JPH0783991B2 - 用紙切断装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ファクシミリ装置，印刷装置など長尺の、例
えばロール状の印刷用紙を切断する用紙切断装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来の用紙切断装置は、例えば相互に角度をもって対向
するそれぞれ直線状の固定刃および移動刃を有する。固
定刃および移動刃の長さは走行する用紙の幅より大き
く、用紙は対向する刃の間隙を走行する。固定刃および
移動刃が形成する角度は移動刃が移動するとき刃の押接
箇所が一方の端から他方の端へ移動して鋏作用をなし、
二つの刃の間に停止した用紙を載断する。

〔発明が解決しようとする問題点〕 上述のように従来の用紙切断装置は鋏構造であり、用紙
幅以上の長さの直線状の固定刃および移動刃を切断刃と
して備え、交叉させて一端から他端へ載断点を移動しつ
つ用紙を切断する構造を有するので用紙が大きくなるに
従って長く大型になる刃は通常金属材のため重くなり、
小型化したにも拘わらず移動に不便であるという問題点
があった。

本発明の目的は上記問題点を解決した用紙切断装置を提
供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による用紙切断装置は用紙走行路，支持柱体，お
よび刃保持体を有する。用紙走行路は案内穴および当て
台を、また刃保持体は切断刃および押面をそれぞれ有す
る。

案内穴は用紙方向の対向する側面を形成する側壁のそれ
ぞれに備えられ、当て台は前記案内穴を結ぶ用紙走行面
上に所定の幅と、少くとも用紙幅の長さをもって直線帯
形状をなす。支持柱体は前記案内穴に両端を遊嵌させ、
用紙走行路に弾性体をもって結合すると共に前記案内穴
の大きさの範囲で用紙走行面に角度をもって遊動する直
柱形状をなす。刃保持体は前記支持柱体の横断面周囲の
少くとも一部を回動不能に把持し且つ支持柱体の長さ方
向に滑動自在に嵌合する。切断刃は円盤形状をなし、前
記支持柱体が遊動する面にほぼ平形で円盤の中心を回動
軸として回動自在に刃保持体に結合する。押面は刃保持
体を指で押動させる上部の面をなす。前記切断刃と当て
台との間隙は平常状態で少くとも載断する用紙の厚さを
有する。

〔実施例〕

次に本発明の用紙切断機構について図面を参照して説明
する。

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２図は第１
図の刃保持体の刃軸の中心線を含む用紙走行路面に対す
る垂直面による断断面図である。

第１図に第２図を併せ参照して本発明について説明す
る。図において、用紙10が走行する用紙走行路20を横断
する支持柱体30を刃保持体40が把持する。

用紙走行路20は側壁21,案内穴22,当て台23および走行面
24を有する。側壁21は用紙走行路20の両側壁をなし、用
紙走行方向に垂直な直線上で対向する案内穴22を有す
る。案内穴22は支持柱体30により貫通され、支持柱体30
が上下に移動可能な大きさを有する。当て台23は支持柱
体30に滑動自在に配備される刃保持体40の切断刃41に押
設され、切断刃41が接触しつつ走行する走行面24に所定
の幅の直線帯状の面を形成する。

支持柱体30は刃走行溝31を有し、弾性体32としてのコイ
ルばねにより側壁21に吊着固定され両端は案内穴22を貫
通する。案内穴22の左右幅は支持柱体30にほぼ接し余裕
ある上下方向に対してだけ弾性体32の弾性つきで支持柱
体30が移動できる。刃走行溝31は用紙10の幅の長さを有
し用紙走行面24にほぼ平行な貫通穴である。

刃保持体40は鞍形の本体に切断刃41,刃軸42,および押面
43を有し、支持柱体30に回動不能に跨り、支持柱体30の
長さ方向に滑走自在である。切断刃41は円盤形状をな
し、円盤面は支持柱体30での滑走方向にほぼ平行で、用
紙走行方向には垂直をなすと共に、刃軸42により回動自
在に刃保持体40に固定される。刃軸42は刃保持体40の下
部に支持柱体30の刃走行溝31を貫通して本体と共に支持
柱体30を把持する。また押面43は指先で刃保持体40を押
し下げて切断刃41の刃を当て台23に押圧しつつ、次いで
当て台23上を移動させる。

すなわち、弾性体32は用紙走行面24上を矢印Ａ方向に用
紙10が走行する間隙を維持する切断刃41の位置を決める
べく支持柱体30を矢印Ａ方向の用紙走行面にほぼ垂直な
矢印ｂ方向に弾性を有し、少くとも矢印Ｂ方向へ押面43
の応力により刃保持体40が押されたときは切断刃41を当
て台23に接し、一方応力が去ったときは所定位置まで切
断刃41を戻す。

従って、用紙走行面24上に停止する用紙10に、押面43を
押下げて切断刃41を当て台23に当てたのち支持柱体30に
添った矢印Ｃ方向に押当てた刃保持体40を移動すると
き、切断刃41は当て台23との間の用紙10を走行方向の矢
印Ａにほぼ垂直に載断する。柱体案内穴22は刃保持体40
の移動および弾性体32による支持柱体30の移動範囲を有
する大きさをもつ。切断刃41が側壁の外側に出ないよう
に、押面の大きさは柱体案内穴22より大きな構造を有す
るが、この図示した構造に限定されるものではない。ま
た、円形の切断刃41が少くとも用紙10の幅だけ当て台23
と接するため用紙走行案内構造（図示されず）が必要と
なる。通常はロール状の記録紙が所定位置に配設されて
用紙の送りがあれば用紙走行路20を走行する用紙位置は
ほぼ決定される。

用紙走行案内機構の一実施例としては、支持柱体の配設
場所近遍で走行面24上に用紙幅を残した突起物を有する
構成がある。

上記実施例では支持柱体が用紙走行方向に垂直に配設さ
れ、例えば通常の複写記録機に適合するように図示し説
明されたが、傾斜した位置でもよい。案内穴は貫通穴で
図示し説明されたが、凹穴または溝構造で支持柱体を上
部から挿入配設し弾性体で結合してもよい。案内穴の上
下方向は平行する対向面（辺）であれば用紙走行面に垂
直である必要はないが切断刃の円盤面は斜めに対向面に
平行であることが望ましく、また垂直面に対して鋭角で
あることが望ましい。支持柱体が直方柱体で図示されて
いるが円柱・円筒形状でもよく断面形状は上記説明によ
り限定されるものではない。従って刃走行溝が貫通穴で
図示し説明されたが、両側面での溝形状で十分であり、
また支持柱体の底面を直接把握し、溝を設けなくてもよ
い。この場合は支持柱体の上面を刃保持体が直接接して
滑走する。弾性体がコイルばねで図示し説明されたが、
上記説明の弾着機能が満足されればどのような弾性体で
もよい。すなわち、支持柱体が弾性体と案内穴による遊
び構造により把着された刃保持体の切断刃を平常は当て
台から間隙をもつ位置に配し、押面を指で押圧して刃保
持体を押動することにより用紙が載断できる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本考案の用紙切断装置は、用紙走行
路上部を横断する支持柱体が弾性体の弾性により、支持
柱体に滑走自在に装備された刃保持体を手動で上下に移
動する遊び構造を有し、刃保持体を押下したとき刃保持
体に装着された円盤形の切断刃が用紙走行面の当て台に
圧接して移動するとき間に挾まれた用紙が載断されるの
で、構造が単純であり、従って切断刃の取替えも容易で
あると共に、単純構造のまま大きなサイズまでの機構形
成ができ、小形化・軽量化が実現できるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の用紙切断装置の一実施例を示す斜視
図、第２図は第１図の断面図である。 10……用紙、20……走行路、21……側壁、22……案内
穴、23……当て台、24……走行面、30……支持柱体、32
……弾性体、40……刃保持体、41……切断刃、42……刃
軸、43……押面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】用紙走行路に停止する用紙を載断する用紙
   切断装置において、用紙走行方向の対向する側面を形成
   する側壁それぞれに案内穴を、且つこの案内穴を結ぶ用
   紙走行面上に所定の幅および少くとも用紙幅の長さをも
   って直線帯形状をなす当て台を、それぞれ備える用紙走
   行路と、前記案内穴に両端を遊嵌させて用紙走行路に弾
   性体をもって弾着し前記案内穴によって用紙走行面に角
   度をもって遊動する直柱形状の支持柱体と、この支持柱
   体の横断面周囲の少くとも一部を回動不能に把持し且つ
   支持柱体の長さ方向に滑動自在に嵌合すると共に、前記
   支持柱体が遊動する面にほぼ垂直な回動軸を中心に回転
   する円盤形状の切断刃を備え且つ上面を指の押面に形成
   する刃保持体と、平常状態で前記切断刃と当て台との間
   に少くとも用紙の厚さだけの間隙とを有することを特徴
   とする用紙切断装置。