Aym/Ay)1/2 ×{−Lm1+(ym0−Bym)/Aym}] ・・・(48)
【0114】また、むだ時間Lm2が負の値に算出され
たときは次式のようにする。 Lm2=CF×[Lm1−2×{i1−(r0−By)/Ay}] ・・・(49) 式(49)によってもなおLm2が負の値の場合はLm
2=0とする。このように確信度CFを乗じて算出を行
うのは、IMCコントローラにおいては内部モデル6の
むだ時間Lmを制御対象プロセス40のむだ時間Lpに
比べて大きめに設定するよりも小さめに設定する方が安
全だからである。
【0115】そして、修正むだ時間検出部12bは、こ
のむだ時間Lm2をむだ時間検出部12aと同様に制御
の整定後に内部モデル記憶部6aに出力して内部モデル
6のむだ時間をLm2に変更させる。こうして、確信度
CFを用いることにより不適当なむだ時間修正が行われ
ることを防ぎ安全な応答を得ることができる。
【0116】また、通常図11の例の逐次むだ時間更新
部9a、むだ時間検出部12aによるむだ時間Lm1、
Lm2の算出は1回だけ行われるが、上記のような確信
度CFに基づくむだ時間Lm2によってもなお検出結果
が充分でない場合があるので、修正むだ時間検出部12
bは、次式によって信頼性評価を行い再びむだ時間Lm
1、Lm2の算出を行うかどうかを決定する。 Ay/Aym>Alm1 ・・・(50) Ay/Aym<Alm2 ・・・(51) ここで、Alm1は応答開始領域の変化率比の上限、A
lm2は応答開始領域の変化率比の下限であり、例えば
Alm1=2、Alm2=0.1である。
【0117】式(50)、(51)が共に成立しない場
合、すなわち応答開始領域の変化率比Ay/Aymが上
下限内にある場合は、むだ時間検出結果が充分に信頼で
きるとして以降の制御応答では逐次むだ時間更新部9a
によるむだ時間Lm1の算出を停止させ、むだ時間Lm
2の算出についても実行しない。そして、式(50)又
は(51)が成立する場合は信頼できないとして、次の
目標値rの入力においても逐次むだ時間更新部9aにむ
だ時間Lm1の算出を実行させ、次いでむだ時間Lm2
の算出を実行する。
【0118】例えば、図11の例において、コントロー
ラの内部モデル6のゲインKmを80、時定数Tmを4
秒、むだ時間Lmを0秒とし、制御対象プロセス40の
ゲインKpを8、時定数Tpを20秒、むだ時間Lpを
10秒とすると、最終的に得られるむだ時間Lm2は6
秒となる。これは制御対象プロセス40のむだ時間Lp
に対し誤差率66.7%であり、内部モデル6のむだ時
間Lmの固定値として採用できる値ではないので、この
値に固定せずにむだ時間検出を継続する方が良いと判断
すべきである。
【0119】本実施例に上記のパラメータを適用して制
御を行うと、Ay/Aym=0.006/0.097=
0.062<Alm2となるので、上記のような不適当
な結果を内部モデル6のむだ時間Lmの固定値としてし
まうことを回避することができる。そして、オペレータ
等の判断により内部モデル6のゲインKmや時定数Tm
を修正した後に再び制御を実行すれば、より信頼性の高
いむだ時間Lm2を内部モデル6の固定値として決定す
ることができる。
【0120】なお、本実施例では確信度CF及びこれに
基づくむだ時間Lm2の算出と信頼性評価を図11の例
に適用しているが、図4の例に適用することもできる。
このとき確信度算出部が行う確信度CFの算出は、応答
開始領域検出部11から出力された応答開始領域におけ
る制御量y1、y2、参照制御量ym1、ym2に基づ
く次式となる。 CF=exp[−{1−(y2−y1)/(ym2−ym1)}2 /AC] ・・・(52)
【0121】そして、むだ時間検出部12と同様のむだ
時間検出部が行うむだ時間Lm2の算出は次式となる。 Lm2=CF×[Lm1−Ny×△t×(y1−y0)/(y2−y1) −{(ym2−ym1)/(y2−y1)}1/2 ×{im1−Lm1 − Ny×△t×(ym1−ym0)/(ym2−ym1)}] ・・・(53)
【0122】また、むだ時間Lm2が負の値に算出され
たときは次式のようにする。 Lm2=CF×{Lm1 −2×Ny×△t×(y1−y0)/(y2−y1)} ・・・(54) 式(54)によってもなおLm2が負の値の場合はLm
2=0とする。
【0123】また、信頼性評価は式(50)、(51)
に相当する次式によって行う。 (y2−y1)/(ym2−ym1)>Alm1 ・・・(55) (y2−y1)/(ym2−ym1)<Alm2 ・・・(56) このようにして図4の例にも適用することができる。
【0124】図1、4、10、11、16いずれの例で
も制御対象プロセスのむだ時間Lpが未知の場合に内部
モデル6のむだ時間Lmを設定することができるが、推
定されたむだ時間Lm1又はLm2には実際の制御対象
プロセス40のむだ時間Lpに対して時間遅れが発生す
ることがある。
【0125】そして、むだ時間Lpが不規則に変動する
ような制御対象プロセス40に対し、例えばオペレータ
の判断により逐次むだ時間更新部9又は9aによるむだ
時間Lm1の検出を継続させると、変動分以上のむだ時
間誤差を含む制御が行われることになり、また内部モデ
ル6のむだ時間Lmを検出されたむだ時間Lm1又はL
m2に固定すると変動の累積によってむだ時間誤差が大
きくなる可能性があるので、このような時間遅れを回避
する対応が必要となる。
【0126】図18は本発明の他の実施例を示すIMC
構造のコントローラのブロック図であり、図4、11と
同様の部分には同一の符号を付してある。15は応答開
始領域検出部11aの検出結果から制御量yと参照制御
量ymにおける応答開始領域の開始時点i1、im1の
時間差を検出する開始領域時間差検出部、16は制御量
y、参照制御量の変化率Ay、Aym、開始領域時間差
検出部15によって検出された時間差から誤差修正され
たむだ時間を算出し、内部モデル記憶部6aに記憶され
た内部モデル6のむだ時間Lmをこの算出されたむだ時
間に変更させるむだ時間修正部である。
【0127】本実施例の内部モデル記憶部6aには例え
ば図10の例のコントローラで検出されたむだ時間Lm
(図10の例ではLm1)があらかじめ記憶されてお
り、このむだ時間LmをLm0とする。このLm0によ
る制御応答の結果、図11の例と同様のステップ幅算出
部10aが制御量y、参照制御量ymのステップ幅ST
2、STm2を算出し、応答開始領域検出部11aが応
答開始領域の開始時点i1、im1、終了時点i2、i
m2を検出する。
【0128】そして、開始領域時間差検出部15は、制
御量yの応答開始領域の開始時点i1と参照制御量ym
の開始時点im1との時間差△iを次式によって算出す
る。 △i=im1−i1 ・・・(57) 次に、むだ時間修正部16は、以下のようにして誤差修
正されたむだ時間を算出する。
【0129】図19はむだ時間修正部16の動作を説明
するための制御量y及び参照制御量ymの応答開始領域
を示す図であり、図12(a)、(b)と同様の部分に
は同一の符号を付してある。図19は図12(a)、
(b)と同様の図であるが、同一時間軸上で示されてお
り、Lm3は算出すべきむだ時間、B4は制御量yが変
化を始める時点i0から応答開始領域の開始時点i1ま
での時間である。
【0130】むだ時間修正部16は、むだ時間検出部1
2aと同様に初期値y0以後の制御量yを記憶してお
り、応答開始領域における制御量y(i1)〜y(i
2)を最小2乗法により分析し、制御量変化率Ay、定
数項Byを算出する。また、同様に初期値ym0以後の
参照制御量ymを記憶しており、応答開始領域における
参照制御量ym(im1)〜ym(im2)を最小2乗
法により分析し、参照制御量変化率Aym、定数項By
mを算出する。
【0131】ここで、むだ時間Lm3とあらかじめ設定
されているむだ時間Lm0には図19から次式のような
関係が成立する。 Lm0+C3=Lm3+B4+△i ・・・(58) また、時間B3は図12の時間B2より次式となる。 B3=2×B2=2×{i1−(r0−By)/Ay} ・・・(59)
【0132】よって、時間B4は式(59)より次式と
なる。 B4=2×{i1−(r0−By)/Ay}×(1+0.1×Td) ・・・(60) ここで、ダンピング時定数Tdを用いているのは、ノイ
ズ処理部13のダンピング処理によるずれを補正するた
めである。
【0133】また、時間C3は図12の時間C2より次
式となる。 C3=2×C2=2×{im1−(ym0−Bym)/Aym} ・・・(61)
【0134】よって、むだ時間Lm3は式(58)〜
(61)より次式となる。 Lm3=Lm0+C3−△i−B4 =Lm0+2×{im1−(ym0−Bym)/Aym}−△i −2×{i1−(r0−By)/Ay}×(1+0.1×Td) ・・・(62) 式(62)によるLm3が負の値の場合はLm3=0と
する。
【0135】そして、むだ時間修正部16は、このむだ
時間Lm3を制御の整定後に内部モデル記憶部6aに出
力し内部モデル6のむだ時間Lm0をLm3に変更させ
る。したがって、内部モデル記憶部6aに記憶されてい
るむだ時間Lm0が制御対象プロセス40のむだ時間L
pに対して遅れている場合やむだ時間Lpが不規則に変
動する場合でもその誤差を修正したむだ時間Lm3を算
出してむだ時間Lm0を修正することができるので、安
全な応答を得ることができる。
【0136】なお、本実施例では制御量yにノイズが加
わっている場合について説明したが、ノイズがない場合
であればステップ幅算出部10a、応答開始領域検出部
11aの代わりに図4のステップ幅算出部10、応答開
始領域検出部11を用い、むだ時間修正部16の式(6
2)を次式とすることで対応できる。 Lm3=Lm0 +2×{Ny×△t×(ym1−ym0)/(ym2−ym1)} −△i−2×{Ny×△t×(y1−y0)/(y2−y1)} ・・・(63)
【0137】
【発明の効果】本発明によれば、逐次むだ時間更新部を
設けることにより、制御対象プロセスのむだ時間が未知
であっても内部モデルのむだ時間を目標値追従制御の動
作中に設定することができるので、精度と信頼性の高い
制御を行うことができ、制御対象プロセスの特性変化に
も対応することができる。また、制御対象プロセスの同
定誤差によるトラブルの発生を防ぐことができるので、
制御の専門的知識のないオペレータの作業負担を軽減す
ることができる。
【0138】また、逐次むだ時間更新部、ステップ幅算
出部、応答開始領域検出部、むだ時間検出部を設けるこ
とにより、逐次むだ時間更新部によって設定された内部
モデルのむだ時間からより精度の高い制御対象プロセス
のむだ時間の推定値を算出することができ、内部モデル
のむだ時間をこの推定値に修正することができる。
【0139】また、逐次むだ時間更新部、及びノイズ処
理部を設けることにより、制御対象プロセスのむだ時間
が未知で、かつ制御量にノイズが加わっていても内部モ
デルのむだ時間を目標値追従制御の動作中に設定するこ
とができ、ノイズによる制御特性の劣化を回避すること
ができる。
【0140】また、逐次むだ時間更新部、ノイズ処理
部、ステップ幅算出部、応答開始領域検出部、及びむだ
時間検出部を設けることにより、制御対象プロセスのむ
だ時間が未知で、かつ制御量にノイズが加わっていても
精度の高い制御対象プロセスのむだ時間の推定値を算出
することができ、内部モデルのむだ時間をこの推定値に
修正することができる。
【0141】また、逐次むだ時間更新部、ノイズ処理
部、ステップ幅算出部、応答開始領域検出部、確信度算
出部、及び修正むだ時間検出部を設けることにより、不
適当なむだ時間修正が行われることを防ぎ安全な応答を
得ることができる。
【0142】また、ノイズ処理部、ステップ幅算出部、
応答開始領域検出部、開始領域時間差検出部、及びむだ
時間修正部を設けることにより、あらかじめ設定されて
いる内部モデルのむだ時間が制御対象プロセスのむだ時
間に対して遅れている場合や制御対象プロセスのむだ時
間が不規則に変動する場合でも、その誤差を修正したむ
だ時間を算出して内部モデルのむだ時間を修正すること
ができるので、安全な応答を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示すIMC構造のコントロ
ーラのブロック図である。
【図2】図1のIMC構造のコントローラを用いた制御
系のブロック線図である。
【図3】制御量の目標値追従性及びこの制御量の変化開
始部分を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すIMC構造のコント
ローラのブロック図である。
【図5】参照制御量の目標値追従性を示す図である。
【図6】制御量及び参照制御量の応答開始領域を示す図
である。
【図7】制御量及び参照制御量の応答開始領域を示す図
である。
【図8】図4のIMC構造のコントローラの目標値追従
性を示す図である。
【図9】従来のIMCコントローラの目標値追従性を示
す図である。
【図10】本発明の他の実施例を示すIMC構造のコン
トローラのブロック図である。
【図11】本発明の他の実施例を示すIMC構造のコン
トローラのブロック図である。
【図12】制御量及び参照制御量の応答開始領域を示す
図である。
【図13】図11のIMC構造のコントローラの目標値
追従性を示す図である。
【図14】図11の制御量入力部から出力された制御量
yを示す図である。
【図15】図4のコントローラの目標値追従性を示す図
である。
【図16】本発明の他の実施例を示すIMC構造のコン
トローラのブロック図である。
【図17】図16のコントローラの確信度算出部が算出
する確信度を示す図である。
【図18】本発明の他の実施例を示すIMC構造のコン
トローラのブロック図である。
【図19】制御量及び参照制御量の応答開始領域を示す
図である。
【図20】従来のIMCコントローラを用いた制御系の
ブロック線図である。
【符号の説明】
2 目標値フィルタ部 3 第1の減算処理部 4 操作量演算部 4a 目標値・外乱フィルタ部 4b 操作部 6 内部モデル 6a 内部モデル記憶部 6b 内部モデル出力演算部 8 第2の減算処理部 9、9a 逐次むだ時間更新部 10、10a ステップ幅算出部 11、11a 応答開始領域検出部 12、12a むだ時間検出部 12b 修正むだ時間検出部 13 ノイズ処理部 14 確信度算出部 15 開始領域時間差検出部 16 むだ時間修正部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御の目標値から制御対象プロセスに出
    力する操作量を演算し、制御対象プロセスを数式表現し
    た内部モデルにて制御結果である制御対象プロセスの制
    御量に相当する参照制御量を演算し、制御量と参照制御
    量との差をフィードバックすることにより制御を行うI
    MC構造のコントローラにおいて、 入力された制御の目標値を伝達関数が時間遅れの特性で
    出力する目標値フィルタ部と、 前記目標値フィルタ部の出力からフィードバック量を減
    算する第1の減算処理部と、 第1の減算処理部の出力を伝達関数が時間遅れの特性で
    出力する目標値・外乱フィルタ部と、内部モデルのパラ
    メータに基づいて前記目標値・外乱フィルタ部の出力か
    ら操作量を演算して出力する操作部とからなる操作量演
    算部と、 前記内部モデルのパラメータを記憶する内部モデル記憶
    部と、 前記内部モデルのパラメータに基づいて前記操作量から
    参照制御量を演算する内部モデル出力演算部と、 制御対象プロセスの制御量から前記内部モデル出力演算
    部から出力された参照制御量を減算して前記フィードバ
    ック量を出力する第2の減算処理部と、 前記制御量に制御応答としての変化が現れない間は、前
    記内部モデルのパラメータ中のむだ時間を増やして更新
    し前記内部モデル記憶部に記憶されたパラメータ中のむ
    だ時間をこの更新されたむだ時間に変更させることを繰
    り返す逐次むだ時間更新部とを有することを特徴とする
    コントローラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコントローラにおいて、 目標値、制御量、参照制御量に基づいて制御量及び参照
    制御量の初期値と整定値との差であるステップ幅を算出
    するステップ幅算出部と、 前記制御量及び参照制御量のステップ幅に基づいて制御
    量及び参照制御量が変化を始める応答開始領域を検出
    し、この応答開始領域の制御量及び参照制御量を出力す
    る応答開始領域検出部と、 前記応答開始領域の制御量及び参照制御量に基づく制御
    量及び参照制御量の変化量から制御対象プロセスのむだ
    時間の推定値を算出し、内部モデル記憶部に記憶された
    内部モデルのパラメータ中のむだ時間をこの推定値に変
    更させるむだ時間検出部とを有することを特徴とするコ
    ントローラ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のコントローラにおいて、 制御対象プロセスの制御量のノイズを低減する処理を行
    いこのノイズが低減された制御量を逐次むだ時間更新部
    に出力するノイズ処理部を有することを特徴とするコン
    トローラ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のコントローラにおいて、 制御対象プロセスの制御量のノイズを低減する処理を行
    いこのノイズが低減された制御量を逐次むだ時間更新部
    に出力するノイズ処理部と、 目標値、制御量、参照制御量に基づいて制御量及び参照
    制御量の初期値と整定値との差であるステップ幅を算出
    するステップ幅算出部と、 前記制御量及び参照制御量のステップ幅、ノイズ処理部
    から出力されたノイズ処理後の制御量、参照制御量に基
    づいて制御量及び参照制御量が変化を始める応答開始領
    域の開始時点と終了時点を検出する応答開始領域検出部
    と、 前記応答開始領域の開始時点と終了時点により特定され
    る制御量及び参照制御量の変化率から制御対象プロセス
    のむだ時間の推定値を算出し、内部モデル記憶部に記憶
    された内部モデルのパラメータ中のむだ時間をこの推定
    値に変更させるむだ時間検出部とを有することを特徴と
    するコントローラ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のコントローラにおいて、 応答開始領域検出部から出力された応答開始領域の開始
    時点と終了時点により特定される制御量及び参照制御量
    の変化率に基づき、むだ時間推定精度である確信度を算
    出する確信度算出部と、 むだ時間検出部の代わりに、前記制御量及び参照制御量
    の変化率、確信度に基づいて制御対象プロセスのむだ時
    間の推定値を算出し、内部モデル記憶部に記憶された内
    部モデルのパラメータ中のむだ時間をこの推定値に変更
    させる修正むだ時間検出部とを有することを特徴とする
    コントローラ。
  6. 【請求項6】 制御の目標値から制御対象プロセスに出
    力する操作量を演算し、制御対象プロセスを数式表現し
    た内部モデルにて制御結果である制御対象プロセスの制
    御量に相当する参照制御量を演算し、制御量と参照制御
    量との差をフィードバックすることにより制御を行うI
    MC構造のコントローラにおいて、 入力された制御の目標値を伝達関数が時間遅れの特性で
    出力する目標値フィルタ部と、 前記目標値フィルタ部の出力からフィードバック量を減
    算する第1の減算処理部と、 第1の減算処理部の出力を伝達関数が時間遅れの特性で
    出力する目標値・外乱フィルタ部と、内部モデルのパラ
    メータに基づいて前記目標値・外乱フィルタ部の出力か
    ら操作量を演算して出力する操作部とからなる操作量演
    算部と、 前記内部モデルのパラメータを記憶する内部モデル記憶
    部と、 前記内部モデルのパラメータに基づいて前記操作量から
    参照制御量を演算する内部モデル出力演算部と、 制御対象プロセスの制御量から前記内部モデル出力演算
    部から出力された参照制御量を減算して前記フィードバ
    ック量を出力する第2の減算処理部と、 制御対象プロセスの制御量のノイズを低減する処理を行
    うノイズ処理部と、 目標値、制御量、参照制御量に基づいて制御量及び参照
    制御量の初期値と整定値との差であるステップ幅を算出
    するステップ幅算出部と、 前記制御量及び参照制御量のステップ幅、ノイズ処理部
    から出力されたノイズ処理後の制御量、参照制御量に基
    づいて制御量及び参照制御量が変化を始める応答開始領
    域の開始時点と終了時点を検出する応答開始領域検出部
    と、 前記応答開始領域検出部の検出結果から制御量と参照制
    御量の応答開始領域の開始時点の時間差を検出する開始
    領域時間差検出部と、 前記応答開始領域の開始時点と終了時点により特定され
    る制御量及び参照制御量の変化率、開始領域時間差検出
    部によって検出された時間差から誤差修正されたむだ時
    間を算出し、内部モデル記憶部に記憶された内部モデル
    のパラメータ中のむだ時間をこの算出されたむだ時間に
    変更させるむだ時間修正部とを有することを特徴とする
    コントローラ。
JP24858193A 1993-09-10 1993-09-10 コントローラ Expired - Fee Related JP3259112B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24858193A JP3259112B2 (ja) 1993-09-10 1993-09-10 コントローラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24858193A JP3259112B2 (ja) 1993-09-10 1993-09-10 コントローラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0784611A true JPH0784611A (ja) 1995-03-31
JP3259112B2 JP3259112B2 (ja) 2002-02-25

Family

ID=17180260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24858193A Expired - Fee Related JP3259112B2 (ja) 1993-09-10 1993-09-10 コントローラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3259112B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000148250A (ja) * 1998-11-06 2000-05-26 Hitachi Via Mechanics Ltd サーボ制御装置
JP2012062870A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の燃料圧力制御装置
CN111752146A (zh) * 2019-03-26 2020-10-09 昕芙旎雅有限公司 无用时间估计装置以及具备它的试验装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000148250A (ja) * 1998-11-06 2000-05-26 Hitachi Via Mechanics Ltd サーボ制御装置
JP2012062870A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の燃料圧力制御装置
CN111752146A (zh) * 2019-03-26 2020-10-09 昕芙旎雅有限公司 无用时间估计装置以及具备它的试验装置
CN111752146B (zh) * 2019-03-26 2024-06-11 昕芙旎雅有限公司 无用时间估计装置以及具备它的试验装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3259112B2 (ja) 2002-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2929259B2 (ja) コントローラ
EP0788626B1 (en) A variable horizon predictor for controlling dead time dominant processes, multivariable interactive processes, and processes with time variant dynamics
US7987145B2 (en) Target trajectory generator for predictive control of nonlinear systems using extended Kalman filter
JP2004503000A (ja) 多変量マトリクスプロセス制御
JP3437807B2 (ja) 制御演算装置及び制御演算方法
EP0518651B1 (en) Process control system
US20040181300A1 (en) Methods, apparatus and computer program products for adaptively controlling a system by combining recursive system identification with generalized predictive control
JP3259112B2 (ja) コントローラ
JP3259115B2 (ja) コントローラ
US20220276621A1 (en) Control device for plant and controlling method of the same
Ansay et al. Model uncertainties in GPC: A systematic two-step design
WO2021214839A1 (ja) 制御装置、制御システム、制御方法及びプログラム
JPH08110802A (ja) Pidコントローラ
JP3340923B2 (ja) Sacコントローラ
JPH0756609A (ja) コントローラ
JPS63165903A (ja) 適応制御装置
JPH06195105A (ja) セルフチューニングコントローラ
JPH06274204A (ja) Imcコントローラ
JPH07219601A (ja) 調節装置
JPH07182012A (ja) コントローラ
JP3223339B2 (ja) コントローラ
JPH06348305A (ja) Pid調節器のパラメータ調整装置
JPH0793005A (ja) コントローラ
JP3281312B2 (ja) 調整方法および調整装置
JPH07295604A (ja) Pid調節器のパラメータ調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees