JPH0779625A - 田植機 - Google Patents

田植機

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JPH0779625A
JPH0779625A JP25494193A JP25494193A JPH0779625A JP H0779625 A JPH0779625 A JP H0779625A JP 25494193 A JP25494193 A JP 25494193A JP 25494193 A JP25494193 A JP 25494193A JP H0779625 A JPH0779625 A JP H0779625A
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seedlings
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Masabumi Saeki
正文 佐伯
Hideo Izeki
秀夫 井関
Satoru Kato
哲 加藤
Sumi Fukushima
寿美 福島
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 苗載置部が隣接する2条分で共用となってい
る田植機において、苗載置部と苗載置部の間の空きスペ
ースを有効利用する。 【構成】 隣接する苗載置部21と苗載置部21の間に
形成されるスペースに予備苗保持部30を設け、苗載置
部21への苗補給を容易に行えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、田植機における予備苗
の搭載方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】可撓性を有する苗箱で育成した苗を苗箱
ごと苗載置部に載せ、該苗箱を所定の搬送経路に沿って
搬送しつつ、その搬送途中で、苗箱の底部に形成した孔
から苗押出しピンを苗箱の育苗ポット内に挿入して該ポ
ットから苗を押し出し、その押し出された苗を受け取っ
た苗ホルダが下方へ移動し、保持している苗を左右一対
の苗搬送ベルトの上に移し替え、さらに一対の苗搬送ベ
ルトがそれぞれ外方向へ苗を搬送し、両側の植込杆の各
苗取位置に苗を1株づつ供給するように構成した田植機
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記田植機は苗載置部
が2条分で共用となっているため、4条植以上の多条植
機の場合、苗載置部と苗載置部の間にスペースができる
ことになるが、このスペースは従来有効に利用されてい
なかった。そこで本発明は、上記スペースをデッドスペ
ースとすることなく、有効に利用することを課題として
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のような構成とした。すなわち、本発明
にかかる田植機は、隣接する2条分に共用の苗載置部を
有する田植機において、隣接する苗載置部と苗載置部の
間に予備苗保持部を設けたことを特徴としている。
【0005】
【作用】隣接する苗載置部と苗載置部の間に予備苗保持
部を設けると、機上での予備苗の運搬距離が短くてすむ
ので、苗載置部への苗補給が容易である。また、この予
備苗保持部を空の苗箱の保持部として利用することもで
きる。
【0006】
【実施例】図1乃至図20は本発明の1実施例をあらわ
している。この移植機1は、四輪走行車両である走行部
2に8条植の植付部3と施肥装置4が装着されており、
全体で乗用型施肥田植機として構成されている。植付部
3は走行車体である本機2の後部に設けた平行リンク式
の植付部装着装置5に装着され、本機2に対して昇降自
在となっている。植付部装着装置5は油圧シリンダ6に
よって上下動させられる。
【0007】植付部3は苗箱ごと苗を装填する方式であ
り、植付部フレームを兼ねる伝動ケース10に、植付条
数分の植付装置12と、該植付装置の苗取位置に苗を1
株づつ供給するための苗供給用の各装置とが組み付けら
れている。苗供給用の各装置とは、苗箱送り台14、該
苗箱送り台に設けた自動苗箱送り装置15、苗箱送り台
14の苗押出し位置で苗箱から苗を押し出す苗押出し装
置16、該苗押出し装置によって押し出された苗を下方
に運ぶ苗受渡し装置17、該苗受渡し装置の補助をする
苗落とし装置18、前記苗受渡し装置17から受け取っ
た苗を植付装置12の苗取り位置へ搬送する苗搬送ベル
ト19等である。
【0008】使用する苗箱は図22乃至図24に示す構
造をしている。すなわち、苗箱300は、上部に開口す
る育苗ポット301,…が縦横に整列状態で並んでお
り、各ポットの底部に3本の放射状スリット302を有
する苗押出し孔303が形成されている。この苗押出し
孔303は水抜きも兼ねている。長手方向を縦、それと
直交する方向を横とすると、縦方向についてはポット間
隔が一定ピッチpであり、横方向については中央部にポ
ットとポットの間隔が広くなった境界部306が設けら
れ、その両側に横1列当たり同数づつ(例えば7個づ
つ)ポットが等間隔で配置されている。したがって、帯
状の境界部306を挟んで育苗ポットが左右2群に分け
られた状態となっている。苗箱の左右縁部は案内用の耳
部307となっており、該耳部にポットの縦方向のピッ
チpと同ピッチで平面視四角形の爪穴308が形成され
ている。耳部307の先端部309はほぼ直角に下向き
に屈曲している。苗箱300は薄肉の合成樹脂材料で一
体成形され、全体的に前後および左右方向の可撓性を有
する。ポット301,…内に床土を入れて播種し、一定
大きさの成苗310になるまで育成する。
【0009】以下、植付部3の各部について説明する。
【0010】苗箱送り台14は、上下2段の苗載置部2
1(A,B)と接続部22と苗箱搬送部23と空箱収納
部25とからなる。苗載置部21(A,B)は前側が上
位となるよう傾斜している。接続部22は、上下苗載置
部21(A,B)の後端と苗箱搬送部23の始端とを結
んでいる。苗箱搬送部23は側面視で略U字状を呈し、
そのU字の後側の端部が苗箱搬送の始端で、U字の前側
の端部が苗箱搬送の終端となっている。空箱収納部25
は、苗載置部21(A,B)の下側に、該苗載置部と平
行に設けられている。
【0011】植付作業時における苗箱の流れについて述
べると、苗載置部21(A,B)に載置されている苗箱
300が接続部22を通って苗箱搬送部23に供給さ
れ、その供給された苗箱300が苗箱自動送り装置15
によって始端側から終端側へ1ピッチpづつ間欠的に搬
送される。苗箱300は可撓性を有するので、曲線状の
搬送経路に沿って搬送することが可能である。搬送途中
の苗押出し位置27で、苗箱内のポット苗が苗押出し装
置16によって後方に押し出される。苗を押し出された
後の苗箱は、苗箱搬送部23の終端部から前方に放出さ
れ、空箱収納部25に回収される。なお、接続部22の
前端部にはシャッタ28(A,B)が設けられており、
該シャッタを適宜開閉させることにより、上段の苗載置
部21(A)の苗箱と下段の苗載置部21(B)の苗箱
を交互に苗箱搬送部23に供給するようになっている。
【0012】苗箱送り台14は2条で共用となり、並列
に計4台設けられている。そして、機体の左右中心線2
9を挟んで左側に位置する苗箱送り台14−1,14−
2の間隔部と、右側に位置する苗箱送り台14−3,1
4−4の間隔部で、かつ苗載置部21(A,B)および
空箱収納部25と同じ高さに、予備苗保持部30−1,
30−2がそれぞれ設けられている。この予備苗保持部
30とその両側の空箱収納部25,25は共通の予備苗
枠31で一体に構成されている。予備苗保持部30の上
部30aと下部30bは開閉可能な仕切片32,32で
分離され、また、予備苗保持部の下部30bと空箱収納
部25,25とは互いにつながっている。予備苗保持部
30の上部30aと下部30b、および空箱収納部2
5,25は後記苗カセット34がちょうど納まる大きさ
になっている。
【0013】この田植機1においては、苗箱の運搬に図
20に示す苗カセット34を用いる。この苗カセット3
4は、前面が開口(34a)し、後面の上部に空箱挿入
口34bが形成された直方体をしており、苗の入った苗
箱で2個、また空の苗箱で4個を上下に重ねて収納する
ことのできるスペースを有する。内側壁中間部には苗箱
の底面を下から支える支持片35,35が設けられてお
り、苗の入った苗箱を2個入れた場合に、上下の苗箱の
間に所定の間隔があくようになっている。上記支持片3
5,35は空の苗箱を入れる場合には邪魔になるので、
内側壁に沿うよう折りたためるようになっている。ま
た、前面下部に運搬および出入用の取っ手36が取り付
けられている。
【0014】作業を開始するに際しては、苗載置部21
(A,B)に苗箱を装填するとともに、予備苗保持部3
0a,30bに苗箱を詰めた苗カセット34,34を入
れ、また空箱収納部25に空の苗カセット34を入れ
る。この状態で作業を行うと、苗載置部21(A,B)
の苗箱が順に苗押出し位置27へ送られ、苗が押し出さ
れた後の空箱が空箱収納部25へ戻される。この戻され
た空箱は空箱挿入口34bより苗カセット34内へ入
る。苗載置部21(A,B)の苗が無くなったならば、
予備苗保持部30a,30bにある苗カセット34,3
4内の苗箱を補給する。
【0015】さらに、予備苗保持部30a,30bにあ
る苗カセット34,34内の苗箱が無くなったならば、
その苗カセットを取り出し、苗箱の入った苗カセットと
交換する。空箱収納部25,25の苗カセット34,3
4内が空箱で満杯もしくは満杯に近く、かつ予備苗保持
部30a,30bの苗カセット34,34内の苗箱が無
くなった場合は、空箱収納部25,25の苗カセット3
4,34ごと取り出し、その苗カセットを圃場外に運び
出し、中の空箱を苗の入った苗箱と詰め替えて機上に持
ち帰る。そして、予備苗保持部30a,30bの空の苗
カセットを空箱収納部25,25に移し替え、詰め替え
た苗カセットを予備苗保持部30a,30bに入れる。
下の予備苗保持部30bと空箱収納部25,25とは互
いにつながっているので、横にずらすだけて苗カセット
を予備苗保持部30bから空箱収納部25へ移し替える
ことができる。また、仕切片32,32を開けば、上の
予備苗保持部30aにある苗カセットが下の予備苗保持
部30bへ落下する。
【0016】このように、苗カセット34を用いて苗の
入った苗箱および空の苗箱を運搬すると、可撓性を有す
る苗箱でも容易に取り扱える。また、予備苗保持部30
a,30bが苗載置部21(A,B)の近傍に位置して
いるので、苗補給が容易である。さらに、空箱が直接苗
カセット34に入れられるので、空箱収納部25から空
の苗箱を抜き出す手間が不要である。
【0017】なお、図21に示すように、空箱収納部2
5を正面視で斜めに傾けておくと、空箱収納部25に積
み重ねられた空箱300のポット301とポット301
が上下に重なることがないので、苗箱搬送部23から空
箱収納部25へ空箱を排出するとき等に空箱が詰まるこ
とがない。
【0018】苗箱送り装置15は図8乃至図11に示す
構成となっている。44は底板、45は押え金具で、両
者44,45で苗箱の耳部307を挟んで苗箱を案内す
るようになっている。押え金具45の下部には、上下に
長い長方形の開口部45aが形成されている。
【0019】50は第一送り杆で、押え金具45の開口
部45aに挿入され苗箱の爪穴308の下部壁面に係合
する爪51を有する。この第一送り杆50は、揺動アー
ム53の先端部に設けたローラ軸54にトルクバネ55
を介して苗箱経路側に付勢された状態で取り付けられて
おり、揺動アーム53が支軸57を中心として揺動する
のにともない上下動するようになっている。第一送り杆
50が下限位置にあるとき、爪51が苗押出し位置27
に位置するよう設定されている。揺動アーム53は苗送
りロッド58を介して駆動される。
【0020】60は制止杆で、前記開口部45aに挿入
され苗箱の爪穴308の上部壁面に係合する爪61を有
する。この制止杆60は、トルクバネ63によって苗箱
経路側に付勢された状態で支軸62に軸支されている。
制止杆60の下部の摺接部60aが前記ローラ軸54に
摺動自在に当接し、揺動アーム53が上動すると制止杆
60が右方へ押されて爪61が爪穴308から外れるよ
うになっている。さらに、摺接部60aの上側に苗送り
停止凹部60bが形成され、苗送りレバー64を操作し
て揺動アーム53を最大に上側へ回動させると、ローラ
軸54がこの凹部60bに嵌合し、爪61が爪穴308
に嵌入するようになっている。
【0021】65は板ばねブレーキで、フック部65a
が爪穴308に係合することにより、苗箱が自重で落下
するのを防止する作用をしている。
【0022】図8は揺動アーム53が下に揺動した状態
をあらわし、第一送り杆50の爪51および制止杆60
の爪61が開口部45aに嵌合しており、爪61によっ
て苗箱の爪穴308の上部壁面(初期状態の場合は苗箱
の下端面)が受け止められて苗箱300が静止状態に保
持されている。
【0023】図9は揺動アーム53が上に揺動した状態
をあらわし、第一送り杆50が上動することにより爪5
1が爪穴308の上部壁面に沿って摺動し爪51が爪穴
308から押し出されるとともに、ローラ軸54に押さ
れて制止杆60の下部が後方に回動して爪61も爪穴3
08から外れる。板ばねブレーキ65の作用によって、
苗箱300はそのままの位置に保持される。
【0024】図9の状態から揺動アーム53が下向きに
回動すると、図10に示すように第一送り杆50の爪5
1が爪穴308に嵌合する。この時点ではまだ制止杆6
0の爪61は爪穴308から外れている。この状態でさ
らに揺動アーム53が回動することにより、爪51が爪
穴308の下部壁面を押し下げて苗箱300を1ピッチ
p分だけ搬送する。なお、上部の苗箱は自重で落下す
る。揺動アーム53が下死点まで回動すると、ローラ軸
54による規制が解除されて爪61が爪穴308に嵌合
し、図8の状態に戻る。
【0025】また、第一送り杆50よりも下流側の適所
に送り爪71を有する第二送り杆70が設けられ、この
第二送り杆70が取り付けられている揺動アーム73と
第一送り杆50の揺動アーム53とが連結ロッド74で
連結されている。第一送り杆50と第二送り杆70との
距離は苗箱1枚分以内になっている。このため、最終の
苗箱が苗押出し位置27を通過しても、その苗箱を第二
送り杆70によって送ることができる。ただし、その場
合は植付部が停止されているので、苗箱送り用の後記第
三駆動軸213を手動送りレバー75を用いて回転させ
る。
【0026】図12に示すように、手動送りレバー75
を操作して揺動アーム53を上側へ最大に回動させる
と、ローラ軸54が苗送り停止凹部60bに嵌合し、制
止爪61が爪穴308に嵌入するようになるので、苗箱
送りを停止したまま苗箱が支えられる。苗箱が送られな
くなると、苗取り位置に苗が供給されなくなり、水田面
に苗が植付けられない。つまり、2条単位で苗の植付け
を停止させることが可能であり、自動苗箱送り装置15
が畦クラッチとして機能しているのである。
【0027】さらに、押え金具45の苗押出し位置27
より少し下側の部分に切欠部77,77が形成されてお
り、図6に示す如く、この部分から苗箱を後方に抜き出
すこともできる。
【0028】苗押出し装置16は、前記苗押出し位置2
7に位置する苗箱から苗を横1列分づつ後方に押し出す
所定本数(図示例では14本)の苗押出しピン100,
…を備えている。苗押出しピン100,…は共通の支持
体101に支持されており、該支持体の両端部に連結し
た苗押出しロッド102,102を前後動させ、苗押出
しピン100,…が後方へ突出する際に該苗押出しピン
が苗箱の苗押出し孔303に挿入してポット301内の
苗を後方へ押し出すようになっている。
【0029】苗押出しロッドの駆動機構は次のように構
成されている。図12における105はギヤケースで、
苗押出しロッド102の基部がこのギヤケース105内
に摺動自在に支持されている。苗押出しロッド102の
基部にはラック106が形成され、該ラックに噛合する
扇形ピニオン107がギヤケース105内に設けられて
いる。左右のギヤケース105,105内のピニオン1
07,107は共通の軸108に取り付けられ、この軸
108の一方の端部に固定して取り付けた揺動アーム1
09と後記第二駆動軸212に取り付けた駆動アーム1
10とが緩衝連結体112で連結されている。緩衝連結
体112は、揺動アーム109側の筒体113と駆動ア
ーム110側のロッド114を摺動自在に嵌合させ、ロ
ッド114の中間部に嵌着させたフランジ115と筒体
113の上下壁との間にバネ116,117を介装させ
てある。
【0030】図の位置から駆動アーム110が矢印方向
に回転すると、ロッド114を押し上げる力がバネ11
6を介して筒体113に伝えられ、揺動アーム109が
上向きに回動し、さらにピニオン107が右回りに回動
し、苗押出しピン100,…が突出する。駆動アーム1
10の回転が死点越えすると、圧縮されていたバネ11
6が反発することにより緩衝連結体112が縮み、揺動
アーム109が下向きに回動し、さらにピニオン107
が左回りに回動し、苗押出しピン100,…が後退す
る。すなわち、苗押出しピン100,…の突出は緩衝材
であるバネ116を介して強制的に駆動され、苗押出し
ピン100,…の後退はバネ116によって急速に行わ
れるのである。苗押出しピン100,…が所定位置まで
後退すると、フランジ115が筒体113の段部113
aに係合し、その以後のロッド114の下動はスプリン
グ117に吸収されるようになり、苗押出しピン10
0,…のオーバーストロークを防止している。
【0031】苗受渡し装置17は、共通の支持軸121
a,122aに基部が支持された左右各一対のリンク1
21,121,122,122と、該一対のリンクの先
端部に連結軸121b,121b,122b,122b
によって連結されたブラケット123,123とで平行
リンク装置を構成し、左右のブラケット123,123
の間に苗ホルダ125が設けられている。苗ホルダ12
5には、苗310の床土部分310aが嵌合する凹部1
25a,…が形成されている。
【0032】また、苗ホルダ125の前面部には、苗ホ
ルダ125が苗を受け取る上位置にある時に、苗押出し
位置にある苗箱の上面(苗の葉がある側の面)に当接す
る突起130,…が形成されている。この突起130
は、凹部と凹部の隔壁125bの前面上部に該隔壁と一
体に設けられている。各隔壁125bに突起130を設
ける必要はなく、苗箱が苗ホルダ側に撓むのを阻止でき
る程度(図示例では4か所)に設けておけばよい。
【0033】苗受渡し装置17の駆動機構は、下リンク
122,122の支持軸122aに取り付けた揺動アー
ム131と前記第二駆動軸212に取り付けた駆動アー
ム132を緩衝ロッド133で連結し、駆動アーム13
2を一定方向に回転させて揺動アーム131を揺動させ
るように構成されている。緩衝ロッド133は揺動アー
ム側のロッド133aと駆動アーム側のロッド133b
からなり、両者がバネ134を介して力を伝え合うよう
になっている。図13(a)中の135,136はリン
ク132の上下回動範囲を規制するストッパである。
【0034】上記駆動機構の作用で左右各一対のリンク
121,121,122,122が上下に揺動し、苗ホ
ルダ125が図13(b)における苗受取位置(E)と
苗解放位置(F−G)の間を移動する。苗ホルダ125
がF−Gの中間点にある時、リンク121,122の回
動支点である支持軸121a,122aの直下に連結軸
121b,122bが位置するようになっているので、
苗ホルダ125がF−G間をほぼ水平に前方に移動する
こととなる。
【0035】苗落とし装置18は、L形アーム140に
取り付けられた苗落とし具141を有する。この苗落と
し具141は、先端が苗ホルダ125の保持凹部12
6,…に挿入し得るように分岐しており、その先端部に
苗床土部310aの底部を受ける苗抜き部141aと苗
床土部310aの上側面に当接する苗叩き部141bが
形成されている。
【0036】L形アーム140は支持軸143に回動自
在に支持されている。そして、その近傍に苗落としカム
144が設けられ、該カムの外周面に当接するカムロー
ラ145がL形アーム140の適所に取り付けられてい
る。L形アーム140はバネ146によってカム144
の方向に付勢されている。カム144は図13(b)に
示す形状をしており、苗ホルダ125がG点に達した時
に、カムローラ145が凹部144aに落ち込み、バネ
146の力で苗落とし具141が瞬間的に下動するとと
もに、下動後、カムローラ145が張出部144bに押
し上げられ、苗落とし具141が下動前よりも上位へ上
動するようになっている。なお、カム144も前記第二
駆動軸212に取り付けられている。
【0037】苗ホルダ125が苗受取位置(E)にある
時、前記苗押出し装置16によって苗箱から苗が押し出
され、その苗が苗ホルダ125の各凹部125a,…に
押し込まれる。その時、苗の床土部分310a,…と苗
箱のポット301,…との摩擦によって苗押出しピン1
00,…の力が苗箱にも伝わり、苗箱300の苗押出し
位置にある部分が上面側(後方)に撓もうとするが、苗
箱300の上面には苗ホルダ125の突起130,…が
当接しているため上記撓みが阻止される。よって、苗押
出しピン100,…が苗押出し孔303,…の中央に位
置し、常に苗押出しが良好に行われる。
【0038】次いで、苗を保持したまま苗ホルダ125
が苗解放位置(F−G)まで回動する。苗ホルダ125
がF点からG点に移動する時、苗落とし具141の苗抜
き部141a,…が苗ホルダの凹部125a…に挿入
し、該凹部に保持されている苗が相対的に後方に抜き出
される。前述の如く、苗ホルダ125はF−G間をほぼ
水平に前方に移動するので、苗抜き部141a,…が凹
部125a,…に直線的に挿入されることとなり、苗ホ
ルダ125からの苗抜きが良好に行われる。さらに、苗
ホルダ125がG点に到達すると、苗落とし具141が
下動し、その苗叩き部141b,…が凹部125,…か
ら押し出された苗を苗搬送ベルト19,19の上に叩き
落とす。苗落とし具141は、苗叩き下動した後、苗ホ
ルダ125のレベルよりも上位まで上動するため、苗落
とし具141と苗受取位置へ戻る苗ホルダ125の抵抗
プレート127とが干渉せず、両者が引っ掛かる等の事
故が生じない。
【0039】苗搬送ベルト19は隣接する2条(L,
R)同士で1組となっており、これら一対の苗搬送ベル
ト19(L,R)は互いに左右対称形となっている。苗
搬送ベルト19は一対のローラ150,151に張架さ
れており、駆動ローラ150が所定方向に回転すること
により、ベルトが常時矢印方向に移動するようになって
いる。苗受渡し装置17から受け渡される14個の苗は
7個づつ左右の苗搬送ベルト19(L,R)の上面に載
せられる。そして、その苗を苗搬送ベルト19(L,
R)が外向きに搬送し、植付装置12の苗取り位置T1
に順次苗を1個づつ供給する。また、苗取り位置T1
下方には、植付装置12による植付時に苗を圃場面まで
案内するためのガイドプレート153が設けられてい
る。
【0040】植付装置12は、側面視円形のロータリケ
ース160と、該ロータリケースに設けた一対のへら状
の植込杆161,161とを備えてなる。ロータリケー
ス160の内部構造は図22および図23に示すように
なっている。図において、163は伝動ケース10の後
端部に支承された植付装置取付軸で、該植付装置取付軸
の先端部にキー164によって固定メタル165が嵌着
され、さらに該固定メタルにロータリケースハウジング
166が固定されている。したがって、ロータリケース
160は植付装置取付軸163と一体に回転する。植付
装置取付軸163の周囲には、環状のガイド溝168a
を有する植付杆作動カム168が嵌合している。このカ
ム168は、軸受169によってハウジング166に対
して回転自在であるとともに、伝動ケース10に固着し
た固定プレート170に爪168bによって一体化され
ている。カム168のガイド溝168aには一対のロー
ラ172,172が嵌合している。これらローラ172
は、支持軸173の周囲に回転自在に嵌合するアーム1
74に取り付けられている。また、アーム174にはギ
ヤ175が形成されており、該ギヤ174は植付杆取付
軸177に取り付けたギヤ178が噛合している。植込
杆161は植込杆取付軸177にコッタピン179で固
定状態に取り付けられている。
【0041】植付装置取付軸163が所定方向に回転す
ると、これと一体になったロータリケース160も回転
し、植込杆161が閉軌跡T(図16参照)を描きなが
ら移動する。その際、ローラ172,172が植込杆作
動カム168のガイド溝168aに沿って移動すること
によりアーム174が揺動し、その揺動がギヤ175,
178を介して植込杆取付軸177に伝えられる。この
ため、植込杆161は移動中、微妙にその角度を変化さ
せる。すなわち、苗取り位置T1 を通過する時は水平状
態となっており、苗搬送ベルト19によって苗取り位置
1 に供給された苗310と平行になる。そして、ロー
タリケース160に対してそのままの姿勢を保ったまま
下に回動し、ガイドプレート153の中を通して苗を植
付位置T2 に導く。植付後、植込杆161がロータリケ
ース160に対し相対的に前方に回動するよう姿勢を変
化させることにより、絶対的には植込杆160が真上に
引き抜かれる如く動作するので、植込杆161と苗の分
離が無理なく行われ、植え付けた苗310の姿勢が乱れ
ない。
【0042】伝動ケース10は、並列に配した3個のミ
ッションケース180,…、これらミッションケースの
間隔部および外端部に継ぎ足した4個の継足ケース18
1,…、各継足ケースの背面部に固着連結した4個のチ
エンケース182,…の各パーツを組み合わせてなる。
ミッションケース180,…の後部は左右に突出する筒
状になっており、その筒状部180b,180bで継足
ケース181,…に固着連結されている。中央のミッシ
ョンケース180(C)には入力部183が一体に形成
されている。また、中央のミッションケース180
(C)の前端部には植付部装着装置5に連結するローリ
ング軸184が回動自在に支承されており、植付部3全
体が本機2に対してローリング可能に支持されている。
そして、中央2個のチエンケース182(2,3)の後
端部両側と左右両端のチエンケース(1,4)の後端部
内側に1個づつ計6個の植付装置12,…が設けられて
いる。
【0043】次いで、伝動ケース10の内部構造につい
て説明する(図19参照)。なお、図19は展開断面図
であり、各部の向きおよび位置関係等は実際とは異なっ
ている。
【0044】本機2のPTO出力が入力部183内の入
力軸185に入力され、該入力軸からミッションケース
180,…の筒状部180b,…と継足ケース181,
…内に支承された第一駆動軸186へ一対のベベルギヤ
190,191によって伝動される。この伝動部は安全
クラッチとして構成されている。すなわち、ギヤ190
は入力軸185に回転自在に嵌合しており、入力軸18
5とギヤ190はクラッチ体192を介して伝動結合さ
れている。このクラッチ体192は入力軸185に対し
て摺動自在で、スプリング193によってクラッチ体1
92をギヤ190側に押圧することにより両者の伝動爪
190a,192aが咬み合うようになっている。この
ため、負荷が一定以上になると、スプリング193の押
圧力に抗してクラッチ体192がギヤ190から外れ、
伝動が停止される。スプリング193を受けている筒体
195をクラッチ体192から離れる方向にシフタ19
6でずらすと、負荷の大きさに関係なく伝動が停止され
る。
【0045】第一駆動軸186には、前記ベベルギヤ1
91の他に、各植付装置駆動用スプロケットホイール2
00,…と、各苗搬送ベルト駆動用ベベルギヤ201,
…と、ミッションケース本体部180a,…内の各軸へ
伝動するためのギヤ202,…とが取り付けられてい
る。なお、第一駆動軸186は2条分単位に分割された
3本の軸186(L,C,R)からなり、これら各軸を
中央2個のスプロケットホイール200,200で接続
した構造となっている。
【0046】スプロケットホイール200,…と前記植
付装置取付軸163,…に取り付けたスプロケットホイ
ール204,…との間にチエン205,…が張設されて
おり、第一駆動軸186の回転動力が各植付装置12,
…に常時伝えられる。
【0047】ベベルギヤ201,…には苗搬送ベルト駆
動ローラ軸207,…に取り付けたベベルギヤ208,
…が噛合しており、第一駆動軸186から苗搬送ベルト
駆動ローラ軸207,…へ直接伝動される。
【0048】ミッションケース180は植付部3の各部
を駆動する駆動軸を備えた植付部駆動ケースであって、
このミッションケース180内には、第一駆動軸186
と平行に、カウンタ軸211、第二駆動軸212、およ
び第三駆動軸213が設けられている。そして、第二駆
動軸212の左右両端部に前記苗押出し駆動アーム11
0と苗受渡し駆動アーム132がそれぞれ別個に取り付
けられているとともに、ケースの外側面近傍に苗落とし
カム144が取り付けられている。また、第三駆動軸2
13には先端部を前記苗送りロッド58に連結させた苗
送り駆動アーム58aが取り付けられている。
【0049】第一駆動軸186からカウンタ軸211を
経由して第二駆動軸212へ、2組のギヤ202,21
5および216,217によって減速して伝動される。
また、第二駆動軸212から第三駆動軸213へはカム
駆動で伝動され、第三駆動軸213は間欠駆動される。
219は第二駆動軸212に取り付けたカム、220は
第三駆動軸213に取り付けたアーム221に支承され
ているカムローラである。
【0050】ギヤ217と第二駆動軸212の伝動部に
は次のように構成された畦クラッチ230が設けられて
いる。前記ギヤ217は第二駆動軸212に回転自在に
嵌合し、またこれに対向してクラッチ体231を第二駆
動軸212に回転不能かつ摺動自在に嵌合させ、ギヤ2
17の爪217aとクラッチ体231の爪231aを噛
み合わせて伝動するようになっている。クラッチ体23
1はスプリング232でギヤ217側に付勢されている
ので、常時はクラッチ入の状態になっている。クラッチ
体231のテーパ面231bにクラッチピン233を押
し当てると、両者の爪217a,231aが外れて、ク
ラッチ切となる。その際、クラッチ体231が所定の角
度になった時点でクラッチが切れるよう設定されてい
る。したがって、自動苗箱送り装置15、苗押出し装置
16、苗受渡し装置17および苗落とし装置18は2条
単位でクラッチを入り切りするようになっており、クラ
ッチを切った場合これら各装置が定位置で停止される。
【0051】植付部3の下側には、各植付条を整地する
整地用フロート250,…と、機体の左右中心に位置す
るセンサフロート251とが設けられている。整地用フ
ロート250,…は前部が広く後部は狭い形状をしてお
り、後部の左右両側部に苗移植用の溝を成形する作溝器
252,…が取り付けられている。センサフロート25
1は、前部が拡縮リンク255によって吊られており、
水田面の凹凸に応じて上下動するようになっている。こ
のセンサフロート251の上下動に基づいて前記油圧シ
リンダ6制御用の油圧バルブ257のスプールが切り替
わり、植付部3が水田面に対して一定高さになるよう制
御する。このため、苗の植付深さが常に一定に保たれ
る。
【0052】施肥装置4は、肥料を貯蔵するホッパ26
0と、該ホッパ内の肥料を下方に繰り出す繰出器261
と、該繰出器から繰り出された肥料を苗植付用の溝に導
く施肥パイプ262とを備えている。
【0053】植付作業に際しては、苗載置部21(A,
B)に苗の入った苗箱を装填し、植付部3を図1に示す
作業位置まで下降させて本機2を発進させる。植付部3
が駆動することにより、苗箱は所定の搬送経路に沿って
搬送され、その搬送途中で苗押出しピン100,…によ
って苗箱から苗が押し出され、その押し出された苗を苗
ホルダ125が保持して下方へ移送し、苗落とし具14
1が苗ホルダ125が保持している苗を苗搬送ベルト1
9の上に落とし、さらに苗搬送ベルト19がその苗を1
株づつ苗取り位置T1 に供給する。そして、苗取り位置
1 に供給された苗が植込杆161によって圃場面に植
え付けられてゆく。苗載置部21(A,B)の苗が無く
なったならば、前記方法で苗を補給する。
【0054】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかる田
植機は、苗載置部と苗載置部との間隔部に形成されるス
ペースを予備苗保持部とすることにより、空きスペース
を有効利用するとともに、苗補給が容易に行えるように
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の全体側面図である。
【図2】植付部の背面図である。
【図3】図1におけるS−S断面図である。
【図4】植付部の要部の平面図である。
【図5】図4とは異なる植付部の要部の平面図である。
【図6】植付部要部の側面図である。
【図7】図6におけるS−S断面図である。
【図8】苗箱送り装置の動作説明図その1である。
【図9】苗箱送り装置の動作説明図その2である。
【図10】苗箱送り装置の動作説明図その3である。
【図11】苗送り装置の動作説明図その4である。
【図12】苗押出し装置の側面図である。
【図13】(a)苗受渡し装置と苗落とし装置の側面
図、および(b)苗落としカムの説明図である。
【図14】(a)苗ホルダの正面図、および(b)苗ホ
ルダの底面図である。
【図15】図14(b)におけるS−S断面図である。
【図16】植付装置の側面図である。
【図17】植付装置の断面図である。
【図18】植付装置の内部構造を示す側面図である。
【図19】伝動ケースの展開断面図である。
【図20】予備苗枠の斜視図である。
【図21】空箱収納部の異なる実施例を表す正面図であ
る。
【図22】苗箱の平面図である。
【図23】図22におけるA矢視図である。
【図24】育苗ポットの拡大平面図である。
【符号の説明】
1 田植機 2 本機 3 植付部 4 施肥装置 14 苗箱送り台 21 苗載置部 23 苗箱搬送部 25 空箱収納部 30 予備苗保持部 34 苗カセット 300 苗箱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 寿美 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する2条分に共用の苗載置部を有す
    る田植機において、隣接する苗載置部と苗載置部の間に
    予備苗保持部を設けたことを特徴とする田植機。
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