JP2018075000A - 細胞癌株、およびそれを用いた原発性肝癌の発症動物モデル - Google Patents

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Abstract

【課題】実験動物例えば免疫不全マウスの生体内での悪性度を高め、野生型マウスのような動物に生着可能な肝細胞癌株や胆管細胞癌株である細胞癌株、及びその樹立方法、並びに肝細胞癌や胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルを提供する。【解決手段】細胞癌株は、C型肝炎ウィルスを遺伝子導入した動物に、動脈硬化性高コレステロール食と高中性脂肪食とを摂取させる工程、前記動物の肝臓に肝癌を発生させる工程、発生した肝癌組織から肝癌細胞を採取する工程、採取した前記肝癌細胞を培養する工程によって、肝細胞癌株や胆管細胞癌株として、樹立したものである。肝細胞癌や胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルは、細胞癌株を樹立した後、同系統又は異系統若しくは異種で癌細胞生着用の動物の肝臓に、前記細胞癌株を生着させて、腫瘍を形成させることによって、得られたものである。【選択図】なし

Description

本発明は、免疫不全動物等の生体内での悪性度を高め、野生型動物等に生着可能である肝細胞癌株や胆管細胞癌株として樹立された細胞癌株、及びそれを用いた肝細胞癌や胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルに関するものである。
癌細胞には、癌細胞を攻撃するリンパ球の一種の細胞傷害性T細胞(キラーT細胞:CTL細胞)の活性を低下させる免疫チェックポイントがある。肝臓癌のような癌疾患の免疫治療として、免疫チェックポイントを抑制する免疫標的薬が知られている。
癌細胞を攻撃するため活性化したキラーT細胞の表面にPD−1分子があり、また癌細胞にはキラーT細胞の活性を抑制するPD−L1分子があり、両者が結合するとキラーT細胞の活性が抑制されてしまう。そこで、抗PD−1抗体はPD−1と結合することにより、また抗PD−L1抗体はPD−L1と結合するにより、PD−1分子とPD−L1分子との結合を阻害し、キラーT細胞を活性化させ、免疫細胞が正常に機能することによって癌細胞を殺傷する。抗PD−1抗体は悪性黒色腫の治療に利用されており、治療効果が実証されている。これら免疫治療は、腎細胞癌、食道癌、肺癌での臨床試験が行われている。
原発性肝癌(肝癌)には、肝臓の大部分を占める肝細胞の癌である肝細胞癌と、肝臓で産生された胆汁を十二指腸へ運ぶ胆管の細胞の癌である胆管細胞癌(肝内胆管癌)とがある。肝癌の多くは、慢性肝炎や肝硬変から発症したり、感染したウィルスにより発症したB型肝炎やC型肝炎で肝細胞の遺伝子に突然変異が起こって癌化したりする。肝癌は、初期では症状に乏しく、症状が現れた時点では進行した状態である臨床症例が多い。肝癌についても、近い将来、免疫チェックポイントの抑制薬を用いた免疫治療、又は腫瘍増殖を直接抑える抗癌剤や分子標的薬と免疫チェックポイントの抑制薬との併用療法が行われるようになると言われている。
その治療法や治療薬の開発のためには動物試験とりわけマウスでの前臨床動物試験が重要である。これらの抗癌剤や分子標的薬と免疫チェックポイントの抑制薬の候補化合物のスクリーニングや開発、前臨床動物試験での作用メカニズムの解明等で汎用されているマウスは、主にC57BL/6系統とBALB/C系統との2系統のマウスであり、他にC57L系統マウスも知られている。C57BL/6系統マウスは、ヒトに続いて全ゲノム配列が明らかになった動物種であり、遺伝子改変マウスモデルとして汎用されているが、癌細胞を初めとする細胞株の樹立が困難な動物種である。一方、BALB/C系統マウスから、殆どの癌細胞株が作出されており、例えば市販のマウス肝細胞癌株BNLはBALB/C系統マウス由来の細胞株である。別なマウス肝細胞癌株Hepa1−6はC57L系統マウス由来である。本発明者が検討したところ、BNLとHepa1−6とのいずれもC57BL/6系統マウスに生着させようとしても、腫瘍形成は認められなかった。
現在使用されているマウスの担癌モデルとして、ヒトの癌細胞を免疫不全マウスに生着させるXenograftモデルが知られている。例えば特許文献1に、(a)ヒト肝癌−特異抗原を発現する癌細胞株を、非ヒト正常動物に投与して癌を誘発させる段階と、(b)前記癌が誘発された動物に分析対象の樹状細胞を投与する段階と、(c)前記動物から癌細胞の形成または成長を測定し、樹状細胞由来の肝癌免疫治療剤の治療効能を決定する段階とを含む、ヒト肝癌動物モデルを利用した樹状細胞由来の肝癌免疫治療剤の肝癌治療効能を分析する方法が、開示されている。このXenograftモデルでは、免疫不全マウスを用いているため免疫チェックポイントの抑制による免疫の解析ができない。免疫不全マウスには免疫学的な細胞としてナチュラルキラー細胞(NK細胞)やマクロファージが残っているが、獲得免疫に有用なB細胞やT細胞が存在しないため、腫瘍を特異的に破壊し得る細胞傷害性T細胞(CTL細胞)が増強されたことを評価できないという問題がある。
また、系統の異なるマウスを用いるAllograftモデルも知られている。このモデルは、例えばBALB/C由来の肝癌細胞BNLを系統の異なるC57/B6マウスに生着させるというものである。このようなモデルでは系統が異なることから主要組織適合性抗原が違うので生体拒絶を惹起するという問題がある。そうすると拒絶反応で癌細胞が成長しないのか癌免疫が活性化して癌細胞が成長しないのか分からない。
別なマウスの担癌モデルとしてSyngeonic graftモデルも知られている。このモデルは、マウスの癌細胞を同系統のマウスに生着させるというものであり、例えば、肝癌細胞としてBALB/C由来のBNL癌細胞をBALB/Cに生着させるというものである。同系統移植であるため拒絶反応を惹起し難い点で前二種のモデルより優れている。しかしBALB/Cは遺伝子改変マウスが殆ど使われていないため、このモデルは実用的でなく汎用性に乏しいという問題がある。
今後、免疫チェックポイントのような癌生存シグナルと患者免疫シグナルとのインタラクションを作用点とする抗癌創薬が主流になりつつあることから、従来のモデルのような異系統動物種での癌細胞株の移植組み合わせ又は遺伝子非改変動物種での癌細胞株の移植では、癌発症の微小環境/メカニズム検証に課題が残る。
そのため、遺伝子導入マウスやノックアウトマウスのような遺伝子改変マウスとして汎用されており交配が容易で頑健なC57/B6マウス又は免疫不全マウスに、同系統のC57/B6マウス由来の癌細胞を、生着させて動物モデルと成すのが好ましい。
また、腫瘍環境の研究をする際、腫瘍血管や宿主の免疫担当分子や血管の因子や血管壁の因子等のマーカーや生理活性物質が多量に発現したとき免疫チェックポイントの効能があるか否か分子学的に研究する際に、C57/B6マウス由来の癌細胞株を用いて、同系統のC57/B6トランスジェニックマウス又は免疫不全マウスで行う必要がある。
それにも関わらず、肝臓癌の動物モデルは極めて限られており患者に即したデータを取り得る有用な動物モデルは、殆ど無い。
そこでC57/B6マウスのような動物に由来するもので、免疫不全動物等の生体内での悪性度を高め、野生型マウス(WTマウス)等の動物に生着可能である肝細胞癌株や胆管細胞癌株として細胞癌株を樹立すること、及びそれを用いた肝細胞癌や胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルを確立することが、求められている。
特表2010−527234号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、実験動物例えば免疫不全マウスの生体内での悪性度を高め、野生型マウスのような動物に生着可能な肝細胞癌や胆管細胞癌である細胞癌株、及びその樹立方法、並びにその細胞癌株を免疫不全動物や野生型動物等に生着させた肝細胞癌や胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた細胞癌株は、C型肝炎ウィルスを遺伝子導入した動物に、動脈硬化性高コレステロール食と高中性脂肪食とを摂取させる工程、前記動物の肝臓に肝癌を発生させる工程、発生した肝癌組織から肝癌細胞を採取する工程、採取した前記肝癌細胞を培養する工程によって、肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株として、樹立したものである。
この細胞癌株は、前記採取する工程の後、それで得られた前記肝癌細胞を動物に摂取して腫瘍生着させてから腫瘍細胞から再度、癌細胞を採取して悪性化させる工程を行ってから、それを前記培養する工程を行うによって、樹立したものであってもよい。
この細胞癌株は、前記動物が、マウスであることが好ましい。
この細胞癌株は、前記マウスが、C57BL/6系統マウスであると好ましい。
この細胞癌株は、好ましくは、前記動脈硬化性高コレステロール食が、コレステロールを0.1〜10質量%含んでおり、前記高中性脂肪食が、動物性脂肪及び/又は植物性脂肪を含む中性脂肪を15〜80質量%含んでいることにより、得られるものである。
この細胞癌株は、例えば受託番号がNITE P−02353、又は受託番号がNITE P−02558のものである。
前記の目的を達成するためになされたこの細胞癌株の樹立方法は、C型肝炎ウィルスを遺伝子導入した動物に、動脈硬化性高コレステロール食と高中性脂肪食とを摂取させる工程、前記動物の肝臓に肝癌を発生させる工程、発生した肝癌組織から肝癌細胞を採取する工程、採取した前記肝癌細胞を培養する工程によって、肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株として、細胞癌株を樹立するというものである。
この細胞癌株の樹立方法は、前記採取する工程の後、それで得られた前記肝癌細胞を動物に投与して腫瘍生着させてから腫瘍細胞から再度、癌細胞を採取して悪性化させる工程を行ってから、それを前記培養する工程を行うものであってもよい。
前記の目的を達成するためになされた肝細胞癌及び/又は胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルは、C型肝炎ウィルスを遺伝子導入した癌細胞発生用の動物に、動脈硬化性高コレステロール食と高中性脂肪食とを摂取させる工程;前記動物の肝臓に肝癌を発生させる工程;発生した肝癌組織から肝癌細胞を採取する工程;採取した前記肝癌細胞を培養する工程によって、肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株として細胞癌株を樹立した後、同系統又は異系統若しくは異種で癌細胞生着用の動物の肝臓に、前記細胞癌株を生着させて、腫瘍を形成させることによって、得られたものである。
この原発性肝癌の発症動物モデルは、前記癌細胞発生用の動物がC57BL/6系統マウスであり、前記癌細胞生着用の動物が野生型マウス、遺伝子改変マウス、及び/又は免疫不全マウスであることが好ましい。
この原発性肝癌の発症動物モデルは、例えば前記癌細胞発生用の動物がC57BL/6系統マウスであり、前記癌細胞生着用の動物が野生型マウス、遺伝子改変マウス、及び/又は免疫不全マウスであってもよい。
この原発性肝癌の発症動物モデルは、例えば被スクリーニング試料を投与し、前記腫瘍の形成の促進又は抑制を指標にしてスクリーニングし、及び/又は前記腫瘍の形成を観察するというものである。
本発明の肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株である細胞癌株は、移植・生着によって腫瘍を形成し易く、免疫不全動物等の生体内での悪性度が高いものである。また、野生型マウス等の動物に生着可能であって、極めて肝細胞癌や胆管癌の細胞に誘導及び/又は分化し易いものである。また、この細胞癌株は、従来の非アルコール性肝炎(NASH)動物モデルよりも遥かに悪性度が高く、ヒトの肝癌に近い病態を動物実験で反映できる。
この肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株である細胞癌株の樹立方法によれば、均質で均等な悪性度の細胞癌株を得ることができる。また、この細胞癌株は、継体培養が可能で、マイコプラズマ感染などを起こさずに保管でき、各種の動物実験に用いることが可能である。
そのため、この細胞癌株を同系統又は異系統若しくは異種で癌細胞生着用の動物、例えば免疫不全マウスや野生型マウスの肝臓に、前記細胞癌株を生着させて、肝細胞癌や胆管癌の細胞を有する悪性腫瘍を形成することができる、肝細胞癌及び/又は胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルは、腫瘍増殖を直接抑えるのに有用な抗癌剤や分子標的薬のスクリーニングや、免疫チェックポイントの抑制薬のような免疫標的薬のスクリーニング、肝癌で産生される生体マーカーや生理活性物質の探索、微小癌環境の観察や発癌メカニズムの解析に用いることができる。
この原発性肝癌の発症動物モデルは、短期間の腫瘍発生によりヒトの肝癌に近い病態を作製でき、免疫チェックポイントの実験モデル、癌転移のモデルとしても有用である。
本発明を適用する細胞癌株である肝細胞癌株と本発明を適用外の肝細胞癌株とを調製するための血小板由来成長因子遺伝子導入トランスジェニックマウス(PDGFC Tg)、C型肝炎ウィルス遺伝子導入トランスジェニックマウス(HCV Tg)を作製するフォワードプライマー及びリバースプライマーを示す図である。このプライマーは、図3の評価に用いたものである。 本発明を適用する細胞癌株である肝細胞癌株を作製するための動脈硬化性高コレステロール食と高中性脂肪食の食餌をさせたHCV遺伝子導入トランスジェニックマウス(HCV Tg/Ath+HF)の肝臓、並びに本発明を適用外の肝細胞癌株を作製するため通常の食餌をさせたPDGFC Tgの肝臓及びHCV Tgの肝臓を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株であるHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株と、本発明を適用外のHepa1−6の肝細胞癌株並びにPDGFC Tg群由来及びHCV Tg群由来の肝細胞癌株とにおけるPDGFC及びHCVのゲノムDNAの有無を示す電気泳動の結果を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株であるHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株と、本発明を適用外のHepa1−6の肝細胞癌株並びにPDGFC Tg群由来及びHCV Tg群由来の肝細胞癌株におけるin vitro(dish上)での細胞形態の写真を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株であるHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株と、本発明を適用外のHepa1−6の肝細胞癌株並びにPDGFC Tg群由来及びHCV Tg群由来の肝細胞癌株における増殖能をMTTアッセイによって経時的に検討した結果を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株であるHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株と、本発明を適用外のPDGFC Tg群由来及びHCV Tg群由来の肝細胞癌株とについて、スフェアの形成の程度を示す図、及びそれらのスフェロイド形成の状態の写真を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株であるHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株を免疫不全マウスに皮内投与して生着させた時の肝臓の病理組織片の写真を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株であるHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株と、本発明を適用外のPDGFC Tg群由来の肝細胞癌株とを、野生型マウスに脾臓投与した時の経過日数と生存率との相関を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株であるHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株と、本発明を適用外のPDGFC Tg群由来の肝細胞癌株とを、野生型マウスに脾臓投与した時の肝臓の病理組織片の写真を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株であるHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株と、本発明を適用外のPDGFC Tg群由来の肝細胞癌株とを、野生型マウスに脾臓投与した時の脾臓の病理組織片の写真を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株であるHCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した肝細胞癌株(MHCF1とも言う)と、本発明を適用する別種の細胞癌株である4回移植を繰り返したHCV Tg/Ath+HF(4−HCV Tg/Ath+HFとも言う)群由来でシングルクローンを樹立した胆管細胞癌株(MHCF5とも言う)とを、シャーレ上で増殖している形態の観察像の写真を示す図である。 本発明を適用する、HCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した肝細胞癌株(MHCF1)と、4回移植を繰り返したHCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した胆管細胞癌株(MHCF5)と、正常肝とについて、肝細胞癌のマーカー((A)〜(D))及び胆管細胞マーカー((E)〜(H))として有用な遺伝子発現をグラフで示した図である。 本発明を適用する肝細胞癌及び/又は胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルによる、HCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した肝細胞癌株(MHCF1)由来の腫瘍((A)〜(D))、及び4−HCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した胆管細胞癌株(MHCF5)由来の腫瘍((E)〜(F))の各腫瘍組織のHE染色像の写真を示す図である。 本発明を適用する細胞癌株である、HCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した肝細胞癌株(MHCF1)と4−HCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した胆管細胞癌株(MHCF5)とのマウスへの腫瘍生着像を示す写真と、腫瘍増殖曲線のグラフとを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株である細胞癌株は、in vivoでC型肝炎ウィルス(HCV)を遺伝子導入した癌細胞発生用の動物でありアレルがホモ(HCV/HCV)又はヘテロ(HCV/-)のトランスジェニックマウスに、動脈硬化性高コレステロール食(Ath)と高中性脂肪食(HF)とのコレステロール・中性脂肪過多高カロリー食を野生型マウス(オス)に対し8週齢〜68週齢まで摂取させる工程、トランスジェニックマウスの肝臓に肝癌を発生させる工程、その摂食期間経過後、例えば6〜7割以上の高頻度で発症した肝癌細胞をそのトランスジェニックマウスの肝癌組織から採取し顕微鏡検査によって肝癌細胞の存在を同定してから取り出し又は組織分散粉砕装置例えばGentle MACS Dissociation Kit(Miltenyi Biotec社の商品名)を用いて細胞分離して取り出す工程、in vitroで採取した肝癌細胞をDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)のような培地にて培養皿又はDMEMのような培養液中で培養し必要に応じて継体培養する工程によって、樹立したものである。
遺伝子導入した動物は、トランスジェニックマウス、とりわけ遺伝的背景が同一の血統であり、市販されており容易く入手可能であって、交配が容易で頑健性に優れ遺伝子操作に適したC57BL/6系統マウスであると、好ましい。
HCVを遺伝子導入されたC57BL/6系統トランスジェニックマウスの場合、動脈硬化性高コレステロール食(Ath)と高中性脂肪食(HF)摂取させたことによる癌細胞前駆体のアデノーマ又は完全に癌化した肝癌細胞の発生率が7割を超えた。アデノーマからの肝細胞癌株の樹立は困難であるが、それの肝臓の腫瘍となった肝細胞癌組織から、所望の肝細胞癌株が、樹立される。
この細胞癌株の中でも特に胆管細胞癌株である細胞癌株は、肝癌細胞を動物に投与して腫瘍生着させてから腫瘍細胞から再度、癌細胞を採取して悪性化させる工程を、複数回返し行ってから、それを培養する工程を行うによって、樹立した悪性度の高いものである。
動脈硬化性高コレステロール食としては、通常の食餌飼料にコレステロールを0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜4質量%、より好ましくは1〜3質量%、例えば1.269質量%含有する高コレステロール食が挙げられ、市販品として、具体的にはResearch Diets, Inc.社製の商品名D06061403やD12123101-02が好ましい。コレステロール以外の成分は、通常のトランスジェニックマウス用の食餌成分であればよく、必要に応じ、タンパク質、炭水化物、ミネラル、ビタミン等を含んでいてもよい。
なお、Research Diets, Inc.社製の商品名D06061403やD12123101-02は、AthとHFとを予め含むものであるが、別々に有するものを適宜、用時調製してもよい。
高中性脂肪食としては、トリグリセリドを主成分とする中性脂肪を15質量%以上、好ましくは20質量%以上で80質量%以下、好ましくは中性脂肪を30〜80質量%、より好ましくは中性脂肪を30〜60質量%、例えば34質量%の高い含有率で含有する高中性脂肪食が挙げられ、市販品として具体的にはResearch Diets, Inc.社製の商品名D06061403やD12123101-02が好ましい。中性脂肪としては、食用脂肪である動物性脂肪や植物性脂肪、例えばコーン油、大豆油、なたね油、パーム油、牛脂、豚脂(ラード)が挙げられる。また高中性脂肪食中の中性脂肪以外の成分は、通常のトランスジェニックマウス用の食餌成分であればよく、必要に応じ、モノグルセリド、ジグリセリド、ろう、セラミド、複合脂質、タンパク質、炭水化物、ミネラル、ビタミン、ココアバター、カゼイン等を含んでいてもよい。
制限酵素とベクターとを用いてC型肝炎ウィルス(HCV)をトランスジェニックマウスに遺伝子導入し、交配によってアレルがホモ(HCV/HCV)又はヘテロ(HCV/−)のトランスジェニックマウスを作製した。なおHCVのゲノタイピングはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により確認した。
得られた肝細胞癌株や胆管細胞癌株である細胞癌株は、例えば、その一態様として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(郵便番号292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に、平成28年9月21日付けで受託番号NITE P−02353として寄託された細胞癌株であり、別な一態様として、同特許微生物寄託センターに平成29年10月13日付けで受託番号NITE P−02558として寄託された細胞癌株である。これらの肝細胞癌株や胆管細胞癌株は、癌細胞前駆体のアデノーマ由来ではなく、顕微鏡観察で完全に癌化した肝癌細胞由来であり、免疫不全マウスの生体内に生着させたときの線維化が強く発現され、細胞形態が完全に癌化しており、高い増殖能・スフェロイド形成能を誘発し、肝癌細胞や胆管癌細胞への分化能を有し、各種腫瘍マーカーで染色されることから悪性度が高く、免疫不全マウスや野生型マウスのような動物に生着可能な肝細胞癌株や胆管細胞癌株とする細胞癌株である。なお、WTマウスへのAthとHFのみの投与により肝細胞癌株のような細胞癌株のライン化を試みたが、実現不可能であった。
肝細胞癌及び/又は胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルは、樹立された肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株である細胞癌株を、同系統又は異系統若しくは異種で癌細胞生着用の動物、好ましくはC57BL/6系統マウスや免疫不全マウス(例えばSCIDマウスNOD−SCID)の肝臓に、前記細胞癌株を生着させて、腫瘍を形成させることによって、得られたものである。このモデルによれば、線維化や脂肪化や発癌や免疫チェックポイントを抑制する被スクリーニング化合物(例えばある種の分岐鎖アミノ酸や非環式レチノイド)の効果のスクリーニングや、本格的な癌発症前の微小癌転移環境の観察や癌発現分子マーカーの探索や肝癌発症メカニズムの解析に用いることができる。
以下に、肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株である細胞癌株を樹立し、肝細胞癌及び/又は胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルを作製して、その有用性について実証した例を示す。
先ず、以下のようにして、肝細胞癌株である細胞癌株を樹立し、肝細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルを、作製した。
(トランスジェニックマウスの作製)
通常の食餌をさせた血小板由来成長因子遺伝子導入トランスジェニックマウス(以下、PDGFC Tgとも称する)群と、通常の食餌をさせたC型肝炎ウィルス遺伝子導入トランスジェニックマウス(以下、HCV Tgとも称する)群と、動脈硬化性高コレステロール食(Ath)と高中性脂肪食(HF)の食餌をさせたHCV遺伝子導入トランスジェニックマウス(以下、HCV Tg/Ath+HFとも称する)群とから、肝癌細胞を成長させ、それらから肝細胞癌株(受託番号がNITE P−02353の細胞癌株。以下、これのシングルクローンをMHCF1とも称する)を樹立した。その具体的手法を以下に示す。
C57BL/6系統マウス(チャールズリバー社製)を開腹した後、下大静脈からリン酸緩衝食塩水(PBS)を還流させることで脱血を行った。肝臓にできた腫瘍をGentle macs Tumor Dissociation Kit(Miltenyi Biotec社の商品名)により分離する。DMEMで2回洗浄を行った後、塩化アンモニウムによる溶血を行った。直径10cmのdishに細胞を全量まき、経過観察した。約1ヶ月後にdish上での増殖能と安定性を獲得し、培養できるようになった。(i) Okada H, Honda M, Campbell JS, Sakai Y, Yamashita T, Takebuchi Y, Hada K, Shirasaki T, Takabatake R, Nakamura M, Sunagozaka H, Tanaka T, Fausto N, Kaneko S.Acyclic retinoid targets platelet-derived growth factor signaling in the prevention of hepatic fibrosis and hepatocellular carcinoma development. Cancer Res. 2012 Sep 1;72(17):4459-71. doi: 10.1158/0008-5472.CAN-12-0028. Epub 2012 May 31. (ii)Lerat H, Honda M, Beard MR, Loesch K, Sun J, Yang Y, Okuda M, Gosert R, Xiao SY, Weinman SA, Lemon SM. : Steatosis and liver cancer in transgenic mice expressing the structural and nonstructural proteins of hepatitis C virus. Gastroenterology. 2002 Feb;122(2):352-65.に準拠して遺伝子導入を行うことにより、C57BL/6系統マウスから、(i)PDGFC導入トランスジェニックマウスと、(ii)HCV導入トランスジェニックマウスを作製した。その各細胞において、PDGFCやHCVの遺伝子が存在するかをPCRにより確認した時のPDGFC及びHCV core(N)の各フォワードプライマー(For primer)とリバースプライマー(Rev primer)とを、図1及び配列表の配列番号1〜4に示す。
(肝細胞癌の組織の作製)
PDGFC導入トランスジェニックマウス及びHCV導入トランスジェニックマウスに、製品名CRF−1(日本クレア社製)を通常の食餌として、一日125g/kgずつ食べさせながら68週間飼育し、それぞれPDGFC Tg群と、HCV Tg群とした。一方、通常の食餌にコレステロールを1.269質量%含有させた高コレステロール食と中性脂肪を34質量%含有させた高中性脂肪食の混合食餌を、別なHCV導入トランスジェニックマウスに一日125g/kgずつ食べさせながら68週間飼育し、HCV Tg/Ath+HF群とした。飼育期間経過後、各群のマウスの肝臓を摘出したところ、PDGFC Tg群から5例中3例の肝臓に腫瘍が生じ、HCV Tg群から7例中3例の肝臓に腫瘍が生じ、HCV Tg/Ath+HF群から11例中3例の肝臓に腫瘍が生じていた。その結果を、図2に示す。同図中、矢印で肝臓の腫瘍組織を指している。各群の肝臓の腫瘍が癌細胞であるか否かは病理組織の顕微鏡検査で調べた。
(肝細胞癌株調製)
PDGFC Tg群、HCV Tg群、HCV Tg/Ath+HF群の各群の肝臓の腫瘍から、全肝組織をメスを用いて1mmの角状に切り、Gentle MACS Dissociation Kit(Miltenyi Biotec社の商品名)を用いて組織を分離後、dish上でDMEM培養液中で培養することによって、肝細胞癌株を樹立した。なお、HCV Tg/Ath+HF群から樹立した肝細胞癌株は、受託番号NITE P−02353の動物細胞であり、HCV Tg/Ath+HF細胞と称することとし、このHCV Tg/Ath+HF細胞から樹立したシングルクローンをMHCF1と称することにする。
(導入遺伝子の確認)
得られた肝細胞癌株における遺伝子導入の適否について確認した。図3は、Hepa1−6、HCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株、PDGFC Tg群由来の肝細胞癌株、HCV Tg群由来の肝細胞癌株について、それぞれの遺伝子導入ゲノムDNAであるPDGFC及びHCV core(N)について、細胞のtotal DNAをQIAamp DNA Mini Kit (QIAGEN1社製)を用いて抽出後、GoTaq Green Master Mix(Promega社製)を用いたPCR反応によりPDGFC及びHCV遺伝子の特異的増幅を行った。図3は、増幅産物を電気泳動で検出した結果を示す図である。なお、プライマーは図1に記載のものである。図3から明らかな通り、Hepa1−6の肝細胞癌株はこれら遺伝子を有しておらず、HCV Tg/Ath+HF由来の肝細胞癌株及びHCV Tg由来の肝細胞癌株はHCVが導入されており、PDGFC Tg由来の肝細胞癌株にはPDGFCが導入されていることが、示された。従って、HCV Tg群由来及びHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株は、HCVが少なくともアレルがホモ(HCV/HCV)又はヘテロ(HCV/-)として導入されていることが示された。
(肝細胞癌株の細胞形態の観察)
それら樹立肝細胞癌株、及び比較のためHepa1−6の細胞株について、顕微鏡観察によるin vitro(dish上)での200倍率の細胞形態を図4に示す。図4から明らかな通り、樹立肝細胞癌株、Hepa1−6細胞株の何れも肝細胞様の形態となっていることから、肝細胞癌株であることが示された。
(肝細胞癌株の増殖能の評価)
PDGFC Tg群由来、HCV Tg群由来、HCV Tg/Ath+HF群由来のそれら樹立肝細胞癌株、Hepa1−6の細胞株について、MMT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム ブロミド)が培養細胞によってホルマザン色素へ還元されることと利用して、96穴プレートに1×10個/wellで細胞を撒き、24、48、72時間と経時的に増殖能をモニターし、培養細胞の増殖能の指標として生存率を比色定量するMTTアッセイの結果を図5に示す。図5から明らかな通り、樹立肝細胞癌株、Hepa1−6細胞株の何れも時間と共に24、48、72時間の経過と共に、細胞生存率が高くなっており、in vitroで細胞増殖能を有することが分かった。
(スフェロイド形成能の評価)
それらPDGFC Tg群由来、HCV Tg群由来、HCV Tg/Ath+HF群由来の樹立肝細胞癌株について、in vitroにて6穴の低粘着性表面プレート(IWAKI社製;商品名EZ-BindShutII マイクロプレート;EZ-BindShutは登録商標)により、All Fee Medium(gibco社製;商品名DMEM, High Glucose (11965-092))3ml/穴を用いて細胞5×10個/穴を播種し2週間培養し、スフェアと呼ばれるコロニー数を計測して、腫瘍形成能(スフェロイド形成能)を評価するSphereアッセイを行った。その結果を、図6に示す。低粘着性表面プレートでスフェアを形成できるということは、足場非依存的に増殖可能で、生体内で腫瘍を形成し得る能力を有し、in vivoでの腫瘍形成・腫瘍増殖を反映する重要な指標である。図6(a)から明らかな通り、PDGFC Tg群由来、HCV Tg群由来、HCV Tg/Ath+HF群由来の何れの肝細胞癌株からも細胞塊のスフェアを形成していた。しかし、同図(b)に示すように、HCV Tg/Ath+HF群由来の樹立肝細胞癌株は、腫瘍形成・腫瘍増殖し得るスフェロイド形成能を有していたが、PDGFC Tg群、HCV Tg群の樹立肝細胞癌株は、スフェロイド形成能を有していなかった。
(SCIDマウスへの生着性の評価)
8週齢の重度複合免疫不全マウスNOD−SCIDマウス(NOD.CB17-Prkdcscid/J;日本チャールス・リバー社製)4匹に、HCV Tg/Ath+HF群由来の樹立肝細胞癌株1×10個の細胞をPBSに懸濁し、それぞれ皮下投与し、約2ヶ月間飼育し、生着の有無を確認した。その後、肝臓を摘出したところ、全例で、肝細胞癌株に由来し腫瘍が生着していることを確認した。さらに病理組織片を取り出し、ヘマトキシリン−エオシン(HE)染色をした後、顕微鏡観察を行って癌発現性について評価した。その結果を図7に示す。同図中、bはaの枠部の拡大写真、cはbの枠部の拡大写真である。同図から明らかな通り、生着により、ネクローシスと思われるNCで示される組織の間に、TTで示す肝臓細胞癌組織と、BDで示す胆管細胞癌組織とが、認められた。これら肝細胞癌組織と胆管細胞癌組織とは、同じ肝細胞癌株に由来していると考えられる。
一方、PDGFC Tg群由来、HCV Tg群由来の樹立肝細胞癌株についても、NOD−SCIDマウスに皮下投与し、同様に評価したところ、全例で全く生着していなかった。
(野生型マウスへの生着性の評価)
8週齢のC57BL/6(日本チャールス・リバー社製)である野生型(WT)マウス10匹にPDGFC Tg群由来とHCV Tg/Ath+HF群由来との樹立肝細胞癌株の1×10個の細胞をPBSに懸濁し、それぞれ脾臓投与し、64日間飼育し、肝臓に肝細胞癌を誘発させた。その時の生存率を図8に示す。PDGFC Tg群由来の樹立肝細胞癌株を投与しても全例死亡しなかったが、HCV Tg/Ath+HF群由来の樹立肝細胞癌株を投与すると約2ヶ月後に生存率が約10%にまで低下した。細胞投与から64日目の時に肝臓・脾臓を摘出したところ、PDGFC Tg群由来の樹立肝細胞癌株の投与では、肝臓、脾臓ともに肉眼的所見で異常が認められず全く正常であったことから樹立肝細胞株が生着していなかった。一方、HCV Tg/Ath+HF群由来の樹立肝細胞癌株の投与では、細胞投与から64日目の時に肝臓・脾臓を摘出したところ、肝臓に白い結節様の瘢痕が複数個所で観察され、加えて脾腫も観察された。解剖所見から、HCV Tg/Ath+HF群由来の樹立肝細胞癌株が、脾臓で増殖し一部肝臓に転移し、血栓を生じた結果、多数のマウスが死亡したのであり、脾臓投与によるダメージで死亡したのではないことが、分かった。
HCV Tg/Ath+HF群由来の樹立肝細胞癌株を脾臓投与したC57BL/6マウスの肝臓と脾臓との病理組織片を作製し、HE染色をした後、顕微鏡観察を行って癌発現性について評価した。その結果をそれぞれ、図9及び図10に示す。図9中、A及びCは肝臓の異なる部位の組織片であり、B及びDはそれらA・Cの枠部の拡大写真である。図9から明らかな通り、TTで示す肝臓細胞癌組織と、管腔が明瞭なBDで示す胆管細胞癌組織と、ネクローシスでないかと推察されるNで示す組織とが、認められた。図10中、Eは脾臓の正常部位の組織片及びGは脾臓の腫瘍形成部位近傍の組織片であり、F及びHはそれらE・Gの枠部の拡大写真である。図10から明らかな通り、E、Fには正常な細胞が認められ、G、Hの上部には白っぽく映る腫瘍組織部位が、認められた。
一方、PDGFC Tg群由来の樹立肝細胞癌株についても、C57BL/6マウスに皮下投与し、同様に評価したところ、全例で全く生着していなかった。
こられの結果を表1にまとめて示す。
このことから、C型肝炎ウィルスを遺伝子導入した動物(好ましくはC57BL/6マウス)に、動脈硬化性高コレステロール食と高中性脂肪食とを摂取させ肝癌細胞を発症させて肝癌細胞を採取し培養して樹立した本発明のHCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株は、in vitro及びin vivoで使用でき、増殖能、転移能、肝癌細胞・胆癌管細胞への両方への分化能が高くて、極めて悪性度が高いものであることが明らかとなった。HCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株は、一旦、脱分化して前駆体へ逆戻りしてから肝癌細胞・胆管癌細胞に分化している可能性もある。HCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株は、単一であるが、肝癌細胞・胆管癌細胞に分化するということは、悪性度が極めて高い。
次に、以下のようにして、胆管細胞癌株である細胞癌株を樹立し、胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルを、作製した。
前記のようにして得られたHCV Tg/Ath+HF細胞をNOD−SCIDマウスに生着させてできた腫瘍を、gentle MACSTM Dissociator (Miltenyi Biotec社の商品名)を用いて分離した。分離した細胞を再度NOD−SCIDマウスの皮下へ移植して腫瘍生着を待ち、前記と同様にして生着した腫瘍を再び別なNOD−SCIDマウスの皮下へ移植した。この移植工程をさらに3回繰り返し行うことで、腫瘍細胞の悪性度を上昇させることを試みた。この工程を繰り返して樹立した細胞を4−HCV Tg/Ath+HF細胞と称し(受託番号がNITE P−02558に対応。)、この4−HCV Tg/Ath+HF細胞から樹立したシングルクローンをMHCF5と称する。また先と同様にして、MHCF5から原発性肝癌の発症動物モデルを作製した。
得られた、HCV Tg/Ath+HF細胞群からシングルクローンを樹立した肝細胞癌株(MHCF1)と、4-HCV Tg/Ath+HF細胞群からシングルクローンを樹立した胆管細胞癌株(MHCF5細胞)とを、以下のように対比した。
図11に、HCV Tg/Ath+HF細胞群からシングルクローンを樹立した肝細胞癌株(MHCF1)と、4-HCV Tg/Ath+HF細胞群からシングルクローンを樹立した胆管細胞癌株(MHCF5細胞)が、シャーレ上で増殖している形態の観察像の写真を示す。この写真から、シャーレ上で培養可能な、形態的特徴の異なる2種類の細胞株が樹立できたことが確認できた。
図12に、C57BL/6マウスの正常肝をコントロールとし、HCV Tg/Ath+HF細胞から樹立したシングルクローン(MHCF1)の細胞と4−HCV Tg/Ath+HF細胞から樹立したシングルクローン(MHCF5)の細胞との遺伝子発現解析を、GeneChip Mouse Gene 2.0 ST Array (Affymetrix社の商品名)を用いて行なった。各細胞のRNAの調整は、RNeasy Mini Kit (Qiagen社の商品名)を用いて行なった。同図中の(A)〜(D)は、夫々、肝細胞(癌)のマーカー(Hepatocyte markers)として有用なアルブミン(Alb)、αフェトプロテイン(Afp)、肝細胞核因子4α(Hnf4a)及びトランスチレチン(Ttr)の各遺伝子発現をグラフで示したものであり、同図中の(E)〜(H)は、夫々、胆管細胞マーカー(Cholangiocyte markers)として有用なb4インテグリン(Itgb4)、アクアポリン1(Aqp1)、ケラチン7(Krt7)及びケラチン19(Krt19)の各遺伝子発現をグラフで示したものである。図12から明らかな通り、HCV Tg/Ath+HF細胞から樹立したシングルクローン(MHCF1)細胞は肝細胞癌細胞株であること、及び4−HCV Tg/Ath+HF細胞から樹立したシングルクローン(MHCF5)細胞は胆管癌細胞株であることが、夫々示唆された。
図13に、原発性肝癌の発症動物モデルによる、HCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した肝細胞癌株(MHCF1)由来の腫瘍で、管腔構造を有しない領域((A)及びその拡大図(B))と管腔構造を有する領域((C)及びその拡大図(D))、及び4−HCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した胆管細胞癌株(MHCF5)由来の腫瘍((E)及びその拡大図(F))の各腫瘍組織のHE染色像の写真を示す。図13から明らかな通り、MHCF1由来腫瘍は肝細胞癌と胆管癌領域を有する混合型肝癌、MHCF5由来腫瘍は未分化な胆管癌の形態を取っており原発性肝癌の発症動物モデルとして有用であることが分かった。
各細胞癌株の細胞1×105個をPhosphate-buffered saline (PBS)100μlに懸濁し、Matrigel 基底膜マトリックス(Corning社の商品名)100μlと混ぜ、27G×13mmシリンジ(ニプロ株式会社製)を用いて、C57BL/6系統マウスの右側腹部より皮下移植した。それぞれ5匹ずつに腫瘍を打ち込み、9日目から24日目まで、3日毎にそれぞれの生着腫瘍を計測した。図14に、原発性肝癌の発症動物モデルにおける、HCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した肝細胞癌株(MHCF1)及び4−HCV Tg/Ath+HF群由来でシングルクローンを樹立した胆管細胞癌株(MHCF5)とのマウスへの腫瘍生着像と、腫瘍増殖曲線を図に示す。同図の写真は、各細胞癌株を生着させた24日目のマウスの腫瘍生着像を示す外観写真であり、外観上、問題となる所見は認められなかった。同図のグラフは、各細胞癌株の移植日からに各細胞癌株に由来する腫瘍の24日目までの経過日数(Days after tumor cell implant)と腫瘍体積(Tumor volume; mm)との相関を示す腫瘍増殖曲線であり、何れも腫瘍が経過日数と共に、順調に増加しており、この原発性肝癌の発症動物モデルとして有用であることが、認められた。
このように、HCV Tg/Ath+HF群由来の肝細胞癌株及び4−HCV Tg/Ath+HF群由来の胆管細胞癌株は、in vitro、in vivoで増殖するので、それを用いた肝細胞癌発症動物モデルを作製することができる。一方、PDGFC Tg群由来及びHCV Tg群由来の肝細胞癌株は樹立でき、in vitroで増殖するが、in vivoで生着も増殖もできないので、肝細胞癌発症動物モデルを作製し得ない。
肝細胞癌及び/又は胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルに、前記の線維化や脂肪化や発癌を抑制する被スクリーニング化合物を投与して有効性を検討し、スクリーニングを行ったり、本格的な癌発症前の微小癌転移環境の観察や癌発現分子マーカーの探索や肝癌発症メカニズムの解析を行ったり、免疫チェックポイントの抗PD−1抗体や抗PDL−1抗体を用いて免疫機能を増強させる検討を行ったりする。それにより、肝臓癌・肝細胞癌・胆管細胞癌の治療薬や治療方法の開発に役立てることができることが分かった。
本発明の肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株である細胞癌株は、樹立方法によって調製可能で、in vitro及びin vivoでの肝細胞癌・肝細胞癌・胆管細胞癌の試験に用いることができる。この細胞癌株を用いた肝細胞癌及び/又は胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデルによれば、肝臓癌・肝細胞癌・胆管細胞癌のような腫瘍の増殖を直接抑えるのに有用な抗癌剤や分子標的薬又は免疫チェックポイントの抑制薬のような免疫標的薬のスクリーニングや、肝癌で産生される生体マーカーや生理活性物質の探索、微小癌環境の観察や発癌メカニズムの解析に用いて、肝臓癌・肝細胞癌・胆管細胞癌の治療薬や治療方法の開発に有用である。

Claims (11)

  1. C型肝炎ウィルスを遺伝子導入した動物に、動脈硬化性高コレステロール食と高中性脂肪食とを摂取させる工程、
    前記動物の肝臓に肝癌を発生させる工程、
    発生した肝癌組織から肝癌細胞を採取する工程、
    採取した前記肝癌細胞を培養する工程
    によって、肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株として、樹立したものであることを特徴とする細胞癌株。
  2. 前記採取する工程の後、それで得られた前記肝癌細胞を動物に投与して腫瘍生着させてから腫瘍細胞から再度、癌細胞を採取して悪性化させる工程を行ってから、それを前記培養する工程を行うによって、樹立したものであることを特徴とする請求項1に記載の細胞癌株。
  3. 前記動物が、マウスであることを特徴とする請求項1に記載の細胞癌株。
  4. 前記マウスが、C57BL/6系統マウスであることを特徴とする請求項3に記載の細胞癌株。
  5. 前記動脈硬化性高コレステロール食が、コレステロールを0.1〜10質量%含んでおり、前記高中性脂肪食が、動物性脂肪及び/又は植物性脂肪を含む中性脂肪を15〜80質量%含んでいることを特徴とする請求項1に記載の細胞癌株。
  6. 受託番号がNITE P−02353、又は受託番号がNITE P−02558のものであることを特徴とする請求項1に記載の細胞癌株。
  7. C型肝炎ウィルスを遺伝子導入した動物に、動脈硬化性高コレステロール食と高中性脂肪食とを摂取させる工程、
    前記動物の肝臓に肝癌を発生させる工程、
    発生した肝癌組織から肝癌細胞を採取する工程、
    採取した前記肝癌細胞を培養する工程
    を有し、それによって、肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株として、細胞癌株を樹立することを特徴とする細胞癌株の樹立方法。
  8. 前記採取する工程の後、それで得られた前記肝癌細胞を動物に投与して腫瘍生着させてから腫瘍細胞から再度、癌細胞を採取して悪性化させる工程を行ってから、それを前記培養する工程を行うことを特徴とする請求項7に記載の細胞癌株の樹立方法。
  9. C型肝炎ウィルスを遺伝子導入した癌細胞発生用の動物に、動脈硬化性高コレステロール食と高中性脂肪食とを摂取させる工程;前記動物の肝臓に肝癌を発生させる工程;発生した肝癌組織から肝癌細胞を採取する工程;採取した前記肝癌細胞を培養する工程によって、肝細胞癌株及び/又は胆管細胞癌株として細胞癌株を樹立した後、
    同系統又は異系統若しくは異種で癌細胞生着用の動物の肝臓に、前記細胞癌株を生着させて、腫瘍を形成させることによって、得られた、肝細胞癌及び/又は胆管細胞癌である原発性肝癌の発症動物モデル。
  10. 前記癌細胞発生用の動物がC57BL/6系統マウスであり、前記癌細胞生着用の動物が野生型マウス、遺伝子改変マウス、及び/又は免疫不全マウスであることを特徴とする請求項9に記載の原発性肝癌の発症動物モデル。
  11. 被スクリーニング試料を投与し、前記腫瘍の形成の促進又は抑制を指標にしてスクリーニングし、及び/又は
    前記腫瘍の形成を観察することを特徴とする請求項9に記載の原発性肝癌の発症動物モデル。
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