JP3558445B2 - 燃焼制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型ガス湯沸器、テーブルガスコンロなどのガス燃焼器具に関し、さらに詳しくは、ガスの燃焼状態を検知する熱発電素子(TC)の起電力によりガス安全弁を開弁保持するようにしたガス燃焼器具において他のセンサ類やスイッチング素子などからの信号によりそのガス安全弁を遮断する遮断回路を備える燃焼制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガス燃焼器具では、ガスの燃焼状態を検知するのに熱電対などの熱発電素子(TC)を使用し、この熱発電素子の起電力によりガスの燃焼状態を検知するようにしている。その場合に例えば小型ガス湯沸器などでは、熱発電素子の起電力によりマグネット式のガス安全弁を開弁保持するようにしている。
【0003】
この場合の電気回路としては、図6に示したように、ガスバーナの近傍に設けられる熱電対(1)(パイロット部)と熱交換器の近傍に設けられる熱電対(2)(内胴部)の+、−の極性が逆向きになるように接続されている。そしてパイロットバーナ及びメーンバーナが点火した時、マグネット安全弁には熱電対(1)で発生した起電力(V1 )から、熱電対(2)で発生した起電力(V2 )を差し引いた起電力がマグネット安全弁を保持する力となり、室内の酸素濃度が低下してきた場合、パイロットバーナの炎がリフト又は、不鮮明となり熱電対(1)の起電力が低下して、V1 −V2 の合成起電力が低下する為マグネット安全弁を保持できなくなりガスの供給が遮断されるようになっている。
【0004】
又、長年の使用により熱交換器部が詰まってきた時は、内胴部の熱電対(2)の起電力が燃焼排気熱により高くなり、前記同様V1 −V2 の合成起電力が低下する為、マグネット安全弁が閉じるように構成されている。
このような熱発電素子の起電力によってガス安全弁を吸着保持するメカニズムによれば、吸着電流を外部から供給する必要がなく、かつ不完全燃焼防止回路を電子回路に組み込む必要がないので電気回路の構成が簡単になるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなガス燃焼器具には、たとえばある一定時間燃焼が継続したときの切り忘れ防止タイマー機能を備えていたり、あるいはテーブルコンロなどでは天ぷら火災などの異常検知センサ、煮込み時間を規制するクッキングタイマー機能を備えていたりする。
【0006】
そのような場合にこれらのセンサ類やスイッチング素子からの入力信号によってガス安全弁を強制的に離脱させるのに、
a)熱発電素子(TC)と安全弁との間にスイッチング素子を直列に継いで、吸着電流を遮断する構成が考えられるが、これではスイッチング素子のON抵抗で酸欠性能に影響を与えるので好ましくない。
b)励磁コイルに逆電流を流す方式が考えられるが、これでは1次コイルに逆電流を流すにはコイル抵抗が小さい為外部から電流を供給するには大電流が必要となり、時に乾電池を電源とするシステムでは電池の寿命が短くなるという問題がある。
【0007】
また図7に示したように、励磁コイルを複数設けた安全弁で逆電流を流す構成では安全弁の構造が複雑であるばかりか器具の燃焼状態により熱発電素子の起電力も常に一定であるとは限らない為、逆電流値の設定を誤ると逆電流により安全弁が吸着して弁が閉じない可能性(おそれ)もあり、器具使用上の安全性の面で問題となる。
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、熱発電素子(TC)の起電力によってガス安全弁を開弁保持するガス燃焼器具においてこのガス安全弁の遮断回路に最適量の逆電流を流すことによりガス安全弁を遮断し、しかもその遮断に要する電池の消耗も少ない燃焼制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の燃焼制御装置は、ガス燃焼状態を検知する一方の組の熱発電素子と該熱発電素子と等価の熱起電力を有する他方の組の熱発電素子とが互いに熱起電力を打ち消し合うようにガス安全弁の励磁コイルに接続されると共に、前記他方の組の熱発電素子の接続回路には該接続回路をスイッチング素子が介設されていることを要旨とするものである。
【0010】
このように構成された燃焼制御装置によれば、このガス燃焼器具の燃焼状態が安定しているときには一方の組の熱発電素子の起電力によってガス安全弁は開保持されるが、そのときに他方の組の熱発電素子の接続回路に設けられるスイッチング素子がONされると、前記ガス安全弁の接続回路を流れる互いに逆方向の等価電流によって消磁され、ガス安全弁は遮断される。
【0011】
この場合に前記各組の熱発電素子はそれぞれ、ガスバーナの近傍に設けられる一次熱電対と熱交換器の近傍に設けられる二次熱電対とが互いにマイナス極どうしで継がれ、かつガス燃焼器具内の略同一の熱環境部位に設けられているのがよい。
これにより両組の熱発電素子はスイッチング素子がONされた状態で互いに熱起電力を完全に打ち消し合う状態が得られ、スイッチング素子がONされたときに励磁コイルは完全に消磁されてガス安全弁は確実に遮断される。
【0012】
この場合に前記熱発電素子は電解効果トランジスタ(FET)が用いられるのが好ましい。FETは消費電力が少なく、スイッチをON/OFFする際の雑音も低い等の特長を有するからである。
さらに前記各組の熱発電素子は一つのパッケージに収納されているのが良い。これにより両熱発電素子間の熱的なバランスがより良くなり、スイッチング素子による応答性はより確実なものとなる。
【0013】
さらにまた前記スイッチング素子に印加する電圧を制御する印加電圧制御手段を備えることが良い。スイッチング素子がONされるときの接点抵抗は個体間でバラツキがあるが、印加電圧制御手段によってこのスイッチング素子の接点抵抗が調整できることにより熱起電力のバラツキが補正できる。これによりガス安全弁はスイッチング素子のON信号により確実に遮断され、器具使用上の安全性が担保される。このスイッチング素子の接点抵抗の調整は製品出荷前の品質管理工程ラインで行われるのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明が適用される一実施の形態に係るガス湯沸器の概略構成を示したものである。図示のガス湯沸器10は、給水管12と出湯管14とを備える熱交換器16と、この熱交換器16を加熱するためのガスバーナ18とが配置される。そして給水管12には給止水栓20が接続され、前記ガスバーナ18へガスを供給するガス管22には給ガス栓24が接続されている。
【0015】
前記給止水栓20は、操作ボタン26により点火スイッチ28がONされたときにモータ30の駆動によって開かれる。それと同時に給ガス栓24にに設けられる水圧応動弁32が開かれ、さらにマグネット式のガス安全弁34及び器具栓36が順次モータ30の駆動によって開かれてガスバーナ14へガスが供給される状態となる。
【0016】
また水圧応動弁34の動きに連動して水流スイッチ38がONされ、この信号を受けてガスバーナ14が点火される。これにより給水管16を流れる水は熱交換器12で加熱されて出湯管18より出湯される。
【0017】
このように構成されたガス湯沸器10において、ガスバーナ14の近傍にはそのガスバーナの加熱温度を検知する一次熱電対40が設けられ、また熱交換器12の近傍には燃焼ガスの温度を検知するための二次熱電対42がケーシング壁ののぞき窓に設けられている。そしてこれらの熱電対40、42は対で一組をなし、これが二組同じ箇所に設けられて図2に示すような電気回路の構成によりマグネット安全弁74の励磁コイルに接続されている。
【0018】
図2は、この図1に示したガス湯沸器において熱電対40、42の起電力によりガス安全弁34を開弁保持している状態でそのガス安全弁34を遮断するための電気回路図である。図示のようにガスバーナに近傍して設けられる一次熱電対(一次TC)40と熱交換器に近傍して設けられる二次熱電対(二次TC)42とは、一次熱電対40の−極端子と二次熱電対42の−極端子が温度ヒューズ44を介して継がれる。そして一次熱電対40の+極側はアースされると共に、二次熱電対42の+極側はガス安全弁34の励磁コイル46の一方の端子に継がれ、該励磁コイル46の他方の端子側はアースされている。
【0019】
一方もう一組のガスバーナに近傍して設けられる一次熱電対(一次TC)40と熱交換器に近傍して設けられる二次熱電対(二次TC)42も、同様に一次熱電対40の−極端子と二次熱電対42の−極端子がやはり温度ヒューズ44を介して継がれる。そして一次熱電対40は+極側がアースされ、二次熱電対42の+極側は前記ガス安全弁34の励磁コイル46の前記別の組の接続側の端子に継がれている。
【0020】
そしてこちらの組では一次熱電対40の−極端子と二次熱電対42の−極端子との接続回路の途中にスイッチング素子としてパワーモス型電解効果トランジスタ(Power Mos FET)48が設けられ、このFET48のG端子側がこのガス湯沸器10の制御回路(コントローラ)50へ接続されている。
【0021】
そこでこのように構成されたガス湯沸器によれば、正常運転時にはガスの燃焼状態を検知する側の組の一次熱電対40と二次熱電対42との起電力の差によりガス安全弁34が開弁保持されているが、たとえば制御回路50からFET48のG端子へ例えば燃焼継続時間のタイムアウトなどによりガス安全弁34「切」の信号が入力された時にFET48がONし、ガス安全弁34の遮断回路に逆電流回路が構成され、一方の組の熱電対の起電力と他方の組の熱電対の起電力とが打ち消し合い、その結果ガス安全弁34の励磁コイル46が消磁されて弁が閉じられる。
【0022】
図3は、この図2に示した電気回路の別な実施側に係る形態を示したものである。この図に示される熱発電素子TC1、TC2はそれぞれ図2に示したそれぞれの組の二つの熱電対(一次TCと二次TC)を一つに表現したものと解するとよい。コントローラ50には操作ボタン26により操作される点火スイッチ28や水圧応動弁32の動作によってONされる水流スイッチ38が電気的に接続される。またコントローラ50の電源として乾電池52が用いられている。54はスイッチング素子(FET)48のG−S間のバイアス用の抵抗である。
【0023】
この図3に示した電気回路では、通常吸着用上用いられるTC1の熱電素子に離脱バイアス用TC2の熱電素子をスイッチング素子でON/OFFを行い離脱させたい時にFETのG−S間にHiの信号を出力し、その結果TC1、TC2の起電力は打ち消し合い電磁弁は離脱されることになる。
この図3に示した電気回路ではガス安全弁34の励磁コイル46として一次巻線のものを示したが、次の図4の示したように、二次巻線のものについても同様に適用されるものである。
【0024】
また図5に示した電気回路では2組の熱発電素子(TC)をパッケージ化したものである。このように一方の熱発電素子TC1と他方の熱発電素子TC2とを同一パッケージとすることで両組の熱発電素子間の熱的バランスがより良くなる。そしてスイッチング素子48がONされたときに両熱発電素子TC1とTC2間の起電力は全く等価なものとなるからガス安全弁34の励磁コイル46は確実に消磁され、誤ることなくガス安全弁34の遮断が実行される。
【0025】
本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。たとえば上記実施例ではガス安全弁の遮断回路に設けるスイッチング素子としてパワーモス型FETを用いたが、これは消費電力が少ないからであり、これにとらわれるものではない。またこのスイッチング素子に代えて低抵抗リレー回路によってガス安全弁の遮断回路を断続するような構成としてもよい。尚、本発明は実施例で説明した小型ガス湯沸器に限らず、それ以外のガス燃焼器具、たとえばテーブルコンロなどの各種ガス燃焼器具に適用できることは言うまでもないことである。
【0026】
【発明の効果】
本発明の燃焼制御装置によれば、ガスの燃焼状態を検知する熱発電素子(TC)の起電力によってガス安全弁を開弁保持するガス燃焼器具において各種のセンサ類やスイッチング素子からの入力信号によりガス安全弁を遮断するのに前述のガス燃焼状態を検知する熱発電素子の起電力と等価の逆電流をガス安全弁の励磁コイルに流してガス安全弁を遮断するようにしたものである。したがってガス安全弁は確実に遮断され、またそれに要する消費電流も少なくて済むので、本発明の燃焼制御装置を小型ガス湯沸器やテーブルコンロなどのガス燃焼器具に用いることは極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される一実施の形態に係るガス湯沸器の概略構成図である。
【図2】図1に示されるガス湯沸器に適用される燃焼異常検知及びガス安全弁遮断のための電気回路図である。
【図3】本発明の他の実施例に係る電気回路図である。
【図4】さらに本発明の他の実施例に係る電気回路図である。
【図5】従来一般に知られるこの種ガス湯沸器に適用される燃焼異常検知及びガス安全弁遮断のための電気回路図である。
【図6】さらに従来一般に知られるこの種の電気回路の他の実施例図である。
【図7】さらに従来一般に知られるこの種の電気回路の他の実施例図である。
【符号の説明】
10 ガス湯沸器
34 ガス安全弁
40 一次熱電対(一次TC)
42 二次熱電対(二次TC)
46 励磁コイル
48 パワーモス型FET
50 制御回路(コントローラ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型ガス湯沸器、テーブルガスコンロなどのガス燃焼器具に関し、さらに詳しくは、ガスの燃焼状態を検知する熱発電素子(TC)の起電力によりガス安全弁を開弁保持するようにしたガス燃焼器具において他のセンサ類やスイッチング素子などからの信号によりそのガス安全弁を遮断する遮断回路を備える燃焼制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガス燃焼器具では、ガスの燃焼状態を検知するのに熱電対などの熱発電素子(TC)を使用し、この熱発電素子の起電力によりガスの燃焼状態を検知するようにしている。その場合に例えば小型ガス湯沸器などでは、熱発電素子の起電力によりマグネット式のガス安全弁を開弁保持するようにしている。
【0003】
この場合の電気回路としては、図6に示したように、ガスバーナの近傍に設けられる熱電対(1)(パイロット部)と熱交換器の近傍に設けられる熱電対(2)(内胴部)の+、−の極性が逆向きになるように接続されている。そしてパイロットバーナ及びメーンバーナが点火した時、マグネット安全弁には熱電対(1)で発生した起電力(V1 )から、熱電対(2)で発生した起電力(V2 )を差し引いた起電力がマグネット安全弁を保持する力となり、室内の酸素濃度が低下してきた場合、パイロットバーナの炎がリフト又は、不鮮明となり熱電対(1)の起電力が低下して、V1 −V2 の合成起電力が低下する為マグネット安全弁を保持できなくなりガスの供給が遮断されるようになっている。
【0004】
又、長年の使用により熱交換器部が詰まってきた時は、内胴部の熱電対(2)の起電力が燃焼排気熱により高くなり、前記同様V1 −V2 の合成起電力が低下する為、マグネット安全弁が閉じるように構成されている。
このような熱発電素子の起電力によってガス安全弁を吸着保持するメカニズムによれば、吸着電流を外部から供給する必要がなく、かつ不完全燃焼防止回路を電子回路に組み込む必要がないので電気回路の構成が簡単になるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなガス燃焼器具には、たとえばある一定時間燃焼が継続したときの切り忘れ防止タイマー機能を備えていたり、あるいはテーブルコンロなどでは天ぷら火災などの異常検知センサ、煮込み時間を規制するクッキングタイマー機能を備えていたりする。
【0006】
そのような場合にこれらのセンサ類やスイッチング素子からの入力信号によってガス安全弁を強制的に離脱させるのに、
a)熱発電素子(TC)と安全弁との間にスイッチング素子を直列に継いで、吸着電流を遮断する構成が考えられるが、これではスイッチング素子のON抵抗で酸欠性能に影響を与えるので好ましくない。
b)励磁コイルに逆電流を流す方式が考えられるが、これでは1次コイルに逆電流を流すにはコイル抵抗が小さい為外部から電流を供給するには大電流が必要となり、時に乾電池を電源とするシステムでは電池の寿命が短くなるという問題がある。
【0007】
また図7に示したように、励磁コイルを複数設けた安全弁で逆電流を流す構成では安全弁の構造が複雑であるばかりか器具の燃焼状態により熱発電素子の起電力も常に一定であるとは限らない為、逆電流値の設定を誤ると逆電流により安全弁が吸着して弁が閉じない可能性(おそれ)もあり、器具使用上の安全性の面で問題となる。
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、熱発電素子(TC)の起電力によってガス安全弁を開弁保持するガス燃焼器具においてこのガス安全弁の遮断回路に最適量の逆電流を流すことによりガス安全弁を遮断し、しかもその遮断に要する電池の消耗も少ない燃焼制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の燃焼制御装置は、ガス燃焼状態を検知する一方の組の熱発電素子と該熱発電素子と等価の熱起電力を有する他方の組の熱発電素子とが互いに熱起電力を打ち消し合うようにガス安全弁の励磁コイルに接続されると共に、前記他方の組の熱発電素子の接続回路には該接続回路をスイッチング素子が介設されていることを要旨とするものである。
【0010】
このように構成された燃焼制御装置によれば、このガス燃焼器具の燃焼状態が安定しているときには一方の組の熱発電素子の起電力によってガス安全弁は開保持されるが、そのときに他方の組の熱発電素子の接続回路に設けられるスイッチング素子がONされると、前記ガス安全弁の接続回路を流れる互いに逆方向の等価電流によって消磁され、ガス安全弁は遮断される。
【0011】
この場合に前記各組の熱発電素子はそれぞれ、ガスバーナの近傍に設けられる一次熱電対と熱交換器の近傍に設けられる二次熱電対とが互いにマイナス極どうしで継がれ、かつガス燃焼器具内の略同一の熱環境部位に設けられているのがよい。
これにより両組の熱発電素子はスイッチング素子がONされた状態で互いに熱起電力を完全に打ち消し合う状態が得られ、スイッチング素子がONされたときに励磁コイルは完全に消磁されてガス安全弁は確実に遮断される。
【0012】
この場合に前記熱発電素子は電解効果トランジスタ(FET)が用いられるのが好ましい。FETは消費電力が少なく、スイッチをON/OFFする際の雑音も低い等の特長を有するからである。
さらに前記各組の熱発電素子は一つのパッケージに収納されているのが良い。これにより両熱発電素子間の熱的なバランスがより良くなり、スイッチング素子による応答性はより確実なものとなる。
【0013】
さらにまた前記スイッチング素子に印加する電圧を制御する印加電圧制御手段を備えることが良い。スイッチング素子がONされるときの接点抵抗は個体間でバラツキがあるが、印加電圧制御手段によってこのスイッチング素子の接点抵抗が調整できることにより熱起電力のバラツキが補正できる。これによりガス安全弁はスイッチング素子のON信号により確実に遮断され、器具使用上の安全性が担保される。このスイッチング素子の接点抵抗の調整は製品出荷前の品質管理工程ラインで行われるのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明が適用される一実施の形態に係るガス湯沸器の概略構成を示したものである。図示のガス湯沸器10は、給水管12と出湯管14とを備える熱交換器16と、この熱交換器16を加熱するためのガスバーナ18とが配置される。そして給水管12には給止水栓20が接続され、前記ガスバーナ18へガスを供給するガス管22には給ガス栓24が接続されている。
【0015】
前記給止水栓20は、操作ボタン26により点火スイッチ28がONされたときにモータ30の駆動によって開かれる。それと同時に給ガス栓24にに設けられる水圧応動弁32が開かれ、さらにマグネット式のガス安全弁34及び器具栓36が順次モータ30の駆動によって開かれてガスバーナ14へガスが供給される状態となる。
【0016】
また水圧応動弁34の動きに連動して水流スイッチ38がONされ、この信号を受けてガスバーナ14が点火される。これにより給水管16を流れる水は熱交換器12で加熱されて出湯管18より出湯される。
【0017】
このように構成されたガス湯沸器10において、ガスバーナ14の近傍にはそのガスバーナの加熱温度を検知する一次熱電対40が設けられ、また熱交換器12の近傍には燃焼ガスの温度を検知するための二次熱電対42がケーシング壁ののぞき窓に設けられている。そしてこれらの熱電対40、42は対で一組をなし、これが二組同じ箇所に設けられて図2に示すような電気回路の構成によりマグネット安全弁74の励磁コイルに接続されている。
【0018】
図2は、この図1に示したガス湯沸器において熱電対40、42の起電力によりガス安全弁34を開弁保持している状態でそのガス安全弁34を遮断するための電気回路図である。図示のようにガスバーナに近傍して設けられる一次熱電対(一次TC)40と熱交換器に近傍して設けられる二次熱電対(二次TC)42とは、一次熱電対40の−極端子と二次熱電対42の−極端子が温度ヒューズ44を介して継がれる。そして一次熱電対40の+極側はアースされると共に、二次熱電対42の+極側はガス安全弁34の励磁コイル46の一方の端子に継がれ、該励磁コイル46の他方の端子側はアースされている。
【0019】
一方もう一組のガスバーナに近傍して設けられる一次熱電対(一次TC)40と熱交換器に近傍して設けられる二次熱電対(二次TC)42も、同様に一次熱電対40の−極端子と二次熱電対42の−極端子がやはり温度ヒューズ44を介して継がれる。そして一次熱電対40は+極側がアースされ、二次熱電対42の+極側は前記ガス安全弁34の励磁コイル46の前記別の組の接続側の端子に継がれている。
【0020】
そしてこちらの組では一次熱電対40の−極端子と二次熱電対42の−極端子との接続回路の途中にスイッチング素子としてパワーモス型電解効果トランジスタ(Power Mos FET)48が設けられ、このFET48のG端子側がこのガス湯沸器10の制御回路(コントローラ)50へ接続されている。
【0021】
そこでこのように構成されたガス湯沸器によれば、正常運転時にはガスの燃焼状態を検知する側の組の一次熱電対40と二次熱電対42との起電力の差によりガス安全弁34が開弁保持されているが、たとえば制御回路50からFET48のG端子へ例えば燃焼継続時間のタイムアウトなどによりガス安全弁34「切」の信号が入力された時にFET48がONし、ガス安全弁34の遮断回路に逆電流回路が構成され、一方の組の熱電対の起電力と他方の組の熱電対の起電力とが打ち消し合い、その結果ガス安全弁34の励磁コイル46が消磁されて弁が閉じられる。
【0022】
図3は、この図2に示した電気回路の別な実施側に係る形態を示したものである。この図に示される熱発電素子TC1、TC2はそれぞれ図2に示したそれぞれの組の二つの熱電対(一次TCと二次TC)を一つに表現したものと解するとよい。コントローラ50には操作ボタン26により操作される点火スイッチ28や水圧応動弁32の動作によってONされる水流スイッチ38が電気的に接続される。またコントローラ50の電源として乾電池52が用いられている。54はスイッチング素子(FET)48のG−S間のバイアス用の抵抗である。
【0023】
この図3に示した電気回路では、通常吸着用上用いられるTC1の熱電素子に離脱バイアス用TC2の熱電素子をスイッチング素子でON/OFFを行い離脱させたい時にFETのG−S間にHiの信号を出力し、その結果TC1、TC2の起電力は打ち消し合い電磁弁は離脱されることになる。
この図3に示した電気回路ではガス安全弁34の励磁コイル46として一次巻線のものを示したが、次の図4の示したように、二次巻線のものについても同様に適用されるものである。
【0024】
また図5に示した電気回路では2組の熱発電素子(TC)をパッケージ化したものである。このように一方の熱発電素子TC1と他方の熱発電素子TC2とを同一パッケージとすることで両組の熱発電素子間の熱的バランスがより良くなる。そしてスイッチング素子48がONされたときに両熱発電素子TC1とTC2間の起電力は全く等価なものとなるからガス安全弁34の励磁コイル46は確実に消磁され、誤ることなくガス安全弁34の遮断が実行される。
【0025】
本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。たとえば上記実施例ではガス安全弁の遮断回路に設けるスイッチング素子としてパワーモス型FETを用いたが、これは消費電力が少ないからであり、これにとらわれるものではない。またこのスイッチング素子に代えて低抵抗リレー回路によってガス安全弁の遮断回路を断続するような構成としてもよい。尚、本発明は実施例で説明した小型ガス湯沸器に限らず、それ以外のガス燃焼器具、たとえばテーブルコンロなどの各種ガス燃焼器具に適用できることは言うまでもないことである。
【0026】
【発明の効果】
本発明の燃焼制御装置によれば、ガスの燃焼状態を検知する熱発電素子(TC)の起電力によってガス安全弁を開弁保持するガス燃焼器具において各種のセンサ類やスイッチング素子からの入力信号によりガス安全弁を遮断するのに前述のガス燃焼状態を検知する熱発電素子の起電力と等価の逆電流をガス安全弁の励磁コイルに流してガス安全弁を遮断するようにしたものである。したがってガス安全弁は確実に遮断され、またそれに要する消費電流も少なくて済むので、本発明の燃焼制御装置を小型ガス湯沸器やテーブルコンロなどのガス燃焼器具に用いることは極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される一実施の形態に係るガス湯沸器の概略構成図である。
【図2】図1に示されるガス湯沸器に適用される燃焼異常検知及びガス安全弁遮断のための電気回路図である。
【図3】本発明の他の実施例に係る電気回路図である。
【図4】さらに本発明の他の実施例に係る電気回路図である。
【図5】従来一般に知られるこの種ガス湯沸器に適用される燃焼異常検知及びガス安全弁遮断のための電気回路図である。
【図6】さらに従来一般に知られるこの種の電気回路の他の実施例図である。
【図7】さらに従来一般に知られるこの種の電気回路の他の実施例図である。
【符号の説明】
10 ガス湯沸器
34 ガス安全弁
40 一次熱電対(一次TC)
42 二次熱電対(二次TC)
46 励磁コイル
48 パワーモス型FET
50 制御回路(コントローラ)
Claims (5)
- ガス燃焼状態を検知する一方の組の熱発電素子と該熱発電素子と等価の熱起電力を有する他方の組の熱発電素子とが互いに熱起電力を打ち消し合うようにガス安全弁の励磁コイルに接続されると共に、前記他方の組の熱発電素子の接続回路には該接続回路を断続させるスイッチング素子が介設されていることを特徴とする燃焼制御装置。
- 前記各組の熱発電素子はそれぞれ、ガスバーナの近傍に設けられる一次熱電対と熱交換器の近傍に設けられる二次熱電対とが互いにマイナス極どうしで継がれ、かつガス燃焼器具内の略同一の熱環境部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御装置。
- 前記スイッチング素子は電解効果トランジスタにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御装置。
- 前記各組の熱発電素子は一つのパッケージに収納されていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御装置。
- 前記スイッチング素子に印加する電圧を制御する印加電圧制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御装置。
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|---|---|---|---|
| JP06913096A JP3558445B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 燃焼制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP06913096A JP3558445B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 燃焼制御装置 |
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| JPH09236257A JPH09236257A (ja) | 1997-09-09 |
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| JP (1) | JP3558445B2 (ja) |
-
1996
- 1996-02-28 JP JP06913096A patent/JP3558445B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH09236257A (ja) | 1997-09-09 |
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