JPH0781557B2 - 気体圧縮機の潤滑油戻し装置 - Google Patents

気体圧縮機の潤滑油戻し装置

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JPH0781557B2
JPH0781557B2 JP61274495A JP27449586A JPH0781557B2 JP H0781557 B2 JPH0781557 B2 JP H0781557B2 JP 61274495 A JP61274495 A JP 61274495A JP 27449586 A JP27449586 A JP 27449586A JP H0781557 B2 JPH0781557 B2 JP H0781557B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は気体圧縮機の潤滑油戻し通路の構造に関するも
のである。
従来の技術 気体圧縮機、特に冷媒圧縮機などでは吸入気体とともに
潤滑油を圧縮室に流入させ、油膜のシール効果を利用し
て圧縮途中の気体漏れを防ぎ、圧縮吐出後、圧縮気体と
ともに外部の冷凍サイクルを経て再び圧縮機内に帰還さ
せる場合が多い。しかし、上記方法は冷凍サイクルを多
量の潤滑油が循環して熱交換器の性能を低下させる問題
を有している。
そこで、上記問題解決の方法として第3図に示す吐出直
後の油戻し構成が知られている。
すなわち、第2図はスクロール型冷媒圧縮機の例で、ス
クロール型圧縮機は吸入室が外周部にあり、吐出ポート
がうず巻の中心部に設けられ、圧縮流体の流れが一方向
で圧縮効率が高く、低振動、低騒音特性を備えてるが、
圧縮室を形成する部品の寸法精度確保が困難で圧縮途中
の気体漏れ防止のために潤滑油膜を利用したシール効果
を期待することが大きい。この潤滑油問題解決の方策と
して密閉ケース101内を固定スクロール113とフレーム18
5とで吐出空間182とモータ室(低圧側)180とに仕切
り、底部の油溜105の潤滑油を軸受摺動部に給油後、吸
入管181から流入した冷媒ガスとともに圧縮室に流入さ
せ、圧縮ガスとともに吐出した潤滑油を吐出空間182で
圧縮ガスから分離させ、未分離の潤滑油を含んだ圧縮ガ
スを吐出管183を通じて外部の冷凍サイクルへ搬出する
一方、固定スクロール113とフレーム185に設けた細径の
油戻し通路184を通じて差圧により低圧側のモータ室180
に潤滑油を戻す構成であった。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の第2図のような常に油戻し通路が連
通し通路の開度が一定では、圧縮機運転速度によって吐
出空間182での潤滑油分離量が異なるとともに、吐出空
間182とモータ室180との間の差圧も変化するなどの要因
によって、油戻し機能を充分に発揮することができな
い。その結果、モータ室180の底部の油溜105に潤滑油不
足が生じ、軸受摺動部の耐久性が低下する。
一方、吐出空間182に多量貯溜した潤滑油は、吐出ガス
とともに外部の冷凍サイクルへ搬出され、熱交換器の性
能が悪くなるという問題があった。
また、圧縮機運転停止直後は油戻し通路を通じて吐出空
間182とモータ室180との圧力バランスが早くなり冷凍サ
イクルの運転効率を低下させるなどの問題があった。
そこで、本発明は油戻し通路の途中に通路の開度を調整
する弁体とその弁体を常時付勢するためのバネ装置から
なる通路調整弁装置を設けて吐出潤滑油を効率的に油供
給側に戻して高効率、耐久性に優れた気体圧縮機を提供
するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために本発明の気体圧縮機の潤滑油
戻し装置は、密閉ケース内を圧縮室形成固定部品または
その支持部品または駆動軸を支承するフレームまたはそ
の支持部品により高圧室側と低圧室側とに仕切り、高圧
室側には圧縮室に連通する吐出空間を設け、低圧室側に
は駆動装置と潤滑油供給装置を配置し、吐出空間に設け
た油溜の潤滑油を低圧室側に戻す油戻し通路を、圧縮室
形成固定部品またはフレームまたはそれらの支持部品に
設けた構成において、油戻し通路の途中にはその通路の
開度を調整する弁体と油戻し通路を狭めるべく弁体を油
戻し通路の上流側に向かって常時付勢するためのバネ装
置から成る通路調整弁装置を設けたものである。
作 用 本発明は上記構成によって、圧縮機停止直後や起動直後
などのように吐出空間と低圧室側との間の差圧が低い場
合には、油戻し通路の途中に設けられた弁体がその通路
の開度を狭めており、吐出空間で圧縮気体から分離され
た潤滑油は、油戻し通路を通じて低圧室側に流入する量
が少なく規制される。
また、圧縮機高速運転時などのように、吐出空間と低圧
室側との間の差圧が大きく、かつ吐出空間での潤滑油分
離量が多い場合には、バネ装置の反力に抗して弁体が後
退して油戻し通路の開度が広がり、吐出空間から低圧室
側への潤滑油戻り量が増加し、吐出空間と低圧室側の潤
滑油量が調整される。
実施例 以下、本発明の実施例の気体圧縮機について、図面を参
照しながら説明する。
第1図は本発明の実施例におけるスクロール型冷媒圧縮
機の縦断面図を示す。
第1図において、1,2は鉄製の密閉ケース、12は軟鉄製
の鏡板で、その外接面部で密閉ケース1,2とともに単一
の溶接ビート6によって溶接密閉され密閉ケース(1,
2)内を上側の吐出空間13と下側のモータ室15(低圧室
側)に仕切っている。鏡板12にはフレーム3がボルト固
定され、フレーム3に支承されインバータ電源(図示な
し)によって運転制御されるモータ7により回転駆動さ
れる駆動軸8の上端部の偏心穴9には旋回スクロール10
が自転阻止部品を係合して装嵌され、これにかみ合う吐
出ポート30を有した固定スクロール11が鏡板12にボルト
固定されている。
密閉ケース1と鏡板12とで形成された吐出空間13は密閉
ケース1に設けられた吐出管14を通じて外部の配管系
(冷凍サイクル)に連通している。フレーム3、鏡板12
と密閉ケース2とで形成された低圧側のモータ室15は密
閉ケース2に設けられた吸入管16を通じて外部の配管系
(冷凍サイクル)に連通している。モータ室15の底部に
は油溜17が設けられ、偏心穴9と油溜17とを連通する偏
心油穴18を有した駆動軸8の下端が油溜17に埋没してい
る。
吐出空間13の底部の油溜23とモータ室15との間は、鏡板
12に設けられた油穴19とフレーム3に設けられた油穴A1
9a、鋼球20と付勢用のバネ装置21とで構成される吐出油
戻し用の通路調整弁装置22によって連通している。通路
調整弁装置22はそれ自身の温度が上昇すると伸張して鋼
球20への付勢を強めて油穴A19aの通路を狭めるべく作動
し、それ自身の温度が設定温度(例えば120℃)を超え
ると収縮して鋼球20への付勢を弱めるべく作動する形状
記憶特性を備えたバネ装置21からなる。
以上のように構成されたスクロール型冷媒圧縮機につい
て、以下その動作を説明する。
モータ7によって駆動軸8が回転駆動されると旋回スク
ロール10が旋回運動をし、吸入管16を通して冷媒ガスが
モータ室15に流入し、冷媒ガス中に含まれる潤滑油の一
部を分離して旋回スクロール10と固定スクロール11の間
に形成された圧縮室内に閉じ込められ、旋回スクロール
10の旋回運動にともなって圧縮され、吐出ポート30より
吐出空間13へ吐出される。吐出冷媒ガス中に含まれる潤
滑油の一部はその自重などによって吐出冷媒ガスから分
離して油溜23に収集される。圧縮機の冷時起動直後は吐
出空間13とモータ室15との差圧も小さいが、冷媒圧縮熱
や駆動軸8の軸受部発生熱がフレーム3を介してバネ装
置21を早期に温度上昇させないので、バネ装置21による
鋼球20への付勢力が小さくて油穴A19aの開口端部の通路
抵抗が小さく、通路の開度が適度に大きくなっている。
そのことによって、油溜23の潤滑油は減圧装置22を通っ
てモータ室15に戻り、底部の油溜17に収集される。駆動
軸8に設けられた偏心油穴18による遠心ポンプ作用で摺
動各部へ給油された潤滑油は、その一部が吸入冷媒ガス
とともに圧縮室に流入して圧縮室隙間を密封に供され
る。
圧縮機が冷時起動の後、安定状態に達する頃には吐出空
間13とモータ室15との差圧も大きくなり、温度上昇によ
って潤滑油の流動性もよくなる一方、バネ装置21も温度
上昇して伸張しようとし、鋼球20への付勢力を強めて油
穴A19aの開口端部の通路抵抗を大きくする。そして、油
溜23の潤滑油がモータ室15に多量流入し、かつ吐出空間
13の冷媒ガスが直接的にモータ室15に流入することがな
いように、油戻し通路の開度を調整する。
また、吐出空間13の異常圧力上昇などによる過負荷運転
時には、バネ装置21が冷媒圧縮熱や摺動摩擦熱によって
設定温度(例えば120℃)を超えたとき、鋼球20への付
勢力を弱めて油穴A19aの開口端部の通路抵抗を小さくす
る。それによって油溜23の潤滑油がモータ室15に素早く
戻り、摺動部潤滑や圧縮室の隙間密封に供される。ま
た、吐出空間13の冷媒ガスも一時的にモータ室15に流出
することによって、吐出空間13の圧力が急降下し、過負
荷運転が解除する。
以上のように上記実施例によれば、密閉ケース1,2内を
固定スクロール11を取り付けた鏡板12により吐出空間13
(高圧室側)とモータ室15(低圧室側)とに仕切り、吐
出空間13は吐出口30を通じて圧縮室に連通し、モータ室
15にはモータ7とモータ7に連結して遠心ポンプ機能を
備えた偏心油穴18を有する駆動軸8を配置し、吐出空間
13の底部の油溜23の潤滑油をモータ室15に戻す油戻し用
の油穴19と油穴A19aをフレーム3および固定スクロール
11を取り付けた鏡板12に設けた構成において、油戻し用
の油穴19と油穴A19aの途中には、油穴A19aの通路の開度
を調整する鋼球20と、油穴A19aの通路の開度を狭めるべ
く鋼球20を油穴A19aの上流側に向かって常時付勢するた
めのバネ装置21とからなる通路調整弁装置22を設けるこ
とにより、圧縮機低速運転時などのように、吐出空間13
への潤滑油吐出量が少なく、かつ吐出空間13(高圧側)
とモータ室15(低圧側)との間の差圧が少ない場合に
は、油穴A19aの下流側開口端部通路が鋼球20により狭め
られているので、油溜23からモータ室15に戻す潤滑油量
を少なくできる。それによって油溜23からモータ室15へ
の油戻しを常に継続させることによって、軸受摺動部や
圧縮室への供給潤滑油を常に確保して耐久性向上を図る
とともに、圧縮室隙間を油膜密封して圧縮冷媒ガス漏れ
を防ぎ、圧縮効率を高めることができる。さらに、吐出
空間13の冷媒ガスがモータ室15に流入するのを防ぎ、圧
縮機効率の著しい低下を阻止することもできる。
また、吐出空間13への潤滑油吐出量が多く、かつ吐出空
間13(高圧側)とモータ室15(低圧側)との間の差圧が
大きい圧縮機高速運転時などには、鋼球20がそれ自身の
温度上昇によって付勢力を強めたバネ装置21の反力に抗
して油溜23の潤滑油圧力によって適度に後退し、油穴A1
9aの下流側開口端部通路が適当に広がるので、吐出空間
13で吐出冷媒ガスから分離した粘性の低くなった潤滑油
を圧縮機外部の冷凍サイクル配管系に流出させて熱交換
器等の性能低下を招くことなく、また、油溜23に過剰滞
留させることなくモータ室15に戻し、摺動部への潤滑油
供給と圧縮室隙間の密封に効果的に供することができ
る。
また、圧縮機停止直後には、吐出空間13とモータ室15と
の間の差圧が小さくなるので、鋼球20がバネ装置21の付
勢力によって油穴A19aの下流側開口端部通路を塞ぎ、吐
出空間13とモータ室15の連通を断って冷凍サイクルの圧
力バランスを遅延させ、冷凍サイクルの効率を高めるこ
とができる。
また、上記実施例では、鋼球油20に付勢するためのバネ
装置21が形状記憶特性を備え、それ自身の温度が上昇す
ると伸張して鋼球20への付勢力を強めて油戻し用の油穴
A19aの開口端部の通路を狭め、それ自身の温度が下降す
ると収縮して付勢力を弱めて通路を広げるべく作動する
ことにより、圧縮機の熱的な運転状態を冷媒圧縮熱や摺
動部の摩擦熱を伝熱する鏡板12(またはフレーム3)に
設けられたバネ装置21が感温して、油戻し用の油穴A19a
の通路開度を調整するので、上記で述べた油戻し差圧に
戻づく作用効果に加え、熱的な作用効果を相乗して精度
の高い油戻し作用を発揮させることができ、圧縮効率と
耐久性を一層高めることができる。
また、上記実施例では、それ自身の温度が設定温度(例
えば120℃)を超えるとバネ装置21が収縮して鋼球20へ
の付勢力を弱めて通路調整弁装置22の通路開度を広げる
べく作動することにより、吐出空間13が異常圧力上昇す
なるなどの原因による過負荷運転時には、吐出空間13の
冷媒ガスを油溜23の潤滑油とともにモータ室15に流出さ
せて吐出空間13の圧力を一時的に急降下し、過負荷運転
を回避することができる。
発明の効果 以上のように本発明は、密閉ケース内を圧縮室形成固定
部品またはその支持部品またはその支持部品または駆動
軸を支承するフレームまたはその支持部品により高圧室
側と低圧室側とに仕切り、高圧室側には圧縮室に連通す
る吐出空間を設け、低圧室側には駆動装置と潤滑油供給
装置を配置し、吐出空間に設けた油溜の潤滑油を低圧室
側に戻す油戻し通路を、圧縮室形成固定部品またはフレ
ームまたはそれらの支持部品に設けた構成において、油
戻し通路の途中にはその通路の開度を調整する弁体と油
戻し通路を狭めるべく弁体を油戻し通路の上流側に向か
って常時付勢するためのバネ装置から成る通路調整弁装
置を設けたことにより、圧縮負荷が小さい圧縮機低速運
転時には、高圧室側と低圧室側との間の差圧が小さいた
めに通路調整弁装置の通路開度が狭まっており、圧縮室
から吐出空間に少量排出された潤滑油を低圧室側に少量
ずつ継続的に戻して、摺動部の潤滑と圧縮室隙間の油膜
密封に継続的に供することができる。
また、圧縮負荷が大きい圧縮機高速運転時には、高圧室
側と低圧室側との間の差圧が大きいために通路調整弁装
置の通路開度が広がっており、圧縮室から吐出空間に多
量排出された潤滑油を油溜に過剰滞留させることなく低
圧室側に継続的に戻して、摺動部の潤滑と圧縮室隙間の
油膜密封に充分な供給ができるなどの作用によって、摺
動部耐久性と圧縮効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるスクロール型冷媒圧
縮機の縦断面図、第2図は従来の油戻し通路を備えたス
クロール型冷媒圧縮機の縦断面図を示す。 1,2……密閉ケース、3……フレーム、7……モータ、
8……駆動軸、10……旋回スクロール、11……固定スク
ロール、13……吐出空間、15……モータ室、19a……油
穴A、20……鋼球、21……バネ装置、22……通路調整弁
装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉ケース内を圧縮室形成固定部品または
    その支持部品または駆動軸を支承するフレームまたはそ
    の支持部品により高圧室側と低圧室側とに仕切り、前記
    高圧室側には圧縮室に連通する吐出空間を設け、前記低
    圧室側には駆動装置と潤滑油供給装置を配置し、前記吐
    出空間に設けた油溜の潤滑油を前記低圧室側に戻す油戻
    し通路を、前記圧縮室形成固定部品または前記フレーム
    またはそれらの前記支持部品に設けた構成において、前
    記油戻し通路の途中にはその通路の開度を調整する弁体
    と前記油戻し通路を狭めるべく前記弁体を前記油戻し通
    路の上流側に向かって常時付勢するためのバネ装置から
    成る通路調整弁装置を設けた気体圧縮機の潤滑油戻し装
    置。
  2. 【請求項2】弁体付勢用のバネ装置が形状記憶特性を備
    え、それ自身の温度が上昇すると通路調整弁装置の通路
    を狭め、それ自身の温度が下降すると通路を広げるべく
    作動する特許請求の範囲第1項記載の気体圧縮機の潤滑
    油戻し装置。
  3. 【請求項3】弁体付勢用のバネ装置が、それ自身の温度
    が設定温度を超えると通路調整装置の通路を広げるべく
    作動する特許請求の範囲第2項記載の気体圧縮機の潤滑
    油戻し装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55107093A (en) * 1979-02-13 1980-08-16 Hitachi Ltd Enclosed type scroll compressor

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