JPH0782383A - 顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物及びその製造方法

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JPH0782383A
JPH0782383A JP16933794A JP16933794A JPH0782383A JP H0782383 A JPH0782383 A JP H0782383A JP 16933794 A JP16933794 A JP 16933794A JP 16933794 A JP16933794 A JP 16933794A JP H0782383 A JPH0782383 A JP H0782383A
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vinyl chloride
chloride resin
weight
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granular
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JP16933794A
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Yukio Noro
幸生 野呂
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 取扱時の粉立ちが少なく、粉体流動性に優
れ、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂として用いること
のできる、充填剤を含有する顆粒状塩化ビニル系樹脂組
成物及びその製法の提供。 【構成】 乳化重合法または微細懸濁重合法によって得
られた塩化ビニル系樹脂微粒子を含む塩化ビニル系重合
体ラテックスに、塩化ビニル系樹脂微粒子100重量部
当たり10〜400重量部の充填剤と、必要に応じ塩化
ビニル系樹脂微粒子100重量部当たり100重量部以
下の塩化ビニル系樹脂粗粒子を加えて混合した後、径
0.05〜20mmの球形または円柱状に成形すること
を特徴とする顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物及びその製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粉体取扱時の粉立ちが少
なく、粉体流動性に優れ、ペースト加工用レジンとして
用いることのできる、充填剤を含有する顆粒状塩化ビニ
ル系樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微粉末であるペースト用塩化ビニル系樹
脂の粉立ち防止、自動計量化を目的として、ペースト用
塩化ビニル系樹脂の顆粒化の試みが行われている。例え
ば特開平2−133409号公報及び同2−13341
0号公報には、ペースト用塩化ビニル系樹脂の水性分散
液を回転円盤式のアトマイザーを有する噴霧乾燥機を用
いて乾燥し、乾燥の際の回転円盤の回転数と乾燥空気の
温度及び湿度を調節して顆粒状塩化ビニル系樹脂を製造
する方法が開示されている。しかし、この方法では顆粒
の粒径を大きくするためには、通常回転円盤の回転数を
小さくする必要があり、その場合は乾燥温度を高くしな
いと十分な乾燥ができないことになるが、高温で乾燥さ
れた顆粒状レジンは可塑剤中への乾燥凝集粒子の解離
性、即ち分散性が悪化する傾向となり、従ってペースト
加工用のプラスチゾルの調製が困難となったり、或いは
プラスチゾルの粘度が高くなったりしやすい。
【0003】また、微粉状のペースト用塩化ビニル系樹
脂に液状凝集剤を添加した後に押出機により造粒し、得
られた粒子を流動乾燥機で乾燥するという顆粒状塩化ビ
ニル系樹脂の製造方法が特公昭48−23180号公報
に開示されている。この方法で得られる顆粒状塩化ビニ
ル系樹脂は、乾燥温度が80℃と高いためか、プラスチ
ゾルを調製するためには、擂潰機等で長時間すりつぶす
工程が必要であり、ブレンダー、ディゾルバー等の一般
的なゾル調製機によるプラスチゾル作成は困難である場
合が多い。
【0004】USP4,002,702号公報には、塩
化ビニル系樹脂微粒子を含む分散液(ラテックス)に核
形成用の乾燥済の樹脂等を添加して乾燥を行い、粉体流
動性の良好なペースト用の塩化ビニル系樹脂を製造する
方法が記載されている。しかし、この方法で得られた顆
粒状樹脂を使用しても、充填剤を含む配合においては充
填剤自体の粉立ちのため、作業性の改良効果は依然不十
分であった。
【0005】即ち、一般に、プラスチゾルの加工成形品
では、透明タイプのものを除いては、炭酸カルシウム等
の充填剤が配合されたものが多く、そのためプラスチゾ
ル調製の際に、充填剤の添加・混合の作業が必要であ
る。このときに充填剤による発塵の問題があり、作業性
・作業環境の両面から改良が望まれていたが、充填剤の
顆粒化、特に充填剤をペースト用塩化ビニル系樹脂とと
もに顆粒化するという技術は、これまでは報告されてい
なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粉体
取扱時に粉立ちが少なく、粉体流動性が良好で自動計量
が可能であり、また可塑剤に分散したときに容易にプラ
スチゾル化することのできる、充填剤を含有する顆粒状
塩化ビニル系樹脂組成物、その製造方法及び該組成物か
ら得られるプラスチゾル組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、第一に、粒径0.01〜3μmの塩化ビニル系樹
脂粒子(以下「塩化ビニル系樹脂微粒子」という)及び
塩化ビニル系樹脂微粒子100重量部当たり10〜40
0重量部の充填剤を主成分とする混合物が径0.05〜
20mmの球形または円柱状に形成されてなる顆粒状塩
化ビニル系樹脂組成物、または上記混合物に粒径5〜6
5μmの塩化ビニル系樹脂粒子(以下「塩化ビニル系樹
脂粗粒子」という)を塩化ビニル系樹脂微粒子100重
量部当たり100重量部以下の範囲で含有させた上で同
様に形成されてなる顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物、第
二に、乳化重合法または微細懸濁重合法によって得られ
た塩化ビニル系樹脂微粒子を含む塩化ビニル系重合体ラ
テックスに、塩化ビニル系樹脂微粒子100重量部当た
り10〜400重量部の充填剤と、必要に応じ塩化ビニ
ル系樹脂微粒子100重量部当たり100重量部以下の
塩化ビニル系樹脂粗粒子を加えて混合した後、径0.0
5〜20mmの球形または円柱状に形成することを特徴
とする顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。そし
て、第三に、上記顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物に該組
成物中の塩化ビニル系樹脂100重量部当り30〜40
0重量部の可塑剤を配合してなるプラスチゾル組成物、
にある。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明の顆
粒状塩化ビニル系樹脂組成物の必須の樹脂成分である塩
化ビニル系樹脂微粒子は0.01〜3μmの粒径をもつ
ものであり、通常、乳化重合法または微細懸濁重合法に
より製造される。また、塩化ビニル系樹脂微粒子は、上
記各重合法で得られる塩化ビニル系重合体ラテックスを
噴霧乾燥した後、ハンマーミル等の粉砕機で微粉砕して
粒径3μmを超える粒子を除去して得られるものでもよ
い。
【0009】乳化重合法は、例えば塩化ビニル単独また
は塩化ビニルとこれと共重合可能なコモノマー、具体的
には酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、エチレン、プロピレン等との混合物(以下、合せて
「塩化ビニル系単量体」と略記する)を、ラウリル硫酸
ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
の乳化剤及び水溶性重合開始剤の存在下にラジカル重合
させる方法である。
【0010】また微細懸濁重合法は、塩化ビニル系単量
体を乳化剤及び/または分散剤及び塩化ビニルに可溶の
重合開始剤とともにホモジナイザー等の分散機により均
質化処理した後に重合させる方法である。これらの方法
によって製造された塩化ビニル系重合体ラテックス中の
塩化ビニル系樹脂の粒子は大部分が0.01〜3μm、
一般には0.1〜2μmの微粒子であるが、時に重合過
程で粗大な粒子が生成することもあるので、本発明にお
いては濾過、液中粉砕、もしくは沈降分離等によってこ
のような粒子を除去しておくことが望ましい。0.01
μm未満の極めて微細な粒子は、プラスチゾルの粘度を
高くする傾向があり、また3μmを超える粒子はラテッ
クスの安定性を阻害することが多い。またこの塩化ビニ
ル系重合体ラテックスは限外濾過等の方法で含水率を低
くして用いるのが好ましい。
【0011】充填剤としては塩化ビニル系樹脂に一般に
用いられるものであれば特に限定されるものではない
が、通常、重質または軽質の炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タル
ク、クレー、ケイソウ土、カオリン、ガラスバルーン等
の無機充填剤、粉末ゴム、セルロース粉、各種繊維類、
木粉等の有機充填剤が挙げられ、無機充填剤、特に炭酸
カルシウムがより好ましい。また充填剤の粒径は、顆粒
状塩化ビニル系樹脂組成物の用途によって異なるが、通
常、0.01〜100μm、好ましくは0.05〜65
μm、特に0.05〜20μmの範囲にあるものを使用
するのが、顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物から調製され
るプラスチゾルの分散安定性の点から好ましい。
【0012】充填剤の粒径が、例えば0.01μm未満
のように極めて微細な場合、得られるプラスチゾルの粘
度が高くなる傾向があり、100μmを超えるように極
めて粗大な場合は、プラスチゾルの分離・沈降等の恐れ
がある。充填剤の使用量は塩化ビニル系樹脂微粒子10
0重量部当り10〜400重量部である。好適な範囲は
顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法及び用途によ
り多少異なるが、好ましくは同じく30〜200重量部
の範囲から選択される。充填剤の量が400重量部を超
えると均一混合が難しく、顆粒製造工程での操作性が悪
化する傾向があり、逆に10重量部未満の量では充填剤
を予め混合する意味が薄れ、充填剤を多量に配合して成
形加工を行う作業での作業性等の改善につながらない。
【0013】本発明の顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物に
は、該樹脂組成物に可塑剤を配合してプラスチゾルを調
製したときの、プラスチゾル粘度を低くする目的で粒径
5〜65μmの塩化ビニル系樹脂粗粒子を含有させても
よい。このような粗粒子は通常、塩化ビニル系重合体ラ
テックスを、回転円盤式、圧力ノズル式、二流体ノズル
式等の噴霧法により噴霧乾燥して得られたペースト用塩
化ビニル系樹脂粉末を所望の粒径範囲に分級して得られ
るものを用いるのが良い。このときの噴霧乾燥の乾燥装
置の出口の気流温度は通常30〜80℃となるように操
作するが、可塑剤中に分散したときの安定性の点から、
45〜60℃の範囲にあるのが好ましい。なお、噴霧方
法として二流体ノズル式を用いると、ゾル化時の粘度が
低く、かつ粘度安定性が良好で好ましい。この場合、乾
燥装置出口の気流温度を50〜60℃の範囲とするの
が、プラスチゾルの流動性の点で更に望ましい。
【0014】また、上記塩化ビニル系樹脂粗粒子として
「ブレンディングレジン」と通称されるペースト混和用
の塩化ビニル系樹脂を用いることもできる。ブレンディ
ングレジンは、一般に塩化ビニル系単量体を分散剤及び
/または乳化剤及び塩化ビニルに可溶な重合開始剤の存
在下に重合して得られるもので、個々の粒子は、塩化ビ
ニル系重合体ラテックスを噴霧乾燥したもののように微
粒子が二次凝集したものではなく、単一の球状の粒子で
ある。この粒子は通常5〜100μmのほぼ均一な粒径
で得られるものであるが、本発明に用いる場合は、重合
処方の調整もしくは生成粒子の分級等により5〜65μ
m、好ましくは20〜40μmの範囲の粒径に調整した
ものを用いるのがよい。
【0015】上述のような塩化ビニル系樹脂粗粒子の添
加量は塩化ビニル系樹脂微粒子100重量部に対して1
00重量部以下とする。塩化ビニル系樹脂粗粒子を10
0重量部を超えて添加すると、これから得られる顆粒状
塩化ビニル系樹脂組成物より調製されるプラスチゾルの
粘度を低くするという効果は十分には得られず、逆に粘
度が、特に剪断速度100sec-1以上の領域で上昇す
る傾向がある。
【0016】本発明の顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物に
は必要に応じ他の添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、可塑剤等が含有されて
いてもよい。本発明の顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物
は、例えば次のようにして製造できる。
【0017】塩化ビニル系重合体ラテックスに、該ラ
テックス中の塩化ビニル系樹脂微粒子100重量部当り
10〜400重量部の充填剤及び必要に応じて塩化ビニ
ル系樹脂粗粒子及び/または他の添加剤を混合して、混
合液の固形分濃度を例えば55〜95重量%(含水率5
〜45重量%)に調整した上で、通常10〜50℃の範
囲の温度で、直径0.1〜3mm、長さ3〜10mmの
円柱状に押出成形しながら適当な長さに切断するか、ま
たは転動造粒して、その後該造粒品中に残存する水分を
通常10〜50℃の範囲内の温度で流動乾燥、棚段乾
燥、真空乾燥等の乾燥操作を加えて除去する。なお、混
合液の固形分濃度が上記範囲外の場合は造粒に適当な条
件から外れることとなりやすく、また造粒品の乾燥温度
が10℃未満では乾燥に著しく長時間を要し、50℃を
超えると可塑剤と混合した時の分散性が悪化して、プラ
スチゾルの調製に時間がかかるようになる。
【0018】塩化ビニル系重合体ラテックスに、該ラ
テックス中の塩化ビニル系樹脂微粒子100重量部当り
10〜400重量部の充填剤及び必要に応じて塩化ビニ
ル系樹脂粗粒子及び/または他の添加剤を混合して、噴
霧乾燥装置の気流出口温度を30〜80℃、好ましくは
45〜60℃の範囲に保つようにして噴霧乾燥を行い、
通常粒径0.05〜0.30mmの球形粒子を得る。
【0019】塩化ビニル系樹脂微粒子、塩化ビニル系
樹脂微粒子100重量部当たり10〜400重量部の充
填剤、及び必要に応じ塩化ビニル系樹脂粗粒子及び/ま
たは他の添加剤を粉末状態で所定量を均一混合し、この
混合物を例えば水、アルコール、可塑剤、界面活性剤等
の湿潤剤で湿らせた上で、転動式造粒法や押出式造粒法
等の方法によって、径0.05〜20mmの球形または
円柱状に形成する。
【0020】本発明では、特に上記の方法が望まし
い。顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物の粒子の大きさは、
径0.05〜20mmの範囲とする。径0.05mm未
満では粉立ち等の面で十分な効果が得られず、また20
mmを超えるような大きさでは、プラスチゾル化のため
の分散時間が長くなってしまう。
【0021】また、この粒子が円柱状に形成されてなる
ものの場合は、その直径が0.1〜3mm、長さが3〜
10mmであるのが、流動性及び取扱性の面で望まし
い。本発明の顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物は、該組成
物中の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し可塑剤30
〜400重量部、好ましくは40〜200重量部を混合
し、攪拌することにより可塑剤中に容易に分散して安定
なプラスチゾル組成物となり、各種ペースト加工に好適
に用いられる。
【0022】ここで用いられる可塑剤としては、塩化ビ
ニル系樹脂用に通常用いられる可塑剤であれば特に限定
することなく使用でき、例えばジ−n−オクチルフタレ
ート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニ
ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジ
ルフタレート、イソノニルベンジルフタレート等のフタ
ル酸ジエステル類、トリ−2−エチルヘキシルトリメリ
テート、トリイソデシルトリメリテートその他のトリメ
リット酸トリエステル類、ジ−2−エチルヘキシルアジ
ペート等の脂肪酸ジエステル類、またはフタル酸、アジ
ピン酸等とジオール類とを重縮合させて得られるポリエ
ステル可塑剤類の1種もしくは2種以上の混合物が挙げ
られる。
【0023】このプラスチゾル組成物の調製に当たって
は、ディゾルバー、リボンブレンダー、ニーダー等の分
散・混合機を用いることができる。また、本発明の顆粒
状塩化ビニル系樹脂組成物をプラスチゾルとして成形・
加工する際にも、必要に応じ他の添加剤、例えば安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤等を加
えてもよい。
【0024】
【実施例】次に実施例を用いて本発明の具体的態様を説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例により限定されるものではない。なお、実施例中
の「%」、「部」は特記以外それぞれ「重量%」及び
「重量部」を表す。 <評価方法>塩化ビニル系重合体ラテックス(A)、塩
化ビニル系樹脂粗粒子(B)、充填剤(C)、及び顆粒
状塩化ビニル系樹脂組成物粒子は次のようにして評価し
た。
【0025】(1)粒径の測定 ラテックス(A)中の塩化ビニル系樹脂微粒子の粒径 レーザー回折式粒径分布測定装置(堀場製作所(株)
製、LA−700)を用いて測定。 塩化ビニル系樹脂粗粒子(B)及び充填剤(C)の粒
径 レーザー回折式粒径分布測定装置(堀場製作所(株)
製、LA−500)を用いて測定。 顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物粒子の粒径 タイラー式篩により測定。
【0026】(2)粒子形状 走査型電子顕微鏡を用いて観察した。 (3)粉体流動性 パウダーテスター((株)ホソカワミクロン製)を用
い、安息角を測定した。安息角が小さいほど粉体流動性
が良いと判定される。
【0027】(4)かさ密度、圧縮度 同じくパウダーテスターを用い、そこに添付された測定
法の指示に従い次のようにかさ密度及び圧縮率を測定し
た。まずJIS K6721に規定された「かさ比重」
(「かさ密度」)を測定し(この測定値を以下「ゆるみ
BD」という)、続いてパウダーテスターの粉体受器を
軽く叩き(”タッピング”)、これにより容器内の粉体
が締まり、体積が減った分に更に粉体を追加する。こ
の、タッピングと追加を2〜3回繰り返した後、改めて
同様にして「かさ密度」を測定する(この測定値を以下
「かためBD」という)。この、かためBDとゆるみB
Dとから次式により圧縮度を算出する。 圧縮度(%)=(かためBD−ゆるみBD)×100/
かためBD この圧縮度が小さいほど、ホッパー、サイロ等での保管
中に粉体が固く締まって、流動性を失う傾向が少ない、
即ち、粉体流動性に優れ、取扱しやすい、と判定する。
【0028】(5)プラスチゾル粘度 初期粘度:顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物100重量
部と可塑剤60重量部または100重量部とを採取し、
プラネタリーミキサー(ホバートミキサー N−50
型、ザ・ホバート・マニュファクチャリング社製)によ
り、#1スピード(61rpm)で5分、#2スピード
(125rpm)で15分攪拌してプラスチゾルを調製
する。このプラスチゾルを23℃、50%RHの恒温恒
湿室中に2時間放置した後、B型粘度計(ブルックフィ
ールド粘度計)B8H型を用いて、#5ローター、50
rpmの条件で測定した。 経時粘度:上記のプラスチゾルを23℃、50%RH
の恒温恒湿室中に調製後24時間放置した後、上記と同
様にして粘度を測定した。
【0029】(6)ゾル分散性(プラスチゾル中の未分散
粒子数) 上記(5)において調製したプラスチゾルを60メッシュ
の金網(直径20cm)で濾過し、金網上に残った未分
散粒子数を数えた。この数が少ないほど、ゾル分散性が
良好な樹脂であると判定する。 (7)フィルムテスト 上記(4)で作成したプラスチゾルをガラス板上でバーコ
ーターにより厚さ150μmに塗布し、170℃で10
分間加熱して得られるシートの表面状態を目視で判定し
た。
【0030】<実施例1〜6> (1)塩化ビニル系重合体ラテックス(A)の製造 攪拌機を備えた容積300リットルの重合缶に90kg
の温度54℃の脱イオン水、10gの過硫酸カリウム及
び50gのピロ亜硫酸ナトリウムを入れ、約20分間攪
拌して溶解させた。次いで重合缶内を200hPa(−
610mmHg・G)まで減圧し、50分間、55℃に
保持した。続いて重合缶に60kgの塩化ビニル単量体
を仕込み、重合缶の内温を50℃に保持した。単量体の
仕込終了後15分経過してから、あらかじめ調製してお
いた0.2%過硫酸カリウム水溶液を約10ml/分の
割合で徐々に添加し、以後一定の重合速度を保つように
過硫酸カリウム水溶液の添加速度を調節しながら反応さ
せた。重合率が約15%に達した時、ラウリル硫酸ナト
リウム水溶液(濃度約8%)の添加を開始し、同水溶液
を80ml/10分前後の速度でラウリル硫酸ナトリウ
ムの総添加量が360gになるまで添加した。缶内圧
が、塩化ビニル単量体の50℃における飽和圧力から1
960hPa(2.0kg/cm2 )降下したときに反
応を停止し、未反応単量体を回収して塩化ビニル系重合
体ラテックスを得た。得られたラテックスは粒径約0.
5μmの単分散重合体粒子であり、ラテックスの安定性
は良好であった。
【0031】次いで、攪拌機を備えた容積300リット
ルの重合缶に上記のラテックスを種子重合体として4.
5kg(固形分換算)、脱イオン水80kgをそれぞれ
仕込んだ後、脱気してから塩化ビニル単量体25.5k
gを仕込み、温度を57℃に昇温した。その後、全量で
0.05%(対塩化ビニル単量体)の過酸化水素−ナト
リウムホルムアルデヒドスルホキシレートのレドックス
重合開始剤を一定の重合速度を保つようにその添加速度
を調節しながら連続的に添加した。重合率が10%に達
したときから重合終了までラウリル硫酸ナトリウムの約
8%水溶液を約0.1リットル/時間の割合で連続的に
添加した。また、反応率が15%に達した時から塩化ビ
ニル単量体を6kg/10分の割合で、総量70kg添
加した。反応缶の内圧が57℃における塩化ビニル単量
体の飽和圧力から980hPa(1kg/cm2 )降下
した時に開始剤の添加を中止して重合を停止させ、未反
応塩化ビニル単量体を回収した。得られたラテックスは
平均粒径約0.9μmの重合体粒子を含み固形分濃度4
3.6%であった。このラテックスを限外濾過により固
形分濃度48.0%まで濃縮した。
【0032】(2)塩化ビニル系樹脂粗粒子(B) 上述のようにして製造したラテックス(A)を、次表の
条件で噴霧乾燥したものをそれぞれ(B−1)及び(B
−2)とし、また市販のブレンディングレジン(ビニカ
(登録商標)ブレンディングレジン75BX、三菱化成
ビニル(株)製)を(B−3)として用いた。(B−
1)は通常のペースト用塩化ビニル樹脂に相当するもの
である。
【0033】
【表1】 塩化ビニル系 噴霧機構 乾燥装置 平均粒径 粒径分布 形状樹脂粗粒子 出口温度 (μm)(μm〜μm) (B−1) 回転円盤(分級品) 55℃ 9μm 5〜16 不定 (B−2) 二流体ノズル 60℃ 30μm 11〜55 球形 (B−3)(ブレンディングレジン)−−− 35μm 20〜60 球形
【0034】(3)塩化ビニル用充填剤(C) 市販の重質炭酸カルシウム(ホワイトンH、白石カルシ
ウム(株)製)を用いた。この炭酸カルシウムの平均粒
径は18μmであった。 (4)顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物の製造 前記の固形分濃度48%の塩化ビニル系重合体ラテック
ス(A)100重量部(ラテックスとしての量を示す。
従って固形分である塩化ビニル系樹脂微粒子としては4
8重量部)に塩化ビニル系樹脂粗粒子(B)及び充填剤
として炭酸カルシウム(C)を表−1に示す割合で攪拌
・混合してウェットケーキ状もしくはウェットパウダー
状の組成物を得た。この組成物を径1.0mmの多孔ス
クリーンを装着した押出造粒機(ファインディスクペレ
ッターPV−5型、不二パウダル(株)製)を用いて常
温で造粒し(実施例1〜3)、また転動式造粒機(マル
メライザーQ−230型、不二パウダル(株)製)にて
球形に造粒し(実施例4〜6)、次いで上記造粒品を流
動乾燥機により45℃で乾燥し、顆粒状塩化ビニル系樹
脂組成物を製造した。
【0035】それぞれの顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物
及びこれから得られたプラスチゾル組成物の性状を表−
1に併記した。顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物の組成
は、塩化ビニル系樹脂微粒子100重量部に対して塩化
ビニル系樹脂粗粒子62.5重量部であり、充填剤は実
施例1〜3においては81.25重量部、実施例4〜6
では325重量部となる。(通常の配合計算で用いられ
る表示法に換算すれば塩化ビニル系樹脂の総量100重
量部に対し充填剤50重量部または200重量部であ
る。)なお、プラスチゾル調製時の可塑剤量としては、
顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物中の塩化ビニル系樹脂
(総量)100重量部あたり、実施例1〜3では60重
量部、実施例4〜6では100重量部を用いた。
【0036】<比較例1〜2>塩化ビニル系樹脂粗粒子
(B−1)と充填剤を表−1の割合で混合し、前述の方
法でその安息角等を測定した。この混合物の組成は塩化
ビニル系樹脂粗粒子(通常のペースト加工用樹脂)10
0重量部に対し充填剤がそれぞれ50重量部及び200
重量部となっている。
【0037】更にこの混合物に可塑剤を配合してプラス
チゾルを作成し、その性状を比較した。可塑剤の配合量
は混合物中の塩化ビニル系樹脂粗粒子100重量部に対
して、比較例1では60重量部、比較例2では100重
量部とした。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】上述の例から明らかなように、本発明の
顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物は、円柱状または球形の
顆粒であるので、粉立ちが少なく、粉体流動性も良好
で、自動計量が可能である。また、かさ密度が高いた
め、運搬・保管時に場所をとらず、加工の際の混練時も
一定容積の機器を用いる場合、一回あたりの処理量を増
すことができ、更に、圧縮率も低いため、保管中の締ま
り(固化)の恐れも小さい。
【0040】さらに、この顆粒状塩化ビニル系樹脂組成
物を用いてプラスチゾルを調製する場合は、通常のペー
スト用塩化ビニル系樹脂と充填剤とを混合・ゾル化した
場合に比べて、同等以上の優れた分散性を示し、加工速
度の改良、即ち生産性の向上にも有効と言える。特に、
円柱状に押出成形したもので良好な結果が得られる。ま
た、プラスチゾルの粘度の経時変化も小さく、保存安定
性も良好である。
【0041】従って、本発明の顆粒状塩化ビニル系樹脂
組成物は、ペースト加工用樹脂として有用であり、カー
ペットタイル、シーラント分野、モールド用途等に供す
ることが出来、また床材、タイル用のチップ材料として
も好適である。そして充填剤含有量の異なる、少なくと
も2種の顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物を予め製造して
おけば、それらの組成物同士を混合することにより、そ
れら組成物の充填剤含有量の範囲内で充填剤量を任意に
調整できるので、プラスチゾルの調製が容易になるとと
もに、その際に充填剤の添加が不要となるので加工上有
利である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径0.01〜3μmの塩化ビニル系樹
    脂粒子(以下「塩化ビニル系樹脂微粒子」という)及び
    塩化ビニル系樹脂微粒子100重量部当たり10〜40
    0重量部の充填剤を主成分とする混合物が径0.05〜
    20mmの球形または円柱状に形成されてなる顆粒状塩
    化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 粒径5〜65μmの塩化ビニル系樹脂粒
    子(以下「塩化ビニル系樹脂粗粒子」という)を塩化ビ
    ニル系樹脂微粒子100重量部当たり100重量部以下
    の範囲で含有する請求項1に記載の顆粒状塩化ビニル系
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】塩化ビニル系樹脂粗粒子が、乳化重合法ま
    たは微細懸濁重合法で得られた塩化ビニル系重合体ラテ
    ックスを二流体ノズルを用いて噴霧乾燥することにより
    得られたものである請求項2に記載の顆粒状塩化ビニル
    系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 充填剤の粒径が0.01〜100μmで
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の顆粒状塩化ビ
    ニル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 円柱状に形成された粒子が、直径0.1
    〜3mm、長さ3〜10mmである請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 乳化重合法または微細懸濁重合法によっ
    て得られた塩化ビニル系樹脂微粒子を含む塩化ビニル系
    重合体ラテックス(以下「PVCラテックス」というこ
    ともある)に、塩化ビニル系樹脂微粒子100重量部当
    たり10〜400重量部の充填剤を加えて混合した後、
    径0.05〜20mmの球形または円柱状に成形するこ
    とを特徴とする顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 PVCラテックスに充填剤及び塩化ビニ
    ル系樹脂微粒子100重量部当たり100重量部以下の
    塩化ビニル系樹脂粗粒子を加えて混合した後、径0.0
    5〜20mmの球形または円柱状に成形することを特徴
    とする請求項6に記載の顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 塩化ビニル系樹脂粗粒子が、乳化重合法
    または微細懸濁重合法で得られた塩化ビニル系重合体ラ
    テックスを二流体ノズルを用いて噴霧乾燥することによ
    り得られたものである請求項7に記載の顆粒状塩化ビニ
    ル系樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 PVCラテックスに充填剤及び必要に応
    じ塩化ビニル系樹脂粗粒子を混合して得られた混合物を
    円柱状に押出造粒した後、乾燥を行う請求項6〜8のい
    ずれか1項に記載の顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    顆粒状塩化ビニル系樹脂組成物に該組成物中の塩化ビニ
    ル系樹脂100重量部当り30〜400重量部の可塑剤
    を配合してなるプラスチゾル組成物。
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