JPH0783080A - 内燃機関の弁動作タイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関の弁動作タイミング調整装置

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JPH0783080A
JPH0783080A JP23170693A JP23170693A JPH0783080A JP H0783080 A JPH0783080 A JP H0783080A JP 23170693 A JP23170693 A JP 23170693A JP 23170693 A JP23170693 A JP 23170693A JP H0783080 A JPH0783080 A JP H0783080A
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phase difference
valve
dither signal
camshaft
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JP23170693A
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Hiroshi Ikeda
広 池田
Katsuhiko Kawai
勝彦 川合
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Denso Corp
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造を簡素化し且つ短時間の学習効果によ
り、弁の製造上のばらつき等の影響なく正確にタイミン
グを制御しうるバルブタイミング調整装置を得る。 【構成】 クランク軸2とカム軸5の位相調整機構40、
位相調整機構駆動手段104 、内燃機関各部に設けられた
各種センサ42〜45、センサの検出値に基づき両軸間の実
位相差角を算出する回転位相差検出手段88、回転位相差
の目標値を決定する目標値決定手段200 、実位相差角を
回転位相差の目標値に一致させるための制御手段105 及
び、ディザー信号発生手段106 とを具備し前記制御手段
の出力にディザー信号を加算する様に構成された内燃機
関の弁動作タイミング調整装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関における吸気
弁、排気弁の動作タイミングを変えるための弁動作タイ
ミング調整装置に関するものであり、更に詳しくは、カ
ム軸の駆動制御系に学習効果を採用することによって高
精度な制御を行うことの出来る弁動作タイミング調整装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の運転条件に応じて吸気弁開閉
タイミングを可変制御する機構として、クランクシャフ
トに同期して回転するカムプーリーに対するカムシャフ
トの回転位相を変更するようにしたバルブタイミング調
整装置が知られている。例えば特開平1−134010
号公報に開示されるように、内燃機関の吸気弁の開閉タ
イミング(バルブタイミング)を変更させるための油圧
サーボ弁を備えたタイミング変更手段を設け、さらに、
このサーボ弁のスプールを油圧シリンダによって駆動す
る流体圧駆動手段を設けるものが知られている。
【0003】そして、この従来技術では、上記流体圧駆
動手段に備えられる2つの開閉弁を開、閉制御し、サー
ボ弁を一定の速度で移動させることにより、タイミング
変更手段においてバルブタイミングを変化させている。
このように従来技術では、タイミング変更手段と流体圧
駆動手段とに、それぞれ油圧系が必要であるため構造が
複雑である。さらに、上記従来技術では、2つの開閉弁
によって油圧の供給を断続するだけであるため、微小な
移動量の制御や、サーボ弁の移動速度の制御が困難であ
り、バルブタイミングを微小量だけ変化させる制御や、
所望の速度で変化させることができず、より正確な制御
ができないという問題点があった。
【0004】そこで、開閉弁ではなく、開度を調節する
ことにより油量を調節できる弁を用い、バルブタイミン
グを所望の速度で変化させることが考えられる。しか
し、このような弁を使用すると、弁の製造ばらつき、弁
からの油漏れ等により、弁の駆動信号とバルブタイミン
グの変化とが正確に一致しないおそれがある。例えば、
バルブタイミングをそのままの状態に保持できないと
か、バルブタイミングの変化が得られないといった不具
合がある。かかる問題を解決するため本願発明者等は先
に高い精度のフィードバック制御を行うことを目的とし
て制御系の油の流量の立ち上り点即ち進角デューティ値
と遅角デューティ値を正確に学習することの必要性を知
得て、クランク軸とカム軸との相対回転角を検出して前
記相対回転角によって油圧ピストンの作動状態を検出
し、油圧ピストンを所定の作動状態とする前記駆動手段
の駆動信号を学習し、この学習値に基づき適宜の制御手
段において算出される駆動信号を補正する学習手段を採
用したものである。
【0005】つまり、高精度の弁動作タイミング調整を
行うには、高い精度のフィードバック制御を行う必要が
あり、その為には、流量の立ち上がり点、即ち進角デュ
ーティ値と遅角デューティ値を正確に学習する必要があ
る。然しながら、上記した方法においては、アイドル時
にデューティ値をゆっくり操作している間のカム軸進角
値の動きをモニタすることにより、進角デューティ値と
遅角デューティ値を学習するようにして対応しているも
のであるため、学習作業を繰り返し行う必要があり、ま
た、学習値算出に時間がかかり学習の機会が少ない等の
問題点があった。特に、遅角オフセット値の学習の場
合、ゆっくり遅角側へカム軸位置が変化している最中
に、カム軸進角値の変化を検出するため、高い精度で検
出できるか疑問であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の技術上の欠点を改良し、装置全体の構造を簡単にでき
るとともに、短時間の学習効果によって、開度調節に応
じて油量調節できる弁を使用しても弁の製造上のばらつ
き等の影響なく正確にバルブタイミングを制御すること
のできるバルブタイミング調整装置を提供する事が出来
る弁動作タイミング調整装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、以下に記載されたような技術構成を採用
するものである。即ち、本発明に係る弁動作タイミング
調整装置としては、基本的には、内燃機関内のクランク
軸からカム軸に至る回転伝達系内に設けられ、両軸間の
回転位相差を変えるための位相調整機構と、前記位相調
整機構を駆動するための駆動手段と、内燃機関各部に設
けられ、機関の運転状態を表す複数の状態量を検知する
各種センサと、前記センサによって検出された運転状態
量に基づいて前記両軸間の実位相差角を算出する回転位
相差検出手段と、前記センサによって検出された運転状
態量に基づいて回転位相差の目標値を決定する目標値決
定手段と、前記実位相差角を回転位相差の目標値に一致
させるための操作量を生成して前記駆動手段に出力する
制御手段とを具備する弁動作タイミング調整装置におい
て、前記制御手段は、補助信号としてディザー信号発生
手段と、前記回転位相差の目標値に前記実位相差角が追
随する様に前記操作量を演算するに際して、前記操作量
に前記ディザー信号を加算させるディザー信号加算手段
及び、前記回転位相差の目標値が、所定の期間一定であ
ると判断された場合に、その時点に於ける前記操作量を
記憶して学習する学習手段とが設けられている内燃機関
の弁動作タイミング調整装置である。
【0008】
【作用】以上に述べた本発明の弁動作タイミング調整装
置の構成によると、適宜の駆動制御手段によって前記ス
プール弁の開度が調節されると、この開度に応じた油量
が油圧通路に連通する油圧室へ供給される。そして、油
圧ピストンはこの油量に応じて軸方向に移動するため、
カム軸とクランク軸との相対回転角は変化するものであ
るが、かかるスプール弁の静特性には不感帯が存在して
おり、その為、従来では、カム軸進角値を制御するため
に進角オフセット値と遅角オフセット値の2つの量を測
定しなければならないのに対し、本発明に於いては、係
るスプール弁の静特性に於ける不感帯を平滑し、係る不
感帯を見掛け上縮小させる事により、カム軸進角値を制
御するために必要な学習値は、少なくとも一個で良いと
言う事実を知得し、かかる知見の基づいて、係る弁動作
タイミング調整装置に於けるスプール弁の操作量である
パスル幅変調信号からなるデューティ値に適宜の補助信
号としてディザー信号を印加させる事により係るスプー
ル弁の静特性に於ける不感帯を平滑化させ、係る学習時
間が短縮化され、それによって、更に前記の学習機会を
増加させる事が可能となるので、弁動作タイミング調整
装置に於ける弁操作制度を向上させる事が出来るのであ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明を適用した弁動作タイミング調
整装置の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は、
本発明に係る弁動作タイミング調整装置85を被制御対
象装置80である内燃機関1に適用した場合の例を示し
ており特に内燃機関1の吸排気弁を制御するクランク軸
とカム軸間の位相差を調整する調整機構40とそれを直
接操作する油圧シリンダー系統70で構成される制御系
に適用した例を示すものである。
【0010】図1は、ダブルオーバーヘッドカム式内燃
機関に本発明を適用した実施例を示す概略図であり、図
2は、弁動作タイミング調整装置におけるクランク軸と
カム軸との回転位相差を変化させる位相差調整機構40
の断面図である。内燃機関1では、クランクシャフト2
からの動力を伝達するタイミングチェーン3によって一
対のスプロケット13a,13bを介して一対のカムシ
ャフト4,5が駆動される。
【0011】そして、カムシャフト5には、上記した位
相差調整機構40が設けられている。また、クランクシ
ャフト2には、クランク位置検出センサ42が取り付け
られ、カムシャフト5には、カムシャフト位置検出セン
サ44が取り付けられる。ここで、クランク位置検出セ
ンサ42からのパルス数が、クランクシャフト2が1回
転するとN個発生するとき、カムシャフト位置検出セン
サ44からのパルス数が、カムシャフト5が1回転する
と2N個発生するようにする。また、カムシャフト5の
タイミング変換角最大値をθmaxクランク角とする
と、N<360度/θmaxとなるようパルス数Nを設
定する。これによって、後述の相対回転角θを算出する
ときに、クランク位置検出センサ42のパルスと、この
パルスの次に連続して発生するカムシャフト位置検出セ
ンサ44のパルスとを使用することができる。
【0012】このクランク位置検出センサ42およびカ
ムシャフト位置検出センサ44からの信号は制御手段4
6に入力される。この信号の他に内燃機関1の冷却水温
信号、スロットル開度信号等が入力され、制御手段46
のマイクロプロセッサが、これらの信号を基にクランク
シャフト2に対するカムシャフト5の目標相対回転角θ
aを演算する。そして、制御手段46で演算された駆動
信号を電磁アクチュエータである後述のリニアソレノイ
ド64へ入力し、後述の弁装置であるスプール弁30を
駆動する。そして、このスプール弁(弁装置)30を駆
動することによって、オイルパン28からオイルポンプ
29によって圧送され、位相差調整機構40へ供給され
るオイルの油量を調整する。
【0013】以下、この位相差調整機構40の構成を説
明する。図2において、カムシャフト5の端部には、カ
ムシャフト5と一体に回転するようにピン12とボルト
10とによって固定された略円筒形のカムシャフトスリ
ーブ11が設けられている。また、このカムシャフトス
リーブ11の外周面の一部には、外歯ヘリカルスプライ
ン11aが形成されている。さらに、カムシャフトスリ
ーブ11には、シリンダヘッド25にボルト24で取り
付けられるハウジング23の内部に突出する円筒部11
bが設けられている。
【0014】また、スプロケット13aは、カムシャフ
ト5とカムシャフトスリーブ11との間に挟まれて支持
され、軸方向の移動は阻止されているがカムシャフト5
に対して相対回転可能となっている。そして、スプロケ
ット13aの図2左側には、略円筒形のクランク軸側部
材であるスプロケットスリーブ15がピン14とボルト
16とによってスプロケット13aと一体に回転するよ
う固定されている。また、このスプロケットスリーブ1
5には、ハウジング23の内部に上記カムシャフトスリ
ーブ11を覆うように突出した円筒部15bが設けられ
ている。そして、この突出した円筒部15bの内周面の
一部に内歯ヘリカルスプライン15aが形成されてい
る。この内歯ヘリカルスプライン15aは、上記外歯ヘ
リカルスプライン11aとは逆方向のねじれ角を有する
ように形成されている。なお、外歯ヘリカルスプライン
11aまたは内歯ヘリカルスプライン15aのいずれか
一方は、ねじれ角をゼロとして、軸方向に平行な直線歯
を有するスプラインとしてもよい。
【0015】そして、カムシャフトスリーブ11の円筒
部11bと、スプロケットスリーブ15の円筒部15b
との隙間の一部には、軸方向に略一様な断面を有する環
状の空間90が形成され、その空間90内で軸方向に液
密状態を保って摺動することができるように、略円筒形
状の油圧ピストン17が挿入される。この油圧ピストン
17の内面の一部には、カムシャフトスリーブ11の外
歯ヘリカルスプライン11aと噛み合う内歯ヘリカルス
プライン17aが形成されていると共に、外面の一部に
はスプロケットスリーブ15の内歯ヘリカルスプライン
15aと噛み合う外歯ヘリカルスプライン17bが形成
されている。上記スプライン同士の噛み合いにより、図
1に示すタイミングチェーンを介してスプロケット13
aに伝達されるクランクシャフト2の回転は、スプロケ
ットスリーブ15、油圧ピストン17、カムシャフトス
リーブ11を経てカムシャフト5に伝達される。また、
油圧ピストン17の左側端部に形成されるつば部の外周
には、オイルシール70が備えられている。このオイル
シール70は、スプロケットスリーブ15の円筒部15
bの内周面と接触するように設けられる。
【0016】この空間90内に、油圧ピストン17が設
けられることによって、空間90は2つの室に分割され
る。これによって、油圧ピストン17の左側に進角側油
圧室22が形成され、右側に遅角側油圧室32が形成さ
れる。そして、上記オイルシール70によって、油圧室
22と23との間のシール性が確保される。また、スプ
ロケットスリーブ15の図中左側開口端には、エンドプ
レート50が取り付けられている。このエンドプレート
50には、円筒部と、その円筒部の図中右側端部に形成
され、スプロケットスリーブ15の上記開口端に取り付
けられるつば部とが備えられる。また、エンドプレート
50の円筒部の外周には溝が設けられ、この溝にオイル
シール71が保持される。
【0017】そして、エンドプレート50とカムシャフ
トスリーブ11との左側端部には、ノックピン53によ
ってハウジング23に固定される環状のリングプレート
51が設けられている。このリングプレート51は、コ
字状断面に形成され、エンドプレート50の円筒部と、
カムシャフトスリーブ11の円筒部11bとを内部に回
転可能に収容する。また、リングプレート51の内側円
筒部の外周には溝が設けられ、この溝にオイルシール7
2が保持される。このオイルシール72はリングプレー
ト51とカムシャフトスリーブ11との間のシール性を
確保する。一方、上記オイルシール71はエンドプレー
ト50とリングプレート51との間のシール性を確保す
る。これによって、進角側油圧室22内のシール性は確
保される。
【0018】リングプレート51の中心の開口と、ハウ
ジング23の開口とには、ボルト52が取り付けられて
いる。このボルト52が取り付けられると、カムシャフ
トスリーブ11の内周と、カムシャフト5との間に空間
91が形成される。また、ボルト52の内部には、この
空間91に連通する断面T字形の油圧通路61bが形成
される。さらに、ボルト52の外周には環状溝が形成さ
れており、この油圧通路61bの半径方向の両端が連通
する。
【0019】また、ハウジング23には、上記ボルト5
2の環状溝と連通する油圧通路61aが形成されてい
る。この油圧通路61aは、断面T字形の油圧通路61
bを介して、空間91に連通し、この空間91からカム
シャフトスリーブ11に形成される油圧通路61cを通
じて上記遅角側油圧室32に連通する。さらに、ハウジ
ング23には、上記進角側油圧室22に連通する油圧通
路60が形成されている。上記油圧通路61aおよび6
0は、ハウジング23に形成され、後述の弁装置である
スプール弁30を収容する空間部95に開口している。
また、この空間部95には、内燃機関1のオイルパン2
8からオイルポンプ29によって圧送されるオイルを供
給する油圧供給路65が開口し、オイルパン28にオイ
ルを戻す油圧開放路66が開口する。
【0020】以下、弁装置30の構成を図3に基づいて
説明する。なお、図3(a),(b),(c)は、油圧
通路を切り替えるときの弁装置30の断面図であり、そ
の動作は後述する。空間部95に収容される弁装置30
のシリンダ30aには、上記油圧通路61aと連通する
油圧ポート30bと、油圧通路60と連通する油圧ポー
ト30cとが設けられる。また、油圧供給路65と連通
する吸入ポート30dおよび油圧開放路66と連通する
吐出ポート30e,30fが設けられる。そして、シリ
ンダ30a内には、内部を摺動可能に移動し、上記ポー
トの連通を切り替えるスプール31が挿入されている。
このスプール31の図中右側にはスプール31を図中左
方向へ付勢するスプリング31aが設けられている。さ
らに、スプール31の図中左側には、電磁アクチュエー
タとして作用するリニアソレノイド64が設けられる。
このリニアソレノイド64に発生する電磁力によって、
スプール31はスプリング31aの付勢力に抗して図中
右側へ移動する。
【0021】以下、油圧系統300における弁装置30
内のスプール31の移動による油圧通路切り替えの動作
を説明する。図3(a)に示すように、スプール31が
右側に移動するとき、吸入ポート30dと油圧ポート3
0cとが開き、油圧供給路65と油圧通路60とが連通
する。このため、オイルポンプ29からの油圧は進角側
油圧室22に供給される。同時に、吐出ポート30eと
油圧ポート30bとが開き、油圧通路61aと油圧開放
路66とが連通する。このため、遅角側油圧室32の油
圧は開放される。これによって、油圧ピストン17は右
方向へ移動するため、スプロケット13aすなわちクラ
ンクシャフト2に対しカムシャフト5が相対的に進角す
る。
【0022】図3(b)に示すように、スプール31が
中央にあるときは、油圧ポート30b,30cが共に閉
じるため、油圧室22,32からのオイルの漏れがない
場合、油圧ピストン17の位置が保持され、スプロケッ
ト13とカムシャフト5との回転位相は変化しない。次
に、図3(c)に示すように、スプール31が左側に移
動するとき、吸入ポート30dと油圧ポート30bとが
開き、油圧供給路65と油圧通路61aとが連通するた
め、オイルポンプ29からの油圧は遅角側油圧室32に
供給される。一方、吐出ポート30fと油圧ポート30
cとが開き、油圧通路60と油圧開放路66とが連通す
る。このため、進角側油圧室22の油圧は開放される。
これによって、油圧ピストン17は左方向に移動するた
め、スプロケット13aすなわちクランクシャフト2に
対してカムシャフト5が相対的に遅角する。
【0023】次に、本発明に係る弁動作タイミング調整
装置85の具体的な構成の例を図4を参照しながら詳細
に説明する。即ち、図4は、本発明に於ける弁動作タイ
ミング調整装置85の一具体例の構成を示すブロックダ
イアグラムであり、図中、内燃機関内のクランク軸2か
らカム軸5に至る回転伝達系内に設けられ、両軸間の回
転位相差を変えるための位相調整機構40と、前記位相
調整機構40を駆動するための駆動手段104と、内燃
機関各部に設けられ、機関の運転状態を表す複数の状態
量を検知する各種センサ42〜45と、前記センサ42
〜45によって検出された運転状態量に基づいて前記両
軸間の実位相差角を算出する回転位相差検出手段88
と、前記センサによって検出された運転状態量に基づい
て回転位相差の目標値を決定する目標値決定手段200
と、前記実位相差角を回転位相差の目標値に一致させる
ための操作量を生成して前記駆動手段104に出力する
制御手段105とを具備する弁動作タイミング調整装置
85において、前記制御手段105は、補助信号として
ディザー信号発生手段106と、前記回転位相差の目標
値に前記実位相差角が追随する様に前記操作量を演算す
る操作量演算手段109による演算処理に際して、前記
操作量に前記ディザー信号を加算させるディザー信号加
算手段107及び、前記回転位相差の目標値が、所定の
期間一定であると判断された場合に、その時点に於ける
前記操作量を記憶して学習する学習手段108とが設け
られている内燃機関の弁動作タイミング調整装置であ
る。
【0024】上記構成からなる本発明に係る弁動作タイ
ミング調整装置に於ける制御方法の基本原理は、図5に
示す様に閉ループ制御系を構成するものであって、前記
した電磁弁の開度を調節して回転位相角、すなわちカム
軸進角値をフィードバック制御するための制御系ブロッ
ク線図の例を示している。図5に於ける501は、例え
ば積分動作を含まないPD動作コントローラで構成さ
れ、又、502は制御対象として例えば電磁弁の製造公
差,経時変化等により特性が変動するような油圧装置を
示している。係る油圧装置における前記電磁弁の静特性
は、例えば図6に示される様な特性を有するものとす
る。
【0025】図5に於いて、rは回転位相差目標値であ
り、yは制御対象502から出力される実位相差角、す
なわちカム軸進角値である。尚、前記操作量は、デュー
ティ値として表示されるものである。係る制御系に於い
て、制御対象502から出力されるカム軸進角値yを図
示の様にフィードバックして、前記回転位相差目標値r
との偏差e(e=r−y)を演算して前記コントローラ
501に入力させ、前記コントローラ501からデュー
ティ値uが出力される。
【0026】その後、かかるデューティ値uに別途準備
したディザー信号dthを加算して新たなデューティ値
u’を形成し、このデューティ値u’を制御対象502
に入力して所定の制御を実行させるものである。本発明
者等は、係る制御系に於いて、カム軸進角速度が0にな
るデューティ値を保持デューティ値と定義して、係る保
持デューティ値のばらつきを学習する事により、回転位
相差目標値にカム軸進角値が追随出来る様にする学習方
法を既に提案している。(特願平5─86321参照の
こと)上記の学習方法の原理を図6に示しておく。
【0027】つまり、図6は図5に示された制御系に学
習手段を導入した制御系を表している。コントローラ5
01はPD動作のコントローラで構成されており、エン
ジンの運転状態に基づいて決定された目標カム軸進角値
rと、現在のカム軸進角値yと、RAMを備えて構成さ
れた学習回路503からの学習値d’とが入力される。
コントローラ501は、操作量をデューティー値uで決
定し、油圧装置及び位相調整機構からなる制御対象50
2に出力する。デューティー値uはパルス幅変調信号で
生成され、上記電流制御回路を経由してリニアソレノイ
ドに供給される。これにより上記油圧室の作動油が調節
され、作動油量に応じてカムシャフトがその回転方向に
変位される。このときのカム軸進角値yが制御対象50
2から検出される。
【0028】このように制御対象502は図3で示すよ
うな油圧機構を備えているので積分要素を含んでおり、
更に実験により「むだ時間」を含んでいることが判明し
た。よって制御対象502の動特性は「積分+むだ時
間」で表わすことができ、デューティー値uとカム軸進
角速度間の静特性は図6中のグラフ504のように表さ
れ得る。
【0029】かかる静特性において、その右肩部分を保
持デューティー値da、一方の左肩部分を遅角デューテ
ィー値drと呼ぶ。前者はカム軸進角速度が「0」とな
るときのデューティー値であり、言い換えると現状のカ
ム軸進角値を維持するための値である。また後者は上記
スプール弁が摺動したとき実際に遅角動作を開始させる
ときの値である。上記各デューティー値da,drは、
いずれも実験等により予め設定され、後述するデューテ
ィー値uの決定の際に用いられるが、例えばスプール弁
の製造公差又は経時変化,あるいは油圧値又は油圧温度
等によりその値が変動し得るものである。尚、上記デュ
ーティー値daと,drとの間のデューティー値は、油
圧室等における作動油の漏れ,またはカムシヤフト上の
カムプーリが吸気弁を駆動するときの摩擦力等に起因し
てカム軸進角速度が完全に「0」となるものではなく、
長い時間で見ると、カム軸進角値を遅角方向に少しずつ
推移させる。
【0030】このように上記デューティー値da,dr
は、上記スプール弁の製造公差又は経時変化等の外乱要
素により変動し得るので、係る弁動作タイミング調整制
御においてはda,drを補償しながら特に上記の保持
デューティー値daを前記した特願平5─86321に
示す様な方法により学習しながら補償して弁動作タイミ
ング調整制御を行うものである。
【0031】然しながら、上記した様な問題点が依然と
して存在する事から、本発明者らは、更に係る弁動作タ
イミング調整装置に於ける制御方法の改良を検討して、
本発明に到達したものであって、本発明にかかる学習方
法に於いては、基本的には、前記デューティ値uに補助
信号としてのディザー信号dthを加算してその結果を
前記制御対象502に入力させる様に構成する事によっ
て、制御系に設けられたスプール弁のデューティー値u
とカム軸進角速度間の静特性は、見掛け上図7中のグラ
フ504’のようなる。
【0032】つまり、前記スプール弁等の製造公差、経
時変化等により保持デューティ値、遅角デューティ値が
変動したり、ばらついたりするが、本発明に於いては、
前記静特性に於ける不感帯を平滑する事により、新たな
保持デューティ値が存在し、かかる変動の影響を吸収し
て、保持デューティ値の変動として表す事が可能とな
る。
【0033】即ち、上記カム軸進角速度が0となるデュ
ーティ値を保持デューティ値dhと称するが、係る新規
な保持デューティ値dhを学習する事によって、前記ス
プール弁等の製造公差、経時変化等を吸収して、前記カ
ム軸進角値を安定な中間位置で保持する事が可能とな
る。係る新規な保持デューティ値の学習方法は、例えば
上記した特願平5─86321に開示された学習方法を
採用する事も出来る。
【0034】図8は、従来に於けるスプール弁等のデュ
ーティ値とカム軸進角速度との静特性と、本発明に係る
ディザー信号を加算して得られる静特性を比較したグラ
フである。つまり、点線のグラフは、従来のスプール弁
等のデューティ値とカム軸進角速度との静特性を示すも
のであり、実線のグラフは、例えば図9に示す様な周波
数が20Hz、振幅が40%の三角波を有するディザー
信号をデューティ値に加算した場合の静特性を示すグラ
フである。
【0035】尚、図9に於いて、点線の波形は、係るデ
ィザー信号をソフトウェアにより形成させる場合の例で
あり、適宜間隔を持った階段状の波形となる。又、係る
ディザー信号に関しては、定常時に於いて前記したカム
軸進角値の変動が、予め定められた所定の許容範囲内に
(例えば±1°CA)なる様にその周波数及び振幅を選
定するものである。
【0036】本発明に於いて使用される前記ディザー信
号の特性は、特に限定されるものではないが、少なくと
も前記弁装置に於ける静特性に於ける不感帯を平滑化し
うる様な波形を有している事が望ましく、具体的には、
前記ディザー信号の波形は、所定の幅を有する複数個の
ステップから形成された三角状波形を基本とする波形で
ある事が望ましい。
【0037】本発明に於いては、正弦波、矩形波でも前
記ディザー信号として採用する事も可能であり、要は、
階段状に増加、減少する波形であって、増加側と減少側
の波形が対象的なものである事が望ましい。従って、本
発明に於いて使用されるディザー信号発生手段106
は、上記した波形を有するディザー信号を発生させる機
能を有する回路であれば、如何なる回路でも使用する事
が出来る。
【0038】又、本発明に於ける前記制御に於ける操作
量の演算周期は、特に限定されるものではないが、例え
ば10msecとする事が出来る。又、本発明に於ける
前記制御系に於いて使用されるコントローラ501はP
D動作のコントローラで構成された例を説明したが、本
発明に於いては、これに限定されるものではなく、最適
レギュレータを使用するもので有っても良い。
【0039】本発明に於いて、上記の弁動作タイミング
調整を実行する場合には、先ず前記した特願平5─86
321等に示す様な方法により、デューティ値u(k)
に前記したディザー信号dthを加算してu(k)’を
求め、このu(k)’を用いて被制御対象物を制御する
ものである。即ち、 u(k)’= u(k)+ dt
h である。
【0040】本発明に於けるデューティ値u(k)を演
算する方法は、特願平5─86321等に示す様に、サ
ンプリング時点kに於いて、各種のセンサからエンジン
内の各状態信号を取込み、エンジン運転状態及び現在の
カム軸進角値 y(k) を把握して、当該運転状態に基づい
て目標進角値 r(k) を決定する。そして目標進角値 r
(k) 及びカム軸進角値 y(k) から偏差 e(k) 即ち、 e
(k) = r(k) − y(k) を算出する。更にかかる各データ
と保持デューティ値dを用いて、以下の式からデューテ
ィ値u(k)を演算するものである。
【0041】u(k) = K P ・ e(k) + KD ・[ e(k) - e
(k-1) ] + d ここでKP ,KD はフィードバックゲインであり、弁動
作タイミング調整に要する負荷に応じて各々別個の値で
設定されても構わない。図10は、本発明に於いて、図
10(B)に示される様な保持デューティ値が正しく設
定された場合に、図10(A)に示される様に、前記目
標進角値(点線グラフ)と実際のカム軸進角値(実線グ
ラフ)とが一致している事を示すものである。
【0042】この場合には、前記デューティ値u(k)
即ち、 u(k)= K P ・ e(k) + KD ・[ e(k) - e(k-1) ] +
d の式中、K P ・ e(k) は0を示し又[ e(k) - e(k-1) ]
の値も0を示す事になる。従って、この場合に保持デュ
ーティ値が、例えば46.5(%)と設定されていれば
デューティ値u(k)も、46.5(%)と設定され
る。
【0043】一方、図11は、本発明に於いて、図11
(B)に示される様に、図10(B)に示されると同様
の保持デューティ値が発生してはいるが、その値が正し
く設定されなかった場合に、図11(A)に示される様
に、目標進角値(点線グラフ)と実際のカム軸進角値
(実線グラフ)との間に定常偏差が生ずる例を示してい
る。
【0044】つまり、図11に於いては、保持デューテ
ィ値の真値が、約46.5%である場合に、保持デュー
ティ値の学習値を50%と設定した場合の例を示すもの
であり、この場合には、デューティ値u(k)即ち、 u(k)= K P ・ e(k) + KD ・[ e(k) - e(k-1) ] +
50(%)=46.5(%) となり、式中、[ e(k) - e(k-1) ] の値は定常時0を示
すが、K P ・ e(k) の値は0を示さず、K P ・ e(k) の
値は46.5−50.0(%)=−3.5(%)とな
る。よって、 e(k) (=r(k)−y(k))=0とな
らず、定常偏差を生じるという現象と一致している。
【0045】従って、本発明に於いては、係る定常偏差
をなくす為に、鋭意検討の結果、前記した本願発明者等
の提案による、特願平5─86321等に示す様に、目
標値が一定である定常時に於いて、デューティ値は保持
デューティ値の真値に収束していると言う原理を採用
し、具体的には、図12(B)に示す様に定常時、デュ
ーティ値を保持デューティ値の学習値として反映させる
事によって、図12(A)に示す様に、上記定常偏差を
0とする事が出来る。
【0046】本発明に於ける上記各構成に於いて、前記
ディザー信号は、ソフト信号により作成したものである
が、此れに限定されるものではなく、ハード的に構成し
ても良く、又、本発明の目的は、係る弁手段に於けるス
プール弁の静特性上の不感帯領域を平滑化するものでは
有るが、固着防止、ヒアテリシス等にも有効である事
は、言うまでも無い。以下に、本発明に係る弁動作タイ
ミング調整装置に於けるタイミング調整操作の方法の一
具体例を図面を参照しながら説明する。
【0047】即ち、本発明に於いては、目標進角値(回
転位相差目標値)に、カム軸進角値が追随する様に構成
されたコントローラのデューティ値に、補助信号として
ディザー信号を加算して、リニアソレノイドに入力され
る電流値を積極的に振動、変化を与えスプール弁の静特
性における不感帯を平滑化しスプール弁等の特性のばら
つきを保持デューティ値の変動として把握出来る様にな
し、それによる制御によって、前記目標進角値が略一定
となった時にその時点に於けるデューティ値を記憶し学
習する様にしたものである。
【0048】かかる本発明の弁動作タイミング調整方法
の具体例実行手順の一例を図13及び図14を参照しな
がら説明する。図13は、本発明に於ける保持デューテ
ィ値を演算する為のフローチャートで有って、まずスタ
ート後、ステップ100からステップ120では、上述
の各種のセンサからエンジン内の各状態信号を取込み、
エンジン運転状態及び現在のカム軸進角値 y(k) を把握
して(ステップ110)、又、当該運転状態に基づいて
目標進角値 r(k) を決定する(ステップ120)。 そ
してステップ130では目標進角値 r(k) 及びカム軸進
角値 y(k) から偏差 e(k) ( e(k) = r(k) − y(k) )
を算出する。次いで、ステップ(135)に進んで、前
記した様に、次式 u(k) = K P ・ e(k) + KD ・[ e(k) - e(k-1) ] + d に従ってデューティ値u(k)を演算して求めるもので
ある。
【0049】尚、上記式中、dは、保持デューティ値の
学習値である。その後、ステップ140に於いて、上記
目標進角値 r(k) と過去の目標進角値rΦとを比較し
て、その差、即ち| r(k) − rΦ|が所定範囲Δr内、
つまり | r(k) − rΦ| ≦ Δr で、例えばΔrが±1度以内(Δr≒1°CA)であれ
ば、今回の目標進角値 r(k) と以前の目標進角値 rΦと
の間には変化がなく一定であると判別する。
【0050】ステップ140にて目標値 r(k) に変化が
あると判別された場合には、ステップ150において当
該目標進角値 r(k) が目標進角値 rΦとして新たに設定
される。その後、ステップ(155)に於いて、後述す
るカウンタ値を0として、リセットする。
【0051】このように目標値 r(k) に変化があるとき
には保持デューティー値の学習は行わず、上記各ステッ
プにて偏差 e(k) の量に応じたデューティー値 u(k) が
決定される。一方、ステップ140において目標値 r
(k) に変化がないと判別されたきには、以下のステップ
に従って保持デューティー値dの学習を実行する。
【0052】本発明に於いては、積分器を含む制御対象
に外乱要素が存在すると一定量の定常偏差が発生すると
いう閉ループ制御系の性質を保持デューティー値の学習
に適応させており、弁動作タイミング調整制御の際に目
標進角値 r(k) または偏差 e(k) の値を監視して、その
値が所定時間一定であるとき、そのときのコントローラ
出力 u(k) を新しい保持デューティー値dとして学習す
る事にしている。
【0053】即ち、上記ステップ140にて、上記目標
進角値 r(k) と過去の目標進角値 rΦとを比較して、そ
の差、即ち| r(k) − rΦ|が所定範囲Δr内にあると
判別したとき、ステップ160にて目標値 r(k) が所定
範囲Δr内にある継続時間Mを計測し、ステップ200
で当該継続時間Mを所定時間t1 と比較する。本発明に
於いては、係る所定時間t1 は、例えば1秒程度に設定
する事が出来る。
【0054】そして継続時間Mが所定時間t1 に到達し
ている場合にのみステップ(180)に進んで、ステッ
プ(135)において得られたデューティ値を保持デュ
ーティ値として学習し、記憶すると共に、ステップ(1
90)に進んで、前記時間カウンタを0にリセットす
る。一方、継続時間Mが所定時間t1 に達していない場
合には学習操作を行わずにENDに移行する。
【0055】此処で、本発明に於けるステップ(14
0)とステップ(150)が実行される技術的背景を以
下に説明しておく。つまり、図15に示す様に、目標進
角値r(k)は、絶えず変化するものであるが、その変
化の程度によって、現在定期的サンプリング時期に得ら
れる前記目標値r(k)の基準となる過去の目標進角値
rΦを更新させるか否かを判断する必要がある。
【0056】本発明に於いては、過去の目標進角値 rΦ
に対して、今回のサンプリングによって得られた現在に
於ける目標進角値r(k)が、基準とする過去の目標進
角値rΦn±Δrの範囲を越えて変化した場合に、過去
の目標進角値 rΦnをその時点に於ける目標進角値 r
(k) に更新させるものである。又、図14は、本発明に
於けるディザー信号の発生と係るディザー信号の大きさ
を決定する場合の操作手順の一例を示すフローチャート
である。
【0057】係る図14のフローチャートは、図13の
フローチャートに於けるステップ(135)でデューテ
ィ値 u(k) が求められた以降、適宜のステップに於いて
随時割り込みを掛け、デューティ値 u(k) とディザー信
号dthとの加算値を演算して決定するものである。即
ち、スタート後、ステップ(201)に於いて、前記デ
ィザー信号dthが増加しているか減少しているかを所
定のフラグ(flag)が立っているか否かにより判断
するものである。
【0058】つまり、例えは係るフラグ(flag)が
1である場合には、係るディザー信号dthは、増加領
域にある事と判断され、ステップ(202)に於いて、
係るディザー信号dthは、一単位分、例えば、係るデ
ィザー信号dthの最大値及び最小値が±20%である
場合、前記一単位分を例えば8%に設定したとすると、
ステップ(202)に於いては、前回のディザー信号d
thから8%を減算した(dth−8)の値を新たなデ
ィザー信号dthと設定する。
【0059】その後ステップ(203)に進んで、係る
ディザー信号dthの値が、最小値の値つまりdth=
−20に到達したか否かが判断され、YESであれば、
ステップ(204)に進んで、前記フラッグ(flag )を
0にする。一方、ステップ(203)に於いてNOであ
る場合には、係る割り込みルーチン処理を一旦終了し、
改めてスタートからやり直す事になる。
【0060】又ステップ(201)に於いて、NO、つ
まり係るフラッグが1でない場合、即ち、係るフラッグ
げ減少している事を示している場合には、ステップ(2
05)に進んで、ディザー信号dthに一単位分8%を
加算して、その値を新たなディザー信号dthとして決
定するものである。その後ステップ(206)に進ん
で、係るディザー信号dthの値が、最大値の値つまり
dth=20に到達したか否かが判断され、YESであ
れば、ステップ(207)に進んで、前記フラッグ(fl
ag )を1にする。
【0061】一方、ステップ(207)に於いてNOで
ある場合には、係る割り込みルーチン処理を一旦終了
し、改めてスタートからやり直す事になる。以上が、本
発明に係る弁動作タイミング調整装置に於ける演算処理
方法の概要であるが、係る手順を具体的に実行する場合
の制御手段の構成例のブロックダイアグラムを図16に
示しておく。
【0062】つまり、本発明に係る弁動作タイミング調
整装置に於けるディザー信号dthを用いた演算処理回
路の例としては、例えば、前記制御手段105に於ける
ディザー信号発生手段106とカム軸進角操作量演算手
段109との間において、前記カム軸進角操作量を演算
する演算手段109の演算処理中に、割り込みをかける
割り込み手段601、現在のディザー信号値が増加して
いるか否かを判断するディザー信号増加、減少判断手段
602、前記ディザー信号増加、減少判断手段602の
出力に応答して、現在のディザー信号に対して予め定め
られた所定のディザー信号補正値を加算若しくは減算す
るディザー信号加算・減算手段603、前記ディザー信
号が、前記ディザー信号に於ける最大値若しくは最小値
に到達したか否かを判断する判断手段604、及び前記
ディザー信号が最大値若しくは最小値に到達した場合
に、それまでに於ける前記ディザー信号の増加若しくは
減少方向とは異なる方向に、現在のディザー信号に対し
て予め定められた所定のディザー信号補正値を減算若し
くは加算する手段605とを有しているものである。
【0063】
【発明の効果】本発明は上記した様な技術構成を採用し
ているので、従来の技術上の欠点を改良し、装置全体の
構造を簡単にできるとともに、短時間の学習効果によっ
て、開度調節に応じて油量調節できる弁を使用しても弁
の製造上のばらつき等の影響なく正確にバルブタイミン
グを制御することのできるバルブタイミング調整装置を
提供する事が出来る弁動作タイミング調整装置を提供す
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる弁動作タイミング調整
装置の一具体例の構成の概要を説明する図である。
【図2】図2は、本発明にかかる弁動作タイミング調整
装置に於ける回転位相調整機構の一具体例の構成を示す
断面図である。
【図3】図3は、本発明に於いて使用される弁装置の動
作状態を説明する断面図である。
【図4】図4は、本発明にかかる弁動作タイミング調整
装置の構成例を示すブロックダイアグラムである。
【図5】図5は、本発明に於けるタイミング調整方法の
原理を説明するブロックダイアグラムである。
【図6】図6は、従来に於ける被制御装置の制御系の静
特性と学習手段を含む制御システムの概要を説明する図
である。
【図7】図7は、本発明に係る制御システムの概要と本
発明に於いて得られる被制御装置の静特性を示すブロッ
クダイアグラムである。
【図8】図8は、本発明に於いて得られる被制御装置の
静特性と、従来の制御システムに於いて得られる被制御
装置の静特性とを比較したグラフである。
【図9】図9は、本発明に於いて使用されるディザー信
号の一例を示す波形図である。
【図10】図10は、本発明に係る弁動作タイミング調
整装置に於ける制御システムを用いた場合に得られるデ
ューティ値の波形とカム軸進角値と目標値との関係を説
明する図である。
【図11】図11は、従来に於ける制御システムを用い
た場合に得られるデューティ値の波形とカム軸進角値と
目標値との関係を説明する図である。
【図12】図12は、本発明に於いて、定常時のデュー
ティ値を保持デューティ値の学習値に反映させる事によ
り定常偏差を0に出来る事を説明するグラフである。
【図13】図13は、本発明に於ける保持デューティ値
を求める為の演算手順を説明するフローチャートであ
る。
【図14】図14は、本発明におけるディザー信号の発
生と、ディザー信号の量を変化させる方法と手順を説明
するフローチャートである。
【図15】図15は、本発明に於ける過去に得られた目
標値rΦが目標値r(k)で更新される場合を説明する
図である。
【図16】図16は、本発明に於けるディザー信号を使
用した演算処理回路の一例を示すブロックダイアグラム
である。
【符号の説明】
1…内燃機関 2…クランク軸 5…カム軸 17…油圧ピストン 30…弁装置 42…クランク位置センサ 44…カム軸位置センサ 64…リニアソレノイド 85…弁動作タイミング調整装置 88…回転位相差検出手段 104…駆動手段 105…制御手段 106…ディザー信号発生手段 107…加算手段 108、503…学習手段 109…操作量演算手段 110…タイマー 200…目標値設定手段 502…制御対象 504、504’…被制御対象装置の静特性グラフ 601…割り込み手段 602…ディザー信号増加、減少判断手段 603…ディザー信号加算・減算手段 604…最大値若しくは最小値判断手段 605…ディザー信号補正値加算手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関内のクランク軸からカム軸に至
    る回転伝達系内に設けられ、両軸間の回転位相差を変え
    るための位相調整機構と、前記位相調整機構を駆動する
    ための駆動手段と、内燃機関各部に設けられ、機関の運
    転状態を表す複数の状態量を検知する各種センサと、前
    記センサによって検出された運転状態量に基づいて前記
    両軸間の実位相差角を算出する回転位相差検出手段と、
    前記センサによって検出された運転状態量に基づいて回
    転位相差の目標値を決定する目標値決定手段と、前記実
    位相差角を回転位相差の目標値に一致させるための操作
    量を生成して前記駆動手段に出力する制御手段とを具備
    する弁動作タイミング調整装置において、前記制御手段
    は、補助信号としてディザー信号発生手段と、前記回転
    位相差の目標値に前記実位相差角が追随する様に前記操
    作量を演算するに際して、前記操作量に前記ディザー信
    号を加算させるディザー信号加算手段及び、前記回転位
    相差の目標値が、所定の期間一定であると判断された場
    合に、その時点に於ける前記操作量を記憶して学習する
    学習手段とが設けられている事を特徴とする内燃機関の
    弁動作タイミング調整装置。
  2. 【請求項2】 前記ディザー信号は、前記弁装置に於け
    る静特性に於ける不感帯を平滑化しうる様な波形を有し
    ている事を特徴とする請求項1記載の内燃機関の弁動作
    タイミング調整装置。
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