JPH0779773A - 癌細胞株 - Google Patents

癌細胞株

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JPH0779773A
JPH0779773A JP6166647A JP16664794A JPH0779773A JP H0779773 A JPH0779773 A JP H0779773A JP 6166647 A JP6166647 A JP 6166647A JP 16664794 A JP16664794 A JP 16664794A JP H0779773 A JPH0779773 A JP H0779773A
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mouse
gene
cancer
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sequence
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JP6166647A
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Osamu Shiho
理 志甫
Hideaki Tojo
英明 東條
Mitsugi Nakada
貢 中田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】マウス肝癌株化細胞を提供する。 【構成】遺伝子転移動物の肝癌細胞からマウス肝癌株化
細胞を樹立した。 【効果】本発明の株化細胞は、抗癌作用物質のスクリー
ニングあるいは評価において動物移植癌モデル系の作製
に有用である。また、肝癌細胞における代謝の研究にも
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマウスの肝癌株化細胞に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、癌による死亡は年々増加している
が、その一方で癌の治療法の開発も急速に進みその種類
によっては治療法が確立されつつある。種々の化学療法
剤に加え、ケーラーとミルスタインのモノクローナル抗
体作成に関する発表〔Koehler,G. and Milstein, C.,
ネイチャー(Nature),第256巻,495頁(197
5)〕以来、多くの抗癌抗体が開発され、癌治療薬およ
び診断薬として応用されている。しかしながら、多種の
癌はその治療法において、特に癌の転移抑制法に対して
は、現在、なお有効な方法が見出されていないものがほ
とんどである。現状では癌の増殖や転移等を抑制する薬
剤の開発は、インビトロ(in vitro)実験モデル系を使
用して1次スクリーニングして選択された薬物を動物モ
デル(in vivo)系でさらにスクリーニングするかある
いは効果を確認するのが最も効率的方法であると考えら
れる。その様なモデル動物系としては、通常、ヌードマ
ウス等の低免疫力の動物に癌細胞を移植した移植癌の系
が主として用いられている。しかし、樹立されている株
化癌細胞の数及び種類は限られており、さらに低免疫力
の動物においても異種細胞の増殖は同種のそれに比べて
抑制される傾向がある。
【0003】一方、最近病態モデル動物として、手術や
飼育方法により後天的に病態動物としたものや突然変異
により先天的に病態を有する動物を生殖系列として樹立
したものがあり、これらに加えて動物胚芽ライン中へ初
期(通常単細胞)発達段階に遺伝子を導入して作出され
た遺伝子導入動物が用いられるようになってきた。動物
への遺伝子導入技術としてワグナー等〔プロシーディン
グス オブ ナショナルアカデミー オブ サイエンス(P.
N.A.S.) U.S.A 第78巻、第5016頁(1981)〕及びスチュ
ワート等〔サイエンス、第217巻、第1046頁(1982)〕
は、ヒトグロビン遺伝子を含有する遺伝子転移ネズミ
を、コンスタンチーニ等〔ネイチャー、第294巻、第92
頁(1981)〕及びレーシ等〔セル、第34巻、第343頁(1
983)〕はウサギグロビン遺伝子を含有する遺伝子転移
ネズミをそれぞれ報告している。さらに、癌研究に応用
した遺伝子導入動物研究の例として、SV40-T遺伝子を含
有する遺伝子に関するものが報告されている。例えば、
サンドグレン等〔オンコジーン、第4巻、第715頁(199
0)〕はアルブミンプロモーター配列に融合されたSV40-
T遺伝子を含有する遺伝子転移ネズミを、マホン等〔サ
イエンス、第235巻、第1622頁(1987)〕はクリスタリ
ンプロモーター配列に融合されたSV40-T遺伝子を含有す
る遺伝子転移ネズミを、ハナハン〔ネイチャー、第325
巻、第115頁(1985)〕はインシュリンプロモーター配
列に融合されたSV40-T遺伝子を含有する遺伝子転移ネズ
ミを、メッシング等〔ネイチャー、第316巻、第461頁
(1985)〕はメタロチオネインプロモーター配列に融合
されたSV40-T遺伝子を含有する遺伝子転移ネズミをそれ
ぞれ報告している。このような、癌発症動物は癌治療薬
を開発するうえで、新たな動物モデル系として用いられ
つつあるが、発癌の機構、腫瘍増殖の進度、発症時期等
の個体差が大きく薬剤の評価には必ずしも向いていな
い。薬剤のスクリーニングの点では、発症時期や腫瘍の
増殖をコントロールさせ易い点で移植癌の系がなお最良
の方法として広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】癌治療剤の開発におい
て、癌の動物実験系、特に移植癌の実験系を作製するの
に有用な癌の株化細胞の樹立が常に望まれており、特
に、マウスの肝癌細胞については、これまでに株化され
たものはなく、その樹立が強く望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、活性化腫
瘍遺伝子配列を導入された遺伝子導入マウスの肝癌から
分離した細胞を株化することにより、半永久的に継代培
養可能な腫瘍細胞株を作製することに成功し、さらに検
討を重ね本願を完成させた。すなわち、本発明は、 1)マウス肝癌株化細胞、 2)肝臓に特異的に転移しうる上記1)記載の株化細
胞、 3)SV40−T遺伝子を有する上記1)記載の株化細
胞および 4)アルブミンプロモーター遺伝子およびSV40−T
遺伝子を有する上記1)記載の株化細胞に関するもので
ある。
【0006】本発明のマウス肝癌株化細胞は、自然に発
生したあるいは人為的発生させたマウスの肝癌細胞を株
化したものをいい、人為的な手段の例としては、例え
ば、発癌物質を断続的あるいは連続的に投与する、癌細
胞を移植するあるいは交配または遺伝子操作により遺伝
的に癌を発生させる等の方法が挙げられ、好ましくは遺
伝子転移動物(トランスジェニックアニマル)の作出を
含む遺伝子操作によるものが用いられる。具体的には、
例えば、マウスに活性化癌遺伝子配列を導入した癌遺伝
子導入動物を作出し、該マウスの肝癌より癌細胞を分離
して株化する方法などが好ましい一例として挙げられ
る。ここで、活性化腫瘍遺伝子配列とは、動物のゲノム
中に組み込まれると動物内に新生物、特に悪性腫瘍の発
生の可能性を増大させる腫瘍遺伝子をいい、その具体例
としては、c−myc〔Adams. JMら、ネイチャー(Natur
e)、第318巻、533頁(1985)〕、SV40−T〔Sandg
ren E.P.ら、オンコジーン 第4巻、715頁(198
9)〕、c−Ha−ras〔Saitoh. A.ら、オンコジーン 第5
巻、1195頁(1990)〕などが挙げられ、好ましくはSV
40−T遺伝子が用いられる。
【0007】本発明の肝癌株化細胞を作製する方法とし
ては、例えば、遺伝子転移マウスを用いる場合、活性腫
瘍遺伝子をマウスに転移させるには、まず活性腫瘍遺伝
子の5’末端上流に該遺伝子をマウス生体内で発現させ
うるようなプロモーターを結合させる。プロモーターと
しては、目的の活性腫瘍遺伝子を発現させ得るかぎり特
に種類は問わないが例えばメタロチオネインプロモータ
ー、トランスサイレチンプロモーター、アルブミンプロ
モーター、βアクチンプロモーター、マウスMHC(主
要組織適合抗原)クラスIプロモーター等を用いること
ができる。特に好ましくは肝臓特異的な転写機能を有す
るアルブミンプロモーターを用いるのがよい。これらの
プロモーターはマウスまたはラット、ヒトなど同種ある
いは異種のいずれの配列を有するものであってもよい
が、マウスのものが好ましく用いられる。また、SV4
0−T遺伝子の3’側下流直後に翻訳終了コドンTA
A,TAG,TGAのいずれかのコドンを配置してもよ
く、さらに、活性腫瘍遺伝子のmRNAを安定化させる
目的でポリアデニレーションシグナル(以下、ポリAシ
グナルと略する)及びターミネーターを結合させてもよ
い。ターミネーターとしては特に種類は問わず、βアク
チンターミネーター、βグロビンターミネーター等を用
いることができる。また、ポリAシグナルについてもい
ずれのポリAシグナルを用いても良いし、その他のたと
えばSV40のポリAシグナルやチミジンキナーゼのポ
リAシグナルなどを用いることもできる。その他遺伝子
発現を安定化させる能力のあるものはいずれを用いても
かまわない。
【0008】更に、必要によりエンハンサーをプロモー
ターの上流又はターミネーター配列下流に配置してもよ
い。エンハンサーとしては特にその種類は問わないがS
V40エンハンサー、イムノグロブリンH鎖エンハンサ
ー等を用いることができる。このようにして構築した遺
伝子断片もしくはこれを保持するプラスミドを用いて遺
伝子を移転させるが、好ましくは遺伝子断片を用いる方
が、注入した遺伝子を効率よく発現したトランスジェニ
ックマウスを作出できる。このプラスミドまたは遺伝子
断片をマウス受精卵にマイクロインジェクションし、偽
妊娠したマウスの卵管に移植する。生まれてきたこども
の体細胞のDNAを抽出しサザンブロッティングまたは
PCR法によって遺伝子の組み込みを確認してトランス
ジェニックマウスを選択する。さらに、このマウスをノ
ーマルマウスと交配させて生まれてきたトランスジェニ
ックマウスの各組織を取り出し、ウエスタンブロッティ
ングによりその形質の発現を調べれば良い。このように
して、遺伝子導入動物の胚芽細胞及び体細胞の全ての染
色体上に活性化腫瘍遺伝子(特に好ましくは、SV40 ラ
ージT 抗原をコードする遺伝子)を含み、その転写が
肝臓で特異的に発現するプロモーター配列(特に好まし
くは、マウスアルブミンプロモーター配列)の制御下に
あるように設計された配列が存在するをマウスの肝癌細
胞を株化に用いることが好ましいが、単に肝癌を発症し
た個体の肝癌細胞を用いてもよい。このように肝癌を発
症したマウスから取り出された肝癌組織を公知の組織培
養法に準じてインビトロ(in vitro)で、あるいはマウ
スの体内に移植することによりインビボ(in vivo)で
継代し肝癌株化細胞を得ることができる。例えば、マウ
スから取り出した肝癌組織を通常プロナーゼE,DNas
eIなどの酵素で消化して細胞を単離し公知の動物細胞
培養用培地、例えばDMEM培地,RPMI1640培
地など、好ましくは10%程度のウシ胎仔血清(FC
S)等を添加した培地に約107〜108個蒔き、好まし
くは5%CO2下で、約30〜40℃で培養し、3〜7
日毎に継代し、増殖がみられたサンプルについて限界希
釈法によりクローニングすることによりインビトロで株
化することができる。また、肝癌組織を取得するのに用
いたマウスと同系のマウス、好ましくは純系マウスであ
るBALB/cマウス、C57BL/6マウスなどある
いは免疫不全動物、好ましくは同種であるヌードマウス
やSCIDマウスに通常の実験腫瘍の移植方法たとえ
ば、腫瘍の細片をトロアカールを用いてマウス(宿主マ
ウス)の皮下に挿入するか、腫瘍組織をホモゲナイザー
ですりつぶしてその懸濁液を宿主マウスの皮下、腹腔内
もしくは筋肉内に移植するか、また、肝癌組織を細切後
酵素処理をおこない腫瘍細胞を単離させて、一定数を静
脈内に移植する方法などを用いて移植し、継代させるこ
とにより株化することができる。更に、肝癌を移植され
た動物で増殖した癌組織を上述したと同様の方法で組織
培養を行い試験に用いることも出来る。宿主動物として
は、ヌードマウスあるいはSCIDマウスを用いると移
植性や増殖性も高まり、こうした動物を用いることもよ
り好ましい。移植部位としては、増殖状況の観察が容易
な皮下移植が好ましく、継代を重ねても増殖がほぼ一定
であるものを株化細胞として選択して維持するのがより
好ましい。株化された細胞は通常DMSO好ましくは1
0%DMSO中に懸濁して−80℃以下で保存できる
が、大量の被検物質について検定を行う為には、トラン
スジェニックマウスで発症した肝癌細胞を組織培養で維
持増殖させるか、宿主動物へ移植することにより継代維
持させておくことが望ましい。
【0009】本発明の株化細胞を利用することにより、
制癌作用を有する物質を検索する事ができる。また、制
癌物質の制癌作用を評価することもできる。これらの試
験は例えば、ヌードマウス、SCIDマウス、BALB/
c、C57BL/6マウス等のマウス皮下に、本発明の
細胞を移植し腫瘍増を発生させる移植癌のモデル系でお
こなわれる。この試験において本発明の株化細胞を用い
れば評価に使用する細胞株の遺伝学的背景が均一である
点で試験の精度の向上をはかることができる。具体的に
は、例えば通常1〜10×106個程度の本発明の株化
細胞株を被検物質で処理した後、皮下に移植する、ある
いは株化細胞を移植した後に、被験物質を投与する。次
いで、マウスに移植した腫瘍塊の大きさを経時的にある
いは一定期間後に計測し、無処理の対照群との腫瘍塊の
増殖を比較し、腫瘍塊の増殖が対照群より有意に低いこ
とを制癌性の指標として制癌物質を検索する。また、逆
に制癌作用が確立されている公知の薬剤処理群を対照と
して、被検物質の制癌作用の強度を評価することができ
る。さらに、本発明の株化細胞は肝臓をはじめとする他
の組織に転移する性質を有し、この性質を応用すること
により腫瘍転移促進作用あるいは腫瘍転移抑制作用を有
する物質の検索をする事ができる。具体的には例えば、
上記と同様に本発明の株化細胞をマウスの皮下に移植す
る前あるいは移植した後に、被験物質で処理し、対照群
で充分な腫瘍塊の増殖が観察される時期にマウスを解剖
し、各組織への腫瘍塊転移数を比較し、被検物質の癌転
移抑制性あるいは癌転移促進性を検討することができ
る。
【0010】本願明細書や図面において、塩基やアミノ
酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Com
mision on Biochemical Nomenclature による略号ある
いは当該分野における慣用略号に基づくものであり、そ
の例を次に挙げる。またアミノ酸に関して光学異性体が
あり得る場合は、特に明示しなければL−体を示すもの
とする。また、特にことわらない限り配列の左から右へ
の方向は、アミノ酸配列ではN末端からC末端への方向
を、塩基配列では5’末端から3’末端への方向をそれ
ぞれ示す。 DNA :デオキシリボ核酸 RNA :リボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン
【0011】
【実施例】以下に参考例および実施例を示し、本発明を
さらに詳しく説明するが、これらは単なる例であって本
発明を何ら限定するものではない。なお、後述の実施例
で得られた肝癌株株化細胞、Tg F2−73は平成5
年7月20日より財団法人発酵研究所(IFO)〔大阪府
大阪市淀川区十三本町2丁目17番85号〕に受託番号IF
O 50407として、平成6年3月9日より通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FER
M BP−4596として寄託されている。 参考例1 マウスアルブミン−SV40-T融合遺伝子導入マウスの作出 プロモーター部位を含み、かつアルブミン遺伝子の持つ
肝臓特異的転写機能を持ち合わせていることが報告され
ている〔サンドグレン等、オンコジーン第4巻、第715頁
(1990)〕マウスアルブミン遺伝子の転写開始部位とこ
れを含む上流域0.6kbのEcoRI-BamHI断片を常法により調
製した。腫瘍遺伝子として機能することが、ブリンスタ
ー等〔セル、第37巻、第367頁(1984)〕により報告さ
れているSV40-T遺伝子を含む、2.7kb BglII-BamHI断片
を調製し、これを先に調製したマウスアルブミンプロモ
ーターを含む0.6kb EcoRI-BamHI断片と連結し、公知の
プラスミド、pBR322のEcoRI部位とBamHI部位の間に組み
込みプラスミドpAlb−Tを構築した〔図1〕。この
プラスミドを大腸菌内で増幅後、大腸菌体より抽出、精
製したのちEcoRIとBamHIで切断し、マウスアルブミン-S
V40-T融合遺伝子を単離した。以上の操作手順は、マニ
アチス等〔モレキュラー・クローニングラボラトリーマ
ニュアル;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラト
リー(1982)〕に記載された慣用技術に準じて行った。
このDNA断片をマウス(C57BL/6)の1細胞期の受精卵の
前核に注入し、ワグナー等が記載した方法〔プロシーデ
ィングス オブ ナショナル アカデミー オブ サイエン
ス(P.N.A.S.) U.S.A. 第78巻、第5016頁(1981)〕に
準じて偽妊娠雌マウス(仮親マウス)の卵管に移植し
た。仮親マウスより得られた子孫マウスを4週令まで生
育させ、これらの尾より、ホーガン等〔マニピュレーテ
ィング ザ マウス エンブリオ;コールド・スプリン
グ・ハーバー ラボラトリー(1986)〕に記載の手順に
従い、染色体DNAを抽出し、ポリメラーゼ・チェイン・
リアクション法(PCR法)で導入遺伝子断片の染色体へ
の組み込みを分析した。PCR法はSV40-T遺伝子のラージ
T抗原をコードする領域、すなわち開始コドンより下流
第1571番の塩基から第2009番の塩基までの429bpを増幅
する系で行った。センスプライマーとして5'-CAGGCTCTG
CTGACATAGAA-3'〔配列番号1〕をアンチセンスプライマ
ーとして5'-TGCTTTAAATAATCTTTGGG-3'〔配列番号2〕を
用い、反応は、94℃で1分、55℃で2分、72℃で3分を1
サイクルとして30サイクル行った。得られた遺伝子導入
動物のうち、生後約20週で肝癌の発症が認められる系列
が得られ、導入遺伝子配列は胚芽ラインを介して子孫に
受け継がれ、これらの子孫においても肝癌の発症が認め
られた。
【0012】実施例1 肝癌細胞株の樹立およびマウス皮下での継代 参考例1で得られたマウスアルブミン-SV40-T融合遺伝
子導入マウスの肝癌の小断片をトロアカールを用いてヌ
ードマウス(BALB/c-nu)の皮下に移植する事により腫瘍
塊の増大が認められた。この腫瘍塊をマウスより摘出
し、常法に従ってヘマトキシリン−エオジン法により組
織染色を行った結果、その病理組織像は、参考例1で得
られた遺伝子導入マウスの肝癌組織像に類似したもので
あり、肝癌と同様の性質を示すことが判明した。形成さ
れた腫瘍塊は再現性良く他のヌードマウスおよびSCIDマ
ウスのいずれの皮下に移植することも可能であった。ま
た、この手法を用いて肝癌組織は肝癌細胞株として、継
代することができた。得られた肝癌株化細胞は10%D
MSO中に懸濁し、液体窒素中に保存した。
【0013】実施例2 肝癌細胞株の転移 マウス皮下に移植した肝癌細胞株の肝臓への転移は、移
植後転移組織を、導入遺伝子を示標としたDNA分析また
は導入遺伝子産物を指標としたRNA分析もしくはタンパ
ク質分析、あるいは細胞の主要組織適合性抗原が、移植
に用いたマウスのそれと異なることを応用した識別法な
どにより分析することで確認することができた。
【0014】実施例3 組織培養での継代 実施例1で得られた肝癌細胞株は、標準組織培養技術に
より培養することができる。移植に用いたマウスの体細
胞の混入は、導入遺伝子を示標としたDNA分析または導
入遺伝子産物を指標としたRNA分析もしくはタンパク質
分析、あるいは細胞の主要組織適合性抗原が、移植に用
いたレシピエントマウスのそれと異なることを応用した
識別法などにより検出し、これを常法に従って排除する
ことができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の株化細胞は、制癌物質のスクリ
ーニングあるいは制癌作用の評価において、動物モデル
系特に移植癌の系を作成するうえで有用である。また、
肝細胞癌における代謝異常の研究を行う上でも有用であ
る。
【0016】
【配列表】配列番号(SEQ ID NO):1 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):20 配列の型(SEQUENCE TYPE):核酸(nucleic acid) 鎖の数(STRANDEDNESS):1本鎖(single) トポロジ−(TOPOLOGY):直鎖状(linear) 配列の種類(MOLECULE TYPE):他の核酸(other nuclei
c acid) アンチセンス:No 配列: CAGGCTCTGC TGACATAGAA 20
【0017】配列番号(SEQ ID NO):2 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):20 配列の型(SEQUENCE TYPE):核酸(nucleic acid) 鎖の数(STRANDEDNESS):1本鎖(single) トポロジ−(TOPOLOGY):直鎖状(linear) 配列の種類(MOLECULE TYPE):他の核酸(other nuclei
c acid) アンチセンス:Yes 配列: TGCTTTAAATA ATCTTTGGG 20
【図面の簡単な説明】
【図1】はマウスアルブミンプロモーターとSV40-T遺伝
子を有するプラスミドの略図である。図中、矢印はマウ
スアルブミンプロモーターのうちEcoRI−BamHI
0.6kb断片を示す。また太線はSV40−T遺伝子を
含む2.7kb BglII−BamHI断片を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マウス肝癌株化細胞。
  2. 【請求項2】肝臓に特異的に転移しうる請求項1記載の
    株化細胞。
  3. 【請求項3】SV40−T遺伝子を有する請求項1記載
    の株化細胞。
  4. 【請求項4】アルブミンプロモーター遺伝子およびSV
    40−T遺伝子を有する請求項1記載の株化細胞。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105219732A (zh) * 2015-10-21 2016-01-06 杨俐萍 一种永生化人肝癌血管内皮细胞系及其制备方法和应用
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