JPH0779016B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

荷電粒子線装置

Info

Publication number
JPH0779016B2
JPH0779016B2 JP2211579A JP21157990A JPH0779016B2 JP H0779016 B2 JPH0779016 B2 JP H0779016B2 JP 2211579 A JP2211579 A JP 2211579A JP 21157990 A JP21157990 A JP 21157990A JP H0779016 B2 JPH0779016 B2 JP H0779016B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charged particle
particle beam
source
magnetic field
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2211579A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0498746A (ja
Inventor
正 大高
幹雄 市橋
宏信 松井
新次郎 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2211579A priority Critical patent/JPH0779016B2/ja
Priority to US07/717,018 priority patent/US5254856A/en
Priority to EP91109941A priority patent/EP0462554B1/en
Priority to DE69132441T priority patent/DE69132441T2/de
Publication of JPH0498746A publication Critical patent/JPH0498746A/ja
Priority to US08/137,965 priority patent/US5442183A/en
Publication of JPH0779016B2 publication Critical patent/JPH0779016B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、例えば走査型電子顕微鏡、オージェ電子分析
装置、イオン顕微鏡、二次イオン質量分析装置などの細
く集束された電子線またはイオン線を用いる荷電粒子線
装置の改良に係り、特にそれにおける荷電粒子線発生部
並びに荷電粒子線集束光学系の改良構造に係る。
【従来の技術】
従来、走査型電子顕微鏡、イオン顕微鏡、二次イオン質
量分析装置などの細く集束された電子線またはイオン線
を用いる荷電粒子線装置においては、分解能を向上させ
るために、電界放射型の荷電粒子源を用いることが盛ん
に行なわれている。しかるに、この電界放射型荷電粒子
源を安定に動作させるためには、該粒子源の内部空間内
を超高真空状態に維持してやる必要があり、そのために
従来通常は、電界放射型荷電粒子源の近傍の真空外壁に
直接排気口を設け、該排気口に接続用配管を介して例え
ばイオンポンプなどの超高真空ポンプを接続し、それに
よって電界放射型荷電粒子源の内部空間内を所要の高真
空に排気する方式が採られている[例えば、特開昭55−
148357号公報参照]。しかしながら、このような排気方
式を採る場合には、上記の接続用配管などを鏡体外に設
ける必要があることから、排気系そのものの構造が複雑
になる上に、排気能力の点からしても、これら接続用配
管などを十分に小径化してやることが難しいため、これ
ら荷電粒子線源のための排気系構造をも含めての鏡筒部
全体の構造を十分に小型化してやるとが困難であった。 また、被観察試料を収容するための試料室内は、試料観
察中は、通常10-4Pa程度の真空度に排気されているが、
場合によっては、試料室内を大気圧にさらして試料交換
を行なうこともある。したがって、試料室内が10-4Pa程
度の低真空状態や大気圧状態であっても、荷電粒子線源
の内部空間内は、常に安定な電界放射が得られるよう
に、常に十分な真空度に維持しなければならないが、か
かる条件を満足させることについても、上記した従来技
術においてはなんらの配慮もされていない。
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術にあっては、試料室内が大気圧であったり
極端に真空度が悪い場合には、荷電粒子源内部の真空度
を十分に高めてやることができない。そして、荷電粒子
源内部の真空度を、例えば10-4Pa程度の中真空にしか高
めてやることができない場合には、電界放射による安定
な荷電粒子線の引き出しを行なわせることができないと
いう問題があった。 したがって、本発明の主たる目的は、試料室内が大気圧
の場合や極端に真空度が悪い場合であっても、荷電粒子
源の内部空間内を、常に安定な荷電粒子線の電界放射を
行なわせるのに十分な超真空状態に維持してやることの
できる装置構成を提供することである。 本発明の他の目的は、荷電粒子源の内部空間内を真空排
気するための排気系を小型に構成することにより、荷電
粒子源を含めた鏡筒部全体の構造を小型化してやること
のできる装置構成を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、荷電粒子源を含めた鏡筒部
全体が外部磁場の影響を受けにくくなるような装置構成
を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、低加速電圧領域においても
高い分解能を得ることのできる荷電粒子線装置を提供す
ることである。 本発明のさらに他の目的は、試料面上でより大きな荷電
粒子線電流(プローブ電流)を得ることのできる荷電粒
子線装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明においては、超高
真空排気を必要とする荷電粒子源の内部空間内を、該空
間中またはその近傍の鏡筒内空間中に内蔵させたイオン
ポンプを用いて高真空排気させる構成とし、かつ、該イ
オンポンプを動作させるために必要な磁界発生源を、荷
電粒子線を集束させるためのレンズ磁界を発生させるた
めにも共用する構成としている。 また、本発明においては、上記荷電粒子源を含む荷電粒
子線発生部の下側に排気用の開口を有する仕切り壁と該
排気用開口を閉塞するエアロックバルブとを付設し、荷
電粒子線発生部の内部空間を試料室側空間から仕切れる
構成としている。 さらに、本発明においては、外部磁界による荷電粒子線
の軸ずれなどの妨害を除去するために、鏡筒部外周を荷
電粒子線通路(鏡筒中心軸)に対して軸対称に構成され
た磁性体製のシールド部材によって包囲する構成とし
た。なお、このシールド部材には、鏡筒部の真空容器壁
としての役割を兼ね備えさせるのが良い。 さらに、本発明においては、低加速電圧領域において高
い分解能が得られるようにするために、荷電粒子線集束
系における対物レンズを静電型のレンズ構成としてい
る。 さらに、本発明においては、上記した静電型対物レンズ
に至るまでの荷電粒子線のエネルギーを高くとることに
よって、より外部磁界の影響を受けにくくするようにし
ている。また、試料面上でより大きな荷電粒子線電流
(プローブ電流)が得られるようにするために、荷電粒
子線源の近傍に集束磁界を形成させ、該集束磁界によっ
て電界放射される荷電粒子線の放射角を絞りこむことが
できるようにしている。
【作用】
上記した本発明の特徴的構成によれば、次のような作用
効果が得られる。 すなわち、荷電粒子線源の内部空間は、鏡筒部内に内蔵
させたイオンポンプによって直接高真空排気されるた
め、安定な荷電粒子線放射をおこなわせることができ
る。 また、上記のイオンポンプを動作させるために必要な磁
界を形成させるための磁界発生源を、荷電粒子源から放
射される荷電粒子線を集束させるためのレンズ磁界を形
成させるための磁界発生源として共用させる構成とした
ことにより、荷電粒子源から放射される荷電粒子線の放
射角を絞りこんで取り出すことができる上に、該レンズ
磁界の形成のために別途に磁界発生源を用意する必要が
ないので、その分鏡筒部の構造を小型軽量にできる。 また、上記荷電粒子線発生部の下側にエアロックバルブ
を付設し、荷電粒子線発生部の内部空間を試料室側空間
から仕切れる構成としたことにより、試料室内が大気圧
にさらされた場合でも、このバルブによって荷電粒子線
発生部側を試料室側から切離してやることによって、荷
電粒子線発生部内を超高真空に維持してやるとができ
る。 また、鏡筒部を磁性体シールドで包囲したことにより、
鏡筒部に対する外部磁界の影響をカットしてやることが
できる。 さらに、対物レンズを静電型のレンズ構成としたことに
より、低加速電圧でのレンズ収差を小さくすることがで
き、高分解能の試料観察が可能になる。 さらにまた、荷電粒子源の近傍に荷電粒子線集束用のレ
ンズ磁界を形成させたことにより、荷電粒子源から放射
される荷電粒子線の放射角を絞りこんで取り出すことが
でき、このため、試料上に照射されるプローブ電流を大
きくしてやることができる。
【実施例】
以下、本発明の実施例につき、図面を参照して詳細に説
明する。なお、以下の実施例では、本発明を集束電子線
を用いる装置、特に走査形電子顕微鏡に適用した場合に
ついて述べるが、本発明はそれのみに限定されるもので
はなく、集束イオン線を用いる装置にも適用できるもの
であることは云うまでもない。 第1図は、本発明の一実施例になる走査形電子顕微鏡の
概略縦断面構造図である。以下にその構成と動作につい
て説明する。 図において、電界放射型電子源は、フランジ1に絶縁碍
子3を介して取付けられた電界放射チップ4を備えてい
る。フランジ1は、メタルパッキング2を介して電子源
室の真空壁を兼ねている円筒状の上部磁路部材5の上端
面に真空密にネジ止め固定されている。電子源室内の高
真空排気した状態で、電界放射チップ4に加速電圧電源
36によって負の加速電圧(-V0)を印加すると、その電
界によってチップ4から電子線が放射される。なお、13
はチップ4を加熱フラッシングさせるためのフラッシン
グ用電源である。 ところで、この電界放射電子流を安定に得るためには、
チップ4の近傍を10-8Pa程度の超高真空に維持する必要
がある。この超高真空を得るために、本実施例では、電
子源室の直下に隣接する空間内にイオンポンプを内蔵さ
せている。すなわち、上記磁路部材5の下端面と下部磁
路部材14の上端面との間にステンレス円筒11を介在させ
ることによって形成される空間内に、それぞれ上,下円
板6,8と円筒状リング7とからなる複数個の排気ユニッ
トを鏡筒軸の周りに軸対称に設けて、超高真空排気用の
イオンポンプを構成させている。上,下円板6,8は、例
えばチタン(Ti)製であり、これは接地電位に置かれて
いる。円筒状リング7は、例えばステンレス鋼製であ
り、これには絶縁プラグ9を介して正の高電圧(4〜5k
V)が印加されている。また、ステンレス円筒11の外側
には、リング状の磁石12が設置されている。磁石12は、
例えば永久磁石であり、鏡筒軸方向に磁化されている。 磁石12からの磁力線は、磁路板10,上部磁路部材5およ
び下部磁路部材14を介して、磁気ギャップ内空間に軸方
向磁場を形成する。すなわち、各排気ユニットを構成す
る円筒状リング7の内部空間内では、該リング7の円筒
軸に平行に上から下に向かって磁力線が走る。このよう
な状態において、円筒状リング7に4〜5kVの高電圧が
印加されると、該リング内空間にペニング放電が発生
し、チタンからなる円板6,8の表面がスパッタされ、こ
のスパッタされたチタン原子が残留ガスを吸着しながら
円筒状リング7の表面に到達し、該表面に付着または埋
め込まれる。このようにして、イオンポンプの原理に従
って、電子源の内部空間の超高真空排気が行なわれる。 なお、電子源側空間内をイオンポンプが動作可能な真空
度(10-4Pa程度)にまで排気するための初期排気につい
ては、エアロックバルブ19を開放させた電子源側空間を
試料室側空間と連通させた状態で、試料室側の排気ポン
プによって排気することにより行なわれる。このエアロ
ックバルブ19は、例えばベローズを介してフランジ18に
取り付けられており、真空室外から開閉操作できるよう
に構成されている。なお、20はバルブ締めつけ用のガイ
ドである。このようにして、電子源側空間内を10-4Pa程
度の真空度にまで初期排気できたら、次に、エアロック
バルブ19を閉じて、電子源側空間内を上記構成のイオン
ポンプによって独立に排気し、圧力10-8Pa程度以下の超
高真空にまで高めてやる。 電界放射チップ4から電子を引き出すには、加速電圧電
源36により−3kVから−6kVの引出電圧を印加するが、こ
の引出電圧がそのまま加速電圧となる。引き出された電
子ビームは、上部磁路部材5と下部磁路部材14との間隙
内に形成された磁界により集束作用を受けて細く絞り込
まれる。すなわち、この間隙は、イオンポンプによる排
気のための排気口としての役割をもつと共に、引き出さ
れる電子ビームに対して軸対称の集束磁界を発生するた
めの磁気ギャップとしての役割をも兼ねている。このよ
うにして細く絞り込まれた電子ビームは、電子ビーム取
り出し用開口内に設けられた固定絞り板21の絞り開口を
介して試料室側に取り出される。この絞り開口は、単に
電子ビームを絞り込んで通過させるという役割をもつだ
けでなく、試料室側空間内の真空度が10-4Pa程度と悪い
場合であっても、電子源側空間内を超高真空に維持して
やるための差動排気孔としても役割をも兼ねている。 固定絞り板21を備えた電子ビーム取り出し用開口の下側
には、該開口を閉塞するエアロックバルブ16が設けられ
ている。このバルブは、ベローズを介してフランジ15に
取り付けられており、真空室外から開閉操作できるよう
に構成されている。なお、該バルブの閉止時の気密性を
高めるために、バルブ閉止時に該バルブを締めつけるた
めのガイド17が設けられている。このようなエアロック
バルブ16の付設により、試料室側が大気圧にさらされて
いる時や著しく低真空状態にある時には、このバルブ16
を閉じることによって、電子源側空間を試料室側空間か
ら遮断し、もって試料室側空間内の真空度の如何に拘ら
ず、電子源側空間内を常に超高真空に維持してやること
ができる。一方、電子源側空間を試料室側空間と連通さ
せても、それによって電子源側空間内の真空度が害され
ることがないような真空度(10-4Pa程度)に試料室側空
間内の排気ができたならば、このバルブ16を開放し、か
つ該バルブを電子ビームの通路外に引っ込めてやること
により、電子ビームを試料室側に取り出してやることが
できる。 固定絞り板21に設けられている絞り開口は、前述したお
とりの小径開口であり、電子ビームは上下の磁路部材5,
14間に形成される集束磁界によって集束作用を受ける
が、上記絞り開口の近傍に該集束作用による焦点が来る
ように上記集束磁界の強さを決めておくことにより、チ
ップ4の先端から所望の放射立体角内に電界放射された
電子ビームをこの小径の絞り開口内に絞りこんでやるこ
とができ、それによって試料室側に大電流の電子ビーム
として取り出すことができる。 上述したような超高真空状態においては、電子ビームが
固定絞り板21に照射されて、さらに電子源室内に散乱さ
れると、上記絞り板や電子源室内壁からもガス放出が生
じ、これが真空度を低下させる原因となるため、長時間
にわたって安定に電子ビームを引き出す上での障害とな
るが、上述した本実施例の構成によれば、チップ4の先
端から有効放射立体角内に電界放射された電子ビームを
上記集束磁界によって上記固定絞り板21の絞り開口内に
絞りこんで、試料室側に極めて効率よく取り出すことが
でき、さらに上述した絞り板や電子源室内壁からのガス
放出も減少するので、長時間にわたって安定に電子ビー
ムを取り出してやることができる。 上下の磁路部材5,14やフランジ1は、磁性材料、例えば
パーマロイや純鉄などで構成し、しかも電子ビーム軸
(電子光学軸)に対して軸対称構造とすることにより、
電子ビームはこれらの磁性材料でその軸周りを均等にシ
ールドされた状態となるので、外部磁界による妨害に対
して極めて強い装置構成となる利点がある。また、電子
源側鏡筒内に超高真空排気ポンプをコンパクトに内蔵さ
せることができるので、鏡筒部構造を著しく小型化して
やることができる。 第2図は、本発明の他の一実施例になる走査形電子顕微
鏡の概略縦断面構造図である。 本実施例において、第1図に示した先の実施例と異なる
点は、先の実施例においては、電子ビームの引出電圧が
そのまま加速電圧となるような構成であったのに対し
て、本実施例においては、アノード23を設けて、電子ビ
ームの引出電圧と加速電圧とを互いに独立して任意に変
えられるようにした点である。すなわち、アノード23
は、絶縁リング22によって他の部分から電気的に絶縁さ
れており、引出電圧電源25から導入端子24を介して電圧
印加できるように構成されている。 かかる構成において、引出電圧電源25によってアノード
23に+V1なる正側の電圧を印加すると、チップ4の先端
から電子ビームが電界放射される。ここで、電子ビーム
の最終加速電圧として例えば1kVを得ようとするなら
ば、加速電圧電源36によりチップ4に−1kVを印加し、
アノード23には引出電圧電源25により+3kV程度の電圧
を印加してやる。このようにすれば、チップ,アノード
間には実際には4kVの引出電圧が印加されることにな
り、チップ4の先端から十分な電子ビーム電流を引き出
すことができる。このように構成することにより、加速
電圧電源36によるチップ4への印加電圧を変えてやるこ
とにより、電子ビームの最終加速電圧を任意に変化させ
ることができる。そして、この加速電圧の変化に伴って
実際にチップ,アノード間に加わる引出電圧も変化する
ことになるが、この引出電圧については、引出電圧電源
25によりアノード23に印加する電圧を適宜に調節してや
ることにより、所要とされる範囲内で任意に設定してや
ることができる。 第3図は、本発明のさらに他の一実施例になる走査形電
子顕微鏡の概略縦断面構造図である。 本実施例では、第2図に示した実施例の構成に加えて、
さらに、イオンポンプを動作させるための磁界を形成さ
せるための磁石12の他に、励磁コイル26を付加し、該コ
イルに流す励磁電流を変えることにより、上,下磁路部
材5,14間に形成される集束磁界の強度を変化させ、もっ
て、加速電圧を変化させた場合にも、電子ビームが固定
絞り板21の開口内を効率よく通過できるように、その集
束状態を調節できるように構成している。 なお、この場合、イオンポンプを動作させるために円筒
リング7内に形成される磁界強度も変化するため、イオ
ンポンプとして排気速度も変化することになるが、この
点を見越して予め排気能力に十分な余裕をもたせておく
ことにより、常に十分な超高真空排気を行なわせること
ができる。 本実施例によれば、加速電圧を変化させる場合にも、常
に電子ビームの集束状態を最適に調節してやることがで
きるので、大電流の電子ビームを効率よく取り出してや
ることができる。 第4図は、本発明のさらに他の一実施例になる走査形電
子顕微鏡の概略縦断面構造図である。 本実施例は、第2図に示した実施例の構成により電子源
側から試料室側に取り出された電子ビームを試料34の表
面上に集束させ、かつそれを偏向走査させることによっ
て、試料表面の高分解能走査像を得るために必要な電子
光学系の具体的構成例についてのものである。 本実施例による電子光学系は、円筒電極27、第1電極2
8、偏向空間形成用電極29、電気絶縁体円筒30、コイル3
1、第2電極32、第3電極33等の構成部品からなってお
り、これら部品からなる電子光学系は予めプリセットさ
れた上で鏡筒部下端に取り付けられ、前述した固定絞り
板21と試料34との間の電子光学軸上に配置されている。
なお、上記した電極やコイルに所要の電圧や電流を供給
するために、導入端子38が鏡筒部外壁を貫通して設けら
れている。 上記したイオンポンプを内蔵した電子源と集束および偏
向走査用の電子光学系とからなる鏡筒部が、試料室37に
真空密に取り付けられ、該試料室内には、試料34から放
出される二次電子を検出するための二次電子検出器35や
試料台39、試料台微動機構40等が設けられている。そし
て、該試料室37内は、真空排気ポンプ41によって少なく
とも10-4Pa程度の真空度に排気できるように構成されて
いる。 このような電子光学系の構成を採ることにより、鏡筒部
全体の構造が著しく小型化されている。具体的寸法例を
示すと、電子線発生部における電子源部の外径寸法は34
mmφ、イオンポンプ部の外径寸法は80mmφであり、電子
光学系部分はその円筒電極27の外径寸法で30mmφであ
り、鏡筒部真空壁の最大外径でも80mmφ、鏡筒部の全長
(高さ)で130mmと云う小型化が実現されている。そし
て、従来一般的な鏡筒部構造のものに比べて重量的にも
1/100以下に軽量化されている。 次に、本実施例における鏡筒部とくに電子光学系部分の
詳細構成および動作について説明する。 第4図において、円筒電極27と第2電極32は共に接地電
位に置かれており、第1電極28と第3電極33には+5〜
+6kVの範囲の直流電圧が印加されている。なお、第1
電極28と第3電極33とは、円筒状の偏向空間形成用電極
29を介して電気的に接続されており、したがって、これ
ら3電極28,29,33は互いに同電位に保たれている。偏向
空間形成用電極29の外側には電気絶縁体円筒30が設けら
れ、その外周には、電子ビームの光軸合わせ用のアライ
メントコイル、非点収差補正用のスチグマコイル、およ
び電子ビーム走査用の偏向コイルを重ね巻きしてなるコ
イル31が設けられている。なお、電気絶縁体円筒30は、
例えばセラミックなどの電気絶縁性が良く、しかも放出
ガスの少ない材料で構成されるのが良い。 かかる構成において、イオンポンプ内蔵型の電子線発生
部から試料室側に取り出された電子ビームは、円筒電極
27の上端面に設けられた開口と第1電極28の中心開口と
の間に形成される電界による静電レンズ作用、および、
第2電極32と第3電極33の中心開口間に形成される電界
による静電レンズ作用によって試料34上に集束される。
加速電圧V0(通常0.5〜2kV)の電子ビームは、円筒電極
27と第1電極28間の高電界によって、上記集束作用を受
けるだけでなく、同時に第1電極28に向かっての加速作
用を受け、最大エネルギーに加速された状態で偏向空間
形成用電極29の内部空間内を走行することになる。そし
て、この空間内において電子ビームの偏向を行なわせる
と共に、電子ビームの光軸合わせや非点収差補正をも行
なわせる構成となっている。 第3電極33と第2電極32間に形成されるレンズ電界は、
静電対物レンズとして働く。一例として、加速電圧V0
1kVにおいて、最下端電極である第2電極32の下面から
試料34の表面までの距離(ワーキングディスタンス)WD
=2mmとした時、試料面上への電子ビーム照射スポット
径(プローブ系)として5〜6nmという値が得られてお
り、これにより低加速電圧でも十分に高分解能での試料
観察が可能になっている。なお、第3電極33と第2電極
32間の距離は2mmとしている。 電子ビームの照射によって試料34から放出される二次電
子は、二次電子検出器35によって検出されるが、最下端
電極である第2電極32は接地電位に置かれているため、
静電型の対物レンズとしたことによって何らの妨害を受
けることなく、効率よく二次電子を検出することができ
る。 以上詳記した実施例による利点は、極めて小型な鏡筒部
構造が実現でき、かつ、高い分解能が得られることであ
る。また、鏡筒内の電子ビーム通路が完全に磁性材料で
シールドされる構造であるため、外部磁場の妨害に対し
て著しく強化されることである。 以上、本発明の種々の実施例について説明してきたが、
本発明はこれらの実施例に示された具体的構成のみに限
定されるものではなく、さらにいろいろな変形応用が可
能である。また、以上の実施例では、本発明を走査型電
子顕微鏡に適用した場合について説明したが、本発明
は、この他にも、例えば、電子線測長装置、オージェ電
子分析装置、電子線描画装置、電子ビームテスタなどの
集束電子線を用いる装置にはそのまま適用することが可
能であり、さらに、イオン顕微鏡、集束イオンビーム装
置、二次イオン質量分析装置などの集束イオンビームを
用いる装置にも単に印加電圧の極性を置換してやる程度
の簡単な変更により容易に適用することができる。本発
明は、このような変形応用をも含むものであることは云
うまでもない。
【発明の効果】
以上詳記したところから明らかなように、本発明によれ
ば、超高真空排気を必要とする荷電粒子線発生部の内部
空間内を鏡筒部内に内蔵させたイオンポンプを用いて高
真空排気させる構成とし、かつ、該イオンポンプを動作
させるために必要な磁界を発生させるための磁界発生源
を、荷電粒子線を集束させるためのレンズ磁界を発生さ
えるための磁界発生源としても共用する構成としている
ため、荷電粒子線発生部の内部空間内を超高真空に維持
して安定な荷電粒子線放射を行なわせることができる上
に、荷電粒子線の放射角を絞りこんで引き出すことによ
り大きなプローブ電流を得ることができ、しかも、その
ために必要な鏡筒部の構造を著しく小型かつ軽量化して
やることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図、および第4図は、それぞれ本
発明の一実施例になる走査型電子顕微鏡の概略縦断面構
造図である。 1:フランジ,2:メタルパッキング,3:絶縁碍子、4:電界放
射チップ、5:上部磁路部材,6:上側円板,7:円筒状リン
グ、8:下側円板,9:絶縁プラグ,10:磁路板、11:ステンレ
ス円筒,12:磁石,13:フラッシング用電源,14:下部磁路部
材,15:フランジ,16:エアロックバルブ、17:ガイド,18:
フランジ、19:エアロックバルブ,20:ガイド,21;固定絞
り板、22:絶縁リング,23:アノード,24:導入端子,25:引
出電圧電源,26:励磁コイル,27:円筒電極,28:第1電極,2
9:偏向空間形成用電極,30:電気絶縁体円筒,31:コイル、
32:第2電極,33:第3電極,34:試料,35:二次電子検出器,
36:加速電圧電源,37:試料室、38:導入端子,39……試料
台,40:試料台微動機構,41:真空排気ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 37/16 37/18 (72)発明者 上田 新次郎 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭48−17964(JP,A) 実開 昭62−2152(JP,U) 実開 昭56−166659JP,U) 実開 昭53−33366(JP,U)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子源から荷電粒子線を発生させる荷
    電粒子線発生手段と、該荷電粒子線発生手段からの荷電
    粒子線を試料面上に集束させる手段と、この集束された
    荷電粒子線を上記試料面上で二次元的に走査させるため
    の偏向手段とを有する荷電粒子線装置において、上記の
    荷電粒子線発生手段からの荷電粒子線を試料面上に集束
    させる手段は、荷電粒子線を通過させるための開口をそ
    れぞれ有する相対向する二つの電極、即ち上記荷電粒子
    源に近い側の第一電極と上記試料に近い側の第二電極と
    を有し、上記第一電極の電位を、上記第二電極の電位に
    対して、上記荷電粒子線が負に帯電した粒子線である場
    合には正極性側の電位に、正に帯電した粒子線である場
    合には負極性側の電位に保つことによって構成されてい
    る静電形対物レンズを具備しており、かつ、上記集束さ
    れた荷電粒子線を上記試料面上で二次元的に走査させる
    ための偏向手段は、上記第二電極の電位に対して、上記
    第一電極の電位と同極性側の電位に保たれた空間内にお
    いて、上記荷電粒子線を偏向させるように構成されてお
    り、さらに、上記荷電粒子源を収容する荷電粒子源側空
    間内にイオンポンプが内蔵され、該イオンポンプを動作
    させるための磁界を形成させるための磁場発生手段を共
    用して、上記荷電粒子源からの荷電粒子線の放射方向に
    対して軸対称な荷電粒子線集束磁界を形成させるごとく
    構成されてなることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 【請求項2】上記荷電粒子源側空間と上記試料を収容す
    る試料室側空間との間に両空間を仕切る仕切壁を付設
    し、該仕切壁の上記荷電粒子源から放射された荷電粒子
    線を上記試料室側空間内に向けて取り出すべき位置に荷
    電粒子線取り出し用の開口を設けてなることを特徴とす
    る請求項1記載の荷電粒子線装置。
  3. 【請求項3】上記荷電粒子線取り出し用開口内に、上記
    荷電粒子源から放射された荷電粒子線を絞りこんで通過
    させるための絞り開口を有する絞り板を付設し、該絞り
    開口が上記両空間の間の差動排気孔としての役割を兼ね
    るごとく構成してなることを特徴とする請求項2記載の
    荷電粒子線装置。
  4. 【請求項4】上記荷電粒子線取り出し用開口を介しての
    上記両空間の間の連通状態を遮断するためのバルブと該
    バルブを開閉するための開閉機構とを付設してなること
    を特徴とする請求項2または3記載の荷電粒子線装置。
  5. 【請求項5】上記仕切壁の上記荷電粒子線取り出し用開
    口とは別の位置に上記両空間を連通させる第二の開口を
    設け、かつ該第二の開口を介しての上記両空間の間の連
    通状態を遮断するための第二のバルブと該第二のバルブ
    を開閉するための第二の開閉機構とを付設してなること
    を特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の荷電
    粒子線装置。
  6. 【請求項6】上記イオンポンプを動作させるための磁界
    を形成させるための磁場発生手段は、永久磁石からなる
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    荷電粒子線装置。
  7. 【請求項7】上記イオンポンプを動作させるための磁界
    を形成させるための磁場発生手段は、永久磁石と可変励
    磁の電磁コイルとからなることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の荷電粒子線装置。
  8. 【請求項8】上記荷電粒子源を収容する荷電粒子源側空
    間は、磁性材料からなる磁気シールド部材によって、外
    部磁界からシールドされていることを特徴とする請求項
    1ないし7のいずれかに記載の荷電粒子線装置。
  9. 【請求項9】上記磁気シールド部材は、上記イオンポン
    プを動作させるための磁界を形成するための磁路部材を
    兼ねていることを特徴とする請求項8記載の荷電粒子線
    装置。
  10. 【請求項10】上記荷電粒子線発生手段は、上記荷電粒
    子源に対向して配置されたアノード電極を具備してお
    り、上記荷電粒子源には荷電粒子線の最終加速電圧に対
    応する電圧が印加され、上記アノード電極には上記荷電
    粒子源からの荷電粒子線引出電圧を決めるための電圧が
    印加されていることを特徴とする請求項1ないし9のい
    ずれかに記載の荷電粒子線装置。
  11. 【請求項11】上記荷電粒子源は、電界放射型の電子源
    であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに
    記載の荷電粒子線装置。
JP2211579A 1990-06-20 1990-08-13 荷電粒子線装置 Expired - Lifetime JPH0779016B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2211579A JPH0779016B2 (ja) 1990-08-13 1990-08-13 荷電粒子線装置
US07/717,018 US5254856A (en) 1990-06-20 1991-06-18 Charged particle beam apparatus having particular electrostatic objective lens and vacuum pump systems
EP91109941A EP0462554B1 (en) 1990-06-20 1991-06-18 Charged particle beam apparatus
DE69132441T DE69132441T2 (de) 1990-06-20 1991-06-18 Ladungsträgerstrahlgerät
US08/137,965 US5442183A (en) 1990-06-20 1993-10-19 Charged particle beam apparatus including means for maintaining a vacuum seal

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2211579A JPH0779016B2 (ja) 1990-08-13 1990-08-13 荷電粒子線装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0498746A JPH0498746A (ja) 1992-03-31
JPH0779016B2 true JPH0779016B2 (ja) 1995-08-23

Family

ID=16608103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2211579A Expired - Lifetime JPH0779016B2 (ja) 1990-06-20 1990-08-13 荷電粒子線装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0779016B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5290238B2 (ja) * 2010-05-21 2013-09-18 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子顕微鏡
JP5993356B2 (ja) * 2013-08-22 2016-09-14 株式会社 テクネックス工房 走査型電子顕微鏡
JP6872380B2 (ja) * 2017-02-03 2021-05-19 日立造船株式会社 ノズル式電子線照射装置
US10410827B2 (en) * 2017-05-03 2019-09-10 Fei Company Gun lens design in a charged particle microscope

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5333366U (ja) * 1976-08-27 1978-03-23
JPS56166659U (ja) * 1980-05-14 1981-12-10
JPH0348838Y2 (ja) * 1985-06-20 1991-10-18

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
実開昭56−166659JP,U)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0498746A (ja) 1992-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2732961B2 (ja) 荷電粒子線装置
US5254856A (en) Charged particle beam apparatus having particular electrostatic objective lens and vacuum pump systems
KR100496496B1 (ko) 하전 입자 빔 장치용 광 컬럼
EP0594084B1 (en) Scanning electron microscope
Tromp et al. Design of a new photo-emission/low-energy electron microscope for surface studies
Dellby et al. Dedicated STEM for 200 to 40 keV operation
Rempfer et al. Design and performance of a high-resolution photoelectron microscope
US20080067396A1 (en) Electron Lens and Charged Particle Beam Apparatus
JPH044548A (ja) 荷電粒子線装置
WO2013129143A1 (ja) 荷電粒子線装置
JPH03504059A (ja) 高分解能プラズマ質量スペクトロメータ
CN108352284B (zh) 宽场大气压扫描电子显微镜
US6686590B2 (en) Low-vacuum scanning electron microscope
WO2017168557A1 (ja) 真空装置及び真空ポンプ
JPH0779016B2 (ja) 荷電粒子線装置
US6897450B2 (en) Electromagnetic field superimposed lens and electron beam device using this electromagnetic field superimposed lens
JP2746573B2 (ja) 荷電粒子線装置
US4020387A (en) Field emission electron gun
US3931519A (en) Field emission electron gun
US3931517A (en) Field emission electron gun
JP3739141B2 (ja) 電離真空計
US3925664A (en) Field emission electron gun
JPH1012176A (ja) 形状観察装置
JP3369020B2 (ja) 超小型走査電子顕微鏡
Blum et al. Development of a mass spectrometer design Final report, Jun. 1, 1964-Dec. 31, 1964

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070823

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080823

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080823

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090823

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100823

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term