JPH0784580B2 - アクリル系感圧接着剤組成物 - Google Patents

アクリル系感圧接着剤組成物

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JPH0784580B2
JPH0784580B2 JP33061387A JP33061387A JPH0784580B2 JP H0784580 B2 JPH0784580 B2 JP H0784580B2 JP 33061387 A JP33061387 A JP 33061387A JP 33061387 A JP33061387 A JP 33061387A JP H0784580 B2 JPH0784580 B2 JP H0784580B2
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吉広 児玉
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアクリル系感圧接着剤組成物に関する。さらに
詳しくは、常温での接着力および50〜100℃程度の高温
での接着力にすぐれたアクリル系感圧接着剤組成物に関
する。
[従来の技術] ラベル、粘接着テープ、両面接着テープなどに使用され
る感圧接着剤組成物には、これらの使用環境などを考慮
してタック、凝集力などの粘着特性や接着力のほかに色
調、透明性などが要求されている。そのため、従来より
前記感圧接着剤組成物としてアクリル系重合体を主成分
とするアクリル系感圧接着剤組成物が賞用されている。
前記アクリル系感圧接着剤組成物は常温で使用されるば
あいには、単にアクリル系重合体だけで充分な接着力が
えられる。しかしながら、該アクリル系感圧接着剤組成
物は、自動車のエンジン部、弱電気部、自動車の車体な
どのように高温にさらされる用途に使用されるばあいに
は、常温での接着力のみならず50〜100℃程度の高温で
の接着力が要求されるが、温度の上昇とともに接着力が
低下するため、アクリル系重合体単独では使用しがた
い。
そこで一般にアクリル系感圧接着剤組成物には接着力を
向上させるためにロジンエステル、C9系石油樹脂、テル
ペン樹脂やスチレン類の共重合体に代表されるいわゆる
ピュア−モノマー樹脂などの粘着付与樹脂が配合されて
いる。ところが前記粘着付与樹脂を配合したアクリル系
感圧接着剤組成物は常温での接着力が向上するが、その
反面で50〜100℃程度の高温では温度の上昇とともに接
着力がいちじるしく低下するという欠点があり、前記粘
着付与樹脂は高温での接着力をむしろ低下させる要因と
なっている。
また、高温での接着力を上昇させるため、架橋性単量体
の量もしくは架橋剤の量を増加させてアクリル系重合体
の架橋密度を上げたり、あるいはラウリン酸第二錫など
の有機金属化合物を添加するといった試みがなされてい
るが、いずれも高温での接着力を上昇させるものの、逆
に常温での接着力が低下するという欠点がある。
上記のように、常温での接着力および高温での接着力の
双方にすぐれたアクリル系感圧接着剤組成物がえられて
いないのが現状である。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明はタック、凝集力などの粘着特性を損なうことな
く、常温での接着力および高温での接着力の双方にすぐ
れたアクリル系感圧接着剤組成物を提供することを目的
とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは前記問題点に鑑みてアクリル系共重合体に
配合される粘着付与樹脂に着目して鋭意検討を行なった
結果、特定の粘着付与樹脂を用いることにより前記従来
技術の問題点がことごとく解決されうることを見出し、
本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明はアクリル系重合体に粘着付与樹脂を
配合してなるアクリル系感圧接着剤組成物であって、粘
着付与樹脂が(A)ロジンフェノール樹脂の金属塩、
(B)ロジンフェノール樹脂の多価アルコールエステル
化物および(C)ロジンフェノール樹脂に多価アルコー
ルおよび金属化合物を反応せしめてえられた反応生成物
からえらばれた少なくとも2成分または(C)ロジンフ
ェノール樹脂に多価アルコールおよび金属化合物を反応
せしめえられた反応生成物であることを特徴とするアク
リル系感圧接着剤組成物に関する。
[作用および実施例] 本発明のアクリル系感圧接着剤組成物においてはベース
ポリマーとしてアクリル系重合体が用いられる。該アク
リル系重合体の組成については、とくに制限はなく、各
種公知の単独重合体もしくは共重合体をそのまま使用す
ることができる。アクリル系重合体に使用される単量体
としては、各種アクリル酸エステルおよび/またはメタ
クリル酸エステル(以下、(メタ)アクリル酸エステル
という)を使用することができる。かかる(メタ)アク
リル酸エステルの具体例としては、たとえば、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシルなどがあげられ、これは単独あるいは組合わせ
て使用されうる。また、えられるアクリル系重合体に極
性を付与するために前記(メタ)アクリル酸エステルの
一部にかえて(メタ)アクリル酸を少量使用しうる。さ
らに、架橋性単量体として、たとえば(メタ)アクリル
酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなども併用
しうる。さらに所望により、(メタ)アクリル酸エステ
ル重合体のタックおよび凝集力などの粘着特性を損なわ
ない程度において他の共重合可能な単量体、たとえば酢
酸ビニル、スチレンなどを併用しうる。これら(メタ)
アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系重合体の
ガラス転移温度についてはとくに制限はないが、通常−
90〜0℃、好ましくは−80〜−10℃とするのがよい。ガ
ラス転移温度が0℃よりもあまりにも高いばあいには、
タックがいちじるしく低下するので好ましくない。また
−90℃よりもあまりにも低いばあいには、接着力が低下
する傾向がある。該アクリル系重合体の製造方法につい
てはとくに制限はなく、各種公知の方法を採用すること
ができる。たとえば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁
重合法などのラジカル重合法を適宜選択することにより
容易に製造することができる。ラジカル重合開始剤とし
ては、アゾ系、過酸化物系の各種公知の開始剤を使用す
ることができる。反応温度は通常50〜85℃程度、反応時
間は1〜8時間程度がよい。また、溶液重合法によるば
あい、使用する溶液についてはとくに制限はないが、一
般に酢酸エチルなどの極性溶剤が用いられる。
本発明のアクリル系感圧接着剤組成物において、粘着付
与樹脂には、ロジンフェノール樹脂の金属塩(以下、樹
脂(A)という)、ロジンフェノール樹脂の多価アルコ
ールエステル化物(以下、樹脂(B)という)およびロ
ジンフェノール樹脂に多価アルコールおよび金属化合物
を反応せしめてえられた反応生成物(以下、樹脂(C)
という)からえらばれた少なくとも2成分または樹脂
(C)が用いられる。すなわち、前記粘着付与樹脂を用
いることにより本発明の目的が達成されるのである。
本明細書にいうロジンフェノール樹脂とは、硫酸、三フ
ッ化ホウ素、塩化水素、パラトルエンスルホン酸、メタ
ンスルホン酸などの酸触媒の存在下にロジンとフェノー
ル類とを反応させ、ロジンにフェノール類を付加せしめ
たものであり、さらにこれを加熱して高分子化せしめた
ものであってもよい。ここにロジンとフェノール類のモ
ル仕込み比率は1:0.8〜1:1.5がよい。前記付加反応は通
常130〜200℃、4〜10時間程度、また高分子化反応は25
0〜350℃、2〜8時間程度で行なうのがよい。
また、前記ロジンフェノール樹脂のほかに水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ触媒の存在下にフ
ェノール類とホルムアルデヒドを付加反応させてえられ
るレゾール型フェノール樹脂とロジンとを硫酸、三フッ
化ホウ素、塩化水素、パラトルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸などの酸触媒の存在下に反応せしめてえられ
るいわゆるロジン変性フェノール樹脂も本明細書にいう
ロジンフェノール樹脂の概念のなかに含めることがで
き、前記ロジンフェノール樹脂と同様に有効に使用しう
る。ここにホルムアルデヒド付加反応の際の仕込み比率
はホルムアルデヒド1モルに対してフェノール類1〜4
モル程度がよく、かかる反応は通常40〜100℃、1〜5
時間程度で行なうのがよい。またレゾール型フェノール
樹脂とロジンの付加反応の際の仕込み比率はロジン1モ
ルに対してレゾール型フェノール樹脂0.2〜1.3モル程度
とするのがよく、反応は通常200〜270℃、1〜8時間程
度で行なうのがよい。
以下、本明細書において、前記ロジンフェノール樹脂と
ロジン変性フェノール樹脂とをあわせてロジンフェノー
ル樹脂という。
前記ロジンとしては、たとえばガムロジン、ウッドロジ
ン、トール油ロジン、重合ロジンなどの各種公知のもの
があげられる。またフェノール類としてはフェノール、
クレゾール、β−ナフトール、パラt−ブチルフェノー
ル、パラオクチルフェノール、パラノニルフェノールな
どのロジンに付加可能なものであればいずれも使用する
ことができる。
前記樹脂(A)はロジンフェノール樹脂のカルボキシル
基のうち50〜100当量%程度が金属塩とされたものがよ
い。したがって、樹脂(A)のなかには未反応のロジン
フェノール樹脂が含まれていてもかまわない。樹脂
(A)の全カルボキシル基の金属塩化率が50当量%より
もあまりにも小さいばあいには、えられるアクリル系感
圧接着剤組成物の高温での接着力の向上が小さくなる。
前記金属塩の種類についてはとくに制限されないが、一
価の金属塩が好ましい。二価以上の金属塩を用いたばあ
いは、えられるアクリル系感圧接着剤組成物の粘度が大
きくなりすぎて作業性が低下する傾向がある。一価の金
属塩の具体例としては、たとえばリチウム塩、ナトリウ
ム塩、カリウム塩などがあげられるが、これらのなかで
もリチウム塩がとくに好ましい。また、塩基としての金
属塩の種類についてはとくに制限されないが、前記金属
の水酸化物が好ましい。
樹脂(A)はたとえばつぎに示すような方法により製造
される。すなわち、ロジンフェノール樹脂をトルエン、
キシレン、酢酸エチルなどの可溶性の溶媒に溶解し、つ
いでこの溶液にロジンフェノール樹脂のカルボキシル基
の金属塩化率が前記の範囲内になるように所定量の金属
化合物を脱イオン水に溶解または分解せしめた溶液を添
加して中和反応を行ない、反応終了後、溶媒と水とを除
去することにより樹脂(A)がえられる。中和反応は通
常60〜90℃、0.5〜4時間程度で行なうのがよい。
樹脂(B)はロジンフェノール樹脂のカルボキシル基の
うち20〜100当量%程度をエステル化することによって
えられるものがよい。したがって樹脂(B)のなかには
未反応のロジンフェノール樹脂が含まれていてもかまわ
ない。樹脂(B)のカルボキシル基のエステル化率が20
当量%よりもあまりに小さいばあいにはえられるアクリ
ル系感圧接着剤組成物の常温での接着力が低下する。本
発明においてはエステル化反応には、多価アルコールが
使用される。一価アルコールを使用したばあいにはえら
れる樹脂(B)の軟化点が低くなるので好ましくない。
使用される多価アルコールとしてはとくに制限されず、
たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコールな
どの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ペ
ンタエリスリトールなどの四価アルコールのいずれをも
使用することができるが、これらのなかではグリセリン
を使用するのが好ましい。樹脂(B)はたとえばつぎに
示すような方法により製造される。
すなわち、不活性ガス中、パラトルエンスルホン酸、リ
ン酸などの酸性のエステル化触媒もしくは水酸化リチウ
ム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ性のエステル化
触媒の存在下あるいは不存在下にロジンフェノール樹脂
およびロジンフェノール樹脂のカルボキシル基のエステ
ル化率が前記の範囲内となるような所定の多価アルコー
ルを反応容器に仕込み、加熱し、反応により生成する水
を反応系外に除去することにより樹脂(B)が得られ
る。加熱反応は通常150〜300℃、2〜15時間程度で行な
うのがよい。
樹脂(C)はロジンフェノール樹脂のカルボキシル基の
うち5〜80当量%程度がエステル化され、かつ10〜70当
量%程度が金属塩化されたものがよい。したがって、樹
脂(C)のなかには未反応のロジンフェノール樹脂が含
まれていてもかまわない。樹脂(C)のカルボキシル基
のエステル化率が5当量%よりあまりに小さいばあいに
は、えられるアクリル系感圧接着剤組成物の常温での接
着力が低下し、80当量%よりあまりに大きいばあいに
は、高温での接着力が低下する。また、樹脂(C)のカ
ルボキシル基の金属塩化率が10当量%よりあまりに小さ
いばあいには、高温での接着力が低下し、70当量%より
あまりに大きいばあいには、常温での接着力が低下す
る。使用される金属化合物および多価アルコールとして
は、たとえば前記の樹脂(A)または樹脂(B)の製造
の際に用いたものと同様のものがあげられる。また、樹
脂(C)の製造法は樹脂(A)の製造法と樹脂(B)の
製造法を任意の順序で経由せしめればよい。
かくしてえられる樹脂(A)、樹脂(B)および樹脂
(C)の軟化点はいずれも160〜200℃程度であるのがよ
い。軟化点が160℃よりあまりに低いばあいには高温で
の接着力が低下する傾向がある。また200℃よりもあま
りにも高いばあいには、常温でのタックが低下する傾向
がある。
本発明では接着剤組成物としてアクリル系重合体の粘着
付与樹脂を配合したものが用いられる。アクリル系重合
体と粘着付与樹脂の合計量を100部(重量部、以下同
様)としたときのアクリル系重合体と粘着付与樹脂の配
合比率は固形分換算でアクリル系重合体70〜95部程度に
対して粘着付与樹脂5〜30部程度とするものが好まし
い。アクリル系重合体の使用量が70部よりもあまりにも
少ないばあいには、粘着性がほとんどなくなり接着剤と
して使用しがたく、また95部よりもあまりにも多いばあ
いには、配合する粘着付与樹脂の効果が小さくなり高温
での接着力が低下する傾向がある。ここに粘着付与樹脂
中の全カルボキシル基数の20当量%以上、好ましく50当
量%以上が多価アルコールあるいは金属化合物と反応し
ており、多価アルコールエステルと金属塩との当量比を
10:90〜90:10とするのがよい。多価アルコールエステル
の比率が10よりもあまりに小さいばあいには、えられる
アクリル系感圧接着剤組成物の常温での接着力が低下
し、90よりあまりに大きいばあいには、高温での接着力
が低下する傾向がある。さらに、樹脂(A)および樹脂
(B)の混合物を用いるばあいの配合比率を具体的に示
すと固形分換算でアクリル系重合体70〜95部程度に対し
て樹脂(A)3〜15部、樹脂(B)2〜20部が好まし
い。樹脂(A)が3よりもあまりに少ないばあいには、
えられるアクリル系感圧接着剤組成物の高温での接着力
が低下し、15部よりもあまりに多いばあいには、常温で
の接着力が低下する傾向がある。逆に樹脂(B)が2部
よりもあまりにも少ないばあいには、常温での接着力が
低下し、また20部よりもあまりに多いばあいには、高温
での接着力が低下する傾向がある。
また、粘着付与樹脂として樹脂(A)および樹脂(C)
の混合物、樹脂(B)および樹脂(C)の混合物を使用
するばあい、アクリル系重合体と粘着付与樹脂の合計量
を100部としたときのアクリル系重合体と粘着付与樹脂
の配合比率および粘着付与樹脂中の多価アルコールエス
テルと金属塩との比率は前記と同様の範囲内であればよ
い。
本発明では前記のごとき特定の粘着付与樹脂を配合する
ことにより本発明の目的たる常温での接着力および高温
での接着力にすぐれたアクリル系感圧接着剤組成物をう
ることができる。これは高い軟化点を有する樹脂(A)
により高温での接着力が付与されるとともに、その反面
で生じる常温での接着力の低下が樹脂(B)を使用する
ことにより補足され、常温および高温での接着力が同時
に満足されるものと考えられる。
なお、本発明のアクリル系感圧接着剤組成物は、ポリイ
ソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹
脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂などの架橋剤を必須成分と
するものではないが、凝集力、耐熱性をさらに向上させ
るために用いてもよい。そのうちとくにポリイソシアネ
ート化合物が好ましく、各種公知のいずれのものも使用
することができる。具体的には、1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートなどがあげられる。
さらに本発明のアクリル系感圧接着剤組成物には必要に
応じて充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを適宜添
加しうる。また、本発明の感圧接着剤組成物は各種公知
の粘着付与樹脂と併用することもできる。
以下に製造例、実施例および比較例をあげて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら各例のみに限定
されるものではない。なお、各例中、部および%は特記
しないかぎりすべて重量基準である。
製造例1(アクリル系重合体の製造) 攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよびチッ素導入管を備
えた反応容器に酢酸エチル90部を仕込んだのち、チッ素
気流下で系内温度が約80℃となるまで昇温した。つい
で、あらかじめアクリル酸ブチル73部、アクリル酸2−
エチルヘキシル25部、アクリル酸2部からなる溶液およ
び過酸化ベンゾイル0.2部、酢酸エチル10部からなる溶
液を別々に仕込んだ2個の滴下ロートから、該溶液を約
4時間かけて系内に滴下し、さらに1時間同温度に保っ
て重合反応を完結させ、樹脂固形分50%のアクリル系重
合体をえた。該アクリル系重合体のガラス転移温度は−
61℃であった。
製造例2(比較例3に用いるアクリル系重合体の製造) 製造例1のアクリルモノマーの配合比率をアクリル酸ブ
チル70部、アクリル酸2−エチルヘキシル25部、アクリ
ル酸5部にかえたほかは製造例1とまったく同様にして
樹脂固形分50%のアクリル系重合体をえた。えられたア
クリル系重合体のガラス転移温度は−58℃であった。
製造例3(ロジンフェノール樹脂のリチウム塩の製造) 製造例1と同様の反応容器にロジンフェノール樹脂(荒
川化学工業(株)製、商品名「タマノル803」)100部、
トルエン150部を仕込んで攪拌、溶解したのち、攪拌し
ながら系内温度が80℃になるまで昇温した。ついであら
かじめ水酸化リチウム4部を脱イオン水40部に溶解して
おいた水溶液を添加し、滴下終了後も80℃に保温しなが
ら1時間中和反応を行なった。反応終了後、減圧下に溶
媒および水を留去させロジンフェノール樹脂のリチウム
塩をえた。該樹脂の軟化点は185℃であり、リチウム塩
化率は96当量%(樹脂A)であった。
製造例4(ロジンフェノール樹脂のグリセリンエステル
の製造) 製造例1と同様の反応容器にロジンフェノール樹脂(荒
川化学工業(株)、商品名「タマノル803」)100部、グ
リセリン3部を仕込んだのち、チッ素気流下で系内温度
が240℃になるまで加熱した。同温度で3時間反応させ
たのち、さらに275℃まで昇温し、同温度で5時間反応
した。そののち、減圧下に低沸点留分を除去しロジンフ
ェノール樹脂のグリセリンエステルをえた。該樹脂の軟
化点は176.5℃であり、エステル化率は63当量%(樹脂
B)であった。
製造例5 製造例1と同様の反応容器にロジンフェノール樹脂(荒
川化学工業(株)、商品名「タマノル803」)100部、グ
リセリン1.5部を仕込んだのち、チッ素気流下で系内温
度が240℃になるまで加熱した。同温度で3時間反応さ
せたのち、さらに275℃まで昇温し同温度で8時間反応
した。そののち、減圧下に低沸点留分を除去してロジン
フェノール樹脂のグリセリンエステルをえた。そしてさ
らに、えられたロジンフェノール樹脂のグリセリンエス
テル100部とトルエン150部を同様の反応容器に仕込んだ
のち、溶解しながら系内温度が80℃になるまで加温し
た。ついであらかじめ水酸化リチウム2部を脱イオン水
40部に溶解しておいた水溶液を添加し80℃に保温して1
時間中和反応を行なった。反応終了後、減圧下に溶媒お
よび水を留去させロジンフェノール樹脂のグリセリン、
水酸化リチウムとの反応生成物をえた。えられた該樹脂
の軟化点は189.5℃であり、エステル化率は35当量%、
リチウム塩化率は58当量%(樹脂C)であった。
製造例6 製造例1と同様の反応容器にロジン変性フェノール樹脂
のグリセリンエステル(荒川化学工業(株)製、商品名
「タマノル379」)100部、トルエン100部を仕込み、溶
解しながら、系内温度が80℃になるまで加熱した。つい
であらかじめ水酸化リチウム2部を脱イオン水40部に溶
解しておいた水溶液を添加し80℃に保温して1時間中和
反応を行なった。反応終了後、減圧下で溶媒および水を
留去させてロジンフェノール変性樹脂のグリセリン、水
酸化リチウムとの反応生成物をえた。えられた樹脂の軟
化点は183.0℃であり、エステル化率は70当量%、リチ
ウム塩化率は20当量%(樹脂C)であった。
実施例1 製造例1でえられたアクリル系重合体80部(固形分換
算)、製造例3でえられたロジンフェノール樹脂のリチ
ウム塩10部および製造例4でえられたロジンフェノール
樹脂のグリセリンエステル10部を充分混練したのち、ポ
リイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン(株)
製、商品名:「コロネートL」)8.2部を添加し、架橋
型アクリル系感圧接着剤組成物をえた。えられた架橋型
アクリル系感圧接着剤組成物を厚さ38μmのポリエチレ
ンフィルムにサイコロ型アプリケーターにて乾燥膜厚が
30μm程度となるように塗布し、ついで該接着剤組成物
中の溶剤を除去して糊厚30μmのテープを作製し、下記
方法にて各種性能試験を行なった。えられたアクリル系
感圧接着剤組成物の組成および性能試験の結果を第1表
に示す。
実施例2〜9 実施例1において、アクリル系重合体および粘着付与樹
脂の配合を第1表に示すようにかえたほかは実施例1と
まったく同様にして各種の架橋型アクリル系感圧接着剤
組成物をえ、性能試験用テープを作製し、性能試験を行
なった。えられたアクリル系感圧接着剤組成物の組成物
の組成および性能試験の結果を第1表に示す。
比較例1〜5 実施例1において、アクリル系重合体および粘着付与樹
脂の配合を第1表に示すようにかえたほかは実施例1と
まったく同様にして各種の架橋型アクリル系感圧接着剤
組成物をえ、性能試験用テープを作製し、性能試験を行
なった。えられたアクリル系感圧接着剤組成物の組成お
よび性能試験の結果を第1表に示す。
(アクリル系感圧接着剤組成物の性能試験) 実施例1〜9および比較例1〜5でえられたテープを3
日間放置して熟成したあと、つぎに示す試験方法により
性能を評価した。
(常温接着力) えられたテープ(25mm×100mm)をステンレス板に貼り
付け、万能引張試験機を使用して20℃、300mm/分の条件
における180゜剥離強度(kg/25mm)を測定した。
(高温接着力) えられたテープ(25mm×100mm)をステンレス板に貼り
付け、万能引張り試験を使用して80℃、300mm/分の条件
における180゜剥離強度(kg/25mm)を測定した。
(凝集力) えられたテープ(25mm×25mm)をステンレス板に貼り付
け、40℃で1kg荷重し、1時間後のずれた距離を測定し
た。
(高温凝集力) えられたテープ(20mm×20mm)をステンレス板に貼り付
け、80℃で1kg荷重し、おもりが落下するまでの時間を
測定した。
(タック) えられたテープを用い、ASTM D−2979「プローブタック
法」に準じてプローブタック測定機を用いて接触速さお
よび引き離し速さが10mm/秒、接触荷重100gf/cm2、接触
時間1秒における引き離し抵抗力を測定した。
[発明の効果] 本発明のアクリル系感圧接着剤組成物は、凝集力、タッ
クなどの要求性能を満足しながら常温での接着力および
高温での接着力にすぐれたものである。したがって、本
発明のアクリル系感圧接着剤組成物は自動車のエンジン
部、弱電気部、自動車の車体などの高温にさらされる場
所で用いられるラベル、シート、粘接着テープ、両面接
着テープなどにとくに好適に用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系重合体に粘着付与樹脂を配合し
    てなるアクリル系感圧接着剤組成物であって、粘着付与
    樹脂が (A)ロジンフェノール樹脂の金属塩、 (B)ロジンフェノール樹脂の多価アルコールエステル
    化物および (C)ロジンフェノール樹脂に多価アルコールおよび金
    属化合物を反応せしめてえられた反応生成物からえらば
    れた少なくとも2成分または(C)ロジンフェノール樹
    脂に多価アルコールおよび金属化合物を反応せしめてえ
    られた反応生成物 であることを特徴とするアクリル系感圧接着剤組成物。
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