JPH0781015A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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JPH0781015A
JPH0781015A JP5226130A JP22613093A JPH0781015A JP H0781015 A JPH0781015 A JP H0781015A JP 5226130 A JP5226130 A JP 5226130A JP 22613093 A JP22613093 A JP 22613093A JP H0781015 A JPH0781015 A JP H0781015A
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JP
Japan
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film
coating
coating layer
phosphate
polyester
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JP5226130A
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English (en)
Inventor
Masato Fujita
真人 藤田
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた透明性、帯電防止性および接着性を有
する積層ポリエステルフィルムを提供する。 【構成】 二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも
片面に、リン酸基またはリン酸塩基を有する樹脂を含有
する少なくとも一軸方向に延伸された塗布層を有するフ
ィルムであって、該塗布層の厚みが0.5μm以下であ
り、かつ、該塗布層中にリン酸基またはリン酸塩基に起
因するリン元素が1〜15重量%含まれていることを特
徴とする積層ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層ポリエステルフィ
ルムに関するものであり、詳しくは、いわゆる塗布延伸
法を適用して製造しても透明性を損なうことなく、か
つ、優れた帯電防止性、接着性を有する積層ポリエステ
ルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】二軸
延伸ポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定
性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、透明性等の優れた特性
を有することから、磁気記録媒体のベースフィルム、製
版用フィルムを始めとする幅広い用途に使用されている
が、プラスチックフィルム共通の問題として静電気が発
生しやすく、その結果、フィルムが帯電しやすいという
欠点がある。一般に、ポリエステルフィルムの帯電防止
方法としては、有機スルホン酸塩等の低分子量のアニオ
ン性界面活性剤タイプの化合物を練り込む方法、金属化
合物を蒸着する方法、アニオン性化合物やカチオン性化
合物、あるいはいわゆる導電性化合物を表面に塗布する
方法等がある。アニオン性化合物を練り込む方法は、安
価に製造できるという利点があるものの、帯電防止効果
において限界がある。さらに低分子量化合物を用いるた
め、いわゆるブルーミングによりアニオン性化合物がポ
リエステルフィルム表面に集まり、ポリエステルフィル
ムと上塗り層との接着力が低下したり、アニオン性化合
物がフィルムや搬送ロールに転着する等の問題が生じ
る。このため、帯電防止性能の耐久性も低下する。
【0003】金属化合物を蒸着する方法は、帯電防止性
が優れ、近年は透明導電性フィルムとして用途が拡大し
ているものの、製造コストが高く、特定の用途には向い
ているが、一般の帯電防止フィルムとしては利用し難
い。導電性カーボンなどの導電性化合物を塗布する方法
は、帯電防止効果が比較的良好であると共に比較的安価
に製造できる利点があるものの、フィルムの透明性が悪
化するという欠点がある。 このようなことから、帯電
防止剤として高分子量アニオン性化合物や高分子量カチ
オン性化合物をフィルムに塗布する方法がポリエステル
フィルムの帯電防止法として広く採用されている。
【0004】塗布層を有する二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの製造方法として、塗布液をシートまたはフィルム
に塗布した後、フィルムを延伸、熱処理する塗布延伸法
(インラインコーティング法)といわれる方法がある。
この方法は、製膜工程後のポリエステルフィルムに塗布
液を塗布して塗布層を形成する方法と比較して、フィル
ムの製膜と塗布を同時に実施するため、幅広の製品が比
較的安価に得られるだけでなく、塗布層の表面特性も特
徴のあるものが得られる。
【0005】塗布法による帯電防止フィルムとして、例
えば、アニオン性高分子量帯電防止剤としてポリスチレ
ンスルホン酸ナトリウム塩等の高分子量の帯電防止剤を
塗布したフィルムが知られているが、ポリスチレンスル
ホン酸ナトリウム塩は、塗布延伸法に適用した場合、条
件によっては塗布層が不連続となるため、帯電防止効果
が十分発揮されないことがある。さらに、塗布層に無数
のクラックが入り、フィルムが白化する欠点があるた
め、透明性の要求される用途には不適格である。また、
4級アンモニウム等に代表されるカチオン系帯電防止剤
は、アニオン性帯電防止剤に比べ熱的安定性に劣るた
め、通常の条件で塗布延伸を実施した場合は、延伸、熱
処理工程で揮散あるいは熱分解が生じて、期待された帯
電防止効果が発揮されない場合がある。
【0006】
【課題を解決しするための手段】本発明は、上記実状に
鑑みなされたものであり、その目的は、いわゆる塗布延
伸法を適用して製造しても透明性を損なうことなく優れ
た帯電防止性、接着性を有する積層ポリエステルフィル
ムを提供することにある。すなわち、本発明の要旨は、
二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、リ
ン酸基またはリン酸塩基を有する樹脂を含有する少なく
とも一軸方向に延伸された塗布層を有するフィルムであ
って、該塗布層の厚みが0.5μm以下であり、かつ、
該塗布層中にリン酸基またはリン酸塩基に起因するリン
元素が1〜15重量%含まれていることを特徴とする積
層ポリエステルフィルムに存する。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明において用いられるポリエステルとしては、代表的
には、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテ
レフタレートであるポリエチレンテレフタレート、構成
単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレー
トであるポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単
位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサン
ジメチレンテレフタレート等が挙げられる。これらのほ
かに、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等も用いることができる。
【0008】上記の優位構成成分以外の共重合成分とし
ては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成
分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸およびオキシモノカルボン酸などの
エステル形成性誘導体を使用することができる。また、
ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほ
かに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することが
できる。
【0009】本発明のポリエステルフィルムは、滑り性
を付与するため、突起形成剤として、添加粒子、析出粒
子、その他の触媒残渣などを含有していてもよい。これ
らの突起形成剤の種類、大きさ、配合量は、目的とする
滑り性、透明性などに応じて適宜選択される。また、突
起形成剤以外の添加剤として、必要に応じ、帯電防止
剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、光線遮断剤、着色剤などを含
有していてもよい。これらの物質の中には、フィルムの
白色化を目的とした酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マ
グネシウム等で代表される白色顔料や、低密度化を目的
としたポリエステルと非相溶な樹脂、例えば、ポリプロ
ピレンのようなボイド形成剤も含まれる。また、本発明
のポリエステルフィルムは、多層構造になっていてもよ
く、この場合、その一部の層はポリエステル以外のポリ
マーで形成されていてもよい。
【0010】本発明の塗布層を得るための塗布液は、安
全性や衛生性の点から、水を主たる媒体とするものを通
常用いる。本発明の塗布層を構成する樹脂は、リン酸基
またはリン酸塩基を有する樹脂である。かかる帯電防止
剤としては、例えば(1)リン酸基またはリン酸塩基を
有するアクリル系またはビニル系モノマー(A)から成
る重合体、(2)(A)を必須成分とし、少なくとも一
つの不飽和基を有し(A)と共重合可能なモノマー
(B)および/またはこれらと共重合可能なポリマー
(C)とから成る共重合体を挙げることができる。帯電
防止剤は、(A)に含まれるリン元素が少なくとも1重
量%以上存在するものが好ましい。
【0011】リン酸基またはリン酸塩基を有するアクリ
ル系またはビニル系モノマー(A)としては、好ましく
はアクリロイルオキシアルキルホスフェート(例えば、
アクリロイルオキシエチルホスフェート、アクリロイル
オキシプロピルホスフェート、1−アクリロイルオキシ
プロピル−2−ホスフェート、4−アクリロイルオキシ
ブチルホスフェート、アクリロイルオキシエトキシエチ
ルホスフェート、1−アクリロイルオキシ−3−クロロ
プロピル−2−ホスフェート等)、メタクリロイルオキ
シアルキルホスフェート(例えば、メタクリロイルオキ
シエチルホスフェート、メタクリロイルオキシプロピル
ホスフェート、1−メタクリロイルオキシ−2−ホスフ
ェート、4−メタクリロイルオキシブチルホスフェー
ト、2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスフェ
ート、1−メタクリロイルオキシ−3−クロロプロピル
−2−ホスフェート等)、アクリルアミドアルキルホス
フェート(例えば、2−アクリルアミドエチルホスフェ
ート等)、メタクリルアミドアルキルホスフェート(例
えば、2−メタクリルアミドエチルホスフェート等)、
ビニルベンジルホスフェート等が挙げられるが、これら
に限られるものではない。これらのモノマーは単独で用
いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよ
い。また、これらと塩を形成する対イオンについて特に
限定はないが、好ましくはアルカリ金属イオン(例え
ば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン等)、アンモニウムイオン等が挙げられる。対イオン
は、これらに限定されるものではないが、特に好ましく
はカリウムイオンが挙げられる。
【0012】少なくとも一つの不飽和基を有するモノマ
ー(B)としては、(A)と共重合可能なもので有れば
特に限定はないが、好ましくはアクリル酸エステル類、
メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリ
ルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニル
エステル類、ビニル異節環化合物、スチレン類、マレイ
ン酸エステル類、フマル酸エステル類、イタコン酸エス
テル類、オレフィン類、クロトン酸エステル類、不飽和
ニトリル等が挙げられる。これらの共重合モノマーは単
独で用いてもよいが、二種以上を併用してもよい。これ
らのうち特に好ましいものとして、アクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類、ビニルエーテル類および
スチレン類が挙げられる。
【0013】共重合可能なポリマー(C)としては、
(A)または(A)+(B)とグラフトまたはブロック
等の共重合可能なもので有れば特に限定はないが、例え
ばポリエステル類、ポリウレタン類、エポキシ樹脂類、
アクリル樹脂類、ビニル樹脂類、シリコーン樹脂類等が
挙げられる。これらのうち特に、ポリエステル類、ポリ
ウレタン類が好ましい。
【0014】本発明に用いられるリン酸基またはリン酸
塩基を有するアクリルまたはビニルモノマー(A)のリ
ン酸基は、重合時に隣接または遊離等のリン酸成分と重
合し側鎖部にポリリン酸を形成しやすい。ポリリン酸の
形成等により、水分散性、濾過性、造膜性、帯電防止性
等の低下を引き起こすため、本発明の高分子量帯電防止
剤中のリン酸基は、特定の一価の陽イオンで中和した場
合、リンと中和イオンとのモル比(イオン/リン)が、
1.5以上であることが好ましい。本発明の塗布層を得
るための塗布液は、帯電防止剤と同時にバインダーとな
る少なくとも一種の水系樹脂を含有していてもよい。水
系樹脂としては特に限定はないが、例えばポリエステル
類、ポリウレタン類、エポキシ樹脂類、アクリル樹脂
類、ビニル樹脂類等およびこれらの変性樹脂等が挙げら
れる。これらのうち、ポリエステル樹脂類、ポリウレタ
ン樹脂類が特に好ましい。これらの水系樹脂は界面活性
剤等によって強制分散化させたものを用いてもよいが、
好ましくはポリエーテル類または水酸基等のような非イ
オン性親水性成分、さらに好ましくはアニオン性親水基
を有する自己分散型等の水溶性または水分散性樹脂塗布
剤を使用するのがよい。
【0015】バインダーとなる水系樹脂が有するアニオ
ン性基は、共重合等により樹脂に結合させたものであ
り、その成分はスルホン酸、カルボン酸、リン酸および
それらのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩等から適宜選択される。かかるアニオン性基
の樹脂固形分に対する割合は、0.05〜8重量%の範
囲が好ましい。アニオン性基量が0.05重量%未満で
は、樹脂の水溶性あるいは水分散性が悪くなる傾向があ
り、アニオン性基量が8重量%を超えると、塗布層の耐
水性が劣ったり、吸湿してフィルムが相互に固着(ブロ
ッキング)したりすることがある。
【0016】さらに、本発明の塗布層を得るための塗布
液には、塗布層の滑り性改良のために粒子を含有してい
てもよい。かかる粒子としては、コロイダルシリカ、ア
ルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機粒子と、
ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂あるいはポリ
ビニル系樹脂による単独あるいは共重合体を含む微粒
子、またはこれらと架橋成分を複合した架橋粒子に代表
される有機粒子が例示される。
【0017】さらに本発明の塗布層を得るための塗布液
は、塗布層の固着性(耐ブロッキング性)や耐水性、耐
溶剤性、機械的強度の改良のために、架橋剤を含有して
いてもよい。架橋剤としてはメチロール化あるいはアル
キロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、ア
クリルアミド系、ポリアミド系等の化合物、エポキシ化
合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、ブロッ
クイソシアネート化合物、シランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、ジルコ−アルミネート系カップリン
グ剤、過酸化物、熱または光反応性のビニル化合物や感
光性樹脂等が挙げられる。
【0018】また、本発明の塗布層を得るための塗布液
は、必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、低
分子帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、発泡剤、染料、顔料等を含有していてもよい。
【0019】本発明の塗布層を得るための塗布液は、水
を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良す
る目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶
剤を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体であ
る水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用
することが必要である。有機溶剤としては、n−ブチル
アルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルア
ルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等の脂
肪族または脂環族アルコール類、プロピレングリコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグ
リコール類、n−ブチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸アミル
等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケ
トン類、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられ
るが、これらに限られるのものではない。これらの有機
溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を
併用してもよい。
【0020】本発明のフィルムの塗布層厚みは、最終的
な乾燥厚さで0.5μm以下、好ましくは0.003〜
0.5μm、さらに好ましくは0.01〜0.3μm、
特に好ましくは0.03〜0.15μmの範囲である。
塗布層の厚さが0.5μmより大きくなると、フィルム
が相互にブロッキングしやすくなったり、特にフィルム
の高強度化を目的として塗布処理フィルムを再延伸する
場合には、工程中にロールに粘着しやすくなったりして
好ましくない。ブロッキングの問題は、特にフィルムの
両面に同一の帯電防止層を設ける場合に顕著に現れる。
塗布層の厚さが0.003μm未満のものは、均一な被
膜を得ることが困難となる傾向がある。
【0021】本発明のフィルムの塗布層には、リン酸基
またはリン酸塩基に起因するリン元素が1〜15重量%
含まれている必要があり、かかる含有量は、好ましくは
2〜12重量%、さらに好ましくは3〜9重量%、特に
好ましくは4〜7重量%である。塗布層中のリン元素量
が1重量%未満では、帯電防止効果がなく、15重量%
を超えると、吸湿性が高くなり、ブロッキングするよう
になる。上述した塗布液をポリエチレンテレフタレート
フィルムに塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書
店、1979年発行、「コーティング方式」に示される
リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコ
ーター、エアドクターコーター等を用いることができ
る。
【0022】本発明においては、これらの塗布装置を用
いて塗布される塗布フィルムは塗布後に少なくとも一軸
方向に延伸されることが必要であり、塗布前に少なくと
も一軸方向に延伸され、さらに塗布後に少なくとも一軸
方向に延伸されることが好ましい。塗布後に延伸処理を
しない場合、形成される塗布層とベースフィルムである
ポリエチレンテレフタレートフィルムとの密着力が弱
く、実用に適した接着性を得られない。これらを工業的
有利に達成するためには、二軸延伸フィルム製造工程内
で塗布するが好ましい。かかる方法の例として、予め二
軸に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムに
塗布した後、乾燥または未乾燥の状態で再度長手方向お
よびまたは横方向に延伸する方法が挙げられる。あるい
は、予め二軸に延伸したポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを改めて長手方向または横方向に延伸し塗布した
後、乾燥または未乾燥の状態で再度これを直角方向に延
伸する方法も好ましく採用される。さらに好ましくは製
膜工程の長手方向に一軸延伸されたフィルムに塗布し、
乾燥または未乾燥の状態でさらに先の一軸延伸方向と直
角の方向に延伸した後、熱処理を施す方法が製造コスト
面の点から採用されるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0023】上述のフィルムを得るための延伸工程は、
好ましくは120〜180℃で行われ、延伸倍率は、面
積倍率で少なくとも4倍以上、好ましくは6〜20倍で
ある。延伸されたフィルムは通常150〜250℃で熱
処理される。さらに、熱処理の最高温度ゾーンおよびま
たは熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向お
よび横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましく採
用される。
【0024】特に、120〜180℃でロール延伸法に
よりフィルム長手方向に2〜6倍延伸された一軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムに塗布液を塗布し、
適当な乾燥を施し、あるいは乾燥を施さず、該一軸延伸
フィルムを横方向に120〜180℃で2〜6倍に延伸
し、さらにフィルム長手方向に120〜180℃で1.
01〜1.9倍再延伸し、150〜250℃で1〜60
0秒間熱処理を行う方法が好ましく採用される。熱処理
前にフィルム長手方向と直角方向に120〜230℃で
1.01〜1.9倍再延伸することにより横方向の強度
を高めることも好ましい。本方法によるならば、延伸と
同時に塗布層の乾燥が可能になるとともに塗布層の厚さ
を延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエチレン
テレフタレートフィルム基材として好適なフィルムを比
較的安価に製造できる。
【0025】本発明における塗布液は、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムの片面だけに塗布してもよいし、
両面に塗布してもよい。片面にのみ塗布した場合、その
反対面には必要に応じて本発明の塗布液以外のものを用
いた塗布層を形成させ、本発明のポリエチレンテレフタ
レートフィルムに他の特性を付与することもできる。な
お、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良するた
め、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施しても
よい。また、本発明の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの塗布層の表面特性等を改良するために、
塗布層形成後に塗布層に放電処理を施してもよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明におけ
る各種の物性および特性の測定方法、定義は下記のとお
りである。また、実施例および比較例中、「部」および
「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意
味する。 (1)表面固有抵抗 横河・ヒューレット・パッカード社の同心円型電極「1
6008A(商品名)」(内側電極50mm径、外側電
極70mm径)に23℃、50%RHの雰囲気下で試料
を設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計
「4329A(商品名)」で試料の表面固有抵抗を測定
した。表面固有抵抗値の対数をとり、以下の基準で判定
した。
【表1】 10未満 :○ (良好) 10以上,15未満 :△ (普通) 15以上 :× (不良)
【0027】(2)透明性(フィルムヘーズ) 日本電色工業社製分球式濁度計「NDH−300A(商
品名)」を用い、JIS−K6714に準じてフィルム
濁度を測定した。判定基準は以下のとおりである。
【表2】 5%未満 :○ (良好) 5%以上,10%未満 :△ (普通) 10%以上 :× (不良)
【0028】(3)UV硬化型インクとの接着性 東洋インキ製造社製UV硬化型オフセットインク”FD
OL藍APNロ”を、明製作所製のオフセット印刷テス
ト機である”RIテスター RI−2”にて2μmの厚
さとなるようフィルムに転写させ、これをウシオ電機社
製UV照射装置”UVC−402/1HN:302/1
MH”に通し、水銀灯出力120W/cm、ラインスピ
ード10m/min、ランプ〜フィルム間隔100mm
の条件にてインクを硬化させ、直ちにセロテープ剥離試
験を行い、剥離面積により評価した。判定基準は以下の
とおりである。
【表3】 剥離なし :○ (良好) 剥離箇所有り:△ (普通) 全面剥離 :× (不良)
【0029】また、実施例において、高分子量帯電防止
剤およびそれと共に使用した樹脂は、下記のとおりであ
る。 高分子量帯電防止剤A メタクリロイルオキシエチルリン酸カリウム塩、エチル
アクリレート、メチルアクリレートから成るアクリル系
樹脂(カリウム/リンモル比1.6,リン元素含有率、
7%)。 高分子量帯電防止剤B スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体。 ポリエステル樹脂 テレフタル酸、イソフタル酸、5−ソジウムスルホイソ
フタル酸、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオールから成るポリエステル樹
脂。 ポリウレタン樹脂 イソシアネート成分としてイソホロンジイソシアネー
ト、ポリオール成分としてテレフタル酸、イソフタル
酸、エチレングリコール、ジエチレングリコールより構
成されるポリエステルポリオール、鎖延長剤として2,
2−ジメチロールプロピオン酸から成るポリウレタン樹
脂。
【0030】実施例1 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを28
0〜300℃の温度で溶融押し出しし、静電密着法を併
用しながら冷却ドラム上にキャストし、厚さ820μm
の無定型フィルムを得た。このフィルムを95℃で縦方
向に3.3倍延伸し、さらに110℃で横方向に3.3
倍延伸し、210℃で熱処理して、厚さ50μmの二軸
延伸ポリエステルフィルムを得た。上記の延伸において
は、縦延伸後、横延伸前のフィルムの片面に高分子量帯
電防止剤Aを含有する水分散体の塗布液を塗膜厚さ0.
1μmで塗布した。水分散体中の高分子量帯電防止剤と
の濃度は約8%に調整した。
【0031】実施例2 実施例1において、塗布層の塗膜厚さを0.05μmに
変更した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを
得た。 実施例3 実施例1において、塗布液として、高分子量帯電防止剤
A70部とポリエステル塗布剤30部を含有する水分散
体を使用した以外は、実施例1と同様にして積層フィル
ムを得た。
【0032】実施例4 実施例1において、塗布液として、高分子量帯電防止剤
A50部とポリエステル塗布剤50部を含有する水分散
体を使用した以外は、実施例1と同様にして積層フィル
ムを得た。 実施例5 実施例1において、塗布液として、高分子量帯電防止剤
A70部とポリエステル塗布剤30部を含有する水分散
体を使用した以外は、実施例1と同様にして積層フィル
ムを得た。 実施例6 実施例3において、ポリエステル塗布剤をポリウレタン
塗布剤に変更した以外は、実施例1と同様にして積層フ
ィルムを得た。
【0033】比較例1 実施例1において、塗布液の使用を省略した以外は、実
施例1と同様にしてフィルムを得た。 比較例2 実施例3において、塗布液として、ポリエステル塗布剤
のみを含有する水分散体を使用した以外は、実施例1と
同様にして積層フィルムを得た。 比較例3 実施例6において、塗布液として、ポリウレタン塗布剤
のみを含有する水分散体を使用した以外は、実施例4と
同様にして積層フィルムを得た。
【0034】比較例4 実施例1において、塗布液として、高分子量帯電防止剤
A30部とポリエステル塗布剤70部を含有する水分散
体を使用した以外は、実施例1と同様にして積層フィル
ムを得た。 比較例5 実施例1において、高分子量帯電防止剤Aを高分子量帯
電防止剤Bに変更した以外は、実施例1と同様にして積
層フィルムを得た。以上、得られた結果をまとめて下記
表4に示す。
【0035】
【表4】 ──────────────────────────────────── 帯電防止剤 樹脂* リン元素 塗膜厚 透明性 表面固 接着性 A B 含有率 ヘーズ 有抵抗 FDOL藍 (%) (μm) (%) logρs ──────────────────────────────────── 実施例1 100 7.0 0.1 ○/1.7 ○/8.2 △ 実施例2 100 7.0 0.05 ○/1.6 ○/9.0 △ 実施例3 70 PES 30 4.9 0.1 ○/1.6 ○/8.3 ○ 実施例4 50 PES 50 3.5 0.1 ○/1.6 △/10.7 ○ 実施例5 30 PES 70 2.1 0.1 ○/1.5 △/12.8 ○ 実施例6 70 PU 30 4.9 0.1 ○/1.5 ○/8.4 ○ 比較例1 0 0.1 ○/1.5 ×/16< × 比較例2 PES100 0 0.1 ○/1.4 ×/16< △ 比較例3 PU 100 0 0.1 ○/1.5 ×/16< ○ 比較例4 10 PES 90 0.7 0.1 ○/1.5 ×/15.3 ○ 比較例5 70 PES 30 0 0.1 ×/20.2 △/13.7 × ──────────────────────────────────── *)PES:ポリエステル,PU:ポリウレタン
【0036】
【発明の効果】本発明のフィルムは、リン酸記またはリ
ン酸塩基を有する高分子量帯電防止剤を使用したことに
より、いわゆる塗布延伸法を適用しても透明性を損なう
ことなく、優れた帯電防止性と機械的強度が付与された
ものであり、その工業的価値は高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸ポリエステルフィルムの少なく
    とも片面に、リン酸基またはリン酸塩基を有する樹脂を
    含有する少なくとも一軸方向に延伸された塗布層を有す
    るフィルムであって、該塗布層の厚みが0.5μm以下
    であり、かつ、該塗布層中にリン酸基またはリン酸塩基
    に起因するリン元素が1〜15重量%含まれていること
    を特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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