JPH0784586B2 - 湿式摩擦材 - Google Patents

湿式摩擦材

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JPH0784586B2
JPH0784586B2 JP11352791A JP11352791A JPH0784586B2 JP H0784586 B2 JPH0784586 B2 JP H0784586B2 JP 11352791 A JP11352791 A JP 11352791A JP 11352791 A JP11352791 A JP 11352791A JP H0784586 B2 JPH0784586 B2 JP H0784586B2
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fiber
friction material
fibers
inorganic
weight
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英雄 小野
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Aisin Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の自動変速機などで
油中に浸した状態で使用されるクラッチ、ブレーキなど
に適用できる湿式摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の湿式摩擦材は繊維基材と添
加剤などの混合物を水中で抄紙して抄紙体を形成した
後、抄紙体に結合剤を含浸させて熱硬化させることで製
造している。この方法で形成される摩擦材は主成分の基
材繊維の特性によって耐熱性や耐摩耗性が左右される。
そこでこれらの特性を向上させるために、基材繊維に木
材パルプ以外の有機耐熱性繊維や無機繊維を配合するこ
とが知られている。
【0003】たとえば、5重量%以上の酸素結合量を有
するアクリロニトリル系耐炎化繊維を配合した摩擦材の
開示がある(特開昭58−113641号公報)。また
硫黄含有アクリル系耐炎繊維を基材とした摩擦材の開示
がある(特開昭63−8424号公報)さらにフィブリ
ル化したアクリル繊維を基材に含む摩擦材の開示がある
(特開昭62−106133号公報)。
【0004】一方、無機繊維のガラスファイバーやカー
ボンファイバーは耐熱性、耐摩耗性に優れるため、摩擦
材の耐熱性や耐摩耗性を改善することができる。しか
し、これらの無機繊維の特徴として、高剛性を有してい
るが、その表面は凹凸のない平滑状であるため、湿式摩
擦材に配合された場合に他の配合物との絡み合いが弱い
ため摩擦材中での定着性が悪く使用時に剥離したりし
て、組織の強度を低下させるという不具合がある。その
ため特に圧縮、開放といった繰り返しの負荷を受ける摩
擦材としては耐久性が不充分で実用性能を充分満足させ
ることが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の無機繊維を含む
基材繊維で構成される湿式摩擦材においては、耐熱性や
耐摩耗性に優れた特性を付与することができる。ところ
が上記のようにその基材繊維組織での絡み合いが少いた
め強度が充分発現できず、また無機繊維の定着性が悪く
摩擦材の使用中に層間での剥離が発生する場合があり、
その性能を発現できないという不具合がある。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、基材繊維に無機繊維を使用した場合の不具合を抑制
して耐熱性、耐摩耗性に優れた湿式摩擦材とすることを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の湿式摩擦材は、
基材繊維と必要に応じて無機添加剤、摩擦調整剤を配合
した混合物を抄紙した抄紙体に結合剤を含浸させて硬化
して形成される湿式摩擦材であって、該基材繊維中には
無機繊維とフィブリル化した熱可塑性繊維を含み、該無
機繊維と該フィブリル化した熱可塑性繊維とが重量比で
50:50〜80:20の割合で含まれていることを特
徴とする。
【0008】この湿式摩擦材は、基材繊維と必要に応じ
て無機添加剤、摩擦調整剤を配合した混合物からなる抄
紙体に結合剤を含浸させて硬化されて形成される。この
抄紙体を構成する基材繊維は、無機繊維とフィブリル化
した熱可塑性繊維とを含む。この基材繊維のフィブリル
化した熱可塑性繊維と無機繊維との割合は、その重量比
で50:50〜20:80の範囲で用いられる。熱可塑
性繊維の比率が20より少ない範囲では、フィブリル化
した熱可塑性繊維の添加効果が充分発揮できないので好
ましくない。熱可塑性繊維の比率が50の範囲を超える
とフィブリル化した熱可塑性繊維の量が多くなって無機
繊維量が相対的に少なくなり耐熱性などが低下するので
好ましくない。基材繊維は、通常パルプ10〜80重量
%、無機繊維5〜50重量%、フィブリル化熱可塑性繊
維3〜30重量%の組成で配合されるのが好ましい。
【0009】無機繊維としては、ガラスフィバー、カー
ボンフィバー、セラミック繊維などの公知のものが使用
できる。フィブリル化した熱可塑性繊維は、抄紙体中で
無機繊維に絡み合い基材繊維を結合させている。熱可塑
性繊維はフィブリル化しているので通常の繊維よりも抄
紙体で他の繊維に絡み合いを形成し易く、かつ細いので
軟化溶融しやすい。この熱可塑性繊維のフィブリル化は
叩解したり、膨潤剤で膨潤させた後加圧して押し潰すこ
とにより形成できる。
【0010】このフィブリル化した熱可塑性繊維は、抄
紙体に含浸された結合剤が硬化する熱処理温度で軟化溶
融する特性の軟化開始温度が150〜200℃のものを
使用するのが好ましく、たとえば、ポリプロピレン繊
維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維な
どの熱可塑性繊維をフィブリル化したものが使用でき
る。このフィブリル化した繊維の繊維長は0.1〜3m
m、繊維径1〜10μmのものが混合分散性が容易であ
るので好ましい。
【0011】この湿式摩擦材の摩擦性能を付与するため
に基材繊維に無機添加剤や摩擦調整剤を配合して抄紙体
を形成する。その添加量は通常、無機添加剤を0〜50
重量%、摩擦調整剤を0〜50重量%の範囲で添加され
る。これらの例としては、シリカ、クレイ、ウォラスト
ナイト、マイカ、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、カシューダスト、グラファイトなどが
使用できる。
【0012】基材繊維と無機添加剤や摩擦調整剤を配合
した混合物を水中で抄紙して抄紙体が形成される。この
抄紙体ではフィブリル化した熱可塑性繊維は抄紙時に無
機繊維その他基材繊維と絡み合を形成できる。抄紙体に
は結合剤が含浸され、熱処理により硬化されて摩擦材が
形成される。ここで使用する結合剤としては熱硬化性の
樹脂でフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等
が用いられる。使用量は抄紙体に対して20〜50%で
通常液状として用いて含浸量が調整される。結合剤の硬
化温度はフィブリル化熱可塑性繊維の軟化溶融温度(1
80〜250℃)範囲のものを使用するのが好ましい。
この熱処理により無機繊維に絡み合って形成されている
フィブリル化した熱可塑性繊維は軟化溶融して無機繊維
に溶着してより強固に添加物と共に結合された摩擦材と
することができる。このため摩擦材はその組織の強度が
高まり層間に剥離が発生するのが抑制できる。この摩擦
材はさらにフェーシングなどに加工されて使用される。
【0013】
【作用】本発明の湿式摩擦材においては、基材繊維に無
機繊維とフィブリル化した熱可塑性繊維が特定の割合で
配合されている。このため抄紙体では無機繊維にフィブ
リル化した熱可塑性繊維が絡み合い、結合剤の硬化処理
の熱条件で軟化溶融して無機繊維に固着して基材繊維を
添加剤とともに定着させて形成されている。このため得
られる湿式摩擦材は、基材繊維が強固に結合されている
ので摩擦材の組織強度が向上し、繰り返しの圧縮・開放
の耐久性能が向上して剥離などの発生が抑制できる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)木材パルプ50重量%、ガラスチョップド
ストランド10重量%、フィブリル化アクリル繊維5重
量%の基材繊維に酸化珪素30重量%、摩擦調整剤(カ
シューダスト)5重量%の添加剤の混合物を水中に分散
して抄紙した。得られた抄紙体に結合剤のレゾール系フ
ェノール樹脂を重量比で30%となるよう含浸させた
後、200℃に予め昇温してある熱成形機で加圧成形し
て湿式摩擦材のフェーシングを作製した。
【0015】このようにして得られた湿式摩擦材フェー
シングをストローキング試験(120℃に加熱したオー
トマチックトランスミションオイル浴中で加圧(57k
gf/cm2 )2秒、開放28秒をいサイクルとする)
による耐久性を調べたところ10万サイクル後に組織の
劣化が認められた。 (実施例2)木材パルプ40重量%、濃硝酸で表面処理
を施したカーボンチョップドストランド25重量%、フ
ィブリル化アクリル繊維10重量%の基材繊維に酸化珪
素20重量%、摩擦調整剤5重量%の添加剤の混合物を
水中に分散して抄紙した。得られた抄紙体に実施例1と
同様に結合剤のレゾール系フェノール樹脂を重量比で3
0%となるよう含浸させた後、200℃に予め昇温して
ある熱成形機で加圧成形して湿式摩擦材のフェーシング
を作製した。
【0016】このようにして得られた湿式摩擦材フェー
シングをストローキング試験をおこなったところ15万
サイクル後に組織の劣化が認められた。 (実施例3)木材パルプ25重量%、濃硝酸で表面処理
を施したガラスチョップドストランド30重量%、フィ
ブリル化アクリル繊維15重量%の基材繊維に酸化珪素
20重量%、摩擦調整剤10重量%の添加剤の混合物を
水中に分散して抄紙した。得られた抄紙体に実施例1と
同様に結合剤のレゾール系フェノール樹脂を重量比で3
0%となるよう含浸させた後、200℃に予め昇温して
ある熱成形機で加圧成形して湿式摩擦材のフェーシング
を作製した。
【0017】このようにして得られた湿式摩擦材フェー
シングのストローキング試験をおこなったところ18万
サイクル後に組織の劣化が認められた。 (比較例1)木材パルプ50重量%、ガラスチョップド
ストランド10重量%の基材繊維に酸化珪素30重量
%、摩擦調整剤5重量%の添加剤の混合物を水中に分散
して抄紙した。得られた抄紙体に結合剤のレゾール系フ
ェノール樹脂を重量比で30%となるよう含浸させた
後、200℃に予め昇温してある熱成形機で加圧成形し
て湿式摩擦材のフェーシングを作製した。
【0018】このようにして得られた湿式摩擦材フェー
シングのストローキング試験をおこなったところ3万サ
イクル後に組織の劣化が認められた。そして組織内部か
らの層間剥離が発生した。比較例のフィブリル化アクリ
ル繊維を含まない場合にはストローキング試験の耐久サ
イクルが実施例に比べて著しく低い。したがって、実施
例の摩擦材ではフィブリル化アクリル繊維が無機繊維に
融着して強固に結合して層間剥離の発生を抑制して耐久
性を向上させている。さらに無機繊維の表面を前処理す
ると融着しやすくなりサイクル数が高くなっている。
【0019】図1は無機繊維とフィブリル化熱可塑性繊
維の配合割合の適当な領域を示すグラフである。このグ
ラフの一点破線に囲まれた範囲内(実施例は丸印の配合
比である)の割合であれば強度の高い湿式摩擦材が形成
できる。
【0020】
【発明の効果】本発明の摩擦材では、無機繊維とフィブ
リル化した熱可塑性繊維とを特定の比率で配合すること
により、無機繊維にフィブリル化した熱可塑性繊維を物
理的に絡ませ組織中に定着させ且つ熱処理により溶融し
て配合物と無機繊維とを強固に結合させることができ
る。このため摩擦材の組織強度が向上すると共に圧縮・
開放の繰り返しによる耐久性を示すストローキング試験
において、従来のものに比べて5〜10倍程度耐剥離性
を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機繊維添加量に対するフィブリル化熱可塑性
繊維の添加割合のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/14 J 530 G F16D 69/02 J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材繊維と必要に応じて無機添加剤、摩
    擦調整剤を配合した混合物を抄紙した抄紙体に結合剤を
    含浸させて硬化して形成される湿式摩擦材であって、該
    基材繊維中には無機繊維とフィブリル化した熱可塑性繊
    維を含み、該無機繊維と該フィブリル化した熱可塑性繊
    維とが重量比で50:50〜80:20の割合で含まれ
    ていることを特徴とする湿式摩擦材。
JP11352791A 1991-05-17 1991-05-17 湿式摩擦材 Expired - Lifetime JPH0784586B2 (ja)

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JPH04339887A JPH04339887A (ja) 1992-11-26
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