JPH0783234A - 玉軸受及びこれを用いたスピンドルモータ - Google Patents

玉軸受及びこれを用いたスピンドルモータ

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JPH0783234A
JPH0783234A JP25476493A JP25476493A JPH0783234A JP H0783234 A JPH0783234 A JP H0783234A JP 25476493 A JP25476493 A JP 25476493A JP 25476493 A JP25476493 A JP 25476493A JP H0783234 A JPH0783234 A JP H0783234A
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JP
Japan
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ball bearing
retainer
rolling
inner ring
ball
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JP25476493A
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Shigeru Azuma
茂 東
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Nidec Corp
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Nidec Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/76Sealings of ball or roller bearings
    • F16C33/78Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
    • F16C33/784Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race
    • F16C33/7843Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc
    • F16C33/7846Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc with a gap between the annular disc and the inner race
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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    • F16C2370/12Hard disk drives or the like

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非繰り返し性振れ(N.R.R.O)を可及
的に低減することができる玉軸受を提供すること。及び
この玉軸受を用いて、高い回転精度を有し、記録ディス
クのオフトラック現象を生ぜしめることのない、信頼性
の向上を図ったスピンドルモータを提供すること。 【構成】 リテーナにより定位置に支持された複数の転
動球体が潤滑剤と共に内輪と外輪との間に介在して設け
られた玉軸受である。前記リテーナは、前記転動球体を
支持する支持部が前記内輪側または前記外輪側に偏寄し
て設けられている。また前記リテーナは、前記転動球体
が該リテーナの支持部と接触する回転軌跡を最短にする
ように設けられている。更に本発明のスピンドルモータ
は、記録ディスクが装着されるロータハブと、静止部材
と、前記ロータハブに装着されるロータマグネットと、
前記静止部材に設けられた電機子と、を具備すると共
に、前記玉軸受が前記ロータハブと前記静止部材との間
に介在して設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光・磁気ディスク駆動
装置等の記録ディスクを回転駆動行う為に好適なスピン
ドルモータ及びこれに組み込まれる玉軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、例えば磁気ディスクや光磁気デ
ィスク等の記録ディスクを回転駆動するスピンドルモー
タである。図例では全体断面のうち固定支柱を中心にそ
の左側半分を示している。図において、部材151は固
定支柱であり、図示省略の駆動装置のベース部材に立設
して固定される。部材152は、記録ディスクが装着さ
れるハブ部材(ロータハブ)であり、逆カップ形状を成
す。ハブ部材152と固定支柱151との間には、一対
の玉軸受153,154が介在して設けられる。即ち一
方の玉軸受153は、内輪164が固定支柱151に装
着されると共に、またその外輪165がハブ部材小径部
175に固定される。他方の玉軸受154は、内輪16
6が固定支柱151に装着されると共に、またその外輪
167が環状スペーサ156を介してハブ部材大径部1
76に固定される。
【0003】固定支柱151の略中央部には電機子15
7が外嵌して固定される。またハブ部材大径部176の
内周部には、電機子157に対向してロータマグネット
158が配設されている。なお、ロータマグネット15
8はロータヨーク159を介してハブ部材152に固定
される。これによりハブ部材152は、固定支柱151
に対して回転軸線155を中心に、同軸状に相対回転駆
動される。玉軸受153,154における回転軸線15
5方向の外側、即ち図における玉軸受153の上側、及
び玉軸受154の下側には、シール手段であるラビリン
ススリーブ160、磁性流体シール161が設けられて
おり、モータ内部の不浄な空気が外部へ漏出しないよう
防止している。
【0004】図7は、図6に示したスピンドルモータの
上側の玉軸受153を拡大して示した断面図である。そ
して図4と同様に左側半分のみを示している。図6及び
図7において、玉軸受153,154は、それぞれの内
外輪が回転軸線155方向へ相対する方向へ予圧が付加
されている。そしてこれにより転動球体168,169
が図の点線162,163に示すように内外輪と接触し
て保持されている。また玉軸受153,154には転動
球体168,169を定位置に保持するリテーナ170
が設けられており、更にそれぞれ外輪の側端部にはシー
ル部材171,172が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような構造によ
るスピンドルモータにおいて、ハブ部材152を回転支
持する一対の玉軸受153,154に注目してみると、
例えば図7に示す玉軸受153についていえば、ハブ部
材152の回転により、内輪164と外輪165とに介
在される転動球体168は、接触線162に直交した仮
想回転軸(図の二点鎖線)173を中心に回転、転動す
る。そして、玉軸受153内部に封入された潤滑剤も転
動球体168と一緒に移動することになる。
【0006】一方、転動球体168を定位置に支持する
リテーナ170が、内輪164と外輪165の実質上中
間部分に設けられている。従って転動球体168の転動
により、潤滑剤の一部はリテーナ170の支持部174
に滞留する。この際、支持部174に滞留した潤滑剤
は、転動球体168の回転により、押し固められるよう
になる。即ち潤滑剤が支持部174に噛み込む状態とな
る。このため、支持部174に滞留した潤滑剤が、転動
球体168を円滑に転動することを阻害するように作用
する。また或は、支持部174を取囲む凝集した潤滑剤
がリテーナ170に対して作用することにより、転動球
体168は支持部174から強い圧迫を受ける状態とな
る。この場合も潤滑剤により転動球体168の円滑な転
動が阻害される。この結果、スピンドルモータが回転駆
動中にもかかわらず(すなわち内輪164と外輪165
が相対回転移動しているにもかかわらず)、瞬間的に玉
軸受153の転動球体168が停止するという状態が発
生する。
【0007】転動球体168が瞬間的に停止すると、振
動・騒音が発生し、玉軸受153の音響レベルが悪化す
る。またこれに加えて、玉軸受153の非繰り返し性振
れ、いわゆるN.R.R.O(Non Repetit
ive Run Out)の度合いが大きくなり、ハブ
部材151を精度良く回転支持することが困難となる。
そしてハブ部材151に装着される記録ディスク(図示
省略)の読み出し/書き込みに障害を与えるいわゆるオ
フトラック現象を生ぜしめることになる。本発明は、従
来技術に存した上記のような問題点に鑑み行われたもの
であって、その課題とするところは、第一に、音響レベ
ルの改善が図れると共に、非繰り返し性振れ(N.R.
R.O)を可及的に低減することができる玉軸受を提供
することである。第二に、そのような玉軸受を用いるこ
とにより、高い回転精度を有し、記録ディスクのオフト
ラック現象を生ぜしめることのない、信頼性の向上を図
ったスピンドルモータを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明の玉軸受は、第一の手段として、リテーナに
より定位置に支持された複数の転動球体が潤滑剤と共に
内輪と外輪との間に介在して設けられた玉軸受におい
て;前記リテーナは、前記転動球体を支持する支持部が
前記内輪側または前記外輪側に偏寄して設けられてなる
玉軸受が提供される。
【0009】また、本発明の玉軸受の第二の手段とし
て、リテーナにより定位置に支持された複数の転動球体
が潤滑剤と共に内輪と外輪との間に介在して設けられた
玉軸受において;前記リテーナは、前記転動球体が該リ
テーナの支持部と接触する回転軌跡を最短にするように
設けられてなる玉軸受が提供される。
【0010】さらに、本発明の玉軸受の第三の手段とし
て、リテーナにより定位置に支持された複数の転動球体
が潤滑剤と共に内輪と外輪との間に介在して設けられた
玉軸受において;前記リテーナは、前記転動球体が該リ
テーナの支持部と接触する接触領域が最小となるように
設けられてなる玉軸受が提供される。
【0011】そして本発明のスピンドルモータは、記録
ディスクが装着されるロータハブと、静止部材と、前記
ロータハブに装着されるロータマグネットと、前記静止
部材に設けられた電機子と、を具備すると共に、前記第
一乃至第三の手段のいずれかの玉軸受が前記ロータハブ
と前記静止部材との間に介在して設けられてなるもので
ある。
【0012】
【作用】本発明の玉軸受によれば、前記第一乃至第三の
手段により、リテーナが転動球体を支持する支持部が内
輪側または外輪側に偏寄して設けられており、リテーナ
の支持部が接触する転動球体の回転軌跡を、最短にする
ことができる。またはリテーナがこの回転軌跡を最短に
するように設けられている。さらにリテーナは、転動球
体がリテーナの支持部と接触する接触領域が最小となる
ように設けられている。このため、転動球体の転動によ
り、潤滑剤が移動しても、リテーナの支持部に滞留する
潤滑剤は、次々に凝集されてくる潤滑剤に対して押し固
められる度合いが最小限に留められる。従って、リテー
ナの支持部には、いわゆる潤滑剤の噛み込みが防止され
る。またリテーナの支持部を取囲む潤滑剤の凝集は最小
に留められるが、リテーナに作用する応力が発生せず、
従って転動球体は支持部からの圧迫を受けることが防止
される。こうして、本発明の玉軸受は騒音・振動が発生
せず、音響レベルの改善が図れると共に、非繰り返し性
振れ(N.R.R.O)を可及的に低減することが可能
となる。
【0013】また本発明のスピンドルモータによれば、
上述の第一及び第二の手段による玉軸受を用いているた
め、回転支持されるロータハブは高精度に支持される。
従って記録ディスクの読み出し/書き込み障害を生ぜし
める、オフトラック現象の発生が防止され、これにより
信頼性の高いスピンドルモータを得ることができる。
【0014】
【実施例】本発明に従う玉軸受及びこれを用いたスピン
ドルモータの実施例について、添付の図面を参照しつつ
説明する。図1は、例えば磁気ディスク光ディスク等を
回転駆動するスピンドルモータの一実施例であり、その
全体を示す断面図である。なお、搭載される磁気ディス
クは図示を省略してある。図1において、部材1は静止
部材としてのハウジングであり、本スピンドルモータが
駆動装置のベース部材(図示省略)に取り付けられる。
ハウジング1は、例えばアルミニウム材が用いられて、
略浅皿状に形成されており、最大外径を有し前記ベース
部材に取付られる鍔部13と、基部11と、中心部に厚
肉で形成されたボス部35とが一体且つ同軸的に形成さ
れている。そしてこのボス部35の中心部には、軸部材
としてのシャフト2が立設されている。シャフト2はハ
ウジング1に対して垂直に一体形成され、その中心部に
回転の軸芯が規定され、もって図の上下方向に回転軸線
50が規定される。またハウジング1の鍔部13がベー
ス部材に取りつけられるため、鍔部13の下側端面36
が、スピンドルモータの取りつけ高さ位置の基準面とな
る。
【0015】シャフト2には、一対の玉軸受5,6が装
着され、この玉軸受5,6を介してロータハブ4が回転
支持される。シャフト2及びロータハブ4に介在される
玉軸受5,6は、各々の内輪30,32及び外輪31,
33に対応する、シャフト2の外周面19及びロータハ
ブ4の内周面18へ、接着剤により固定される。回転部
材としてのロータハブ4は、軸受支持されるハブ15と
回転駆動されるロータヨーク17とから形成されてい
る。ハブ15は、例えば、ステンレス鋼が用いられ、略
円筒形状を成す。内周面18には、玉軸受5,6の高さ
方向(図の上下方向である回転軸線50方向)における
位置を規定すると共に、両玉軸受5,6のスペーサ部材
となる段部24が設けられている。また、ハブ15の外
周部27には、(図示省略する)複数の磁気ディスクが
装着される。そのため、外周部27の下方には、同軸に
形成された段部23が設けられており、この段部23の
上端面に(最も下部に位置する)磁気ディスクが載置さ
れる。従ってこの上端面がロータハブ4側の高さ位置の
基準面と成す。
【0016】ロータヨーク17は、例えば鉄鋼材が用い
られ、逆椀状に塑性変形加工されてハブ15の下部37
に取りつけられている。なお、ロータヨーク17とハブ
15との取りつけは、接着剤による固定のほか、溶接や
塑性加工等により種々選択することがてきる。ロータヨ
ーク17は、外周方向へ延びた張出部20と、この外周
縁部から図の下方に垂下した垂下部21とから形成され
ている。垂下部21の内周面38には、周方向に多極着
磁されたロータマグネット8が環状に配設されている。
【0017】ロータマグネット8の半径方向内方には、
このロータマグネット8に対向してステータ(電機子)
7が配置されている。ステータ7は、ハウジング1のボ
ス部35において環状に形成された突状部26に取りつ
けられている。ステータ7と突状部26との固定は、接
着剤による固定の他、塑性加工による加締め固定も可能
である。ステータ7は、電磁鋼板が積層されたステータ
コアに、電機子コイルが所要回数巻回されてなる。ステ
ータから引き出されたコイルリード線14は、ハウジン
グ1を経て外部へ導出される。具体的には、ハウジング
1の基部11に設けられた凹部22に貫通孔38が穿設
され、この貫通孔38に絶縁ブッシュ16が嵌め込まれ
ている。この絶縁ブッシュ16に連設して、凹部22に
はモータ外方へ延びて設けられたフレキシブル回路基板
39が貼着されている。従ってコイルリート線14は絶
縁ブッシュ16に挿通されて、フレキシブル回路基板3
9に電気接続される。なお、絶縁ブッシュ16の外側
(図の下部)には、フレキシブル回路基板方向へ延びた
鍔部43が形成されている。これによりコイルリード線
14のハウジング1に対する絶縁保持をより高めてい
る。
【0018】シャフト2とハブ15との間における、玉
軸受5の回転軸線50方向外方(図の上方向)には、環
状に形成されたラビリンススリーブ9が設けられてい
る。ラビリンススリーブ9は、その外周縁29がハブ1
5の内周面18に固定されており、またその内周面がシ
ャフト2の外周面19と僅かな隙間をもって対向配置さ
れている。ハブ15とラビリンススリーブ9とは、それ
ぞれ外側(図の上方向)端部に形成されたテーパ部に接
着剤34が滞留するよう塗布され、これにより両者は固
定される。一方、玉軸受6の回転軸線50方向外方(図
の下方向)には、玉軸受6のシール部材40とハウジン
グ1のボス部35との微小間隙、外輪33と突状部26
との間隙、及びロータヨーク21の垂下部21とハウジ
ング1の環状壁12との間隙等により、ラビリンスシー
ル構造が構成されている。これらにより、軸受内部に存
する不浄な空気や潤滑剤等がスピンドルモータ外部へ漏
出することが防止される。なお、モータ内外部のシール
性能の確保のため、コイルリード線14の導出部42に
は、接着剤41が充填塗布されている。
【0019】図2は、図1に示したスピンドルモータの
図の上側の玉軸受5を拡大して示した断面図である。な
お、図2の玉軸受5は左側半分のみを示している。図1
及び図2において、玉軸受5,6は、それぞれの内外輪
が回転軸線50方向へ相対する方向へ予圧が付加されて
いる(玉軸受5,6に対する定位置予圧)。そしてこれ
により転動球体51,52が図の点線57,58(共に
接触線と呼ぶ)に示すように内外輪と接触して保持され
ている。これにより、ロータハブ4は高い回転精度が維
持されつつ回転支持される。そして玉軸受5,6には、
転動球体51,52を玉軸受内の定位置に保持するリテ
ーナ54,55が設けられており、更にそれぞれ外輪の
(モータ外方側の)側端部にはシール部材53,40が
設けられている。
【0020】図2に示す玉軸受5において、ロータハブ
4の回転により、内輪30と外輪31とに介在される転
動球体51は、接触線57に直交した仮想回転軸(図の
二点鎖線)59を中心に回転、転動する。そして、玉軸
受5内部に封入された潤滑剤(図示省略)は、転動球体
51の転動に伴ない玉軸受5内部を一緒に移動する。転
動球体51を定位置に支持するリテーナ54は、内輪3
0と外輪31の中間部分に設けられており、従来の玉軸
受(図7参照)に比べて内輪側に偏寄して設けられてい
る。これにより、リテーナ54の支持部56が接触する
転動球体51の回転軌跡を、最短の距離にすることがで
きる。即ち、リテーナ54はこの回転軌跡を最短にする
ように設けられているため、転動球体51の転動によ
り、潤滑剤が移動しても、リテーナ54の支持部に滞留
する潤滑剤は、次々に凝集してくる潤滑剤に対して押し
固められる度合いが最小限に留められる。従って、リテ
ーナ54の支持部56には、いわゆる潤滑剤の噛み込み
が防止される。またリテーナ54には、潤滑剤の凝集が
最小限となるため、支持部56を取囲む潤滑剤により転
動球体51を必要以上に圧迫することが防止される。こ
れにより、転動球体51は円滑に転動することができ、
騒音・振動が発生せず、音響レベルの改善が図れ、しか
も非繰り返し性振れ(N.R.R.O)が可及的に低減
することが可能となる。特に潤滑剤の粘性が大きい場合
程、上述の効果が発揮される。加えて、リテーナ54に
おける支持部56の形状が小さくなるに従って、支持部
56と転動球体51との接触領域が小さくなり、上記効
果の向上が図れる。本実施例のように、リテーナ54の
支持部56を内輪または外輪側(本実施例の図2では内
輪30側)に偏寄せしめることにより、容易に上記接触
領域の低減を実現することができる。
【0021】図2における玉軸受5には、リテーナ54
が図の下側のみに設けられた構成となっている。このよ
うなリテーナとして、冠形保持器と言われるものが使用
される。これは小型、特に薄型化を要求されるスピンド
ルモータに組み込まれる玉軸受として、できるだけ薄状
の形状を用いるようにしていることによる。従って、玉
軸受5における、図の上側には、シール部材53が設け
られているため、スペース上、図の下側にリテーナ54
が設けてある。玉軸受5のシール部材53が設けてある
側は、ラビリンススリーブ9が装着されており、モータ
内部からの不浄な空気が漏出することを防止するシール
機能の向上を図るためにある。即ち、玉軸受5のリテー
ナ54装着側(モータ内部側)は、そのようなシール性
能上、実質的に影響をきたさないため、そして玉軸受の
薄型化を図る上で、シール部材を省略し、リテーナ54
を設けてある。なお、図示をしないが、玉軸受5のシー
ル部材53側にもリテーナを設けることができる。その
場合には、リテーナの支持部が接触する転動球体51の
回転軌跡を、最小の距離ににすることができる部位、即
ち外輪31側にリテーナを偏寄して設けることにより、
同様の作用効果が得られる。また、この部位において、
リテーナの支持部と転動球体51との接触領域を容易に
小さく設定することが可能となる。
【0022】従って図1に示す玉軸受6についても、玉
軸受5と同様の構成によりスピンドルモータに組み込ま
れる。但し、図で明らかなように玉軸受6は、玉軸受5
とは定位置予圧の作用方向、即ち付加状態が逆に作用し
ているため、リテーナ55の偏寄している部位も、玉軸
受5の場合と逆の配置となっている。この場合、玉軸受
6における図の下側にて、シール部材40とボス部35
とによるラビリンスシール構造が形成されているため、
薄型化を図るために、リテーナ55は図の上側(モータ
内部側)にのみ設けられている。そしてリテーナ55
は、玉軸受6の内輪32側に偏寄して設けられている。
なお、リテーナをシール部材40側に設けるとすれば、
外輪33側に偏寄して設けられることにより、上述の作
用効果を得ることができる。
【0023】このように、本構成のスピンドルモータ
は、上述の玉軸受5,6が組み込まれており、ロータハ
ブ4を回転支持しているため、ロータハブ4は高精度に
支持される。従って記録ディスクの読み出し/書き込み
障害を生ぜしめる、オフトラック現象の発生が防止さ
れ、これにより信頼性の高いスピンドルモータを得るこ
とができる。
【0024】次に示す図3は、別の実施例を示すスピン
ドルモータであり、図1に示したスピンドルモータの変
形例である。図は左側半分のみを示しており、同じ部位
には同じ番号が付してある。図3において、図1と異な
る構成についてのみ説明する。図3では、図1の玉軸受
5に代えて玉軸受74が設けられている。そしてラビリ
ンススリーブ9に代えて磁性流体シール装置71が設け
られている。磁性流体シール装置71の装着により、玉
軸受74側のシール部材は省略されている。玉軸受74
は、接触線77により、内輪75と外輪76との間に転
動球体73が介在され、リテーナ72が図の上下に設け
られている。このリテーナ72は、波形保持器と言われ
るものが使用される。リテーナ72における図の上側の
支持部81は外輪76側に偏寄して位置付けられ、図の
下側の支持部82は内輪75側に偏寄して位置付けられ
ている。いずれの支持部81,82も、転動球体73が
転動する回転軌跡の最短距離となるように設定されるこ
とにより、転動球体73と支持部81,82とにおける
潤滑剤の噛み込みが防止される。そして、潤滑剤の凝集
による作用力(応力)が小さく、リテーナ72の支持部
81,82が転動球体73を圧迫することもない。これ
により、音響レベルの改善と非繰り返し性振れ(N.
R.R.O)が可及的に低減される。
【0025】図4は、図1に示したスピンドルモータに
組み込まれる別の実施例として示す玉軸受の部分断面図
である。図に示す玉軸受85は、例えば図1のスピンド
ルモータにおける玉軸受5に対応している。すなわち内
輪90は、回転軸線50の下方向へ予圧が付加されてい
る状態を示し、外輪89は同様に上方向へ予圧が付加さ
れている。従って転動球体93とこれら内外輪とは、接
触線87に示す状態で定位置予圧が付加されている。玉
軸受85には、リテーナ95が外輪89側に偏寄して設
けられており、その上下の支持部97,61共に外輪8
9側に位置付けられている。従って、転動球体93は、
既に図2において説明したように接触線87と直交する
回転軸67を中心に転動球体93は転動する。従って上
側の支持部97のほうは、回転軌跡の最短となるが、下
側の支持部61のほうは、それほど回転軌跡が小さくな
らず幾分ハンデキャップを負う。しかしながら、リテー
ナ95として、転動球体93と支持部97,61との接
触領域を最小に設けてありしかも、外輪89側に偏寄し
て設けてある。このため、潤滑剤の凝集による支持部9
7並びに支持部61を取囲む潤滑剤は、内輪90側へ移
動される余地69を残しており、多少凝集した潤滑剤
は、その余地69に移動することができる。従って、リ
テーナ95は、潤滑剤の凝集による支持部61(及び支
持部97も含めて)への応力が実質上作用せず、もって
転動球体93は圧迫を受けることが防止される。これに
より転動球体93は円滑な転動が実現できる。従って、
音響レベルの改善はもとより、非繰り返し性振れ(N.
R.R.O)が可及的に低減できる。
【0026】次の図5に示す玉軸受は、さらに別の実施
例を示すものである。玉軸受86は図4に示した玉軸受
85に対して、リテーナ96の配置が異なる。すなわ
ち、リテーナ96は内輪92側に偏寄して設けられてい
る。この場合も転動球体94と内外輪92,91とは、
接触線88の状態で定位置予圧が付加されており、図4
と同じ予圧状態を示している。従って、玉軸受86は、
リテーナ96が内輪92側に位置付けられているため、
すでに説明した図4の玉軸受85における支持部97,
61とは、逆の潤滑剤の凝集作用を有する。しかしなが
ら、この場合も実質上、図4と同様に、玉軸受86の転
動球体94には、潤滑剤及び支持部98,62による圧
迫を受けず、円滑な転動が実現でき、上述の効果が得ら
れる。
【0027】以上、本発明の玉軸受及びこれを用いたス
ピンドルモータの実施例について説明したが、本発明の
主旨を逸脱しない範囲で設計変更乃至修正等自由であ
る。即ち本実施例の玉軸受のリテーナは、いわゆる波形
や冠形保持器等の他、転動球体を支持する上で特に形状
や大きさ等限定されるものでない。またリテーナは玉軸
受の片側でも両側に設けてもよい。そして転動球体の数
や構成物の材質等設計選定自由である。またスピンドル
モータは、本実施例では、いわゆるアウターロータタイ
プの軸固定型スピンドルモータについて説明したが、イ
ンナーロータタイプや軸回転型スピンドルモータ等、自
由に選択することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の玉軸受及びこれを用いたスピン
ドルモータは、上述の構成を有しているので、次の効果
を奏する。即ち、本発明の玉軸受によれば、リテーナが
転動球体を支持する支持部が内輪側または外輪側に偏寄
して設けられており、リテーナの支持部が接触する転動
球体の回転軌跡を、最短にすることができる。またはリ
テーナがこの回転軌跡を最短にするように設けられてい
る。更にリテーナは、転動球体がリテーナの支持部と接
触する接触領域が最小となるように設けられている。こ
のため、転動球体の転動により、潤滑剤が移動しても、
リテーナの支持部に滞留する潤滑剤は、次々に凝集して
くる潤滑剤に対して押し固められる度合いが最小限に留
められる。従って、リテーナの支持部には、いわゆる潤
滑剤の噛み込みが防止される。またリテーナの支持部を
取囲む潤滑剤の凝集は最小に留められるから、リテーナ
に作用する応力が実質上発生せず、従って転動球体は支
持部からの圧迫を受けることが防止される。こうして本
発明の玉軸受は、転動球体が円滑に転動でき、騒音・振
動が極めて小さく、音響レベルの改善が図れるととも
に、非繰り返し性振れ(N.R.R.O)が可及的に低
減することができる。
【0029】また本発明のスピンドルモータによれば、
上述の構成による玉軸受を用いているため、回転支持さ
れるロータハブは高精度に支持される。従って記録ディ
スクの読み出し/書き込み障害を生ぜしめる、オフトラ
ック現象の発生が防止され、これにより信頼性の高いス
ピンドルモータが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るスピンドルモータの全
体を示す断面図である。
【図2】図1に係るスピンドルモータの玉軸受を示す部
分断面図である。
【図3】本発明の別の実施例に係るスピンドルモータの
部分断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る玉軸受を示す部分断面図
である。
【図5】本発明の別の実施例に係る玉軸受を示す部分断
面図である。
【図6】従来の玉軸受を用いて構成されたスピンドルモ
ータの部分断面図である。
【図7】図6の一部を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 シャフト 4 ロータハブ 5,6 玉軸受 7 ステータ 8 ロータマグネット 9 ラビリンススリーブ 54,55 リテーナ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リテーナにより定位置に支持された複数
    の転動球体が潤滑剤と共に内輪と外輪との間に介在して
    設けられた玉軸受において、 前記リテーナは、前記転動球体を支持する支持部が前記
    内輪側または前記外輪側に偏寄して設けられた、ことを
    特徴とする玉軸受。
  2. 【請求項2】 リテーナにより定位置に支持された複数
    の転動球体が潤滑剤と共に内輪と外輪との間に介在して
    設けられた玉軸受において、 前記リテーナは、前記転動球体が該リテーナの支持部と
    接触する回転軌跡を最短にするように設けられた、こと
    を特徴する玉軸受。
  3. 【請求項3】 リテーナにより定位置に支持された複数
    の転動球体が潤滑剤と共に内輪と外輪との間に介在して
    設けられた玉軸受において、 前記リテーナは、前記転動球体が該リテーナの支持部と
    接触する接触領域が最小となるように設けられた、こと
    を特徴とする玉軸受。
  4. 【請求項4】 記録ディスクが装着されるロータハブ
    と、静止部材と、前記ロータハブに装着されるロータマ
    グネットと、前記静止部材に設けられた電機子と、を具
    備すると共に、前記請求項1乃至請求項3記載の玉軸受
    が前記ロータハブと前記静止部材との間に介在して設け
    られた、ことを特徴とするスピンドルモータ。
JP25476493A 1993-09-17 1993-09-17 玉軸受及びこれを用いたスピンドルモータ Pending JPH0783234A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001050291A (ja) * 1999-07-28 2001-02-23 Skf Gmbh 軸受ケース内への軸受の固定方法と軸受装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001050291A (ja) * 1999-07-28 2001-02-23 Skf Gmbh 軸受ケース内への軸受の固定方法と軸受装置

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Effective date: 20020319