JPH078459B2 - 細穴放電加工装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は電極チェック装置を備えた細穴放電加工装置
に関するものである。

〔従来の技術〕 放電加工は周知のように電極と被加工物間の狭い加工間
隙に白灯油又はケロシン油などの絶縁性の液体を介在さ
せ、電極と被加工物間に周期的にパルス電圧を印加して
放電させることにより被加工物を加工する方法である
が、最近の放電加工の傾向としては径1mm以下の細穴加
工、いわゆる製品加工の細穴が増えつつある。この細穴
加工においては電極自体の剛性がないため細穴ガイドを
補助として使用し加工位置の正確さ、加工形状の安定化
をねらうのが一般的である。

第２図はこのような従来装置の電極ガイド，被加工物の
関係図である。図において、（１）は電極、（２）は電
極（１）を案内する細穴ガイド、（３）は被加工物、
（４）は電極（１）を保持するチャック、（５）は電極
（１）を回転させる回転装置、（６）は電極（１），回
転装置（５）等を保持するとともに上下駆動するヘッド
である。

図に示すように、電極（１）にはチャック（４）を介し
て回転装置（５）の回転が伝えられる。そして、電極
（１）が回転している状態のまま、ヘッド（６）の図示
されていない駆動装置により電極（１）を下げてくる
と、細穴ガイド（２）へ電極（１）を挿入することがで
きる。次に、細穴ガイド（２）を通った電極（１）をさ
らに下げると被加工物（３）へ接触し加工を開始する。
この場合、細穴ガイド（２）と被加工物（３）の距離は
非常に接近した状態位置にある。ここで、電極（１）自
体の不良、又は電極取付不良が生じた場合、電極（１）
の下端の振れが大きくなり、細穴ガイド（２）の電極挿
入テーパー部に挿入できなくなり、挿入ミスとなる場合
がある。したがって、電極（１）は図に示すように変形
電極（1a）となる。この電極（１）の細穴ガイド（２）
挿入ミスは、細穴ガイド（２）挿入位置から被加工物
（３）接触までの特定の時間を設定し、これをオーバー
した場合はミスしたと判断して次の電極交換となる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の装置は以上のように構成されているので、電極
（１）を細穴ガイド（２）に挿入する場合、電極自体の
不良又は電極取付不良が有るのにもかかわらず、細穴ガ
イド（２）へ電極（１）を挿入することがあり、その結
果、電極が変形電極（1a）になる。このため、電極
（１）を交換することが必要で、不経済であるとともに
電極挿入に非常な時間を要するなどの問題点があった。

この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、電極を細穴ガイドに挿入する前に、電極の不
良、又は電極取付不良が検出できる細穴放電加工装置を
得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る細穴放電加工装置は、細線電極を保持す
るチャックを装着した回転装置と、上記電極の挿入孔を
有し、被加工物と対向配設された細孔ガイドと、この細
孔ガイドと上記チャックとの間に設けられ、上記回転装
置の駆動によって回転する電極先端部の回転径を検出す
る検出手段と、この検出手段にて検出された上記電極の
先端部の回転径が上記細孔ガイドの挿入穴と同一又は大
の時、上記回転装置の駆動を停止させる停止手段とを備
えたものである。

［作用］ この発明の停止手段は、検出手段にて検出された上記電
極の先端部の回転径が上記細穴ガイドの挿入穴と同一又
は大の時、上記回転装置の駆動を停止させる。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例を第１図について説明する。

図において、（１）は細線の電極、（２）は電極（１）
を案内する細穴ガイド、（３）は被加工物、（４）は電
極（１）を保持するチャック、（５）は電極（１）を回
転させる回転装置、（６）は電極（１）、回転装置
（５）等を保持するとともに上下駆動するヘッド、
（７）は電極（１）の振れ状態をチャックする検出装
置、（８）は検出装置（７）に用する電源、（９）は電
極（１）の振れを確認するセンサである。

次に動作について説明する。

前述したように、電極（１）はチャック（４）に取付け
られ回転装置（５）に装着された段階において回転す
る。このとき、電極（１）先端部は回転時の円心力によ
って図中「Ｒ」を直径とする円を描いて回転する。この
電極（１）の振れ「Ｒ」を機械センターより規定の振れ
範囲内、即ち、細穴ガイド（２）の電極挿入口「Ｄ」よ
り小さい条件（Ｒ＜Ｄ）の位置にセンサ（９）をセット
し、毎回電極（１）の回転時における振れを短時間にみ
る。この電極（１）の振れが大きい場合、つまり、Ｒ≧
Ｄの場合は電極（１）の先端がセンサ（９）と単発的な
接触をする。この接触で電源（８）から微少電流が流
れ、これによって検出装置が動作して電極（１）不良を
検出するとともに回転装置（５）の回転を停止させる。
そして、電極（１）の交換を行った後、再び上記と同様
にして電極挿入が行われることになる。

なお、電極（１）の振れが小さい場合、つまり、Ｒ＜Ｄ
の場合は電極（１）とセンサ（９）の接触が無いため、
検出装置（７）は動作しない。したがって、電極（１）
は細穴ガイド（２）に的確に挿入されて被加工物（３）
に接触するので加工開始となる。

ここで、センサ（９）は電極（１）振れ確認時のみ電極
（１）近くに有り、それ以外は他の場所に退避してい
る。

〔発明の効果〕

以上のようにこの発明によれば電極を細穴ガイドに挿入
する前に電極の良否を検出するように構成したので、電
極の無駄を省き、また、電極を細穴ガイドに挿入すると
きの時間短縮が図れる細穴放電加工装置が得られる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による細穴放電加工装置を
示す構成図、第２図は従来の細穴放電加工装置を示す構
成図である。 図において、（１）は電極、（２）は細穴ガイド、
（３）は被加工物、（５）は回転装置、（６）はヘッ
ド、（７）は検出装置、（８）は電源、（９）はセンサ
である。 なお、図中、同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】細線電極を保持するチャックを装着した回
   転装置と、上記電極の挿入孔を有し、被加工物と対向配
   設された細孔ガイドと、この細孔ガイドと上記チャック
   との間に設けられ、上記回転装置の駆動によって回転す
   る電極先端部の回転径を検出する検出手段と、この検出
   手段にて検出された上記電極の先端部の回転径が上記細
   孔ガイドの挿入穴と同一又は大の時、上記回転装置の駆
   動を停止させる停止手段とを備えてなる細穴放電加工装
   置。