JPS6235162Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、磁気録音再生機のピンチローラー
保持案内装置の改良に関するものである。

磁気録音再生機によつて、カードあるいはシー
ト状の薄板表面に磁気記録媒体のあるものを録音
や再生のために給送するには、定速回転するキヤ
プスタンとそれに対向するピンチローラーによつ
てカードあるいはシート等を挟み、摩擦力により
接線方向に移送させるように構成したものが従来
から知られている。

また、カードあるいはシート等がその移送中に
磁気録音再生ヘツドと磁気記録媒体との接触がず
れないように、定速回転するキヤプスタンの軸に
対しピンチローラーの軸を僅かにカード等の進行
方向に傾斜させてカード等を挟むように圧接する
と、カード等の側縁が案内溝の底部に押れつつ移
送されるので、安定した録音再生が可能なことも
公知である。

しかしながら、従来のピンチローラーは、一般
に第１図に示すように、磁気録音再生機の基板上
に軸１１ａにより揺動的に支承されたＬ字型のピ
ンチローラーアーム１１の一端に、軸１１ｃによ
つて回転可能に支承され、このアーム１１の他端
のばね掛け１１ｂと基板上の固定部との間に係着
されたばね１６によつて、ピンチローラー１２が
キヤプスタン１７に接近するように付勢されてい
る。

したがつて、アーム１１の軸１１ａから離れた
先端部にピンチローラーを支承する軸１１ｃがあ
るので、アーム１１と軸１１ａ間の遊び（ガタ）
が小さくても、アーム１１の先端部ではそれが拡
大されて大きな遊び（ガタ）となることが避けら
れず、そのため軸１１ａとアーム１１の嵌合精度
を高く維持しなければならなかつた。

さらに、前述の如くピンチローラーの軸をキヤ
プスタンの軸に対して僅かに傾斜させることは、
アーム１１の構造上必ずしも容易とは言えず、製
造コストの上昇上おさえることが困難であつた。

この考案は、このような従来の欠点を解消し、
製造及び組立を容易にすることを目的とする。

そのため、この考案は、磁気録音再生機の基板
上に回転可能に軸支されたキヤプスタンに対して
直角方向にピンチローラーホルダーの移動を案内
すべき一対のレール部を基板のキヤプスタン近傍
に対向して設け、上記ピンチローラーホルダーの
前端部上面にピンチローラーを装着する軸を突設
し、その軸中心線がキヤプスタンの軸に対して僅
かに傾斜するように該ピンチローラーホルダーを
基板に対して僅かに傾けて上記一対のレール部に
摺動自在に嵌合させると共に、基板との間にばね
を係着してキヤプスタンに接近する方向に付勢し
てなる、磁気録音再生機のピンチローラー保持案
内装置を提供するものである。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第２図〜第６図は、この考案の一実施例を示す
ものである。

１はピンチローラーホルダーであり、ほぼ矩形
のブロツク状をなし、長手方向の左右両側の前後
に、下側案内突起１ｂと１b′が突設し、それより
上方の中間部の左右両側に上側案内突起１ａと１
a′が突設しており、この突起１ａと１ｂ，及び１
a′と１b′によつて、それぞれ中間に案内溝１ｅ及
び１e′（第４図参照）を形成している。

そして、このピンチローラーホルダー１は、後
述する基板５のレール部５ｅおよび５e′へ、突起
１ｂと切欠き５ｄ、突起１d′と切欠き５d′とが一
致するように上方から嵌入させ、レール部５ｅ，
５e′に沿つてキヤプスタン７の方向に挿入するこ
とにより、レール部５ｅ，５e′に摺動自在に嵌合
される。

このピンチローラーホルダー１の前端部上面に
ピンチローラーを装着する軸１ｃを一体的に植立
し、その軸中心線１ｆ（第４図）が、ピンチロー
ラーホルダー１を基板５のレール部５ｅ，５e′に
嵌合した状態のとき、キヤプスタン７の軸に対し
て僅かにカード等の進行方向に傾斜するように、
ピンチローラーホルダー１を基板５に対して僅か
に傾けて嵌合させる。

さらに、ホルダー１の上面中央付近に逆Ｌ字形
のばね掛け１ｄを設けている。

ピンチローラー２は、公知のようにその外周を
弾性体で形成し、軸１ｃに遊嵌後ワツシヤ３を介
してプツシユナツト４で抜け止めして装着され
る。

なお、磁気録音再生機の基板５は、この考案に
関する要部のみを示している。

キヤプスタン７は公知の方法により基板５に回
転自在に取付けられ、その外周の接線方向に沿つ
て、壁５ａと５ｂが平行して基板５から一体的に
突出形成されており、図示しない磁気録音媒体を
有するカード又はシート等を案内誘導する溝５ｃ
を形成している。

基板５のキヤプスタン７と直角をなす方向で、
且つ溝５ｃに対しても直角方向に、一対のレール
部５ｅと５e′が対向して平行に設けられ、それぞ
れ２ケ所の切欠き５ｄと５d′を設けている。

基板５上に設けられた軸５ｆは、第３図に示す
ようにばね６のコイル部６ａを支承するばね保持
用の軸であり、基板５上に植設した軸５ｇにより
そのばね６の一方の先端６ｃが係止され、そのば
ね６のもう一方の先端６ｂは、ピンチローラーホ
ルダー１が基板５のレール部５ｅ，５e′に組込ま
れたとき、そのピンチローラーホルダー１上のば
ね掛け１ｄに係止される。

それによつて、このピンチローラーホルダー１
をキヤプスタン７に接近する方向に付勢する。

前述のピンチローラーホルダー１および基板５
は、以上の説明及び図面によつて明らかなよう
に、合成樹脂材料による成型によつて製造するの
に適した構造であり、組立ては基板の上方から順
次重ねたり挿入するのみでよいので簡単であり、
レール部５ｅ，５e′とピンチローラーホルダー１
の案内溝１ｅ，１e′の嵌合遊び（ガタ）は、キヤ
プスタン７に接する方向に加圧されても拡大して
大きな遊び（ガタ）にはならない。

したがつて、この考案による磁気録音再生機の
ピンチローラー保持案内装置は、レール部とピン
チローラーホルダーとの嵌合精度を特に高く維持
する必要が無いので、製造・組立が容易であり、
生産性の大幅な向上を計ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のピンチローラー機構を示す平面
図、第２図はこの考案の一実施例を示すピンチロ
ーラーホルダーを基板に組込む前の斜視図、第３
図は同じくその組込後の斜視図、第４図は同じく
そのピンチローラーの軸付近の断面図、第５図は
ピンチローラーホルダーをレール部に挿入する前
の平面図、第６図は同じくそのレール部に挿入し
た後の平面図である。 １……ピンチローラーホルダー、１ａ，１a′…
…上側案内突起、１ｂ，１b′……下側案内突起、
１ｃ……ピンチローラーの軸、２……ピンチロー
ラー、５……基板、５ｅ，５e′……レール部、６
……ばね、７……キヤプスタン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気録音再生機の基板上に回転可能に軸支され
   たキヤプスタンに対して直角方向にピンチローラ
   ーホルダーの移動を案内すべき一対のレール部を
   前記基板のキヤプスタンの近傍に対向して設け、
   前記ピンチローラーホルダーの前端部上面にピン
   チローラーを装着する軸を突設し、その軸中心線
   が前記キヤプスタンの軸に対して僅かに傾斜する
   ように該ピンチローラーホルダーを前記基板に対
   して僅かに傾けて前記一対のレール部に摺動自在
   に嵌合させると共に、前記基板との間にばねを係
   着して前記キヤプスタンに接近する方向に付勢し
   てなることを特徴とする磁気録音再生機のピンチ
   ローラー保持案内装置。