JPH0783441A - ガスこんろの過熱防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスこんろにおいて、熱劣化等のない信頼性
の良い天ぷら等の異常過熱防止装置を提供することを目
的とする。 【構成】 容器１を加熱するバーナ２と，このバーナ２
に通じるガス通路８を開閉する安全開閉弁７と，この安
全開閉弁７を吸着保持する電磁石６と，この電磁石６に
電流を供給する複数の熱電対４・５とからなるガスこん
ろの過熱防止装置において，バーナ２で加熱される熱電
対４と加熱される容器１の温度を検出する熱電対５とを
逆起電力を生じるようにその極性を逆接続したものとし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，ガステーブルなどの天
ぷら火災防止を行なうガスこんろの過熱防止装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のガスこんろにおける構成は，例え
ば，実開昭５９−１３２００３号公報に示されるよう
に，熱電対と電磁石付ガス開閉弁を有する立ち消え安全
装置の閉回路内に調理容器の温度（油の温度）を検出す
るサーモスタツトを設け，前記サーモスタツトの電気接
点を開閉することにより，天ぷら火災防止をする過熱防
止装置が一般に知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱電対
と電磁石付ガス開閉弁を有する立ち消え安全装置の閉回
路内に調理容器の温度（油の温度）を検出するサーモス
タツトを設け，前記サーモスタツトの電気接点を開閉す
るガスこんろの過熱防止装置によると、前記サーモスタ
ツト内の電気接点が錆ついて固着したり、熱劣化し、接
点抵抗が増大したりするなど、そのサーモスタツトの電
気接点の信頼性が悪いという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決したものであり、容器を加熱するバーナと，このバ
ーナに通じるガス通路を開閉する安全開閉弁と，この安
全開閉弁を吸着保持する電磁石と，この電磁石に電流を
供給する複数の熱電対とからなるガスこんろの過熱防止
装置において，バーナで加熱される熱電対と加熱される
容器の温度を検出する熱電対とを逆起電力を生じるよう
にその極性を逆接続したものとした。

【０００５】また、加熱される容器の温度を検出する熱
電対を直列接続する複数の熱電対としたものとした。

【０００６】

【作用】上記構成にすることにより，バーナにガス火が
点火すると、バーナの近くに設置してある熱電対が加熱
され、熱起電力を発生し、電磁石が安全開閉弁を吸着保
持し、ガスはバーナに継続して供給される。

【０００７】一方、バーナの上に載置する容器が異常に
過熱され、異常な高温になると、加熱された容器の温度
を検出する熱電対は異常な高温に達し、熱電対の熱起電
力を増大させ、その結果電磁石にかかる起電力が減少
し、立ち消え安全開閉弁を吸着する電磁力を失ない、安
全開閉弁が閉じ、ガス通路を閉じるのでガスの供給を遮
断し、過熱を防止する。

【０００８】

【実施例】本発明の構成を示す一実施例の添付図面に基
づいて説明する。

【０００９】図１において、１は、加熱部であるバーナ
２に形成されるガス火３により加熱される容器である。

【００１０】４は、バーナ２に形成されるガス火３を検
知する熱電対である。

【００１１】５は、バーナ２に形成されるガス火３によ
り加熱される容器１の温度を検知する熱電対であり、そ
の熱電対５は熱電対４に対し、逆起電力を生じるよう
に、＋極・−極を逆にして直列接続している。

【００１２】６は、熱電対４あよび熱電対５が発生する
熱起電力により動作する電磁石である。

【００１３】７は、安全開閉弁であり、電磁石６に吸着
あるいは離脱されることによりバーナ２へのガスの供給
を開閉するガス通路８内に設けてあるものである。

【００１４】９は、安全開閉弁７に連結するガス供給用
のコックであり、そのコック９に取り付けられたバネ１
０により、前記安全開閉弁７を常に閉じる方向に付勢し
ている。

【００１５】次に，上記構成における作用を説明する。

【００１６】コツク９をバネ１０に抗して押し込み、ガ
ス通路８内の安全開閉弁７を開き、ガスをガス通路８を
通してバーナ２へ供給する。

【００１７】バーナ２に供給されたガスに点火装置（図
示せず）で着火されるとガス火３が形成され、その近く
に設置してある熱電対４が加熱される。

【００１８】この時、容器１は冷えているので、容器１
の温度を検知する熱電対５は熱起電力を生じず、図２に
示すように熱電対４のみの立上り特性により、電磁石６
に起電力Ｖが供給され、電磁石６を保持するに必要なシ
キイ値を越えることにより、ガス通路８内の安全開閉弁
７が電磁石６に吸着保持され、ガスが連続供給され、ガ
ス火３が継続形成される。

【００１９】ガス火３の継続により、容器１が加熱され
ると、熱電対５は熱電対４に対し、逆起電力が生じ、図
３の実線に示すように、調理される温度に飽和した逆起
電力分だけ減じた状態で推移する。

【００２０】但し、この状態でもシキイ値を越える起電
力Ｖを有しているので、安全開閉弁７は、電磁石６に吸
着され、ガス火３が継続燃焼する。

【００２１】容器１が更に異常に加熱されると熱電対５
は、異常に加熱され、更に大きな逆起電力を生じ、図４
に示す如く電磁石６に供給される起電力Ｖがシキイ値以
下となり、電磁石６の安全開閉弁７を吸着する力がバネ
１０の引張力よりも低くなり、安全開閉弁７がガス通路
８を閉じ、ガス火３の燃焼を停止させる。

【００２２】尚、他の実施例を図５および図６により説
明する。

【００２３】図５は、容器１の温度を検知する熱電対５
を２本用いたものであり、各々の熱電対５ａと熱電対５
ｂとを直列接続してある。

【００２４】その他の構成は、先に示した図１のものと
全て同一につき、説明は省略する。

【００２５】前記構成における動作を説明すると、次の
如くである。

【００２６】図６は、熱電対５の熱起電力特性であり、
（ａ）は熱電対５ａあるいは熱電対５ｂのいずれかの１
本を使用した場合であり、（ｂ）は熱電対５ａおよび熱
電対５ｂの２本を使用した場合の特性である。

【００２７】熱電対４の安定時の起電力が熱電対５・熱
電対４の安定時の起電力が１本の熱電対５の安定時の逆
起電力より十分大きい場合にあつては，（ａ）曲線に示
すごとくシキイ値以下の起電力とならない。

【００２８】これに対して、熱電対５を２本使用して２
倍の逆起電力を得ることによつて、（ｂ）曲線の如く、
十分な逆起電力を得ることができ、異常加熱時に安全開
閉弁７を閉じ、ガスを遮断する。

【００２９】このように、熱電対４・熱電対５の種類、
熱電対４の安定時の起電力等により熱電対５を複数の熱
電推とすることで、任意のシキイ値に対応して決定され
る。

【００３０】

【発明の効果】以上述べたように，バーナで加熱される
熱電対と加熱される容器の温度を検出する熱電対とを逆
起電力を生じるようにその極性を逆接続したものとし、
または、加熱される容器の温度を検出する熱電対を直列
接続する複数の熱電対としたことにより、熱を検知する
部位に電気接点部がないので、電気接点部の錆ついて固
着したり、熱劣化し、接点抵抗が増大したりするなどが
皆無となり、確実に動作する信頼性が良いガスこんろの
過熱防止装置を提供できる等有益なものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すガスこんろの過熱防止
装置の要部断面図。

【図２】本発明の一実施例を示すガスこんろの過熱防止
装置の起電力特性図。

【図３】本発明の一実施例を示すガスこんろの過熱防止
装置の起電力特性図。

【図４】本発明の一実施例を示すガスこんろの過熱防止
装置の起電力特性図。

【図５】本発明の他実施例を示すガスこんろの過熱防止
装置の要部断面図。

【図６】本発明の他実施例を示すガスこんろの過熱防止
装置の起電力特性図。

【符号の説明】

１ 容器 ２ バーナ ３ ガス火 ４ 熱電対 ５ 熱電対 ６ 電磁石 ７ 安全開閉弁 ８ ガス通路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器（１）を加熱するバーナ（２）と，
   このバーナ（２）に通じるガス通路（８）を開閉する安
   全開閉弁（７）と，この安全開閉弁（７）を吸着保持す
   る電磁石（６）と，この電磁石（６）に電流を供給する
   複数の熱電対（４）・（５）とからなるガスこんろの過
   熱防止装置において，バーナ（２）で加熱される熱電対
   （４）と加熱される容器（１）の温度を検出する熱電対
   （５）とを逆起電力を生じるようにその極性を逆接続し
   たことを特徴とするガスこんろの過熱防止装置。
2. 【請求項２】 加熱される容器（１）の温度を検出する
   熱電対（５）を直列接続する複数の熱電対（５ａ）・
   （５ｂ）としたことを特徴とする請求項１記載のガスこ
   んろの過熱防止装置。