JPH0780403B2 - 二方向緩衝牽引カップリング - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は水上および陸上輸送における牽引乗物間に装備
されるカップリングに関し、とくに、二方向緩衝牽引カ
ップリングに関する。

（発明の背景） 輸送手段の動作の間、衝撃振動は機械的構造を弛め、寿
命を縮め、あるいは損傷させる点で有害である。しかし
ながら、本発明がなされるまでは、牽引乗物の軸方向に
沿った交互の二方向衝撃振動の問題を、簡単かつ確実に
は解決されていなかった。そのため、一方向緩衝器が列
車、鉱石運搬トラック、普通トラックなどに用いられて
いるが、解決はできない。このような一方向緩衝器は牽
引乗物の始動プロセスでは必要とされる始動時のタイム
ラグのみに用いられるが、制動や、特に緊急制動や、ス
ロープに沿って降下する時にもたらされる大きな逆向き
の衝撃を除くことはできず、継続的に寿命に悪影響を与
え、輸送手段における安全性に影響する。

始動時に有効である一方向緩衝器のみが鉄道車両間に用
いられているので、動作の間の僅かな制動によっても、
大きな逆向き衝撃がもたらされ、列車の緊急制動あるい
は突沸（バンピング）によってもたらされる鉄道車両間
の大きな衝撃の要点は、別の観点からすれば車両の脱
線、乗客の損傷および死をもたらすことになる。このよ
うな重大な出来事は世界中の輸送において繰返し遭遇し
ている。

二方向緩衝牽引カップリングの適用は車両をして、突沸
（バンピング）の時の脱線をさけ、重大な事故に際し
て、負傷および死亡を減少させ、損害を減らすと共に、
制動および走行でもたらされる衝撃振動も除くこともで
き、スムーズで安定した動きを確保し、車両の寿命を増
大する。

高速道路輸送での牽引車両は理想的な輸送法である。し
かしながら、上記牽引車両の牽引カップリングとして一
方向緩衝器が用いられるならば、このような牽引車両
は、主導車両への被牽引車両の反対衝撃および被牽引車
両間の突沸（バンピング）によって正常な動きができな
くなる。このため、２方向緩衝索引カップリングの技術
が提供されない限り、高速道路の輸送のための実用上の
輸送手段として上記牽引車両を用いることはできないと
いう基本的問題がある。船舶の牽引には、ロープ接続が
長い間、用いられてきた。風波や船舶の速度変化のよう
な幾つかのファクターは牽引ボート間の速度変化および
大きな、周期的２方向衝撃を結果する。上記衝撃力はパ
ーム繊維のパッケージ、古タイヤ、およびそれに類する
もののような幾つかの衝撃緩和手段が牽引ポートの端に
設けられるけれども、非常に大きなものとなる。上記突
沸（バンピング）を減少しあるいは緩和するために、牽
引ボート間の距離は拡大されなければならない。かくし
て、牽引効果は低減し、エネルギーが浪費される。この
ため、水上での牽引輸送においても、２方向衝撃は強力
に解決されるべき基本的問題である。上記ボートを投錨
する際通常、ロープによって上記ボートを杭に結び付け
ている。大型船のためには、ウインチや鋼鉄製ケーブル
のような複雑な手段および重労働が必要である。大きな
慣性力、長く大きな船体および船の揺れのため、上記船
舶は波止場に激しく突沸（バンピング）する。ゴムベル
トを巻き付けた吊り下げパッドのような衝撃手段が用い
られているが、それでも上記突沸（バンピング）力は船
舶の両側に変形をもたらす。それ故に、２方向衝撃を、
如何に完全に解決するか、また投錨のための手段をいか
にシンプルにするかは困難な技術的問題の１つである。

要するに、種々の牽引車輛、乗物の牽引輸送のための２
方向緩衝が解決されるならば輸送の効率、利益、輸送手
段の寿命および安全性が非常に向上されるであろう。

米国特許明細書（US−Ａ−2023527）には、組立構造の
ケースと、圧縮スプリングとを有し、ケースの対向した
構成部品が互いにスライドする構造の二方向緩衝牽引カ
ップリングが開示されている。しかしながら、このよう
なカップリングは、装置に複数のスライド部分があるた
め、ダメージを受けやすいものであった。

（発明の概要） 本発明の目的とするところは、従来技術において存在し
ている問題を簡単かつ確実に解決し、輸送能力を増大し
かつエネルギーを節約するように牽引車輛、乗物のため
の牽引カップリングを提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） このため、本発明では、互いに対向して配置された２つ
のチェンホルダー（１）を有し、それぞれの前記チェン
ホルダー（１）は、間隔を置いて配置された少なくとも
４つのラグ（10）を具備し； 前記チェンホルダーを接続する少なくとも４本のチェン
手段（2,3,3,2）を有し、前記チェン手段（2,3,3,2）
は、ピンによって接続されたプレートリンク（３）及び
ジョイント（２）を有する２つのチェン素子（2,3）、
（3,2）を直列に接続して成り、それぞれの前記チェン
手段（2,3,3,2）の両端（2a）は、対向する前記チェン
ホルダー（１）の対向する前記ラグ（10）にピン（４）
により接続され； 隣接する２つの乗物（A,B）を接続するための、互いに
対向して、前記チェンホルダー（１）の外側に同軸的に
設けられた２つの牽引フレーム（７）を有し、それぞれ
の前記牽引フレーム（７）は、少なくとも２つのアーム
（９）を具備し、それぞれの前記アーム（９）は、選択
された１つの前記チェン手段（2,3,3,2）の前記２つの
チェン素子（2,3）（3,2）の連結箇所（3a）に枢着され
ており； 少なくとも１つの緩衝支持スプリング（８）が、前記２
つのチェンホルダー（１）の間に備えられ、前記緩衝支
持スプリング（８）は、前記２つの牽引フレーム（７）
と同軸的に配置され、該緩衝支持スプリング（８）の両
端は、それぞれ、前記チェンホルダー（１）の内側の表
面に衝接して配置される； ことを特徴とする二方向緩衝牽引カップリングを提供し
ている。

また、前記チェンホルダー（１）の間に拡張するように
備えられ、ピストン（５）とスリーブ（６）とを含んで
構成されるピストン・スリーブ手段を有し、前記緩衝支
持スプリング（８）が、実質的に前記ピストン・スリー
ブ手段を取り囲んでいる二方向緩衝牽引カップリングで
もある。

また、前記チェン手段（2,3,3,2）を４本有し、一方の
前記牽引フレーム（７）のアーム（９）は、他方の前記
牽引フレームの対応するアーム（９）と実質的に直角を
成す位置に間隔をおいて配置された二方向緩衝牽引カッ
プリングでもある。

上述したように、本発明では、主にピボットピンによる
接続となっており、スライド部分は少ない。このため、
構造が簡単になるとともに、機械寿命が長く、信頼性が
向上し、耐衝撃性も向上できるものである。

（実施例） 本発明の実施例を、図面を参照して述べる。

第１図は、本発明の一実施例のカップリングの部分断面
図であり、第２図は、第１図に示した実施例の外観斜視
図である。

本発明に係る牽引カップリングは、２個の平面チエンホ
ルダー1;それぞれピン４によって接続されたプレートリ
ンク３およびジョイント２を有する２個のチエン素子よ
りなる少なくとも４対のチエン手段；ピストン・スリー
ブ手段5,6;2つの乗物を接続するための２つの牽引フレ
ーム7;および少なくとも１個の衝撃支持スプリング８な
どを具備している。これは添付図面の第１図及び第２図
にみられる。

ピストン５の一端はそのスリーブ６に挿入されており、
それらの他の端では、ショルダー部分がそれぞれ上記２
個の平面チエンホルダー１の中央孔に嵌合されており、
上記緩衝支持スプリング８は上記ピストン・スリーブ手
段5,6をスパイラル状に囲んでおり、その両端はそれぞ
れ、上記２個の平面チエンホルダー１の内表面に当接さ
れており、上記チエン手段の各ジョイント２の他の端2a
は上端平面チエンホルダー１から突出する各ラグの孔に
接続されており、上記チエン手段の各プレートリンク３
の他の端3aはそれぞれ１つのプレートリング３および牽
引フレーム７の１つのアーム９にある両方の孔に固定し
た各ピン４によって上記牽引フレーム７に接続されてい
る。これは本発明の２方向緩衝牽引カップリングを形造
っており、ここでは、該チエン手段および平面チエンホ
ルダー１のラグ10によって、また、該チエン手段および
牽引フレーム７によってトグル作用がなされてもよい。

負荷のための支持ポイントとして２個の牽引フレームの
２個のシャフト孔7aを取付けることで、上記牽引フレー
ム７が反対方向に引張られる時、上記牽引フレーム７の
アーム９の外側のチエン手段は力を受け、そして該チエ
ン手段にそれぞれ接続された２個の平面チエンホルダー
１は中央に向けて圧縮される。かくして、２個の平面チ
エンホルダー１の間の緩衝支持スプリング８は圧縮さ
れ、稼動状態になり、また、２個の牽引フレーム７のア
ーム９の内側のチエン手段は両フレーム７間に力が作用
しない状態で曲がる。上記牽引フレーム７の支持ポイン
トに作用する引張力が瞬間的に中央に向けて押圧力に変
化した時、牽引フレーム７のアーム９の内側のチエン素
子は非加圧状態から加圧状態になり、それぞれ接続され
ている平面チエンホルダー１を引いて、上記中央に向け
て動作し、緩衝支持スプリング８の圧縮状態は非加圧状
態に変化し、そして再び圧縮状態になる。牽引フレーム
７のアーム９の外側のチエン手段の加圧状態は、それで
非加圧の曲げ状態に変化される。このため、牽引フレー
ム７の状態が瞬間的に引張状態から圧縮状態に変化する
時、上記緩衝支持スプリング８は、圧縮状態で稼動され
る。力の変化の間、分離するような衝撃を生じないし、
牽引乗物は負荷を安全かつ確実に支持でき、上記衝撃に
よる振動を吸収する。チエン手段の各対は分離によって
もたらされる衝撃を与えないが、力の変化の間、安全か
つ確実に稼動できる。

本発明の２方向緩衝カップリングの実施例は高速道路輸
送における牽引トラック車輛（A,B）に利用でき、中国
で作られているモデントン・フェン140のトラックが主
導車輛として用いられる時、本発明のカップリングで２
つの被牽引車輛を接続することができる。石炭を輸送す
る実験が高速道路での上記牽引車輛で行なわれた後、以
下に述べるような良い結果が得られた。

1.牽引車輛の総計負荷は約20±１トンであり、それは３
倍に増大されている。

2.始動および旋回の間の上記牽引トラック車輛の振舞は
単一車輛のそれと同等であり、始動および後速間のタイ
ムラグによってもたらされる振動ではなく、また最小旋
回半径は約6mである。

3.上記トラックのブレーキが突然になされ、あるいはス
ロープに沿って降下する間、反動衝撃を、運転手および
乗客が感じなかった。また、緊急における上記牽引トラ
ック車輛の制動に必要な安全距離は実質的に単一車輛の
それに等しかった。この輸送上の安全性および安定性は
改善されている。

4.上記スロープの変化、曲がり、高速道路のぬかるみの
層、橋の支持強度に対する上記牽引トラック車輛の適用
性は単一車輛のそれと同等である。更に、上記牽引トラ
ック車輛は高速道路の通常の交通、輸送に影響を与えな
い。

5.上記牽引トラック車輛はスロープ上での自動車の駆動
に際して一般的に要求されている条件に従って、最大約
25゜の道路で駆動されることが可能である。

本発明のカップリングを用いることで、約20〜25％のエ
ネルギーが節約でき、本発明のカップリングを採用した
上記牽引トラック車輛を用いることで、約45％の収益増
をなすことができる。このような牽引トラック車輛の使
用はエネルギーを節約し、輸送性能を向上するものであ
り、また重大でかつ繁雑な輸送の問題を解決するもので
ある。この発明を広く用いることで、より大きな経済的
利益がもたらされるであろう。

（発明の効果） 本発明は、陸上輸送；海上輸送あるいは空輸において、
また、軍用あるいは民間輸送において、異なる牽引乗物
への要求につき、本発明の二方向衝撃牽引カップリング
の種々のモデル、シリーズの設計、製作を容易ならしめ
る。牽引フレーム、平面チエンホルダー、スプリングお
よびチエン手段は一般的でシンプルな機械的構成部分で
あるから、これらのプロセスは良く知られている。した
がって本発明の牽引カップリングは、バッチ式で生産で
き、また種々の輸送および牽引手段に対して完成したセ
ットの形で与えられる。

輸送における如何なる種類の牽引乗物についても、本発
明の二方向緩衝牽引カップリングはスムーズな始動に必
要なタイムラグを確保するすることができ、始動の間、
牽引乗物間の衝撃振動を吸収し、動作中の揺動あるいは
直列接続による実効振動を吸収し、また、速度低下、制
動、動作降下、およびスロープにおける制動、動作降下
の間、後側乗物が前側乗物に突沸（バンピング）するこ
とによってもたらされる反動衝撃を吸収する。

本発明は、牽引トラック車輛を輸送手段として現実化
し、エネルギー源を節約し、輸送効率を向上し、鉄道輸
送のコストに対応してトラック輸送のコストを低減し、
かくしてトラックの輸送の利点（大きなフレキシビリテ
イ、広い適用性）がより良く発揮できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部横断した平面図で
ある。 第２図は、第１図の実施例の外観斜視図である。 １……平面チエンホルダー、２……ジョイント、３……
プレートリンク、４……ピン、5,6……ピストン・スリ
ーブ手段、７……牽引フレーム、８……緩衝支持スプリ
ング、９……アーム、10……ラグ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに対向して配置された２つのチェンホ
   ルダー（１）を有し、それぞれの前記チェンホルダー
   （１）は、間隔を置いて配置された少なくとも４つのラ
   グ（10）を具備し； 前記チェンホルダーを接続する少なくとも４本のチェン
   手段（2,3,3,2）を有し、前記チェン手段（2,3,3,2）
   は、ピンによって接続されたプレートリンク（３）及び
   ジョイント（２）を有する２つのチェン素子（2,3）、
   （3,2）を直列に接続して成り、それぞれの前記チェン
   手段（2,3,3,2）の両端（2a）は、対向する前記チェン
   ホルダー（１）の対向する前記ラグ（10）にピン（４）
   により接続され； 隣接する２つの乗物（A,B）を接続するための、互いに
   対向して、前記チェンホルダー（１）の外側に同軸的に
   設けられた２つの牽引フレーム（７）を有し、それぞれ
   の前記牽引フレーム（７）は、少なくとも２つのアーム
   （９）を具備し、それぞれの前記アーム（９）は、選択
   された１つの前記チェン手段（2,3,3,2）の前記２つの
   チェン素子（2,3）（3,2）の連結箇所（3a）に枢着され
   ており； 少なくとも１つの緩衝支持スプリング（８）が、前記２
   つのチェンホルダー（１）の間に備えられ、前記緩衝支
   持スプリング（８）は、前記２つの牽引フレーム（７）
   と同軸的に配置され、該緩衝支持スプリング（８）の両
   端は、それぞれ、前記チェンホルダー（１）の内側の表
   面に衝接して配置される； ことを特徴とする二方向緩衝牽引カップリング。
2. 【請求項２】前記チェンホルダー（１）の間に拡張する
   ように備えられ、ピストン（５）とスリーブ（６）とを
   含んで構成されるピストン・スリーブ手段を有し、前記
   緩衝支持スプリング（８）が、実質的に前記ピストン・
   スリーブ手段を取り囲んでいる請求項１に記載の二方向
   緩衝牽引カップリング。
3. 【請求項３】前記チェン手段（2,3,3,2）を４本有し、
   一方の前記牽引フレーム（７）のアーム（９）は、他方
   の前記牽引フレームの対応するアーム（９）と実質的に
   直角を成す位置に間隔をおいて配置された請求項１に記
   載の二方向緩衝牽引カップリング。