JPH077972A - 静電アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

静電アクチュエータ及びその製造方法

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JPH077972A
JPH077972A JP4920092A JP4920092A JPH077972A JP H077972 A JPH077972 A JP H077972A JP 4920092 A JP4920092 A JP 4920092A JP 4920092 A JP4920092 A JP 4920092A JP H077972 A JPH077972 A JP H077972A
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JP
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stator
insulator
mover
electrostatic actuator
electrode
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JP4920092A
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Inventor
Toshiro Higuchi
俊郎 樋口
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電アクチュエータの原理を用い、微細な電
極構造を有し、しかも格別の付加案内機構を用いること
なく、駆動力が大きく、かつ安定な駆動を実現する。 【構成】 固定子100は、円筒形状を有する絶縁体
と、その絶縁体の周面近傍に形成される3相の固定電極
106,107,108と、その固定電極面の表面処理
を行なった複数の固定子エレメント101,102,1
03,104と、それらの固定子エレメント101,1
02,103,104を同心円状に径を異ならせて配置
してなり、移動子110は、高抵抗体からなり、固定子
エレメント101,102,103,104に対応する
複数の移動子エレメント111,112,113,11
4と、それらの移動子エレメント111,112,11
3,114を同心円状に径を異ならせ、固定子100に
装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電アクチュエータ及
びその製造方法に係り、特に、その固定子や移動子の電
極及び組立が新規なスライド型の静電アクチュエータに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置としては、既に本願
の発明者によって提案されている静電アクチュエータが
ある。すなわち、(1)例えば特開平2−285978
号公報等に開示されように、固定子に3相電極を有し、
フィルム移動子を駆動するものと、(2)例えば特願平
3−29728号に示されるように、移動子と固定子の
両者に複数相の電極を持つものである。
【0003】以下、これらの原理によって駆動される静
電アクチュエータについて図を参照しながら概説する。 (1)まず、上記した前者の静電アクチュエータを静電
フィルムアクチュエータ(以後、ESFAと呼ぶ)と呼
ぶ。このESFAは、図24に示すように、絶縁体内に
櫛形の電極1を持つ固定子2と、高抵抗体からなる移動
子3(フィルム)からなり、図24(a)に示すよう
に、電極1に電圧を印加すると、平衡状態になるまで移
動子3内に電流が流れ、移動子3上に電荷が誘導され
る。この電荷は、図24(b)の点線で示すような、境
界面に対する電極1の鏡像の位置においた仮想的な電荷
で置き換えることができる。
【0004】この充電操作の後に、印加電圧を、図24
(c)に示すように切り換えると、電極1内の電荷は瞬
時に移動するが、移動子3に誘導された電荷は抵抗値が
高いため、しばらくの間そこにとどまる。移動子3の電
荷とその下の電極1の電荷は同符号になるため、移動子
3を浮上させる方向の反発力が発生し、第3の電極の電
荷により移動子3に横方向の駆動力が発生する。このと
き、反発力により固定子2と移動子3の間の摩擦が減少
し、駆動力により、移動子3は、図24(d)に示すよ
うに、電極1ピッチ程度移動する。このように、移動子
3の移動と同期させながら電極1を1つずつずらしなが
ら電極を印加することにより、移動子3を続けて移動さ
せることができる。
【0005】(2)次に、上記した後者の静電アクチュ
エータを能動移動子を有する可変容量型静電アクチュエ
ータ(以下、VCMAと呼ぶ)と呼ぶ。このVCMA
は、図25に示すように、絶縁体内に帯状電極5が埋設
された固定子6と、絶縁体内に帯状電極7が埋設された
移動子8とを重ねる。固定子6の帯状電極5は3相電
極、移動子8の帯状電極7は4相電極であり、それらの
電極ピッチ比は4:3である。したがって、固定子の電
極5の3ピッチと移動子の電極7の4ピッチの距離は等
しく、これをuで表す。
【0006】このVCMAを駆動するための電圧印加法
は幾通りも考えられるが、ここでは固定子6と移動子8
の電圧パターンを同一方向にずらして駆動する方法につ
いて示す。このVCMAは、電極ピッチ比が4:3であ
るので、この駆動方法は両者の電圧パターンの位相関係
をu/12ずつずらすことに相当する。この駆動方法に
関しても電圧パターンの組み合わせは幾通りもある。ま
た、固定子と移動子の初期相対位置関係や摩擦力等の諸
条件によって、いくつかの動作状態が起こり得る。
【0007】ここでは、最も典型的な動作例について説
明する。いま、固定子6と移動子8の位置関係と電圧パ
ターンが、図25(a)に示すような状態を考える。こ
のとき、移動子8には垂直方向の反発力と右方向の駆動
力が働き、移動子8は右に動き出す。移動子8の移動に
伴い、反発力が減少するとともに摩擦力が増加し、ある
距離だけ移動したところで停止する。この時の移動量
が、図25(b)に示すように、u/12であれば、固
定子6と移動子8の電圧パターンを、図25(c)に示
すように、右に1ピッチずらすことによって、図25
(a)と同じ状態をつくることができる。この操作を繰
り返すことにより、u/12ずつ移動子を駆動すること
ができる。もし初期状態が図25(a)と異なり、移動
量がu/12でなかった場合でも、この操作を繰り返す
うちに、図25(a)の状態に引き込まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の静電アクチ
ュエータでは、クーロン力をその駆動源としている性格
上、それらの電極構造を微細化することによって様々の
微小ピッチのアクチェータを得ることができるメリット
がある。一方、これらの静電アクチュエータでは、3相
以上の相数の電極を有する固定子及び移動子が必要にな
り、これらの電極構造は、従来フォトリソグラフィ技術
で製作されていたが、3相以上の構造を平面に構成する
ためには、電極の飛び越し、及びそのためのスルーホー
ルの形成が不可欠である。以上の要請は、電極の微細化
を図る際の妨げとなり、ひいては、アクチュエータの特
性向上の障害となっている。
【0009】また、上記静電アクチュエータが平面構造
をとっている場合、移動子上の充電された帯状電荷と固
定子電極の方向がずれると、脱調が生じ、アクチュエー
タの信頼性を損なう。このズレは、移動子の運動方向を
案内する適当な機構を付加することにより、抑制するこ
とができるが、例えば、図26に示すように、固定子1
0上に可動子11を載せ、可動子11のガイド12を設
ける場合、そのガイド12と移動子11間に摩擦やかみ
つき、特に、図26におけるA部分にかみつきが生じ、
出力に損失が生じることや、かみつきによる新たな脱調
の原因となることもある。
【0010】更に、上記の静電アクチュエータは平面構
造をとっているため、平面のみによるクーロン力を利用
しているだけであり、そのクーロン力の増強及び安定的
な駆動が望まれている。特に、移動子上に搬送対象物を
載置して移動させるような、搬送装置として用いる場合
に、その駆動力の増強が望まれている。本発明は、上記
問題点を解決し、上記した静電アクチュエータの原理を
用い、微細な電極構造を有し、しかも格別の付加案内機
構を用いることなく、駆動力が大きく、かつ安定な駆動
を実現することのできる静電アクチュエータ及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、固定子と可動子を対向させてクーロン力
により駆動する静電アクチュエータにおいて、前記固定
子は、3次元形状を有する絶縁体と、該絶縁体の周面近
傍に形成される複数相の固定電極と、該固定電極面の表
面処理手段とを有し、前記可動子は前記固定子に対応し
て組み合わせられ、3次元形状の面においてクーロン力
が作用して駆動される高抵抗体又は複数相の可動電極を
有する絶縁体からなる。
【0012】また、固定子と可動子を対向させてクーロ
ンにより駆動する静電アクチュエータにおいて、前記固
定子は、3次元形状を有する絶縁体と、該絶縁体の周面
近傍に形成される複数相の固定電極と、該固定電極面の
表面処理手段とを具備する複数の固定子エレメントと、
該固定子エレメントを同心円状に径を異ならせて配置し
てなり、前記移動子は、高抵抗体又は複数相の可動電極
を有する絶縁体からな、前記固定子エレメントに対応す
る複数の移動子エレメントと、該移動子エレメントを同
心円状に径を異ならせ、前記固定子エレメントに装着し
てなる。
【0013】更に、固定子と可動子を対向させてクーロ
ン力により駆動する静電アクチュエータにおいて、前記
固定子は、3次元形状を有する絶縁体と、該絶縁体の周
面近傍に形成される複数相の固定電極と、該固定電極面
の表面処理手段とを具備する複数の固定子エレメント
と、該固定子エレメントを同心円状に径を異ならせて配
置してなり、前記移動子は、高抵抗体又は複数相の可動
電極を有する絶縁体からなり、前記固定子エレメントに
対応する複数の移動子エレメントと、該移動子エレメン
トを同心円状に径を異ならせ、前記固定子エレメントに
装着してなり、前記固定子及び移動子を絶縁油に浸した
ケース内に配置してなる。
【0014】また、固定子と可動子を対向させてクーロ
ン力により駆動する静電アクチュエータの製造方法にお
いて、3次元形状を有する絶縁体の周面近傍に複数相の
固定電極を形成し、該固定電極面を覆う表面処理を行な
い固定子を形成し、前記固定子に対応して組み合わせら
れ、3次元形状の面においてクーロン力が作用し、駆動
される高抵抗体又は複数相の可動電極を有する絶縁体か
らなる移動子を形成するようにした。
【0015】そして、前記絶縁体は円筒状であり、前記
固定電極及び可動電極が線材の巻回によって形成され
る。また、前記絶縁体は円筒状であり、前記絶縁体の外
周面に導電膜を形成し、その面に旋削刃により多条の溝
を形成することにより前記固定電極及び可動電極を形成
する。
【0016】更に、前記絶縁体は円筒状であり、前記絶
縁体の外周面に旋削刃により多条の溝を形成し、その面
に導電膜を形成し、前記溝のみに導電膜を残すことによ
り前記固定電極及び可動電極を形成する。また、前記絶
縁体は円筒状であり、前記絶縁体の外周面に導電膜を形
成し、その面にレーザ加工により多条の溝を形成する。
【0017】更に、前記絶縁体は円筒状であり、前記絶
縁体の外周面にレーザ加工により多条の溝を形成し、そ
の面に導電膜を形成し、前記溝のみに導電膜を残すこと
により前記固定電極及び可動電極を形成する。そして、
固定子と可動子を対向させてクーロン力により駆動する
静電アクチュエータの製造方法において、3次元形状を
有する絶縁体と、該絶縁体の周面近傍に形成される複数
相の固定電極と、該固定電極面の表面処理手段からなる
径の異なる複数の固定子エレメントを形成し、該固定子
エレメントを同心円状に径を異ならせて配置し、高抵抗
体又は複数相の可動電極を有する絶縁体からなり、前記
固定子エレメントに対応する複数の移動子エレメントと
を形成し、該移動子エレメントを同心円状に径を異なら
せ配置し、前記固定子エレメントに装着する。
【0018】
【作用】本発明によれば、上記のように、固定子と可動
子を対向させてクーロン力により駆動する静電アクチュ
エータにおいて、前記固定子は、3次元形状を有する絶
縁体と、該絶縁体の周面近傍に形成される複数相の固定
電極と、該固定電極面の表面処理手段とを有し、前記可
動子は前記固定子に対応して組み合わせられ、3次元形
状の面においてクーロン力が作用して駆動される高抵抗
体又は複数相の可動電極を有する絶縁体から構成したの
で、上記した静電アクチュエータの原理を用い、微細な
電極構造を有し、しかも格別の付加案内機構を用いるこ
となく、駆動力が大きく、かつ安定な駆動を実現するこ
とができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明する。図1は本発明の3相電極を有するESF
Aの固定子の第1の実施例を示す製造工程図である。ま
ず、図1(a)に示すように、円筒状の絶縁体21を用
意して、予め線材が巻かれたボビン25,26,27を
並設しておき、その円筒状の絶縁体21の周面にボビン
25,26,27から3相電極を構成することになる線
材22,23,24をそれぞれ繰り出し、それらの線材
22,23,24の先端を絶縁体21に固定した後、そ
の円筒状の絶縁体21を回転させながら、ボビン25,
26,27を矢印方向に移動させて、円筒状の絶縁体2
1の周面上に、並列に同時に巻き回していく。
【0020】次に、図1(b)に示すように、線材2
2,23,24を巻き終えると、線材22,23,24
の線端処理を行ない、端子を形成する。次に、図1
(c)に示すように、巻回された線材22,23,24
の表面に絶縁性膜28を形成して、表面処理を行なう。
22a,23a,24aは線材22,23,24の端子
である。
【0021】図2〜図5は本発明の3相電極を有するE
SFAの固定子の第2の実施例の製造方法を示す図であ
り、図2はその要部を示す線材の巻回途中の斜視図、図
3はその正面図、図4はその側面図、図5は図4のA部
拡大断面である。なお、図2においては、線材を押圧す
るローラは省略されている。これらの図に示すように、
熱可塑性材料からなる円筒状の絶縁体31を用意して、
その絶縁体31を回転させながら、案内ノズル35から
3本の加熱された3相電極となる線材32,33,34
を張力をかけながら絶縁体31の円周面に巻回する。そ
して、図3に示すように、ローラ支持体36により圧力
をかけてローラ37により、巻かれた線材32,33,
34を、図5に示すように、絶縁体31の円周に埋設す
る。そして、順次、案内ノズル35を矢印方向に移動さ
せて、円筒状の絶縁体31の円周に、埋設されるように
並列に同時に巻き回していく。
【0022】この実施例によれば、前記第1の実施例の
ように、最後に線材の表面処理のために絶縁膜を形成す
ることなく、同時に表面処理を施した3相電極を有する
ESFAの固定子を得ることができる。図6は本発明の
3相電極を有するESFAの固定子の第3の実施例を示
す製造工程図であり、図6(a)〜(b)はその製造工
程の斜視図、図6(e)は図6(a)の長手方向の断面
図、図6(f)は図6(c)の長手方向の断面図、図6
(g)は図6(d)の長手方向の断面図である。
【0023】この実施例においては、機械加工によって
固定子の電極を形成する。まず、図6(a)に示すよう
に、円筒状の絶縁体41を用意し、その外円周面に一様
なメッキを施し、導電層42を形成する。次に、図6
(b)に示すように、その導電層42が形成された絶縁
体41の面の電極にしない部分を、微細な先端を有する
ツールとしての切刃43により、溝44を旋削加工で削
りとる。その場合、切刃43は一個設けて、まず3ピッ
チ分の間隔を有する旋削を行ない、次に、1ピッチずら
して、2番目の旋削を行ない、最後に、1ピッチずらし
て、3番目の旋削を行ない、3条の溝を形成する。
【0024】このようにして、図6(c)に示すよう
に、3条の溝を有する導電層パターン45を形成するこ
とができる。ここで、3条の溝の端部にはリード線を接
続して端子42a,42b,42cを得る。次いで、図
6(d)に示すように、その導電層パターン45の上面
に絶縁性膜46を形成して、表面処理を行なう。
【0025】なお、図6(b)に示すように、単一の切
刃を用いた機械加工の場合、旋削の途中からピッチを変
えることができる。そのように構成することにより、ピ
ッチが一定でない電極を形成することができる。そのよ
うに構成されたピッチの異なる固定子の電極により、移
動子の移動速度を途中から変えるようにすることができ
る。
【0026】また、3本の切刃を並設して、一度に3本
の溝を形成するようにしてもよい。その場合は、一度に
3本の溝を形成しながら進み、短時間に多条の溝を形成
することができる。切刃は電極の数に対応して複数並設
して、多条の旋削溝を形成することができる。この作業
は、多条ネジの加工を適用することができる。
【0027】図7は本発明の3相電極を有するESFA
の固定子の第4の実施例を示す製造工程図であり、図7
(a)〜(b)はその製造工程の斜視図、図7(e)は
図7(a)の長手方向の断面図、図7(f)は図7
(c)の長手方向の断面図、図7(g)は図7(d)の
長手方向の断面図である。まず、図7(a)に示すよう
に、円筒状の絶縁体51を用意し、その外円周面に一様
なメッキを施し、導電層52を形成する。
【0028】次に、図7(b)に示すように、その導電
層52が形成された絶縁体51の面の電極にしない部分
をYAGレーザ53により、溝を形成する。ここで、3
個のYAGレーザ53は円周上に略120度角度を変
え、しかも軸方向に1ピッチずらした位置にそれぞれ配
置している。なお、このYAGレーザの配置は種々変形
することができる。また、他のレーザを用いるようにし
てもよい。更に、電子ビームなどを用いるようにしても
よい。
【0029】また、YAGレーザは1個を用いて、3条
の溝を形成するようにしてもよい。すると、図7(c)
に示すように、溝54が形成された3条の溝を有する導
電層パターン55を形成することができる。次いで、図
7(d)に示すように、その導電層パターン55の上面
に絶縁性膜56を形成して、表面処理を行なう。
【0030】なお、単一のレーザを用いた加工の場合、
加工の途中からピッチを変えることもできる。そのよう
に構成することにより、ピッチが一定でない電極を形成
することができる。そして、そのように構成されたピッ
チの異なる固定子の電極により、移動子の移動速度を途
中から変えるようにすることができる。図8は本発明の
3相電極を有するESFAの固定子の第5の実施例を示
す製造工程図であり、図8(a)〜(b)はその製造工
程の斜視図、図8(e)は図8(a)の長手方向の断面
図、図8(f)は図8(c)の長手方向の断面図、図8
(g)は図8(d)の長手方向の断面図である。
【0031】まず、図8(a)に示すように、円筒状の
絶縁体61を用意し、その外円周面の電極を形成しない
部分を微細な先端を有するツールとしての切刃62によ
り、溝63を旋削加工で削りとる。すなわち、上記した
ように3条ネジの加工と同様の方法により、3条の溝を
形成する。次いで、図8(b)に示すように、その円筒
状の絶縁体61の外周面に導電層64を蒸着する。
【0032】次に、図8(c)に示すように、先に形成
した溝63よりも浅い切り込み量で、表面全体を、ツー
ルとしての平刃65により、削り旋削加工する。次に、
図8(d)に示すように、溝63の部分にだけ3相電極
となる導電層パターン66が残される。この後、図示し
ないが、絶縁膜を施し表面処理を行なう。
【0033】図9は本発明の3相電極を有するESFA
の固定子の第6の実施例を示す製造工程図であり、図9
(a)〜(b)はその製造工程の斜視図、図9(e)は
図9(a)の長手方向の断面図、図9(f)は図9
(b)の長手方向の断面図、図9(g)は図9(d)の
長手方向の断面図である。まず、図9(a)に示すよう
に、円筒状の絶縁体71を用意し、その外円周面の電極
を形成しない部分をYAGレーザ72により、溝73を
形成する。また、YAGレーザは複数個を用いて、3条
の溝を形成するようにしてもよい。例えば、円周上に略
120度角度を変え、しかも軸方向に1ピッチずらした
位置〔図7(b)参照〕にそれぞれ配置するようにして
もよい。
【0034】次に、図9(b)に示すように、その絶縁
体71の外円周面に蒸着により、導電層74を形成す
る。次に、図9(c)に示すように、先に形成した溝7
3よりも浅い切り込み量で、表面全体を、ツールとして
の平刃75により、削り旋削加工する。すると、図9
(d)に示すように、3条の溝を有する導電層パターン
76を形成することができる。
【0035】最後に、その導電層パターン76の上面
に、図示しないが、絶縁膜を形成して、表面処理を行な
う。なお、単一のレーザを用いた加工の場合、加工の途
中からピッチを変えることもできる利点があることは、
前述した通りである。このようにして、3相の電極を有
するESFAの固定子を得ることができる。
【0036】ここでは、ESFAの3相電極を有する固
定子の製造方法について述べたが、VCMAの3相電極
を有する固定子としても構成することができる。また、
図示しないが、線材を4本ずつ巻回することにより、4
相電極を有するVCMAの移動子を構成することができ
ることも明白である。従来、電極はフォトグラフィによ
って構成し、複数の相数の電極への電力の供給は、多層
基板技術による、3次元的な飛び越しによって実現した
きたが、このような巻き線の形態をとることによって、
電極間の3次元的な飛び越し、スルーホールが不要にな
るというメリットがある。
【0037】このように構成することにより、電極構造
の微細化が容易になり、駆動電圧の低減化、出力の向上
を図ることができる。図10は本発明の単一型ESFA
の第1の実施例を示す斜視図であり、図10(a)はそ
の分解斜視図、図10(b)はその駆動状態を示す斜視
図である。この図に示すように、前記各実施例により製
造された円筒状の3相電極を有する固定子80の内側に
一回り径の小さい円筒状の高抵抗体の移動子81を対応
させる。
【0038】そこで、固定子80の端子80a,80
b,80cに接続される3相電極に、図24において示
したように、電圧を印加する。すると、円筒状の高抵抗
体の移動子81は、前記した原理により、軸芯方向に微
小移動が可能になる。ここで、83は端面部82に固定
される出力軸である。このように構成することにより、
クーロン力は移動子81の全周面で生じることになり、
移動子81の駆動力を高めることができる。また、また
全円周面で均等なクーロン力が生じるため、格別のガイ
ド機構を要することなく、安定な駆動を行なわせること
ができる。
【0039】図11は、本発明の単一型VCMAの第1
実施例を示す斜視図であり、図11(a)はその分解斜
視図、図11(b)はその駆動状態を示す斜視図であ
る。この図に示すように、前記各実施例により製造され
た円筒状の3相電極を有する固定子80の内側に一回り
径の小さい円筒状の4相電極84を有する絶縁体の移動
子85を対応させる。
【0040】そこで、固定子80の端子80a,80
b,80cに接続される3相電極と、移動子85の端子
84a,84b,84c,84dに接続される4相電極
84に、図25において示したように、電圧を印加す
る。すると、円筒状の4相電極84を有する絶縁体の移
動子85は、前記した原理により、軸芯方向に微小移動
が可能になる。ここで、87は端面部86に固定される
出力軸である。
【0041】図12は、本発明の単一型ESFAの第2
実施例を示す斜視図であり、図12(a)はその分解斜
視図、図12(b)はその駆動状態を示す斜視図であ
る。この図に示すように、前記各実施例により製造され
た円筒状の3相電極を有する固定子80の外側に一回り
径が大きい円筒状の高抵抗体の移動子90を対応させ
る。
【0042】そこで、固定子80の端子80a,80
b,80cに接続される3相電極に、図24に示すよう
に、電圧を印加する。すると、円筒状の高抵抗体の移動
子90は、前記した原理により、軸芯方向に微小移動が
可能になる。ここで、92は端面部91に固定される出
力軸である。図13は、本発明の単一型VCMAの第2
実施例を示す斜視図であり、図13(a)はその分解斜
視図、図13(b)はその駆動状態を示す斜視図であ
る。
【0043】この図に示すように、前記各実施例により
製造された円筒状の3相電極を有する固定子80の外側
に一回り径の大きい円筒状の4相電極94を有する絶縁
体の移動子95を対応させる。そこで、固定子80の端
子80a,80b,80cに接続される3相電極と、移
動子95の端子95a,95b,95c,95dに接続
される4相電極94に、図25に示すように、電圧を印
加する。すると、円筒状の4相電極94を有する絶縁体
の移動子95は、前記した原理により、軸芯方向に微小
移動が可能になる。ここで、97は端面部96に固定さ
れる出力軸である。
【0044】このように構成することにより、極めて単
純で、付加案内機構を要しないコンパクトな単一型静電
アクチュエータを得ることができる。図14は本発明の
多重型の静電アクチュエータの第1の実施例を示す斜視
図である。この図において、100は、図10乃至図1
3において示された単一の静電アクチュエータの固定子
エレメントからなり、端面板105に一体的に固定さ
れ、同心円状に径を異ならせて配置された多重型の固定
子である。110は図10乃至図13において示された
単一の静電アクチュエータの移動子エレメントからな
り、端面板115に一体的に固定され、同心円状に径を
異ならせて配置された多重型の移動子である。
【0045】すなわち、固定子100は中心部に一番径
の小さい円筒状の第1の固定子エレメント101、その
固定子エレメント101より径が大きい円筒状の第2の
固定子エレメント102、その固定子エレメント102
より径が大きい円筒状の第3の固定子エレメント10
3、一番径が大きい外側の円筒状の第4の固定子エレメ
ント104からなる多重型の固定子である。110は中
心部に一番径の小さい円柱(円筒状でもよい)の第1の
移動子エレメント111、その移動子エレメント111
より径が大きい円筒状の第2の移動子エレメント11
2、その移動子エレメント112より径が大きい円筒状
の第3の移動子エレメント113、一番径が大きい外側
の円筒状の第4の移動子エレメント114からなる多重
型の移動子である。
【0046】第1の移動子エレメント111の外周面と
第1の固定子エレメント101の内周面とは接触し、第
2の移動子エレメント112の外周面と第2の固定子エ
レメント102の内周面とは接触し、第3の移動子エレ
メント113の外周面と第3の固定子エレメント103
の内周面とは接触し、第4の移動子エレメント114の
外周面と第4の固定子エレメント104の内周面とは接
触して、各エレメント間において前記した微小駆動を行
なわせることができる。従って、固定子100の各固定
子エレメントの3相電極106,107,108に端子
106a,107b,108cから電圧を印加し、移動
子110を高抵抗体として構成することにより、多重型
のESFAとして構成することができる。
【0047】また、固定子100の各固定子エレメント
の3相電極に電圧を印加し、移動子110の各移動子エ
レメントを4相電極を有する絶縁体として構成すること
により、多重型のVCMAを構成することができる。す
なわち、各固定子エレメントと移動子エレメント間で、
クーロン力による駆動力を得ることができ、それが総合
されることになり、移動子110は強力な微小駆動力を
得ることができる。なお、116は端面板115に固定
される出力軸である。
【0048】図15はその多重型の静電アクチュエータ
の第1の適用例を示す図である。この図に示すように、
図14に示した固定子100と移動子110からなる多
重型の静電アクチュエータは、ケース120内に設置さ
れ、そのケース120内には絶縁油121が封入され
る。つまり、固定子100と移動子110は絶縁油12
1中に浸される。122は、出力軸116がケース12
0を貫通する部分に設けられる絶縁油121のブッシン
グ状の封止部である。
【0049】このように絶縁油中に浸すことにより、固
定子100と移動子110間の潤滑効果を高めるととも
に、電極間の絶縁耐力を高めることができる。更に、空
気中で用いる場合に比べて、数倍のパワーを出力軸11
6から得ることができる。図16はその多重型の静電ア
クチュエータの第2の適用例を示す図である。前記した
図15に示すように、絶縁油121中に固定子100と
移動子110からなる多重型の静電アクチュエータを浸
し、図16に示すように、固定子100の端面板105
の中心部には絶縁油121の排出穴124を形成すると
ともに、各固定子エレメント101,102,103,
104の内周端部には絶縁油121を封止する封止リン
グ125を形成する。よって、例えば、移動子110が
矢印の方向に駆動されると、円筒状固定子100内の絶
縁油121の圧力は高まり、排出穴124から押し出さ
れる。また、逆に、移動子110が矢印とは反対の方向
に駆動されると、円筒状固定子100内の絶縁油121
は負圧となり、排出穴124から円筒状固定子100の
外側の絶縁油121が吸い込まれる。つまり、可逆型の
ポンプを構成することができる。なお、封止リング12
5に代えて、ジャバラなどを用いるようにしてもよい。
【0050】図17は本発明の矩形状単一型ESFAの
第1の実施例を示す分解斜視図、図18はその矩形状単
一型ESFAの駆動状態を示す斜視図である。図に示す
ように、この実施例においては、この固定子130及び
移動子140は上記したように円筒状ではなく、矩形筒
状をなしている。電極の形成は、前記した図1乃至図5
に示すように線材の巻回と同様に行うことができる。
【0051】まず、矩形筒状の絶縁体131を用意し
て、図1乃至図2〜図5に示す方法で、3相電極となる
線材132,133,134を巻回する。その後、図示
しないが、矩形筒状の外周面の表面処理を行ない、表面
に絶縁性膜を形成する。巻き終えた線材132,13
3,134の端部を電圧を印加する端子132a,13
3a,134aとして用いる。
【0052】一方、このようにして得られた固定子13
0の内周面、つまり、上部内平面135、右側内平面1
36、下部内平面137、左側内平面138に対応する
ように4面、つまり上部平面141、右側平面142、
下部平面143、左側平面144が形成された矩形筒状
の高抵抗体の移動子140を用意する。そこで、図18
に示すように、固定子130内に移動子140を装着
し、3相電極となる線材132,133,134の端子
132a,133a,134aに、図24に示すよう
に、電圧を印加することにより、クーロン力により移動
子140の微小駆動を行なわせることができる。なお、
146は移動子140の端面部145に固定される出力
軸である。
【0053】このように構成することにより、クーロン
力は移動子140の全周面の4面で生じることになり、
移動子140の駆動力を高めることができる。また、4
面でクーロン力が生じるため格別のガイド機構を要する
ことなく、安定な駆動を行なうことができる。図19は
本発明の矩形状単一型VCMAの駆動状態の第1の実施
例を示す斜視図である。
【0054】図に示すように、この実施例においては、
この固定子130及び移動子150は上記したように円
筒状ではなく、矩形筒状をなしている。電極の形成は、
前記した図1乃至図5に示すように線材の巻回と同様に
行うことができる。まず、矩形筒状の絶縁体131を用
意して、図1乃至図2〜図5に示す方法で、3相電極と
なる線材132,133,134を巻回する。
【0055】その後、図示しないが、矩形筒状の外周面
の表面処理を行ない、表面に絶縁膜を形成する。巻き終
えた線材132,133,134の端部を電圧を印加す
る端子132a,133a,134aとして用いる。一
方、このようにして得られた固定子130の内周面に対
応するように4面、つまり上部平面151、右側平面1
52、下部平面153、左側平面154が形成された矩
形筒状の4相電極となる線材157,158,159,
160を有する絶縁体の移動子150を用意する。
【0056】そこで、図19に示すように、固定子13
0内に移動子150を装着し、固定子の3相電極となる
線材132,133,134の端子132a,133
a,134a及び移動子の4相電極となる線材157,
158,159,160の端子157a,158a,1
59a,160aに、図25に示すように、電圧を印加
することにより、クーロン力により移動子150の微小
駆動を行なわせることができる。なお、156は移動子
150の端面部155に固定される出力軸である。
【0057】このように構成することにより、クーロン
力は移動子150の4面で生じることになり、移動子1
50の駆動力を高めることができる。また、4面でクー
ロン力が生じるため、格別のガイド機構を要することな
く、安定な駆動を行なうことができる。図20は本発明
の矩形状単一型ESFAの第2の実施例を示す分解斜視
図、図21はその矩形状単一型ESFAの駆動状態を示
す斜視図である。
【0058】まず、矩形筒状の絶縁体131を用意し
て、図1乃至図2〜図5に示す方法で、3相電極となる
線材132,133,134を巻回する。その後、図示
しないが、矩形筒状の外周面の表面処理を行ない、表面
に絶縁膜を形成する。巻き終えた線材132,133,
134の端部を電圧を印加する端子132a,133
a,134aとして用いる。
【0059】一方、このようにして得られた固定子13
0の外周面、つまり、上部内平面135A、右側内平面
136A、下部内平面137A、左側内平面138Aに
対応するように4面、つまり上部内平面171A、右側
内平面172A、下部内平面173A、左側内平面17
4Aが形成された矩形筒状の高抵抗体の移動子170を
用意する。
【0060】そこで、図21に示すように、固定子13
0の外側に移動子170を装着し、固定子130の3相
電極となる線材132,133,134の端子132
a,133a,134aに、図24に示すように、電圧
を印加することにより、クーロン力により移動子170
の微小駆動を行なわせることができる。なお、この実施
例では、出力軸(図示なし)を移動子170の端面板1
75に取り付けるようにしてもよいし、また、移動子1
70の上部平面171を移動対象物を搭載するテーブル
として用いるようにしてもよい。
【0061】図22は本発明の矩形状単一型VCMAの
駆動状態の第2の実施例を示す斜視図である。まず、矩
形筒状の絶縁体131を用意して、図1乃至図2〜図5
に示すような方法で、その全周面、つまり、上部平面1
35、右側平面136、下部平面137、左側平面13
8に3相電極を構成する線材132,133,134を
巻回する。
【0062】その後、図示しないが、矩形筒状の外周面
の表面処理を行ない、表面に絶縁性膜を形成する。巻き
終えた3相電極を構成する線材132,133,134
の端部を電圧を印加する端子132a,133a,13
4aとして用いる。このようにして、3相電極を有する
固定子130が得られる。
【0063】一方、矩形筒状の絶縁体181を用意し
て、上部平面181、右側平面182、下部平面18
3、左側平面184が形成された矩形筒状の4相電極と
なる線材185,186,187,188を有する絶縁
体の移動子180を用意する。このようにして得られた
固定子130の外周面に対応するように移動子の内周
面、つまり上部内平面181A、右側内平面182A、
下部内平面183A、左側平面184Aを対向させる。
【0064】すなわち、固定子130の外側に移動子1
80を装着し、固定子130の3相電極となる線材13
2,133,134の端子132a,133a,134
a及び移動子180の4相電極となる線材185,18
6,187,188の端子185a,186a,187
a,188aに、図25に示すように、電圧を印加する
ことにより、クーロン力により移動子180の微小駆動
を行なわせることができる。
【0065】なお、この実施例では、出力軸187を移
動子180の端面板186に取り付けるようにしてい
る。このように構成することにより、クーロン力は移動
子180の4面で生じることになり、移動子180の駆
動力を高めることができる。また、4面でクーロン力が
生じるため、格別のガイド機構を要することなく、安定
な駆動を行なうことができる。
【0066】図23は本発明の実施例を示す矩形状多重
型ESFAの駆動状態を示す分解斜視図である。この実
施例においては、径を異ならせた矩形筒状の絶縁体を複
数組み合わせた矩形状多重型ESFAについて説明す
る。この図に示すように、まず、矩形筒状の絶縁体20
1を用意して、上記した方法で、3相電極としての線材
202,203,204が形成された第1の固定子エレ
メント200を製造する。
【0067】同様の方法で前記3相電極と同じピッチの
3相電極を有する固定子エレメント200よりは径の小
さい第2の固定子エレメント210を形成する。そこ
で、これらの第1の固定子エレメント200と第2の固
定子エレメント210の終端面を揃えて端面板205に
溶着により固定し、固定子Aが得られる。一方、第1の
固定子エレメント200より若干径が大きい矩形筒状の
高抵抗体からなる第1の移動子エレメント220と、第
2の固定子エレメント210より若干径が大きい矩形筒
状の高抵抗体からなる第2の移動子エレメント230を
用意し、それらの端面を揃えて、端面板225に溶着に
より固定し、移動子Bが得られる。なお、231は第2
の移動子エレメント230の上部平面231、右側平面
232、下部平面233、左側平面234である。
【0068】そこで、固定子Aと移動子Bとを組み合わ
せる。つまり、第1の固定子エレメント200の上部平
面206、右側平面207、下部平面208、左側平面
209に対応するように、第1の移動子エレメント22
0の全周面である4面、つまり上部内平面221A、右
側内平面222A、下部内平面223A、左側内平面2
24Aを対応させる。
【0069】また、第2の固定子エレメント210と第
2の移動子エレメント230も同様に、第2の固定子エ
レメント210の上部平面216、右側平面217、下
部平面218、左側平面219に対応するように、第2
の移動子エレメント230の4面、つまり上部内平面2
31A、右側内平面232A、下部内平面233A、左
側内平面234Aを対応させる。
【0070】そこで、固定子エレメント200及び21
0の3相電極に、電圧を印加することにより、移動子エ
レメント220及び230にクーロン力が作用し、移動
子Bが強力に、しかも安定して駆動される。なお、この
実施例では、出力軸(図示なし)を移動子220の端面
板225に取り付けるようにしてもよいし、また、移動
子220の上部平面221を移動対象物を搭載するテー
ブルとして用いるようにしてもよい。
【0071】この実施例においては、矩形状多重型ES
FAについて説明したが、移動子を4相電極を有する絶
縁体を構成することにより、矩形状多重型VCMAを得
ることができることは明白である。また、上記した多く
の実施例を互いに組み合わせることにより、種々のタイ
プの静電アクチュエータを得ることができることは言う
までもない。
【0072】更に、電極間のピッチの寸法の選定やその
ピッチに適宜変化を持たせることは任意に行なうことが
できる。なお、本発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であ
り、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0073】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、固定子と可動子を対向させてクーロン力により
駆動する静電アクチュエータにおいて、3次元形状を有
する絶縁体と、該絶縁体の周面近傍に形成される複数相
の固定電極と、該固定電極面を覆う表面処理膜とを有す
る固定子と、その固定子に対応して組み合わせられ、3
次元形状の面においてクーロン力が作用して駆動される
高抵抗体又は複数相の可動電極を有する絶縁体からなる
可動子を設けるようにしたので、上記した静電アクチュ
エータの原理を用い、微細な電極構造を有し、しかも、
格別の付加案内機構を用いることなく、駆動力が大き
く、かつ安定な駆動を行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3相電極を有するESFAの固定子の
第1の実施例を示す製造工程図である。
【図2】本発明の3相電極を有するESFAの固定子の
線材の巻回途中を示す第2の実施例の斜視図である。
【図3】図2の固定子の線材の巻回途中を示す正面図で
ある。
【図4】図2の固定子の線材の巻回途中を示す側面図で
ある。
【図5】図4のA部拡大断面である。
【図6】本発明の3相電極を有するESFAの固定子の
第3の実施例を示す製造工程図である。
【図7】本発明の3相電極を有するESFAの固定子の
第4の実施例を示す製造工程図である。
【図8】本発明の3相電極を有するESFAの固定子の
第5の実施例を示す製造工程図である。
【図9】本発明の3相電極を有するESFAの固定子の
第6の実施例を示す製造工程図である。
【図10】本発明の単一型ESFAの第1実施例を示す
斜視図である。
【図11】本発明の単一型VCMAの第1実施例を示す
斜視図である。
【図12】本発明の単一型ESFAの第2実施例を示す
斜視図である。
【図13】本発明の単一型VCMAの第2実施例を示す
斜視図である。
【図14】本発明の多重型の静電アクチュエータの第1
の実施例を示す斜視図である。
【図15】本発明の多重型の静電アクチュエータの第1
の実施例の第1の適用例を示す図である。
【図16】本発明の多重型の静電アクチュエータの第1
の実施例の第2の適用例を示す図である。
【図17】本発明の矩形状単一型ESFAの第1の実施
例を示す分解斜視図である。
【図18】本発明の矩形状単一型ESFAの駆動状態の
第1の実施例を示す斜視図である。
【図19】本発明の矩形状単一型VCMAの駆動状態の
第1の実施例を示す斜視図である。
【図20】本発明の矩形状単一型ESFAの第2の実施
例を示す分解斜視図である。
【図21】本発明の矩形状単一型ESFAの駆動状態の
第2の実施例を示す斜視図である。
【図22】本発明の矩形状単一型VCMAの駆動状態の
第2の実施例を示す斜視図である。
【図23】本発明の実施例を示す矩形状多重型ESFA
の駆動状態を示す分解斜視図である。
【図24】従来のESFAの構成図である。
【図25】従来のVCMAの構成図である。
【図26】従来の静電アクチュエータの問題点説明図で
ある。
【符号の説明】
21,31,41,51,61,71 円筒状の絶縁
体 22,23,24,32,33,34,132,13
3,134,157,158,159,160,20
2,203,204 線材 22a,23a,24a,42a,42b,42c,8
0a,80b,80c,84a,84b,84c,84
d,95a,95b,95c,95d,105a,10
6a,107a,132a,133a,134a 端
子 25,26,27 予め線材が巻かれたボビン 28,45,56 絶縁性膜 35 案内ノズル 37 ローラ 42,52,74 導電層 43,62 切刃 45,55,76 導電層パターン 53,72 YAGレーザ 54,63,73 溝 65,75 平刃 80,100,130 固定子 81,85,90,95,140,150,170,1
80 移動子 82,91,96,145,155 端面部 83,92,97,116,146,156,187
出力軸 84,94 4相電極 100 多重型の固定子 101,200 第1の固定子エレメント 102,210 第2の固定子エレメント 103 第3の固定子エレメント 104 第4の固定子エレメント 105,115,175,186,205,225
端面板 106,107,108 3相電極 110 多重型の移動子である。 111 第1の移動子エレメント 112 第2の移動子エレメント 113 第3の移動子エレメント 114 第4の移動子エレメント 120 ケース 121 絶縁油 122 ブッシング状の封止部 124 絶縁油の排出穴 125 封止リング 131,201 矩形筒状の絶縁体 135,135A,171A,181A,221A,2
31A 上部内平面 136,136A,172A,182A,222A,2
32A 右側内平面 137,137A,173A,183A,223A,2
32A 下部内平面 138,138A,174A,184A,224A,2
32A 左側内平面 141,151,171,206 上部平面 142,152,207 右側平面 143,153,208 下部平面 144,154,209 左側平面 200 第1の固定子エレメント 210 第2の固定子エレメント 220 第1の移動子エレメント 230 第2の移動子エレメント

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子と可動子を対向させてクーロン力
    により駆動する静電アクチュエータにおいて、 (a)前記固定子は、 (i)3次元形状を有する絶縁体と、 (ii)該絶縁体の周面近傍に形成される複数相の固定電
    極と、 (iii)該固定電極面の表面処理手段を有し、 (b)前記可動子は前記固定子に対応して組み合わせら
    れ、3次元形状の面においてクーロン力が作用して駆動
    される高抵抗体又は複数相の可動電極を有する絶縁体か
    らなることを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体は円筒状であり、前記固定電
    極及び可動電極は線材の巻回によって形成されることを
    特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記絶縁体は円筒状であり、前記固定電
    極及び可動電極は該絶縁体に多条の溝により分離された
    導電膜により形成されることを特徴とする請求項1記載
    の静電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記絶縁体は円筒状であり、前記固定電
    極及び可動電極は該絶縁体に形成された多条の溝内の導
    電膜により形成されることを特徴とする請求項1記載の
    静電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記絶縁体は円筒状であり、前記可動子
    は前記固定子に被着される円筒状の高抵抗体又は複数相
    の可動電極を有する絶縁体である請求項1記載の静電ア
    クチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記可動子は前記固定子の内部に装着し
    てなる請求項5記載の静電アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 前記可動子は前記固定子の外部に装着し
    てなる請求項5記載の静電アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記絶縁体は矩形筒状であり、前記固定
    電極及び可動電極が線材の巻回によって形成されること
    を特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 前記絶縁体は矩形筒状であり、前記可動
    子は前記固定子に被着される矩形筒状の高抵抗体又は複
    数相の可動電極を有する絶縁体である請求項1記載の静
    電アクチュエータ。
  10. 【請求項10】 前記可動子は前記固定子の内部に装着
    してなる請求項5記載の静電アクチュエータ。
  11. 【請求項11】 前記可動子は前記固定子の外部に装着
    してなる請求項5記載の静電アクチュエータ。
  12. 【請求項12】 固定子と可動子を対向させてクーロン
    により駆動する静電アクチュエータにおいて、 (a)前記固定子は、 (i)3次元形状を有する絶縁体と、該絶縁体の周面近
    傍に形成される複数相の固定電極と、該固定電極面の表
    面処理手段とを具備する複数の固定子エレメントと、 (ii)該固定子エレメントを同心円状に径を異ならせて
    配置してなり、 (b)前記移動子は、 (i)高抵抗体又は複数相の可動電極を有する絶縁体か
    らなり、前記固定子エレメントに対応する複数の移動子
    エレメントと、 (ii)該移動子エレメントを同心円状に径を異ならせ、
    前記固定子エレメントに装着してなることを特徴とする
    静電アクチュエータ。
  13. 【請求項13】 前記固定子エレメントは円筒状であ
    り、前記可動子エレメントが該固定エレメントに被着さ
    れる円筒状の高抵抗体又は複数相の可動電極を有する絶
    縁体である請求項12記載の静電アクチュエータ。
  14. 【請求項14】 前記可動子エレメントは前記固定子エ
    レメントの内部に装着してなる請求項13記載の静電ア
    クチュエータ。
  15. 【請求項15】 前記可動子エレメントは前記固定子エ
    レメントの外部に装着してなる請求項13記載の静電ア
    クチュエータ。
  16. 【請求項16】 前記固定子エレメントは矩形筒状であ
    り、前記可動子エレメントは該固定子エレメントに被着
    される矩形筒状の高抵抗体又は複数相の可動電極を有す
    る絶縁体である請求項12記載の静電アクチュエータ。
  17. 【請求項17】 前記可動子エレメントは前記固定子エ
    レメントの内部に装着してなる請求項16記載の静電ア
    クチュエータ。
  18. 【請求項18】 前記可動子エレメントは前記固定子エ
    レメントの外部に装着してなる請求項16記載の静電ア
    クチュエータ。
  19. 【請求項19】 固定子と可動子を対向させてクーロン
    力により駆動する静電アクチュエータにおいて、 (a)前記固定子は、 (i)3次元形状を有する絶縁体と、該絶縁体の周面近
    傍に形成される複数相の固定電極と、該固定電極面の表
    面処理手段とを具備する複数の固定子エレメントと、 (ii)該固定子エレメントを同心円状に径を異ならせて
    配置してなり、 (b)前記移動子は、 (i)高抵抗体又は複数相の可動電極を有する絶縁体か
    らなり、前記固定子エレメントに対応する複数の移動子
    エレメントと、 (ii)該移動子エレメントを同心円状に径を異ならせ、
    前記固定子エレメントに装着してなり、 (c)前記固定子及び移動子を絶縁油に浸したケース内
    に配置してなる静電アクチュエータ。
  20. 【請求項20】 前記固定子と移動子間に封止手段を施
    すとともに、前記固定子の端面板の中心部に絶縁油の排
    出穴を形成してなるポンプ機能を有する請求項19記載
    の静電アクチュエータ。
  21. 【請求項21】 固定子と可動子を対向させてクーロン
    力により駆動する静電アクチュエータの製造方法におい
    て、 (a)3次元形状を有する絶縁体の周面近傍に複数相の
    固定電極を形成し、該固定電極面を覆う表面処理を行な
    い固定子を形成し、 (b)前記固定子に対応して組み合わせられ、3次元形
    状の面においてクーロン力が作用し、駆動される高抵抗
    体又は複数相の可動電極を有する絶縁体からなる移動子
    を形成する静電アクチュエータの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記絶縁体は円筒状であり、前記固定
    電極及び可動電極は線材の巻回によって形成する請求項
    21記載の静電アクチュエータの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記絶縁体は円筒状であり、前記絶縁
    体の外周面に導電膜を形成し、その面に旋削刃により多
    条の溝を形成することにより前記固定電極及び可動電極
    を形成する請求項21記載の静電アクチュエータの製造
    方法。
  24. 【請求項24】 前記絶縁体は円筒状であり、前記絶縁
    体の外周面に旋削刃により多条の溝を形成し、その面に
    導電膜を形成し、前記溝のみに導電膜を残すことにより
    前記固定電極及び可動電極を形成する請求項21記載の
    静電アクチュエータの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記絶縁体は円筒状であり、前記絶縁
    体の外周面に導電膜を形成し、その面にレーザ加工によ
    り多条の溝を形成することにより前記固定電極及び可動
    電極を形成する請求項21記載の静電アクチュエータの
    製造方法。
  26. 【請求項26】 前記絶縁体は円筒状であり、前記絶縁
    体の外周面にレーザ加工により多条の溝を形成し、その
    面に導電膜を形成し、前記溝のみに導電膜を残すことに
    より前記固定電極及び可動電極を形成する請求項21記
    載の静電アクチュエータの製造方法。
  27. 【請求項27】 固定子と可動子を対向させてクーロン
    力により駆動する静電アクチュエータの製造方法におい
    て、 (a)3次元形状を有する絶縁体と、該絶縁体の周面近
    傍に形成される複数相の固定電極と、該固定電極面の表
    面処理手段からなる径の異なる複数の固定子エレメント
    を形成し、 (b)該固定子エレメントを同心円状に径を異ならせて
    配置し、 (c)高抵抗体又は複数相の可動電極を有する絶縁体か
    らなり、前記固定子エレメントに対応する複数の移動子
    エレメントとを形成し、 (d)該移動子エレメントを同心円状に径を異ならせ配
    置し、前記固定子エレメントに装着する静電アクチュエ
    ータの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000073129A (ko) * 1999-05-06 2000-12-05 구자홍 정전형 미세 구조물 및 그 제조방법

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