JPH0784122A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法

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JPH0784122A
JPH0784122A JP16675594A JP16675594A JPH0784122A JP H0784122 A JPH0784122 A JP H0784122A JP 16675594 A JP16675594 A JP 16675594A JP 16675594 A JP16675594 A JP 16675594A JP H0784122 A JPH0784122 A JP H0784122A
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JP
Japan
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ink
resin layer
repellent
photosensitive resin
light
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Application number
JP16675594A
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English (en)
Inventor
Reiko Yoshida
玲子 吉田
Nobuo Matsumura
宣夫 松村
Kuniko Kimura
邦子 木村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】画素と画素の間の遮光領域の上に、画素を形成
するための着色インキに対して20°以上の後退接触角を
有するインキ反発性非感光性樹脂層が積層されているこ
とを特徴とする液晶表示素子用カラーフィルタ。 【効果】液晶表示素子用カラーフィルタ製造において、
印刷法やインクジェット法による着色層形成の際のイン
キの滲み、はみ出し、拡がりを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主に液晶表示素子用に用
いられるカラーフィルタの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子用カラーフィルタは、透明
基板上に形成された赤、緑、青の三原色の画素を一絵素
とし多数の絵素から構成される。そして各画素間には表
示コントラストを高めるために一定の幅を持つ遮光領域
(一般に黒色でブラックマトリックスと称されている)
が設けられる。
【0003】カラーフィルタ製造法には、フォトリソグ
ラフィの手法を用いて形成した可染媒体を染色する方
法、顔料分散感光性組成物を用いる方法、パターニング
した電極を利用した電着法などのほか、低コストの製造
法として印刷法や、インクジェット式インキ噴射装置を
用いて着色部分を形成するインクジェット法などがあ
る。
【0004】従来の製造法の内、印刷法やインクジェッ
ト法は、画素を一色ずつフォトリソグラフィーで作成す
る染色法および顔料分散法に比べて工程数が少なく低コ
ストであるが、その一方で各着色領域の画素のにじみ、
混色などが避けられずカラーフィルタとしての品質は劣
ったものになってしまうという欠点があった。
【0005】低コストでなおかつ高品質なカラーフィル
タを得るためには、印刷法やインクジェット法において
何らかの手段でインキの滲みや混色を防ぐことが必須で
ある。特開平4-123005では、シリコーンゴムの仕切りを
用いインキの拡がりを押さえる技術が開示されている。
しかしながら、該技術は工程数が多く、さらにブラック
マトリックスを別工程で形成する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の諸欠点に鑑み創案されたもので、その目的とする
ところは、特に印刷法やインクジェット法での画素形成
工程において、透明基板上の画素と画素の間に相当する
部分のブラックマトリクスに一致するインキ反発性の仕
切柵によって、インキの滲みや混色を確実に防止するこ
とのできるカラーフィルタの製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下の〜のいずれかの構成をとることにより達成で
きる。本発明において、「遮光層」とは、遮光性の層が
全面に形成されたものを表し、「遮光領域」とは、遮光
性の層が所定の形状(画素の間隙に相当する部分)にパ
ターン化されているものを表すこととする。
【0008】 透明基板上の所定位置に、複数色の画
素および、該画素の間隙に遮光領域を有するカラーフィ
ルタの製造方法において、以下の工程を含むことを特徴
とするカラーフィルタの製造方法。 (A)透明基板上の画素の間隙に相当する部分に遮光領
域を形成する工程。 (B)該遮光領域が形成された透明基板上に、インキ反
発性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより、画素を形
成するための着色インキに対して20°以上の後退接触角
を有するインキ反発性樹脂層を形成する工程。 (C)該インキ反発性樹脂層の上に、光照射した部分が
可溶化する感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することによ
り感光性樹脂層を形成する工程。 (D)透明基板の裏側から、遮光領域をマスクとして感
光性樹脂層の露光、現像を行ない、遮光領域に一致した
感光性樹脂層のパターンを形成する工程。 (E)該感光性樹脂層の現像と同時に、または該感光性
樹脂層のパターンをマスクとして、該インキ反発性樹脂
層のエッチングを行なった後、該感光性樹脂層を全部除
去して、遮光領域に一致したインキ反発性樹脂層のパタ
ーンを形成する工程。 (F)インキ反発性樹脂層の除去部分を着色インキを用
いて着色し、複数色の画素を形成する工程。
【0009】 透明基板上の所定位置に、複数色の画
素および、該画素の間隙に遮光領域を有するカラーフィ
ルタの製造方法において、以下の工程を含むことを特徴
とするカラーフィルタの製造方法。 (A)透明基板上に遮光層を形成する工程。 (B)該遮光層の上に、インキ反発性樹脂組成物を塗
布、乾燥することにより、画素を形成するための着色イ
ンキに対して20°以上の後退接触角を有するインキ反発
性樹脂層を形成する工程。 (C)該インキ反発性樹脂層の上に、感光性樹脂組成物
を塗布、乾燥することにより感光性樹脂層を形成する工
程。 (D)該感光性樹脂層を所定のマスクを用いて露光、現
像を行ない、画素に相当する部分の感光性樹脂層を除去
することによって感光性樹脂層のパターンを形成する工
程。 (E)該感光性樹脂層の現像と同時に、または該感光性
樹脂層のパターンをマスクとして、インキ反発性樹脂層
および遮光層のエッチングを行ない、画素に相当する部
分のインキ反発性樹脂層および遮光層を除去した後、該
感光性樹脂層を全部除去することによって、遮光領域お
よびそれに一致したインキ反発性樹脂層のパターンを形
成する工程。 (F)インキ反発性樹脂層および遮光層の除去部分を着
色インキを用いて着色し、複数色の画素を形成する工
程。
【0010】 透明基板上の所定位置に、複数色の画
素および、該画素の間隙に遮光領域を有するカラーフィ
ルタの製造方法において、以下の工程を含むことを特徴
とするカラーフィルタの製造方法。 (A)透明基板上の画素の間隙に相当する部分に遮光領
域を形成する工程。 (B)該遮光領域が形成された透明基板上に、光照射し
た部分が可溶化するインキ反発性感光性樹脂組成物を塗
布、乾燥することにより、画素を形成するための着色イ
ンキに対して20°以上の後退接触角を有するインキ反発
性感光性樹脂層を形成する工程。 (C)透明基板の裏側から、遮光領域をマスクとして該
インキ反発性感光性樹脂層の露光、現像を行ない、遮光
領域に一致したインキ反発性感光性樹脂層のパターンを
形成する工程。 (D)インキ反発性感光性樹脂層の除去部分を着色イン
キを用いて着色し、複数色の画素を形成する工程。
【0011】 透明基板上の所定位置に、複数色の画
素および、該画素の間隙に遮光領域を有するカラーフィ
ルタの製造方法において、以下の工程を含むことを特徴
とするカラーフィルタの製造方法。 (A)透明基板上に遮光層を形成する工程。 (B)該遮光層の上に、インキ反発性感光性樹脂組成物
を塗布、乾燥することにより、画素を形成するための着
色インキに対して20°以上の後退接触角を有するインキ
反発性感光性樹脂層を形成する工程。 (C)該インキ反発性感光性樹脂層を所定のマスクを用
いて露光、現像を行ない、画素に相当する部分のインキ
反発性感光性樹脂層を除去することによって、インキ反
発性感光性樹脂層のパターンを形成する工程。 (D)該インキ反発性感光性樹脂層の現像と同時に、ま
たは該インキ反発性感光性樹脂層のパターンをマスクと
して、遮光層のエッチングを行ない、画素に相当する部
分の遮光層を除去することによって、遮光領域を形成す
る工程。 (E)インキ反発性感光性樹脂層および遮光層の除去部
分を着色インキを用いて着色し、複数色の画素を形成す
る工程。
【0012】本発明の特徴は、画素形成前に、透明基板
上の遮光領域(ブラックマトリクス)に一致させた位置
に画素形成用着色インキに対して20゜以上の後退接触角
を有するインキ反発性樹脂層を形成することにある。
【0013】インキ反発性樹脂層をブラックマトリクス
に一致してパターニングするには、予め画素と画素の間
に相当する部分にブラックマトリクスが形成された透明
基板上に、インキ反発性樹脂層、光可溶型感光性樹脂を
積層し、透明基板裏面からブラックマトリクスをマスク
として露光・現像し、得られた感光性樹脂層のパターン
をマスクとしてインキ反発性樹脂層をエッチングする方
法、あるいは全面に遮光層が形成された透明基板上に、
インキ反発性樹脂層、感光性樹脂層を順に積層し、パタ
ーン露光・現像し、得られた感光性樹脂のパターンをマ
スクとしてインキ反発性樹脂層および遮光層をエッチン
グして行う方法、あるいは予め画素と画素の間に相当す
る部分にブラックマトリクスが形成された透明基板上
に、光可溶型インキ反発性感光性樹脂層を形成し、透明
基板裏面からブラックマトリクスをマスクとして露光・
現像する方法、あるいは全面に遮光層が形成された透明
基板上に、インキ反発性感光性樹脂層を形成し、パター
ン露光・現像し得られたインキ反発性感光性樹脂層のパ
ターンをマスクとして遮光層をエッチングする方法など
がある。
【0014】インキ反発性樹脂組成物(インキ反発性感
光性樹脂組成物を含む)の成分としては、少なくとも樹
脂、およびインキ反発成分が含まれる。
【0015】インキ反発性樹脂組成物に含まれる樹脂と
しては、非感光性樹脂を用いる場合には特に限定される
ことなく、様々なものが使用できるが、画素を形成する
インキに対して高い耐性がある樹脂であることが望まし
い。インキに水系のものを使用する場合には、水溶性樹
脂を除く樹脂のほとんどが使用可能である。インキが有
機溶剤系である場合には、その溶剤に対して溶解、また
は膨潤しない樹脂を選ぶことが必要である。インキ反発
性樹脂層をパターニングした後、加熱によって架橋硬化
する樹脂を使用すれば、溶剤によらず溶解、膨潤しない
ものを得ることができるのでより好ましい。そのような
加熱硬化する樹脂としては、架橋硬化物を与えるものと
して例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹
脂、熱硬化性アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
等、あるいは梯子状構造をあたえる、例えばポリイミド
などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0016】インキ反発性樹脂に含まれる樹脂として感
光性樹脂を用いる場合も様々なものが使用できるが、非
感光性樹脂の場合と同じく画素を形成するインキに対し
て高い耐性を持つことが望ましい。露光によって架橋硬
化する光硬化性樹脂、あるいは露光現像後加熱によって
架橋硬化するものを選べばインキ溶剤によらず溶解また
は膨潤しないものが得られるのでより好ましい。
【0017】具体的には、感光性ポリイミド、ナフトキ
ノンジアジド誘導体を感光基として含むノボラック樹
脂、光架橋性アクリル樹脂、メラミン樹脂に光酸発生剤
を加えたものなどがあげられるが、これらに限定されな
い。
【0018】感光性ポリイミドのうち、光照射した部分
が不溶化する光硬化性ポリイミドとしては、テトラカル
ボン酸とジアミンから製造されるポリイミド前駆体(ポ
リアミド酸)の非プロトン性極性溶媒溶液のワニスに、
光開始剤によって反応するメタクリル基などの官能基を
有するアミノ化合物を混合したもの(例えば特開昭59-5
2822号公報)、光により重合または二量化可能な基をエ
ステル結合で導入したもの(例えば米国特許-3957512号
明細書)、N−メチロールアクリルアミド化合物をポリ
イミド前駆体のワニスに混合したもの(例えば高分子学
会予稿集(1990)p.807 )、あるいはアクリルモノマーを
ポリイミド前駆体のワニスに混合したもの(例えば特開
平 2-50161)などが挙げられる。
【0019】感光性ポリイミドのうち、光照射した部分
が可溶化する光可溶性ポリイミドとしては、ポリアミド
酸に光分解性の感光基をエステル結合で導入したもの
(例えば特開平 1-61747号公報)、ポリアミド酸にナフ
トキノンジアジド誘導体を添加したもの(例えば高分子
学会予稿集40巻 3号 821(1991))などが挙げられる。
【0020】ナフトキノンジアジド誘導体を感光基とし
て含有するノボラック樹脂は、光可溶性感光性樹脂であ
るが、例えばポリヒドロキシベンゾフェノンとo-ナフト
キノンジアジドスルホン酸のエステルをクレゾールノボ
ラック樹脂に混合したもの、あるいはフェノールノボラ
ック樹脂のナフトキノン-1,2- ジアジド-5- スルホン酸
エステルなどが挙げられる。
【0021】光架橋性アクリル樹脂としては、アクリル
樹脂に多官能アクリレートモノマやオリゴマ、および光
開始剤を添加した光硬化型アクリル樹脂があげられる。
【0022】メラミン樹脂と光酸発生剤を用いる場合に
は、メラミン樹脂としては公知のものが特に制限なく使
用できる。光酸発生剤としては、例えば、BF4 - 、P
6 - 、SbF6 - 、FeCl4 - 、SbCl6 - など
の非求核性アニオンの、アリールジアゾニウム塩、4級
アンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアリ
ールヨードニウム塩などがあげられるがこれらに限定さ
れるものではない。これら光酸発生剤をメラミン樹脂に
添加し、光照射し、その後熱処理すると、光酸発生剤が
発生した酸を触媒としてメラミン樹脂が熱硬化し、光照
射部分のみのメラミン樹脂を硬化させることができる。
【0023】インキ反発性樹脂組成物に含まれるインキ
反発成分としては、画素を形成するインキに対する優れ
た反発性を得るために、極めて低い表面エネルギーのも
のが望ましい。インキの滲みや広がりによる混色を確実
に防止するためには、それら成分の添加によって、イン
キに対して少なくとも20°以上の後退接触角を有する樹
脂層が得られることが必要である。インキ反発性樹脂層
がインキに対し20°未満の後退接触角しか示さないもの
であった場合は、例えば前進接触角が80°を越える場合
においても着色層形成の際にインキが十分に反発され
ず、仕切り柵であるべきインキ反発層の上までインキが
拡がり、その結果、柵の上にインキがはみ出た部分と、
はみ出ない部分によってインキの膜厚にムラを生じ、画
素部分に色ムラを生じる。さらにインキが柵を越えて拡
がった場合、隣接する色と混色して、カラーフィルタと
しての品質が著しく劣ったものとなってしまう。インキ
に対して20°以上の後退接触角を有する樹脂層を得るた
めに用いる低表面エネルギー物質としては、例えばフッ
素化合物、含ケイ素化合物などが有効であるが、それら
に限定されるものではない。
【0024】含フッ素化合物としては、含フッ素基と、
親水基および/または親油基を有するモノマあるいはオ
リゴマ、あるいはフッ素原子を有する高分子化合物など
がある。
【0025】含フッ素基と、親水基および/または親油
基を有するモノマあるいはオリゴマとしては、例えば一
般式(1)〜(6)で表されるものがあるが、特にこれ
らに限定されるものではない。
【0026】
【化1】 これらの中では、一般式(3)および(5)で表される
ものが特に好ましい。フッ素原子を有する高分子化合物
は、黒色樹脂組成物中に溶解してあるいは分子オーダー
で分散して使用すること、あるいは黒色樹脂組成物中に
微粒子状態で分散して使用することのいずれも可能であ
り、例えばテトラフルオロエチレン、3フッ化エチレ
ン、フッ化ビニリデン、フッ化エチレン、クロロトリフ
ルオロエチレン等のフッ素含有モノマのホモポリマ、あ
るいはテトラフルオロエチレンと、パーフルオロアルキ
ルビニルエーテルおよびまたはヘキサフルオロプロピレ
ンおよびまたはエチレンとのコポリマ、あるいはクロロ
トリフルオロエチレンとエチレンのコポリマ等が挙げら
れるが特にこれらに限定されるものではない。
【0027】これらの含フッ素化合物は、単独または二
種以上併用して用いることができる。
【0028】含ケイ素化合物としては、下記一般式
(7)で表される繰り返し単位をもつポリオルガノシル
セスキオキサンを主成分とするシリコーン微粒子が好ま
しく使用され、これらのシリコーン微粒子を黒色樹脂層
中に分散して用いることが有効である。
【0029】
【化2】 これらの含ケイ素化合物は、単独または二種以上併用し
て用いることができる。また、含フッ素化合物と含ケイ
素化合物、あるいは、その他のインキ反発性の成分を併
用しても良い。
【0030】インキ反発性樹脂中、インキ反発成分の含
有量は、そのインキ反発性と塗布性から最適量を決める
ことができる。すなわち、インキ反発成分の含有量が少
なすぎる場合は、十分なインキ反発性が得られず、ま
た、含有量が多すぎる場合は、インキ反発性樹脂層塗布
時にハジキを生じたり、あるいはパターニング時に剥離
が起き、反発層のパターン解像度を劣化させる。インキ
反発成分の含有量は、その種類によって異なるがインキ
反発性樹脂層中の0.1〜30重量%が好ましい。より
好ましくは1〜10重量%である。
【0031】インキ反発性樹脂組成物から形成されるイ
ンキ反発性樹脂層の膜厚は、0.1〜20μmが好まし
い。より好ましくは1.5〜10μmである。
【0032】本発明において用いる感光性樹脂組成物
(インキ反発性樹脂層に積層する場合と、インキ反発性
感光性樹脂組成物として使用する場合の両方を含む)と
しては、従来から公知の感光性樹脂を適用することがで
きるが、インキ反発性感光性樹脂組成物として使用する
場合については、前記で説明したので、ここでは、イン
キ反発性樹脂層に積層する場合について説明する。
【0033】インキ反発性樹脂層に感光性樹脂層を積層
し、感光性樹脂層をパターン化することによって、該イ
ンキ反発性樹脂層をパターン化する場合にも、前述の感
光性樹脂組成物が同様に使用し得るが、特に以下のもの
が好ましい。
【0034】活性な光線を照射することにより可溶化す
る性質を持っている感光性樹脂(ポジ型)の例として
は、ジアゾ化合物の無機塩や有機塩とのコンプレック
ス、キノンジアジド類などを適当なポリマバインダと混
合したもの、例えばポリヒドロキシベンゾフェノンとo-
ナフトキノンジアジドスルホン酸のエステルをクレゾー
ルノボラック樹脂に混合したもの、あるいはキノンジア
ジド類を適当なポリマバインダと結合させた、例えばフ
ェノールノボラック樹脂のナフトキノン-1,2- ジアジド
-5- スルホン酸エステルなどが挙げられる。
【0035】また、露光部が現像液に不溶化するような
性質を持つ感光性樹脂(ネガ型)の例としては、光反応
性の官能基を側鎖に有するポリマ、例えばポリケイ皮酸
ビニル、あるいは光反応性化合物とポリマの混合物、例
えば環化ゴム−ビスアジド系ネガレジストなどがある。
【0036】インキ反発性樹脂層の下に形成される遮光
層としては、Cr等の金属を真空蒸着またはスパッタリ
ングして形成される金属薄膜、あるいはポリイミド等の
樹脂中に黒色着色材料を分散あるいは溶解した黒色樹脂
組成物からなる黒色樹脂層などがある。黒色樹脂層に含
まれる着色成分としては、高い遮光性が得られることが
望ましく、また現像あるいはエッチングによる黒色樹脂
層のパターニング性を損なわないために粒径が1μm以
下の微粒子であることが望ましく、より好ましくは0.
1μm以下のものが望ましい。遮光性の高い微粒子とし
ては例えばカーボンブラック、顔料、染料、およびT
i、Cr、Niなどの金属酸化物の微粒子などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。遮光層の膜
厚は、0.05〜30μmが好ましく、より好ましくは
0.05〜3μmであるが、塗布性、パターン解像度、
光学濃度(OD値)などから最適値を決めることができ
る。OD値は0.5〜4の範囲で可能であるが、本発明
の目的から2.3以上が好ましく、より好ましくは2.
8以上である。
【0037】本発明の透明基板としては、特に限定され
ることなく、例えば、ガラス、プラスチックフィルムま
たはシートなどが好ましく用いられる。
【0038】本発明のカラーフィルタの画素間のインキ
反発性樹脂層をブラックマトリクスと一致した位置に形
成するには、例えば次の様な手段がある。予め所定のパ
ターンにブラックマトリクスの形成されたガラス基板上
に、ディップ法、ローラ等のコータ類、ホエラー、スピ
ナーなどの回転塗布装置を用い、インキ反発性樹脂層を
構成する組成物溶液を塗布・乾燥しインキ反発性樹脂層
を形成する。さらにその上に、ディップ法、ローラ等の
コータ類、ホエラー、スピナーなどの回転塗布装置を用
い、ポジ型(光可溶化型)感光性樹脂組成物溶液を塗布
・乾燥する。次に、ケミカル灯、高圧水銀ランプ、水銀
キセノンランプ、メタルハライドランプ等のランプを用
いて、ガラス裏面からブラックマトリクスをマスクとし
て露光を行う。その後、感光性樹脂層の現像液で現像す
ることで、ブラックマトリクスのパターンに一致した感
光性樹脂層パターンを得ることができる。インキ反発性
樹脂として、感光性樹脂の現像液に溶解するものを選ん
だ場合、感光性樹脂層の現像と同時にインキ反発性樹脂
層にエッチングを施すことができ、所定のパターンにイ
ンキ反発性樹脂を除去することができる。インキ反発性
樹脂が感光性樹脂の現像液に溶解しない場合は、得られ
た感光性樹脂層のパターンをマスクとして、インキ反発
性樹脂層の溶解するエッチング液を用いてエッチングす
る。いずれの方法においても、インキ反発性樹脂層をパ
ターニングした後、感光性樹脂層を全部除去することに
より、所定の形状にインキ反発性樹脂層の除去されたパ
ターンを得ることができる。
【0039】このときのインキ反発性樹脂層のパターン
化には、ポジ型あるいはネガ型の感光性樹脂組成物を用
いて、ガラス基板の表側から露光してもよいが、そのた
めには、ブラックマトリクスと一致したパターンのマス
クを使用する必要があるので、実用的ではない。
【0040】本発明のカラーフィルタの画素間のインキ
反発性樹脂層をブラックマトリクスと一致した位置に形
成するには、あるいは次の様な手段をとることもでき
る。まず、研磨・洗浄されたガラス基板の上に、ディッ
プ法、ローラ等のコータ類、ホエラー、スピナーなどの
回転塗布装置を用い、遮光層を形成する黒色樹脂溶液を
塗布・乾燥し、次いでその上にディップ法、ローラ等の
コータ類、ホエラー、スピナーなどの回転塗布装置を用
い、インキ反発性樹脂層を構成する組成物溶液を塗布・
乾燥しインキ反発性樹脂層を形成する。さらにその上
に、ディップ法、ローラ等のコータ類、ホエラー、スピ
ナーなどの回転塗布装置を用い、感光性樹脂層を構成す
る組成物溶液を塗布・乾燥する。次に、ケミカル灯、高
圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドラ
ンプ等のランプを用いて、所定のパターンのマスクを介
して露光を行う。その後、感光性樹脂層の現像液で現像
することで、感光性樹脂層を所定のパターンに除去す
る。インキ反発性樹脂、黒色樹脂として、感光性樹脂現
像液に溶解するものを選んだ場合、感光性樹脂の現像と
同時にインキ反発性樹脂層、黒色樹脂にエッチングを施
すことができ、所定のパターンにインキ反発性樹脂、黒
色樹脂を除去することができる。インキ反発性樹脂、黒
色樹脂層が感光性樹脂の現像液に溶解しない場合は、得
られた感光性樹脂層のパターンをマスクとして、インキ
反発性樹脂層、黒色樹脂を、それぞれの溶解するエッチ
ング液を用いてエッチングする。いずれの方法において
も、インキ反発性樹脂層をパターニングした後、感光性
樹脂層を全部除去することにより、所定の形状にインキ
反発性樹脂層および黒色樹脂層の除去されたパターン、
すなわちブラックマトリクスに一致したインキ反発性樹
脂パターンを得ることができる。
【0041】本発明のカラーフィルタの画素間のインキ
反発性樹脂層をブラックマトリクスと一致した位置に形
成するには、あるいは次の様な手段をとることもでき
る。予め所定のパターンにブラックマトリクスの形成さ
れたガラス基板上に、ディップ法、ローラ等のコータ
類、ホエラー、スピナーなどの回転塗布装置を用い、光
可溶化型インキ反発性感光性樹脂層を構成する組成物溶
液を塗布・乾燥しインキ反発性感光性樹脂層を形成す
る。次に、ケミカル灯、高圧水銀ランプ、水銀キセノン
ランプ、メタルハライドランプ等のランプを用いて、ガ
ラス裏面からブラックマトリクスをマスクとして露光を
行う。その後、現像液で現像することで、ブラックマト
リクスのパターンに一致したインキ反発性感光性樹脂層
パターンを得ることができる。
【0042】このときのインキ反発性樹脂層のパターン
化には、光可溶化型あるいは光硬化型のインキ反発性樹
脂組成物を用いて、ガラス基板の表側から露光してもよ
いが、そのためには、ブラックマトリクスと一致したパ
ターンのマスクを使用する必要があるので、実用的では
ない。
【0043】本発明のカラーフィルタの画素間のインキ
反発性樹脂層をブラックマトリクスと一致した位置に形
成するには、あるいは次の様な手段をとることもでき
る。まず、研磨・洗浄されたガラス基板の上に、ディッ
プ法、ローラ等のコータ類、ホエラー、スピナーなどの
回転塗布装置を用い、遮光層を形成する黒色樹脂溶液を
塗布・乾燥し、次いでその上にディップ法、ローラ等の
コータ類、ホエラー、スピナーなどの回転塗布装置を用
い、インキ反発性感光性樹脂層を構成する組成物溶液を
塗布・乾燥しインキ反発性感光性樹脂層を形成する。次
に、ケミカル灯、高圧水銀ランプ、水銀キセノンラン
プ、メタルハライドランプ等のランプを用いて、所定の
パターンのマスクを介して露光を行う。その後、現像を
施し、インキ反発性感光性樹脂層を所定のパターンに除
去する。黒色樹脂として、インキ反発性感光性樹脂現像
液に溶解するものを選んだ場合、インキ反発性感光性樹
脂層の現像と同時に黒色樹脂にエッチングを施せ、所定
のパターンに黒色樹脂を除去することができ、黒色樹脂
層がインキ反発性感光性樹脂層の現像液に溶解しない場
合は、得られたインキ反発性感光性樹脂層のパターンを
マスクとして、黒色樹脂を、その溶解するエッチング液
を用いてエッチングすることによって、所定の形状にイ
ンキ反発性感光性樹脂層および黒色樹脂層の除去された
パターン、すなわちブラックマトリクスに一致したイン
キ反発性樹脂パターンを得ることができる。
【0044】インキ反発性樹脂層の除去された部分のサ
イズの相互の比率と形状は、露光に用いるマスクの調整
によって自由に変更することが可能である。本発明は、
液晶表示素子のためのカラーフィルタの提供を目的とし
ている。カラーフィルタの各画素のサイズは60〜80μm
前後であり、各画素間に設けられる遮光性の仕切り、即
ちブラックマトリクスの線幅は20μm前後である。これ
らの画素は線状に配置されたいわゆるストライプタイプ
であったり、ブラックマトリクスに周りを囲まれた着色
部が格子状に配置される場合もある。
【0045】これらのインキ反発性樹脂層のパターンで
細分された部位に、印刷法あるいはインクジェット式イ
ンキ噴射装置を用いて着色するインクジェット法などで
インキ等の着色剤あるいはその部位を染色するための染
料成分を供給して、赤、緑、青の三原色に着色し、カラ
ーフィルタ製造目的を達成するものである。
【0046】印刷法によって着色する場合は、水なし平
版を用いたオフセット印刷などが印刷精度の上で好まし
いが、勿論この方法に限定されるものではない。それら
の印刷法により、インキ反発性樹脂で仕切られた基板露
出部を赤、緑、青の三原色のインキで着色する。
【0047】インクジェット法によって着色する場合
は、着色成分とバインダー樹脂を含むインキを用いるこ
とができる。着色成分としては、耐熱性、耐光性などに
優れた顔料および染料を用いることが好ましい。バイン
ダー樹脂としては、透明で耐熱性に優れた樹脂が好まし
く、例えばメラミン樹脂や、アクリル系樹脂などが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
成分を含むインキを、インクジェット式インキ噴射装置
を用いて噴射し、インキ反発性樹脂除去部分を直接に着
色する。
【0048】インクジェット装置を用いて染料を含むイ
ンキを噴射し、インキ反発性樹脂除去部分を染色しよう
とする場合には、必要に応じて予め感光性樹脂層の下に
可染性媒体を塗布しておく。可染性媒体としては、用い
る染料との親和性の良好な材料を選択することが好まし
い。酸性染料を用いる場合は、例えば、既知の天然高分
子材料であるコラーゲン、カゼイン、ゼラチンのほか、
アミノ基や4級アンモニウム塩を導入したアクリル系ポ
リマー、ポリビニルアルコールなどの合成高分子材料が
適用される。用いる染料としては酸性染料に限定される
ものではなく、塩基性染料、直接染料、油溶性染料およ
び反応性染料などを用いることができる。その場合可染
性媒体としては、用いる染料が染着可能な基を持つもの
を選択することができる。これら可染性媒体上にインキ
反発性樹脂のパターンを上記の方法で作成する。その後
インクジェット法によって染料成分を含むインキを、イ
ンキ反発性樹脂パターンで仕切られた可染性媒体露出部
に噴射することによって可染性媒体層を赤、緑、青の三
原色に染色する。
【0049】印刷法、インクジェット法のいずれを用い
る場合でも、インキ反発性樹脂仕切りによってインキの
広がりが確実に押さえられ、滲み、混色のない高品質の
カラーフィルタが得られる。
【0050】画素形成後、インキ反発性樹脂層は除去す
ることもできるし、除去せずに残しておくこともでき
る。画素の上に表面保護層を形成するときに表面保護層
を形成するための塗布溶液がインキ反発性樹脂層で反発
される場合には、インキ反発性樹脂層は除去することが
望ましい。インキ反発性樹脂層を除去せず、カラーフィ
ルタの恒久的な構成部分として残す場合、インキ反発層
は画素形成後の加熱や洗浄処理などでインキ反発性を失
うこと、および耐熱・耐薬品性に優れた樹脂をバインダ
ーとして用いることが望ましい。
【0051】インキ反発性樹脂層を除去する方法として
は、レジスト剥離剤を用いて剥離または溶解する方法が
簡便である。レジスト剥離剤としては、メチルセロソル
ブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、乳酸エチル、エチルセロソルブアセテー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルなどを用いることが
できる。
【0052】なお、遮光層とインキ反発樹脂層の間に
は、必要に応じて接着性を向上する透明薄膜を塗布して
おくことができる。接着性向上のための透明薄膜として
は、例えば、(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリ
エチレンイミンなどのアミノアルキルアルコキシシラン
誘導体を用いることができるが、これらに限定されるも
のではない。
【0053】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】実施例1 洗浄・乾燥したガラス基板上に、以下の組成を有する黒
色樹脂溶液をスピナーで500 rpm で2sec、次いで1000rp
m で20sec 回転塗布し、 130℃で、30分間加熱乾燥し
た。
【0055】 [黒色樹脂溶液組成] ポリイミド(東レ“セミコファイン”SP710 ) 30重量部 カーボンブラック(三菱化成MA-100) 4重量部 N−メチルピロリドン 66重量部 次にその上に以下の組成を有するインキ反発性樹脂溶液
をスピナーで500rpmで2sec、次いで1000rpm で10sec 回
転塗布し、80℃で、15分間加熱乾燥した。
【0056】 [インキ反発性樹脂溶液組成] スチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10.9 重量部 (共重合比 3/3/4) トリメチロールプロパントリアクリレート 3.9 重量部 エポキシアクリレート 2.6 重量部 フッ素系界面活性剤 (トーケムプロダクツ(株)“EFTOP”EF-123A-1 ) 0.9 重量部 フッ素系界面活性剤 (大日本インキ化学工業“MEGAFAC”F-179 ) 4.5 重量部 クメンヒドロペルオキシド 1.0 重量部 2-ブトキシエタノール 100 重量部 次にその上に以下の組成を有する感光性樹脂溶液をスピ
ナーで1000rpm で10sec 回転塗布し、80℃、10分間加熱
乾燥した。
【0057】 [感光性樹脂溶液組成] ポジ型フォトレジスト(Shipley "Microposit" RC100 30CP)100 重量部 溶剤 (Shipley Thinner C ) 43 重量部 次に線幅20μ、線間80μのストライプパターンのマスク
を真空密着し、ケミカル灯で1分露光した後、Shipley
"Microposit" Deveroper/水=1/5の現像液にて現
像した。このとき、現像液によって感光性樹脂層と同時
に、インキ反発層、黒色樹脂層もエッチングされ、黒色
樹脂製ブラックマトリクスに一致して積層されたインキ
反発性樹脂層パターンを得た。
【0058】次に120 ℃で30min 加熱することによって
インキ反発性樹脂層を熱硬化した後、メチルセロソルブ
アセテートで感光性樹脂層を除去し、その後さらに 150
度20分熱処理を行った。
【0059】赤、緑、青、各色のインキを下記の要領で
調合した。まず、赤色顔料としてPR177 を 5重量部、
界面活性剤“ニューコール” 710F(日本乳化剤(株)
製)5重量部、水79重量部にガラスビーズを加え、ホモ
ジナイザーを用いて10時間攪拌し、顔料分散液を作製し
た。上記分散液89重量部にメラミン樹脂(住友化学
(株)製“スミテックスレジン”M−3)10重量部、硬
化剤(住友化学(株)製“スミテックスアクセレレータ
ー”ACX) 1重量部を混合しカラーフィルタ作製用赤
インキを得た。青インキ(顔料としてPB15を使用)お
よび緑インキ(顔料としてPG36を使用)も同様の方法
で調製した。このインキの、インキ反発性樹脂層に対す
る後退接触角を測定したところ、34°であった。
【0060】上記組成からなるインキを、インキ反発層
および黒色樹脂層の除去された部分の赤、緑、青の画素
を形成すべき部分にインクジェット式インキ噴射装置を
用いて噴射し、それぞれの色に着色した。インキはイン
クジェットに適しており、良好な噴射ができた。
【0061】これらのインキで着色後、150 ℃で20分間
加熱することにより着色部のインキを熱硬化させた。そ
の後、さらに 280℃で30分加熱し、黒色樹脂ブラックマ
トリクスを硬化させた。加熱硬化後の画素平均膜厚は
1.5μmであった。インキ反発層の仕切り壁のインキ反
発性は良好であり、滲み、はみ出し、各色の混合は見ら
れなかった。画素の各部分における膜厚ムラを触針式膜
厚計で測定したところ、膜厚差にして最大 0.1μmであ
った。画素の部分による色ムラを顕微分光器で測定した
ところ、色差にしてΔE≦3であり、高品質のカラーフ
ィルタを得た。
【0062】また、 280℃30分加熱後のインキ反発層と
上記インキの後退接触角は 4゜で、画素形成後の加熱に
よってインキ反発性を除くことが出来た。
【0063】比較例1 洗浄・乾燥したガラス基板上に、以下の組成を有する黒
色樹脂溶液をスピナーで500 rpm で 2sec 、次いで1000
rpm で20sec 回転塗布し、 130℃で、30分間加熱乾燥し
た。
【0064】 [黒色樹脂溶液組成] ポリイミド(東レ“セミコファイン”SP710 ) 30重量部 カーボンブラック(三菱化成MA-100) 4重量部 N−メチルピロリドン 66重量部 次にその上に以下の組成を有するインキ反発成分を含ま
ない比較用樹脂溶液をスピナーで500rpmで2sec、次いで
1000rpm で10sec 回転塗布し、80℃で、15分間加熱乾燥
した。
【0065】 [比較用樹脂溶液組成] スチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10.9 重量部 (共重合比 3/3/4) トリメチロールプロパントリアクリレート 3.9 重量部 エポキシアクリレート 2.6 重量部 クメンヒドロペルオキシド 1.0 重量部 2-ブトキシエタノール 100 重量部 次にその上に以下の組成を有する感光性樹脂溶液を、ス
ピナーで1000rpm で10sec 回転塗布し、80℃、10分間加
熱乾燥した。
【0066】 [感光性樹脂溶液組成] ポジ型フォトレジスト(Shipley "Microposit" RC100 30CP )100 重量部 溶剤 (Shipley Thinner C ) 43 重量部 次に線幅20μ、線間80μのストライプパターンのマスク
を真空密着し、ケミカル灯で1分露光した後、Shipley
"Microposit" Deveroper/水=1/5の現像液にて現
像した。このとき、現像液によって感光性樹脂層と同時
に、比較用樹脂層、黒色樹脂層もエッチングされた。次
に120 ℃で30min 加熱することによって比較用樹脂層と
インキ反発層を熱硬化した後、メチルセロソルブアセテ
ートで感光樹脂層を除去し、その後さらに 150℃で20分
熱処理した。
【0067】この比較用樹脂層と、実施例1記載のイン
キの後退接触角を測定したところ、3 °であった。その
ようにして得られた仕切り柵付基板に、実施例1と同様
の手順で、インクジェット装置を用いて樹脂層除去部分
を赤、青、緑に着色した。インキは樹脂層の仕切りの上
を越えて拡がり、隣接する色が混色し、顕著な色ムラが
生じた。
【0068】実施例2 軟化点 145℃のシクロペンタジエン系樹脂(日石化学
(株)製“日石ネオレジン”540 )50重量部とアルキッ
ド樹脂 5重量部、石油系溶剤(日本石油(株)製5号ソ
ルベント)45重量部を、窒素気流下に混合、加熱昇温し
て 200℃で1時間加熱攪拌してワニスAを得た。このワ
ニスA80重量部とフタロシアニンブルー20重量部を3本
ロールで混練して青インキを得た。緑インキの場合はフ
タロシアニングリーン、赤インキの場合はブリリアント
カーミン6Bを使用して調製した。これらインキと実施
例1で作成したインキ反発性樹脂の後退接触角を測定し
たところ28゜であった。実施例1において作成した、黒
色樹脂製ブラックマトリクスとその上に積層されたイン
キ反発柵付きガラス基板のインキ反発性樹脂除去部分の
赤、緑、青、各色に対応する画素部分を、上記インキと
「東レ水なし平版」を用いた平版オフセット印刷を用い
てそれぞれの色を順に印刷して着色した。インキは水な
し印刷性が良好であった。着色後 120℃30分でインキを
乾燥し、さらに280℃30分加熱して黒色樹脂ブラックマ
トリクスを硬化させた。インキ乾燥後の画素平均膜厚は
1.5μmであった。仕切り壁はインキに対して十分な反
発性を示し、インキの滲み、拡がり、隣接する色との混
合は見られなかった。画素の各部分における膜厚ムラを
測定した結果、膜厚差にして最大 0.1μmで、画素の色
ムラは色差にしてΔE≦3であり高品質のカラーフィル
タを得た。
【0069】実施例3 予めクロムブラックマトリクスが形成されたガラス基板
を洗浄・乾燥し、その上に以下の組成を有するインキ反
発性樹脂溶液をスピナーで500rpmで2sec、次いで1000rp
m で10sec 回転塗布し、100 ℃で、15分間加熱乾燥し
た。
【0070】 [インキ反発性樹脂溶液組成] ポリメチルメタクリレート (デュポン社“ELVACITE”2041) 10重量部 フッ素系界面活性剤 (トーケムプロダクツ(株)“EFTOP”EF-123A-1 ) 0.3 重量部 フッ素系界面活性剤 (大日本インキ化学工業“MEGAFAC”F-179 ) 1.5 重量部 トルエン 100 重量部 その上に実施例1と同様の手順で感光性樹脂層を形成し
た。次に、クロムブラックマトリクスをマスクとして、
ガラス裏面よりケミカル灯で1分露光した後、Shipley
"Microposit" Deveroper/水=1/5の現像液にて現
像し、ブラックマトリクス部に一致した感光性樹脂パタ
ーンを得た。つぎにトルエンを用いてインキ反発性樹脂
層をエッチングし、感光性樹脂層除去部のインキ反発性
樹脂層を除去した。 120℃30分で加熱後、感光性樹脂層
を5%水酸化ナトリウム水溶液で全部剥離し、その後 1
50℃で20分熱処理してブラックマトリクスに一致したイ
ンキ反発性仕切り柵を得た。このインキ反発性樹脂層
と、実施例1記載のインキの後退接触角を測定したとこ
ろ、32°であった。そのようにして得られたインキ反発
性仕切り柵付基板に、実施例1と同様の手順で、インク
ジェット装置を用いてインキ反発性樹脂層除去部分を
赤、青、緑に着色した。その後、150 ℃で20分間加熱す
ることにより着色部のインキを熱硬化させた。加熱硬化
後の画素平均膜厚は1.5μmであった。画素を熱硬化さ
せた後、トルエンで洗浄することでインキ反発性樹脂層
を除去した。
【0071】インキ反発層の仕切り壁のインキ反発性は
良好であり、滲み、はみ出し、各色の混合は見られなか
った。画素の各部分における膜厚ムラを触針式膜厚計で
測定したところ、膜厚差にして最大 0.1μmであった。
画素の部分による色ムラを顕微分光器で測定したとこ
ろ、色差にしてΔE≦3であり、高品質のカラーフィル
タを得た。
【0072】実施例4 予めクロム製ブラックマトリクスを形成したガラス基板
を洗浄・乾燥し、次の組成よりなる水溶性感光材料をス
ピナーで塗布し、乾燥した後全面露光で架橋させて厚さ
1μmの可染性媒体層を形成しておいた。
【0073】 可染性媒体層の組成 低分子量ゼラチン(平均分子量20,000) 15 重量部 重クロム酸アンモニウム 2 重量部 水 85 重量部 その後実施例1と同様の手順でインキ反発性樹脂層塗
布、乾燥、感光性樹脂塗布、乾燥を行った。ついで、ク
ロムのブラックマトリクスをマスクとしてガラス基板裏
面から高圧水銀灯で1分露光、次いでShipley "Micropo
sit" Deveroper/水=1/5の現像液で現像を施す事に
より、感光性樹脂の現像と同時にインキ反発性樹脂層の
エッチングを行った。次に実施例1の手順で、インキ反
発性樹脂層熱硬化、感光性樹脂層剥離、熱処理を行い、
インキ反発性樹脂層の仕切り壁を形成した。
【0074】次の組成の酸性染料を含む赤、緑、青の水
系インキ(酸性染料は、日本化薬のレッド14P、グリー
ン 1P、ブルー 5Pを使用)を調製した。
【0075】 インキ組成 酸性染料 3 重量部 酢酸 10 重量部 水 87 重量部 これらのインキのインキ反発性樹脂に対する後退接触角
は35°であった。これらのインキと、インクジェット装
置を用いて、インキ反発性樹脂除去部分の可染性媒体層
を赤、緑、青のそれぞれの色に着色した。その後、トル
エンで洗浄することによってインキ反発性樹脂層を除去
した。
【0076】インキ反発性黒色樹脂のインキ反発性は良
好であり、インキの滲み、拡がり、各色の混合は見られ
なかった。画素の色ムラを測定したところ、色差にして
ΔE≦3で、高品質なカラーフィルターを得ることがで
きた。
【0077】実施例5 全面にクロムを蒸着したガラス基板上を洗浄乾燥し、そ
の上に以下の組成を有する樹脂液をスピナーで500rpmで
2sec 、 1000rpmで20sec 回転塗布した後、130 ℃で、
30分間プリベークを行った。
【0078】 [インキ反発性樹脂溶液組成] ポリイミド(東レ(株)“セミコファイン” SP710) 30重量部 ポリフッ化ビニリデン 4重量部 N−メチルピロリドン 66重量部 その上に実施例1と同様の手順で感光性樹脂層を形成し
た。次に、線幅20μ、線間80μのストライプパターンの
マスクを真空密着し、ケミカル灯で1分露光した後、Sh
ipley "Microposit" Deveroper/水=1/5の現像液に
て現像した。このとき、現像液によって感光性樹脂層と
同時に、インキ反発層も現像され、露光に用いたマスク
と同じパターンの感光性樹脂とインキ反発層のパターン
を得た。次に、基板をクロム用エッチング液(ナカライ
テスク(株)製)で1分間エッチングすると、クロムが
エッチングされ感光性樹脂層、インキ反発層と一致した
パターンのブラックマトリクスを得た。 120℃30分で熱
乾燥後、メチルセロソルブアセテートで感光性樹脂層剥
離を行い、ブラックマトリクスの上に一致したパターン
のインキ反発性仕切り柵を得ることができた。 120℃30
分乾燥後、このインキ反発樹脂層に対する実施例1記載
のインキの後退接触角を測定したところ、25°であっ
た。そのようにして得られたインキ反発性仕切り柵付基
板に、実施例1と同様の手順で、インクジェット装置を
用いてインキ反発性樹脂層除去部分を赤、青、緑に着色
した。画素形成後、 150℃20分で画素を熱硬化し、更に
280℃ 30minでインキ反発性樹脂層を加熱硬化した。硬
化後の画素の平均膜厚は 1.5μmであった。
【0079】インキ反発性樹脂層の仕切り壁のインキ反
発性は良好であり、滲み、はみ出し、各色の混合は見ら
れなかった。画素の各部分における膜厚ムラを測定した
ところ、膜厚差にして最大 0.1μm、色ムラは色差にし
てΔE≦3であり、高品質のカラーフィルタを得た。
【0080】実施例6 洗浄・乾燥したガラス基板上に、以下の組成を有する黒
色樹脂溶液をスピナーで500 rpm で 2sec 、次いで1000
rpm で20sec 回転塗布し、 130℃で、30分間加熱乾燥し
た。
【0081】 [黒色樹脂溶液組成] ポリイミド(東レ“セミコファイン”SP710 ) 30重量部 カーボンブラック(三菱化成MA-100) 4重量部 N−メチルピロリドン 66重量部 次にその上に以下の組成を有する感光性樹脂溶液を、ス
ピナーで1000rpm で10sec 回転塗布し、90℃、10分間加
熱乾燥した。
【0082】 [感光性樹脂溶液組成] ポジ型フォトレジスト(Shipley "Microposit" RC100 30CP )100 重量部 溶剤 (Shipley Thinner C ) 43 重量部 次にパターンマスク(線幅30μ、縦100 μ、横60μの格
子状パターン)を真空密着し、ケミカル灯で1分露光し
た後、Shipley "Microposit" Deveroper/水=1/5の
現像液にて現像した。このとき、現像液によって感光性
樹脂層と同時に、黒色樹脂層もエッチングされた。 120
℃30分加熱後、感光性樹脂層をメチルセロソルブアセテ
ートで除去した後、 280℃30分加熱して樹脂製ブラック
マトリクスを硬化させた。
【0083】その上に以下の組成を有するインキ反発性
樹脂液をスピナーで回転数500rpmで10sec 、 3000rpmで
30sec 回転塗布した後、80℃で、30分間プリベークを行
った。
【0084】 [インキ反発性樹脂溶液組成] スチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10.9 重量部 (共重合比 3/3/4) トリメチロールプロパントリアクリレート 3.9 重量部 エポキシアクリレート 2.6 重量部 4フッ化エチレン微粒子“ルブロン”LD-100(ダイキン製) 2.0 重量部 クメンヒドロペルオキシド 1.0 重量部 2-ブトキシエタノール 100 重量部 その上に実施例1と同様の手順で感光性樹脂層を形成し
た。次に、黒色樹脂製ブラックマトリクスをマスクとし
て、ガラス裏面よりケミカル灯で露光した後、実施例1
の手順で現像を行った後、インキ反発性樹脂層を 120℃
30分加熱硬化、感光性樹脂層をメチルセロソルブアセテ
ートで剥離し、ブラックマトリクスに一致したインキ反
発性仕切り柵を得た。 120℃30分加熱後、このインキ反
発性樹脂層と、実施例1記載のインキの後退接触角を測
定したところ、33°であった。そのようにして得られた
インキ反発性仕切り柵付基板に、実施例1と同様の手順
で、インクジェット装置を用いてインキ反発性樹脂層除
去部分を赤、青、緑に着色し、着色層を150 ℃15分加熱
硬化を行った。その後、さらに 280℃で30分加熱した。
画素の平均膜厚は 1.5μmであった。
【0085】インキ反発樹脂仕切り壁のインキ反発性は
良好であり、滲み、はみ出し、各色の混合は見られなか
った。画素各部分での膜厚ムラを測定したところ、膜厚
差にして最大 0.1μmであり、画素の色ムラは色差にし
てΔE≦3で、高品質のカラーフィルタを得た。
【0086】実施例7 洗浄・乾燥したガラス基板上に、以下の組成を有する黒
色樹脂溶液をスピナーで500 rpm で 2sec 、次いで1000
rpm で20sec 回転塗布し、130 ℃で、20分間加熱乾燥し
た。
【0087】 [黒色樹脂溶液組成] ポリイミド(東レ“セミコファイン”SP710 ) 30重量部 カーボンブラック(三菱化成MA-100) 4重量部 N−メチルピロリドン 66重量部 その上に以下の組成を有する樹脂液をスピナーで回転数
500rpmで10sec 、次いで3000rpmで30sec 回転塗布した
後、130 ℃で、30分間プリベークを行った。
【0088】 [インキ反発性樹脂液組成] ポリメチルメタクリレート (デュポン社“ELVACITE”2041) 30重量部 シリコーン微粒子 (東芝シリコーン(株)製“トスパール”120 ) 30重量部 トルエン 40重量部 その上に実施例1と同様の手順で感光性樹脂層塗布、露
光、現像を行い、感光性樹脂層のパターニングを行っ
た。次に得られた感光性樹脂層のパターンをマスクとし
て、トルエンを用いてインキ反発性層をエッチングし
た。次に、感光性樹脂およびインキ反発性樹脂のパター
ンをマスクとし、Shipley "Microposit" Developer/水
=1/5の溶液を用いて黒色樹脂層をエッチングした。
ついで実施例1と同様の手順で加熱後に感光性樹脂層の
剥離を行い、ブラックマトリクスに一致したインキ反発
性仕切り柵を得た。 120℃30分乾燥後、このインキ反発
性樹脂層と実施例1記載のインキの後退接触角を測定し
たところ、34°であった。
【0089】そのようにして得られたインキ反発性仕切
り柵付基板に、実施例1と同様の手順で、インクジェッ
ト装置を用いてインキ反発性樹脂層除去部分を赤、青、
緑に着色した。インキ反発性樹脂層の仕切り壁のインキ
反発性は良好であり、滲み、はみ出し、各色の混合は見
られなかった。次いで 150℃20分でインキの硬化を行っ
た。画素形成後、トルエンで洗浄する事により、インキ
反発性樹脂層を除去した。その後、さらに 280℃で30分
加熱し、黒色樹脂ブラックマトリクスを硬化させた。熱
硬化後の画素の平均膜厚は 1.5μmであった。
【0090】画素の各部分の膜厚ムラを測定したとこ
ろ、膜厚差にして最大 0.1μmであった。画素の各部分
の色ムラは、色差にしてΔE≦3で、高品質のカラーフ
ィルタを得た。
【0091】実施例8 洗浄・乾燥したガラス基板上に、以下の組成を有する黒
色樹脂溶液をスピナーで500 rpm で 2sec 、次いで1000
rpm で20sec 回転塗布し、 130℃で、20分間加熱乾燥し
た。
【0092】 [黒色樹脂溶液組成] ポリイミド(東レ“セミコファイン”SP710 ) 30重量部 カーボンブラック(三菱化成MA-100) 4重量部 N−メチルピロリドン 66重量部 次にその上に以下の組成を有するインキ反発性感光性樹
脂溶液をスピナーで500rpmで2sec、次いで1000rpm で10
sec 回転塗布し、80℃で、15分間加熱乾燥した。
【0093】 [インキ反発性感光性樹脂溶液組成] スチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10.9重量部 (共重合比 3/3/4) トリメチロールプロパントリアクリレート 3.9重量部 エポキシアクリレート 2.6重量部 フッ素系界面活性剤 (トーケムプロダクツ(株)“EFTOP”EF-123A-1 ) 0.9重量部 フッ素系界面活性剤 (大日本インキ化学工業“MEGAFAC”F-179 ) 4.5重量部 イルガキュア 369 0.8重量部 イルガキュア 907 0.8重量部 トリチオフォスファイト 0.5重量部 2-ブトキシエタノール 100.0重量部 次に所定のパターンマスクを真空密着しケミカル灯で 2
10mJ/cm 2 露光し、Shipley "Microposit" Deveroper/
水=1/5の現像液で現像した。その際、黒色樹脂層も
インキ反発性感光性樹脂層の現像と共にエッチングさ
れ、黒色樹脂によるブラックマトリクスとそれに一致し
て積層されたインキ反発性樹脂層のパターンが得られ
た。現像後、 150℃30分乾燥した。このインキ反発性樹
脂層と実施例1記載のインキの後退接触角を測定したと
ころ、33°であった。
【0094】そのようにして得られたインキ反発性仕切
り柵付基板に、実施例1と同様の手順で、インクジェッ
ト装置を用いてインキ反発性樹脂層除去部分を赤、青、
緑に着色した。インキ反発性樹脂層の仕切り壁のインキ
反発性は良好であり、滲み、はみ出し、各色の混合は見
られなかった。次いで 150℃20分でインキの硬化を行っ
た。その後、さらに 280℃で30分加熱し、黒色樹脂ブラ
ックマトリクスを硬化させた。熱硬化後の画素の平均膜
厚は 1.5μmであった。
【0095】画素の各部分の膜厚ムラを測定したとこ
ろ、膜厚差にして最大 0.1μmであった。画素の各部分
の色ムラは、色差にしてΔE≦3で、高品質のカラーフ
ィルタを得た。
【0096】実施例9 予めクロムブラックマトリクスが形成されたガラス基板
を洗浄・乾燥し、その上に以下の組成を有するインキ反
発性感光性樹脂溶液をスピナーで1000rpm で10sec で塗
布し、90℃で、10分間加熱乾燥した。
【0097】 [インキ反発性感光性樹脂溶液] ポジ型フォトレジスト(Shipley "Microposit" RC100 30CP )100 重量部 溶剤 (Shipley Thinner C ) 43 重量部 フッ素系界面活性剤 (トーケムプロダクツ(株)“EFTOP”EF-123A-1 ) 1.0 重量部 フッ素系界面活性剤 (大日本インキ化学工業“MEGAFAC”F-179 ) 5.0 重量部 次に、ブラックマトリクスをマスクとして、ガラス裏面
よりケミカル灯で1分露光した後、Shipley "Microposi
t" Deveroper/水=1/5の現像液にて現像することに
よって、クロムブラックマトリクスに一致したインキ反
発性感光性樹脂パターンを得た。現像後 120℃で30分熱
処理を行った。このインキ反発性樹脂層と実施例1記載
のインキの後退接触角を測定したところ、72°であっ
た。
【0098】そのようにして得られたインキ反発性仕切
り柵付基板に、実施例1と同様の手順で、インクジェッ
ト装置を用いてインキ反発性樹脂層除去部分を赤、青、
緑に着色した。インキ反発性樹脂層の仕切り壁のインキ
反発性は良好であり、滲み、はみ出し、各色の混合は見
られなかった。次いで 150℃20分でインキの硬化を行っ
た。熱硬化後の画素の平均膜厚は 1.5μmであった。
【0099】画素の各部分の膜厚ムラを測定したとこ
ろ、膜厚差にして最大 0.1μmであった。画素の各部分
の色ムラは、色差にしてΔE≦3で、高品質のカラーフ
ィルタを得た。
【0100】実施例10 洗浄・乾燥したガラス基板上に、以下の組成を有する黒
色樹脂溶液をスピナーで200rpmで2sec、次いで700rpmで
10sec 回転塗布し、130 ℃で、30分間加熱乾燥した。
【0101】 [黒色樹脂溶液組成] ポリイミド(東レ“セミコファイン”SP710 ) 30重量部 カーボンブラック(三菱化成MA-100) 4重量部 N−メチルピロリドン 66重量部 次にその上に以下の組成を有するインキ反発性感光性樹
脂溶液をスピナーで400rpmで2sec、次いで、1000rpm で
10sec 回転塗布し、90℃で、10分間加熱乾燥した。
【0102】 [インキ反発性感光性樹脂溶液] ポジ型フォトレジスト(東京応化PMER P-6030PM-N ) 63.7重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 33.0重量部 フッ素系界面活性剤 (トーケムプロダクツ(株)“EFTOP”EF-123A-1 ) 0.3重量部 フッ素系界面活性剤 (大日本インキ化学工業“MEGAFAC”F-179 ) 3.0重量部 次に所定のパターンマスクを真空密着しケミカル灯で21
0mJ/cm2 露光し、Shipley "Microposit" Deveroper/水
=1/5の現像液で現像した。その際、黒色樹脂層もイ
ンキ反発性感光性樹脂層の現像と共にエッチングされ、
黒色樹脂によるブラックマトリクスとそれに一致して積
層されたインキ反発性樹脂層のパターンが得られた。現
像後、120 ℃30分で熱乾燥した。このインキ反発性樹脂
層と実施例1記載のインキの後退接触角を測定したとこ
ろ、72°であった。
【0103】そのようにして得られたインキ反発性仕切
り柵付基板に実施例1と同様の手順で、インクジェット
装置を用いてインキ反発性樹脂層除去部分を赤、青、緑
に着色した。インキ反発性樹脂層の仕切り壁のインキ反
発性は良好であり、滲み、はみ出し、各色の混合は見ら
れなかった。次いで、120 ℃15分でインキの硬化を行っ
た。インキ反発性感光性樹脂層をレジスト剥離液(メチ
ルセロソルブアセテート)で剥離し、90℃で20分間加熱
乾燥の後、さらに280 ℃で30分加熱し、黒色樹脂ブラッ
クマトリクスを硬化させた。熱硬化後の画素および遮光
領域の平均膜厚は1.5 μmであった。
【0104】画素の各部分の膜厚ムラを測定したとこ
ろ、膜厚差にして最大0.1 μmであった。画素の各部分
の色ムラは、色差にしてΔE≦3で、高品質のカラーフ
ィルタを得た。
【0105】実施例11 予めクロムブラックマトリクスが形成されたガラス基板
を洗浄・乾燥し、その上に以下の組成を有するインキ反
発性感光性樹脂溶液をスピナーで1000rpm で10sec で塗
布し、90℃で、10分間加熱乾燥した。
【0106】 [インキ反発性感光性樹脂溶液] ポジ型フォトレジスト(東京応化 PMER P-6030PM-N) 63.7重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 33.0重量部 フッ素系界面活性剤 (トーケムプロダクツ(株)“EFTOP”EF-123A-1 ) 0.3重量部 フッ素系界面活性剤 (大日本インキ化学工業“MEGAFAC”F-179 ) 3.0重量部 次に、ブラックマトリクスをマスクとして、ガラス裏面
よりケミカル灯で1分露光した後、Shipley "Microposi
t" Deveroper/水=1/5の現像液にて現像することに
よって、クロムブラックマトリクスに一致したインキ反
発性感光性樹脂パターンを得た。現像後 120℃で30分熱
処理を行った。このインキ反発性樹脂層と実施例1記載
のインキの後退接触角を測定したところ、72°であっ
た。
【0107】そのようにして得られたインキ反発性仕切
り柵付基板に、実施例1と同様の手順で、インクジェッ
ト装置を用いてインキ反発性樹脂層除去部分を赤、青、
緑に着色した。インキ反発性樹脂層の仕切り壁のインキ
反発性は良好であり、滲み、はみ出し、各色の混合は見
られなかった。次いで 120℃15分でインキを熱硬化し
た。インキ反発性感光性樹脂層をレジスト剥離液(メチ
ルセロソルブアセテート)で剥離し、90℃で20分乾燥の
後、次いで150 ℃20分で加熱し、画素部を完全硬化し
た。熱硬化後の画素の平均膜厚は 1.5μmであった。
【0108】画素の各部分の膜厚ムラを測定したとこ
ろ、膜厚差にして最大 0.1μmであった。画素の各部分
の色ムラは、色差にしてΔE≦3で、高品質のカラーフ
ィルタを得た。
【0109】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成を有するた
め、印刷法やインクジェット法によってカラーフィルタ
を製造する場合にも、インキの滲みや混色が確実に防止
され、画素の膜厚ムラ、色ムラの無いカラーフィルタを
提供することができる。これによって印刷法やインクジ
ェット法を用いて、非常に低コストで高精度なカラーフ
ィルタが得られる。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上の所定位置に、複数色の画素お
    よび、該画素の間隙に遮光領域を有するカラーフィルタ
    の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とす
    るカラーフィルタの製造方法。 (A)透明基板上の画素の間隙に相当する部分に遮光領
    域を形成する工程。 (B)該遮光領域が形成された透明基板上に、インキ反
    発性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより、画素を形
    成するための着色インキに対して20°以上の後退接触角
    を有するインキ反発性樹脂層を形成する工程。 (C)該インキ反発性樹脂層の上に、光照射した部分が
    可溶化する感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することによ
    り感光性樹脂層を形成する工程。 (D)透明基板の裏側から、遮光領域をマスクとして感
    光性樹脂層の露光、現像を行ない、遮光領域に一致した
    感光性樹脂層のパターンを形成する工程。 (E)該感光性樹脂層の現像と同時に、または該感光性
    樹脂層のパターンをマスクとして、該インキ反発性樹脂
    層のエッチングを行なった後、該感光性樹脂層を全部除
    去して、遮光領域に一致したインキ反発性樹脂層のパタ
    ーンを形成する工程。 (F)インキ反発性樹脂層の除去部分を着色インキを用
    いて着色し、複数色の画素を形成する工程。
  2. 【請求項2】透明基板上の所定位置に、複数色の画素お
    よび、該画素の間隙に遮光領域を有するカラーフィルタ
    の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とす
    るカラーフィルタの製造方法。 (A)透明基板上に遮光層を形成する工程。 (B)該遮光層の上に、インキ反発性樹脂組成物を塗
    布、乾燥することにより、画素を形成するための着色イ
    ンキに対して20°以上の後退接触角を有するインキ反発
    性樹脂層を形成する工程。 (C)該インキ反発性樹脂層の上に、感光性樹脂組成物
    を塗布、乾燥することにより感光性樹脂層を形成する工
    程。 (D)該感光性樹脂層を所定のマスクを用いて露光、現
    像を行ない、画素に相当する部分の感光性樹脂層を除去
    することによって感光性樹脂層のパターンを形成する工
    程。 (E)該感光性樹脂層の現像と同時に、または該感光性
    樹脂層のパターンをマスクとして、インキ反発性樹脂層
    および遮光層のエッチングを行ない、画素に相当する部
    分のインキ反発性樹脂層および遮光層を除去した後、該
    感光性樹脂層を全部除去することによって、遮光領域お
    よびそれに一致したインキ反発性樹脂層のパターンを形
    成する工程。 (F)インキ反発性樹脂層および遮光層の除去部分を着
    色インキを用いて着色し、複数色の画素を形成する工
    程。
  3. 【請求項3】透明基板上の所定位置に、複数色の画素お
    よび、該画素の間隙に遮光領域を有するカラーフィルタ
    の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とす
    るカラーフィルタの製造方法。 (A)透明基板上の画素の間隙に相当する部分に遮光領
    域を形成する工程。 (B)該遮光領域が形成された透明基板上に、光照射し
    た部分が可溶化するインキ反発性感光性樹脂組成物を塗
    布、乾燥することにより、画素を形成するための着色イ
    ンキに対して20°以上の後退接触角を有するインキ反発
    性感光性樹脂層を形成する工程。 (C)透明基板の裏側から、遮光領域をマスクとして該
    インキ反発性感光性樹脂層の露光、現像を行ない、遮光
    領域に一致したインキ反発性感光性樹脂層のパターンを
    形成する工程。 (D)インキ反発性感光性樹脂層の除去部分を着色イン
    キを用いて着色し、複数色の画素を形成する工程。
  4. 【請求項4】透明基板上の所定位置に、複数色の画素お
    よび、該画素の間隙に遮光領域を有するカラーフィルタ
    の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とす
    るカラーフィルタの製造方法。 (A)透明基板上に遮光層を形成する工程。 (B)該遮光層の上に、インキ反発性感光性樹脂組成物
    を塗布、乾燥することにより、画素を形成するための着
    色インキに対して20°以上の後退接触角を有するインキ
    反発性感光性樹脂層を形成する工程。 (C)該インキ反発性感光性樹脂層を所定のマスクを用
    いて露光、現像を行ない、画素に相当する部分のインキ
    反発性感光性樹脂層を除去することによって、インキ反
    発性感光性樹脂層のパターンを形成する工程。 (D)該インキ反発性感光性樹脂層の現像と同時に、ま
    たは該インキ反発性感光性樹脂層のパターンをマスクと
    して、遮光層のエッチングを行ない、画素に相当する部
    分の遮光層を除去することによって、遮光領域を形成す
    る工程。 (E)インキ反発性感光性樹脂層および遮光層の除去部
    分を着色インキを用いて着色し、複数色の画素を形成す
    る工程。
  5. 【請求項5】遮光領域をポリイミドを含む黒色樹脂組成
    物を用いて形成することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】インキ反発性樹脂組成物またはインキ反発
    性感光性樹脂組成物が、ポリイミドを含有することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィル
    タの製造方法。
  7. 【請求項7】感光性樹脂組成物またはインキ反発性感光
    性樹脂組成物が、光照射した部分が可溶化する感光性ポ
    リイミドを含有することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 【請求項8】感光性樹脂組成物またはインキ反発性感光
    性樹脂組成物が、光照射した部分が不溶化する感光性ポ
    リイミドを含有することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 【請求項9】感光性樹脂組成物またはインキ反発性感光
    性樹脂組成物が、ナフトキノンジアジド誘導体を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカ
    ラーフィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】感光性樹脂組成物またはインキ反発性感
    光性樹脂組成物が、メラミン樹脂と光酸発生剤を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカ
    ラーフィルタの製造方法。
  11. 【請求項11】感光性樹脂組成物またはインキ反発性感
    光性樹脂組成物が、光架橋型の感光性アクリル樹脂を含
    有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のカラーフィルタの製造方法。
  12. 【請求項12】インキ反発性樹脂組成物またはインキ反
    発性感光性樹脂組成物が、含フッ素化合物および/また
    は含ケイ素化合物を含有することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】含フッ素化合物が、含フッ素基と、親水
    基および/または親油基を有するモノマまたはオリゴマ
    であることを特徴とする請求項12記載のカラーフィル
    タの製造方法。
  14. 【請求項14】含フッ素基と、親水基および/または親
    油基を有するモノマまたはオリゴマが、 一般式 Rf−X−Rf´、または 一般式 (Rf−X−R)−Y−(R´−X´−Rf
    ´) で表される化合物であることを特徴とする請求項13記
    載のカラーフィルタ。(ここで、RfおよびRf´はフ
    ルオロアルキル基、RおよびR´はアルキレン基を表
    し、RfとRf´また、RとR´は同一でも異なってい
    ても良い。また、X、X´およびYは、−COO−、−
    OCOO−、−CONR''−、−OCONR''−、−S
    2 NR''−、−SO2 −、−SO2 O−、−O−、−
    NR''−、−S−、−CO−、OSO2 O−、−OPO
    (OH)O−のうちのいずれかを表し、X、X´および
    Yは同一でも異なっていても良い。R''はアルキル基ま
    たは水素を表す。)
  15. 【請求項15】フッ素化合物が、フッ素原子を有する高
    分子化合物であることを特徴とする請求項12記載のカ
    ラーフィルタの製造方法。
  16. 【請求項16】フッ素原子を有する高分子化合物が、イ
    ンキ反発性樹脂組成物中に、溶解状態または分子オーダ
    ーでの混合状態で含まれていることを特徴とする請求項
    15記載のカラーフィルタの製造方法。
  17. 【請求項17】フッ素原子を有する高分子化合物が、イ
    ンキ反発性樹脂組成物中に、微粒子状の分散状態で含ま
    れていることを特徴とする請求項15記載のカラーフィ
    ルタの製造方法。
  18. 【請求項18】含ケイ素化合物が、シリコーン微粒子で
    あることを特徴とする請求項12記載のカラーフィルタ
    の製造方法。
  19. 【請求項19】シリコーン微粒子が、インキ反発性樹脂
    組成物中に分散状態で含まれていることを特徴とする請
    求項18記載のカラーフィルタの製造方法。
  20. 【請求項20】着色インキを用いて着色する方法が、イ
    ンクジェット式インキ噴射装置を用いた方法であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフ
    ィルタの製造方法。
  21. 【請求項21】着色インキを用いて着色する方法が、印
    刷法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  22. 【請求項22】複数色の画素を形成する工程の後に、イ
    ンキ反発性樹脂層またはインキ反発性感光性樹脂層を除
    去する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  23. 【請求項23】インキ反発性樹脂層またはインキ反発性
    感光性樹脂層を剥離または溶解することにより除去する
    ことを特徴とする請求項22記載のカラーフィルタの製
    造方法。
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